JP6100134B2 - キャストコート紙およびその製造方法 - Google Patents

キャストコート紙およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6100134B2
JP6100134B2 JP2013197925A JP2013197925A JP6100134B2 JP 6100134 B2 JP6100134 B2 JP 6100134B2 JP 2013197925 A JP2013197925 A JP 2013197925A JP 2013197925 A JP2013197925 A JP 2013197925A JP 6100134 B2 JP6100134 B2 JP 6100134B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cast
water retention
coated paper
retention agent
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013197925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015063774A (ja
Inventor
稔 沓名
稔 沓名
喜仁 岡田
喜仁 岡田
目黒 章久
章久 目黒
野田 和宏
和宏 野田
有里子 恩田
有里子 恩田
恭兵 江口
恭兵 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Original Assignee
Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd filed Critical Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Priority to JP2013197925A priority Critical patent/JP6100134B2/ja
Publication of JP2015063774A publication Critical patent/JP2015063774A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6100134B2 publication Critical patent/JP6100134B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

本発明は、生産性が高く、凝集物による欠点が少なく、光沢度の高いキャストコート紙及びその製造方法に関する。
キャストコート紙は、コート紙な中でも、光沢が強く、様々な分野で使用されている。このような強光沢塗工紙の製造方法としては、例えば、主成分が顔料、水性接着剤及び助剤からなる塗工組成物を支持体の表面に塗工し乾燥後、乾燥された塗工層を再湿潤液によって再湿潤して可塑化し、加熱した鏡面仕上げされたドラム(以下、「キャストドラム」と称する。)表面に圧接させながら乾燥するリウェット法によるキャストコート紙の製造方法がある。キャストコート紙の製造方法では、乾燥後にキャストドラム面からの塗工紙の離型性を良好にし、更に光沢発現効果が高いカゼインや大豆たんぱくなどの水溶性タンパク質を使用することがある。
カゼインや大豆タンパクなどの水溶性タンパク質は、塩による膠化性があり、かつ熱によって容易に伸び縮みする粘弾性を有した可変性のゲルとなる特性を有しているため、光沢発現効果が高く、光沢紙用バインダーとして利用されている。カゼインは大豆タンパクと比較して末端基のカルボキシル基及びアミノ基の数が多く、反応性が高い。またカゼインは大豆タンパクに比べて皮膜にした場合の柔軟性が高く、より光沢度が発現しやすいという特徴がある。しかしながら、カゼインや大豆タンパクを塗工液にした場合には、塗工液の安定性が低く、工程中の熱やせん断力などの負荷を受けることにより、塗工液の変性、凝集物の発生が起こりやすいという欠点を持っている。塗工液の変性、凝集物の発生は光沢度の低下や紙上欠点の発生をまねき、光沢度の高いキャストコート紙を安定的に得ることができないという問題点がある。さらに、カゼインは臭気で問題があり、またコストが高いという問題もある。
そのため、特許文献1に記載のキャスト塗被紙においては、接着剤としてカゼインの代わりに、大豆タンパクを使用している。しかしながら、大豆タンパクは塗工液にした場合の安定性が低く、凝集物が発生し、凝集物による光沢面の欠点が発生しやすい。工程中の負荷により塗工液が変性して品質が安定せず、光沢度の高いキャストコート紙を得ることができない。
特許文献2に記載のキャスト塗被紙においては、凝固剤として有機酸塩、接着剤としてカゼインを使用している。しかしながら、ゲル化法でキャストコートしているため、生産性に劣る。また、ゲル化法は多量の水分をキャストドラムで乾燥する必要があり、クレーなどの透気性の低い顔料を使用する場合にはピットと呼ばれる蒸気破裂による塗工層の欠点を生じる。またカゼインは大豆タンパクに比べると安定性が高いものの、塗工液にした場合に強い負荷を受けた場合には、凝集物が発生し、紙面への欠点発生、光沢度の低下を引き起こす。工程中の負荷により塗工液が変性して品質が安定せず、光沢度の高いキャストコート紙を得ることができない。
