JP6275117B2 - 有機トランジスタ用有機半導体材料及び有機トランジスタ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、有機トランジスタ用有機半導体材料、有機トランジスタ素子に関するものである。
一般に、無機半導体材料のシリコンを用いる半導体素子では、その薄膜形成において、高温プロセスと高真空プロセスが必須である。高温プロセスを要することから、シリコンをプラスチック基板上等に薄膜形成することができないため、半導体素子を組み込んだ製品に対して、可とう性の付与や、軽量化を行うことは困難であった。また、高真空プロセスを要することから、半導体素子を組み込んだ製品の大面積化と低コスト化が困難であった。
そこで、近年、有機半導体材料を有機電子部品として利用する有機半導体デバイス(例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機薄膜トランジスタ素子又は有機薄膜光電変換素子など)に関する研究がなされている。これら有機半導体材料は、無機半導体材料に比べて、作製プロセス温度を著しく低減できるため、プラスチック基板上等に形成することが可能となる。更に、溶媒への溶解性が大きく、良好な成膜性を有する有機半導体を用いることにより、真空プロセスを要さない塗布法、例えば、インクジェット装置等を用いて薄膜形成が可能となり、結果として、無機半導体材料であるシリコンを用いる半導体素子では困難であった大面積化と低コスト化の実現が期待される。このように、有機半導体材料は、無機半導体材料と比べて、大面積化、可とう性、軽量化、低コスト化等の点で有利であるため、これらの特性を生かした有機半導体製品への応用、例えば、情報タグ、電子人工皮膚シートやシート型スキャナー等の大面積センサー、液晶ディスプレイ、電子ペーパーおよび有機ELパネル等のディスプレイなどへの応用が期待されている。
このように、広範な用途が期待される有機半導体素子に用いられる有機半導体材料には、高い電荷移動度が要求される。例えば、有機トランジスタでは、スイッチング速度や駆動する装置の性能に直接影響するので、実用化のためには電荷移動度の向上が必須の課題である。更に、前述のように、塗布法による半導体素子の作成を可能とするためには、溶媒可溶性、酸化安定性、良好な製膜性が求められる。
特に、電荷移動度が大きいことが有機半導体に対する要求特性として挙げられる。この観点から、近年、アモルファスシリコンに匹敵する電荷輸送性を有する有機半導体材料が報告されている。例えば、5個のベンゼン環が直線状に縮合した炭化水素系アセン型多環芳香族分子であるペンタセンを有機半導体材料として用いた有機電界効果型トランジスタ素子(OFET)では、アモルファスシリコン並みの電荷移動度が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、ペンタセンをOFETの有機半導体材料として用いる場合、有機半導体薄膜層は、超高真空での蒸着法で形成されるため、大面積化、可とう性、軽量化および低コスト化の観点で不利である。また、真空蒸着法を用いずに、トリクロロベンゼンの希薄溶液中でペンタセン結晶を形成させる方法も提案されているが、製造方法が難しく安定な素子を得るには至っていない(特許文献1)。ペンタセンのような炭化水素系アセン型多環芳香族分子では酸化安定性が低いことも課題として挙げられる。
また、ポリ(3-ヘキシルチオフェン)等の長鎖アルキル基を有するポリチオフェン誘導体は溶媒に可溶であり、塗布法による有機半導体デバイス作製が報告されてはいるが、電荷移動度が結晶性化合物より低いことから、得られた有機半導体デバイスの特性が低いという問題があった(非特許文献2)。
また、チオフェン環が縮環したペンタチエノアセンはペンタセンに比べ耐酸化性が向上しているが、キャリア移動度が低いこと及びその合成に多工程を必要とすることから実用上好ましい材料ではなかった(非特許文献3)。
また、最近では溶解性の高いアセン類であるルブレンの単結晶によって非常に高い移動度が報告されているが、溶液キャストで成膜したルブレンの膜はこのような単結晶構造を取らず、十分な移動度は得られていない(非特許文献4)。
溶媒溶解性が高く酸化に対して比較的安定な炭化水素系アセン型化合物の例として、ペンタセンの6、13位をシリルエチニル基で置換した一部の化合物が、塗布膜の安定性が良いとの報告がされている(非特許文献5)。しかしながら、これらの報告においては、酸化に対する安定性が向上したと定性的な性状を述べているのみであり、いまだ実用に耐えうる程度の安定性は得られていない。
一方、炭化水素系アセン型多環芳香族骨格に、窒素や硫黄のようなヘテロ原子を導入したヘテロアセン系骨格が最近報告されている。しかしながら、その特性は十分なものではなく、例えば、ヘテロ原子として窒素を導入することにより得られるインドロカルバゾール系材料の場合、十分な電荷移動度を得るにいたっていない(特許文献2)。
WO2003/016599号公報 US7,456,424A1
