JP6096236B2 - 逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法 - Google Patents

逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法 Download PDF

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本発明は、射出装置のスクリュに設けられている、押金と逆流防止リングとからなる逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する検査方法に関するものである。
射出成形機を構成している射出装置は、文献名を挙げるまでもなく従来周知で、シリンダと、このシリンダ内で回転および軸方向に駆動されるスクリュ及びスクリュヘッドとから構成されている。このような射出装置の逆流防止装置も従来周知で、押金と逆流防止リングとから構成されている。スクリュヘッドは、先端部が所定の長さだけ小径の軸部に形成されており、押金はこの軸部に連続するようにその後方寄りに設けられている。つまり押金はスクリュ本体の先端部近傍に固定されているが、その先端はスクリュヘッドが取付けられた状態になっている。逆流防止リングは、所定肉厚の円筒状を呈し、スクリュヘッドの軸部に対して軸方向に所定の長さだけスライド可能に緩やかに嵌合され、その外周面がシリンダのボアに対して滑らかに摺動するようになっている。逆流防止リングの外周面とシリンダのボアの間は射出材料が流れないが、軸部と逆流防止リングの内周面との間には所定の隙間が確保され、射出材料が流れる流路になっている。逆流防止リングにはその後端面に軸方向に対して所定の角度で傾斜したテーパ状の面あるいは軸方向に対して垂直な端面が形成され、この面が当接面になっている。また押金にも同様のテーパ状の面あるいは垂直な端面が形成され、これが着座面になっており、逆流防止リングの当接面が当接あるいは着座するようになっている。逆流防止装置がこのように構成されているので、計量工程においては射出材料の圧力によって逆流防止リングは前方にスライドして押金と逆流防止リングは離間して、射出材料の流路が形成される。一方、射出工程においてスクリュを軸方向に駆動すると逆流防止リングが軸方向の後方にスライドして押金に押しつけられ、当接面が着座面に当接する。すなわち逆流防止リングが押金に着座する。これによって射出材料の流路が遮断され射出材料の逆流が防止されることになる。
逆流防止リングの外周面が摩耗したり、押金の着座面や逆流防止リングの当接面が摩耗・劣化すると、射出工程や保圧工程において射出材料がこれらから漏れて逆流する。逆流の量が多いと射出材料の射出量が不正確になって、得られる成形品の品質が低下する。このような場合には逆流防止装置を交換する必要がある。逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する色々な方法が特許文献により提案されている。
特開2008−302527号公報 特開平4−28519号公報 特開平4−263917号公報
射出材料が逆流によりスクリュの後方に流れるとその流れがフライトに作用してスクリュに回転力が発生する。このような回転力を検出して逆流防止装置における樹脂材料の逆流を検出する方法が特許文献1に記載されている。スクリュに設けられている逆流防止装置は、スクリュを軸方向に前進させて射出材料に所定の圧力を印加するとき、逆流防止リングが押金に着座するまで若干の射出材料がスクリュ後方に流れる逆流が発生し、着座すると射出材料の逆流は止まる。これによってスクリュを軸方向に前進させる初期においてスクリュに回転力が作用して回転力が所定の大きさのピークを迎えた後、着座後に実質的に回転力はゼロになる。ところが逆流防止リングが摩耗・劣化している場合には、それによる隙間から射出材料が逆流するので、回転力のピークが大きくなると共に着座後の回転力もゼロにはならない。特許文献1に記載の方法は、この回転力のピークを検出して逆流防止リングの摩耗・劣化を検出するようにしている。具体的には、成形サイクルにおいてスクリュを前進させるときに、スクリュの回転力を検出する。検出された回転力のピーク値に基づいて摩耗・劣化状態を判断する。このように判断するので成形サイクルを停止させることなく逆流防止装置の摩耗・劣化を検査することができる。
