JP6099389B2 - 転がり軸受装置の製造装置および転がり軸受装置の製造方法 - Google Patents

転がり軸受装置の製造装置および転がり軸受装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、転がり軸受装置の製造装置および転がり軸受装置の製造方法に関するものである。
従来、磁気記録装置(HDD)等に用いられる転がり軸受装置を製造する製造方法が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。特許文献1に記載の転がり軸受装置の製造方法は、内輪とシャフト(回転軸)との間に嫌気性接着剤を塗布して内輪にシャフトを嵌合させ、重りにより内輪に対して一定の荷重を付加したまま接着剤が硬化する間保持することにより、内輪とシャフトとが接合されている。
また、特許文献2に記載の転がり軸受装置の製造方法は、内輪とシャフト(軸)とを圧入により固定する転がり軸受装置に対し、共振周波数を測定しながらシャフトに内輪を押し込み、共振周波数が一定になるように予圧をかけるようになっている。
特開2000−346085号公報 特開2003−239956号公報
しかしながら、特許文献1に記載の転がり軸受装置の製造方法は、接着剤が硬化するまで待つため時間がかかり、量産性に劣るという不都合がある。また、特許文献2に記載の転がり軸受装置の製造方法は、転がり軸受のラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差により、トルクにばらつきが発生するという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる製造装置並びに製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の製造方法並びにこの製造方法を実現する製造装置手段を提供する。
本発明は、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、押込み工程により、内輪どうしが相互に近接する方向に内輪を押込むことで、内輪および外輪と転動体とを隙間なく接触させて、2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。そして、トルク測定工程により測定された内輪から外輪に伝達されるトルクの測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に押込み工程による内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させることで、トルクを目標値に略一致させた状態で内輪を位置決めして内輪と軸部材とを圧入固定することができる。
したがって、内輪と軸部材とを接着剤により固定する場合のような接着剤が硬化するまでの待ち時間を省いて、2つの転がり軸受に予圧をかけた状態を維持させつつ、ラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差に関わらず、トルクにばらつきが発生するのを防ぐことができる。これにより、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる。
上記発明においては、前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻ることとしてもよい。
本発明によれば、押込み工程により、内輪どうしが相互に近接する方向に内輪を押込むことで、内輪および外輪と転動体とを隙間なく接触させて、2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。そして、判定工程により内輪から外輪に伝達されるトルクの測定値と目標値との差分が閾値以下であると判定された場合に内輪の押込みと回転を終了することで、2つの転がり軸受に予圧をかけた状態に内輪を位置決めし、内輪と軸部材とを圧入固定することができる。一方、トルク測定値と目標値との差分が閾値よりも大きいと判定された場合に内輪の追加押込み量を算出して押込み工程に戻ることで、追加押込み量だけ内輪をさらに押込み、所望のトルクが得られるように内輪の位置を調節し直すことができる。
したがって、内輪と軸部材とを接着剤により固定する場合のような接着剤が硬化するまでの待ち時間を省いて、2つの転がり軸受に予圧をかけた状態を維持させることができる。また、内輪から外輪に伝達されるトルクを目標値に略一致させることで、ラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差に関わらず、トルクにばらつきが発生するのを防ぐことができる。これにより、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる。
上記発明においては、前記差分が前記所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記内輪の押込み量を前記トルクが前記目標値を貫通しない一定の押込み量に変更して該内輪をさらに押込み、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による該内輪の押込みを終了することとしてもよい。
このように構成することで、追加押込み量を算出する時間を省いて簡易かつより短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる。
上記発明においては、前記押込み工程が、アクチュエータの駆動力により前記内輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出することとしてもよい。
ΔV=A×(TG−TA)
n=Vn-1+ΔV
ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である。
このように構成することで、目標値とトルク測定値とが離れているときはアクチュエータの変位増加分を大きくし、目標値とトルク測定値とが近くなったらアクチュエータの変位増加分を小さくし、トルクのばらつきが少ない平均トルクの転がり軸受装置を短時間で製造することができる。なお、内輪と軸部材とを圧入状態で嵌合させるため、予圧量の上昇は不可逆的であり、ΔVが負のときにVnを低下させても予圧量は変化しない。
また、上記発明においては、前記押込み工程が、アクチュエータの駆動力により前記内輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出することとしてもよい。
ΔV=A×(TG−TA/TG)m
n=Vn-1+ΔV
ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である。
このように構成することで、目標値とトルク測定値とが離れているときにアクチュエータの変位増加分をより大きくし、目標値とトルク測定値とが近くなったらアクチュエータの変位増加分をより小さくし、トルクのばらつきがより少ない平均トルクの転がり軸受装置をより短時間で製造することができる。
また、上記発明においては、下記の関係式が満たされる場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻ることとしてもよい。
TA≧TG
ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値である。
このように構成することで、2つの転がり軸受を、内輪から外輪に伝達されるトルクが目標値に略一致した状態の予圧に簡易に設定することができる。
また、上記発明においては、下記の関係式が満たされる場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻ることとしてもよい。
TA≧TG−M
ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値、Mは許容誤差量である。
このように構成することで、トルク測定値が目標値に極めて近接したときにアクチュエータに印加する指令信号の増加量が略ゼロになって、判定工程が終了しなかったり長時間かかったりするのを防ぐことができる。したがって、容認可能なトルクのばらつき内に納まるように予圧をかけて、予圧を付加する時間を短縮することができる。
また、上記発明においては、前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されていることとしてもよい。
このように構成することで、ロードセルの出力電圧に含まれるロードセルの共振周波数を基本周波数としたノイズを除去し、高精度なトルクを得ることができる。
また、上記発明においては、前記追加押込み量を算出する周期が、前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定されていることとしてもよい。
このように構成することで、ローパスフィルタによりトルクの出力信号から高周波成分が遮断されるのにかかる時間遅れによって、トルク測定値が本来のトルクよりも低い値で測定されるのを防ぐことができる。これにより、2つの転がり軸受に予圧をかけ過ぎるのを防止することができる。
