JP6096852B1 - エレベータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロープスリップによる位置ずれが発生した場合に、終端階まで行かずに位置ずれを正しく補正して通常運転に早く復帰する。【解決手段】一実施形態に係るエレベータの制御装置10は、運転制御部33、位置補正部25を備える。運転制御部33は、かご位置にずれが発生した場合に、乗りかごを最寄階に移動させる。位置補正部25は、乗りかごが最寄階に着床したとき、着床位置の検出回数に基づいて乗りかごが着床した階床を特定し、その特定された階床の位置にかご位置検出部31検出されるかご位置を合わせる。【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、エレベータの制御装置に関する。
近年、定格速度が低い範囲のエレベータでは、システム省力化のため、巻上機のモータ軸に取り付けられたモータ制御用のエンコーダを利用して、エンコーダから巻上機の回転に同期して出力されるパルス信号をカウントすることで、乗りかごの位置を把握している。このため、例えば緊急停止によりロープスリップ(乗りかごを繋ぐロープがモータ上をスリップする現象)が発生すると、パルス信号がカウントされないままに乗りかごが進み、パルスカウント値から得られるかご位置と実際のかご位置との間にずれが生じる。
通常、所定量以上の位置ずれが生じた場合には、乗りかごを終端階まで移動させ、その終端階のリミットスイッチ位置を基準にしてかご位置のずれを補正している。これを「終端階補正」と呼び、このときの運転は通常の運転速度よりもかなり遅く設定された低速で行われる。これは、かご位置を正しく検出できない状況にあり、終端階のリミットスイッチ位置で減速を開始するため、乗りかごの速度を上げて終端階まで移動させると終端階位置ほオーバランしてバッファに衝突する危険があるからである。
特開2008−207943号公報 特開平5−338933号公報
上述したように、終端階補正は低速運転で行われるため、通常運転に復帰するまでに時間を要していた。近年、乗りかごの軽量化に伴いロープのスリップ距離が増大し、終端階補正の頻度が増える傾向にある。
本発明が解決しようとする課題は、ロープスリップによる位置ずれが発生した場合に、終端階まで行かずに位置ずれを正しく補正して通常運転に早く復帰することのできるエレベータの制御装置を提供することである。
一実施形態に係るエレベータの制御装置は、巻上機の回転に同期してエンコーダから出
力されるパルス信号をカウントすることで乗りかごの移動中の位置を連続的に検出するか
ご位置検出手段と、上記乗りかごの移動に伴い、各階床毎に定められた着床位置を検出す
る着床位置検出手段と、この着床位置検出手段によって検出される上記着床位置の検出回
数を終端階を基準にして常時カウントするカウント手段と、上記かご位置検出手段によっ
て検出されるかご位置にずれが発生した場合に、上記乗りかごを最寄階に移動させる運転
制御手段と、この運転制御手段によって上記乗りかごが上記最寄階に着床したとき、上記
カウント手段によってカウントされた上記着床位置の検出回数に基づいて上記乗りかごが
着床した階床を特定し、その特定された階床の位置に上記かご位置検出手段で検出される
かご位置を合わせる位置補正手段と、予め上記乗りかごを上記各階床に着床させたときに得られるパルス数を記憶した第1の記憶手段と、予め上記巻上機に巻回されたロープのスリップ距離を運転条件に関連付けて記憶した第2の記憶手段と、を具備する。上記位置補正手段は、上記第1の記憶手段から上記特定された階床のパルス数を読み出し、そのパルス数に基づいて上記かご位置検出手段のパルスカウント値を補正する。上記第2の記憶手段から現在の運転条件に対応したスリップ距離を読み出し、そのスリップ距離に基づいて上記特定された階床のパルス数を用いた補正が適正であるか否かを判断し、適正と判断した場合に当該パルス数に基づいて上記かご位置検出手段のパルスカウント値を補正する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの構成を示す図である。 図2は同実施形態における着床検出センサの構成を示す図である。 図3は同実施形態における着床検出センサを構成するリミットスイッチが作るゾーンの説明図である。 図4は同実施形態における着床検出センサを構成するリミットスイッチLSA,LSC,LSBの各信号の出力タイミングを示す図である。 図5は同実施形態におけるエレベータ制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図6は同実施形態におけるエレベータ制御装置に設けられた階床パルステーブルの一例を示す図である。 