JP6101402B2 - 耐熱性アルミニウム鋳造合金、及びかかる合金から鋳造される燃焼機関のための鋳造 - Google Patents

耐熱性アルミニウム鋳造合金、及びかかる合金から鋳造される燃焼機関のための鋳造 Download PDF

Info

Publication number
JP6101402B2
JP6101402B2 JP2016515994A JP2016515994A JP6101402B2 JP 6101402 B2 JP6101402 B2 JP 6101402B2 JP 2016515994 A JP2016515994 A JP 2016515994A JP 2016515994 A JP2016515994 A JP 2016515994A JP 6101402 B2 JP6101402 B2 JP 6101402B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cast
alloys
aluminum
weight
aluminum casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016515994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016531198A (ja
Inventor
ラーフェッツェダー ミヒャエル
ラーフェッツェダー ミヒャエル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nemak Linz GmbH
Original Assignee
Nemak Linz GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nemak Linz GmbH filed Critical Nemak Linz GmbH
Publication of JP2016531198A publication Critical patent/JP2016531198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6101402B2 publication Critical patent/JP6101402B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/12Alloys based on aluminium with copper as the next major constituent
    • C22C21/14Alloys based on aluminium with copper as the next major constituent with silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/12Alloys based on aluminium with copper as the next major constituent
    • C22C21/18Alloys based on aluminium with copper as the next major constituent with zinc
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D21/00Casting non-ferrous metals or metallic compounds so far as their metallurgical properties are of importance for the casting procedure; Selection of compositions therefor
    • B22D21/002Castings of light metals
    • B22D21/007Castings of light metals with low melting point, e.g. Al 659 degrees C, Mg 650 degrees C
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D25/00Special casting characterised by the nature of the product
    • B22D25/02Special casting characterised by the nature of the product by its peculiarity of shape; of works of art
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/057Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with copper as the next major constituent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、極めて良好に鋳造することができ、高い使用温度で長い使用期間後でも高温状態で高強度を有するアルミニウム鋳造合金に関する。
