JP6095662B2 - ワイパモータ - Google Patents
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Description
本発明は、車体に設けられるウィンドシールドを払拭するワイパ部材を揺動駆動するワイパモータに関する。
従来、自動車等の車両には、車体に設けられるウィンドシールドに付着した雨水等の付着物を払拭し、運転者の視界を確保するためにワイパ装置が搭載されている。車両に搭載されるワイパ装置としては、例えば、1つのワイパモータによりリンク機構を介して一対のワイパアームを揺動駆動するタンデム式ワイパ装置や、車両の左右側に設けた一対のワイパモータにより一対のワイパアームをそれぞれ揺動駆動する対向払拭式ワイパ装置がある。これらのワイパ装置のうち、対向払拭式ワイパ装置においては、リンク機構を備えない分、車体側の設置スペースを小さくすることができ、これにより衝撃吸収スペースの確保や車体設計自由度の向上を可能としている。
対向払拭式ワイパ装置としては、例えば、特許文献1に記載されたワイパ装置が知られている。特許文献1に記載された技術は、車両の左右側にそれぞれワイパ装置を備え、各ワイパ装置は、車室内側のウィンドシールドと重なる部分に配置されるブラケットと、エンジンルーム側の外部に露出する部分に配置されるピボットホルダとを備えている。ブラケットおよびピボットホルダは、互いにフレーム部材により連結されており、ブラケットにはワイパモータが固定され、ピボットホルダにはピボットシャフトが回動自在に支持されている。そして、ワイパモータの駆動力は、リンクロッド等よりなるリンク機構を介してピボットシャフトに伝達されるようになっている。
しかしながら、上述の特許文献1に記載されたワイパ装置によれば、ワイパモータの他に、ブラケット,ピボットホルダ,ピボットシャフト,フレーム部材およびリンク機構等を備えるため部品点数が多く重量が嵩んでいた。また、これらの部品の固定には複数のボルトが用いられ、ワイパ装置の車体への固定にも複数のボルトを用いており、これにより、ワイパ装置の組立作業やワイパ装置の車体への搭載作業が煩雑化するといった問題も生じ得る。さらに、ブラケットは、車室内側のウィンドシールドと重なる部分で車体に固定されるため、ワイパ装置の車体への搭載作業が困難であった。
ここで、ワイパ装置の組み立てには、ワイパモータをブラケットに固定するために3つのボルトを用い、フレーム部材をブラケットに固定するために2つのボルトを用いている(計5つ)。また、ワイパ装置の車体への搭載には、ブラケットを車体に固定するために2つのボルトを用い、ピボットホルダを車体に固定するために2つのボルトを用いている(計4つ)。
本発明の目的は、部品点数を削減して組立作業性を向上させつつ小型軽量化を図り、さらには車体への搭載作業性を向上させることが可能なワイパモータを提供することにある。
本発明のワイパモータは、車体に設けられるウィンドシールドを払拭するワイパ部材を揺動駆動するワイパモータであって、回転軸を有する駆動源と、前記回転軸により回転する回転体と、前記回転体を回転自在に収容するケーシングと、前記回転体の回転に伴って回転し、先端部が前記ケーシングの外部に延出された出力軸と、前記ケーシングに一体成形され、前記車体に抜き差しにより装着される単一の装着部と、前記ケーシングに一体成形され、前記車体に締結部材により固定される単一の固定部とを備え、前記装着部は、前記車体の前後方向に沿う前記ウィンドシールドと重ならない位置で、前記車体の内壁に設けた第1取付部に抜き差しされ、前記固定部は、前記車体の前後方向に沿う前記ウィンドシールドと重ならない位置で、前記内壁から前記車体の内側に向けて膨出した膨出部に設けた第2取付部に固定されることを特徴とする。
本発明のワイパモータは、前記ケーシングに前記駆動源を正逆方向に回転制御する制御基板を収容し、前記出力軸の先端部に前記ワイパ部材を固定したことを特徴とする。
本発明のワイパモータは、前記装着部は、前記第1取付部に設けた第1,第2平面部を平面で支持する第1,第2平面支持部を備えることを特徴とする。
本発明のワイパモータは、前記第1取付部と前記装着部との間および前記第2取付部と前記固定部との間のうちの少なくとも何れか一方に、弾性部材を設けることを特徴とする。
本発明のワイパモータは、車体に設けられるウィンドシールドを払拭するワイパ部材を揺動駆動するワイパモータであって、回転軸を有する駆動源と、前記回転軸により回転する回転体と、前記回転体を回転自在に収容するケーシングと、前記回転体の回転に伴って回転し、先端部が前記ケーシングの外部に延出された出力軸と、前記ケーシングに一体成形され、前記車体に締結部材により固定される固定部と、を備え、前記固定部は、前記車体の前後方向に沿う前記ウィンドシールドと重ならない位置で、前記車体の内壁に設けた第1取付部と、前記内壁から前記車体の内側に向けて膨出した膨出部に設けた第2取付部とに固定されることを特徴とする。
