JP6102160B2 - 前方散乱およびビームブラー補正装置、前方散乱およびビームブラー補正方法ならびに前方散乱およびビームブラー補正プログラム - Google Patents
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Description
前方散乱についても、ビームブラーと同様で、隣接するパターンが影響し合い、パターン形成精度を悪化させる要因となっている。
この方法は、各ショットの隣接するショットに面する辺を平行移動させた補正ショットデータを作成し、その補正ショットデータを使って後方散乱補正を行い、それを元に描画を行う補正方法である。(下記特許文献1参照)
図1は、本実施形態による前方散乱およびビームブラーの補正装置100の構成を示す概略ブロック図である。
図1に示す通り、前方散乱およびビームブラーの補正装置100は、入力部(入力手段)101と、記憶部(記憶装置)102と、周期性パターンにおける基本パターンの抽出部(基本パターン抽出手段)103と、後方散乱補正係数に対する図形の描画位置補正量の算出部(描画位置補正量算出手段)104と、パターンデザインに対する後方散乱補正係数の選択部(後方散乱補正係数選択手段)105と、パターンデザインを構成する図形ごとの最適な描画位置の算出部(描画位置算出手段)106と、出力部(出力手段)107とを備える。
本実施例では、ポジ型レジストを用いるが、本発明はネガ型レジストにも適応できる。
最初に、入力部101に描画パターンデザインを入力する。入力されたパターンデザインは、記憶部102に記憶される。図4に今回実施例に用いたパターンデザインを示す。図4のパターンは図1に示すような大面積描画の一部を表す。図4(a)(b)(c)から、パターンデザインが周期性を持つパターンから構成されていることがわかる。
上記図5、図6における図形の寸法・配置の情報と、記憶部102に記憶されている基板材料やレジスト材料の情報を用いてシミュレーションを行う。シミュレーションでは、電子線散乱した場合にレジストに蓄積されるエネルギーの値を計算する。それぞれの図形についてシミュレーションを行うと、図7が得られる。図7では、図形ごとの蓄積エネルギー分布と、それらを合成した分布を表す。蓄積エネルギー分布は基板に水平方向の分布を表し、レジスト深さ方向には規格化している。レジストパターン寸法は、合成した蓄積エネルギー分布と記憶部102に記憶されているエネルギー閾Ethから計算される。
上記蓄積エネルギー分布の計算方法と同じ方法で、後方散乱による蓄積エネルギーの影響を計算する。図8のパターンを任意の露光量で描画したときの蓄積エネルギー分布から、パターンで囲まれた未露光部分の蓄積エネルギー分布は図9のように求められる。分布の中心付近の値から、後方散乱の影響による蓄積エネルギーの値が求められる。
記憶部102に記憶されている描画面積密度に対する後方散乱補正係数を図10に示す。図10では、描画面積密度が50%のときの最適露光量を1としている。
描画面積密度が10%のときの蓄積エネルギー分布と、図形m1、m2、m3の位置を最適化した場合の蓄積エネルギー分布を図11に示す。図形位置の最適化は、設計位置と閾値エネルギーEthから予想されるレジストパターンの位置のずれが小さくなるように、最小二乗法を用いて計算したが、他の方法を用いてもよい。図11から、位置補正の有無で蓄積エネルギー分布がずれているのがわかる。
次に、描画面積密度に対する、図形m1〜m3の中心位置の、位置補正の有無による違いを図12に示す。図12では、設計上の中心位置と、レジストパターンの中心位置の差分を表す。位置補正が無い場合、図形の中心位置は描画面積密度に対して変化する。一方、位置補正がある場合、m1〜m3の中心位置は描画面積密度に関わらず、差分0nmで重なっていて、設計通りであることがわかる。
位置補正の有無によるレジストパターンの寸法と設計寸法の違いを図13に示す。図13はそれぞれの図形の設計寸法とのずれの合計を比較した結果を表す。図13から、図形の中心位置を補正しても、レジストパターンの寸法はほとんど変わらないことがわかる。
後方散乱補正係数に対する図形位置の補正量を図14に示す。取得した後方散乱補正係数に対する図形の位置補正量を、図形の最適描画位置算出部106に出力する。
図4の場合、描画面積密度は(a)12.8%、(b)25.6%、(c)51.2%である。後方散乱補正係数は(a)1.36、(b)1.21、(c)0.99である。
前記パターンの設計位置と、後方散乱係数の情報を、図形の最適描画位置算出部106に出力する。
(a)m1=−1.49、m2=−0.14、m3=1.61、
(b)m1=−1.46、m2=−0.14、m3=1.58、
(c)m1=−1.40、m2=−0.14、m3=1.53
である。単位はnmである。取得した前記最適描画位置を、前記パターンの設計位置と共に出力部107に出力する。
101……入力部(入力手段)
102……記憶部(記憶装置)
103……基本パターン抽出部(基本パターンの抽出手段)
104……後方散乱補正係数に対する図形の描画位置補正量算出部(後方散乱補正係数に対する図形の描画位置補正量算出手段)
105……パターンデザインに対する後方散乱補正係数選択部(パターンデザインに対する後方散乱補正係数選択部)
106……最適描画位置算出部(最適描画位置算出手段)
107……出力部(出力手段)
Claims (3)
- 基板上に形成されたレジスト膜に電子線を用いて周期性を有するパターンデザインを描画する電子線リソグラフィの描画時に生じる前方散乱およびビームブラーの影響を補正する前方散乱およびビームブラー補正装置であって、