図7は同実施形態における階床間の階高長を説明するための図である。 図8は同実施形態におけるエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 図9は同実施形態における着検板の検出回数のカウント方法を説明するための図である。 図10は第2の実施形態におけるエレベータ制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図11は同実施形態におけるエレベータ制御装置に設けられたロープスリップテーブルの一例を示す図である。 図12は同実施形態におけるエレベータ制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの構成を示す図である。
昇降路10内にエレベータの乗りかご11とカウンタウエイト(吊り合い錘)12が設けられており、それぞれに図示せぬガイドレールに昇降動作可能に支持されている。乗りかご11は、かご上にシーブ14を有している。そのシーブ14に一端が昇降路頂上部に固定されたロープ13が架設されている。ロープ13は、トラクションシーブ15を介してカウンタウエイト12上のシーブ16に架設され、その他端部を昇降路頂上部に固定している。これにより、乗りかご11とカウンタウエイト12を2:1ローピンク形式で支持している。
トラクションシーブ15は、巻上機17のモータ軸に取り付けられている。巻上機17の駆動によりトラクションシーブ15が回転することで、トラクションシーブ15に巻回されたロープ13を介して乗りかご11とカウンタウエイト12が昇降路内10をつるべ式に昇降動作する。なお、図1の例では、2:1ローピンク形式のエレベータの構成を示しているが、本発明は特にこの構成に限定されるものではなく、1:1ローピンク形式など、他の構成であってもよい。
ここで、本実施形態では、乗りかご11の移動中の位置(絶対位置)を連続的に検出するために、巻上機17のモータ軸にエンコーダ18を取り付けている。エンコーダ18は、巻上機17の回転に同期させたパルス信号を出力する。
また、乗りかご11にはかごドア19が設けられている。かごドア19は、乗りかご11が任意の階に着床したとき、その階の乗場20に設けられた乗場ドア21に係合して開閉動作する。なお、駆動源(ドアモータ)は乗りかご11側にあり、乗場ドア21は着床時にかごドア19に追従して開閉動作する。
乗りかご11の底部には、各階床毎に定められた着床位置を検出するための着床検出センサ22が設けられている。図2に示すように、着床検出センサ22は、複数(ここでは3つ)のリミットスイッチSA,SC,SBが運転方向に所定の間隔で配列された構成を有する。一方、昇降路10内には各階床毎に所定の長さを有する着検板(着床検出板)23が設けられている。
リミットスイッチSA,SC,SBは、例えば投光器と受光器を対向させたコの字型光電センサからなり、投光器と受光器との間の光を着検板23が遮ることでスイッチング動作してON信号を出力する。図2の例では、乗りかご11がUP方向(上方向)に運転しているときは、SA−SC−SBの順でONする。乗りかご11がDN方向(下方向)に運転しているときは、SB−SC−SAの順でONする。
図3にリミットスイッチSA,SC,SBが作るゾーンの説明図を示す。図4にリミットスイッチSA,SC,SBの各信号の出力タイミングを示す。
リミットスイッチSA,SC,SBの全てがONしている場合に、乗りかご11が予め定められた着床位置に正しく着床していることを示す。なお、安全基準では、リミットスイッチSCの前後10mmが着床レベルとして規定されている。
また、リミットスイッチSAまたはSBがONしている場合に(リミットスイッチSCはON)、乗りかご11が乗場付近で戸開可能な範囲内に入っているものとする。この戸開可能な範囲のことを「ドアゾーン」と呼び、例えばリミットスイッチSCの前後200mmに規定されている。着検板23の長さは、このドアゾーンの範囲を規定している。なお、リミットスイッチSCの前後75mmはワイヤーストレッチゾーンであり、利用者が乗り降りするときの乗りかご11の前後の揺れの範囲を許容している。
乗りかご11が各階床を通過あるいは着床したときに、リミットスイッチSA,SC,SBのON/OFFの組み合わせ信号が着床検出センサ22の着床信号としてエレベータ制御装置30に与えられる。