同様に、本発明は、アルミニウム合金から鋳造された燃焼機関用部品に関する。こうした部品は、特に、シリンダヘッド又はエンジンブロックである。
一方でエンジン出力に対する、他方で燃料消費及び重量の極小化に対する要求が次第に増加し、アルミニウム合金から鋳造されたエンジン部品の機械的及び熱的復元力(独:thermische Belastbarkeit,英:thermal resilience)に対する要求が次第に高くなっている。したがって、かかる部品の製造に適切なアルミニウム鋳造合金は、室温と使用温度の両方における高い降伏強度、高い最終歪み、高い熱伝導度、低い熱膨張、高い耐クリープ性、並びに良好な流動性及び低い高温割れ傾向を含む有利な加工性を持たなければならない。同時に、これらの合金は、鋳造物の信頼できる製造を可能にするために十分に鋳造できなくてはならない。
ここで考察するタイプのアルミニウム鋳造材料のこれらの部分的に相反する要求を満たした多数の材料概念が知られている。これらの材料概念としては、合金グループAl−Si−Mg及びAl−Si−Cuのアルミニウム鋳造合金が挙げられる。しかし、これらの合金の場合には、250℃を超える使用温度で、硬化相の粗大化が、Cu、Mg、Znなどの硬化に寄与する元素の拡散の結果として起こり得る。したがって、これと併せて、機械的特性値の著しい低下が起こる。したがって、燃焼機関用部品のアルミニウム鋳造物のための新しい合金の開発の目的は、最適化された耐高温性である(非特許文献1の論文参照)。
多量のCuの添加によってAl鋳造合金の耐熱性を高くできることが知られている。耐熱性に対するCuのこの肯定的な作用を利用した一群の合金が、「AlCu7xx」という名称で知られている。例えば、Al及び付随的な元素に加えて、Cu6.72%、Zr0.22%、Ti0.11%、Mn0.5%(重量%)、並びに不純物に起因し得る微量のFe、Mg及びZnを含む合金「AlCu7MnZr」がこれに該当する。しかし、あるCu含有量を有するこのタイプのアルミニウム鋳造合金の優れた耐熱性は、高い高温割れ傾向、及び極めて限定された可鋳性に直面している。したがって、上記AlCu7MnZr合金は、実際には鋳造不可能であることも判明した。
「直接競争におけるシリンダヘッド用耐熱性アルミニウム鋳造合金(Warmfeste Aluminiumgusslegierungen fuer Zylinderkoepfe in direktem Wettbewerb)」、6/2009号 Giesserei-Praxis誌、199〜202ページ
上で説明した先行技術を背景に、本発明の目的は、高温でより長い使用時間後でも機械的性質が高く、同時に十分に鋳造することができるアルミニウム鋳造合金を列挙することであった。
さらに、高温での使用のために最適化された機械的性質を有し、同時に鋳造技術に関して操作上信頼できる様式で製造することができる燃焼機関用鋳造物を生み出さなくてはならない。
アルミニウム鋳造合金に関して、この目的は、かかる合金が請求項1に記載の様式で構成された本発明によって解決された。
鋳造物に関して、上述の目的の解決策は、かかる鋳造物が本発明によるアルミニウム鋳造合金から鋳造される点にある。その点で、本発明による合金は、特に、鋳造技術を用いた、実際の運転中に極端な熱及び機械的負荷に曝されるシリンダヘッドの製造に適切である。
本発明によるアルミニウム鋳造合金は、アルミニウム及び製造中に得られた不可避的不純物に加えて、Cu6.0〜8.0%、Mn0.3〜0.55%、Zr0.18〜0.25%、Si3.0〜7.0%、Ti0.05〜0.2%、Sr最高0.03%及びFe最高0.25%(重量%)を含む。
本発明による様式で構成されたアルミニウム鋳造合金から鋳造された部品は、各々、通常、室温で静荷重で、T6W状態で、すなわち固溶化焼鈍(独:loesungsgeglueht,英:solution annealed)し、240℃で4時間人工的にエージングされて、平均して、260MPaを超える引張り強さRm、少なくとも90HBのブリネル硬さHB、少なくとも170MPaの降伏強度Rp0.2、及び少なくとも1.65%の最終歪みAを達成する。
300℃で100時間持続し、対応する期間の燃焼機関の実際の運転に等しい長期の熱処理後、本発明によるアルミニウム鋳造合金から鋳造された部品は、平均して、各々、室温で静荷重で、引張り強さRmが少なくとも190MPa、降伏強度Rp0.2が少なくとも90MPa、硬度HBが少なくとも67HB、最終歪みAが少なくとも3.5%である。これらの値は、高温でより長時間の使用後も安定なままである。すなわち、例えば、300℃で500時間以上使用中に、強度及び硬度は実際に変化せず、それとは反対に、最終歪みは4.5%超に増加する。
本発明によるアルミニウム鋳造合金から鋳造された部品の機械的性質を熱処理温度300℃で500時間実施された熱処理後に測定すると、それぞれ平均して、引張り強さRmは少なくとも80MPa、降伏強度Rp0.2は少なくとも60MPa、最終歪みAは少なくとも24%である。