特開平9−209296号公報 特開2002−266282号公報
本発明の目的は、生産性が高く、凝集物による欠点が少なく、光沢度の高いキャストコート紙及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、かかる現状に鑑み、リウェット法による優れたキャスト面を有するキャストコート紙を得るために、鋭意研究した結果、大豆タンパクとカゼインのうち1種以上と会合型保水剤を組み合わせることにより、塗工液の変性、凝集物の発生を抑制し、工程中で塗工液に負荷がかかっても安定的に光沢度の高いキャストコート紙を生産できることを見出した。すなわち、本発明に係るキャストコート紙は、顔料及び接着剤を主成分とするキャスト塗工液を支持体の表面に塗工して光沢層を設け、次いで乾燥し、乾燥した前記光沢層の表面を再湿潤して鏡面光沢を有するキャストドラムに圧接し、乾燥することからなるリウェット法によって製造されるキャストコート紙において、該光沢層が接着剤として大豆タンパクとカゼインのうち1種以上含み、さらに会合型保水剤を含有することを特徴とする。
本発明に係るキャストコート紙は、前記光沢層に含まれる会合型保水剤がアクリル系会合型保水剤、ウレタン系会合型保水剤のいずれか一方、もしくは両方であることが好ましい。
本発明に係るキャストコート紙は、前記光沢層に含まれる会合型保水剤の添加量が顔料100部対して0.005部〜10部であることが好ましい。
本発明に係るキャストコート紙は、該光沢層が接着剤として大豆タンパクとカゼインのうち1種以上を含有し、さらに会合型保水剤、有機酸、及び水溶性金属塩を含有し、有機酸がギ酸であり、水溶性金属塩がクエン酸ナトリウムであることが好ましい。
本発明に係るキャストコート紙は、該キャストコート紙が大豆タンパクとカゼインのうち1種以上、会合型保水剤を含有するキャスト塗工液を支持体の表面に塗工して光沢層を設け、次いで乾燥する光沢層形成工程と、該光沢層の表面を再湿潤液により再湿潤して鏡面光沢を有するキャストドラムに圧接し、乾燥するリウェット法によるキャスト処理工程とを有することを特徴とする。再湿潤液が有機酸、水溶性金属塩を含有することが好ましい。
本発明のキャストコート紙及びその製造方法によれば、生産性が高く、凝集物による欠点が少なく、光沢度が高いキャストコート紙を得ることができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏するに限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本実施形態に係るキャストコート紙は、顔料及び接着剤を主成分とするキャスト塗工液を支持体の表面に塗工して光沢層を設け、次いで乾燥し、乾燥した前記光沢層の表面を再湿潤して鏡面光沢を有するキャストドラムに圧接し、乾燥することからなるリウェット法によって製造されるキャストコート紙において、該光沢層が大豆タンパクとカゼインのうち1種以上と、会合型保水剤を含有する。
また、別の実施形態例においては、該キャストコート紙が大豆タンパクとカゼインのうち1種以上と、会合型保水剤を含有するキャスト塗工液を支持体の表面に塗工して光沢層を設け、次いで乾燥する光沢層形成工程と、該光沢層の表面を再湿潤液により再湿潤し、その後、鏡面光沢を有するキャストドラムに圧接し、乾燥するリウェット法によるキャスト処理工程とを有することを特徴とするキャストコート紙の製造方法である。再湿潤液に有機酸、及び水溶性金属塩を含有することが好ましい。
本発明の一実施形態においては、光沢層には接着剤として、水性接着剤を使用し、大豆タンパクとカゼインのうち1種以上を含有する。含有量としては顔料100部に対して、2〜20部、さらに4〜14部であることが好ましい。大豆タンパクとしては、例えばカルボキシル変性、スルホン化、リン酸化などの官能基を導入した大豆タンパクが挙げられる。本発明の効果は、カゼインと大豆タンパクのいずれを使用した場合にも、凝集物や塗工液の変性を抑制することができるが、カゼインは臭気の問題があり、コスト面からも大豆タンパクを用いることが好ましい。
カゼインや大豆タンパクなどの水溶性タンパク質を塗工液にした場合には、塗工液の安定性が低く、工程中の熱やせん断力などの負荷を受けることにより、塗工液の変性、凝集物が発生しやすいという欠点を持っている。塗工液が変性した場合は、塗工液の動的保水性が低下することで、ドラムへの密着性や光沢層の再湿潤時の可塑性が低くなり光沢度低下をひきおこす。凝集物が発生した場合は、紙上の欠点となるだけではなく、ドラムとの密着性が悪くなり光沢度が低下する。理由は定かではないがカゼインに比べ大豆タンパクを用いた場合に、前述のような凝集物発生、塗工液の変性が起こりやすい。かかる現状に鑑み、鋭意検討した結果、大豆タンパクとカゼインのうち1種以上に会合型保水剤を組み合わせることにより、凝集物の発生を抑制し、工程中の負荷による光沢低下を抑制できることを見出した。本発明で使用する会合型保水剤は、塗工液と混合した場合、保水剤が会合性を示すため、エマルジョン粒子と均一なネットワークを形成し、凝集物発生や塗工液の変性を抑制していると考えられる。これに対して、完全ケン化型のポリビニルアルコールやヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダなどの高分子型の保水剤は、高分子鎖で水を保持することで、流動性を制限して増粘させる機構であり、エマルジョン粒子とは独立して存在しているため、不安定であり、凝集物発生や塗工液の変性を抑制できない。会合型保水剤と同じように疎水基と親水基をもつ低分子型の界面活性剤では、エマルジョン粒子と均一なネットワークを形成することができず、凝集物発生や塗工液の変性を抑制できない。