また、リミットスイッチSA,SC,SBとは別に、昇降路10内の最下階と最上階にリミットスイッチ24,25が設置されている。リミットスイッチ24は、最下階検出用のスイッチである。乗りかご11が最下階に着床すると、リミットスイッチ24がON動作して、その信号がエレベータ制御装置30に与えられる。リミットスイッチ25は、最上階検出用のスイッチである。乗りかご11が最上階に着床すると、リミットスイッチ25がON動作して、その信号がエレベータ制御装置30に与えられる。
エレベータ制御装置30は、図示せぬエレベータの機械室あるいは昇降路10内に設置されている。エレベータ制御装置30は、「制御盤」とも呼ばれ、巻上機17の駆動制御などを含むエレベータ全体の制御を行う。本実施形態において、このエレベータ制御装置30には、エンコーダ18のパルスカウント値によって検出されるかご位置のずれを補正するための機能が備えられている。
図5は第1の実施形態におけるエレベータ制御装置30の機能構成を示すブロック図である。
エレベータ制御装置30は、かご位置検出部31、着床位置検出部32、運転制御部33、カウント部34、位置補正部35、階床パルステーブル36を備える。
かご位置検出部31は、巻上機17の回転に同期してエンコーダ18から出力されるパルス信号をカウントし、そのカウント値から乗りかご11の移動中の位置を連続的に検出する。着床位置検出部32は、乗りかご11の移動に伴い、階床毎に定められた着床位置を検出する。
運転制御部33は、かご位置検出部31によって検出されるかご位置に基づいて乗りかご11を所定の速度で目的階まで移動させた後(速度制御)、着床位置検出部32によって検出される当該階床の着床位置に乗りかご11を着床させる(位置制御)。
また、運転制御部33は、かご位置検出部31によって検出されるかご位置にずれが発生した場合(かご位置検出部31のパルスカウント値が現在のかご位置を正しく示していない場合)に乗りかご11を最寄階に移動させる。
カウント部34は、着床位置検出部32によって検出される着床位置の検出回数を終端階を基準に常時カウントする。着床位置検出部32によって検出される着床位置とは、具体的には各階床に設置された着検板23のことである。
位置補正部35は、乗りかご11が最寄階に着床したとき、カウント部34によってカウントされた着床位置(着検板23)の検出回数に基づいて乗りかご11が着床した階床を特定し、その特定された階床の位置にかご位置検出部31で検出されるかご位置を合わせる。詳しくは、位置補正部35は、階床パルステーブル36から上記特定された階床のパルス数を読み出し、そのパルス数に基づいてかご位置検出部31のパルスカウント値を補正する。
図6に階床パルステーブル36の一例を示す。
階床パルステーブル36には、予めPD(ポジションデータ)セット時に乗りかご11を各階床に着床させたときに得られるパルス数が記憶されている。
例えば、図7に示すように1階と2階との間の階高長が5500(mm)、2階と3階との間の階高長が5000(mm)、3階と4階との間の階高長が5000(mm)…であったとする。PDセット時に最下階(1階)からUP方向に運転したときにエンコーダ18から出力されるパルス数を逐次カウントすることで、1階:「000000」,2階:「005500」,3階:「010500」,4階:「015500」…といったパルス数が得られる。これらのパルス数(パルスカウント値)を各階床と関連付けて階床パルステーブル36に記憶しておく。
位置ずれが発生していなければ、乗りかご11が各階に着床したときに、かご位置検出部31にてカウントされるパルス信号のカウント値は階床パルステーブル36に記憶された各階床のパルス数と同じになる。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
図8は第1の実施形態におけるエレベータ制御装置30の処理動作を示すフローチャートである。
通常運転時において、エレベータ制御装置30は、巻上機17の回転に同期してエンコーダ18から出力されるパルス信号を用いて移動中の乗りかご11の位置を把握している。このとき、エレベータ制御装置30に設けられたカウント部34では乗りかご11の移動中に着検板23の検出回数を常時カウントしている(ステップS11)。
ここで、図9を参照して着検板23の検出回数をカウントする方法(着検板カウント方式)について説明する。
例えば10階床の建物において、UP方向運転時には、最下階を基準にして、SA=1∧SB=0→1のエッジを検出したときにカウントアップする。DN方向運転時には、最上階を基準にして、SB=1∧SA=0→1のエッジを検出したときにカウントダウンする。