また、上記発明においては、前記ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式を満たすこととしてもよい。
f<R×0.84
ここで、fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
このように構成することで、転がり軸受の内部に混入するコンタミなどによりスパイク状のトルク変動があっても、その変動の影響を受けることなく2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。
また、上記発明においては、前記トルク測定値が、前記ロードセルの出力電圧をAD変換して得られる複数の値を平均化してトルクに変換した値であり、下記の関係式を満たすこととしてもよい。
1<Fr×2×N×S
ここで、Frはロードセルの共振周波数、Sはロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このように構成することで、平均化処理によりトルクのばらつきをより低減することができる。
また、上記発明においては、前記トルク測定値が、前記ロードセルの出力電圧をAD変換して得られる複数の値を平均化してトルクに換算した値であり、下記の関係式を満たすこととしてもよい。
1<1.67×N×S×R
このように構成することで、平均化処理によりトルクのばらつきをさらに低減することができる。
また、上記発明においては、前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含むこととしてもよい。
このように構成することで、第1押込み工程および第2押込み工程において、既定の回転数よりも高い高回転数で軸回りに回転させられている内輪を押込むことにより、転がり軸受内部に混入したコンタミなどによるスパイク状のトルク変動を除去するためのローパスフィルタの時定数を短時間に設定することができる。したがって、制御周期を短くして予圧を付加する時間を短縮することができる。なお、回転数の上昇により、転がり軸受内部の粘性抵抗を原因としてトルクが上昇するが、サンプルごとに転がり軸受内の部の粘性抵抗の影響を測定することで、高回転時でもトルクのばらつきを少なくして予圧をコントロールすることができる。
また、上記発明においては、前記回転工程前に前記内輪と前記軸部材との間に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を含むこととしてもよい。
このように構成することで、内輪が押込まれた位置で圧入により軸部材に固定された状態で、接着剤が硬化することにより内輪と軸部材とが接着する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、接着剤により内輪と軸部材とをより強固に固定することができる。
また、上記発明においては、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みの終了後に、軸方向に押込まれた前記内輪と前記軸部材とをレーザ溶接する溶接工程を含むこととしてもよい。
このように構成することで、内輪が押込まれた位置で圧入により軸部材に固定された状態で、レーザ溶接により内輪と軸部材とが接合する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、レーザ溶接により内輪と軸部材とをより強固に固定することができる。
ところで、以上では前記内輪を軸回りに回転させ、前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み、前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程をとっていたが、逆に前記外輪を回転させ、前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込み、前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定する方法をとっても良く効果も同様である。
本発明は、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転手段と、該回転手段により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、該押込み手段により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを備え、該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段が前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置を提供する。
本発明によれば、押込み手段により、内輪どうしが相互に近接する方向に内輪を押込むことで、内輪および外輪と転動体とを隙間なく接触させて、2つの転がり軸受に予圧をかけることができる。そして、トルク測定手段により測定された内輪から外輪に伝達されるトルクの測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に押込み手段による内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させることで、トルクを目標値に略一致させた状態で内輪を位置決めして内輪と軸部材とを圧入固定することができる。
したがって、内輪と軸部材とを接着剤により固定する場合のような接着剤が硬化するまでの待ち時間を省いて、2つの転がり軸受に予圧をかけた状態を維持させつつ、ラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差に関わらず、トルクにばらつきが発生するのを防ぐことができる。これにより、短時間で、トルクのばらつきを低減することができる。
上記発明においては、前記トルク測定値と目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を有し、該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記内輪の回転および前記押込み手段による前記内輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み手段が前記内輪を押し込むこととしてもよい。
上記発明においては、前記差分が前記所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段が、前記内輪の押込み量を前記トルクが前記目標値を貫通しない一定の押込み量に変更して該内輪をさらに押込み、前記回転手段による前記内輪の回転および前記押込み手段による該内輪の押込みを終了することとしてもよい。
本発明は、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転手段と、該回転手段により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、該押込み手段により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを備え、該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段が前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置を提供する。
上記発明においては、前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を備え、該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記外輪の回転および前記押込み手段による前記外輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み手段が前記外輪を押し込むこととしてもよい。
上記発明においては、前記差分が前記所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段が、前記外輪の押込み量を前記トルクが前記目標値を貫通しない一定の押込み量に変更して該外輪をさらに押込み、前記回転手段による前記外輪の回転および前記押込み手段による該外輪の押込みを終了することとしてもよい。
