JP6099634B2 - 半導体化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な半導体のポリトリアリールアミンポリマーに関する。
ポリアリールアミン及びポリトリアリールアミン化合物は、長年にわたり知られており、電子デバイスに使用できる有用な特性を有している。とくに有用な特性は、これら化合物が半導体であることである。
近年、ポリアリールアミンに対する研究は、改善された電荷移動度を有する化合物を生成することに絞られるようになってきた。従来技術の実体は、ポリアリールアミンポリマーに関する。最も関連のある従来技術としては、特許文献1(国際特許公開第1999/32537号)に記載されているものがあり、これは主に、光電効果及びこれら化合物を電子写真の分野に使用することに関連する。特許文献1の明細書は、ポリアリールアミンに関連する初期の多数の業績について説明しており、ポリアリールアミン化合物の分子量を制御するのにエンドキャッピング剤を使用してポリアリールアミンを形成する方法を提案している。本発明による化合物は、エンドキャッピング処理をする、又はエンドキャッピング処理しないものとすることができる。特許文献1は、とくに、ニトリロ基、ニトロ基、シアン基、及びC−Cアルコキシ基による置換を含む置換基の範囲について、また、特許文献1の第21頁には極めて広範囲の化合物をカバーすると思われる「カルビル誘導」置換基について、特許請求している。ポリマー及びコポリマー双方がカバーされている(特許文献1の第20頁参照)。特許文献1の発明者は、化合物の絶縁定数に関連する重要性については何ら言及しておらず、又はその重要性を認識しておらず、また誘電率をどのようにして上昇させることができるかについての記載はない。
その後の有機電子機器分野の研究者達は、非ポリマー有機半導体との組合せでポリアリールアミンを使用してきたが、特別に誘電率が1000Hzで3.3より高い結合剤(バインダ)は排除してきた(特許文献2及び特許文献3参照)。さらに、特許文献4(国際特許公開第2007/078993号)において、誘電率が3.3より高い結合剤を使用する試みでは極めて貧弱な電荷移動度しか得られず、このことは、有機電界効果トランジスタに使用する半導体設計の性能にとって深刻な局面である。
国際特許公開第1999/32537号 国際特許公開第02/45184号 国際特許公開第2005/055248号 国際特許公開第2007/078993号
本発明の発明者らは、誘電率を増大させた新規なクラスのポリトリアリールアミンを見出し、増大した誘電率は、極性及び表面特性を変化させ、またポリマー半導体に組合せて使用する半導体結合剤として使用する上での魅力を増大することを見出した。
本願発明と同日にセンター・フォー・プロセス・イノベーション・リミテッド社によって出願された「トランジスタ及びその形成方法」という名称の台湾国同時継続特許出願は、本発明に関連する情報を提供する。この同時係属出願と本件出願は、2011年5月26日及び2011年11月1日の共通の優先日を共有しており、英国における優先権主張の出願番号は、それぞれ第1108865.5号及び第1108867.9号である。
本発明は、以下の化学式(I)で表される半導体ポリマーであって、その誘電率が、1000Hzで3.4より高い、好適には、少なくとも3.5、より好適には、少なくとも3.7、例えば、4.1の誘電率であり、またその電荷移動度が、純粋状態で10−7cm−1−1より高く、より好適には10−6cm−1−1より高い、例えば、10−5cm−1−1より高いものとした、半導体ポリマーを含む。
好適なポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーとすることができる以下の化学式(I)である。コポリマーは、互いに異なった2つ以上のモノマー(単量体)によって準備されたポリマー(重合体)であり、またターポリマー、テトラポリマー等を含む。モノマーは、結合してランダムなブロック、又はセグメント化したコポリマー、並びに任意な種々の他の構造的配列を形成する。

化学式(I)
本発明は、化学式(I)によるポリトリアリールアミンのポリマーを有し、Rは、独立して、水素、好適には1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、好適には1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン、ニトロ基又はRであって、各Rは、独立して、シアン基(CN)、又は少なくとも1つのCN基を有する有機基であり、ただし、トリアリールアミンのポリマーにおける少なくとも1つの反復単位、及び好適には、反復単位の少なくとも30%がR 基を含み、また添え字の合計(j+k+l)が少なくとも1であるものとする。十分なR基がポリマーに存在し、確実に誘電率が1000Hzで3.4よりも高い値になるようにすべきである。R基は、化学式Iの第1部分におけるすべての反復単位において、同一ではない場合があり得ると理解されたい。
は、各生起において独立して、アルキル基であり、また純粋開環飽和炭化水素アルキル置換基、例えばメチル、エチル、プロピル、t−ブチル等だけでなく、従来既知の他の置換基を有するアルキル置換基、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、ハロゲン原子、シアン基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基等を含むことを意図する。したがって、アルキル基」は、エーテル基、ハロアルキル、等を含む。好適なR 基は、C−C20ヒドロカルビル基、より好適にはC−Cアルキル基、より好適にはメチル基を含む。
及びR の定義内における代替物からの異なった選択は、ポリマーの異なった単位で行うことができる。
Aは、各生起において独立して、水素、ハロゲン又は特許文献1に記載されたものを含む任意の適当なエンドキャッピング基とし、
j及びlは各生起において独立して0〜4であり、
kは各生起において独立して0〜5であって、より好適には、異なったモノマー単位毎に異なる添え字の合計(j+k+l)がモノマー単位の少なくとも10%において少なくとも1とする。
aは、ポリトリアリールアミン化合物における化学式(II)のモノマー単位数であり、ただしポリマーがホモポリマーである場合、ポリマーは化学式(II)のモノマーを100%有するものとする。好適には、コポリマーは、化学式(II)のモノマーを5〜100%、より好適には化学式(II)のモノマーを10〜80%、さらにより好適には化学式(II)のモノマーを30〜70%有するものとする。
bは、ポリトリアリールアミン化合物における化学式(III)のモノマー単位数であり、場合によっては、bは0となることがある。
Xはハロゲン、例えば、Br又はIとし、より好適には、Clである。
*(アスタリスク)‐は、ハロゲン原子又は適当な脱離基を表す。
本明細書で使用する用語「有機基」は、炭素原子、脂肪族基として分類される炭化水素基(炭素及び水素以外の随意的な元素、例えば、シアン基、酸素、窒素、硫黄、シリコン及びハロゲンを含む)、環状(cyclic)基、又は脂肪族基及び環状基の組合せ(例えば、アルカリル基及びアラルキル基)を意味する。用語「脂肪族基」は、飽和又は不飽和の、また直鎖又は分岐状の炭化水素基を意味する。この用語を使用して、例えば、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基をも包含する。用語「アルキル」基は、飽和直鎖又は分岐状の炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基等を含む。用語「アルケニル基」は、1個以上の炭素−炭素の2重結合を有する不飽和直鎖又は分岐状の炭化水素基、例えばビニル基を意味する。用語「アルキニル基」は、1個以上の炭素−炭素の3重結合を有する不飽和直鎖又は分岐状の炭化水素基を意味する。用語「環状基」は、脂環式基、芳香族基、又は複素環式基として分類される、閉鎖炭化水素環基を意味する。用語「脂環式基」は、脂肪族基に類似した特性を有する環状炭化水素を意味する。用語「芳香族基」又はアリール基は、単環又は多環式の芳香族炭化水素基を意味し、その範囲内にはアルカリル基又はアラルキル基を含む。用語「複素環式基」は、環内の1個以上の原子が炭素以外の元素(窒素、酸素、硫黄等)である、閉鎖炭化水素環を意味する。
ポリマーの平均分子量は、好適には、1000〜500,000の範囲内、例えば、5000〜100,000の範囲内である。
或る実施形態において、半導体ポリマーは、架橋し得る、また架橋結合及びパターン形成できる基を含み、したがって、半導体層の頂面上に被覆された溶液の層があるとき、半導体層はより溶解を受けにくくなる。
ポリトリアリールアミンのコポリマーは、したがって、化学式(II)及び(III)の反復単位を有し、そのうち少なくとも若干は、シアン基、又はシアン基若しくはアルコキシ基を含む基によって置換できる。
ポリマーは、好適には、ポリトリアリールアミン単位における任意な芳香環のシアン基置換を有する。より好適には、シアン基が芳香環に対して直接置換されている場合、窒素原子に対する2及び/又は6番目の位置にあるようにすべきである。好適には、このようなシアン基置換が「ペンダント」芳香環、すなわち、ポリマーの「骨格(主)」鎖に直接結合されていない芳香環にあるものとする。さらに、好適には、シアン基は連結基を介して間接的に取付けられるものとする。
他の好適なケースでは、ポリマーは、芳香環に直接置換されたアルコキシ置換基を有するのが好ましい。これら置換基は、窒素原子に対する2,4及び/又は6番目の位置にあるべきである。より好適には、このようなアルコキシ置換は「ペンダント」芳香環にあるものとする。シアン基も存在する場合、シアン基は、ペンダント芳香環の2番位置にあるのが好ましい。
化学式(II) 化学式(III)
最も好適なケースでは、Rは、ペンダント芳香環とシアン基との間の結合(リンカー)基を有する基とする。結合基は、アルキル基、少なくとも1つの付加的シアン基で置換されたアルキル基(例えば、−CHCN、−CR−CN)とすることができる。結合基は、例えば、付加的CN基によって置換することができるフェニレン基とすることができる。好適には、Rは、化学式−CCN、−C−CHCN又は−C−(CR)CNの基とすることができる。
好適な反復単位は、以下の化学式(IIa)によって表される。

化学式 (IIa)

ここで、基Dは、独立して結合基によって芳香環に取付いたCN基を有するCN基である、及び/又はDはアルコキシ基である。
本発明の一実施形態において、化学式(I)のポリマーは、1つ又は2つのR基、好適には、ペンダント芳香環における2,4及び/又は6番位置におけるシアノ基とする。最も好適には、1つのシアノ基はペンダント芳香環の2番位置をとるものとする(実施例1参照)。
他の好適なケースでは、Rは、化学式(I)のポリマーにおけるペンダント芳香環のメトキシ基とし、この場合、kは、好適には>1であり、より好適には、メトキシ基は、ペンダント芳香環の2番及び4番位置で置換されたものとする(実施例2参照)。
シアン基も存在する場合、シアン基は2番位置にあるのが好ましい。
調製実施例1〜9及び比較実施例10〜15
NMRデータはジョエル(JEOL)社により供給される機器、とくに、モデルECX及びECX400を使用して収集した。
使用したすべての溶剤は、他に明記しない限り、HPLC等級とした。
シリカゲル精製は、他に明記しない限り、グレース・ダビソン・ディスカバリー・サイエンシーズ(Grace Davison Discovery Sciences)社製品のDavison(登録商標)60Å40〜63μmを使用して行った
本明細書に記載する実施例で引用した平均分子量(Mn)は、ヒューレット・パッカード社の1100HPLCをUV検出@254nmで使用した、ゲル透過クロマトグラフィによって決定し、液体クロマトグラフィデータは、ポリスチレン標準(バリアン社によって供給され、13ポイントの分子量が162〜113300)に対して較正したサーラス(CIRRUS)社のGPC−Multi検出器のソフトウェアを使用して処理した。
さらに、簡便のため、ポリマーである本明細書に記載する実施例は、反復単位における芳香環の置換基によって識別する(例えば、2−シアノ−ポリトリアリールアミンのポリマー)。実施例1〜8及び比較例10〜15は、すべて対応のジハロ置換したモノマーを重合することによって合成し、特許文献1で定義されたエンドキャッピング試薬は本発明では使用しなかった。実施例9は鈴木カップリング重合を使用して合成した。特許文献1に記載された重合方法は、本発明のポリマーを調製するのに等しく適用することができる。
ポリマーの誘電率ε の測定方法
実施例1〜9及び比較例10〜15における半導体ポリマーの誘電率は、以下に詳細に説明する方法に従うキャパシタを作製することによって測定した。
