JP6102536B2 - 静電潜像現像用二成分現像剤及び電子写真画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、静電潜像現像用二成分現像剤及び電子写真画像形成方法に関し、更に詳しくは、高温高湿条件下においても、かぶり及びトナー飛散の発生がなく、さらにエッジ効果の発生がない高画質の画像が得られる静電潜像現像用二成分現像剤及び当該静電潜像現像用二成分現像剤を用いた電子写真画像形成方法に関する。
近年、電子写真は商業印刷分野でも活用されつつあり、「高品質の画像をいつでも安定して供給可能であること」が求められている。こうした要求を満たすためには、プリント時の温湿度環境の変動や多数枚プリントによる劣化の影響を受けにくい耐久性の高い静電潜像現像用二成分現像剤が必要である。
温湿度環境の変動による現像剤の帯電量変動を小さくするために、キャリア芯材粒子を疎水性の樹脂で被覆した樹脂被覆キャリア粒子が検討されている。
例えば、キャリア芯材粒子をシリコーン樹脂で被覆したシリコーンキャリア粒子が提案されているが、シリコーン樹脂は、被覆層が硬く、摩耗しにくいため、トナーがスペント(トナーの破砕物やトナーの外添剤、あるいはトナー母体粒子の成分などがキャリア表面に付着することをスペントという。)すると、樹脂被覆層の減耗によるリフレッシュ効果(スペントで汚染されていないフレッシュな樹脂面が露出することをいう。)が得られないため、スペントが蓄積し、帯電量が次第に低下してしまう。
キャリア粒子表面へのトナースペントの蓄積を防止するためには、被覆用樹脂として適度に摩耗し、樹脂被覆層の表面がリフレッシュできる樹脂が好ましく、このような樹脂として、脂環式メタクリル酸エステル単量体と鎖式メタクリル酸エステル単量体との共重合樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、トナーのスペントを防止する目的で、トナーとの付着力が小さく、かつプリント数の増加により樹脂被覆層が適度に摩耗し、水との接触角が大きい樹脂として非水系で重合したメタクリル酸イソブチル単量体を重合した樹脂が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、一方で、キャリア芯材粒子に電気抵抗の高い樹脂を被覆するとキャリアの電気抵抗が大きくなるため、キャリアの電気抵抗を調整する目的で樹脂被覆層中にカーボンブラックを分散させる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、メタクリル酸イソブチル単量体を重合した樹脂にカーボンブラックを分散すると、樹脂の疎水性が高すぎるために樹脂被覆層中に均一にカーボンブラックを分散させることが難しく、カーボンブラックの分散が不十分となり、結果として、電気抵抗調整の効果が低く、画像にエッジ効果が発生したり、あるいは帯電量にむら(帯電量分布が広がること)を生じるといった問題があった。
ここで、エッジ効果とは、面積の広いソリッド部(べた黒)の画像の周辺部で濃度が高く、中央部が低く現像される現象のことをいう。電子写真感光体上に形成される静電潜像の境界部分では強い電界(縁端電界という。)が生じ、現像されやすく、一方広い面積の中ほどの静電潜像部においては電界が弱く、現像され難いために起こる現象である。この現象は、現像電極(対向電極)を近接して配置することにより、エッジ効果による濃度差を少なくすることができる。
一方、高精細で高画質の画像を得るために懸濁重合法や乳化凝集法などで作製された球形で小粒径のケミカルトナーが用いられるようになってきている。これらのケミカルトナーは、水系媒体中で製造するため水分を吸着しやすく、粉砕トナーに比べて温湿度環境の変動に対して帯電量の変動が大きいという特徴を持っている。これらのケミカルトナーは帯電量の環境依存性が高いため、メタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂で被覆したキャリアを用いても温湿度環境の変動によって、トナーの帯電量が大きく変動してしまうという問題があった。
特許第3691085号公報 特開平7−219280号公報 特開昭56−126843号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、温湿度環境の変動に伴うトナーの帯電量変動、特に、高温高湿環境下における帯電量の低下に伴うかぶり及びトナー飛散を防止し、さらにエッジ効果の発生しない高画質の画像を安定して得ることができる高耐久性の静電潜像現像用二成分現像剤を提供することである。さらに当該静電潜像現像用二成分現像剤を用いた電子写真画像形成方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、キャリアの被覆樹脂が、極性基を有しており、かつメタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂とカーボンブラックとを含有していることよって、高温高湿環境下における帯電量の低下に伴うかぶり及びトナー飛散を防止し、かつエッジ効果の発生がない高画質の画像を安定して得ることができる高耐久性の静電潜像現像用二成分現像剤を提供することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.トナー粒子と、キャリア芯材粒子の表面を被覆用樹脂で被覆したキャリア粒子とを含有する静電潜像現像用二成分現像剤であって、当該被覆用樹脂が、スルホン酸基又はスルホン酸塩基を有しており、かつメタクリル酸イソブチル単量体の重合反応物である樹脂とカーボンブラックとを含有しており、当該被覆用樹脂中におけるイオウ元素(S)と炭素元素(C)の含有量の比の値(S/C)が、X線光電子分光分析装置による測定で、0.002〜0.01の範囲内であることを特徴とする静電潜像現像用二成分現像剤。