Journal of Applied Physics, Vol.92, 5259(2002) Science, Vol.280,(5370) 1741(1998) Journal Of American Chemical Society, Vol.127, 13281(2005) Science, Vol.303(5664),1644(2004) Org. Lett., Vol.4, 15(2002)
本発明は、高い電荷移動性、酸化安定性、溶媒可溶性を有する有機トランジスタ用有機半導体材料及びそれを使用した有機トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、高い電荷移動性、酸化安定性、溶媒可溶性を有する有機半導体材料を見出し、これを有機トランジスタ素子に使用することで、高特性の有機トランジスタが得られることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、下記一般式(1)で示される化合物からなることを特徴とする有機トランジスタ用有機半導体材料である。
Figure 0006275117
ここで、環Aは隣接環と任意の位置で縮合する式(1a)で表される芳香環を表し、環Bは隣接環と任意の位置で縮合する式(1b)で表される複素環を表し、Rは独立に炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50の芳香族炭化水素基、炭素数3〜50の複素芳香族基、炭素数2〜50のアルケニル基、及び炭素数2〜50のアルキニル基から選ばれる基を表し、Rは、独立に水素、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50の芳香族炭化水素基、及び炭素数3〜50の複素芳香族基から選ばれる基を表し、a、b、cはa+b+c≧0を満たす0以上の整数である。
上記一般式(1)において、a+b+cが1以上の整数であること、そしてRの少なくとも1つが、炭素数2〜50のアルケニル基、及び2〜50のアルキニル基から選ばれる基であることは、好ましい態様である。
また、本発明は、下記一般式(2)で示される化合物と下記一般式(3)で示される化合物を反応させ一般式(2)におけるXをRに置換した化合物とすることを特徴とする上記の有機トランジスタ用有機半導体材料の製造方法である。
Figure 0006275117
ここで、環A’は隣接環と任意の位置で縮合する式(2a)で表される芳香環を表し、環B’は隣接環と任意の位置で縮合する式(2b)で表される複素環を表し、Xは、ハロゲン原子、CF3SO3基、トリアルキルシリル基、有機ホウ素基、有機スズ基、ハロゲン化マグネシウム基、ハロゲン化亜鉛基の何れかを表し、p、q、rはp+q+r≧1を満たす0以上の整数である。
―Y (3)
ここで、Rは一般式(1)のRと同意であり、Yは、一般式(2)のXと反応して、X‐Yとして離脱しXをRに置換可能とする基である。
本発明の有機半導体材料は高い電荷移動特性を有する。従って、本発明の有機薄膜トランジスタは、高い特性を発現することが可能となり、その結果、高特性の有機トランジスタを得ることが可能となるため、その技術的価値は大きいものである。
有機電界効果トランジスタ素子の一例を示した模式断面図を示す。 有機電界効果トランジスタ素子の他の一例を示した模式断面図を示す。 有機電界効果トランジスタ素子の他の一例を示した模式断面図を示す。 有機電界効果トランジスタ素子の他の一例を示した模式断面図を示す。 中間体101-DのNMRチャートを示す。 化合物101のNMRチャートを示す。
本発明の有機半導体材料は、一般式(1)で示される化合物である。
一般式(1)で示される化合物の骨格は、複数のベンゼン環、環A、環Bが縮環した構造を有する。したがって、一般式(1)で示される骨格は、下記一般式(4)〜(17)に示す異性体がある。
Figure 0006275117
Figure 0006275117
一般式(1)(特に断らない限り、式(1a)及び(1b)を含む意味である。)において、環Aは隣接環と縮合する式(1a)で表される芳香環を表し、環Bは隣接環と縮合する式(1b)で表される複素環を表す。一般式(1)、式(1a)中のRは、独立に炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50の芳香族炭化水素基、炭素数3〜50の複素芳香族基、炭素数2〜50のアルケニル基、及び炭素数2〜50のアルキニル基からなる群れから選ばれる基である。これらアルキル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、アルケニル基、アルキニル基は置換基を有してもよく、1つ以上の置換基を有する場合は、炭素数の計算にはそれら置換基の炭素数を含む。