50nmチタン底部接点パッドを、スパッタコーティング及び標準フォトリソグラフィ及び湿式エッチング技術を使用して調製した。つぎに、関心のある半導体ポリマーを、スピン塗工機を使用しT溶液から被覆し、代表的に500nmより大きい膜厚にした。材料を溶解するのに使用した溶剤は後で本明細書に示す。この後、約50nmアルミニウムの頂部接点パッドを、シャドウマスク蒸着を使用して堆積した。キャパシタンスは、アジレント(Agilent)社の較正したプレシジョンLCRメータE4980Aのセットを使用して、1000Hzの周波数で測定した。膜厚測定は、デクタック(Dektak)社の表面形状測定装置を使用して行い、またテイラー・ホブソン・タリサーフ(Taylor Hobson Talysurf)CCI社の白色光干渉計により相互相関付けした。2つの技術によれば、検討したすべての薄膜に対して±3%の範囲内で一致することが分かった。頂部及び底部接点パッドのオーバーラップ面積、すなわち形成されたキャパシタ面積は、画像分析ソフトウェアを装備したツアイス(Zeiss)社の立体顕微鏡を使用して測定した。これら値を使用して、誘電率は、以下の等式を使用して計算した。
等式1
等式1:誘電率の計算
ここで、
ε は、ポリトリアリールアミン類似物の誘電率、
Cは、キャパシタの測定キャパシタンス、
dは、ポリトリアリールアミン類似物の膜厚、
Aは、キャパシタ面積、及び
ε は、自由空間の誘電率(8.854×10−12F/mの値で一定)
である。
使用したキャパシタのアレイは64個のキャパシタであり、それぞれ0.11cm及び0.06cmの面積を有する(各サイズは32個)。各アレイの誘電率の値の標準偏差を計算した(キャパシタンス、膜厚、及び組合せ面積測定の標準偏差も含む)。さらに、可能であれば、各半導体ポリマーを2つの異なった膜厚で検査し、誘電率が膜厚で変化しないことを確認するため、各半導体ポリマーを2つの異なった膜厚で検査した。
誘電率データ
上述の方法を使用して、以下の表1に示したデータを得た。
表1:各ポリマーで作製し、また測定したキャパシタアレイの詳細
a テトラリンで調製し、300rpmで20秒被覆した5重量(wt)%ポリマー
b テトラリンで調製し、500rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
C o−ジクロロベンゼンで調製し、300rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
d o−ジクロロベンゼンで調製し、300rpmで20秒被覆した10重量%ポリマー
e ジクロロメタンで調製し、300rpmで20秒被覆した3重量%ポリマー
f ジクロロメタンで調製し、300rpmで20秒被覆した2重量%ポリマー
g 金の頂部及び底部の接点及び面積0.24cmのキャパシタを使用して準備した
h トルエンで調製し、700rpmで20秒被覆した10重量%ポリマー
i 金の頂部及び底部の接点及び面積0.15cmのキャパシタを使用して準備した
j テトラリンで調製し、500rpmで20秒被覆した10重量%ポリマー
金の頂部及び底部の接点及び面積0.11及び0.06cmのキャパシタを使用して準備した
トルエンで調製し、500rpmで20秒被覆した10重量%ポリマー
50/50THF/シクロヘキサノンで調製し、300rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
トルエンで調製し、300rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
トルエンで調製し、500rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
o−ジクロロベンゼンで調製し、500rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
ブロモベンゼンで調製し、300rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
ブロモベンゼンで調製し、500rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
フェネトールで調製し、100rpmで20秒被覆した3重量%ポリマー
フェネトールで調製し、200rpmで20秒被覆した3重量%ポリマー
テトラリンで調製し、300rpmで20秒被覆した7重量%ポリマー
テトラリンで調製し、500rpmで20秒被覆した7重量%ポリマー
トルエンで調製し、400rpmで20秒被覆した5重量%ポリマー
ポリマーの移動度は、以下に詳細に説明するようにガラス上で有機薄膜トランジスタ(OTFT:Organic Thin Film Transistor)の作製を介して測定した。
SU8層で被覆したガラス基板上に形成したOTFTの説明図である。
有機薄膜トランジスタ(OTFT)を作製し、またcm /Vsでの移動度(μ)を特徴付ける方法
OTFTは、ガラス基板を使用して頂部ゲート構造(図1参照)に作製した。作製方法を以下に説明する。
ガラス基板OTFTデバイス
4インチ(10.16cm)ガラス基板(例えば、コーニング社製Eagle2000)を、Deconex[登録商標](3%水溶液)内で超音波を使用して20分間洗浄し、その後超純水ですすぎ、圧縮空気を使用して乾燥した。ソース及びドレインの金属(Ti5nmの頂部におけるAu50nm)をガラス上にスパッタ被覆した。ソース−ドレイン(SD)電極を、標準のフォトリソグラフィ及び湿式化学エッチングを使用してパターン形成した。リソグラフィマスク上のトランジスタSDパターンは、4μm、10μm、30μm及び100μmからの範囲にわたるチャネル長さ及び0.5mm、3mm、及び15mmのチャネル幅を有する電極を構成する。このパターンはアレイ状にし、36個のトランジスタを生じ、それぞれのチャネル長は4インチ四方の基板にわたる。エッチングしたパターンの点検に続いて、フォトレジスト材料を化学的に剥離し、化合物顕微鏡を使用したSDチャネル長を測定した。つぎに、基板に対して、50sccmアルゴン/50sccm酸素プラズマ及び250WのRF電力を使用して、60分間(例えば、プラズマエッチ社のモデルPE100により)プラズマ処理した。OSC溶液のスピンコーティングをする前に、ペンタフルオロベンゼンチオールの10mM溶液を1分間電極表面に塗布し、この後スピンコーティングし、そして2プロパノールですすぎ、続いてホットプレート上で100゜Cの温度にして乾燥した。有機半導体(OSC)調製物をSD電極上に、1000rpmに設定したサス(Suss)社のRC12塗工機(スピナ)を使用してスピンコーティングし、これに続いてホットプレート上で100゜Cの温度にして60秒ベイクした。FC43溶剤(アクロス・オーガニクス社製)の1パートに対してCytopCTL809M(旭硝子社製)を2パートにした溶液を1500rpmでスピンコーティングし、このサンプルをホットプレート上に60秒間100゜Cにしてベイクした。ゲート電極は、熱蒸着システム内でシャドウマスクを介して金を蒸着することによって画定した。
OTFT特徴
OTFTは、ウェントワース(Wentworth)社のPegasus300Sの半自動プローブステーションをケイスレイ(Keithley)社のS4200半導体パラメータアナライザと組合せて使用し、検査を行った。このことにより、統計的に有意な回数のOTFTデバイス測定を各基板に対して行うことができた。ケイスレイ社のシステムにより、以下の等式2に従ってリニア移動度を計算した。
ここで、Lはトランジスタの長さ、Wはトランジスタの幅、Cは単位面積あたりの誘電キャパシタンスである。Vdsは、他に明記しない限り−2Vに設定した。報告される移動度値は、各トランジスタに対して5個の最高ポイントで累積した平均とする。移動度値の標準偏差は平均のパーセンテージとして報告され、測定したデバイスの数も以下の結果表で示される。
表2:ポリマー調製詳細での各ポリマーのTFT移動度
調製実施例1〜9
実施例(1):2−シアノ−PTAAポリマー(1)の合成
1(a):2−シアノモノマーの合成
磁気撹拌装置、温度計、冷却器及びアルゴン流入口を装備した、500ミリリットル(mL)の3ネック丸底フラスコに250mLのN−メチルピロリジノン(シグマ・オールドリッチ(Sigma Aldrich)社製GPR等級)を投入し、次に15分間脱気した。24.2グラム(g)の2−フルオロベンゾニトリル(フルオロケム(Fluorochem)社製)、23.8gのビス(4−クロロフェニル)アミン(実施例3)、及び30.4gの(アルファ‐アエザー(Alfa Aesar)社製)フッ化セシウムを容器に添加し、175゜Cにして18時間加熱してから、室温まで冷却した。この混合物を水(1800mL)に注入し、トルエンで抽出した。有機相を乾燥し(硫酸マグネシウムMgSOで)、茶色の固形物を生ずるまで濃縮した。この材料をメタノールでスラリー状にし、黄褐色の固形物にし、これをさらにメタノール及びチャコールから再結晶化することによって生成し、黄褐色固形物の生成物を得た。収量:21g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.6(1H,m,ArH),7.5(1H,m,ArH),7.3〜7.15(6H,m,ArH),6.9(4H,m,ArH)
2−シアノ−PTAAホモポリマーの合成
500mL3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。200mLの無水N,N−ジメチルアセトアミド(シグマ・オールドリッチ社製)を容器内にカニューレ針によって注入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(7.78g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(368ミリグラム(mg)、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(11.38g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(253mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加した。内容物を70〜80゜Cに加熱し、この混合物を赤茶色に変化させた。若干のヨード(ヨウ素)結晶を添加し、この反応物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。モノマー(19.95g)を容器に添加した。無水トルエン(29mL,シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、この反応物を70〜80゜Cにして19時間にわたり撹拌しながら放置し、その後室温まで冷却した。この反応物をセライト(登録商標)によりN,N−ジメチルアセトアミド(50mL)で溶離しながら濾過した。この濾液をメタノールの撹拌部分(1.5リットル(L))に滴下添加した。この懸濁液を1時間にわたり撹拌し、真空濾過によって収集し、またメタノールで洗浄した。濾過ケーキを、ジクロロメタン(500mL)内に溶解し、1M含水水酸化ナトリウム溶液(250mL)、3倍の水(3×250mL)で洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウムNaSOで)し、オレンジ色の固形物となるように濃縮した。この材料の溶液を、120mLのテトラヒドロフランで生成物を50゜Cにして溶解し、また60mLのトルエンで希釈することによって調製した。この溶液を、シリカゲルによってテトラヒドロフラン:トルエンが2:1の混合物(800mL)で溶離させながら濾過した。複合濾液を濃縮し、黄色の固形物を生じた。この材料をテトラヒドロフラン(180mL)に溶解し、また磁気撹拌装置、及び冷却器を装備した、500mL丸底フラスコに投入した。活性炭(1.8g)を添加し、この混合物を60゜Cにして35分間加熱した。この混合物をブフナー漏斗内の濾紙で濾過し、テトラヒドロフランで洗浄した。炭素スクリーニングを合計3回繰り返し、3回目の処理でガラス焼結漏斗により濾過した。この濾液を濃縮して黄橙色の固形物を生じた。この材料の溶液を、テトラヒドロフラン(100mL)内で調製し、またメタノールの撹拌部分(400mL)に滴下添加した。この懸濁液を1時間にわたり撹拌し、真空濾過によって収集し、そしてメタノールで洗浄し、一定重量になるまで乾燥し、黄色の固形物としての生成物を生じた。この後、この沈殿を、120mLのLCテトラヒドロフラン及び400mLのメタノールを使用して繰り返し、黄色の粉末としての生成物を生じた。収量:12.72g。Mn=2514g/モル。n=9.4。多分散性=2.0
ポリマー(1)の誘電係数は3.8であった。
実施例(2):2,4−ジメトキシ−PTAAポリマー(2)の合成
2(a):2,4−ジメトキシ−PTAAモノマーの合成