.前記被覆用樹脂が含有している極性基が、当該被覆用樹脂の分子鎖末端に、スルホン酸基又はスルホン酸塩基として含有されていることを特徴とする第1項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
.前記被覆用樹脂が、メタクリル酸イソブチル単量体を共重合成分として20質量%以上含有させた樹脂であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
.前記被覆用樹脂の重量平均分子量が、30万〜100万の範囲内であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
5.前記被覆用樹脂中が含有しているカーボンブラックの含有量が、当該被覆用樹脂100質量部に対して1〜20質量部の範囲内であることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
.少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法において、当該現像工程において用いられる静電潜像現像用二成分現像剤が、第1項から第項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
本発明の上記手段により、温湿度環境の変動に伴うトナーの帯電量変動、特に、高温高湿環境下における帯電量の低下に伴うかぶり及びトナー飛散を防止し、かつエッジ効果の発生がない高画質の画像を安定して得ることができる高耐久性の静電潜像現像用二成分現像剤を提供することができる。また、当該静電潜像現像用二成分現像剤を用いた電子写真画像形成方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明においては、耐摩耗性向上と、高温高湿環境下での水分吸着による帯電量低下を防止するため、鎖式メタクリル酸エステル樹脂として、疎水性の高いメタクリル酸イソブチル単量体を重合した樹脂を用いる。メタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂は、疎水性が高いため、カーボンブラックを添加すると、親水性の高いカーボンブラック同士が凝集し、樹脂被覆層内でカーボンブラックを均一に分散させることができない。
分散性が悪い理由は、カーボンブラックの親水性が高い、すなわち、カーボンブラック内に極性基が多いためと考えられる。キャリア粒子の樹脂被覆層内でカーボンブラックの分散性が悪いと抵抗調整剤としての効果が十分に発揮されず、樹脂被覆層の電気抵抗が大きくなってしまう、すなわち、キャリアの電気抵抗が大きくなってしまうためエッジ効果が発生してしまう。また、キャリア表面の帯電性が均一でないため、トナーの帯電量分布が広がり、かぶりが発生してしまう。
そこで、被覆用樹脂に極性基を導入することで、被覆用樹脂とカーボンブラックとの親和性を高めることができるので、カーボンブラック同士の凝集を抑制し、分散性を改善することができる。その結果、樹脂被覆層の電気抵抗を小さくすることができるので、エッジ効果の改善効果と、温湿度環境の変動による帯電量の変動を抑制する効果の両立を図ることができるものと考えられる。
本発明の静電潜像現像用二成分現像剤は、トナー粒子と、キャリア芯材粒子の表面を被覆用樹脂で被覆したキャリア粒子とを含有する静電潜像現像用二成分現像剤(以下、単に「二成分現像剤」ともいう。)であって、当該被覆用樹脂が、極性基を有しており、かつメタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂とカーボンブラックとを含有していることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項8までの請求項に係る発明に共通の技術的特徴である。
本発明の実施態様として、本発明の効果発現の観点から前記被覆用樹脂が有する極性基が、スルホン酸基又はスルホン酸塩基であることが、被覆用樹脂の極性を高くすることができ、カーボンブラックの分散性の改善効果が高いので好ましい。
また、前記被覆用樹脂が含有している極性基が、当該被覆用樹脂の分子鎖末端に、スルホン酸基又はスルホン酸塩基として含有されていることで、樹脂の構造中に含有されている時よりも分子の運動がしやすいため、カーボンブラックとの相互作用がより大きく、カーボンブラックの分散性の改善効果がより高いので好ましい。
さらに、前記被覆用樹脂が、メタクリル酸イソブチル単量体を共重合成分として20質量%以上含有させた樹脂であることが、被覆用樹脂の疎水性を高くすることができるので好ましい。
また、前記被覆用樹脂の重量平均分子量が、30万〜100万の範囲内であると樹脂の強度がある程度高くなり、適度な膜減耗によりキャリア表面をリフレッシュするため好ましい。
また、前記被覆用樹脂が含有しているカーボンブラックの含有量が、当該被覆用樹脂100質量部に対して1〜20質量部の範囲内であることが、キャリアの電気抵抗率を好ましい範囲内に調整できるので好ましい。
また、前記被覆用樹脂が含有している極性基が、スルホン酸基又はスルホン酸塩基であって、当該被覆用樹脂中におけるイオウ元素の含有率が、X線光電子分光分析装置による測定で、イオウ元素(S)と炭素元素(C)の含有量の比の値(S/C)が、0.002〜0.01の範囲内であることが、被覆用樹脂の極性を好ましい範囲に制御できるので好ましい。
また、本発明の二成分現像剤は、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法に好適に用いられ得る。
以下、本発明の二成分現像剤について説明する。
≪二成分現像剤≫