本発明において会合型保水剤とは、分子中の疎水基と親水基が、塗工液中の成分、例えば顔料と吸着会合して集合体を形成し、粘性を上昇させ塗工液中の水分を保持する機構を有するものを指す。会合型保水剤としては、例えばアクリル系、ウレタン系、ビニルピロリドン系、ビニルアルコール系などの会合型保水剤が挙げられる。該光沢層に含まれる会合型保水剤としては、アクリル系会合型保水剤、ウレタン系会合型保水剤が凝集物の発生を抑制する効果が高く好ましい。さらに好ましくは、光沢度の観点からアクリル系会合型保水剤が好ましい。
アクリル系会合型保水剤は、親水性のアクリル系高分子主鎖にアルキル基などの疎水性基がランダムに存在する構造をしており、例えばアクリル系モノマーと疎水性側鎖を有するエチレン系モノマーとの共重合体が挙げられる。具体的には特開2007−84962号公報に示す保水剤などが挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸15〜70質量部と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル30〜85質量部と、これらと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体0〜50質量部から合成される共重合体と、ノニオン性界面活性剤と、アニオン性界面活性剤とを含む保水剤である。
会合型保水剤の添加量としては顔料100部に対して0.005部〜10部であることが好ましい。0.005部未満では凝集物発生の抑制、工程中の負荷による光沢低下の抑制の効果が低下する傾向にある。10部を越えると、塗工液の粘性が高くなり塗工液が固まって粕が発生しやすい傾向にあり、ハンドリングの面からも粘性が高くなり扱い難い。好ましくは0.01〜2.5部であり、光沢度が高いキャストコート紙を安定的に得られる。
また接着剤としては、上記水性接着剤に加えて、一般的に使用される樹脂等を使用することが好ましい。その例としては、ポリビニルアルコール(シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールなども含む)、ポリビニルアセタール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、ポリエチレンイミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリアクリル酸又はその共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス類、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス類、コロイダルシリカとアクリル樹脂の複合体樹脂、コロイダルシリカとスチレン−アクリル樹脂の複合体樹脂、などが例示され、単独又は併用して用いられる。好ましくは、スチレン−ブタジエン共重合体が使用される。大豆タンパクとカゼイン以外の接着剤は、顔料100部に対して、5〜40部、さらに好ましくは10〜30部の量で使用すればよい。
該光沢層には有機酸、水溶性金属塩が含まれるとよい。本発明の製造方法において、有機酸、水溶性金属塩はキャスト処理工程の再湿潤液に含まれればよく、有機酸、水溶性金属塩を添加することで再湿潤後の塗工層の膨潤性が増して、ドラムへの密着性がよくなるため、大豆タンパクとカゼインのいずれを用いた場合にも光沢度が高いキャストコートを得られる。有機酸の添加率は好ましくは再湿潤液中に0.3質量%〜4.0質量%の濃度で含ませればよい。0.3質量%を下回ると光沢が低下する傾向にあり、4.0質量%を上まわると光沢面の表面強度が低下する傾向があり、また紙欠点が発生する傾向にある。再湿潤液中の水溶性金属塩の添加率は、好ましくは再湿潤液中に0.05質量%〜0.3質量%の濃度で含ませればよい。0.05質量%を下回ると光沢が低下する傾向にあり、0.3質量%を上まわると光沢面の表面強度が低下する傾向があり、また紙欠点が発生する傾向にある。塗布量(ウェット塗布量)は、好ましくは10〜40g/mである。10g/mを下回ると光沢が低下する傾向にあり、40g/mを上まわるとピットと呼ばれる蒸気破裂による塗工層の欠点を生じる可能性がある。有機酸としては酢酸、ギ酸、リンゴ酸などが挙げられ、好ましくはギ酸である。水溶性金属塩としてはクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどが挙げられ、好ましくはクエン酸ナトリウムである。
キャスト塗工液に含有される顔料は、カオリンクレー、焼成クレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、プラスチックピグメント、など公知の塗工用顔料であり、1種または2種以上の顔料を適宜選択して使用することができる。本実施形態では、顔料の種類に限定されない。この中でカオリンクレーを選択することが望ましい。カオリンクレーは、キャストコート紙の光沢度及びキャストドラム表面からの離型性の点で優れている。また、軽質炭酸カルシウムを選択することが好ましい。軽質炭酸カルシウムを添加することで、所望する高い白色度を得ることができる。