「SA=1∧SB=0→1のエッジ」とは、着床検出センサ22を構成する3つのリミットセンサSA,SC,SBのうち、SAがONした状態でのSBの信号の立ち上がりのことである。UP方向運転時には、SA−SC−SBの順でONする(図4のUP方向から見た場合の信号変化参照)。したがって、SA=1∧SB=0→1のエッジを検出することがカウントアップの条件となる。
「SB=1∧SA=0→1のエッジ」とは、着床検出センサ22を構成する3つのリミットセンサSA,SC,SBのうち、SBがONした状態でのSAの信号の立ち上がりのことである。DN方向運転時には、SB−SC−SAの順でONする(図4のDN方向から見た場合の信号変化参照)。したがって、SB=1∧SA=0→1のエッジを検出することがカウントダウンの条件となる。
ただし、着検板カウント方式では、利用者の乗降時の乗りかご11の揺れによって着床検出センサ22がチャタリングすると、カウント値を間違える可能性がある。そこで、乗りかご11が終端階(最下階と最上階)に着床したときに着検板23の検出回数(カウント値)を初期値に合わせることが好ましい。図9の例では、最下階の1階で着検板23の検出回数(カウント値)が「1」に設定され、最上階の10階で着検板23の検出回数(カウント値)が「10」に設定されている。これにより、乗りかご11の運転方向に合わせて、着検板23の検出回数を「1」〜「10」の間で正しくカウントすることができる。
ここで、何らかの異常で乗りかご11の運転が緊急停止したとする。緊急停止すると、その反動で巻上機17のトラクションシーブ15に巻回されたロープ13がスリップし、乗りかご11がそのスリップ分だけ進む。このとき、巻上機17のモータ軸に取り付けられたエンコーダ18からパルス信号が出力されていないため、エレベータ制御装置30のかご位置検出部31で検出されているかご位置(パルスカウント値から得られるかご位置)と実際のかご位置との間にずれが生じることになる。
そこで、緊急停止したとき、運転制御部33は、ロープスリップによる位置ずれが発生しているものと判断する(ステップS12のYes)。なお、ロープスリップが発生したときであっても、着検板23の検出回数は常時カウントされている(ステップS13)。つまり、ロープスリップによって乗りかご11がある階床の着検板23を通過すれば、着検板23の検出回数は+1カウントされることになる。
また、上記ステップS12で位置ずれ(ロープスリップ)の発生を判断する条件としては、緊急停止の他に、例えば各階床毎にかご位置検出部31で検出されるかご位置と着床位置検出部32で検出される着床位置との間に所定量以上の誤差があった場合も含まれる。
位置ずれが発生したとき、運転制御部33は、乗りかご11を最寄階に着床させる(ステップS14)。乗りかご11が最寄階に着床すると、位置補正部35は、その時点でカウント部34でカウントされている着検板23の検出回数に基づいて乗りかご11が現在停止している階床を特定し、その階床を示す階床データを位置補正部35に与える(ステップS15)。
例えば、図9のように最下階の1階を「1」、最上階の10階を「10」として着検板23の検出回数をカウントしている場合において、検出回数が「3」であれば、乗りかご11が停止している階(最寄階)は「3階」であると判断される。
位置補正部35は、運転制御部33から与えられた階床データに基づいてパルステーブル36を検索し、乗りかご11が現在停止している階床に対応したパルス数を求める。図6に示したように、階床パルステーブル36には、予めPDセット時に終端階(この例では1階)を基準にして測定された各階床のパルス数が記憶されている。
位置補正部35は、この階床パルステーブル36から求めたパルス数に基づいて、かご位置検出部31で検出されるかご位置のずれを補正する(ステップS17)。詳しくは、位置補正部35は、かご位置検出部31で管理しているエンコーダ18のパルスカウント値を上記階床パルステーブル36から求めたパルス数に合わせてリセット(再設定)する。
例えば、乗りかご11が「3階」に停止しているときに、かご位置検出部31のパルスカウント値が「010700」(200パルス数分の位置ずれが生じている状態)であるとする。図6に示した階床パルステーブル36の例では、「3階」に対応したパルス数は「010500」である。したがって、かご位置検出部31のパルスカウント値「010700」→「010500」にリセットする。
位置ずれ補正後、パルスカウント値を用いた通常運転に切り替えられ、乗りかご11は当該階床から通常の速度で運転を再開する(ステップS18)。