がアルキル基である場合、好ましいアルキル基としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基、n−ドコシル基、n−テトラコシル基の如き直鎖飽和炭化水素基、イソブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルオクチル基、4−デシルドデシル基等の分岐飽和炭化水素基、アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ドデシルシクロヘキシル基等の飽和脂環炭化水素基が例示できる。好ましい炭素数は、1〜6である。
好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インダセン、アセナフチレン、フェナレン、フェナンスレン、アントラセン、トリンデン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、テトラフェン、テトラセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、テトラフェニレン、ヘリセン、ヘキサフェン、ルビセン、コロネン、トリナフチレン、ヘプタフェン、ピラントレン、オバレン、コラヌレン、フルミネン、アンタントレン、ゼトレン、テリレン、ナフタセノナフタセン、トルキセン又はこれら芳香環が複数連結された芳香族化合物から水素を除いて生じる基等が挙げられる。より好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、フェナンスレン、アントラセン、クリセン又はこれら芳香環が複数連結された芳香族化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましい炭素数は、6〜24である。
好ましい複素芳香族基としては、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、キサンテン、オキサトレン、ジベンゾフラン、ペリキサンテノキサンテン、チオフェン、チエノチオフェン、チオキサンテン、チアントレン、フェノキサチイン、チオナフテン、イソチアナフテン、チオフテン、チオファントレン、ジベンゾチオフェン、ピロール、ピラゾール、テルラゾール、セレナゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、フラザン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、インドリジン、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、カルバゾール、イミダゾール、ナフチリジン、フタラジン、キナゾリン、ベンゾジアゼピン、キノキサリン、シンノリン、キノリン、プテリジン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、カルボリン、フェノテルラジン、フェノセレナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、アンチリジン、テベニジン、キンドリン、キニンドリン、アクリンドリン、フタロペリン、トリフェノジチアジン、トリフェノジオキサジン、フェナントラジン、アントラジン、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾジチオフェン、ナフトジチオフェン、アンスラジチオフェン、ベンゾチエノベンゾチオフェン又はこれら芳香環が複数連結された芳香族化合物から水素を除いて生じる基等が挙げられる。また、一般式(1)で示される化合物から水素を除いて生じる基(基I)を用いることもできる。より好ましくは、フラン、チオフェン、チエノチオフェン、ピロール、ベンゾジチオフェン、ナフトジチオフェン、アンスラジチオフェン、ベンゾチエノベンゾチオフェン、一般式(1)で示される化合物又はこれら芳香環が複数連結された芳香族化合物から水素を除いて生じる基が挙げられる。好ましい炭素数は、3〜24である。また、上記基Iである場合、その数は0、1又は2であることが好ましい。
なお、芳香環が複数連結された芳香族化合物から生じる基である場合、連結される数は2〜10が好ましく、より好ましくは2〜7であり、連結される芳香環は同一であっても異なっていても良い。ここで、芳香環は、芳香族炭化水素環、芳香族複素環又は両者を意味し、置換基を有してもよい。芳香族基も同様である。
ここで、芳香環が複数連結されて生じる基は、例えば、下記式で表わされる。
Figure 0006275117
ここで、Ar〜Arは、置換又は無置換の芳香環を示す。
上記芳香環が複数連結されて生じる基の具体例としては、例えばビフェニル、ターフェニル、ビピリジン、ビピリミジン、フェニルナフタレン、ジフェニルナフタレン、フェニルフェナンスレン、ピリジルベンゼン、ピリジルフェナンスレン、フェニルインドロカルバゾール、ジチオフェン、ターチオフェン、チオフェニルチエノチオフェン等から水素を除いて生じる基が挙げられる。