光沢層の形成は、例えば、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、リップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ゲートロールコーター等の公知の塗工機を用いた方法が挙げられる。また支持体製造時に同時に塗工することもできる。塗工量としては、乾燥固形質量で5〜30g/mとなるように塗工することが好ましく、さらに好ましくは10〜20g/mである。5g/mを下回ると光沢度が低下する傾向にあり、30g/mを上回ると断裁などの加工適性が悪化する傾向にある。
支持体は、紙(塗工紙も含む)、フィルム、不織布又はそれらの複合体が一般に使用でき、本発明では限定されないが、塗工基材として平滑性、塗工液の塗工適性を具備したものを使用することが好ましい。前記支持体の中でも、リサイクル性の観点から紙がより好ましい。
本発明において、光沢層に耐水化剤、酸化防止剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、消泡剤、離型剤、界面活性剤などを発明の効果を損なわない範囲内で含むことができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例において示す「部」、「%」は、特に明示しない限りそれぞれ固形質量部、固形質量%を示す。
(実施例1)
(キャスト塗工液の調製)
キャスト塗工液を次に示す組成で調製した。顔料と分散剤とを固形分濃度65%においてセリエミキサー(三菱M−40ミキサー、三菱重工業社製)で分散させ、次いで攪拌しながら接着剤と離型剤、保水剤を添加した後、固形分を40%に調整し、更に25%アンモニア水溶液を用いて、塗工液をpH10.0のアルカリ性に調製してキャスト塗工液を得た。
〔キャスト塗工液の組成〕
カオリン(KAOFINE−90、白石カルシウム社製) 70部
軽質炭酸カルシウム(タマパール123CS、奥多摩工業社製) 30部
顔料100部当り
分散剤(アロンT50、東亜合成社製) 0.3部
大豆タンパク(プロコート4610、デュポン社製) 8部
ラテックス(E1794、旭化成工業社製) 15部
離型剤(SNコート243、サンノプコ社製) 2部
保水剤(アクリル系会合型保水剤、ソマレックス270k、ソマール社製) 0.1部
<光沢層の形成>
キャスト塗工液をエアナイフコーターで絶乾塗工量が15g/mとなるように坪量160g/mの上質紙の片面に塗工・乾燥し光沢を形成した。
(キャスト処理)
その後、得られた光沢層に、再湿潤液として有機酸(ギ酸)濃度が0.8%であり、かつ水溶性金属塩(クエン酸ナトリウム)濃度が0.1%である水溶液を湿潤塗工量が20g/mとなるようにディップコーターで塗工し、この面を直ちに110℃の表面温度を有するキャストドラムにプレスロールで圧接して乾燥した後、テークオフロールでキャストドラムから剥離する、所謂「リウェット法」によって光沢面を形成し、キャストコート紙を作製した。
(実施例2)
実施例1において、保水剤(アクリル系会合型保水剤、ソマレックス270k)の添加量を顔料100部当り0.005部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例3)
実施例1において、保水剤(アクリル系会合型保水剤、ソマレックス270k)の添加量を顔料100部当り0.01部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例4)
実施例1において、保水剤(アクリル系会合型保水剤、ソマレックス270k)の添加量を顔料100部当り2.5部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例5)
実施例1において、保水剤(アクリル系会合型保水剤、ソマレックス270k)の添加量を顔料100部当り10.0部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例6)
実施例1において、保水剤を(ウレタン系会合型保水剤、SNシックナーA−812、サンノプコ社製)とし、添加量を顔料100部当り0.1部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
参考例7)
実施例1において、保水剤を(ビニルピロリドン系会合型保水剤、ピッツコールK−30L、第一工業製薬社製)とし、添加量を顔料100部当り0.1部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
参考例8)
実施例1において、保水剤を(ビニルアルコール系会合型保水剤、ゴーセノールKH−20、日本合成化学社製)とし、添加量を顔料100部当り0.1部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例9)
実施例1において、保水剤を(アクリル系会合型保水剤、ソマレックス270k)と(ウレタン系会合型保水剤、SNシックナーA−812、サンノプコ社製)とし、添加量をそれぞれ顔料100部当り0.05部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例10)