このように第1の実施形態によれば、通常運転時に着検板23の検出回数を常時カウントしておくことで、ロープスリップによる位置ずれが発生した場合に、乗りかご11を最寄階に着床させたときの着検板23の検出回数から階床を特定して位置ずれ補正を行うことができる。したがって、終端階まで行かなくとも、最寄階で乗客を乗せたままで位置ずれを正しく補正して通常運転に早く復帰することができる。特に階床数の多い建物では、終端階への移動に時間かかかるので、最寄階での位置ずれ補正は時間短縮の効果が大きい。
また、パルスカウント方式による階床認識の場合、例えば階高が極端の短い仕様では、ロープスリップの発生により乗りかご11を最寄階に着床させたときに、階床を誤検出して位置ずれを補正しまうことがある。
すなわち、通常、乗りかご11を最寄階に着床させたときのパルス補正幅が一定値(例えば1000mm)を超えていた場合には、乗りかご11を終端階まで移動させてパルス補正を行っている。一方、パルス補正幅が上記一定値以内であれば、終端階補正ではなく、最寄階でパルス補正を行う。ところが、階高が極端の短い仕様だと、隣接する階床間のパルス数の差が少ない。このため、例えば緊急停止で乗りかご11が3階と2階の間で止まった場合に、その乗りかご11を2階に着床させた際に、そのときのパルスカウント値から3階と誤認識する可能性がせる。この場合、パルス補正幅が上記一定値以内であれば終端階補正が働かないので、当該階床で誤認識したままでパルス補正を行うリスクがある。これに対し、着検板カウント方式では、最寄階の認識にパルスを使わないため、このようなリスクはない。
なお、停電による緊急停止の場合には、着床検出センサ22に電力が供給されないため、着検板カウント方式を使用できない。したがって、走行時の停電あるいは瞬停が検出されたときには終端階まで移動させて、停電復帰後の終端階補正を行う必要がある。ただし、対応策として、例えば停電時に図示せぬバッテリを用いて着床検出センサ22とエレベータ制御装置30に電力供給する構成とすれば、着検板カウント方式を用いてパルス補正を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、上述した位置ずれ補正(パルス補正)が適正であるか否かを確認するための保護処理を追加したものである。
図10は第2の実施形態におけるエレベータ制御装置30の機能構成を示すブロック図である。なお、上記第1の実施形態における図5の構成と同じ部分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略するものとする。
第2の実施形態において、エレベータ制御装置30にはロープスリップテーブル37が設けられている。ロープスリップテーブル37には、予め巻上機17で発生するロープ13のスリップ距離が運転条件に関連付けて記憶されている。位置補正部35は、このロープスリップテーブル37を参照して位置ずれ補正が適正であるか否かを判断する。
図11にロープスリップテーブル37の一例を示す。
ロープ13のスリップ距離は、ロープスリップの開始速度と、乗りかご11の積載荷重、運転方向などを含む運転条件によって決まる。ロープスリップの開始速度は、巻上機17の回転速度に依存する。つまり、巻上機17の回転速度が速ければ、その分、急停止したときの反動が大きく、ロープスリップの開始速度が大きくなる。
これらの運転条件をパラメータとして所定の計算式を用いてスリップ距離を求め、その結果をロープスリップテーブル37に運転条件に関連付けて記憶しておく。図11の例では、スリップ開始速度が[45m/min],[60m/min],[90m/min],[105m/min]で、積載荷重と運転方向が[NL−UP],[NL−DN],[FL−UP],[FL−DN]のときのスリップ距離が記憶されている。
[NL]とはNo-loadの略であり、積載荷重ゼロ(無人状態)での走行を示す。[FL]とはFull-loadの略であり、定格荷重(満員状態)での走行を示す。[UP]は上方向の運転、[DN]は下方向の運転を示す。なお、実際には、もっと多数の条件毎にスリップ距離が求められ、ロープスリップテーブル37に記憶されているものとする。
スリップ開始速度が速いほどスリップ距離が大きく、そのときに乗りかご11がNL−UP運転のときに最もスリップ距離が大きくなる。スリップ距離=位置ずれ量であり、ロープ13のスリップ距離が大きければ、その間、エンコーダ18のパルス信号が出力されずに乗りかご11が進むので、実際のかご位置との間のずれ量が大きくなる。
以下に、このロープスリップテーブル37を用いた位置ずれ補正の保護処理について説明する。
図12は第2の実施形態におけるエレベータ制御装置30の処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、図8のステップS17で実行される。