磁気撹拌装置、温度計、アルゴン流入口及び冷却器を装備した、2リットル(L)の3ネック丸底フラスコに875mLのトルエンを投入し、15分間脱気した。5.12gの酢酸パラジウム(II)(プレシャス・メタルズ・オンライン(Precious Metals Online)社製)及び13.19gの4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(アルファ‐アエザー社製)を容器に投入した。この混合物を撹拌しながら50゜Cになるまで加熱し、内部温度が50゜Cに達した後、室温まで冷却した。この混合物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。2,4−ジメトキシアニリン(35g、アルファ‐アエザー社製),4−クロロヨードベンゼン(119.70g、アポロ・サイエンティフィック(Apollo Scientific)社製))及びナトリウム tert-ブトキシド(48.25g、アルファ‐アエザー社製)を添加し、この反応物を95゜Cにして18時間加熱した。この反応物を室温まで冷却し、そしてシリカパッドにより濾過した。濾液を濃縮して茶色の固形物を生ずるまで濃縮した。この材料をイソプロピルアルコール/アセトンから再結晶化した。冷却後、固形物を真空濾過によって収集し、また冷たいイソプロピルアルコール/アセトンで3回洗浄した。固形物をさらに、ジクロロメタン/メタノールから再結晶化し、茶色の固形物としての生成物を生じた。収量:30.95g。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.1(4H,m,ArH),6.8(4H,m,ArH),3.8(3H,s,ArOMe),3.6(3H,m,ArOMe)
2,4−ジメトキシ−PTAAポリマー(2)の合成
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。150mLの無水N,N−ジメチルアセトアミド(シグマ・オールドリッチ社製)を容器内にカニューレ針によって注入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(5.36g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(250ミリグラムmg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(8.1g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(150mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加し、内容物を70〜80゜Cに加熱した。この溶液は赤茶色に変化し、またヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個この混合物に添加した。この反応物をこの温度で1時間にわたり撹拌しながら放置してから、モノマー(15g)及び無水トルエン(24mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加した。この反応物を70〜80゜Cにして19時間にわたり撹拌しながら放置した。この反応物を室温まで冷却し、セライトパッドを通してN,N−ジメチルアセトアミド(50mL)で溶離しながら濾過した。この濾液をメタノールの撹拌部分(1250mL)に滴下添加した。この懸濁液を1時間にわたり撹拌してから、真空濾過によって収集した。この固形物をジクロロメタン(250mL)内に溶解し、1M含水塩酸(200mL)、水(2×200mL)とともに洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウムで)、濃縮してオレンジ−黄色の固形物を生じた。これをテトラヒドロフラン(200mL)に溶解し、またシリカゲルによってテトラヒドロフランで溶離させながら濾過した。濾液を組合せて濃縮し、オレンジ色の固形物を生じた。この材料をテトラヒドロフラン(250mL)に溶解し、また磁気撹拌装置、及び冷却器を装備した、500mL丸底フラスコに投入した。活性炭(1.14g)を添加し、この混合物を60゜Cにして30分間加熱した。この混合物をブフナー漏斗内の濾紙で濾過し、テトラヒドロフランで洗浄した。炭素スクリーニングを合計3回繰り返し、3回目の処理でガラス焼結漏斗により濾過した。この濾液を濃縮して黄橙色の固形物を生じた。この材料の溶液を、テトラヒドロフラン(64mL)内で調製し、またメタノールの撹拌部分(320mL)に滴下添加した。この懸濁液を45分間撹拌してから、真空濾過によって収集し、そしてメタノールで洗浄し、乾燥した。この沈殿手順を2回目は、テトラヒドロフラン(95mL)及びメタノール(475mL)を使用して繰り返し、黄色の固形物を生じた。つぎに、この固形物をメタノール(350mL)内で2時間にわたり撹拌し、濾過した。テトラヒドロフラン(60mL)及びメタノール(300mL)を使用する最終沈殿を行い、乾燥後に黄色の固形物を生じた。収量:6.3g。Mn=3471g/モル。n=11.5。多分散性=2.6。
ポリマー(2)の誘電係数は3.9であった。
実施例3:4−イソプロピルシアノ−PTAAホモポリマー(3)の合成
3(a):中間化合物、4−ヨードフェニルアセトニトリルの合成
磁気撹拌装置を装備した丸底フラスコに、アルゴンの下に1.22gのヨウ化銅(シグマ・オールドリッチ社製)、25gの4−ブロモフェニルアセトニトリル(アポロ・サイエンティフィック社製)及び38.37gのヨウ化ナトリウム(シグマ・オールドリッチ社製)をアルゴンの下に投入した。丸底フラスコを抜気し、またアルゴンで3回再充填した。N,N−ジメチルエチレンジアミン(1.38mL、シグマ・オールドリッチ社製)及び25mLのジオキサンを添加し、この混合物を110゜Cにして2時間(h)加熱した。この反応物を室温(rt)まで冷却し、そして125mLの30%アンモニア水溶液を添加した。この混合物を500mLの水に注入し、ジクロロメタン(DCM)で3回抽出し、複合有機物をMgSOで乾燥した。溶剤を減圧下で除去し、標題の化合物を茶色のオイルとして生じ、このオイルを自立する状態まで固形化した。収量:29.97g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.71(2H,d,Ar−H),7.08(2H,d,Ar−H),3.66(2H,s,CH)。
3(b):中間化合物、2−(4−ヨードフェニル)−2−メチルプロパンニトリルの合成
温度計、アルゴン流入口及び磁気撹拌装置を装備した3ネック丸底フラスコに、25mLのテトラヒドロフラン(THF:ユニバール(Univar)社製)内における15.82gのナトリウム tert-ブトキシド(アルファ‐アエザー社製)をアルゴンの下に投入し、0゜Cに冷却した。つぎに、N−メチルピロリジノン(NMP)(25mL)を添加した。22mLのTHF:NMP(容積:容積(v/v)が1:1)内における10gの4−ヨードフェニルアセトニトリル及び10.2mLのヨウ化メチル(シグマ・オールドリッチ社製)の溶液を調製し、この調製物を冷却した反応混合物に、温度が10゜未満に維持する割合で添加した。添加が完了した後、反応物は室温rtまで温まることができ、これを2時間にわたり撹拌した。3Mの含水塩酸(HCL)を120mL添加し、ついで120mLのトルエンを添加し、相を分離し、また水性層を2回以上120mLのトルエンで抽出した。複合有機層を飽和含水重炭酸ナトリウム(120mL)、食塩水(120mL)、含水チオ硫酸ナトリウム(120mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。減圧下で溶剤を除去することによって、茶色のオイルとしての粗生成物を生じた。酢酸エチル/ヘプタンの混合物内におけるカラム・クロマトグラフィによる精製により、淡黄色オイルとしての標題の化合物を生じた。収量:4.55g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.71(2H,d,Ar−H),7.23(2H,d,Ar−H),1.70(6H,s,CH)。
3(c):中間化合物、ビス(4−クロロフェニル)アミンの合成
オーバーヘッド撹拌装置、温度プローブ、アルゴン流入口及び冷却(凝縮)器を装備した10Lのジャケット付き容器に、6.6Lの無水トルエン(シグマ・オールドリッチ社製)を投入し、つぎに、これを15分間脱気した。7.46gの酢酸パラジウム(II)(プレシャス・メタルズ・オンライン社製)及び20.64gのラセミ化合物の2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(アルファ‐アエザー社製)を容器に添加し、そして内容物を撹拌しつつ50゜Cまで加熱し、内部温度が50゜に達した後に冷却し、室温に戻し、そして1時間にわたり撹拌しつつ放置した。4−クロロアニリン(443.98g、アルファ‐アエザー社製)、4−クロロヨードベンゼン(794.49g、アポロ・サイエンティフィック社製)及びナトリウム tert-ブトキシド(318.63g、アルファ‐アエザー社製)を容器に投入し、内容物を加熱し2時間還流させ、この場合、HPLC分析は残留出発原料物質が残存しないことを示した。この反応物を室温に冷却し、水(3.3L)、2Mの含水塩酸(3.3L)、水(3.3L)、及び食塩水(3.3L)で洗浄した。有機相を乾燥し(硫酸ナトリウムで)、茶色の固形物を生ずるまで濃縮した。これを、メタノール:水が6:1の混合物(総体積は6.53L)内で再結晶化し、明るい茶色の固形物としての生成物を生じた。収量:362g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.22〜7.20(4H,m,ArH),6.96〜6.94(4H,m,ArH),5.62(1H,s,ArNH)。
3(d):2−(4−ビス(4−クロロフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル;いわゆる4−イソプロピルシアノ−PTAAモノマーの合成
酢酸パラジウム(261mg、プレシャス・メタルズ・オンライン社製)及び(+/-)2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(723mg、アルファ‐アエザー社製)を400mLの脱気したトルエンに添加し、これをアルゴンの下に45゜Cに30分間加熱した。この溶液を冷却し、2−(4−ヨードフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(28.6g)、ビス−(4−クロロフェニル)アミン(25.12g)及びナトリウム tert-ブトキシド(11.15g)を10分間にわたり添加した。添加完了後、この反応混合物を加熱し20時間還流させた。反応混合物を冷却し、シリカプラグを通して濾過し、溶剤を減圧下で除去した。EtOAc/ヘプタン混合物を使用するカラム・クロマトグラフィによる精製により、黄色の固形物としての生成物を生じた。この生成物を、つぎにメタノール(150mL)内で還流し、そして濾過によって熱いクリーム色の固形物を生じた。濾液からの固形物を収集し、複合固形物を57mLの工業用変性アルコール(IMS:industrial methylated spirits)から再結晶化し、濾過し、そしてIMS(30mL)で洗浄し、クリーム色の固形物を生じた。収量:10.5g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.31(2H,d,Ar−H),7.21(4H,d,Ar−H),6.97〜7.02(6H,m,Ar−H),1.71(6H,s,2xCH)。
4−イソプロピルシアノ−PTAAホモポリマーの合成(3)
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。150mLの無水N,N−ジメチルアセトアミド(シグマ・オールドリッチ社製)を容器内にカニューレ針によって注入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(3.53g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(169ミリグラムmg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(5.37g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(99mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加し、内容物を70〜80゜Cに加熱した。この溶液は赤茶色に変化し、またヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個この混合物に添加した。この反応物をこの温度で1時間にわたり撹拌しながら放置してから、モノマー(10.8g)及び無水トルエン(18mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加した。この反応物を70〜80゜Cにして19時間にわたり撹拌しながら放置した。この反応物を室温まで冷却し、混合物をゆっくりとゲル化させた。室温に達した後、混合物は完全にゲル状になった。これを濾過し、収集した固形物をジクロロメタン(500mL)内で溶解させ、セライトを通してジクロロメタン(2×500mL)で溶離しながら濾過した。濾液を濃縮して湿った残留物を生じ、この残留物をメタノール(500mL)内で粉末化し、濾過して黄色の固形物を生じた。この固形物をジクロロメタン(500mL)内に超音波で溶解し、1M含水水酸化ナトリウム(250mL)、水(3×250mL)とともに洗浄し、その後乾燥して(硫酸ナトリウムで)黄色の固形物となるように濃縮した。この材料の溶液をジクロロメタン(100mL)内で超音波により時間をかけて調製し、シリカパッドを通してジクロロメタンで溶離させながら濾過した。濾液を濃縮して黄色の固形物を生じた。この固形物を、ジクロロメタン(50mL)内で超音波により時間をかけて溶解し、メタノール(250mL)の撹拌部分にゆっくりと添加した。この懸濁液を2時間にわたり撹拌してから、濾過し、濾液及びメタノールで洗浄し、一定重量になるまで乾燥し、黄色の固形物としての生成物を生じた。収量:3.11g。