実施例1において、有機酸(ギ酸)濃度を0.3%とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例11)
実施例1において、有機酸(ギ酸)濃度を4.0%とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例12)
実施例1において、水溶性金属塩(クエン酸ナトリウム)濃度を0.05%とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例13)
実施例1において、水溶性金属塩(クエン酸ナトリウム)濃度を0.3%とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例14)
実施例1において、有機酸を酢酸とし、水溶性金属塩をクエン酸カリウムとした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例15)
実施例1において、大豆タンパクの添加量を顔料100部当り4.0部とし、カゼイン(酸カゼイン、日成共益社製)を顔料100部当り4.0部添加とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例16)
実施例1において、大豆タンパクを無添加とし、カゼイン(酸カゼイン、日成共益社製)を顔料100部当り8.0部添加した以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(実施例17)
実施例1において、有機酸と水溶性金属塩を無添加とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(比較例1)
実施例1において、保水剤を(天然高分子系保水剤、カルボキシメチルセルロース、SGセロゲンPR、第一工業製薬)とし、添加量を顔料100部当り0.1部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(比較例2)
実施例1において、保水剤を(高分子系保水剤、ポリアクリル酸ナトリウム、ノプコスパース44−C)とし、添加量を顔料100部当り0.1部とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(比較例3)
実施例1において、保水剤を無添加とした以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
(比較例4)
実施例1において、保水剤、大豆タンパクを無添加とし、カゼインを顔料100部当り8.0部添加した以外は実施例1に記載したとおりの条件でキャストコート紙を作製した。
得られたインクジェット記録材料について、次の試験を実施し、結果を表1(実施例)と表2(実施例)、表3(比較例)に示した。
Figure 0006100134
Figure 0006100134
Figure 0006100134
(1)紙欠点
◎:紙に欠点なし。(製品として許容できる。)
○:紙に欠点が僅かにあり。(製品として許容できる。)
△:紙に欠点あり。(製品として不可。)
×:紙に多量に欠点あり。(製品として不可。)
(2)塗工液安定性:
塗工工程中で負荷がかかる前後での塗工液の動的保水性低下を評価した。
動的保水性はAA−GWR Water Retention Meters(Kaltec Scientific社製)で測定した。動的保水性の低下が大きいほど塗工液が変性しており、ドラムとの密着性に劣る。
◎:動的保水性が低下しない。(使用可。)
○:動的保水性が僅かに低下する。(使用可。)
△:動的保水性が低下する。(使用不可。)
×:動的保水性が大幅に低下する。(使用不可。)
(3)光沢度:
JIS Z 8741:1997で規定する測定方法に従い、光沢面表面の鏡面光沢度を測定した。なお入射角を60°で測定した。
表1、表2から明らかなように、実施例1〜16のキャストコート紙は、比較例1〜4の紙に比べて光沢度、塗工液凝集物、紙欠点に優れていた。実施例に示す様に、大豆タンパク、会合型保水剤、有機酸、水溶性金属塩を含むことで、光沢度に優れ、凝集物が少なく紙面の欠点が少ないものにすることができた。実施例17のキャストコート紙は、光沢度が低いものの塗工液凝集物、紙欠点に優れていた。
比較例1、2の紙は、保水剤が会合型保水剤でないため光沢度が低く、塗工液凝集物が発生、紙面に欠点が発生した。比較例3、4の紙は会合型保水剤を含まないため光沢度が低く、塗工液凝集物が発生、紙面に欠点が発生した。

Claims (6)

  1. 顔料及び接着剤を主成分とするキャスト塗工液を支持体の表面に塗工して光沢層を設け、次いで乾燥し、乾燥した前記光沢層の表面を再湿潤して鏡面光沢を有するキャストドラムに圧接し、乾燥することからなるリウェット法によって製造されるキャストコート紙において、該光沢層が接着剤として大豆タンパクとカゼインのうち1種以上を含有し、さらに会合型保水剤を含有し、
    該会合型保水剤がアクリル系会合型保水剤であることを特徴とするキャストコート紙。
  2. 該会合型保水剤の添加量が顔料100部に対して0.005部〜2.5部である、請求項1に記載のキャストコート紙。
  3. 該光沢層が接着剤として大豆タンパクとカゼインのうち1種以上を含有し、さらに会合型保水剤、有機酸、及び水溶性金属塩を含有する、請求項1又は2に記載のキャストコート紙。
