JP6101948B2 - ずれ防止用コート剤 - Google Patents

ずれ防止用コート剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6101948B2
JP6101948B2 JP2012265920A JP2012265920A JP6101948B2 JP 6101948 B2 JP6101948 B2 JP 6101948B2 JP 2012265920 A JP2012265920 A JP 2012265920A JP 2012265920 A JP2012265920 A JP 2012265920A JP 6101948 B2 JP6101948 B2 JP 6101948B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
coating agent
surfactant
water
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012265920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014112123A (ja
JP2014112123A5 (ja
Inventor
敦司 加藤
敦司 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Optical Co Ltd
Original Assignee
Tokai Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Optical Co Ltd filed Critical Tokai Optical Co Ltd
Priority to JP2012265920A priority Critical patent/JP6101948B2/ja
Publication of JP2014112123A publication Critical patent/JP2014112123A/ja
Publication of JP2014112123A5 publication Critical patent/JP2014112123A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6101948B2 publication Critical patent/JP6101948B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、撥水コート層が成膜されているレンズのコバを切削加工してフレームに応じた形状とする際に保持手段によって保持される前記レンズの表裏面の保持位置のずれを防止するためにレンズの表裏面の少なくとも一方にコートするようにしたずれ防止用コート剤に関するものである。
従来から眼鏡レンズ等の所定のフレームに枠入れするレンズでは、前駆体となるレンズの周囲(コバ)を切削加工して削除することでレンズをそのフレームに対応する形状に加工する加工工程を備えている。
加工においては一般にレンズの表裏面からチャック装置によって挟むように保持するが、加工装置の切削刃はコバ側からレンズに接触してそのレンズを押圧するため、動摩擦係数の低いレンズを挟んでもその押圧力でチャック装置の軸位置がずれないように(つまりレンズの保持位置がずれないように)チャック先端とレンズ面との当接部位に粘着テープを貼着するようにしている。このような粘着テープによるレンズの保持位置のずれを防止する手段の一例として特許文献1を示す。
特開2004−122302号公報 特開2006−330677号公報
ところで、レンズは元来動摩擦係数が低い(つるつるしている)ものであるが、近年では撥水性や防汚性を向上させた高機能化レンズを提供するために枠入れ前の前駆体レンズの段階で撥水コート層を成膜させるようにすることが多い。このようなレンズは動摩擦係数が極めて低く、そのため通常の粘着テープではレンズの保持位置のずれ防止が困難な場合があった。そのために、より粘着性を向上させた粘着テープを使用するという選択もあるが、コストや取り扱いの点で問題がある。また、撥水コート層の性能の向上によって動摩擦係数がより低くなる場合もあるためテープの改良だけでは限界がある。
そのため、動摩擦係数が低い撥水コート層が成膜されているレンズの表裏面上に更にコートして成膜するためのずれ防止用のコート剤であって、粘着テープを貼着した例えば保持手段としてのチャック装置によってレンズの表裏面から挟んで保持して加工装置によって加工する際にチャック装置の軸ずれが生じにくくなるものが求められている。
このようなコート剤に求められる性質としては、
1)撥水性のレンズ表面に対する表面張力を低下させて十分な濡れ性を示すこと。
2)加工においては加工部位に潤滑を兼ねて冷却水を噴霧するようにする。成膜されたコート剤は、水に不溶であると切削時に切削装置内を汚したりレンズを傷つける要因となるため水溶性であることが必要である。また水溶性であると玉型加工後のレンズより成膜されたコート剤の除去作業が有利になる。