すなわち、上記第1の実施形態で説明したように、ロープスリップによる位置ずれが発生した場合に、エレベータ制御装置30の位置補正部35は、着検板23の検出回数から乗りかご11が着床している階床(最寄階)を特定し、その特定された階床の位置に対応したパルス数に基づいてパルスカウント値を補正する。
その際、位置補正部35は、パルス補正値を求め、それが適正であるか否かを判断する。詳しくは、位置補正部35は、まず、上記特定された階床に対応したパルス数を階床パルステーブル36から読み出し、そのパルス数とかご位置検出部31のパルスカウント値との差分をパルス補正値として求める(ステップS21)。
例えば、特定された階床が「3階」で、その「3階」に対応したパルス数は「010500」であったとする。このとき、かご位置検出部31で現在のかご位置としてカウントされているパルスカウント値が「010700」であるとすると、200パルスがパルス補正値として求められる。
ここで、位置補正部35は、ロープスリップ直前の運転情報に基づいてロープスリップテーブル37を検索し、その運転情報のときに生じるスリップ距離を求める(ステップS22)。上記運転情報には、巻上機17の回転速度、乗りかご11の積載荷重、運転方向が含まれる。なお、図11のスリップ開始速度は、所定の関係式を用いて巻上機17の回転速度から求められる。乗りかご11の積載荷重は、乗りかご11の底部に設置された図示せぬ荷重センサから求められる。
位置補正部35は、ロープスリップテーブル37から得たスリップ距離とパルス補正値とを比較し、両者の差が所定値以内か否かを判断する(ステップS23)。なお、比較に際しては、単位をどちらかに合わせるものとする。例えばスリップ距離をパルス数に置き換えてパルス補正値と比較するか、パルス補正値を距離に置き換えてスリップ距離と比較する。
両者の差が所定値以内であった場合、つまり、スリップ距離とパルス補正値とが略同じ位置ずれ量を表している場合には(ステップS23のYes)、位置補正部35は、適正なパルス補正値であると判断する(ステップS24)。つまり、着検板23の検出回数によって特定された階床が正しいということである。そこで、位置補正部35は、乗りかご11を現在の階床に停止させた状態で、当該階床に対応したパルス数に基づいてパルスカウント値を補正する(ステップS25)。詳しくは、位置補正部35は、かご位置検出部31で管理しているエンコーダ18のパルスカウント値を上記パルス補正値だけ差し引いて当該階床に対応したパルス数に合わせる。
位置ずれ補正後、パルスカウント値を用いた通常運転に切り替えられ、乗りかご11は当該階床から通常の速度で運転を再開する。
一方、両者の差が所定値を越える場合、つまり、スリップ距離が表わす位置ずれ量とパルス補正値が表わす位置ずれ量との間に所定値以上の誤差がある場合には(ステップS23のNo)、位置補正部35は、不適正なパルス補正値であると判断する(ステップS26)。つまり、着検板23の検出回数によって特定された階床が間違っているということである。
このような場合には、運転制御部33は、乗りかご11を通常運転時の速度よりも遅い低速運転で終端階へ移動させる(ステップS13)。なお、このとき乗りかご11内に乗客が乗っていれば、乗客を降ろしてから終端階へ移動させる。「終端階」とは、最上階または最下階のことである。この場合、終端階として最上階または最下階を選択する方法として、下記の3通りがある。
1.停止直前の運転方向にある終端階を選択する。例えば停止直前にDN方向に運転中であったのならば、最下階に乗りかご11を進ませる。停止直前にUP方向に運転中であったのならば、最上階に乗りかご11を進ませる。
2.停止直前の階床に近い終端階を選択する。例えば15階床の建物において、停止直前に2〜7階を運転中であったのならば、最下階に乗りかご11を進ませる。停止直前に8〜14階を運転中であったのならば、最上階に乗りかご11を進ませる。
3.カウンタウエイト12から離れる方向にある終端階を選択する。これは、緊急停止に伴うロープ揺れなどによってカウンタウエイト12が乗りかご11に接触する危険性を回避するためである。
乗りかご11が終端階に着床すると、位置補正部35は、その終端階の位置に基準にしてかご位置検出部31で検出されるかご位置のずれを補正する(ステップS17)。詳しくは、位置補正部35は、まず、乗りかご11が着床した終端階に対応したパルス数を階床パルステーブル36から読み出し、かご位置検出部31で管理しているエンコーダ18のパルスカウント値を上記終端階のパルス数に合わせる。なお、最下階と最上階の終端階にはそれぞれにリミットスイッチ24,25が設置されており、そのリミットスイッチ24,25を通じて乗りかご11が終端階(最下階または最上階)に着床したことを把握できる。