特許文献2には、射出ノズルあるいはシリンダの先端にシャットオフ弁を備えた射出装置において、逆流防止装置の摩耗・劣化を検査する方法が記載されている。この文献に記載の方法では、成形サイクルの保圧工程終了後に、スクリュに対して前進方向の圧力を印加した状態でシャットオフ弁を閉じる。そしてこのときにスクリュが前進する速度を検出して、所定の速度が検出されたときに逆流防止装置の摩耗・劣化が発生していると判断する。スクリュが前進する速度が所定の速度に達しない場合には射出材料の逆流はほとんど発生していないと判断し、次の成形サイクルを実行する。
特許文献3には、成形サイクルから独立した検査のための運転モードを設け、該運転モードにおいて逆流防止装置の摩耗・劣化を検査する方法が記載されている。特許文献3に記載の方法においては、検査のための運転モードを実行するとき、最初に射出ノズルを閉鎖用ブロックに当接させるようにして射出ノズルから射出材料が漏れないようにする。この状態においてスクリュを前進方向に駆動する第1の射出工程を実施する。そうするとスクリュの前方の射出材料は圧縮されてスクリュは所定の位置まで前進する。第1の射出工程を終了してスクリュへの前進方向への駆動を解除するとスクリュはわずかに後退する。第1のスクリュ位置を得る。引き続きスクリュを前進方向に駆動する第2の射出工程を実施し、第2の射出工程を終了したときのスクリュ位置を第2のスクリュ位置として得る。逆流防止装置において逆流が発生しなければ第1、2のスクリュ位置は一致するが、逆流が発生していればズレが生じる。特許文献3に記載の検査方法では、第1、2のスクリュ位置のズレの大きさから逆流の有無を検出し、それによって逆流防止装置の摩耗・劣化状態を判断する。
特許文献1〜3のいずれかに記載の方法によっても逆流防止装置の摩耗・劣化状態は検査することができる。しかしながら解決すべき問題も見受けられる。まず特許文献1に記載の方法については、成形サイクルを停止せずに検査することができ、またスクリュを前進させるときのスクリュに作用する回転力を検出するだけで逆流防止装置の摩耗・劣化が検査できるので優れてはいる。しかしながらスクリュの回転力は、逆流防止装置からある程度の射出材料が逆流しないと検出できない。つまり逆流防止装置の摩耗・劣化の程度が大きいときにしか検出できない。またピーク時の回転力の大きさで逆流防止装置の摩耗・劣化状態の判断をするようにしているが、射出材料の種類によって粘性が異なり逆流防止リングが押金に着座するまでに逆流する量が異なることが予想されるので、正確に判断できない可能性もある。特許文献2に記載の方法については、毎回の成形サイクルにおいて逆流防止装置の逆流を検査するので優れてはいるが、保圧工程実施後に所定の処理を実施して検査しなければならないので検査に要する時間だけ成形サイクルが長くなる問題がある。さらには逆流防止装置の逆流を検査するときには、逆流防止リングの摩耗・劣化の度合いが小さい場合であっても、逆流防止リングとシリンダの隙間から射出材料が逆流する。このときに樹脂材料が狭い隙間を通るため絞り作用によって損失した圧力が熱エネルギーに変換されて温度が一時的に上昇する。射出材料が樹脂材料からなる場合には、この温度上昇によって高分子の分子鎖が切れたり、変色したりして変質することになる。このような変質した樹脂材料が成形サイクル毎に発生すると、成形品に変質した樹脂材料が混入するので成形品の品質に影響を及ぼしてしまう。特許文献3に記載の方法については、成形サイクルとは関係がない検査の運転モードを格別に設け、この運転モードにおいて逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査しているので、成形サイクルに影響を与えずに優れていると言える。しかしながら問題もある。この問題は特許文献1〜3に記載の方法においても同様に存在する問題であるが、摩耗・劣化しているのが逆流防止装置であるのかシリンダであるのか、いずれかを判断することができない。射出材料の逆流は、逆流防止装置の摩耗・劣化によっても発生するが、シリンダのボアに傷ができても、シリンダが摩耗しても発生するからである。特許文献1〜3のそれぞれに記載の方法は、いずれも逆流の発生は検出できるが、その原因がシリンダの傷や摩耗によるものであっても、逆流防止装置の摩耗・劣化によるものであると判断してしまう。