3)フレームに枠入れする前提として加工直前にレンズメーターでアイポイント位置の度数を測定するので、透明でなければならないこと。
が必要条件となる。従来のレンズの加工の際の軸ずれを防止するためのコート剤の一例として例えば、特許文献2を挙げる。但し、特許文献2は上記要件の2)を満たしていない。
このような状況において上記1)〜3)を充足し、レンズの加工の際の軸ずれを防止できるコート剤が求められていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、レンズの加工の際の軸ずれを防止できる水溶性で少なくとも硬化後に透明な外観を呈するずれ防止用コート剤を提供することにある。
上記課題を解決するために第1の手段では、撥水コート層が成膜されているレンズのコバを切削加工してフレームに応じた形状とする際に保持手段によって保持される前記レンズの表裏面の保持位置のずれを防止するために前記レンズの表裏面の少なくとも一方にコートするずれ防止用コート剤であって、親水性樹脂とパーフルオロ基を有する界面活性剤とを主成分とする水溶液からなり、少なくとも成膜後に透明な外観を呈することをその要旨とする。
第2の手段では、第1の手段の構成に加え、前記界面活性剤のパーフルオロ基は分岐していることをその要旨とする。
第3の手段では、第1又は第2の手段に加えて前記親水性分子は、前記界面活性剤はポリオキシエチレンエーテル基を有することをその要旨とする。
第4の手段では第1〜3のいずれかの手段に記載の発明の構成に加え、前記親水性樹脂はポリビニルアルコールであることをその要旨とする。
第5の手段では第1〜3のいずれかの手段に記載の発明の構成に加え、前記親水性樹脂はメチルセルロースであることをその要旨とする。
本発明によれば、パーフルオロ基を有する界面活性剤は親水性樹脂とともに水に均一に分散して水溶液となる。このような水溶液をずれ防止用コート剤として撥水コート層が成膜されているレンズにコートすると、パーフルオロ基を有する界面活性剤は疎水基となるパーフルオロ基側で撥水コート層に対して主として分子間力によって吸着される。そして、界面活性剤の親水基側は主として水素結合によって親水性樹脂を保持する。このようなコート剤によって撥水コート層の上層に滑りにくいコート層が形成されることで、レンズのコバを切削加工してフレームに応じた形状とする際に保持手段によって保持されるレンズの表裏面の保持位置のずれが防止されることとなる。
親水性樹脂としては、成膜後(硬化後)に透明を呈するものであれば特に種類は問わない。例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロドリン(PVP)、ポリエチレングリコール、アルカリ水易溶性ポリエステル、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、尿素樹脂、澱粉、寒天、アルギン酸、カラギナン、ゼラチン等が挙げられる。これらは単一で使用しても混合して使用してもよい。
パーフルオロ基を有する界面活性剤としては、例えばパーフルオロ基が分岐した次のような示性式(化1)で示されるものが挙げられる。化1の式は分岐したパーフルオロ基の一例を示す式である。親水基としてはオキシエチレンエーテル基を有する。オキシエチレンエーテル基を有する親水性樹脂はコート層を成膜した際に柔軟性を備えているため、保持した際のチャック装置の固定化を高めることとなりこの発明のコート層として好適である。この式ではオキシエチレン基は8以上の偶数でなければならない。6以下では親水基側の分子量が相対的に疎水基に対して少なすぎて本発明の界面活性剤として妥当ではなくなる。オキシエチレン基が多すぎても相対的に疎水基に対して多すぎて本発明の界面活性剤として妥当ではなくなる。化1の界面活性剤ではオキシエチレン基は22までが妥当である。
Figure 0006101948
また、パーフルオロ基を有する界面活性剤の他の例として、例えばパーフルオロ基が分岐した次のような示性式(化2)で示されるものが挙げられる。この界面活性剤は化1の界面活性剤におけるオキシエチレン基の変わりにベンゼンスルホン酸エーテルを親水基としたナトリウム塩である。
Figure 0006101948
本発明のずれ防止用コート剤がコートされるレンズについては、プラスチックレンズでもガラスレンズ(無機ガラス)でもどちらでも構わない。無機ガラスとしてはSiO2を主成分とするものが使用出来る。また、プラスチックとしては例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エピスルフィド樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂ポリ4−メチルペンテン−1樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂等が挙げられる。