本発明によれば、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法により製造される転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法を説明するフローチャートである。 図2の製造方法に用いられる製造装置の縦断面図である。 図3の制御装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例に係る製造方法により製造された転がり軸受装置のトルクのばらつきが低減することを示す図である。 本発明の第1実施形態の第4変形例に係る製造方法により製造される転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第1実施形態の第5変形例に係る製造方法により製造される転がり軸受装置の縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法を説明するフローチャートである。 転がり軸受の内輪から外輪に伝達されるトルクの回転数特性を示す図である。 本発明の第1実施形態の別の変形例に係る製造方法を説明するトルクおよび電圧と時間との関係の一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の別の変形例に係る製造方法を説明するトルクおよび電圧と時間との関係の他の一例を示すグラフである。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造装置および転がり軸受装置の製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法は、例えば、ハードディスクドライブ装置等に用いられる図1に示すような転がり軸受装置1を製造することができるようになっている。
転がり軸受装置1は、同図に示すように、軸方向に間隔をあけて同軸に配列される第1転がり軸受10および第2転がり軸受20と、これらの転がり軸受10,20に嵌合されるシャフト(軸部材)31と、転がり軸受10,20間に軸方向に挟まれる円環形状のスペーサ部材33とを備えている。符合31aは径方向外方に突出する鍔状のフランジ部を示している。
2つの転がり軸受10,20は、同軸に配置された円環形状の内輪11,21と外輪13,23との間の円環状空間に、周方向に間隔をあけて転動可能に内蔵される複数個の転動体15,25とを備え、内輪11,21がシャフト31の外周面を圧入状態で嵌合することにより、内輪11,21とシャフト31とがそれぞれ圧入固定されるようになっている。また、スペーサ部材33が外輪13,23間に軸方向に挟まれており、これにより、内輪11,21間にスペーサ部材33の軸方向の長さに応じた隙間が形成されている。
このように構成された転がり軸受装置1は、シャフト31を軸回りに回転させると、内輪11,21と外輪13,23との間で転動体15,25が転動することにより、シャフト31に固定された内輪11,21がシャフト31と共に外輪13,23に対して軸回りに回転するようになっている。
また、内輪11,21どうしを相互に近接する方向に押圧した状態でシャフト31に固定することにより、内輪11,21および外輪13,23と転動体15,25とを隙間なく接触させて、転がり軸受10,20に予圧をかけた状態を維持することができるようになっている。以下、転がり軸受10,20に予圧をかける前の状態、すなわち、内輪11,21どうしの距離と外輪13,23どうしの距離が略同程度になるまで組み立てた仮組みの状態を転がり軸受装置組立体1Aという。
本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法は、図2のフローチャートに示されるように、このような転がり軸受装置組立体1Aの外輪13,23に対して内輪11,21をそれぞれ軸回りに回転させる回転工程(ステップSA1)と、回転工程により外輪23に対して回転させられている内輪21を、内輪11,21どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程(ステップSA2)と、押込み工程により内輪11,21が押込まれながら外輪13,23に対して回転する際に、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程(ステップSA3)と、トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程(ステップSA4)と含んでいる。
また、判定工程によりトルク測定値と目標値との差分が閾値以下であると判定された場合に、回転工程による内輪11,21の回転と押込み工程による内輪21の押込みとを終了するようになっている。これにより、2つの転がり軸受10,20に予圧をかけた状態に内輪11,21が位置決めされて、内輪11,21とシャフト31とが圧入固定される。
一方、判定工程によりトルク測定値と目標値との差分が閾値よりも大きいと判定された場合に、そのトルク測定値と目標値に基づいて内輪21をさらに押し込む追加押込み量を算出し、押込み工程に戻るようになっている。これにより、追加押込み量だけ内輪21がさらに押込まれ、所望のトルクが得られるように内輪21の位置が調節し直される。
本実施形態においては、例えば、図3に示すような、製造装置100が用いられる。
製造装置100は、同図に示すように、転がり軸受装置組立体1Aのシャフト31を固定するシャフト受け41と、シャフト受け41に固定されたシャフト31を軸回りに回転させるモータ43(回転手段)と、転がり軸受装置組立体1Aの内輪21を軸方向に押込み可能な内輪プッシャー45と、内輪プッシャー45を軸方向に進退させる圧電素子等のアクチュエータ47と、外輪13,23に対して内輪11,21が回転する際に内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定するロードセル(トルク測定手段)49と、これらのモータ43、アクチュエータ47およびロードセル49を制御する制御装置50とを備えている。そして、内輪プッシャー45とアクチュエータ47とで押し込み手段を構成する。符号42はシャフト受け41を軸回りに回転可能に支持する支持部を示し、符合46は内輪プッシャー45を軸回りに回転可能に支持する支持部を示している。
シャフト受け41は、モータ43により軸回りに回転させられるようになっている。
アクチュエータ47は、内輪プッシャー45を軸方向に移動させて第2転がり軸受20の内輪21を押圧し、内輪21を第1転がり軸受10の内輪11に近接させる方向に押込むことができるようになっている。
ロードセル49は、例えば、摩擦係数が高い樹脂等の後摩擦係数材料からなる接触部49aを第1転がり軸受10の外輪13に対して径方向外方から押し付けて、外輪13,23に働く周方向の力、すなわち、外輪13,23に対して内輪11,21が回転する際に内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定することができるようになっている。ロードセル49によりトルクが測定されると、その出力電圧が制御装置50に送られるようになっている。
制御装置50は、図4に示すように、演算処理および判定処理してアクチュエータ47およびモータ43に指令信号を送る判定手段となるCPU(Central Processing Unit)51と、CPU51からの指令信号を駆動電圧に変換するD/A変換器52,54と、D/A変換器52により変換された駆動電圧を増幅してアクチュエータ47に送るドライバ(電圧増幅器)53と、D/A変換器54により変換された駆動電圧を増幅してモータ43に送るドライバ(電圧増幅器)55と、ロードセル49からの出力電圧を増幅するアンプ56と、アンプ56により増幅された出力電圧を数値化してトルク測定値をCPU51に送るAD変換器57と、CPU51に入力されたトルク測定値等を記憶するメモリ59とを備えている。
次に、このように構成された本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法の作用について説明する。
本実施形態に係る製造方法により転がり軸受装置1を製造するには、まず、転がり軸受装置組立体1Aのシャフト31をシャフト受け41に固定する。そして、内輪プッシャー45を第2転がり軸受20の内輪21の軸方向の端面に接触させるとともに、ロードセル49の接触部49aを第1転がり軸受10の外輪13の外周面に接触させる。
次いで、CPU51から指令信号を出力してD/A変換器54およびドライバ55を介してモータ43を駆動させ、シャフト受け41と共にシャフト31を軸回りに回転させる(ステップSA1)。シャフト31が軸回りに回転すると、シャフト31に圧入された内輪11,21が外輪13,23に対して軸回りに回転し、内輪11,21から外輪13,23にトルクが伝達される。
続いて、CPU51から指令信号を出力してD/A変換器52およびドライバ53を介してアクチュエータ47を駆動させ、内輪プッシャー45により、回転している第2転がり軸受20の内輪21を軸方向に押圧する。これにより、内輪21が第1転がり軸受10の内輪11に対して近接する方向に押込まれる(ステップSA2)。
ここで、第1転がり軸受10の内輪11はシャフト31のフランジ部31aに突き当てられている。したがって、内輪21を軸方向に押込むだけで、内輪11,21どうしが軸方向に近接させられて、第1転がり軸受10および第2転がり軸受20に予圧がかけられる。転がり軸受10,20に予圧がかけられると、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが上昇する。