本発明の二成分現像剤は、トナー粒子と、キャリア芯材粒子の表面を被覆用樹脂で被覆したキャリア粒子とを含有する二成分現像剤であって、当該被覆用樹脂が、極性基を有しており、かつメタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂とカーボンブラックとを含有していることを特徴とする。
以下、本発明の二成分現像剤の構成要素について順を追って説明する。
<キャリア>
(キャリア芯材粒子)
本発明の二成分現像剤を構成するキャリアはキャリア芯材粒子を樹脂で被覆したキャリア粒子を含有する。
キャリア芯材粒子としては、例えば、鉄粉などの金属粉の他、各種フェライト粒子又はそれらを樹脂中に分散させた粒子を挙げることができる。これらの中では、フェライト粒子が好ましい。
キャリア芯材のフェライトは、式:(MO)(Feで表される化合物で、フェライトを構成するFeのモル比yを30モル%から95モル%とすることが好ましく、組成比yが前記範囲の値となるフェライト粒子は、所望の磁化を得やすいので、キャリア付着を起こしにくいキャリアを作製できる等のメリットを有する。式中のMは、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、コバルト(Co)、リチウム(Li)等の金属原子で、これらを単独又は複数種類組み合わせて使用することが可能である。
本発明で使用されるキャリア粒子は、その体積基準におけるメディアン径(D50)が15〜80μmの範囲内のものが好ましく、20〜70μmの範囲内のものがより好ましい。キャリア粒子の体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより高画質のトナー画像を安定して形成することが可能になる。前記芯材粒子及びキャリア粒子の体積基準メディアン径は、湿式分散装置を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス アンド ロドス(HELOS & RODOS)」(シンパテック社(Sympatec)製)により測定が可能である。
また、本発明で使用されるキャリアは、その電気抵抗率が、10〜1012Ω・cmの範囲内のものが好ましく、10〜1011Ω・cmの範囲内であるものがより好ましい。キャリアの電気抵抗率を上記範囲とすることにより高濃度のトナー画像形成に最適なものになる。
また、本発明で使用されるキャリアは、その飽和磁化が30〜80Am/kgの範囲内、残留磁化が5.0Am/kg以下のものが好ましい。このような磁気特性を有するキャリアを用いることにより、キャリアが部分的に凝集することが防止され、現像剤搬送部材の表面に二成分現像剤が均一分散されて、濃度むらがなく、均一できめの細かいトナー画像を形成することが可能になる。
残留磁化は、フェライトを用いることにより小さくできる。なお、残留磁化が小さいとキャリア自身の流動性が良好となり、均一なかさ密度の二成分現像剤を得ることができる。
(被覆用樹脂)
本発明の二成分現像剤に用いられるキャリア粒子は、前述のキャリア芯材粒子をメタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂で被覆されたキャリア粒子を含有する。
メタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂としては、メタクリル酸イソブチル単量体を単独で重合して得られた樹脂でもよいし、他の単量体との共重合樹脂でもよく、樹脂中メタクリル酸イソブチル単量体を20質量%以上含有させて重合して得られた樹脂であることが好ましい。メタクリル酸イソブチル単量体が上記範囲内であると優れた疎水性の効果が得られ、温湿度環境の変動による帯電量の変動を小さくすることができる。
樹脂被覆層を形成する樹脂としては、メタクリル酸イソブチルの単独重合体の他、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどの鎖式メタクリル酸エステル単量体、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル環を有するメタクリル酸シクロプロピル、メタクリル酸シクロブチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチルなどの脂環式メタクリル酸エステル単量体、スチレン、α−メチルスチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン系単量体との共重合体などが挙げられる。アクリル系樹脂の中では、耐摩耗性と電気抵抗を両立させる観点から、鎖式メタクリル酸エステル単量体との共重合体が好ましく、中でもメタクリル酸メチルが好ましい。
また、メタクリル酸イソブチル単量体を重合して得られた樹脂の重量平均分子量は、30万〜100万の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると樹脂被覆層の耐摩耗性と適度な減耗性とを両立することができる。
(重量平均分子量の測定法)
被覆用樹脂の重量平均分子量の測定は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフ)を用いて行う。
すなわち、濃度1mg/mlになるように測定試料をテトラヒドロフランに溶解させる。溶解条件としては、室温にて超音波分散機を用いて5分間行う。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理した後、GPCへ10μL試料溶解液を注入する。
GPCの測定条件
装置:HLC−8220(東ソー製)
カラム:TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連(東ソー製)