レンズには動摩擦係数の低い撥水コート層が成膜されることになるが、プラスチックレンズであれば一般にレンズ基材にハードコート層、反射防止層が成膜された上層に撥水コート層が成膜されることとなり、ガラスレンズであればハードコート層は不要で反射防止層が成膜された上層に撥水コート層が成膜される。また、レンズに反射防止層を成膜させずに撥水コート層を成膜させるようにしてもよい。
ここにハードコート層は、例えばオルガノシロキサン系樹脂と無機酸化物微粒子から構成される。そのためのハードコート液は水又はアルコール系の溶媒にオルガノシロキサン系樹脂と無機酸化物微粒子ゾルを分散(混合)させて調整される。
オルガノシロキサン系樹脂はアルコキシシランを加水分解し縮合させて得られるものが好ましい。
反射防止層は公知の蒸着法やイオンスパッタリング法等により形成される。反射防止層はプラスチックレンズではハードコート層の上層に成膜される。反射防止層は、光学理論に基づいた多層構造膜が採用される。膜材料としては、例えばSiO、SiO2、Al23、Y23、Yb23、CeO2、ZrO2、Ta25、TiO2、Nb25、インジウム含有酸化スズ(ITO)など一般的な無機酸化物を使用することができる。
反射防止層は特性の異なるこれらを材料とした薄膜を周知の手段(例えば蒸着)により定石に従って順に低屈折率層と高屈折率層を蒸着して形成される。最上層には低屈折率層が配置される。
撥水コート層はフッ素シラン化合物や反応性シリコーンを主成分とすることができる。 撥水コート層は非反応性溶媒に上記成分を混合させて調整した溶液を吸水層表面にディッピング法、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法などの湿式法を用いて成膜させることが可能である。また、真空蒸着法やCVD法のような乾式法用いて成膜させることも可能である。
上記非反応性溶媒はフッ素系撥水コート用としては含フッ素溶剤が挙げられ、シリコーン系撥水コート用としてはヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤性溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤等が挙げられる。撥水コートの厚さは1〜20nm、好ましくは防汚性の向上のためにある程度の厚みを有するように形成が好ましい。防汚性に優れた高機能性レンズとしては、水接触角105度以上、動摩擦係数0.20以下であると汚れが付きにくく、また付着した汚れが拭き取りやすい撥水コートとして位置づけられている。
本発明のずれ防止用コート剤によれば、撥水コート層が成膜されているレンズの表裏面を粘着テープを貼着した保持手段によって挟んで保持する際に使用することで、このレンズを加工装置によって加工する際に、レンズの粘着テープによって保持した保持位置がずれにくくなる。
本発明について、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
A[ずれ防止用コート剤について]
実施例1では水溶性樹脂としてメトローズ(信越化学株式会社製)を使用した。メトローズの主成分はメチルセルロースである。
また、実施例1では界面活性剤としてフタージェント251(株式会社ネオス社製)を使用した。フタージェント251の主成分は上記化1の式で示される示性式においてn=8のフッ素系界面活性剤である。
上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が1.5重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B[レンズについて]
ハードコート層及び反射防止層をそれぞれ成膜させた屈折率1.6、アッベ数40の光学特性を有するS度数−3.00D,C度数−1.00Dのプラスチックレンズに、次のように撥水コート層を成膜させた。
パーフルオロポリエーテル型シラン化合物A(信越化学工業株式会社製「KY−8」)とパーフルオロポリエーテル型シラン化合物B(信越化学工業株式会社製「X−71−166」)を固形分比率7対3の割合(A/B=7/3)で混合させ、フッ素系溶剤(住友スリーエム株式会社製「ノベックHFE−7200」)によって希釈して固形分濃度0.2%とした処理溶液を調整した。この処理溶液を反射防止層が形成されたレンズ基体上に浸漬時間30秒,引き上げ速度180mm/minでディッピングしてコートし、更に60度・湿度80%の恒温恒湿環境下で硬化を行い、撥水コート層を得た。この撥水コート層の水接触角は、2.0μLの水滴を防汚層に付着させて測定し、その平均値を求めたところ、107.9°であった。また、動摩擦係数は、新東科学株式会社製表面性測定機HEIDON−14Dにより不織布(リブドゥコーポレーションTRISEPTAIIIリヨセル100%)を用いて荷重200g、擦り速度100mm/minにて測定し、その平均値を求めたところ、0.05であった。
尚、以下の実施例及び比較例ではすべて同じレンズを使用した。
C[ずれ防止用コート剤によるレンズへの成膜について]