ポリマー(3)の誘電係数は5.9であった。
実施例4:ポリマー(4)、50:50 4−イソプロピルシアノ−PTAA:2,4−ジメチル−PTAAコポリマー
2,4−ジメチルPTAAモノマーの合成
オーバーヘッド撹拌装置、温度プローブ、アルゴン流入口及び冷却器を装備した10Lのジャケット付き容器に、4.5Lの無水トルエンを投入し、つぎに、これを15分間脱気した。5.56gの酢酸パラジウム(II)(プレシャス・メタルズ・オンライン社製)及び15.47gのラセミ化合物の2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(アルファ‐アエザー社製)を容器に投入した。この混合物を撹拌しつつ50゜Cまで加熱し、内部温度が50゜に達した後に冷却し、室温に戻した。この混合物を室温で1時間にわたり撹拌しつつ放置した。2,4−ジメチルアニリン(300.03g、アルファ‐アエザー社製)、4−クロロヨードベンゼン(1306.51g、アポロ・サイエンティフィック社製)及びナトリウム tert-ブトキシド(523.87g、アルファ‐アエザー社製)を容器に添加し、反応物を還流で24時間加熱し、この場合、HPLC分析は完全に反応したことを示した。この反応物を室温に冷却し、水で2回(2×4L)洗浄し、有機相をセライトに通して濾過し、2回目の分離部分を生じ、これを分離した。つぎに、有機物を濃縮して茶色の固形物を生じた(935.5g)。この材料838.46gを、オーバーヘッド撹拌装置、温度プローブ、アルゴン流入口及び冷却(凝縮)器を装備した6Lのジャケット付き容器内で、工業用変成アルコール(IMS):酢酸エチルの割合が3:1となる混合物(4450mL)から再結晶化した。この懸濁液を0゜Cにして1時間冷却し、つぎに固形物を真空濾過によって収集し、IMS:酢酸エチルの割合が3:1の冷混合物で3回(3×840mL)洗浄した。固形物を一晩かけて乾燥し、灰色の固形物としての生成物を生じた。収量:699g。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.16〜6.85(11H,m,ArH),2.35(3H,s,ArH),1.99(3H,s,ArMe)。
50:50 2,4−ジメチル:4−イソプロピルシアノPTAAコポリマー(4)の合成
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。200mLの無水N,N−ジメチルアセトアミド(シグマ・オールドリッチ社製)を容器内にカニューレ針によって注入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(6.5g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(0.29g、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(9.52g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(0.19g、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加した。この内容物を70〜80゜Cに加熱した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個添加し、触媒形成を容易にし、この溶液は赤茶色に変化した。この混合物をこの温度でさらに1時間にわたり撹拌した。2,4−ジメチルモノマー(8.12g)及び4−イソプロピルシアノモノマー(9g)を容器に添加し、ついで無水トルエン(27.5mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加した。この反応物を、70〜80゜Cにして20時間にわたり撹拌してから室温にまで冷却した。この固形物を真空濾過によって収集し、50゜Cにしてトルエンに再溶解させた。この混合物を冷却し、濾過により過剰な亜鉛を除去した。濾液を1M含水水酸化ナトリウム溶液(250mL)、水(250mL)及び10%塩化ナトリウム溶液(250mL)で洗浄し、乾燥して(硫酸ナトリウムNaSOで)黄色の固形物となるように濃縮した。この材料をトルエン(100mL)に溶解し、トルエンで溶離しながらシリカを通して濾過した。この濾液を濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料は、トルエン(250mL)に溶解し、また磁気撹拌装置及び冷却器を装備した500mLの丸底フラスコ内に投入した。活性炭(0.4g)を添加し、この混合物を50゜Cにして30分間加熱した。この混合物をブフナー漏斗内の濾紙で濾過し、トルエンで洗浄した。炭素スクリーニングを合計3回繰り返し、3回目の処理でガラス焼結漏斗により濾過した。この濾液を濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料の溶液を、テトラヒドロフラン(80mL)内で調製し、またメタノールの撹拌部分(400mL)に滴下添加した。この結果得られた懸濁液を1時間にわたり撹拌してから、真空濾過によって収集し、そしてメタノールで洗浄し、一定重量になるまで乾燥し、黄色粉末としての生成物を生じた。収量:2.6g。Mn=15091g/モル。n=26。多分散性=1.18
ポリマー(4)の誘電係数は4.1であった。
実施例5:ポリマー(5)、30:70 4−イソプロピルシアノ−PTAA:2,4−ジメチル−PTAAコポリマー
5(a):4−ヨードフェニルアセトニトリルの合成
シアン化カリウム(33.23g、シグマ・オールドリッチ社製)及び4−臭化ヨードベンジル(101g、アポロ・サイエンティフィック社製)を、IMS/水の割合が3:1の混合物(1L)内に混合させたものを加熱して2時間還流させ、つぎに室温まで冷却した。有機物を真空内で除去し、水性物をEtOAc(2×750mL)で抽出した。複合有機物を食塩水(300mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、真空内で濃縮してオイルとしての生成物を生じ、このオイルを自立する状態まで固形化した。収量:78.4g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.71(2H,d,ArH),7.08(2H,d,ArH),3.66(2H,s,ArCHCN)。
5(b):2−(4−ヨードフェニル)−2−メチルプロパンニトリルの合成
NMP(197mL、シグマ・オールドリッチ社製)を、THF(197mL、ユニバール社製)におけるナトリウム tert-ブトキシド(124.0g、アルファ‐アエザー社製)の懸濁液にアルゴンの下に添加した。この混合物は、0゜Cに冷却し、またNMP/THFの割合が50:50の混合物(173mL)における、ヨードメタン(87.9mL、シグマ・オールドリッチ社製)及び4−ヨードフェニルアセトニトリル(78.4g)の溶液を内部温度が10゜未満に維持されるよう滴下添加した。この混合物を室温まで温め、また一晩かけて撹拌した。つぎに、2MのHCl(930mL)及びトルエン(930mL)を添加し、水性層を分離し、トルエン(2×465mL)で抽出した。複合有機物を飽和重炭酸ナトリウム(930mL)、食塩水(930mL)、2Mのチオ硫酸ナトリウム(930mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、真空で濃縮し、黄色/オレンジ色の固形物にした。EtOAc/ヘプタン混合物で溶離しつつカラム・クロマトグラフィによる精製により、標題化合物を淡黄色オイルとしての生成物を生じた。収量:4.55g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.71(2H,d,Ar−H),7.23(2H,d,Ar−H),1.70(6H,s,CH)。
5(c):2−(4−(ビス(4−クロロフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル:4−イソプロピル−シアノ−PTAAモノマーの合成
酢酸パラジウム(261mg、プレシャス・メタルズ・オンライン社製)及び(±)2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(BINAP)(723mg、アルファ‐アエザー社製)を、400mLの脱気トルエンに添加し、つぎに、アルゴンの下で45゜Cに30分間加熱した。この溶液を冷却し、また2−(4−ヨードフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(28.6g)、ビス−(4−クロロフェニル)アミン(25.12g)及びナトリウム tert-ブトキシド(11.15g)を10分間にわたり添加した。この添加が完了した後、反応混合物を加熱し、20時間還流した。この反応混合物を冷却し、シリカプラグを通して濾過し、溶剤を減圧下で除去した。EtOAc/ヘプタン混合物を使用するカラム・クロマトグラフィによる精製により、黄色の固形物としての生成物を生じた。この生成物をメタノール(150mL)で還流し、濾過し、クリーム色の熱い固形物を生じた。濾液からの固形物を収集し、複合固形物をアセトニトリルから再結晶化し、固形物をアセトニトリル(×2)で洗浄した。収量:10.5g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.31(2H,d,Ar−H),7.21(4H,d,Ar−H),6.97〜7.02(6H,m,Ar−H),1.71(6H,s,2xCH)。
30:70 4−イソプロピルシアノ−PTAA:2,4−ジメチルPTAAコポリマーの合成
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。N,N−ジメチルアセトアミド(278.5mL、シグマ・オールドリッチ社製)を注入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(10.74g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(500mg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(15.85g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(300mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加した。内容物を70〜80゜Cに加熱し、これによりこの混合物は赤茶色に変化した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個この混合物に添加し、混合物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。2,4−ジメチル(18.87g)及び4−イソプロピルシアノ(8.99g)モノマーを容器に添加した。この反応物を70〜80゜Cにして19時間にわたり撹拌しながら放置してから、室温まで冷却した。この反応物を濾過し、固形物をN,N−ジメチルアセトアミドで洗浄した。濾過ケーキをトルエン(500mL)に溶解させ、またセライトを通して濾過した。この濾液を1Mの水酸化ナトリウム溶液(250mL)、水(250mL)及び10%NaCl溶液(250mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウムで)、濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料をトルエン(250mL)に溶解させ、シリカを通してトルエンで溶離しつつ濾過した。このシリカもテトラヒドロフランでフラッシュ洗浄し、すべての生成物をパッドから除去した。生成物の一部を組合せ、濃縮し、黄色の固形物(14.5g)を生じた。これをトルエン(500mL)に溶解させ、活性炭処理した。濾液を濃縮し、黄色の固形物を生じた。この材料は、テトラヒドロフラン(80mL)内に溶解させ、撹拌するメタノール(400mL)に滴下添加した。1時間の撹拌後、結果として得られた懸濁液を濾過によって収集し、淡黄色粉末を生じた。収量:9.9g。Mn=9694g/モル。n=34。多分散性=1.9