続いて、外輪13,23に対して内輪11,21が軸回りに回転している際に、ロードセル49により、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが測定される(ステップSA3)。ロードセル49によりトルクが測定されると、その出力電圧がアンプ56により増幅された後、AD変換器57により数値化されてCPU51に入力される。CPU51に入力されたトルク測定値はメモリ59に記憶される。
CPU51においては、入力されたトルク測定値が目標値と略一致するか否か、すなわち、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かが判定される(ステッ
プSA4)。
CPU51により、差分が閾値以下であると判定された場合は、D/A変換器52,54およびドライバ53,55を介して、アクチュエータ47およびモータ43に対してそれぞれ駆動停止の指令信号が入力される。そして、内輪プッシャー45による内輪21の押込みが終了するとともに(ステップSA5)、シャフト31と共に外輪13,23に対する内輪11,21の回転が停止される(ステップSA6)。
これにより、第1転がり軸受10および第2転がり軸受20に予圧をかけた状態で、シャフト31に対して内輪21が位置決め状態で圧入固定された転がり軸受装置1が完成される。
一方、CPU51により、差分が閾値よりも大きいと判定された場合は、トルク測定値と目標値とに基づいて内輪21をさらに押し込む追加押込み量が算出される(ステップSA7)。具体的には、CPU51により下式(1),(2)によって追加押込み量が算出される。
ΔV=A×(TG−TA)・・・(1)
n=Vn-1+ΔV・・・(2)
ここで、ΔVはアクチュエータ47に印加する電圧の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータ47に印加する電圧である。
このようにすることで、目標値とトルク測定値とが離れているときはアクチュエータ47の変位増加分を大きくし、目標値とトルク測定値とが近くなったらアクチュエータ47の変位増加分を小さくし、適切な追加押込み量を簡易に算出することができる。なお、内輪11,21とシャフト31とを圧入状態で嵌合させるため、予圧量の上昇は不可逆的であり、ΔVが負のときにVnを低下させても予圧量は変化しない。
CPU51により、追加押込み量が算出されると、押込み工程(ステップSA2)に戻り、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下になるまで、ステップSA2からステップSA4が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法によれば、圧入により内輪11,21とシャフト31とを固定することで、内輪11,21とシャフト31とを接着剤により固定する場合のような接着剤が硬化するまでの待ち時間を省き、2つの転がり軸受10,20に予圧をかけた状態を短時間で維持させることができる。
また、内輪11から外輪13に伝達されるトルクを目標値に略一致させることで、ラジアルプレイやレースウェイの曲率の個体差に関わらず、トルクにばらつきが発生するのを防ぐことができる。これにより、短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置1を製造することができる。
本実施形態は、以下のように変形することができる。
本実施形態においては、追加押込み量を上記式(1),(2)により算出することとしたが、第1変形例としては、例えば、下式(3),(4)により追加押込み量を算出することとしてもよい。
ΔV=A×(TG−TA/TG)m・・・(3)
n=Vn-1+ΔV・・・(4)
このようにすることで、目標値とトルク測定値とが離れているときにアクチュエータ47の変位増加分をより大きくし、目標値とトルク測定値とが近くなったらアクチュエータ47の変位増加分をより小さくし、より適切な追加押込み量を簡易に算出することができる。したがって、トルクのばらつきがより少ない平均トルクの転がり軸受装置1をより短時間で製造することができる。
また、本実施形態においては、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であれば、回転工程(ステップSA1)および押込み工程(ステップSA2)を終了し、所定の閾値よりも大きければ追加押込み量を算出して押込み工程(ステップSA2)に戻ることとしたが、第2変形例としては、例えば、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下で、かつ、トルク測定値と目標値とが下記の関係式(5)を満たす場合に、回転工程(ステップSA1)による内輪11,21の回転および押込み工程(ステップSA2)による内輪21の押込みを終了し、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値よりも大きいか、あるいは、下記の関係式(5)が満たされない場合に、トルク測定値と目標値に基づいて追加押込み量を算出して、押込み工程(ステップSA2)に戻ることとしてもよい。
TA≧TG・・・(5)
ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値である。
このようにすることで、2つの転がり軸受10,20を、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが目標値に略一致した状態の予圧に簡易に設定することができる。
また、本変形例は、上記関係式(5)に代えて、下記の関係式(6)を用いることとしてもよい。
TA≧TG−M・・・(6)
ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値、Mは許容誤差量である。
このようにすることで、トルク測定値が目標値に極めて近接したときにアクチュエータ47に印加する電圧の増加量が略ゼロになって、判定工程(ステップSA4)が終了しなかったり長時間かかったりするのを防ぐことができる。したがって、容認可能なトルクのばらつき内に納まるように予圧をかけて、予圧を付加する時間を短縮することができる。
また、本実施形態においては、ロードセル49から出力された出力電圧をAD変換器57により数値化した値をトルク測定値として用いることとしたが、第3変形例としては、例えば、ローパスフィルタ(図示略)に通して得られる値をトルク測定値として用いることとしてもよい。
具体的には、トルク測定工程(ステップSA3)において、ロードセル49から出力された出力電圧をAD変換器57により数値化してからローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値をトルク測定値として用いることとしてもよいし、ロードセル49から出力された出力電圧をローパスフィルタにより高周波成分を遮断してからAD変換器57により数値化した値をトルク測定値として用いることとしてもよい。この場合、ローパスフィルタの遮断周波数が、ロードセル49の共振周波数よりも低い値に設定されていることとすればよい。
このようにすることで、ロードセル49の出力電圧に含まれるロードセル49の共振周波数を基本周波数としたノイズを除去し、高精度なトルクを得ることができる。
また、本変形例においては、追加押込み量を算出する周期が、ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定されていることとしてもよい。
このようにすることで、ローパスフィルタによりトルクの出力信号から高周波成分が遮断されるのにかかる時間遅れによって、トルク測定値が本来のトルクよりも低い値で測定されるのを防ぐことができる。これにより、2つの転がり軸受10,20に予圧をかけ過ぎるのを防止することができる。
また、本変形例においては、ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式(7)を満たすことが望ましい。
f<R×0.84・・・(7)
ここで、fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である。
このようにすることで、転がり軸受10,20の内部に混入するコンタミなどによりスパイク状のトルク変動があっても、その変動の影響を受けることなく2つの転がり軸受10,20に予圧をかけることができる。これにより、図5に示すように、トルクのばらつきを低減することができる。図5において、縦軸はトルクを示し、横軸は時間を示している。
また、本変形例においては、ローパスフィルタにより、ロードセル49の出力電圧をAD変換器57によりAD変換して得られる複数の値を平均化してトルクに変換した値をトルク測定値として用いることとしてもよい。この場合、下記の関係式(8)を満たすこととすればよい。
1<Fr×2×N×S・・・(8)
ここで、Frはロードセルの共振周波数、Sはロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である。