本発明は、上記したような問題点を解決した、逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する方法を提供することを目的としており、具体的には、成形サイクルに影響を与えたり成形品に影響を与えることがなく、射出材料の種類によらずに正確に検査することができ、逆流防止装置とシリンダのいずれに問題があるかを特定することができる逆流防止装置の摩耗・劣化状態の検査方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、シリンダ内で軸方向と回転方向とに駆動されるスクリュの先端部近傍に設けられ、逆流防止リングと、該逆流防止リングが着座する押金とからなる逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する摩耗・劣化検査方法として構成する。スクリュを所定のスクリュ位置にして、シリンダの先端の射出ノズルを閉鎖した状態でスクリュに前進方向の軸力を印加してスクリュ位置の変化を検出する検査を逆流検査とする。摩耗・劣化検査方法は、このような逆流検査を、異なる2カ所以上のスクリュ位置において実施する。なお逆流検査では、スクリュに軸力を印加する前のスクリュ位置と印加して軸力を解放した後のスクリュ位置とを比較してその変化を検出する。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、シリンダ内で軸方向と回転方向とに駆動されるスクリュの先端部近傍に設けられ、逆流防止リングと、該逆流防止リングが着座する押金とからなる逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する摩耗・劣化検査方法であって、前記摩耗・劣化検査方法は、異なる2カ所以上のスクリュ位置において所定の逆流検査を実施するようにし、前記逆流検査は、前記シリンダの先端の射出ノズルを閉鎖した状態で前記スクリュに前進方向の軸力を印加して、前記スクリュに軸力を印加する前のスクリュ位置と軸力を解放した後のスクリュ位置の変化を比較して、所定の大きさを超えたら逆流量が許容値を超えたと判断することを特徴とする逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法として構成される。
請求項2に記載の発明は、シリンダ内で軸方向と回転方向とに駆動されるスクリュの先端部近傍に設けられ、逆流防止リングと、該逆流防止リングが着座する押金とからなる逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する摩耗・劣化検査方法であって、前記摩耗・劣化検査方法は、異なる2カ所以上のスクリュ位置において所定の逆流検査を実施するようにし、前記逆流検査は、前記シリンダの先端の射出ノズルを閉鎖した状態にし、前記スクリュに前進方向の軸力を印加して、印加しているときの単位時間毎のスクリュ位置の変化を検出するようにすることを特徴とする逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法として構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の摩耗・劣化検査方法において、前記摩耗・劣化検査方法は、異なる3カ所のスクリュ位置において前記逆流検査を実施することを特徴とする逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法として構成される。
以上のように、本発明は、シリンダ内で軸方向と回転方向とに駆動されるスクリュの先端部近傍に設けられ、逆流防止リングと、該逆流防止リングが着座する押金とからなる逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する摩耗・劣化検査方法として構成される。そして摩耗・劣化検査方法は、異なる2カ所以上のスクリュ位置において所定の逆流検査を実施するようにする。逆流検査は、シリンダの先端の射出ノズルを閉鎖した状態でスクリュに前進方向の軸力を印加して、スクリュに軸力を印加する前のスクリュ位置と軸力を解放した後のスクリュ位置の変化を比較して、所定の大きさを超えたら逆流量が許容値を超えたと判断するように構成されている。