前記パターンデザインの形状を示すパターンデザイン情報と、複数の描画面積密度にそれぞれ対応する複数の後方散乱補正係数と、前記基板および前記レジスト膜の材料情報と、前記レジストの材料種に対応するエネルギー閾値と、が入力される入力手段と、
前記パターンデザイン情報に基づいて、前記周期性を有するパターンデザインから一周期分の基本パターンを示す基本パターン情報を抽出する基本パターン抽出手段と、
前記基本パターンを構成する図形ごとに、前記電子線を露光したときに前記レジストに蓄積される蓄積エネルギーの分布を前記材料情報を用いて算出し、各部における蓄積エネルギーの値と前記エネルギー閾値との関係から現像後の前記レジストの形状を予測するとともに、複数の前記後方散乱係数ごとに前記後方散乱による蓄積エネルギー分布を予測して、前記基本パターンを構成する図形ごとの描画位置補正量を複数の前記後方散乱係数ごとに算出する描画位置補正量算出手段と、
前記パターンデザインを任意の領域に分割し、それぞれの前記領域における前記描画面積密度を算出し、それぞれの前記領域における前記描画面積密度に対応する前記後方散乱補正係数を選択する後方散乱補正係数選択手段と、
複数の前記後方散乱係数ごとに算出された前記描画位置補正量と、前記選択された前記後方散乱補正係数に基づいて、前記パターンデザインを構成する図形ごとに最適描画位置を算出する図形の最適描画位置算出手段と、
前記最適描画位置と前記パターンデザイン情報とを共に出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする前方散乱およびビームブラー補正装置。 - 基板上に形成されたレジスト膜に電子線を用いて周期性を有するパターンデザインを描画する電子線リソグラフィの描画時に生じる前方散乱およびビームブラーの影響を補正する前方散乱およびビームブラー補正方法であって、
前記パターンデザインの形状を示すパターンデザイン情報と、複数の描画面積密度にそれぞれ対応する複数の後方散乱補正係数と、前記基板および前記レジスト膜の材料情報と、前記レジストの材料種に対応するエネルギー閾値と、が入力される入力工程と、
前記パターンデザイン情報に基づいて、前記周期性を有するパターンデザインから一周期分の基本パターンを示す基本パターン情報を抽出する基本パターン抽出工程と、
前記基本パターンを構成する図形ごとに、前記電子線を露光したときに前記レジストに蓄積される蓄積エネルギーの分布を前記材料情報を用いて算出し、各部における蓄積エネルギーの値と前記エネルギー閾値との関係から現像後の前記レジストの形状を予測するとともに、複数の前記後方散乱係数ごとに前記後方散乱による蓄積エネルギー分布を予測して、前記基本パターンを構成する図形ごとの描画位置補正量を複数の前記後方散乱係数ごとに算出する描画位置補正量算出工程と、
前記パターンデザインを任意の領域に分割し、それぞれの前記領域における前記描画面積密度を算出し、それぞれの前記領域における前記描画面積密度に対応する前記後方散乱補正係数を選択する後方散乱補正係数選択工程と、
複数の前記後方散乱係数ごとに算出された前記描画位置補正量と、前記選択された前記後方散乱補正係数に基づいて、前記パターンデザインを構成する図形ごとに最適描画位置を算出する図形の最適描画位置算出工程と、
前記最適描画位置と前記パターンデザイン情報とを共に出力する出力工程と、
を含んだことを特徴とする前方散乱およびビームブラー補正方法。 - 基板上に形成されたレジスト膜に電子線を用いて周期性を有するパターンデザインを描画する電子線リソグラフィの描画時に生じる前方散乱およびビームブラーの影響をコンピュータを用いて補正する前方散乱およびビームブラー補正方法であって、
前記パターンデザインの形状を示すパターンデザイン情報と、複数の描画面積密度にそれぞれ対応する複数の後方散乱補正係数と、前記基板および前記レジスト膜の材料情報と、前記レジストの材料種に対応するエネルギー閾値と、が入力される入力工程と、
前記パターンデザイン情報に基づいて、前記周期性を有するパターンデザインから一周期分の基本パターンを示す基本パターン情報を抽出する基本パターン抽出工程と、
前記基本パターンを構成する図形ごとに、前記電子線を露光したときに前記レジストに蓄積される蓄積エネルギーの分布を前記材料情報を用いて算出し、各部における蓄積エネルギーの値と前記エネルギー閾値との関係から現像後の前記レジストの形状を予測するとともに、複数の前記後方散乱係数ごとに前記後方散乱による蓄積エネルギー分布を予測して、前記基本パターンを構成する図形ごとの描画位置補正量を複数の前記後方散乱係数ごとに算出する描画位置補正量算出工程と、
前記パターンデザインを任意の領域に分割し、それぞれの前記領域における前記描画面積密度を算出し、それぞれの前記領域における前記描画面積密度に対応する前記後方散乱補正係数を選択する後方散乱補正係数選択工程と、
複数の前記後方散乱係数ごとに算出された前記描画位置補正量と、前記選択された前記後方散乱補正係数に基づいて、前記パターンデザインを構成する図形ごとに最適描画位置を算出する図形の最適描画位置算出工程と、
前記最適描画位置と前記パターンデザイン情報とを共に出力する出力工程と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする前方散乱およびビームブラー補正プログラム。
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