したがって、本発明によるアルミニウム鋳造合金の耐高温性は、燃焼機関部品を鋳造するのに現在標準として使用されている従来のアルミニウム鋳造合金よりも明らかに高い。同時に、T6W送達状態(独:Auslieferungszustand T6W,英:T6W delivery state)の本発明によるアルミニウム合金から鋳造された部品の機械的性質は、従来の高強度AlCu7xx合金のレベルである。しかし、これらの合金とは異なり、本発明によるアルミニウム鋳造合金は、良好な可鋳性及び最適な抵抗性の凝固挙動(独:optimales, unempfindliches Erstarrungsverhalten,英;optimum, resistant solidification behaviour)によって区別される。実用試験によれば、本発明によるアルミニウム鋳造合金から鋳造された部品は、光学的に目立つ割れがなく、できる限り細孔がない。したがって、本発明によるアルミニウム鋳造合金は、鋳造の点で操作上信頼できる様式で鋳造部品の製造を可能にし、高い使用温度でも最適な復元力を有する。
必要な耐熱性を確保するために、6.0〜8.0重量%のCuが本発明による合金に含まれる。同時に、Cuは、アルミニウム鋳造合金の高温強度に寄与する。Cuのこれらの肯定的な作用は、Cu含有量が少なくとも6.5重量%である場合に、本発明によるアルミニウム鋳造合金において特に確実に確保することができる。同時に、最終歪みの減少などの機械的性質に対するCuの存在の負の効果は、本発明によるアルミニウム鋳造合金のCu含有量が最高7.5重量%に限定される場合、特に確実に排除することができる。
本発明によるアルミニウム鋳造合金のSi含有量は3.0〜7.0重量%である。その中で、一方で可鋳性に対する、他方で耐熱性に対する、諸性質の強調は、この含有量範囲内のSi含有量の対応する調節によって設定することができる。
十分な可鋳性のための本発明によるアルミニウム鋳造合金から鋳造された部品の最大の機械的性質は、本発明によるアルミニウム鋳造合金のSi含有量が5.0重量%未満の場合に得ることができる。その中で、相形成の変動に対する本発明によるアルミニウム鋳造合金の耐性は、Si含有量を少なくとも3.5重量%に増加させた場合に高めることができる。かかる高いSi含有量の場合には、本発明によるアルミニウム鋳造合金は、熱処理中のその諸性質及びその挙動に関して安定であることが判明した。同時に、特に高温使用中に、良好な使用上信頼できる可鋳性と一緒に最高強度が得られる範囲は、Si含有量を最高4.5重量%に限定することによって特に確実に到達することができる。
一方、例えば、線細工の複雑に成形された部品の製造の場合に、最適な可鋳性及び同時に優れた耐熱性を特に重要視するのであれば、本発明によるアルミニウム鋳造合金のSi含有量を5.0重量%、特に5.5重量%に増加させることができる。その中で、Si含有量が最高7重量%、特に最高6.5重量%に限定される場合、一方では可鋳性に関して、他方では耐熱性に関して最適化された本発明によるアルミニウム鋳造合金が得られる。
0.3〜0.55重量%のMn含有量は、本発明によるアルミニウム鋳造合金から鋳造された部品の強度増加に寄与する。この肯定的な効果は、特に本発明によるアルミニウム鋳造合金のMn含有量が0.4〜0.55重量%である場合に生じる。
0.18〜0.25重量%のZrは、本発明によるアルミニウム鋳造合金から鋳造された鋳造物の構造の粒子の細かさに実質的に寄与する。さらに、Zrは、とりわけ、高い温度安定性、したがって250℃を超える温度における強度に寄与する。これは、特に、本発明によるアルミニウム鋳造合金のZr含有量が0.2〜0.25重量%である場合に当てはまる。
さらに、本発明によるアルミニウム鋳造合金中の0.05〜0.2重量%のTiの量は、きめの細かい構造の形成を助け、強度増加に寄与する。この効果を特に確実に使用できるようにするために、本発明によるアルミニウム鋳造合金のTi含有量を少なくとも0.08重量%に設定するのが得策であり得る。本発明によるアルミニウム鋳造合金中のチタンの最適化された効果が期待される通路(独:Korridors,英:corridor)の上限は0.12重量%である。
Srは、場合によって、精製のために本発明によるアルミニウム鋳造合金に添加される。したがって、Srの添加は、Si含有量が少なくとも5.0重量%である本発明によるアルミニウム鋳造合金に特に有用である。ここで、Sr含有量は少なくとも0.015重量%であることが得策であることが判明した。しかし、特に低Si含有量の場合、そこで精製効果を利用するためにも、アルミニウム鋳造合金に場合によっては最高0.025重量%を添加するのが十分である。
上記説明によれば、十分な可鋳性及び同時に最大化された機械的性質が強調された本発明によるアルミニウム鋳造合金の第1の変形は、Cu6.0〜8.0%、Mn0.3〜0.55%、Zr0.18〜0.25%、Fe最高0.25%、Si3.0〜<5.0%、Ti0.05〜0.2%、V最高0.04%及びSr最高0.025%(重量%)を含む。その中で、最大の機械的性質に関して良好な可鋳性に対して更に最適化されたこの変形の一実施形態は、アルミニウム及び不可避的不純物並びにCu6.5〜7.5重量%、Mn0.4〜0.55重量%、Zr0.20〜0.25%、Fe最高0.12%、Si3.5〜4.5%、Ti0.08〜0.12%、V最高0.02%及びSr0.05〜0.02%(重量%)からなる。