  4. 該キャストコート紙が顔料と、接着剤として大豆タンパクとカゼインのうち1種以上と、会合型保水剤としてアクリル系会合型保水剤、ウレタン系会合型保水剤のいずれか一方、もしくは両方とを顔料100部に対して0.005部〜2.5部の量で含有するキャスト塗工液を支持体の表面に塗工して光沢層を設け、次いで乾燥する光沢層形成工程と、該光沢層の表面を再湿潤液により再湿潤し、その後、鏡面光沢を有するキャストドラムに圧接し、乾燥するリウェット法によるキャスト処理工程とを有することを特徴とするキャストコート紙の製造方法。
  5. 再湿潤液に有機酸、及び水溶性金属塩を含有する、請求項に記載のキャストコート紙の製造方法。
  6. 該会合型保水剤がアクリル系会合型保水剤である、請求項4また5に記載のキャストコート紙の製造方法。
JP2013197925A 2013-09-25 2013-09-25 キャストコート紙およびその製造方法 Active JP6100134B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013197925A JP6100134B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 キャストコート紙およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013197925A JP6100134B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 キャストコート紙およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015063774A JP2015063774A (ja) 2015-04-09
JP6100134B2 true JP6100134B2 (ja) 2017-03-22

Family

ID=52831886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013197925A Active JP6100134B2 (ja) 2013-09-25 2013-09-25 キャストコート紙およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6100134B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3336786B2 (ja) * 1995-01-11 2002-10-21 王子製紙株式会社 インクジェット記録用キャスト塗工紙
JP3074136B2 (ja) * 1995-12-05 2000-08-07 日本製紙株式会社 インクジェット記録用キャストコート紙
JP4436417B2 (ja) * 2008-03-03 2010-03-24 大王製紙株式会社 工程紙

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015063774A (ja) 2015-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5016222B2 (ja) キャスト塗工紙及びその製造方法
US8491975B2 (en) Glossy medium for inkjet printing
JP2002337447A (ja) インクジェット記録用キャスト塗工紙およびその製造方法
JP2009185395A (ja) キャスト塗工紙および工程紙
JP3508307B2 (ja) キャスト塗被紙の製造方法
JP6100134B2 (ja) キャストコート紙およびその製造方法
JP2009209469A (ja) 塗工紙
JP5308223B2 (ja) 塗工紙
JP2013204157A (ja) 塗工白板紙およびその製造方法
JPH1018197A (ja) キャスト塗被紙
JP6389447B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP5217203B2 (ja) キャスト塗工紙
JP2009209470A (ja) 塗工紙
JP2006336158A (ja) キャスト塗被紙
JP2870325B2 (ja) キャスト塗被紙
JP4566598B2 (ja) キャスト塗工紙及びその製造方法
JP2990883B2 (ja) キャスト塗被紙の製造方法
JP2001191636A (ja) インクジェット記録シートの製造方法
JP4086687B2 (ja) キャストコーテッド紙用両面下塗り原紙
JPH08158295A (ja) キャスト塗被紙の製造方法
JPH08325989A (ja) キャスト塗被紙の製造方法
JPH05140890A (ja) キヤスト塗被紙の製造方法
JP2006001019A (ja) インクジェット記録用光沢シートの製造方法及びインクジェット記録用光沢シート
JP2006193843A (ja) キャスト塗被紙
JPH08226095A (ja) キャスト塗被紙の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6100134

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250