上記アルキル基又は芳香族基は置換基を有していても良く、置換基は半導体材料の性能を損なわなければ限定されるものではないが、置換基の総数は1〜4、好ましくは1〜2である。なお、芳香環が複数連結された芳香族化合物から生じる基も同様に置換基を有することができる。これらの好ましい置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜10のアルキルスルホニル基、炭素数1〜10のハロアルキル基、炭素数2〜10のアルキルアミド基、炭素数3〜20のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のトリアルキルシリルアルキル基、炭素数5〜20のトリアルキルシリルアルケニル基、炭素数5〜20のトリアルキルシリルアルキニル基等が挙げられる。より好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−オクタデシル基、n−ドコシル基、n−テトラコシル基の如き直鎖飽和炭化水素基、イソブチル基、ネオペンチル基、2−エチルヘキシル基、2−ヘキシルオクチル基、4−デシルドデシル基等の分岐飽和炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、4−ブチルシクロヘキシル基、4−ドデシルシクロヘキシル基等の飽和脂環炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基等が例示できる。置換基を2つ以上有する場合は、同一であっても異なっていても良い。
がアルケニル基である場合、炭素数は2〜50、好ましくは2〜10であり、置換又は無置換のアルケニル基を用いることができる。置換基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、アルキルシリル基を用いることができる。アルキル基、芳香族炭化水素基および複素芳香族基としては、前記Rで例示したものを用いることができる。
がアルキニル基である場合、炭素数は2〜50、好ましくは2〜10であり、置換又は無置換のアルケニル基を用いることができる。置換基としては、アルキル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基、アルキルシリル基を用いることができる。アルキル基、芳香族炭化水素基および複素芳香族基としては、前記Rで例示したものを用いることができる。
一般式(1)において、a、bは0〜4の整数であり、cは0〜2の整数であり、a+b+cは0以上の整数である。したがって、Rの数は0であってもよいが、有機トランジスタ用有機半導体材料としても性能を向上させるためには、a+b+cは1以上であることが好ましく、より好ましくは1〜4の整数であり、更に好ましくは2である。2以上有する場合は、それらは同一であっても異なってもよい。
一般式(1)で表わされる化合物は、Rとして炭素数2〜50のアルキニル基又はアルケニル基を1つ以上有することが好ましく、より好ましくは1〜4、更には2有することが好ましい。2以上有する場合は、アルキニル基とアルケニル基の両方を含んでもよい。
式(1b)中のRは、独立に水素、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50の芳香族炭化水素基、炭素数3〜50の複素芳香族基から選ばれる基である。これらアルキル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基は置換基を有してもよく、1つ以上の置換基を有する場合は、炭素数の計算にはそれら置換基の炭素数を含む。Rが、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50の芳香族炭化水素基、炭素数3〜50の複素芳香族基である場合、これらはRで説明したと同様なアルキル基、芳香族炭化水素基、複素芳香族基であることができる。
上記一般式(1)で表わされる化合物であって、Rを有する化合物は、公知の合成法を組み合わせることにより合成することができる。その際、一般式(2)で示される化合物と一般式(3)で示される化合物を反応させることが好ましい。
一般式(2)(特に断らない限り、式(2a)及び(2b)を含む意味である。)中、Xはハロゲン原子、CF3SO3基、トリアルキルシリル基、有機ホウ素基、有機スズ基、ハロゲン化マグネシウム基、又はハロゲン化亜鉛基の何れかを表す。一般式(3)中、Yは、一般式(2)のXと反応して、Rに置換可能とする基である。この反応では、X-Yが脱離し、Rが一般式(2)のXがあった位置に置換する。一般式(2)、(3)において、一般式(1)と同じ記号は同じ意味を有する。環A’、環B’、p、q、rは、それぞれ一般式(1)の環A、環B、a、b、cに対応すると理解される。
例えば、以下の反応式(A)、(B)、(C)又は(D)により合成することができる。一般式(2)で表わされる化合物は、その中間体として得られる。また、他の異性体も、それぞれに応じた原料を用いることにより合成することができる。