しかし、本発明によるアルミニウム鋳造合金が、その場合、更なる改善された可鋳性及び同時に依然極めて良好な機械的性質が強調されるように変更される場合、本発明によるアルミニウム鋳造合金は、Cu6.0〜8.0%、Mn0.3〜0.55%、Zr0.18〜0.25%、Fe最高0.25%、Si5.0〜7.0%、Ti0.05〜0.2%、V最高0.04%及びSr0.01〜0.03%(重量%)を含む。その場合、最適可鋳性と高い機械的性質に関して最適化されたこの変形の一実施形態は、アルミニウム及び製造中に得られた付随的な元素並びにCu6.5〜7.5重量%、Mn0.4〜0.55重量%、Zr0.20〜0.25%、Fe最高0.12%、Si5.5〜6.5%、Ti0.08〜0.12%、V最高0.02%及びSr0.015〜0.03%(重量%)からなる。
以下、本発明を例示的実施形態によってより詳細に説明する。ここに示すのは以下のとおりである。
本発明による3種類のアルミニウム鋳造合金E1、E2、E3から作製された鋳造試料の室温で測定されたそれぞれの機械的性質を、比較合金Vから作製された鋳造試料の機械的性質と、各々T6W状態で比較した図である。 本発明による3種類のアルミニウム鋳造合金E1、E2、E3の鋳造試料及び比較試料Vの、300℃で測定されたそれぞれの引張り強さRm、降伏強度Rp0.2及び最終歪みAを、300℃で500時間実施されたそれぞれの熱処理後に比較した図である。 本発明によるアルミニウム鋳造合金E1並びに標準鋳造合金AlSi6Cu4及びAlSi7Cu0.5Mgの鋳造試料の、250℃で測定されたそれぞれの引張り強さRm及び降伏強度Rp0.2を、250℃で500時間実施されたそれぞれの熱処理後に比較した図である。 本発明によるアルミニウム鋳造合金E1並びに標準鋳造合金AlSi6Cu4及びAlSi7Cu0.5Mgの鋳造試料の、300℃で測定されたそれぞれの引張り強さRm及び降伏強度Rp0.2を、300℃で500時間実施されたそれぞれの熱処理後に比較した図である。
本発明による3種類のアルミニウム鋳造合金E1、E2、E3を溶融させた。その組成を表1に示す。比較のために、比較合金Vを溶融させた。同様に表1に示したその組成は公知のアルミニウム鋳造合金「AlCu7MnZr」に相当する。
シリンダヘッドをアルミニウム鋳造合金E1、E2、E3、Vから鋳造した。これらを凝固後T6W処理にかけた。その中で、シリンダヘッドをそれぞれ480〜500℃で7.5時間固溶化焼鈍し、続いて水で急冷し、次いで240℃で4時間エージングした。続いて、燃焼室の領域中のこうして処理したシリンダヘッドの機械的性質、引張り強さRm、降伏強度Rp0.2、ブリネル硬さHB及び最終歪みAを測定する。その中で、アルミニウム鋳造合金E1及びE2からなるそれぞれ40個の鋳造試料並びにアルミニウム鋳造合金E3及び比較合金Vからなるそれぞれ15個の鋳造試料を試験した。鋳造試料の各々で測定された機械的性質の算術平均を表2に詳細に示し、図1のグラフに要約した。
機械的特性値の長期推移(独:langfristige Entwicklung,英:long-term development)に対する温度の影響を試験するために、アルミニウム鋳造合金E1、E2及びVから鋳造されたシリンダヘッドを長期熱処理にかけ、300℃の温度でまず8時間、次いで100時間、最後に300時間保持した。各熱処理時間終了後にこうして熱処理したシリンダヘッドの各々の試料を燃焼室から取り出し、これらの鋳造試料の降伏強度Rp0.2、引張り強さRm及び最終歪みAを室温で測定した。こうして処理した鋳造試料で測定された機械的性質の算術平均を表3に示す。試験結果によれば、100時間後、引張り強さRm及び降伏強度Rp0.2は、本発明によるアルミニウム鋳造合金E1、E2から鋳造されたシリンダヘッドの場合には実質的に安定であるのに対して、最終歪みAは増加する。一方、比較合金から製造されたシリンダヘッドは各々強度がより高いが、その最終歪みAは、本発明による試料それぞれで測定された最終歪みAより明らかに低い。
最後に、本発明による合金E1、E2、E3及びVから製造された更なるシリンダヘッドを、300℃で同様に実施された500時間の長期熱処理にかけた。次いで、ここでも、燃焼室の領域から取り出した300℃試料の、降伏強度Rp0.2、引張り強さRm及び最終歪みAを測定した。得られた値からその中で形成された算術平均値を表4に示し、図2に要約する。
本発明による合金E1、E2、E3及び高耐熱性合金Vから製造された試料の試験に加えて、従来の標準鋳造合金とも比較した。標準鋳造合金の可鋳性は、明らかに可鋳性に劣る比較合金Vとは対照的に、本発明による合金の可鋳性に匹敵した。この目的のために、E1、E2、E3及びVの試料と同じシリンダヘッドを標準鋳造合金S1及びS2から製造した。表5に示したその組成は、公知のアルミニウム鋳造合金「AlSi7Cu0.5Mg」及び「AlSi6Cu4」に相当する。標準合金S1及びS2から鋳造されたシリンダヘッドの各々をそれらに一般的である熱処理にかけた。すなわち、合金S1から鋳造されたシリンダヘッドをT6空気熱処理にかけ、合金S2から鋳造されたシリンダヘッドをT6W熱処理にかけた。
本発明による合金の耐熱性を現在用いられている標準合金と比較するために、合金S1、S2及び本発明による合金E1から製造された試料を250℃で実施された500時間の長期熱処理にかけた。次いで、ここでも、燃焼室の領域から取り出した250℃加熱試料の降伏強度Rp0.2及び引張り強さRmを測定した。得られた値からその中で形成された算術平均値を表6に示し、図3に要約する。