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:0.2ml/min
検出器:屈折率検出器(RI検出器)
試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
(極性基)
本発明に係るキャリア粒子に用いられる被覆用樹脂は、樹脂中に極性基を有する。極性基は、樹脂中に含まれていればよく、極性基を有する単量体を共重合成分として用いてもよいし、樹脂中に極性基を有する化合物を添加することによって含有させてもよい。好ましい極性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基及びこれらの塩が挙げられる。これらの中でも極性基がスルホン酸基又はスルホン酸塩基であることが好ましい。スルホン酸基(−SOH)及びスルホン酸塩基は極性が高いので、カーボンブラックの極性基との相互作用が大きいため、凝集抑制効果が高く、分散性の改善に効果があると考えられる。
極性基を導入する方法としては、これらの共重合体を構成する単量体の一部をヒドロキシ基、カルボキシ基、リン酸基又はスルホン酸基などの極性基で置換したものを用いる方法や、重合開始剤として、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩を用いることが好ましい。過硫酸塩を重合開始剤として用いることにより、樹脂の分子鎖末端に、極性基を導入することができる。
その他の方法としては、懸濁重合法又は乳化重合法によって樹脂を重合し、その際、界面活性剤として、分子中にスルホン酸基、リン酸基、スルホン酸塩基又はリン酸塩基を有する界面活性を用いて重合して得られた樹脂中に界面活性剤を残存させることによってスルホン酸基、リン酸基、スルホン酸塩基又はリン酸塩基を導入することができる。
(極性基を有する重合開始剤)
本発明に係るキャリア粒子の被覆用樹脂の重合に用いることができる極性基を有する重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム(KHSO)、過硫酸ナトリウム(NaHSO)、過硫酸アンモニウム(NHSO)などの過硫酸塩、過酸化アセチルなどの過酸化物が挙げられる。過酸化アセチルなどの過酸化物はカルボキシ基を導入することができる。
これらの中でも、過硫酸カリウム(KHSO)、過硫酸アンモニウム(NHSO)などの過硫酸塩が、スルホン酸基又はスルホン酸塩基を分子末端に導入できるため好ましい。
(極性基を有する界面活性剤)
極性基を有する界面活性剤としては、アニオン性の界面活性剤が好ましい。アニオン性の界面活性剤としては、親水基としてスルホン酸基又はスルホン酸塩基を有する界面活性剤が好ましい。このような界面活性剤としては、モノアルキル硫酸塩(ROSO )、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩(RO(CHCHO)SO )又はアルキルベンゼンスルホン酸塩(RR′CHCHCSO )が挙げられる。これらの界面活性剤としては、具体的には、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸アンモニウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸トリエタノールアミン、高級アルコールスルホン酸ナトトリウム及びラウリルスルホン酸トリエタノールアミン等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
上述の方法を用いることにより、被覆用樹脂中にスルホン酸塩基を含有させることができる。被覆用樹脂中におけるスルホン酸塩基の含有量は、X線光電子分光分析装置による測定で、イオウ元素(S)と炭素元素(C)の含有量の比の値(S/C)が、0.002〜0.01の範囲内であることが好ましい。
(イオウ元素の測定法)
被覆用樹脂中に含まれるイオウ元素は、X線光電子分光分析装置を用いることによって測定する。
具体的には、X線光電子分光分析装置「K−Alpha」(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて、下記の分析条件によってイオウ元素と炭素元素の定量分析を行い、各々の原子ピーク面積から相対感度因子を用いて、表面元素濃度を算出し、硫黄元素の表面元素濃度(S)と炭素元素の表面元素濃度(C)の比の値(S/C)を計算することによりイオウ元素の含有率を算出する。
(前準備)ビーカーに、現像剤、少量の中性洗剤、純水を添加してよくなじませ、ビーカー底に磁石を当てながら上澄み液を捨てる。さらに、純水を添加し上澄み液を捨てることで、トナー及び中性洗剤を除くことで、キャリアのみを分離する。40℃にて乾燥し、キャリア単体を得る。
(サンプルの作製)
粉体用測定プレートの穴(直径3mm、深さ1mm)の中に、キャリアを入れ、表面をすりきったものを測定サンプルとする。
(測定条件)
X線 :Alモノクロ線源
加速 :12kV、6mA
分解能 :50eV
ビーム系 :400μm
パスエネルギー:50eV
ステップサイズ:0.1eV
(カーボンブラック)
本発明の樹脂被覆層に含有されるカーボンブラックは、任意のカーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックはその製造方法により特性が変化するが、本発明に用いられるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック及びサーマルブラック等が挙げられる。カーボンブラックの電気抵抗率は、1×10−2〜1×10Ω・cmの範囲内であることがキャリアの電気抵抗率を調整する上で好ましい。