ずれ防止用コート剤にプラスチックレンズを室温で浸漬を行い、引き上げ速度180mm/minにてレンズ全面に塗膜した。予め50℃に保たれたオーブンにて乾燥を20分行い、樹脂溶液を硬化した。
尚、以下の実施例及び比較例ではすべて同様に成膜した。
[評価結果]
結果を表1にまとめた。
実施例2
A[ずれ防止用コート剤について]
実施例2では水溶性樹脂としてポリビニルアルコール(重合度2000,けん化度98.5mol%以上,日本合成化学工業株式会社製)を使用した。
また、実施例2でも実施例1と同様に界面活性剤としてフタージェント251(株式会社ネオス社製)を使用した。
上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が5.0重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B及びCは省略
[評価結果]
結果を表1にまとめた。
実施例3
A[ずれ防止用コート剤について]
実施例3では水溶性樹脂として実施例1と同じメトローズ(信越化学株式会社製)を使用した。
また、実施例3では界面活性剤としてFTX−212M(株式会社ネオス社製)を使用した。FTX−212Mの主成分は上記化1の式で示される示性式においてn=12のフッ素系界面活性剤である。
上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が1.5重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B及びCは省略
[評価結果]
結果を表1にまとめた。
実施例4
A[ずれ防止用コート剤について]
実施例4では水溶性樹脂としてポリビニルピロリドンを使用した。
また、実施例4でも実施例1と同様に界面活性剤としてフタージェント251(株式会社ネオス社製)を使用した。
上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が5重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B及びCは省略
[評価結果]
結果を表1にまとめた。
実施例5
A[ずれ防止用コート剤について]
実施例5では水溶性樹脂としてポリエチレングリコールを使用した。
また、実施例5でも実施例1と同様に界面活性剤としてフタージェント251(株式会社ネオス社製)を使用した。
上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が20.0重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B及びCは省略
[評価結果]
結果を表1にまとめた。
実施例6
A[ずれ防止用コート剤について]
実施例6では水溶性樹脂として実施例1と同じメトローズ(信越化学株式会社製)を使用した。
また、実施例6では界面活性剤としてフタージェント250(株式会社ネオス社製)を使用した。フタージェント250の主成分は上記化1の式で示される示性式においてn=22のフッ素系界面活性剤である。
上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が1.5重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B及びCは省略
[評価結果]
結果を表1にまとめた。
実施例7
A[ずれ防止用コート剤について]
実施例7では水溶性樹脂として実施例1と同じメトローズ(信越化学株式会社製)を使用した。
また、実施例7では界面活性剤としてフタージェント100(株式会社ネオス社製)を使用した。フタージェント100の主成分は上記化2の式で示される示性式のフッ素系界面活性剤である。
上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が1.5重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B及びCは省略
[評価結果]
結果を表1にまとめた。
比較例1
A[ずれ防止用コート剤について]
比較例1では水溶性樹脂として実施例1と同じメトローズ(信越化学株式会社製)を使用した。
また、比較例1では界面活性剤として水性塗料への分散性に優れ、有機化合物との相溶性を高める下記化学式で示されるポリエーテルシリコーンオイルを使用した。上記水溶性樹脂を樹脂分濃度が1.5重量%となるように60℃に加熱した純水に溶解させ、この樹脂水溶液に対して界面活性剤を全容量の0.05重量%となるように混合して室温(25℃)までゆっくり冷却してずれ防止用コート剤を作製した。
B及びCは省略
[評価結果]
結果を表2にまとめた。
Figure 0006101948
性能評価方法について
(a)成膜外観について
硬化後の光学レンズ表面に塗布している保護膜の外観を目視によって検査し、塗り斑や膜厚にしたときの状態について評価した。評価基準は次の通りである。
◎:レンズ全体に成膜されており、厚い膜を成膜しても外観が良好である。