最後に、本発明による合金E1並びに標準合金S1及びS2から製造された更なるシリンダヘッドを、300℃で実施された500時間の長期熱処理にかけた。次いで、燃焼室の領域から取り出した300℃加熱試料の降伏強度Rp0.2及び引張り強さRmを測定した。こうして得られた値から形成された算術平均値を表7に示し、図4に要約する。
試験によって、本発明による合金E1、E2、E3から鋳造されたシリンダヘッドは、割れが検出されず、鋳造物の構造にほとんど細孔がないことが判明した。本発明によるアルミニウム鋳造合金E1、E2、E3からなる鋳造物で測定された強度値は、実際には、高温負荷後に各々比較合金Vの場合よりも低い。しかしながら、このために、本発明によるアルミニウム鋳造合金E1、E2、E3は、大規模条件でも問題なく、操作上信頼できる様式で鋳造することができる。同時に、試験によって、本発明によるアルミニウム鋳造合金E1、E2、E3から鋳造されたシリンダヘッドの強度は、同等の可鋳性を有する標準合金の強度の2倍であることが判明した。
Figure 0006101402
Figure 0006101402
Figure 0006101402
Figure 0006101402
Figure 0006101402
Figure 0006101402
Figure 0006101402

Claims (12)

  1. Cu:6.0〜8.0%
    Mn:0.3〜0.55%
    Zr:0.18〜0.25%
    Si:3.0〜7.0%
    Ti:0.05〜0.2%
    Sr:0〜0.03
    e:0<〜0.25%
    残りのアルミニウム及び不可避的不純物
    からなる(重量%)、アルミニウム鋳造合金。
  2. そのSi含有量が5.0重量%未満であることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム鋳造合金。
  3. そのSi含有量が少なくとも3.5重量%であることを特徴とする、請求項2に記載のアルミニウム鋳造合金。
  4. そのSi含有量が少なくとも5.0重量%であることを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム鋳造合金。
  5. そのSi含有量が少なくとも5.5重量%であることを特徴とする、請求項4に記載のアルミニウム鋳造合金。
  6. そのCu含有量が最高7.0重量%であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のアルミニウム鋳造合金。
  7. そのMn含有量が0.4〜0.55重量%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のアルミニウム鋳造合金。
  8. そのZr含有量が0.2〜0.25重量%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のアルミニウム鋳造合金。
  9. そのTi含有量が0.08〜0.12重量%であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のアルミニウム鋳造合金。
  10. そのSr含有量が少なくとも0.015重量%であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のアルミニウム鋳造合金。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に従って形成されたアルミニウム鋳造合金から鋳造された燃焼機関用鋳造物。
  12. それはシリンダヘッドであることを特徴とする、請求項11に記載の鋳造物。
JP2016515994A 2013-07-22 2014-07-15 耐熱性アルミニウム鋳造合金、及びかかる合金から鋳造される燃焼機関のための鋳造 Active JP6101402B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102013107810.9 2013-07-22
DE102013107810.9A DE102013107810A1 (de) 2013-07-22 2013-07-22 Hochwarmfeste Aluminiumgusslegierung und Gussteil für Verbrennungsmotoren gegossen aus einer solchen Legierung
PCT/EP2014/065130 WO2015010956A1 (de) 2013-07-22 2014-07-15 Hochwarmfeste aluminiumgusslegierung und gussteil für verbrennungsmotoren gegossen aus einer solchen legierung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016531198A JP2016531198A (ja) 2016-10-06
JP6101402B2 true JP6101402B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=51229876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016515994A Active JP6101402B2 (ja) 2013-07-22 2014-07-15 耐熱性アルミニウム鋳造合金、及びかかる合金から鋳造される燃焼機関のための鋳造