本発明のワイパモータは、前記ケーシングに前記駆動源を正逆方向に回転制御する制御基板を収容し、前記出力軸の先端部に前記ワイパ部材を固定したことを特徴とする。
本発明のワイパモータは、前記第1取付部と前記装着部との間および前記第2取付部と前記固定部との間のうちの少なくとも何れか一方に、弾性部材を設けることを特徴とする。
本発明のワイパモータによれば、車体に抜き差しにより装着される単一の装着部と、車体に締結部材により固定される単一の固定部とを、ケーシングに一体成形して設け、装着部を、車体の前後方向に沿うウィンドシールドと重ならない位置で、車体の内壁に設けた第1取付部に抜き差しし、固定部を、車体の前後方向に沿うウィンドシールドと重ならない位置で、内壁から車体の内側に向けて膨出した膨出部に設けた第2取付部に固定する。これにより、ワイパモータを車体に固定するためのブラケットを省略して部品点数を削減でき、組立作業性を向上させつつ小型軽量化を図ることができる。また、装着部および固定部は、車体の前後方向に沿うウィンドシールドと重ならない位置で、車体に設けた第1取付部および第2取付部に装着または固定されるので、ワイパモータを目視しながら車体に容易に固定することができる。さらに、一方を装着部とし、他方を固定部とするので、1つの締結部材でワイパモータを車体に固定でき、車体への搭載作業性を向上させることができる。
本発明のワイパモータによれば、ケーシングに駆動源を正逆方向に回転制御する制御基板を収容し、出力軸の先端部にワイパ部材を固定するので、ワイパモータをダイレクトドライブ方式とすることができる。これにより、リンク機構やピボットシャフト等を省略することができ、ひいては部品点数をより削減することができる。
本発明のワイパモータによれば、装着部は、第1取付部に設けた第1,第2平面部を平面で支持する第1,第2平面支持部を備えるので、ワイパモータを第1取付部に対して平面で支持させることができる。よって、ワイパモータは、車体に対してがたつきが抑えられた状態で安定支持される。
本発明のワイパモータによれば、第1取付部と装着部との間および第2取付部と固定部との間のうちの少なくとも何れか一方に、弾性部材を設けるので、ワイパモータの振動が車体に伝達されるのを抑制することができ、かつ車体の振動がワイパモータに伝達されるのを抑制することができる。
本発明のワイパモータによれば、車体に締結部材により固定される固定部を、ケーシングに一体成形して設け、固定部を、車体の前後方向に沿うウィンドシールドと重ならない位置で、車体に設けた第1取付部および第2取付部に装着または固定される。したがって、ワイパモータを目視しながら車体に容易に固定することができ、車体への搭載作業性を向上させることができる。
本発明のワイパモータによれば、ケーシングに駆動源を正逆方向に回転制御する制御基板を収容し、出力軸の先端部にワイパ部材を固定するので、ワイパモータをダイレクトドライブ方式とすることができる。これにより、リンク機構やピボットシャフト等を省略することができ、ひいては部品点数をより削減することができる。
本発明のワイパモータによれば、第1取付部と固定部との間、または、第2取付部と固定部との間の少なくとも一方に、弾性部材を設けるので、ワイパモータの振動が車体に伝達されるのを抑制することができ、かつ車体の振動がワイパモータに伝達されるのを抑制することができる。
以下、本発明の第1実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明に係るワイパモータを備えたワイパ装置の車体への搭載状態を説明する説明図を、図2はワイパモータを表側(出力軸側)から見た斜視図を、図3はワイパモータを裏側(ギヤカバー側)から見た斜視図を、図4はワイパモータの内部構造を示す部分断面図を、図5はワイパモータの車体への搭載手順を説明する説明図をそれぞれ表している。
図1に示すように、自動車等の車両を形成する車体10の前方側には、フロントウィンドシールド(ウィンドシールド)11が設けられている。フロントウィンドシールド11の前端部側(図中下側)で、車体10の車幅方向(図中左右方向)に沿う運転席側部分および助手席側部分には、それぞれDR側ワイパ装置20およびAS側ワイパ装置30が搭載されている。このように、本実施の形態に係るワイパ装置は、運転席側および助手席側にそれぞれワイパ装置を備えた対向払拭式ワイパ装置を採用している。ここで、DR側は運転席側を、AS側は助手席側をそれぞれ示している。
DR側ワイパ装置20およびAS側ワイパ装置30は、それぞれDR側ワイパモータ21およびAS側ワイパモータ31を備え、各ワイパモータ21,31は、それぞれDR側ワイパアーム22およびAS側ワイパアーム32を所定の揺動角度で揺動駆動するようになっている。これにより、各ワイパアーム22,32の先端部にそれぞれ設けた各ワイパブレード(図示せず)が、フロントウィンドシールド11上を往復払拭動作し、ひいてはフロントウィンドシールド11に付着した雨水等を払拭して良好な視界を確保するようになっている。ここで、各ワイパアーム22,32および各ワイパブレードは、本発明におけるワイパ部材を構成している。