ポリマー(5)の誘電係数は3.7であった。
実施例6:ポリマー(6)、2,4−ジメトキシフェニル−PTAAホモポリマー
2,4−ジメトキシフェニルモノマーの合成
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh))(6.62g、ピークデール・モレキュラー社製)を、テトラヒドロフラン(1120mL)及び水(750mL)における4−ブロモ−N,N−ビス(4−クロロフェニル)アニリン(実施例7a(i))(75g)、2,4−ジメトキシボロン酸(38.2g、アルファ‐アエザー社製)及び炭酸ナトリウム(64.7g)の混合物にアルゴンの下に添加し、この混合物を加熱して一晩かけて還流した。有機物を分離し、水性層を酢酸エチル(×2)で抽出し、複合有機物を乾燥し、黒色の固形物に濃縮した。この固形物をシリカに吸着させ、酢酸エチル/ヘプタン混合物を溶離しつつ柱状化し、緑/茶色の固形物を生じた。メタノールを添加し、混合物を20分間撹拌し、ついで濾過し、メタノール(×2)で洗浄した。メタノールを添加し、混合物を40゜Cに加熱し、ジクロロメタンをすべての固形物が溶解するまで小分けに添加した。溶液を10分間撹拌し、氷槽内で1時間冷却し、次いで、固形物を濾過し、メタノール/ジクロロメタンの割合が50:50の混合物(×2)で洗浄し、乾燥して明るい緑/茶色の固形物として生成物を生じた。収量:40.8g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.40(2H,d,ArH),7.19〜7.25(5H,m,ArH),7.00〜7.05(6H,m,ArH),6.55(2H,m,ArH),3.84(3H,s,OMe),3.81(3H,s,OMe)
2,4−ジメトキシフェニル−PTAAポリマーの合成
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。N,N−ジメチルアセトアミド(150mL、シグマ・オールドリッチ社製)を投入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(4.54g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(210ミリグラムmg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(6.71g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(130mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加し、内容物を70〜80゜Cに加熱し、この溶液は赤茶色に変化した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個この混合物に添加し、この反応物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。モノマー(15g)を容器に添加し、ついで無水トルエン(24mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加した。この反応物を15時間にわたり撹拌しながら放置してから室温まで冷却した。この反応物を濾過し、固形物をN,N−ジメチルアセトアミドで洗浄した。濾過ケーキをジクロロメタン(500mL)内に溶解し、セライトを通して濾過した。濾液を1M塩酸(250mL)、水(250mL)及び10%食塩水溶液(250mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料をジクロロメタン(500mL)内に溶解し、シリカによってジクロロメタンで溶離させながら濾過した。生成留分を集めて濃縮し、黄色の固形物を生じた。この固形物をクロロホルム(250mL)に溶解させ、活性炭処理した。つぎに濾液を濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料をクロロホルム(150mL)に溶解させ、メタノールの撹拌部分に滴下添加した。この結果得られた懸濁液を1時間にわたり撹拌してから、濾過によって収集し、淡黄色粉末を生じた。収量:6.67g。Mn=3368g/モル。n=8.8。多分散性=2.4。
ポリマー(6)の誘電係数は3.5であった。
実施例7:ポリマー(7)、50:50 4−イソプロピルシアノフェニル−PTAA:2,4−ジメチルPTAAコポリマー
7(a):4−イソプロピルシアノフェニル−PTAAモノマーの合成
(i)4−ブロモ−N,N−ビス(4−クロロフェニル)アニリン
冷却器、温度計及びアルゴン流入口を装備した5Lの3ネック平底フラスコをアルゴンでフラッシュ洗浄した。つぎに、このフラスコにトルエン(1.4L)、ビス(4−クロロフェニル)アミン、実施例3(c)の化合物(40g)、4−ブロモヨードベンゼン(52.3g、アポロ・サイエンティフィック社製)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)Pd−(dba))(461mg、アクロス社製)、(±)−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(1.05g、アルファ‐アエザー社製)、及びナトリウム−tert−ブトキシド(35.5g、アルファ‐アエザー社製)を投入した。この結果得られた黒色溶液を100゜Cにして48時間加熱し、ついで冷却し、またセライトパッドを通して、トルエンで洗浄しながら濾過した。濾液を濃縮し、約半分の体積にしてから水(1L)、飽和食塩水(1L)で洗浄し、MgSOで乾燥し、緑色の固形物に濃縮した。酢酸エチル/ヘプタン混合物で溶離させながら乾式フラッシュカラム・クロマトグラフィによる精製、これに続くアセトニトリルからの再結晶化により、目標化合物を生じた。収量:32g、オフホワイト色の固形物。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.35(2H,m,Ar−H),7.20(4H,m,Ar−H),6.98(4H,m,Ar−H),6.92(2H,m,Ar−H)。
(ii)4−(ビス(4−クロロフェニル)アミノ)フェニル)ボロン酸
3ネック丸底フラスコに温度計、アルゴン流入口及び均圧化投下漏斗を装備した。フラスコに、無水2−メチルテトラヒドロフラン(1.1L)及び4−ブロモ−N,N−ビス(4−クロロフェニル)アニリン(60.9g)を投入してから、−78゜Cまで冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン95.4mL内の1.95M溶液を滴下添加し、溶液を−78゜Cにして1時間にわたり撹拌した。つぎに、ホウ酸トリメチル(26mL、シグマ・オールドリッチ社製)をシリンジによって滴下添加し、−78゜Cにして1時間にわたり撹拌しながら放置し、ついで一晩かけて室温まで温めた。1Mの塩酸(630mL)を小分けに添加して反応混合物にし、層分離させ、有機物を水(600mL)、食塩水(600mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、淡黄色の固形物になるまで濃縮した。この固形物は、ヘプタン内でスラリー状にし、室温で1時間にわたり撹拌した。この固形物を濾過し、ヘプタンで洗浄してから真空下で乾燥し、淡黄色の粉末を生じた。収量:39.3g。H NMR(400MHz,CDCl):δ8.02(2H,m,Ar−H),7.27(4H,m,Ar−H),7.05(6H,m,Ar−H)。
(iii)2−(4′−(ビス(4−クロロフェニル)アミノ)−[1,1′−ビフェニル]−4−イル)−2−メチルプロパンニトリル
アルゴン流入口及び冷却器を装備した2Lの平底フラスコに、4−(ビス(4−クロロフェニル)アミノ)フェニル)ボロン酸(39.3g)、2−(4−ヨードフェニル)−2−メチルプロパンニトリル、実施例5(c)の化合物(27.1g)及びテトラヒドロフラン(591mL)を投入した。炭酸ナトリウム(33.9g)を水(393mL)に溶解させ、これをテトラヒドロフラン混合物に添加した。反応混合物を75゜Cにして16時間加熱した。酢酸エチル(200mL)及び水(200mL)を添加し、混合物をセライトパッドで濾過した。層分離させ、有機層を食塩水(600mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、また濃縮した。この結果得られた材料を、酢酸エチル/ヘプタン混合物で溶離させながら、フラッシュカラム・クロマトグラフィにより精製した。留分を粘度が高いスラリーまで濃縮し、また固形物を濾し取り、ヘプタンで洗浄し、真空の下で乾燥し、オフホワイト色の固形物を生じた。収量:27g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.56〜7.42(6H,m,Ar−H),7.21(4H,m,Ar−H),7.15〜7.02(6H,m,Ar−H)、1.77(6H,s,CH)。
イソプロピルシアノフェニル−PTAA:2,4−ジメチル−PTAAの50:50コポリマー
250mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。N,N−ジメチルアセトアミド(128mL、シグマ・オールドリッチ社製)を投入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(4.17g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(191ミリグラムmg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(6.16g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(120mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加した。内容物を70〜80゜Cに加熱し、この溶液は赤茶色に変化した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個この混合物に添加し、この反応物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。2,4−ジメチルモノマー(5.8g)及び2−(4′−(ビス(4−クロロフェニル)アミノ)−[1,1′−ビフェニル]−4−イル)−2−メチルプロパンニトリル(7.0g)を反応物に添加し、ついで無水トルエン(21mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、この反応物をこの温度で16時間にわたり撹拌した。この反応物を冷却し、固形物を濾し取り、N,N−ジメチルアセトアミドで洗浄した。トルエン(600mL)を添加し、及び混合物を50゜Cに加熱し、セライトのパッドを通して濾過した。残留固形物をジクロロメタン(500mL)内に溶解し、40゜Cにまで温め、つぎに、セライトのパッドを通して濾過した。トルエンを含む濾液を粘り気のある固形物となるまで濃縮し、ジクロロメタン(500mL)を添加し、前回のジクロロメタンを含む濾液と組合わせる。組合せ有機物を1Mの含水水酸化ナトリウム(800mL)、水(800mL)、10%食塩水(800mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮した。この結果得られた固形物をジクロロメタン(250mL)に溶解させ、シリカパッドの通過させ、ジクロロメタンで洗浄した。組合せた留分を固形物となるまで濃縮し、この固形物をテトラヒドロフラン(400mL)に溶解させ、活性炭処理し、黄色の固形物となるまで濃縮した。この固形物をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、メタノール(500mL)に滴下添加し、濾過し、真空下で乾燥し、目標化合物を生じた。収量:4.85g。Mn=7139g/モル。n=10.8。多分散性=1.59。
ポリマー(7)の誘電係数は4.0であった。
実施例8:ポリマー(8)、4−シクロヘキシルシアノ−PTAAホモポリマー
4−シクロヘキシルシアノPTAAオリゴマーの合成
1−(4−ヨードフェニル)シクロヘキサンカルボニトリル