このようにすることで、平均化処理によりトルクのばらつきをより低減することができる。
また、本変形例においては、上記の関係式(8)に代えて、下記の関係式(9)を満たすようにしてもよい。
1<1.67×N×S×R・・・(9)
このようにすることで、平均化処理によりトルクのばらつきをさらに低減することができる。
また、本実施形態においては、内輪11,21とシャフト31とを圧入により固定することとしたが、第4変形例としては、例えば、回転工程(ステップSA1)前に内輪11,21とシャフト31との間に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を含むこととしてもよい。
この場合、図6に示すように、転がり軸受装置組立体1Aを組立てる際に、接着剤塗布工程により、内輪11,21の内周面とシャフト31の外周面との間の隙間に予め接着剤37を塗布しておくこととすればよい。そして、接着剤37が硬化する前に、回転工程(ステップSA1)以降の工程を実行することとすればよい。
このようにすることで、内輪21が押込まれた位置で圧入によりシャフト31に固定された状態で、接着剤37が硬化することにより内輪11,21とシャフト31とが接着する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、接着剤37により内輪11,21とシャフト30とをより強固に固定することができる。
また、第5変形例としては、例えば、回転工程(ステップSA1)による内輪11,21の回転および押込み工程(ステップSA2)による内輪21の押込みの終了後に、押込み工程(ステップSA3)により軸方向に押込まれた内輪21とシャフト31とをレーザ溶接する溶接工程を含むこととしてもよい。
この場合、例えば、図7に示すように、押込み工程SA2により押込んだ内輪21の一方の端面の周縁部とシャフト31の外周面との境界付近をレーザ溶接することとすればよい。図7において、符合39はレーザ溶接跡を示している。このようにすることで、内輪21が押込まれた位置で圧入によりシャフト31に固定された状態で、レーザ溶接により内輪21とシャフト31とが接合する。したがって、短時間で予圧をかけた状態を維持させつつ、レーザ溶接により内輪11,21とシャフト30とをより強固に固定することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法について説明する。
本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法は、図8のフローチャートに示されるように、押込み工程が、既定の回転数よりも高い回転時数で回転させられている内輪21を押込む第1押込み工程(ステップSB2)と、規定の回転数で回転させられている内輪21を押込む比較工程(ステップSB5)と、再度、既定の回転数よりも高い回転数で回転させられている内輪21を押込む第2押込み工程(ステップSB8)とを含む点で第1実施形態と異なる。
以下、第1実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法と構成を共通する箇所には、同一符号を付して説明を省略する。
回転工程は、規定の回転数よりも高い回転数R1で内輪11,21を回転させる高回転時(ステップSB1)、規定の回転数R2で内輪11,21を回転させる規定回転時(ステップSB3)、再度、既定の回転数よりも高い回転数R1で内輪11,21を回転させる高回転時(ステップSB7)の順に、モータ43の回転数を切替えるようになっている。
第1押込み工程(ステップSB2)は、最初の高回転時(ステップSB1)に回転させられている内輪21を、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込むようになっている。
比較工程(ステップSB5)は、規定回転時(ステップSB3)に測定されるトルク測定値と第1押込み工程により高回転時に測定された最終のトルク測定値とを比較し、その差分に基づいて回転数の増加によるトルクの上昇分を算出するようになっている。比較工程によりトルクの上昇分が算出されると、そのトルクの上昇分が目標値に加算されて加算後目標値が決定されるようになっている(ステップSB6)。
第2押込み工程(ステップSB8)は、2度目の高回転時(ステップSB7)に回転させられている内輪21を、トルク測定値と加算後目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込むようになっている。
次に、このように構成された本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法の作用について説明する。
本実施形態に係る製造方法により転がり軸受装置1を製造するには、転がり軸受装置組立体1Aのシャフト31を高回転数R1で軸回りに回転させて(ステップSB1)、内輪21を軸方向に押込み(ステップSB2)、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクを測定して(ステップSA3)、CPU51によりトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップSA4)。
CPU51により、差分が閾値よりも大きいと判定された場合は、追加押込み量が算出されて(ステップSA7)、第1押込み工程(ステップSB2)に戻り、差分が閾値以下であると判定された場合は、モータ43の回転数が規定の回転数R2に変更されて(ステップSB3)、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが測定される(ステップSB4)。
次いで、CPU51により、規定回転時に測定されたトルク測定値と最初の高回転時に測定された最終のトルク測定値とが比較されて、その差分に基づいて回転数の増加によるトルクの上昇分が算出され(ステップSB5)、算出されたトルクの上昇分が目標値に加算されて加算後目標値が決定される(ステップSB6)。
次いで、CPU51により、モータ43の回転数が高回転数R1に再び変更され(ステップSB7)、内輪21が軸方向にさらに押込まれる(ステップSB8)。そして、内輪11,21から外輪13,23に伝達されるトルクが測定され(ステップSB9)、CPU51により、トルク測定値と加算後目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かが判定される(ステップSB10)。
CPU51により、差分が閾値以下であると判定された場合は、D/A変換器52,54およびドライバ53,55を介して、アクチュエータ47およびモータ43に対してそれぞれ駆動停止の指令信号が入力され、内輪プッシャー45による内輪21の押込みが終了するとともに(ステップSA5)、シャフト31と共に外輪13,23に対する内輪11,21の回転が停止される(ステップSA6)。これにより、第1転がり軸受10および第2転がり軸受20に予圧をかけた状態で、シャフト31に対して内輪21が位置決め状態で圧入固定された転がり軸受装置1が完成される。
一方、CPU51により、差分が閾値よりも大きいと判定された場合は、トルク測定値と加算後目標値とに基づいて内輪21をさらに押し込む追加押込み量が算出され(ステップSB11)、第2押込み工程(ステップSB8)に戻される。そして、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下になるまで、ステップSB8からステップSB10が繰り返される。
以上説明したように、本実施形態に係る転がり軸受装置の製造方法によれば、第1押込み工程(ステップSB2)および第2押込み工程(ステップSB8)において、既定の回転数R2よりも高い高回転数R1で軸回りに回転させられている内輪21を押込むことにより、転がり軸受10,20の内部に混入したコンタミなどによるスパイク状のトルク変動を除去するためのローパスフィルタの時定数を短時間に設定することができる。したがって、制御周期を短くして予圧を付加する時間を短縮することができる。
なお、回転数の上昇により、図9に示すように、転がり軸受10,20の内部の粘性抵抗を原因としてトルクが上昇するが、サンプルごとに転がり軸受10,20の内の部の粘性抵抗の影響を測定することで、高回転時でもトルクのばらつきを少なくして予圧をコントロールすることができる。図9において、縦軸はトルクを示し、横軸は回転数を示している。
以上、本発明の各実施形態およびその変形例について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態および変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。例えば、第2実施形態において、接着剤塗布工程を含むこととしてもよいし、レーザ溶接工程を含むこととしてもよい。