○:レンズ全体に成膜されている。
△:保護膜が部分的に剥がれてしまっている。
×:保護膜が成膜されていない
ここに、◎と○は使用にまったく問題がない膜状態であり、特に◎は厚膜化してもレベレング性が維持されきれいに成膜できる非常に良好な状態である。成膜外観のよさは玉型加工評価と連動する傾向である。
(b)玉型加工評価について
レンズの光学中心にレンズ加工用両面テープ(住友3M株式会社製 LEAPIIIテープ)を貼り付ける。その後チャック装置を備えた玉摺り加工機(株式会社NIDEK製 LE−9000SX)を用いてレンズの玉型加工を行った。玉型加工前後の光学中心における軸ズレと中心ズレ量を評価した。
◎:軸ズレ、中心ズレなし
○:軸ズレ2°以内でかつ、中心ズレ1mm以内
△:軸ズレ2〜5°以内でかつ、中心ズレ1〜2mm以内
×:軸ズレ5°以上、もしくは中心ズレ2mm以上
(c)透明性
保護膜を成膜した光学レンズをレンズメーター(株式会社NIDEK製 LM−990A)にて度数測定を行った。樹脂膜の形成前後における光学中心の位置及び度数がほぼ同一であるか評価した。
○: 光学中心の位置が1mm以内であり、度数が±0.05D以内であった。
×: 光学中心の位置が1mm超過もしくは、度数が±0.05D超過であった。
評価結果によれば、実施例1〜3ではいずれも成膜外観も玉型加工評価も良好であった。また、透明性も良好であった。
しかし、実施例4及び5では透明性は良好であるものの成膜外観において厚膜化できるほどではなかった。また、界面活性剤のみ実施例1とは異なるコート剤として調整した実施例6及び7では透明性は良好であるものの成膜外観に部分的に剥がれが生じ、実施例7では軸ずれも他の実施例よりも若干劣る結果となった。実施例6については、ポリオキシエチレンエーテル部分が大きいために界面活性剤の親水性が強いためにずれ防止用コート内にまで分散することとなり、コートの硬度が低くなったことが要因と考えられる。
また実施例7については、スルホン酸ナトリウム塩の親水性が高いために、その硬化が抑制され成膜が全面にできなく、チャックが緩くなったものと考えられる。
一方、比較例1では成膜外観において成膜できない状態であり、玉型加工評価も軸ずれが大きく防止用コート剤として妥当ではないという結果になった。比較例1は界面活性剤にフッ素基を有していないためにレンズ撥水コート表面とずれ防止用コート剤水溶液間の表面張力を十分に下げることができないため、成膜ができない状態になったと考えられる。
Figure 0006101948
Figure 0006101948

Claims (5)

  1. 撥水コート層が成膜されているレンズのコバを切削加工してフレームに応じた形状とする際に保持手段によって保持される前記レンズの表裏面の保持位置のずれを防止するために前記レンズの表裏面の少なくとも一方にコートするずれ防止用コート剤であって、
    親水性樹脂とパーフルオロ基を有する界面活性剤とを主成分とする水溶液からなり、少なくとも成膜後に透明な外観を呈することを特徴とするずれ防止用コート剤。
  2. 前記界面活性剤のパーフルオロ基は分岐していることを特徴とする請求項1に記載のずれ防止用コート剤。
  3. 前記界面活性剤はポリオキシエチレンエーテル基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のずれ防止用コート剤。
  4. 前記親水性樹脂はポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のずれ防止用コート剤。
  5. 前記親水性樹脂はメチルセルロースであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のずれ防止用コート剤。
JP2012265920A 2012-12-05 2012-12-05 ずれ防止用コート剤 Active JP6101948B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265920A JP6101948B2 (ja) 2012-12-05 2012-12-05 ずれ防止用コート剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012265920A JP6101948B2 (ja) 2012-12-05 2012-12-05 ずれ防止用コート剤

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014112123A JP2014112123A (ja) 2014-06-19
JP2014112123A5 JP2014112123A5 (ja) 2015-11-19