N−メチルピロリジノン(NMP)(197mL、シグマ・オールドリッチ社製)を、テトラヒドロフラン(THF)(197mL、ユニバール社製)におけるナトリウム tert-ブトキシド(124.0g、アルファ‐アエザー社製)の懸濁液にアルゴンの下に添加した。この混合物を0゜Cに冷却し、NMP/THFの割合が50:50の混合物(173mL)における1,5−ジブロモペンタン(87.9mL、シグマ・オールドリッチ社製)及び4−ヨードフェニルアセトニトリル(78.4g)の溶液を、内部温度が10゜Cに維持されるよう滴下添加した。この混合物を室温まで温め、一晩かけて撹拌した。2Mの塩酸(930mL)及びトルエン(930mL)を添加し、水性層を分離し、トルエン(2×465mL)で抽出した。組合せの有機物を飽和炭酸ナトリウム(930mL)、食塩水(930mL)、2Mのチオ硫酸ナトリウム(930mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、真空下で濃縮し、黄/橙色の固形物を生じた。ジクロロメタンを添加し、また固形物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、白色の固形物としての生成物を生じた。収量:22.55g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.70〜7.72(2H,m,ArH),7.22〜7.25(2H,m,ArH),2.10〜2.13(2H,m,−CH−),1.67〜1.89(7H,m,−CH−),1.22〜1.32(1H,m,−CH−)。
1−(4−(ビス(4−クロロフェニル)アミノ)フェニル)クロロヘキサンカルボニトリル−4−シクロヘキシル−シアノPTAAモノマー
トルエン(338mL)における酢酸パラジウム(179mg)及び(±)−2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(496mg)の溶液を50゜Cに加熱し、つぎに、室温に冷却した。1−(4−ヨードフェニル)シクロヘキサンカルボニトリル(22.55g)、ビス(4−クロロフェニル)アミン(17.26g)及びトリウム−tert−ブトキシド(7.66g)を添加し、この混合物を加熱し、一晩かけて還流させた。この混合物を室温に冷却し、シリカパッドにより濾過し、次いで真空下で濃縮し、オイルを生じた。酢酸エチル/ヘプタン混合物により溶離しつつカラム・クロマトグラフィによる精製を行い、これに続いてIPAからの再結晶化によって白色の固形物としての生成物を生じた。収量:12.5g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.31〜7.35(2H,m,ArH),7.19〜7.23(4H,m,ArH),6.97〜7.04(4H,m,ArH),2.14〜7.17(2H,m,−CH−),1.68〜1.86(7H,m,−CH−),1.20〜1.32(1H,m,−CH−)。
4−シクロヘキシルシアノPTAAオリゴマーの合成
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。N,N−ジメチルアセトアミド(125mL、シグマ・オールドリッチ社製)を投入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(4.04g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(200mg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(6.00g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(120mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加し、内容物を70〜80゜Cに加熱し、この溶液は赤茶色に変化した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個この混合物に添加し、この反応物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。4−シクロヘキシルシアノモノマー(12.5g)を容器に添加し、ついで無水トルエン(20mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、この反応物を19時間にわたり撹拌しながら放置してから、室温まで冷却した。この反応物を濾過し、固形物をN,N−ジメチルアセトアミドで洗浄した。濾過ケーキをジクロロメタン(250mL)内に溶解し、セライトを通して濾過した。濾液を1Mの水酸化ナトリウム(250mL)、水(250mL)、10%NaCl溶液(250mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウムで)、濃縮し、黄色の固形物を生じた。この材料をジクロロメタン(250mL)に溶解させ、またジクロロメタンで溶離させながらシリカを通して濾過した。生成物留分を組合せて濃縮し、オフホワイト色の固形物(8g)を生じた。この固形物をクロロホルム(250mL)に溶解させ、3回活性炭処理した(3×0.8gの活性炭)。つぎに、濾液を濃縮してオフホワイト色の固形物を生じた。この材料をクロロホルム(125mL)に溶解させ、メタノール(625mL)の撹拌部分に滴下添加した。この結果得られた懸濁液を1時間にわたり撹拌してから、濾過によって収集し、オフホワイト色の粉末を生じた。収量:6.5g。不溶性のため、GPCデータは得られなかった。
ポリマー(8)の誘電係数は4.1であった。
実施例9:ポリマー(9)、30:70 イソプロピルシアノ−PTAA:2,4−ジメチルPTAA末端ビスアリールコポリマー
9(a):2−(4−(ビス(4−ブロモフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリルの合成
(i)2−(4−(ジフェニルアミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル

酢酸パラジウム(II)(3.01g、プレシャス・メタルズ・オンライン社製)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(7.76g、マンチェスター・オーガニクス(Manchester Organics)社製)をトルエン(550mL)内に溶解させ、この溶液を脱気した。ジフェニルアミン(22.7g、アルファ‐アエザー社製)、ナトリウムtert−ブトキシド(28.4g、アルファ‐アエザー社製)、及び2−(4−ヨードフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(40g)を添加し、この溶液を90゜Cにして18時間加熱した。この反応物を冷却し、セライトパッドを通して濾過し、水、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSOで)、濃縮した。残留物を、酢酸エチル/ヘプタン混合物で溶離しながらフラッシュカラム・クロマトグラフィにより精製してオイルを生じた。ヘプタンをオイルに添加し、この結果得られた固形物を濾過して白色固形物としての生成物を生じた。収量:17.5g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.22〜7.32(9H,m),7.00〜7.10(6H,m),1.71(6H,s)。
(ii)2−(4−(ビス(4−ブロモフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル

2−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−2−メチルプロパンニトリル(7.5g)を酢酸エチル(128mL)に溶解させた。N−ブロモコハク酸イミド(NBS)(8.55g、アポロ・サイエンティフィック社製)を小分けにして添加してから、その反応物を室温にして18時間にわたり撹拌しながら放置した。反応混合物を水、炭酸ナトリウム、食塩水で洗浄し、乾燥し(MgSOで)、濃縮した。ヘプタンを残留物に添加し、この結果得られた固形物を濾し取り、灰色の固形物としての生成物を生じた。収量:6.4g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.30(6H,m),7.04(2H,d),6.93(4H,d),1.71(6H,s)。
9(b):2−(4−(ビス(4−ブロモフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリルの合成
(i)2,4−ジメチル−N,N−ジフェニルアニリン

トルエン(735mL)を10分間脱気し、ついで、ジフェニルアミン(15g、アルファ‐アエザー社製)、4−ヨードキシレン5(21.6g、アルファ‐アエザー社製)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10.65g、アルファ‐アエザー社製)を添加してから、さらに5分間脱気した。Pd(dba)(812mg、アクロス社製)及びトリ−tert−ブチルホスフィン(1.08mL、アルファ‐アエザー社製)を添加し、この混合物を95゜で3.5時間加熱した。ほの反応物を冷却し、水(750mL)で急冷し、10分間撹拌し、ついでセライトを通して濾過した。有機層を分離し、食塩水(2×500mL)で洗浄し、茶色のオイルになるまで濃縮した。収量:24.46g。オイルをトルエンに溶解させ、シリカプラグに通過させた。濾液を濃縮して標題の化合物を茶色のオイルとして生じた。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.16〜7.23(4H,m,ArH),6.86〜7.05(9H,m,ArH),2.33(3H,s,CH),2.00(3H,s,CH)。
(ii)N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−2,4−ジメチルアニリン


NBS(31.55g、アポロ・サイエンティフィック社製)を、EtOAc(410mL)における2,4−ジメチル−N,N−ジフェニルアニリン(24.23g)の溶液に添加した。この混合物を5分間にわたりゆっくりと温め、溶液が再び冷却するまでさらに1時間にわたり撹拌した。この混合物を水(250mL)、NaCO(2×375mL)、食塩水(250mL)で洗浄し、乾燥し(MgSOで)、暗褐色の固形物になるまで濃縮した。THF/MeCNからの再結晶化により、灰色の固形物としての標題の化合物を生じた。収量:27.7g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.22〜7.30(4H,m,ArH),7.05(1H,d,ArH),7.00(1H,dd,ArH),6.95(1H,d,ArH),2.33(3H,s,CH),1.97(3H,s,CH)。
(c):2,4−ジメチル−N,N−ビス(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アニリンの合成
ジオキサン(250mL)におけるN,N−ビス(4−ブロモフェニル)−2,4−ジメチルアニリン7(10g)、ビス(ピナコレート)ジボロン(12.96g、アリーケム社製)、及び酢酸カリウム(7.97g、アルファ‐アエザー社製)の混合物を10分間脱気し、ついで、[1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタン(947mg、ピークデール社製)との錯体を添加し、この混合物を100゜Cにして一晩かけて加熱した。この混合物を濃縮し、残留物をDCM(300mL)に溶解させ、セライトのプラグを通過させた。濾液を、水(2×200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSOで)、暗褐色の固形物になるまで濃縮した。EtOAc/ヘプタン混合物で溶離させながらのカラム・クロマトグラフィによる精製、これに続くTHF/MeCNからの再結晶化により、白色の固形物としての標題の化合物を生じた。収量:5.60g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.62〜7.64(4H,m,ArH),6.92〜7.05(7H,m,ArH),2.34(3H,s,CH),1.95(3H,s,CH),1.29(24H,s,CH)。
30:70 4−イソプロピルシアノ−PTAA:2,4−ジメチル−PTAAコポリマー9aの合成