カーボンブラックの含有量は、被覆用樹脂100質量部に対して、1〜20質量部の範囲内であることが好ましい。この範囲内であるとキャリアの電気抵抗率を好ましい範囲内に制御することができる。
(キャリア粒子の作製方法(樹脂被覆方法))
本発明に係るキャリア粒子とは、キャリア芯材粒子を樹脂で被覆したものである。キャリア芯材粒子に樹脂を被覆する方法としては、乾式コーティング法が好ましい。乾式コーティング法としては、例えばローターとライナーを有するハイブリダイザー(奈良機械社製)等を用いてもよいが、好ましくは水平撹拌羽根付き高速撹拌混合機が用いられる。
(樹脂被覆層の平均膜厚)
キャリア粒子の樹脂被覆層の平均膜厚は、キャリアの耐久性と低電気抵抗化の両立の観点より0.05〜4.0μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜3.0μmの範囲内である。この範囲内であると、帯電性と耐久性を好ましい範囲に設定することができる。樹脂被覆層の膜厚は、以下の方法により算出される値である。
集束イオンビーム装置「SMI2050」((株)日立ハイテクサイエンス製)にてキャリア薄片を作製し、その後、その薄片の断面を透過型電子顕微鏡「JEM−2010F」(日本電子(株)製)にて5000倍の視野で観察し、その視野における最大膜厚となる部分と最小膜厚となる部分の平均値を樹脂被覆層の平均膜厚とする。
<トナー>
本発明の二成分現像剤を構成するトナーは、トナー母体粒子に外添剤を付着させたトナー粒子を含有する。
(トナー母体粒子)
本発明に係るトナー母体粒子としては、具体的には少なくとも結着樹脂(以下、「トナー用樹脂」ともいう。)を含有し、必要に応じて着色剤を含有するトナー母体粒子よりなるものである。また、このトナー母体粒子には、必要に応じて、さらに離型剤及び荷電制御剤などの他の成分を含有することもできる。
(結着樹脂)
トナー母体粒子を構成する結着樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
このような結着樹脂としては、一般にトナーを構成する結着樹脂として用いられているものを特に制限なく用いることができ、具体的には、例えば、スチレン系樹脂やアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂、アミド樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。
この中でも、溶融特性が低粘度で高いシャープメルト性を有するスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合体樹脂及びポリエステル樹脂が好適に挙げられる。主要樹脂として、スチレンアクリル系共重合体樹脂を50%以上用いることが好ましい。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、結着樹脂を得るための重合性単量体としては、例えばスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、などのアクリレートエステル系単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、エチルヘキシルメタクリレートなどのメタクリレートエステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸などのカルボン酸系単量体などを使用することができる。
これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記のようにイオウ元素を含む界面活性剤を用いて乳化重合法により重合した樹脂の水系分散液と着色剤の水系分散液とを混合し、凝集、融着することによりトナー母体粒子を作製することにより、トナー母体粒子中に界面活性剤を残存させてイオウ元素を導入することもできる。
トナーを構成する結着樹脂としては、低温定着化の観点からガラス転移点温度(Tg)が30〜50℃であることが好ましい。ガラス転移点温度がこの範囲内であると低温定着性と耐熱保管性が良好となる。
結着樹脂のガラス転移点温度の測定は、示差走査熱量測定装置「ダイアモンド DSC」(パーキンエルマー社製)を用いて行うことができる。
測定手順としては、トナー3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、ホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、加熱−冷却−加熱(Heat−Cool−Heat)の温度制御で行い、その2回目の加熱(2nd.Heat)におけるデータをもとに解析を行う。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
さらに、結着樹脂の軟化点温度が80〜130℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは90〜120℃である。軟化点温度は、例えば、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)によって測定することができる。
(着色剤)
トナーを構成する着色剤としては、カーボンブラック、磁性体の他、有機着色剤を任意に使用することができる。