Figure 0006275117
すなわち、反応式(A)は、置換基を有する1-ナフチルヒドラジンと1,4−シクロヘキサンジオンを作用させることにより骨格合成を行い、その後、R−Yとの置換反応により所望の置換基を導入する方法である。この際、一般式(2)中のXと同種の基を置換基として有する1−ナフチルヒドラジンを原料として使用すると一般式(2)において、Xが上記位置に置換した化合物が中間体として得られ、次いでR−Yとの置換反応により所望の一般式(3)で示される化合物を得ることができる。また、一般式(1)中のRと同種の基を有する1−ナフチルヒドラジンを使用すると、一般式(1)において、Rが上記位置に置換した化合物を得ることができる。
Figure 0006275117
すなわち、反応式(B)は、1-ナフチルヒドラジンと1,4−シクロヘキサンジオンを作用させることにより骨格合成を行い、次いでXを導入した後、R−Yとの置換反応により所望の置換基を導入する方法である。
Figure 0006275117
すなわち、反応式(C)は、ニトロメチルナフタレンからナフトピロールを得た後に、これの2量化反応によりビスナフトピロリルメタンを得た後に分子内環化反応、Xの導入、R−Yとの置換反応による方法である。
Figure 0006275117
すなわち、反応式(D)は、ニトロメチルナフタレンからナフトピロールを得た後に、これの2量化反応によりビスナフトピロールを得た後に分子内環化反応、Xの導入、R−Yとの置換反応による方法である。
一般式(2)と一般式(3)の置換反応では、いわゆるクロスカップリング反応といわれている反応を用いることが好ましく、例えば、Tamao-Kumada-Corriu反応、Negishi反応、Kosugi-Migita-Stille反応、Suzuki-Miyaura反応、Hiyama反応、Sonogashira反応、Mizoroki-Heck反応などを用いることができる。
一般式(1)で示される化合物を、一般式(2)と一般式(3)で示される置換反応により得ようとする場合、上述のクロスカップリング反応を必要に応じて選択して行うことにより目的物を得ることができる。その際、それぞれの反応に応じて金属触媒や反応溶媒、塩基、反応温度、反応時間等が選択して反応が行われる。その後、必要に応じて抽出等の後処理操作、精製操作を行う事により、所望の純度の一般式(1)で示される化合物を得ることができる。
一般式(1)で表される化合物の好ましい具体例として、上記一般式(4)の骨格を用いて例示するが、これらに限定するものではない。また、上記一般式(5)〜(18)に示される各々の骨格においても同様の置換基を有する化合物を用いることも好ましい。以下に、一般式(1)で表される化合物を例示する。
Figure 0006275117
Figure 0006275117
Figure 0006275117
Figure 0006275117
Figure 0006275117
Figure 0006275117
Figure 0006275117
続いて、本発明の有機トランジスタ用有機半導体材料を用いる有機トランジスタについて、図1〜4に基づいて説明する。
図1、図2、図3、図4は、本発明の有機半導体デバイスの実施形態を示すものであり、いずれも有機電界効果トランジスタデバイスの構造を示す模式的断面図である。
図1に示すOTFT素子は、基板1の表面上にゲート電極2を備え、ゲート電極2上には絶縁膜層3が形成されており、絶縁膜層3上にはソース電極5およびドレイン電極6が設けられ、更に有機半導体層4が形成されている。
図2に示すOTFT素子は、基板1の表面上にゲート電極2を備え、ゲート電極2上には絶縁膜層3が形成され、その上に有機半導体層4が形成されており、有機半導体層4上にはソース電極5およびドレイン電極6が設けられている。
図3に示すOTFT素子は、基板1の表面上にソース電極5およびドレイン電極6が設けられ、有機半導体層4、絶縁膜層3を介して最表面にゲート電極2が形成されている。
図4に示すOTFT素子おいて、本発明に係る有機半導体デバイスは、基板1の表面上には有機半導体層4、ソース電極5およびドレイン電極6が設けられ、絶縁膜層3を介して最表面にゲート電極2が形成されている。
基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックス基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム枇素、ガリウム燐、ガリウム窒素等半導体基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、環状ポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチレン等の樹脂基板等が挙げられる。基板の厚さは、約10μm〜約2mmとすることができるが、特に可撓性のプラスチック基板では、たとえば約50〜100μm、剛直な基板、たとえばガラスプレート又はシリコンウェハなどでは約0.1〜2mmとすることができる。