射出材料が樹脂材料からなる場合には、所定の弾性つまり圧縮性を備えているので、逆流が発生していない場合であっても、スクリュに軸力を印加するとスクリュ位置は前進する。本発明では軸力を印加する前と、軸力を解放した後のそれぞれのスクリュ位置の変化を検出するので、圧縮性の影響を受けることがなく、精度良く逆流の有無を検出することができる。そうすると、逆流が発生しているか否かは容易に検査できる。ただし逆流が発生していたとしても逆流防止装置の摩耗・劣化によるものなのか、シリンダの摩耗・劣化によるものかは判断できない。しかしながら本発明においては逆流検査を、少なくとも2カ所の異なるスクリュ位置で実施するように構成されている。そうすると、複数カ所のスクリュ位置で逆流が発生している場合には逆流防止装置の摩耗・劣化によるものであると判断できるし、一部のスクリュ位置でのみ逆流が発生している場合にはシリンダの所定の部分の摩耗・劣化によるものであると判断できる。つまり、逆流防止装置とシリンダのいずれに問題があるかを特定することができる。そして本発明の摩耗・劣化検査方法は成形サイクルにおいて実施するものではないので、成形サイクルに影響を与えたり成形品に影響を与えることがない。さらに他の発明によると、摩耗・劣化検査方法は、異なる3カ所のスクリュ位置において逆流検査を実施するように構成されている。3カ所で逆流検査を実施すれば、逆流が発生している場合に逆流防止装置側の問題なのか、シリンダ側の問題なのかを確実に判断することができる。
本発明の実施の形態に係る射出装置の正面断面図である。 本発明の実施の形態に係る逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法を模式的に示す図で、その(ア)〜(エ)は、検査のそれぞれの段階における射出装置の正面断面図である。 本発明の実施の形態に係る逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法を実施したときの、スクリュ位置の変化を示すグラフである。
本実施の形態に係る逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法は、一般的な構成を備えた全ての射出装置に対して実施が可能である。そのような一般的な構成を備えた射出装置である、本実施の形態に係る射出装置1を説明する。射出装置1は射出成形機を構成する装置であり、シリンダ2と、このシリンダ2内で回転方向と軸方向とに駆動可能に入れられているスクリュ3とから構成されている。シリンダ2の後方寄りにはシリンダ2内に射出材料を投入するホッパ4が設けられ、シリンダ2の先端には射出ノズル10が設けられている。図1には示されていないが、スクリュ3には所定の駆動機構が設けられ、スクリュ3を回転させることができると共に軸方向に駆動できるようになっている。
本実施の形態に係る射出装置1も従来の射出装置と同様に、スクリュ3の先端部近傍に逆流防止装置5が設けられている。逆流防止装置5は、スクリュ3の回転に伴って回転する、いわゆる連れ回り式の逆流装置として構成することもできるし、スクリュ3の回転に伴って回転しない、いわゆる非連れ回り式の逆流防止装置としても構成できる。逆流防止装置5は、逆流防止リング7と、押金8とから構成されている。スクリュ3の先端部にはスクリュヘッド19が取付けられており、そのスクリュヘッド19には小径の軸部11が形成されている。そしてこの軸部11の後方に押金8が設けられている。あるいは軸部11に連続して押金8が形成されている。押金8には着座面15が形成され、逆流防止リング7が着座するようになっている。逆流防止リング7は、軸部11に設けられている。逆流防止リング7の外周面はシリンダ2のボアに接しているのでこの部分から射出材料が流れることはない。しかしながら逆流防止リング7の内側は、軸部11との間に所定の隙間が確保されているので、この隙間が流路となって計量時に射出材料が前方に流れる。逆流防止リング7の後端面は当接面17になっており、射出時にこの当接面17が押金8の着座面15に当接あるいは着座すると射出材料の流路が閉鎖され射出材料の逆流が防止される。なお、図1に示されているように本実施の形態においては着座面15も当接面17もテーパ状の面に形成されているがこれらの面15、17は例えば軸に垂直な端面であってもよい。