有機着色剤としてはC.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同7、同15、同16、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同123、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同208、同209、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー3、同9、同14、同17、同35、同36、同65、同74、同83、同93、同94、同98、同110、同111、同138、同139、同153、同155、同180、同181、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同15:4、同60、中心金属が亜鉛、チタン、マグネシウムなどであるフタロシアニン顔料などを用いることができ、これらの混合物も用いることができる。染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同3、同14、同17、同18、同22、同23、同49、同51、同52、同58、同63、同87、同111、同122、同127、同128、同131、同145、同146、同149、同150、同151、同152、同153、同154、同155、同156、同157、同158、同176、同179、ピラゾロトリアゾールアゾ染料、ピラゾロトリアゾールアゾメチン染料、ピラゾロンアゾ染料、ピラゾロンアゾメチン染料、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
(離型剤)
トナーには、離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス及び蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナー母体粒子中における離型剤の含有割合としては、トナー母体粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常1〜30質量部とされ、より好ましくは、5〜20質量部の範囲とされる。
(荷電制御剤)
トナーには、荷電制御剤が含有されていてもよい。例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物及び含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。
トナー母体粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部の範囲とされる。
(トナー母体粒子の製造方法)
本発明に係るトナーは、トナー母体粒子に外添剤が添加されてなるものであるが、当該トナー母体粒子を製造する方法としては、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法及び分散重合法などが挙げられる。
これらの中でも、高画質化、高安定性に有利となる粒子径の均一性、形状の制御性、コアシェル構造形成の容易性の観点より、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された樹脂微粒子の分散液を、必要に応じて着色剤微粒子などのトナー母体粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒子径となるまで凝集させ、その後又は凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー母体粒子を製造する方法である。
ここで、樹脂微粒子を、任意に離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有したものとしてもよく、組成の異なる樹脂によりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
また、凝集時に、異種の樹脂微粒子を添加し、コア・シェル構造のトナー母体粒子とすることもトナー構造設計の観点から好ましい。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法又は転相乳化法などにより製造又はいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
(外添剤)
トナー母体粒子は、そのままトナー粒子として使用することが可能であるが、トナーとしての帯電性能や流動性、あるいはクリーニング性を向上させる観点から、その表面に公知の無機微粒子や有機微粒子などの粒子、滑材を外添剤として添加することができる。
外添剤としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子を使用することが好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。また、無機微粒子としては数平均一次粒子径が5〜40nm程度のものを使用することができる。
(外添剤添加方法)
外添剤添加方法は、乾燥処理したトナー母体粒子に必要に応じて外添剤を添加、混合することにより、トナー粒子を作製する。
外添剤の添加方法としては、乾燥されたトナー母体粒子に外添剤を粉体で添加する乾式法が挙げられ、混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置が挙げられる。
(トナー粒子の粒径)
本発明に係るトナー粒子の粒径は、体積基準のメディアン径(D50)で3〜8μmの範囲内であることが好ましい。
トナー粒子の体積基準のメディアン径(D50)は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「ソフトウェア V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定されるものである。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加してなじませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「アイソトンII(ISOTONII)」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメディアン径(D50)とされる。