ゲート電極2は、金属薄膜、導電性ポリマ膜、導電性のインキ又はペーストから作った導電性膜などであってもよく、あるいは、たとえば重度にドープしたシリコンのように、基板そのものをゲート電極とすることができる。ゲート電極の材料の例としては、アルミニウム、銅、ステンレス、金、クロム、nドープ又はpドープされたシリコン、インジウムスズ酸化物、導電性ポリマたとえば、ポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、カーボンブラック/ グラファイトを含む導電性インキ/ペースト、又はポリマバインダの中にコロイド状の銀を分散させたもの、等を例示できる。
ゲート電極2は、真空蒸着、金属又は導電性金属酸化物のスパッタリング、導電性ポリマ溶液又は導電性インキのスピンコート、インクジェット、スプレー、コーティング、キャスティング等を用いることにより作成できる。ゲート電極2の厚さは、たとえば、約10nm〜10μmの範囲が好ましい。
絶縁膜層3は一般に、無機材料膜又は有機ポリマ膜とすることができる。絶縁膜層3として好適な無機材料の例としては、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコニウムバリウム等が例示できる。絶縁膜層3として好適な有機化合物の例としては、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ(ビニルフェノール)、ポリイミド類、ポリスチレン、ポリ(メタクリレート)類、ポリ(アクリレート)類、エポキシ樹脂などがある。また、有機ポリマ中に無機材料を分散して、絶縁層膜として使用してもよい。絶縁膜層の厚さは、使用する絶縁材料の誘電率によって異なるが、例えば約10nm〜10μmである。
前記絶縁膜層を形成する手段としては、例えば、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、レーザー蒸着法等のドライ成膜法や、スピンコート法、ブレードコート法、スクリーン印刷、インキジェット印刷、スタンプ法等のウエット製膜法が挙げられ、材料に応じて使用できる。
ソース電極5およびドレイン電極6は、後述する有機半導体層4に対して低抵抗オーム性接触を与える材料から作ることができる。ソース電極5およびドレイン電極6として好ましい材料としては、ゲート電極2に好ましい材料として例示したものを用いることができ、例えば、金、ニッケル、アルミニウム、白金、導電性ポリマおよび導電性インキなどがある。ソース電極5およびドレイン電極6の厚さは、典型的には、たとえば、約40nm〜10μm、より好ましくは厚さが約10nm〜1μmである。
ソース電極5およびドレイン電極6を形成する手段としては、例えば、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法等が挙げられる。製膜時又は製膜後、必要に応じてパターニングを行うのが好ましい。パターニングの方法として、例えば、フォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法等が挙げられる。また、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィー法等、これら手法を複数組み合わせた手法を利用し、パターニングすることも可能である。
有機半導体層4を形成する手段としては、例えば、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、レーザー蒸着法等のドライ成膜法や、基板上に溶液や分散液を塗布した後に、溶媒や分散媒を除去することで薄膜を形成するウエット成膜法が挙げられるが、ウエット成膜法を用いることが好ましい。ウエット成膜法としては、スピンコート法、ブレードコート法、スクリーン印刷、インキジェット印刷、スタンプ法などが例示できる。例えばスピンコート法を用いる場合、本発明の有機半導体材料が溶解度を有する適切な溶媒に溶解させることにより、濃度が0.01wt%〜10wt%の溶液を調製した後、基板1に形成した絶縁膜層3上に有機半導体材料溶液を滴下し、次いで500〜6000回転で5〜120秒回転することにより行われる。上記溶媒としては、有機半導体材料が有する各溶媒に対する溶解度と製膜後の膜質によって選択されるが、たとえば、水、メタノールに代表されるアルコール類、トルエンに代表される芳香族炭化水素類、ヘキサンやシクロヘキサン等に代表される脂肪族炭化水素類、ニトロメタンやニトロベンゼン等の有機ニトロ化合物、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル化合物、アセトニトリルやベンゾニトリル等のニトリル系化合物、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等に代表される非プロトン性極性溶媒等から選ばれる溶媒を用いることができる。また、これらの溶媒は2種類以上を組合せて用いることもできる。