Country Status (15)

Country Link
US (1) US9663848B2 (ja)
EP (1) EP3024958B1 (ja)
JP (1) JP6101402B2 (ja)
KR (1) KR101718118B1 (ja)
CN (1) CN105408510A (ja)
BR (1) BR112015018372B1 (ja)
DE (1) DE102013107810A1 (ja)
ES (1) ES2662347T3 (ja)
HU (1) HUE036331T2 (ja)
MX (1) MX2015016249A (ja)
PL (1) PL3024958T3 (ja)
RU (1) RU2606141C1 (ja)
TR (1) TR201802630T4 (ja)
WO (1) WO2015010956A1 (ja)
ZA (1) ZA201505425B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11220729B2 (en) 2016-05-20 2022-01-11 Ut-Battelle, Llc Aluminum alloy compositions and methods of making and using the same
US11242587B2 (en) 2017-05-12 2022-02-08 Ut-Battelle, Llc Aluminum alloy compositions and methods of making and using the same
CN107400809A (zh) * 2017-07-31 2017-11-28 江苏大学 锆锶复合微合金化的高强韧耐腐蚀低硅含量铝硅铜系铸造铝合金及制备方法
US11180839B2 (en) 2017-10-26 2021-11-23 Ut-Battelle, Llc Heat treatments for high temperature cast aluminum alloys
CN109402473B (zh) * 2018-12-11 2019-12-03 贵州大学 一种具有高Fe含量的Al-Si-Cu-Mn耐热铝合金及其制备方法
KR20200082875A (ko) 2018-12-31 2020-07-08 주식회사 팔 알루미늄 합금을 이용한 브레이크 캘리퍼의 제조 방법
CN110592448B (zh) * 2019-08-27 2021-06-22 江苏大学 耐热耐腐蚀2219型铝合金及其制备方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04202737A (ja) * 1990-11-30 1992-07-23 Showa Alum Corp 強度に優れた耐摩耗性アルミニウム合金
JP4132293B2 (ja) * 1997-10-15 2008-08-13 株式会社豊田中央研究所 耐疲労特性に優れたアルミニウム合金
US6419769B1 (en) * 1998-09-08 2002-07-16 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Aluminum-silicon alloy having improved properties at elevated temperatures and process for producing cast articles therefrom
US6918970B2 (en) * 2002-04-10 2005-07-19 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration High strength aluminum alloy for high temperature applications
RU2224811C2 (ru) * 2002-06-03 2004-02-27 Татьяна Николаевна Легкая Литейный сплав на основе алюминия
FR2857378B1 (fr) * 2003-07-10 2005-08-26 Pechiney Aluminium Piece moulee en alliage d'aluminium a haute resistance a chaud
RU2306351C1 (ru) * 2006-04-05 2007-09-20 Юлия Алексеевна Щепочкина Сплав на основе алюминия
RU2329321C2 (ru) * 2006-05-10 2008-07-20 Новосибирский государственный технический университет Антифрикционный сплав на основе алюминия
DE102009026725A1 (de) 2008-07-04 2010-01-07 Aleris Aluminum Koblenz Gmbh Aluminiumgusslegierung