本実施の形態に係る射出装置1において実施する、本実施の形態に係る逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法を説明する。図には射出装置1を制御するコントローラは示されていないが、この摩耗・劣化検査方法は、コントローラの制御によって自動的に実施される。オペレータがコントローラにおいて、摩耗・劣化検査モードを選択する。そうするとコントローラは射出装置1を後退させて射出ノズル10を図示されない金型のスプルから離間させる。コントローラからの指示に従ってオペレータは、図1に示されているように射出ノズル遮蔽ブロック20を射出ノズル10の前方に配置する。配置したことをコントローラに入力するとコントローラは射出装置1を前進させて射出ノズル10を所定の当接力で射出ノズル遮蔽ブロック20に当接させる。これによって射出ノズル10は閉鎖される。
コントローラの指令により、射出装置1において計量を開始し、スクリュ3がシリンダ2の前方近傍のスクリュ位置である第1の検査位置21に達したら計量を停止する。この第1の検査位置21において、コントローラは次のような逆流検査を実施する。まず準備工程としてスクリュ3に前進方向の所定の軸力を印加する。そうすると逆流防止リング7が押金8に着座する。スクリュ3に印加している軸力を解放する。この状態が図2の(ア)に示されている。コントローラは軸力が解放されたスクリュ位置を基準位置25として記憶する。次いでスクリュ3に前進方向の所定の軸力を印加する。そうするとスクリュ3の前方に計量されている射出材料が圧縮されて、図2の(イ)に示されているようにスクリュ位置は、基準位置25より前方に変化する。コントローラはスクリュに印加している軸力を解放する。軸力が解放されたら射出材料の圧縮が解除されてスクリュ3は後退する。射出材料の逆流が発生していなければ、図2の(ウ)に示されているように、スクリュ3は基準位置25に戻る。しかしながら、逆流が発生していれば、図2の(エ)に示されているように、スクリュ3は基準位置25には戻らずに、前方の所定のスクリュ位置26において停止する。コントローラは軸力が解放された状態のスクリュ3のスクリュ位置26を検出して基準位置25と比較する。スクリュ位置の変化が所定の変化量より大きいときには、逆流量が許容量を超えたと判断する。コントローラは警報を出力する。以上が逆流検査であるが、第1の検査位置21において複数回逆流検査を実施することが好ましい。すなわちコントローラは数回、例えば10回、スクリュ3に前進方向の軸力を印加して解放し、その都度スクリュ位置を検出して、スクリュ位置の変化を検出する。逆流検査の1回当たりの平均のスクリュ位置の変化を得れば、逆流の有無および逆流している場合における逆流量を精度良く検査できる。
第1の検査位置21における逆流検査が終了したら、コントローラは射出装置1において計量を再開する。スクリュ3が第2の検査位置22に達したら計量を停止する。この第2の検査位置22において、第1の検査位置21における逆流検査と同様にして、コントローラは逆流検査を実施する。逆流検査は必要に応じて複数回実施する。第2の検査位置22において逆流検査が終了したら、コントローラは射出装置1において計量を再開する。スクリュ3が第3の検査位置23に達したら計量を停止する。コントローラは、この第3の検査位置23においても逆流検査を実施する。必要に応じて複数回実施する。
本実施の形態に係る逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法は、異なる3カ所のスクリュ位置において、つまり第1〜3の検査位置21、22、23においてそれぞれ逆流検査を実施する。全ての検査位置21、22、23において逆流量が許容量を超えていれば、逆流防止リング7や押金8の摩耗・劣化が発生していると判断できる。つまり逆流防止装置5の摩耗・劣化が発生していると判断できる。この場合には逆流防止装置5を交換して対応することになる。一方、検査位置21、22、23のうち、一部では逆流量が許容値を超えてはいるが、他では逆流量が許容値以内に収まっている場合には、シリンダ2が逆流量が許容値を超えた検査位置の近傍において摩耗・劣化していると判断できる。シリンダ2を交換して対応することができる。あるいはシリンダ2の摩耗・劣化している部分を避けて、計量工程が完了するようにしたり、この部分を避けて保圧工程を実施するようにすれば、射出工程や保圧工程における逆流の問題を小さくすることができ、シリンダ2を使用し続けることができる。