また、第1実施形態においては、転がり軸受装置の製造方法が判定工程(ステップSA4)を含むこととしたが、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを必ずしも判定する必要はなく、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、押込み工程(ステップSA2)による内輪21の単位時間当たりの押込み量を減少させることとすればよい。この場合、制御装置50によりアクチュエータ47を制御して、内輪21の押込み量を減少させることとすればよい。
また、第1実施形態においては、内輪21の追加押込み量を算出することとしたが、追加押込み量を算出せずに、単位時間当たりの押込み量を減少させた一定の押込み量で内輪21を押し込むこととしてもよい。例えば、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、制御装置50によりアクチュエータ47を制御して、内輪21の押込み量をトルクが目標値を貫通しない一定の押込み量に変更して内輪21をさらに押込み(押込み工程)、制御装置50によりモータ43およびアクチュエータ47を制御して、回転工程(ステップSA1)による内輪11,21の回転(回転工程)および内輪21の押込み(押込み工程)を終了することとしてもよい。
具体的には、図10に示すように、まず、トルク測定値が目標値を超えない程度に、高い駆動電圧をアクチュエータ47に印加して、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回る所定の位置まで内輪21を一気に押し込み、その後、低い駆動電圧をアクチュエータ47に印加しながら、トルク測定値が目標値に近似する位置まで内輪21を一定の押込み量で徐々に押し込んでいくこととしてもよい。
また、図11に示すように、まず、トルク測定値が目標値を超えない程度に、比較的高い駆動電圧をアクチュエータ47に印加していき、トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回る所定の位置まで内輪21を比較的速い速度で押し込み、途中から比較的低い駆動電圧に切り替えて、トルク測定値が目標値に近似する位置まで内輪21を一定の押込み量で徐々に押し込んでいくこととしてもよい。
このようにすることで、追加押込み量を算出する時間を省いて簡易かつより短時間で、トルクのばらつきを低減した転がり軸受装置を製造することができる。
追加押込み量を算出せずに、途中から内輪21の押込み量を減少させた一定の押込み量に切り替える本変形例において、上述した第3変形例〜第5変形例を適用することとしてもよい。
また、例えば、外輪を回転させ、外輪を、外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込み、外輪が押込まれながら内輪に対して回転する際に、外輪から内輪に伝達されるトルクを測定する方法をとっても良い。また、軸方向に間隔をあけて同軸に配置される2つの内輪と2つの外輪とで2つの転がり軸受を構成する例を示したが、2つの内輪もしくは2つの外輪とスペーサ部材を一体化した構造のもの、即ち内輪もしくは外輪の何れか一方が一つの部材で構成され軌道輪を二箇所有する構造も本発明の「同軸に配置される2つの転がり軸受」に該当するものとする。
1 転がり軸受装置
1A 転がり軸受装置組立体
10 第1転がり軸受
11,21 内輪
13,23 外輪
15,25 転動体
20 第2転がり軸受
31 シャフト(軸部材)
37 接着剤
47 アクチュエータ
49 ロードセル
SA1,SB1,SB3,SB7 回転工程(ステップSA1,SB1,SB3,SB7)
SA2 押し込み工程(ステップSA2)
SA3,SB4,SB9 トルク測定工程(ステップSA3,SB4,SB9)
SA4,SB10 判定工程(ステップSA4,SB10)
SB2 第1押込み工程(ステップSB2)
SB5 比較工程(ステップSB5)
SB8 第2押込み工程(ステップSB8)

Claims (28)

  1. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み工程が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む転がり軸受装置の製造方法
    ΔV=A×(TG−TA)
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  2. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み工程が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む転がり軸受装置の製造方法。
    ΔV=A×(TG−TA/TG) m
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  3. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転工程による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻り、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む転がり軸受装置の製造方法。
    TA≧TG
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値である
  4. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転工程による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻り、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む転がり軸受装置の製造方法。
    TA≧TG−M
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値、Mは許容誤差量である
  5. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記外輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み工程が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む転がり軸受装置の製造方法
    ΔV=A×(TG−TA)
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  6. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記外輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み工程が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む転がり軸受装置の製造方法。
    ΔV=A×(TG−TA/TG) m
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  7. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記外輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転工程による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻り、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む転がり軸受装置の製造方法。
    TA≧TG
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値である
  8. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転工程と、
    該回転工程により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み工程と、
    該押込み工程により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定工程とを含み、
    該トルク測定工程により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み工程による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定工程を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み工程による前記外輪の押込みを終了し、前記判定工程により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転工程による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出して、前記押込み工程に戻り、