位置ずれ補正後、パルスカウント値を用いた通常運転に切り替えられ、乗りかご11は終端階から通常の速度で運転を再開する。
このように第2の実施形態によれば、着検板カウント方式を用いた位置ずれ補正(パルス補正)の保護処理を設けておくことで、誤認識した階床で誤って位置ずれ補正を行ってしまうことを防ぐことができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、ロープスリップによる位置ずれが発生した場合に、終端階まで行かずに位置ずれを正しく補正して通常運転に早く復帰することのできるエレベータの制御装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…昇降路、11…乗りかご、12…カウンタウエイト、13…ロープ、14…シーブ、15…トラクションシーブ、16…シーブ、17…巻上機、18…エンコーダ、19…かごドア、20…乗場、21…乗場ドア、22…着床検出センサ、23…着検板、SA,SC,SB…リミットスイッチ、30…エレベータ制御装置、31…かご位置検出部、32…着床位置検出部、33…運転制御部、34…カウント部、35…位置補正部、36…階床パルステーブル、37…ロープスリップテーブル。

Claims (5)

  1. 巻上機の回転に同期してエンコーダから出力されるパルス信号をカウントすることで乗りかごの移動中の位置を連続的に検出するかご位置検出手段と、
    上記乗りかごの移動に伴い、各階床毎に定められた着床位置を検出する着床位置検出手段と、
    この着床位置検出手段によって検出される上記着床位置の検出回数を終端階を基準にして常時カウントするカウント手段と、
    上記かご位置検出手段によって検出されるかご位置にずれが発生した場合に、上記乗りかごを最寄階に移動させる運転制御手段と、
    この運転制御手段によって上記乗りかごが上記最寄階に着床したとき、上記カウント手段によってカウントされた上記着床位置の検出回数に基づいて上記乗りかごが着床した階床を特定し、その特定された階床の位置に上記かご位置検出手段で検出されるかご位置を合わせる位置補正手段と
    予め上記乗りかごを上記各階床に着床させたときに得られるパルス数を記憶した第1の記憶手段と、
    予め上記巻上機に巻回されたロープのスリップ距離を運転条件に関連付けて記憶した第2の記憶手段と、
    を具備し、
    上記位置補正手段は、
    上記第1の記憶手段から上記特定された階床のパルス数を読み出し、そのパルス数に基づいて上記かご位置検出手段のパルスカウント値を補正し、
    上記第2の記憶手段から現在の運転条件に対応したスリップ距離を読み出し、そのスリップ距離に基づいて上記特定された階床のパルス数を用いた補正が適正であるか否かを判断し、適正と判断した場合に当該パルス数に基づいて上記かご位置検出手段のパルスカウント値を補正する
    ことを特徴とするエレベータの制御装置。
  2. 上記運転制御手段は、
    上記特定された階床のパルス数を用いた補正が不適正の場合に上記乗りかごを上記終端階まで移動させ、
    上記位置補正手段は、
    上記乗りかごが上記終端階に着床したときに、上記第1の記憶手段に記憶された上記終端階のパルス数に基づいて上記かご位置検出手段のパルスカウント値を補正することを特徴とする請求項記載のエレベータの制御装置。
  3. 上記運転制御手段は、
    上記乗りかごの運転を緊急停止させた場合に上記かご位置検出手段によって検出されるかご位置にずれが発生しているものと判断することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  4. 上記運転制御手段は、
    上記各階床で上記かご位置検出手段によって検出されるかご位置と上記着床位置検出手段によって検出される着床位置との間に所定量以上の誤差があった場合に上記かご位置検出手段によって検出されるかご位置にずれが発生しているものと判断することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
  5. 上記着床位置検出手段は、
    昇降路内に上記各階床毎に設けられた着床板を当該階床の着床位置として検出することを特徴とする請求項1記載のエレベータの制御装置。
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