上述の方法により、本発明の有機半導体材料を用いた有機電界効果トランジスタ素子を作成することが可能である。得られた有機電界効果トランジスタ素子では、有機半導体層がチャネル領域を成しており、ゲート電極に印加される電圧でソース電極とドレイン電極の間に流れる電流が制御されることによってオン/オフ動作する。
本発明の有機トランジスタ用有機半導体材料は、高電荷移動度,溶媒可溶性、酸化安定性、良好な製膜性を有しており、これを使用した有機トランジスタも高い特性を発揮する。本発明の有機トランジスタを組み込むことにより、情報タグ、電子人工皮膚シートやシート型スキャナー等の大面積センサー、液晶ディスプレイ、電子ペーパーおよび有機ELパネル等のディスプレイに応用していくことができる。
以下、本発明につき、実施例によって更に詳しく説明するが、本発明は勿論、これらの実施例に限定されるものではなく、その要旨を越えない限りにおいて、種々の形態で実施することが可能である。なお、化合物番号は上記化学式に付した番号に対応する。
実施例1
化合物(101)の合成例
Figure 0006275117
還流管、メカニカルスタラーを備え付けた3000ml三口フラスコに、1-ナフチルヒドラジン塩酸塩(108.7g, 558.4mmol)、1,4-シクロヘキサンジオン(25.0g, 223.4mmol)に酢酸1200mLを加え、アルゴン気流下で撹拌した。硫酸(165mL, 3095mmol)を30℃以下で滴下した。その後110℃で攪拌した。2時間後、反応液を冷水2.4Lに投入し30分攪拌した。これを濾過し、褐色固体を得た。得られた固体をメタノール500mLで還流下30分攪拌した後、沈殿物を濾取した。この固体にTHF 500mLを加え、加熱還流下で30分撹拌した後、濾別した。得られた濾液を乾固し、8.9gの化合物(101-A)を赤褐色固体として得た。
三口フラスコに、化合物(101-A)10.0gにDMF240mL を加え、アルゴン気流下室温で30 分攪拌した。60%水素化ナトリウム2.47gを50mL のヘキサンで2 回デカンテーションして洗浄して50mL のヘキサン懸濁液としたものを滴下し、室温で30 分撹拌した。この反応液に、ヨードオクタン11.1mLを滴下した後、室温で撹拌した。18時間後、反応液を水1000mL に滴下し撹拌した。沈殿物を濾取した後、乾燥し、化合物(101-B)11.8gの黄色固体を得た。
三口フラスコに、化合物(101-B)11.8gにジクロロメタン1100mL を加えて室温で撹拌した。溶液が均一となったところで、DDQ4.54gを加え、撹拌した。2 時間後、濾過を行って不溶分を除去した。濾液を濃縮し濃縮物11.75g を得た。この濃縮物にメタノール500mL を加え30 分室温にて撹拌した。その後濾過を行って乾燥し、化合物(101-C)の黄緑色固体10.5g を得た。
三口フラスコに、化合物(101-C)1.50gにTHF150mL を加え、アルゴン気流下室温で10 分撹拌した。N-ブロモスクシイミド0.459gを添加し室温で撹拌した。30 分後、N-ブロモスクシイミドを0.229g追加し、撹拌した。30分後、N-ブロモスクシイミド0.115gを追加し、撹拌した。13時間後、更に、N-ブロモスクシイミド0.057gを追加し撹拌した。更にその3 時間後にN-ブロモスクシイミド0.0285g追加し、撹拌した。その1 時間後、N-ブロモスクシイミド0.0143gを追加し撹拌した。1 の後、水300mL に投入した。約1時間攪拌し濾過して乾燥することにより、1.88gの黄色固体を得た。NMR分析、MS分析の結果、この黄色固体が化合物(101-D)であることがわかった。NMR 測定結果を図5に示す。FDMS, m/z 738。
還流管を備え付けたフラスコに、化合物(101-D) 3.0g、スチレン1.27g、トリフェニルホスフィン0.106g、DMAc60mL、トリエチルアミン60mLを加え、アルゴン気流下室温で10分撹拌した。テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0) 0.469gを添加した後、80℃で撹拌した。18時間後、水50mLを加えて、1時間撹拌を行った後、沈殿物を濾取した。濾取物にメタノール50mLを加え、還流した。30分後、放冷して濾過し乾燥することにより黄色固体2.9gを得た。NMR分析、MS分析の結果、この黄色固体が化合物化合物(101)であることがわかった。NMR 測定結果を図6に示す。FDMS, m/z 784。
実施例2