DE102009012073B4 (de) * 2009-03-06 2019-08-14 Andreas Barth Verwendung einer Aluminiumgusslegierung
DE102011083968A1 (de) * 2011-10-04 2013-04-04 Federal-Mogul Nürnberg GmbH Verfahren zur Herstellung eines Motorbauteils und Motorbauteil

Also Published As

Publication number Publication date
EP3024958B1 (de) 2018-01-03
US20160168665A1 (en) 2016-06-16
EP3024958A1 (de) 2016-06-01
CN105408510A (zh) 2016-03-16
DE102013107810A1 (de) 2015-02-19
BR112015018372A2 (pt) 2017-07-18
KR20160048777A (ko) 2016-05-04
BR112015018372B1 (pt) 2020-02-04
RU2606141C1 (ru) 2017-01-10
KR101718118B1 (ko) 2017-03-20
US9663848B2 (en) 2017-05-30
TR201802630T4 (tr) 2018-03-21
WO2015010956A1 (de) 2015-01-29
HUE036331T2 (hu) 2018-06-28
PL3024958T3 (pl) 2018-07-31
MX2015016249A (es) 2016-03-11
JP2016531198A (ja) 2016-10-06
ZA201505425B (en) 2016-04-28
ES2662347T3 (es) 2018-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6101402B2 (ja) 耐熱性アルミニウム鋳造合金、及びかかる合金から鋳造される燃焼機関のための鋳造
Mahmudi et al. Improved properties of A319 aluminum casting alloy modified with Zr
JP5442961B2 (ja) 耐熱性アルミニウム合金
DK2329053T3 (en) Aluminum alloy casting with resistance to fatigue and hot flow
EP2771493B1 (en) High performance aisimgcu casting alloy
US20150247229A1 (en) High strength, high stress corrosion cracking resistant and castable al-zn-mg-cu-zr alloy for shape cast products
JP6139641B2 (ja) 鋳造可能な耐熱性アルミニウム合金
CN107012366A (zh) Co 基合金锻造部件
JP2007084922A (ja) 高温アルミニウム合金
US10022788B2 (en) Method for producing an engine component, engine component, and use of an aluminium alloy
KR20160111919A (ko) 6xxx 알루미늄 합금
JP4498180B2 (ja) Zrを含むAl−Zn−Mg−Cu系アルミニウム合金及びその製造方法
JP2011162808A (ja) Ni基鍛造合金と、それを用いた蒸気タービンプラント用部品
CN109642275B (zh) 高强度铝合金、含有该合金的内燃机用活塞和内燃机用活塞的制造方法
JP5747410B2 (ja) 耐熱チタン合金
JP2016132824A (ja) 高強度Ni基超合金
RU2478131C2 (ru) Термостойкий литейный алюминиевый сплав
JP2014129576A (ja) 高温特性および耐水素脆化特性に優れたFe−Ni基合金およびその製造方法
JP5880836B2 (ja) 析出強化型耐熱鋼及びその加工方法
US2981620A (en) Cobalt-nickel base alloy
JP2004107777A (ja) オーステナイト系耐熱合金とその製造方法および蒸気タービン部品
JP2013174022A (ja) 鋳造用アルミニウム合金及びアルミニウム合金鋳物
JP2014196525A (ja) 耐熱マグネシウム合金
WO2016121495A1 (ja) 高温クリープ特性に優れたNi基合金およびこれを用いたガスタービン用部材
US1924727A (en) Aluminum alloy

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160808

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6101402

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250