    前記回転工程が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み工程が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み工程と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較工程と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み工程とを含む軸受装置の製造方法。
    TA≧TG−M
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値、Mは許容誤差量である
  9. 前記追加押込み量を算出する周期が、前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定されている請求項1から請求項8のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法
  10. 前記ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式を満たす請求項1から請求項8のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法
    f<R×0.84
    ここで、fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である
  11. 前記トルク測定値が、前記ロードセルの出力電圧をAD変換して得られる複数の値を平均化してトルクに変換した値であり、
    下記の関係式を満たす請求項1から請求項10のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法
    1<Fr×2×N×S
    ここで、Frはロードセルの共振周波数、Sはロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である
  12. 前記トルク測定値が、前記ロードセルの出力電圧をAD変換して得られる複数の値を平均化してトルクに換算した値であり、下記の関係式を満たす請求項1から請求項11のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法。
    1<1.67×N×S×R
  13. 前記回転工程前に前記内輪もしくは前記外輪と前記軸部材との間に接着剤を塗布する接着剤塗布工程を含む請求項1から請求項12のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法
  14. 前記回転工程による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みの終了後に、軸方向に押込まれた前記内輪と前記軸部材とをレーザ溶接する溶接工程を含む請求項1から請求項13のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法
  15. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定に手段より測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定工程により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記内輪の回転および前記押込み手段による前記内輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出するが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み手段が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み工程により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み手段とを含む転がり軸受装置の製造装置
    ΔV=A×(TG−TA)
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  16. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転工程により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記内輪の回転および前記押込み手段による前記内輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出するが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み手段が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み手段により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較手段により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込手段みとを含む転がり軸受装置の製造装置。
    ΔV=A×(TG−TA/TG) m
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  17. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記内輪の回転および前記押込み手段による前記内輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み手段に戻り、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転手段による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み手段による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出するが、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み手段により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較工程により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み手段とを含む転がり軸受装置の製造装置。
    TA≧TG
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値である
  18. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の内輪に軸部材が圧入状態で嵌合された転がり軸受装置組立体の外輪に対して、前記内輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記外輪に対して回転させられている前記内輪を、該内輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記内輪が押込まれながら前記外輪に対して回転する際に、該内輪から該外輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記内輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と前記目標値との差分が前記所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記内輪の回転および前記押込み工程による前記内輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記内輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み手段に戻るが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転手段による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み手段による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出するが、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み手段により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較手段により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み手段とを含む転がり軸受装置の製造装置。
    TA≧TG−M
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値、Mは許容誤差量である