本発明の有機トランジスタ用有機半導体材料の特性を、図2に示す構成の有機電界効果トランジスタを作成し、評価した。まず、約300nmの厚みの熱成長酸化ケイ素層を有するシリコンウェハ(nドープ)を、硫酸−過酸化水素水溶液で洗浄し、イソプロピルアルコールで煮沸した後、乾燥した。得られた熱成長酸化ケイ素層を有するシリコンウェハ(nドープ)上に、化合物(101)のクロロベンゼン溶液(2Wt%)をスピンコート法により製膜した後80℃で熱処理を行う事により厚さ5 0 n m の化合物(101)の薄膜を形成した。更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着してソースおよびドレイン電極を形成した。ソースおよびドレイン電極は幅100μm、厚さ200nmで、チャネル幅W=2mm、チャネル長L = 50 μ m の比有機トランジスタを作製した。
得られた有機トランジスタのソース電極及びドレイン電極間に-10〜-100 V の電圧を印加し、ゲート電圧を-30〜-80 Vの範囲で変化させて、電圧−電流曲線を25 ℃の温度において求め、そのトランジスタ特性を評価した。電界効果移動度(μ)は、ドレイン電流Idを表わす下記式(I)を用いて算出した。
d=(W/2L)μCi(Vg−Vt2 (I)
上記式(I)において、Lはチャネル長であり、Wはチャネル幅である。また、Ciは絶縁層の単位面積当たりの容量であり、Vgはゲート電圧であり、Vtは閾値電圧である。オン/オフ比は、最大及び最小ドレイン電流値(Id)の比より算出した。
移動度;8.8×10−1cm/Vs、オンオフ比;10であった。
実施例3
実施例1においてスチレンの代わりに2−ビニルナフタレンを用いた他は同様に操作をおこない、化合物(116)を得た。FDMS, m/z 884。
実施例4
実施例2において化合物(101)の代わりに化合物(116)を用いた他は同様に行った。その結果、以下の特性値を得た。
移動度;6.8×10−1cm/Vs、オンオフ比;10
実施例5
化合物(101)の代わりに化合物(102)、(103)、(107)、(109)、(113)を用いた他は同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 0006275117
比較例1
実施例2において、化合物(101)のクロロベンゼン溶液(2Wt%)の代わりに、5,11−ジオクチルインドロ[3,2b]カルバゾールのクロロベンゼン溶液(2重量%)を使用したほかは同様の操作を行い、有機トランジスタを作製した。得られた素子を実施例2と同様に評価したところ、移動度;1.1×10−4cm/Vs、オンオフ比;10であった。
以上のように、実施例2、3、4、5と比較例1の比較により、式(1)で示される有機トランジスタ用有機半導体材料を用いた有機トランジスタが高い特性を有することが明らかとなった。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される化合物からなることを特徴とする有機トランジスタ用有機半導体材料。
    Figure 0006275117
    ここで、環Aは隣接環と任意の位置で縮合する式(1a)で表される芳香環を表し、環Bは隣接環と任意の位置で縮合する式(1b)で表される複素環を表し、Rは独立に炭素数2〜50のアルケニル基、及び炭素数2〜50のアルキニル基からなる群れから選ばれる基を表し、Rは独立に水素、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50の芳香族炭化水素基、及び炭素数3〜50の複素芳香族基からなる群れから選ばれる基を表し、a、b、cはa+b+c≧1を満たす0以上の整数である。
  2. は独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜50の芳香族炭化水素基、及び炭素数3〜50の複素芳香族基からなる群れから選ばれる基である請求項1に記載の有機トランジスタ用有機半導体材料。
  3. 下記一般式(2)で示される化合物と下記一般式(3)で示される化合物を反応させ一般式(2)におけるXをR1に置換した化合物とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機トランジスタ用有機半導体材料の製造方法。
    Figure 0006275117
    ここで、環A’は隣接環と任意の位置で縮合する式(2a)で表される芳香環を表し、環B’は隣接環と任意の位置で縮合する式(2b)で表される複素環を表し、Xは、ハロゲン原子、CF3SO3基、トリアルキルシリル基、有機ホウ素基、有機スズ基、ハロゲン化マグネシウム基、ハロゲン化亜鉛基の何れかを表し、p、q、rはp+q+r≧1を満たす0以上の整数である。
    ―Y (3)
    ここで、Rは一般式(1)中のRと同意であり、Yは一般式(2)のXと反応して、X‐Yとして離脱し、XをRに置換可能とする基である。
  4. 請求項1又は2に記載の有機半導体材料を半導体層に用いることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。





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