2−(4−(ビス(4−ブロモフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(実施例9a(ii))(537.4mg)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−2,4−ジメチルアニリン(実施例9b(ii))(328.5mg)、及び2,4−ジメチル−N,N−ビス(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アニリン(実施例9(c))(1.01g)を、トルエン:ジオキサン:水(9.3mL:4.6mL:4.6mL)による混合物に添加し、これに続いてリン酸カリウム(1.61g、アルファ‐アエザー社製)及びアリコート336(4滴、アルファ‐アエザー社製)を添加した。この混合物を10分間脱気し、次いでPd(dba)(8.8mg、アクロス(Acros)社製)、及びトリ(o−トリル)ホスフィン(17.4mg、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、この混合物を必要なMnに達するまで、90゜Cに加熱した。Mnは、反応物を1時間毎にサンプリングし、またGPCを分析することによって決定した。この時点で、ピナコレートボロン構成成分は、ブロモベンゼン(1.5g、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、また混合物を90゜Cにして一晩かけて加熱することによって置換した。この混合物を冷却し、MeOH(92.5mL)内に注入し、この沈殿物を濾過し、トルエン(100mL)に溶解した。この溶液を1MのNaOH(92.5mL)、水(92.5mL)、食塩水(92.5mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウムで)、オレンジ色の固形物になるまで濃縮した。この固形物をトルエン(10mL)に溶解し、THF:トルエン(50:50)で溶離しつつシリカプラグを通して濾過した。濾液をオレンジ色の固形物になるまで濃縮し、この固形物をTHF(10mL)に溶解し、MeOH(50mL)に滴下添加した。懸濁液を15分間撹拌し、つぎに濾過して黄色の固形物を生じ、この固形物をトルエンに溶解し、活性炭(3×80mL)で処理し、濾液を濃縮した。固形物をTHF(10mL)に溶解し、MeOH(50mL)に滴下添加した。この結果得られた固形物を濾過し、乾燥し、黄色の固形物としての標題の化合物を生じた。収量:620mg。Mn=3900mg/モル。n=13.8。多分散性=2.29。
30:70 4−イソプロピルシアノ−PTAA:2,4−ジメチル−PTAA9の合成
トルエン(170mL)を10分間脱気し、ついで2−(4−(ビス(4−ブロモフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(2.70g)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−2,4−ジメチルアニリン(1.66g)、及び2,4−ジメチル−N,N−ビス(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アニリン(5.01g)を添加し、これに続いて(PhP)Pd(27.7mg、ピークデール・モレキュラー社製)及び1MのNaCO(95mL)を添加した。この混合物を必要なMnに達するまで95゜Cに加熱した。Mnは、反応物を1時間毎にサンプリングし、またGPCを分析することによって決定した。この時点で、ピナコレートボロン構成成分は、ブロモベンゼン(7.5g、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、また混合物を95゜Cにして一晩かけて加熱することによって置換した。この混合物を冷却し、メタノール(1325mL)内に注入した。この結果得られた懸濁液を濾過によって収集し、トルエン(250mL)に溶解し、セライトに通して濾過した。この濾液を1MのNaOH(250mL)、水(250mL)、食塩水(250mL)で洗浄し、乾燥し(MgSOで)、黄色の固形物になるまで濃縮した。臭化物の構成成分を除去するため、この固形物を脱気したトルエン(170mL)に溶解し、1MのNaCO(95mL)、(PhP)Pd(27.7mg、ピークデール・モレキュラー社製)及びフェニルボロン酸(5.81g、アポロ・サイエンティフィック社製)を添加した。上述の作業を繰り返し、150mLまで濃縮した。これを50:50の割合としたトルエン:THFの混合物で溶離させながらシリカに通して濾過した。濾液を茶色の固形物になるまで濃縮し、この固形物をトルエン(100mL)に溶解し、活性炭(3×500mL)で処理し、濾液を濃縮した。固形物をTHF(50mL)に溶解し、MeOH(250mL)内で沈殿させた。この結果得られた懸濁液を濾過し、灰色の固形物としての標題の化合物が得られた。収量:4.0g。Mn=1992g/モル。n=7.0。多分散性=3.35。
ポリマー9の誘電定数は3.6であった。
代替方法
トルエン(34mL)を10分間脱気し、つぎに2−(4−(ビス(4−ブロモフェニル)アミノ)フェニル)−2−メチルプロパンニトリル4(537.4mg)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−2,4−ジメチルアニリン7(328.7g)、及び2,4−ジメチル−N,N−ビス(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)アニリン8(1.00g)を添加し、これに続いて(PhP)Pd(5.7mg、ピークデール・モレキュラー社製)及び1MのNaCO(19mL)を添加した。この混合物を95゜Cにして18時間にわたり加熱し、ブロモベンゼンを添加し、また混合物を一晩かけて95゜Cにして加熱することによって、ピナコレートボロン成分を置換した。フェニルホウ酸(1.16g、アポロ・サイエンティフィック社製)を添加し、また混合物を一晩かけて加熱することによって、臭化物成分を置換した。上述のような精製により灰色の固形物としての生成物を生じた。収量:825mg。Mn=2300g/モル。n=8.1。多分散性=3.31。
比較例(10):ポリマー(10)2,4−ジメチル−PTAAポリマー
2,4−ジメチル−ポリトリアリールアミンポリマー(10)の合成
1Lの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。500mLの無水N,N−ジメチルアセトアミド(シグマ・オールドリッチ社製)をカニューレ針を使用して容器に注入し、この溶液を15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(19.65g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(0.92g、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(29.65g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(0.51g、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、反応物を70〜80゜Cに加熱し、この混合物は赤茶色に変化した。20分後、ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個添加し、この混合物を70〜80゜Cにしてさらに40分間撹拌しながら放置した。2,4−ジメチルPTAAモノマー(49.88g、実施例4参照)を添加し、次いで無水トルエン(75mL、オールドリッチ社製)を添加した。反応物を70〜80゜Cにして19時間にわたり撹拌しながら放置した。この反応物を室温まで冷却し、濾過した。この固形物を濾液で洗浄してから、容器に戻し、トルエン(500mL)内に50゜Cにして溶解した。この混合物を室温に冷却し、濃縮した塩酸(80mL)をゆっくりと添加することによって冷却した。層分離し、有機相を10%含水塩化ナトリウム溶液(3×250mL)で洗浄した。つぎに、有機相を乾燥し(硫酸ナトリウムで)、セライトパッドを通して濾過した。濾液を濃縮し、黄色の固形物を生じた。この固形物をトルエン(200mL)に溶解し、TLCプレート上のUVスポットによって他に生成物が見られなくなるまでトルエンで溶離しながらシリカゲル(100g)のパッドを通して濾過した。150mLノテトラヒドロフランにおける固形物の溶液を準備し、これをメタノール(750mL)の撹拌部分に1時間にわたり添加した。懸濁液を1時間にわたり撹拌してから、濾過し、メタノール(2×100mL)で洗浄し、乾燥して黄色の粉末を生じた。収量:25.78g。Mn=3263g/モル。n=12.0。多分散性=1.7。
水素化脱塩素プロセス
磁気撹拌装置を装備した1Lのオートクレーブに、11.22gの2,4−ジメチル−ポリトリアリールアミンポリマー及び500mLのトルエン(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)社製)を投入した。これに水(90mL)における10%炭素担持パラジウム(5.6g、シグマ・オールドリッチ社製)のスラリーを添加した。トリエチルアミン(17mL、アルファ‐アエザー社製)をこの撹拌溶液に添加し、また反応混合物を21.09kg/cm(350psi)/50゜Cにして72時間にわたり水素化した。冷却及び通気後、混合物をセライトを通してトルエンで溶離させながら濾過した。濾液を水(4×500mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウムで)、濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料をトルエン(100mL)に溶解し、シリカパッドを通してトルエンで溶離しながら、TLCプレート上のUVスポットによって生成物が見られなくなるまで濾過した。つぎに濾液を濃縮して黄色の固形物を生じた。500mLの丸底フラスコに、トルエン(250mL)及び活性炭(1.2g)における生成物溶液を投入した。この混合物を60゜Cにして30分間加熱し、次いで熱い状態のままブフナー漏斗を通して濾過し、最小の量のトルエンで洗浄した。この炭素スクリーニングプロセスを2回以上繰り返し、3回目の処理物をガラス焼結体に通して濾過した。濾液を濃縮し、暗黄色の固形物を生じた。この材料のテトラヒドロフラン(60mL)における溶液を準備し、メタノール(300mL)の撹拌部分にゆっくりと添加した。この結果得られた懸濁液を1時間にわたり撹拌し、真空濾過によって収集し、メタノール(3×50mL)で洗浄し、乾燥し、淡黄色の粉末を生じた。収量:9.75g。Mn=3138g/モル。n=11.6。多分散性=1.8。塩素含量=19ppm。
2,4−ジメチルPTAAポリマー(10)の誘電率は3.0であった。
比較例(11)-3−メトキシ−PTAA及び(12)-2,4−ジフルオロ−PTAA:これらポリマーは実施例1〜9に記載したのと同一の手法を使用して合成した。対応のPTAAポリマーの誘電率は表1に掲げてある。
比較例13:3,5−ビストリフルオロメチル ポリトリアリールアミンポリマー(13)
3,5−ビス(トリフルオロメチル)モノマーの合成
機械的撹拌装置、温度計、冷却器及びアルゴン流入口を装備した2Lの3ネック丸底フラスコに、トルエン(1.125L)、酢酸パラジウム(494.4mg、プレシャス・メタルズ社製)及び(±)−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(1.37g、アルファ‐アエザー社製)を容器に投入し、内容物を50゜Cに加熱し、次いで室温になるまで冷却し、室温に達した後、1時間にわたり撹拌しながら放置した。3,5−ビス(トリフルオロメチル)ヨードベンゼン(75g、メイブリッジ(Maybridge)社製)、ビス(4−クロロフェニル)アニリン(52.5g)及びナトリウム-tert-ブトキシド(23.28g、アルファ‐アエザー社製)を容器に添加し、110゜Cにして8時間加熱した。この反応物を冷却し、水(750mL)を添加した。この混合物を濾過し、層分離した。有機相を水で洗浄し、セライトパッドに通して濾過し、濃縮した。粗生成物を、溶離液としてヘプタンを使用するクロマトグラフィによって、次いでメタノールから2回の再結晶化をすることによって精製した。収量:35g。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.31〜7.29(7H,m,ArH),7.04〜7.02(3H,m,ArH)。
3,5−ビス(トリフルオロメチル)PTAAオリゴマー(13)の合成