  19. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転工程による前記外輪の回転および前記押込み手段による前記外輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出するが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み手段が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み手段により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較手段により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み手段とを含む転がり軸受装置の製造装置
    ΔV=A×(TG−TA)
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  20. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記外輪の回転および前記押込み手段による前記外輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出するが、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    前記押込み手段が、アクチュエータの駆動力により前記内輪もしくは前記外輪を押込み、下式により前記追加押込み量を算出し、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み手段により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較手段により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み手段とを含む転がり軸受装置の製造装置。
    ΔV=A×(TG−TA/TG) m
    n =Vn -1 +ΔV
    ここで、ΔVはアクチュエータに印加する指令信号の増加分、Aは所定の係数、TGは目標値、TAはトルク測定値、Vnはアクチュエータに印加する指令信号である
  21. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記外輪の回転および前記押込み手段による前記外輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み手段に戻り、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転手段による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み手段による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出するが、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み手段により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較手段により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み手段とを含む転がり軸受装置の製造装置。
    TA≧TG
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値である
  22. 軸方向に間隔をあけて同軸に配列される2つの転がり軸受の外輪を軸部材に圧入状態で嵌合させた転がり軸受装置組立体の内輪に対して、前記外輪を軸回りに回転させる回転手段と、
    該回転手段により前記内輪に対して回転させられている前記外輪を、該外輪どうしが軸方向に相互に近接する方向に押込む押込み手段と、
    該押込み手段により前記外輪が押込まれながら前記内輪に対して回転する際に、該外輪から該内輪に伝達されるトルクを測定するトルク測定手段とを含み、
    該トルク測定手段により測定されたトルク測定値と目標値との差分が所定の閾値を下回った場合に、前記押込み手段による前記外輪の単位時間当たりの押込み量を減少させる転がり軸受装置の製造装置であって、
    前記トルク測定値と目標値との差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する判定手段を含み、
    該判定手段により前記差分が前記閾値以下であると判定された場合に、前記回転手段による前記外輪の回転および前記押込み手段による前記外輪の押込みを終了し、前記判定手段により前記差分が前記閾値よりも大きいと判定された場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記外輪をさらに押し込む追加押込み量を算出して、前記押込み手段に戻り、
    前記トルク測定値が、ロードセルにより測定される前記トルクの出力信号からローパスフィルタにより高周波成分を遮断した値であり、
    該ローパスフィルタの遮断周波数が前記ロードセルの共振周波数よりも低い値に設定されており、
    下記の関係式が満たされる場合に、前記回転手段による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み手段による前記内輪もしくは前記外輪の押込みを終了し、下記の関係式が満たされない場合に、前記トルク測定値と前記目標値に基づいて前記追加押込み量を算出して、前記押込み手段に戻り、
    前記回転手段が、既定の回転数で前記内輪もしくは前記外輪を軸回りに回転させる規定回転時と、前記規定の回転数よりも高い回転数で前記内輪を軸回りに回転させる高回転時とを含み、
    前記押込み手段が、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を前記トルク測定値と前記目標値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第1押込み手段と、前記規定回転時に測定される前記トルク測定値と前記第1押込み手段により前記高回転時に測定された最終の前記トルク測定値との差分によって、回転数の増加によるトルクの上昇分を算出する比較手段と、前記高回転時に回転させられている前記内輪もしくは前記外輪を、前記比較手段により算出された前記トルクの上昇分を前記目標値に加算した加算後の目標値と前記トルク測定値との差分が所定の閾値以下になるまで押込む第2押込み手段とを含む軸受装置の製造装置。
    TA≧TG−M
    ここで、TAはトルク測定値、TGは目標値、Mは許容誤差量である
  23. 前記追加押込み量を算出する周期が、前記ローパスフィルタの時定数よりも長くなるように設定されている請求項15から請求項22のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造装置
  24. 前記ローパスフィルタの遮断周波数が下記の関係式を満たす請求項15から請求項22のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造装置
    f<R×0.84
    ここで、fはローパスフィルタの遮断周波数(Hz)、Rは転がり軸受の回転数(rpm)である
  25. 前記トルク測定値が、前記ロードセルの出力電圧をAD変換して得られる複数の値を平均化してトルクに変換した値であり、
    下記の関係式を満たす請求項15から請求項24のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造方法
    1<Fr×2×N×S
    ここで、Frはロードセルの共振周波数、Sはロードセルの出力電圧のサンプリング周期(s)、NはSのサンプリング周期でロードセルの出力電圧をAD変換して得られる値の数(データ数)である
  26. 前記トルク測定値が、前記ロードセルの出力電圧をAD変換して得られる複数の値を平均化してトルクに換算した値であり、下記の関係式を満たす請求項15から請求項25のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造装置。
    1<1.67×N×S×R
  27. 前記回転手段前に前記内輪もしくは前記外輪と前記軸部材との間に接着剤を塗布する接着剤塗布手段を含む請求項15から請求項26のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造装置
  28. 前記回転手段による前記内輪もしくは前記外輪の回転および前記押込み手段による前記内輪の押込みの終了後に、軸方向に押込まれた前記内輪と前記軸部材とをレーザ溶接する溶接手段を含む請求項15から請求項27のいずれかに記載の転がり軸受装置の製造装置
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