(平均円形度)
本発明に係るトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.900〜0.970の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.930〜0.965の範囲内である。なお、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(シスメックス社(Sysmex社)製)を用いて測定することができる。具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(1)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出した値である。下記式(1)において、「円相当径」とは粒子像と同じ面積を有する円の直径をいう。
式(1):
円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長
<現像剤の作製方法>
本発明の二成分現像剤は、キャリアとトナーを、混合装置を用いて混合することで作製することができる。
混合装置としては、例えばヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、V型混合機を挙げることができる。
キャリアとトナーとの配合比は、キャリア100質量部に対してトナー3〜15質量部の範囲内が好ましく、4〜10質量部の範囲内がより好ましい。
≪電子写真画像形成方法≫
本発明の二成分現像剤は、電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。例えば、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法に用いることができる。フルカラーの画像形成方法では、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、一つの静電潜像担持体(「電子写真感光体」又は単に「感光体」ともいう。)とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置及び静電潜像担持体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。
電子写真画像形成方法としては、具体的には、本発明の二成分現像剤を使用して、例えば静電潜像担持体上に帯電装置にて帯電(帯電工程)し、像露光することにより静電的に形成された静電潜像(露光工程)を、現像装置において本発明の静電潜像現像用現像剤中のキャリアでトナーを帯電させて現像することにより顕像化させてトナー画像を得る(現像工程)。そして、このトナー画像を用紙に転写(転写工程)し、その後、用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式等の定着処理によって用紙に定着(定着工程)させることにより、可視画像が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。
≪キャリア被覆用樹脂の製造≫
<被覆用樹脂1の製造>
0.3質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液中に、メタクリル酸イソブチル及びメタクリル酸メチルの各単量体を「単量体質量比=50:50の比率」(共重合比)で添加し、単量体総量の0.5質量%にあたる量の過硫酸カリウムを添加して乳化重合を行い、スプレードライで乾燥することで、「被覆用樹脂1」を作製した。得られた被覆用樹脂1の重量平均分子量は50万であった。なお、重量平均分子量は公知の測定装置を用いて測定した値である。
<キャリア樹脂2の製造>
被覆用樹脂1の過硫酸カリウムを0.2質量%にした以外、被覆樹脂1と同様にして、被覆樹脂2を得た。
<被覆用樹脂3の製造>
被覆用樹脂1の製造において、の過硫酸カリウムを0.7質量%にした以外、被覆用樹脂1と同様にして、被覆用樹脂3を得た。
<被覆用樹脂4の製造>
被覆用樹脂1の製造において、の過硫酸カリウムを1.5質量%にした以外、被覆用樹脂1と同様にして、被覆用樹脂4を得た。
<被覆用樹脂5〜8、11〜14、16〜19の製造>
表1に示す原材料を用いて、被覆用樹脂1と同様にして被覆用樹脂5〜8、11〜14、16〜19を得た。
<被覆用樹脂9の製造>
被覆用樹脂1の製造において、乳化重合後、0.5質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムを追添加した後、スプレードライで乾燥することで、被覆用樹脂10を得た。
<被覆用樹脂10の製造>
被覆用樹脂1の製造において、乳化重合後、0.8質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムを追添加した後、スプレードライで乾燥することで、被覆用樹脂10を得た。
<キャリア樹脂15の製造>
被覆用樹脂14の製造において、乳化重合後、10倍量のイオン交換水で3回洗浄したのち、スプレードライで乾燥させることで、被覆用樹脂15を得た。
<被覆用樹脂20の製造>
メタクリル酸イソブチル及びメタクリル酸メチルの各単量体(単量体質量比=50:50)と過酸化ベンゾイルを0.3質量%を用いて、塊状重合し、被覆用樹脂20を得た。
Figure 0006102536
<キャリアの製造>
(キャリア芯材粒子の準備)