ところで、射出材料が弾性を備えた樹脂材料からなる場合には、逆流検査時におけるスクリュ位置の変化は図3のグラフのようになる。逆流が発生しない場合には、符号28のグラフのように変化し、スクリュ3に軸力の印加を開始31すると、スクリュ3の先端の樹脂材料が圧縮されてスクリュ位置が前進し、その後一定になって変化しない。軸力の印加を解除32すると、樹脂材料の圧縮が解除されてスクリュ位置は元に戻る。一方、逆流が発生する場合には、符号29のグラフのように変化する。すなわちスクリュ3に軸力の印加を開始31すると、一時的にスクリュ3の先端の樹脂材料が圧縮されてスクリュ位置が前進し、その後緩やかな速度でスクリュ位置が前進する。そして軸力の印加を解除32すると、樹脂材料の圧縮が解除されてスクリュ位置は後退するが、軸力の印加前に比してスクリュ位置は前進している。本実施の形態において逆流検査は、軸力の印加前と、印加して解放した後のそれぞれのスクリュ位置を比較して逆流を検査している。しかしながら、スクリュ3に軸力を印加しているときのスクリュ位置を単位時間毎に検出して、逆流の有無や逆流の程度を検査してもよい。
本実施の形態に係る逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法は、他の変形も可能である。例えば、本実施の形態においては射出ノズル10を閉鎖するのに射出ノズル遮蔽ブロック20を使用するように説明したが、射出ノズル10にシャットオフ弁が設けられていれば、これにより閉鎖してもよい。また逆流検査は、第1〜3の検査位置21、22、23において実施するように説明したが、検査位置は2カ所であっても、4カ所以上であってもよい。複数カ所の異なるスクリュ位置において逆流検査を実施すれば、逆流の原因がシリンダ2にあるのか逆流防止装置5にあるのかを判断できるからである。
1 射出装置 2 シリンダ
3 スクリュ 5 逆流防止装置
7 逆流防止リング 8 押金
10 射出ノズル 11 軸部
15 着座面 19 スクリュヘッド
20 射出ノズル遮蔽ブロック 21 第1の検査位置
22 第2の検査位置 23 第3の検査位置

Claims (3)

  1. シリンダ内で軸方向と回転方向とに駆動されるスクリュの先端部近傍に設けられ、逆流防止リングと、該逆流防止リングが着座する押金とからなる逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する摩耗・劣化検査方法であって、
    前記摩耗・劣化検査方法は、異なる2カ所以上のスクリュ位置において所定の逆流検査を実施するようにし、
    前記逆流検査は、前記シリンダの先端の射出ノズルを閉鎖した状態で前記スクリュに前進方向の軸力を印加して、前記スクリュに軸力を印加する前のスクリュ位置と軸力を解放した後のスクリュ位置の変化を比較して、所定の大きさを超えたら逆流量が許容値を超えたと判断することを特徴とする逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法。
  2. シリンダ内で軸方向と回転方向とに駆動されるスクリュの先端部近傍に設けられ、逆流防止リングと、該逆流防止リングが着座する押金とからなる逆流防止装置の摩耗・劣化状態を検査する摩耗・劣化検査方法であって、
    前記摩耗・劣化検査方法は、異なる2カ所以上のスクリュ位置において所定の逆流検査を実施するようにし、
    前記逆流検査は、前記シリンダの先端の射出ノズルを閉鎖した状態にし、前記スクリュに前進方向の軸力を印加して、印加しているときの単位時間毎のスクリュ位置の変化を検出するようにすることを特徴とする逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法。
  3. 請求項1または2に記載の摩耗・劣化検査方法において、前記摩耗・劣化検査方法は、異なる3カ所のスクリュ位置において前記逆流検査を実施することを特徴とする逆流防止装置の摩耗・劣化検査方法。
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