1Lの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。N,N−ジメチルアセトアミド(250mL、シグマ・オールドリッチ社製)を投入し、15分間脱気した。トリフェニルホスフィン(7.58g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(364.2mg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(11.17g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(216.7mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加した。この内容物を70〜80゜Cに加熱し、これによりこの混合物は赤茶色に変化した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個添加し、この反応物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。3,5−ビス(トリフルオロメチル)モノマー(24.98g)を容器に添加した。無水トルエン(41mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、この反応物を、70〜80゜Cにして19時間にわたり撹拌してから室温にまで冷却した。この反応物を濾過し、固形物をN,N−ジメチルアセトアミド(100mL)で洗浄した。濾過ケーキをテトラヒドロフラン(300mL)に溶解し、セライトに通して濾過し、濃縮した。この材料をテトラヒドロフラン(250mL)に溶解し、シリカに通してテトラヒドロフランで溶離させながら濾過した。生成留分を組合せ、濃縮して黄色の固形物を生じた。この固形物を2−メチルテトラヒドロフラン(230mL)に溶解し、1Mの水酸化ナトリウム溶液(200mL)、水(200mL)、10%塩化ナトリウム溶液(200mL)及び水(200mL)で洗浄してから、黄色の固形物(8.5g)を生じた。この固形物をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、3回の活性炭(3×0.85g)による活性炭処理をし、次いで濃縮した。この材料をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解し、メタノール(300mL)の撹拌部分に滴下添加した。この結果得られた懸濁液を1時間にわたり撹拌してから、濾過によって収集し、乾燥した。収量:7.5g。Mn=5350g/モル。n=14.1。多分散性=1.3
ポリマー(13)の誘電係数は2.8であった。
比較例14:ポリマー(14)、2−メトキシ骨格PTAAホモポリマー
2−メトキシ骨格PTAAモノマーの合成
(a)4−クロロ−2−メトキシアニリンの合成
MeOH(10mL)における5−クロロ−2−ニトロアニソール(1.0g、シグマ・オールドリッチ社製)、ギ酸アンモニウム(3.36g、アルファ‐アエザー社製)及び10%炭素担持プラチナ(100mg)の混合物を加熱し、45分間にわたり還流させ、次いで室温に冷却し、セライトに通して濾過し、MeOH洗浄した。濾液を濃縮し、残留物をEtOAc及び水に溶解した。有機物を乾燥し(MgSOで)、茶色のオイルになるまで濃縮した。この材料をシリカに吸着させ、酢酸エチル/ヘプタン混合物で溶離しながらカラムクロマトグラフィ処理し、茶色のオイルとしての生成物を生じた。収量:0.7g。H NMR(400MHz,CDCl):δ6.72〜6.78(2H,m,ArH),6.58〜6.62(1H,m,ArH),3.83(3H,s,OMe)。
(b)4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)−2−メトキシアニリンの合成
トルエン(1000mL)における酢酸パラジウム(II)(949mg、プレシャス・メタルズ・オンライン社製)及び(±)−2−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(2.63g、アルファ‐アエザー社製)の溶液をアルゴンの下に50゜Cに加熱し、つぎに、室温に冷却した。4−クロロ−2−メトキシアニリン(66.6g)、4−ヨードクロロベンゼン(105.81g、アポロ・サイエンティフィック社製)及びナトリウム-tert-ブトキシド(44.68g、アルファ‐アエザー社製)を添加し、またこの混合物を加熱して90分間にわたり還流した。この混合物を室温に冷却し、水(500mL)で急冷し、有機物を分離し、乾燥し(MgSOで)、濃縮した。残留物をシリカに吸着させ、酢酸エチル/ヘプタン混合物で溶離しながらカラムクロマトグラフィ処理し、暗橙色のオイルとしての生成物を生じ、このオイルを自立状態になるまで固形化した。収量:97.86g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.18〜7.23(2H,m,ArH),7.12(1H,d,ArH),7.00〜7.05(2H,m,ArH),6.82〜6.85(2H,m,ArH),6.00(1H,brs,NH),3.87(3H,s,OMe)。
(c)4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)−2−メトキシ−N−フェニルアニリン−2−MeO−骨格PTAAモノマーの合成
酢酸パラジウム(II)(3.84g、プレシャス・メタルズ・オンライン社製)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9′−ジメチルキサンテン(9.91g、マンチェスター・オーガニクス社製)をトルエン(690mL)に溶解し、アルゴンの下に室温で1時間にわたり撹拌した。4−クロロ−N−(4−クロロフェニル)−2−メトキシアニリン(45.9g)、ヨードクロロベンゼン(47.9mg、シグマ・オールドリッチ社製)及びナトリウム-tert-ブトキシド(42.78g、アルファ‐アエザー社製)を添加し、またこの混合物を85゜Cにして一晩かけて加熱した。この混合物を室温に冷却し、水(690mL)で急冷し、セライトに通して濾過した。有機物を分離し、乾燥し(MgSOで)、黒色のオイルになるまで濃縮した。この材料をシリカに吸着させ、酢酸エチル/ヘプタン混合物で溶離しながらカラムクロマトグラフィ処理し、茶色のオイルを生じた。MeOHを添加し、この混合物を0゜Cに冷却し、1時間にわたり撹拌した。固形物を濾過し、DCM/MeOHから再結晶化し、白色の固形物としての生成物を生じた。収量:14.5g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.18〜7.23(2H,m,ArH),7.10〜7.15(2H,m,ArH),7.05(1H,d,ArH),6.89〜6.99(5H,m,ArH),6.84〜6.88(2H,m,ArH),3.63(3H,s,OMe)。
2−メトキシ骨格PTAAポリマー14の合成
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。N,N−ジメチルアセトアミド(150mL、シグマ・オールドリッチ社製)を投入し、15分間脱気した。トリフェニルホスフィン(5.75g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(263.1mg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(8.48g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(163.8mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加し、この内容物を70〜80゜Cに加熱し、これによりこの混合物は赤茶色に変化した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個添加し、この反応物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。モノマー(14.5g)を容器に添加し、無水トルエン(24mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加し、この混合物を一晩かけて撹拌しながら放置してから、室温まで冷却した。反応物を濾過し、濾液をMeOH(1150mL)に滴下添加した。固形物を濾過し、MeOHで洗浄し、乾燥してからトルエン(750mL)に溶解した。溶液を1Mの塩酸(250mL)、水(250mL)、10%食塩水(250mL)で洗浄し、乾燥し(MgSOで)、濃縮して黄色の固形物を生じた。これをトルエンに溶解し、50:50のトルエン:THFの混合液によるトルエン溶離しながらシリカパッドに通過させた。この濾液を濃縮し、つぎにトルエンに再溶解し、活性炭(3×1.24g)で処理をした。この濾液を濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料をTHF(250mL)に溶解し、メタノール(1250mL)の撹拌部分に滴下添加した。この結果得られた懸濁液を30分間にわたり撹拌してから、濾過によって収集し、淡黄色の粉末を生じた。収量:8.93g。Mn=3221g/モル。n=11.8。多分散性=2.43
ポリマー(14)の誘電係数は3.29であった。
比較例15:ポリマー(15)4−フェノキシ−PTAAホモポリマー
4−フェノキシモノマーの合成
磁気撹拌装置、温度計、冷却器及びアルゴン流入口を装備した1Lの3ネック丸底フラスコに、300mLのトルエン、酢酸パラジウム(250mg、プレシャス・メタルズ社製)及び(±)−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(0.69g、アルファ‐アエザー社製)を容器に投入し、内容物を50゜Cに加熱し、次いで室温になるまで冷却し、室温に達した後、1時間にわたり撹拌しながら放置した。4−フェノキシアニリン(20.02g、アルファ‐アエザー社製)、4−クロロヨードベンゼン(59.96g、アポロ・サイエンティフィック社製)及びナトリウム-tert-ブトキシド(22.83g、アルファ‐アエザー社製)を容器に添加し、110゜Cにして54時間加熱した。この反応物を冷却し、水(200mL)を添加した。この混合物を濾過し、層分離した。有機相を水で洗浄し、セライトパッドに通して濾過し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、溶離液として2%酢酸エチルを使用する自動化クロマトグラフィにより、次いで不純物を除去するためのヘプタン、及びヘプタン内における10%酢酸エチルを使用してシリカにより、精製した。生成物留分を組合せ、濃縮した。収量:29g。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.5〜6.9(17H,m,ArH)。
4−フェノキシPTAAオリゴマーの合成
500mLの3ネック丸底フラスコに、オーバーヘッド撹拌装置、温度計、空気冷却機、クライゼンアダプタ及びセプタム(隔壁)付き入口を装備した。この装置をアルゴンでフラッシュ洗浄した。N,N−ジメチルアセトアミド(130mL、シグマ・オールドリッチ社製)を投入し、15分間アルゴンで脱気した。トリフェニルホスフィン(1.50g、シグマ・オールドリッチ社製)、2,2′−ビピリジル(69.8mg、シグマ・オールドリッチ社製)、亜鉛(2.24g,アルファ‐アエザー社製)及び塩化ニッケル(II)(42.4mg、シグマ・オールドリッチ社製)を容器に添加した。内容物を70〜80゜Cに加熱し、この混合物は赤茶色に変化した。ヨード(ヨウ素)の結晶を2,3個この混合物に添加し、この反応物を1時間にわたり撹拌しながら放置した。モノマー(13g)を容器に添加し、ついで無水トルエン(45.5mL、シグマ・オールドリッチ社製)を添加した。3時間後、さらに塩化ニッケル(II)(42.8mg)を添加し、反応物を15分間にわたり撹拌しながら放置してから、室温になるまで冷却した。反応物をN,N−ジメチルアセトアミド(50mL)で溶離しながらセライトに通して濾過した。濾液内で固形物が沈殿し始め、これを濾過によって収集した。濾液を測定氏(350mL)、メタノール(1750mL)の撹拌部分に滴下添加した。懸濁液を1時間にわたり撹拌し、真空濾過によって収集し、メタノールで洗浄した。固形物を、セライト濾過から収集した固形物に組合せてテトラヒドロフラン(250mL)に溶解し、3回にわたり10%塩化ナトリウム溶液(200mL)で洗浄し、濃縮して黄色の固形物を生じた。この材料をテトラヒドロフラン(250mL)に溶解し、シリカに通してテトラヒドロフランで溶離させながら濾過した。生成物留分を組合せ、濃縮して黄色の固形物(15g)を生じた。この材料をテトラヒドロフラン(250mL)に溶解し、活性炭(3×1.5g)により活性炭処理した。濾液を濃縮した。この材料をテトラヒドロフラン(120mL)に溶解し、メタノール(120mL)の撹拌部分に滴下添加した。この結果得られた懸濁液を1時間にわたり撹拌してから、濾過によって収集し、乾燥した。収量:8.6g。Mn=2047mg/モル。n=6.1。多分散性=2.1。
ポリマー(15)の誘電定数は2.7であった。

Claims (3)

  1. その誘電率が、1000Hzで3.4より高く、またその電荷移動度が、純粋状態で10−7cm−1−1より高い半導体ポリマーであって、置換されたトリアリールアミンの反復単位を含み、前記置換されたトリアリールアミンの反復単位が、
    および、
    の少なくとも1つを含む、半導体ポリマー。
  2. 請求項1記載の半導体ポリマーにおいて、以下の式で表される共重合体である、半導体ポリマー。
    ここで、aは、第1モノマー単位の数であり、そして、bは、第2モノマー単位の数であり、そして、Aは、独立して、水素、ハロゲン又は任意の適当なエンドキャッピング基である。
  3. 前記エンドキャッピング基が水素又はハロゲンである、請求項記載の半導体ポリマー。
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