体積平均径が60μm、飽和磁化が63A・m/kgのMn−Mg系の「フェライト粒子1」を準備した。
<キャリア1の作製>
水平撹拌羽根付き高速撹拌混合機に、上記で準備した「フェライト粒子1」100質量部と、「被覆用樹脂1」を3.5質量部、「カーボンブラック」(モーガルL:キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)0.175質量部投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌した後、120℃で50分混合して機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設け、「キャリア1」を作製した。
<キャリア2〜24の作製>
表2に示す原材料を用いて、キャリア1と同様にして、キャリア2〜24を得た。
<トナー>
トナーは、高速モノクロオンデマンド印刷システム「bizhub PRO 1050」(コニカミノルタ社製)のトナーを使用した。
<現像剤の作製>
(二成分現像剤1の作製)
「キャリア1」95質量部と上記「トナー」5質量部とを混合して二成分現像剤1を作製した。現像剤の作製は、常温常湿(温度20℃、相対湿度50%RH)環境下で、Vブレンダーを用いてトナーとキャリアを混合することにより行った。Vブレンダーの回転数を20rpm、撹拌時間を20分にして処理を行い、さらに、混合物を目開き125μmのメッシュで篩い分けて作製した。
(二成分現像剤2〜24の作製)
キャリア2〜24及び上記トナーを用いて、二成分現像剤1と同様にして、二成分現像剤2〜24を得た。二成分現像剤20〜24(キャリア20〜24)は比較用の二成分現像剤である。
Figure 0006102536
≪評価≫
二成分現像剤の評価装置として、市販の高速モノクロオンデマンド印刷システム「bizhub PRO 1050」(コニカミノルタ社製)を準備し、上記で作製した二成分現像剤を順次装填し、50万枚のプリントを行った。
なお、プリントは、常温常湿(20℃・50%RH)と高温高湿(30℃・80%RH)の環境で、印字率5%の文字画像をA4判の転写紙に50万枚行った。
(かぶりの評価)
かぶりは、常温常湿(20℃・50%RH)、高温高湿環境(30℃・80%RH)のプリント環境で、印字率5%の文字画像を50万枚プリント後と初期で、白紙をプリントし、転写材の白紙濃度で評価した。転写材の白紙濃度はA4判の20か所を測定し、その平均値を白紙濃度とする。濃度測定は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。なお、かぶりは、0.01以下を合格とする。
(トナーの機内飛散の評価)
トナーの機内飛散は、高温高湿環境(30℃・80%RH)のプリント環境で、白紙を50万枚プリント後、トナーの機内への飛散状況を目視で観察し評価した。なお、トナーの機内飛散は◎と○を合格とする。
(評価基準)
◎:機内がトナーにて汚れていない状態
○:僅かに機内へのトナー飛散が見られる状態
×:トナー飛散が非常に多く、機内をメンテナンスする必要がある状態。
(エッジ効果)
初期における、出力された2cm×5cmのべた黒画像中央部の画像濃度と端部の画像濃度の差を目視評価した。◎と○を合格とする。
(判定基準)
◎:差がない
○:若干差があるものの許容できる
×:差は許容できない
Figure 0006102536
以上の結果から明らかなように、本発明の二成分現像剤1〜19は、初期及び50万プリント後において、かぶり、トナー飛散の発生がなく、またエッジ効果の発生もなく優れた特性を有するものであった。
これに対して比較用現像剤20〜24は、かぶり、トナー飛散、エッジ効果のいずれかの項目において劣るものであった。

Claims (6)

  1. トナー粒子と、キャリア芯材粒子の表面を被覆用樹脂で被覆したキャリア粒子とを含有する静電潜像現像用二成分現像剤であって、当該被覆用樹脂が、スルホン酸基又はスルホン酸塩基を有しており、かつメタクリル酸イソブチル単量体の重合反応物である樹脂とカーボンブラックとを含有しており、当該被覆用樹脂中におけるイオウ元素(S)と炭素元素(C)の含有量の比の値(S/C)が、X線光電子分光分析装置による測定で、0.002〜0.01の範囲内であることを特徴とする静電潜像現像用二成分現像剤。
  2. 前記被覆用樹脂が含有している極性基が、当該被覆用樹脂の分子鎖末端に、スルホン酸基又はスルホン酸塩基として含有されていることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
  3. 前記被覆用樹脂が、メタクリル酸イソブチル単量体を共重合成分として20質量%以上含有させた樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
  4. 前記被覆用樹脂の重量平均分子量が、30万〜100万の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
  5. 前記被覆用樹脂が含有しているカーボンブラックの含有量が、当該被覆用樹脂100質量部に対して1〜20質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤。
  6. 少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法において、当該現像工程において用いられる静電潜像現像用二成分現像剤が、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用二成分現像剤であることを特徴とする電子写真画像形成方法。
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