JP6101948B2 true JP6101948B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=51169310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012265920A Active JP6101948B2 (ja) 2012-12-05 2012-12-05 ずれ防止用コート剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6101948B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6286644B2 (ja) * 2014-05-30 2018-03-07 東海光学株式会社 ずれ防止用コート剤

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10329405A (ja) * 1997-05-29 1998-12-15 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2004250601A (ja) * 2003-02-20 2004-09-09 Nof Corp 防曇塗料組成物及びその塗装物品
JP2007286232A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Seiko Epson Corp 防汚性光学物品及び防汚性光学物品の製造方法
FR2901552B1 (fr) * 2006-05-26 2008-07-11 Essilor Int Article d'optique comportant un revetement externe hydrophobe et/ou oleophobe revetu d'une couche temporaire
JP5013779B2 (ja) * 2006-08-31 2012-08-29 株式会社ネオス 水溶性湿潤剤組成物
JP5931758B2 (ja) * 2011-02-18 2016-06-08 Agcセイミケミカル株式会社 界面活性剤、該界面活性剤を含む組成物、その用途および含フッ素化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014112123A (ja) 2014-06-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10889725B2 (en) Sulfonate-functional coatings and methods
KR102602479B1 (ko) 발수발유 부재 및 발수발유 부재의 제조 방법
JP5441891B2 (ja) 帯電防止性・耐摩耗性コートされた物品を提供する硬化性コーティング組成物
KR101587308B1 (ko) 코팅용 조성물, 방오처리 방법 및 방오성 기재
KR20010049946A (ko) 반사방지재료
TW200804526A (en) Composite resin, coating composition comprising the same, and coated article
JP2002317152A (ja) 低屈折率コーティング剤および反射防止フィルム
JP2007286232A (ja) 防汚性光学物品及び防汚性光学物品の製造方法
US11905368B2 (en) Water-repellent member and method for manufacturing water-repellent member
JP6101948B2 (ja) ずれ防止用コート剤
JP6286644B2 (ja) ずれ防止用コート剤
JP3787988B2 (ja) 反射防止フィルタおよびこの反射防止フィルタを用いた文字画像表示装置
WO2006117986A1 (ja) 眼鏡レンズの切削方法及び眼鏡レンズ
JP5163022B2 (ja) 光学機能性積層体上に防汚性被膜を形成するための処理剤
JPH1184103A (ja) 反射防止フィルター及びその製造方法
JP5369644B2 (ja) 低屈折率コーティング剤及び反射防止フィルム
JPH1192177A (ja) 撥水処理ガラス及びその製造方法
WO2019189071A1 (ja) アンチグレア膜付き基板、積層体、及び積層体の製造方法
US11384012B2 (en) Atomized anti-scratching nano-coating for glass surface and method of manufacturing thereof
JP2000009906A (ja) 反射防止光学部材、防汚層の形成方法、光学機能性部材および表示装置
JP4411668B2 (ja) 防汚剤
JP2017111413A (ja) 光学要素

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151002

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6101948

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250