車体10の前方側には、当該車体10の骨格、つまり高強度部材を形成するDR側エプロンアッパメンバ12およびAS側エプロンアッパメンバ13が設けられ、各エプロンアッパメンバ12,13は、エンジンルームRM内に露出されている。ここで、各エプロンアッパメンバ12,13は、車体10の前後方向に沿うフロントウィンドシールド11と重ならない前方位置に設けられており、各エプロンアッパメンバ12,13は、本発明における内壁を構成している。但し、各エプロンアッパメンバ12,13は、フロントウィンドシールド11と部分的に重なる位置に設けられていてもよい。
各エプロンアッパメンバ12,13におけるフロントウィンドシールド11の前端部分の近傍には、鋼板等を屈曲成形してなる一対の第1モータ取付部14,15が、スポット溶接等の固定手段によりそれぞれ強固に固定されている。ここで、各第1モータ取付部14,15は、本発明における第1取付部を構成しており、互いにエンジンルームRMの中央側に向けて対向するよう設けられている。
図5に示すように、各第1モータ取付部14,15は、断面が略L字形状に形成されており、各エプロンアッパメンバ12,13に固定される本体部14a,15aと、各本体部14a,15aに対して略垂直となるよう一体化された先端部14b,15bとをそれぞれ有している。各本体部14a,15aの各先端部14b,15b寄りには、第1平面部14c,15cがそれぞれ設けられ、各先端部14b,15bの各本体部14a,15a寄りで、かつ各ワイパモータ21,31側には、第2平面部14d,15dがそれぞれ設けられている。ここで、図5の括弧内の併記した符号は、AS側ワイパモータ31(図1参照)の構成に対応している。
図1に示すように、車体10の前方側で各第1モータ取付部14,15の近傍には、車体10の内側、つまりエンジンルームRM内の中央側に向けて膨出するようDR側スプリングサポート16およびAS側スプリングサポート17が設けられている。ここで、各スプリングサポート16,17は、車体10の前後方向に沿うフロントウィンドシールド11と重ならない前方位置で、各エプロンアッパメンバ12,13から車体10の内側に向けて膨出しており、各スプリングサポート16,17は、本発明における膨出部を構成している。
各スプリングサポート16,17の内部、つまり図示しないタイヤハウス側には、それぞれサスペンション装置(図示せず)が配置されるようになっている。各スプリングサポート16,17の一部は、各エプロンアッパメンバ12,13に溶接固定されている。
各スプリングサポート16,17のフロントウィンドシールド11側(図中上側)には、それぞれ第2モータ取付部18,19が、スポット溶接等の固定手段により強固に固定されている。ここで、各第2モータ取付部18,19は、本発明における第2取付部を構成している。各第2モータ取付部18,19は、図5に示すように、断面が略U字形状に形成されており、各第2モータ取付部18,19には、締結ボルト(締結部材)Bがねじ結合されるナット部材(締結部材)Nが、それぞれ溶接固定されている。
なお、DR側ワイパ装置20を形成するDR側ワイパモータ21および、AS側ワイパ装置30を形成するAS側ワイパモータ31は、図1に示すように、固定部59が設けられる位置が異なる以外は、それぞれ略同様に構成されるため、以下、DR側ワイパモータ21を代表して、その詳細構造について図面を用いて説明する。
図2,3に示すように、DR側ワイパモータ21は、所謂リバース式のワイパモータ(リバーシングワイパモータ)であり、DR側ワイパモータ21の回転方向、つまり正転/逆転を所定のタイミングで切り替えることにより、フロントウィンドシールド11上の所定の払拭範囲で、DR側ワイパアーム22(図1参照)を揺動駆動するようになっている。DR側ワイパモータ21は、正逆方向に回転駆動される駆動源としてのモータ本体40と、内部に減速機構51(図4参照)を収容するギヤ部50とを備えている。
モータ本体40は、鋼板等の磁性材料をプレス加工(深絞り加工)することにより有底筒状に形成されたヨーク41を備えており、ヨーク41の内部には、図4に示すように、4極(二対)のマグネット42(図示では一対のみ示す)がそれぞれ対向配置されている。各マグネット42の内側には、外周にコイル43が巻装されたアーマチュア(回転子)44が所定の隙間を介して回転自在に設けられている。アーマチュア44の回転中心には、アーマチュアシャフト(回転軸)45が貫通して固定されており、アーマチュアシャフト45はアーマチュア44とともに一体回転するようになっている。
アーマチュアシャフト45のアーマチュア44に近接する部分には、コンミテータ(整流子)46が固定されている。コンミテータ46には、アーマチュア44の外周に巻装されたコイル43が電気的に接続され、コンミテータ46の外周には一対のブラシ47がそれぞれ摺接するようになっている。各ブラシ47は、ブラシホルダ48に移動自在に設けられており、各ブラシ47の背面側に設けられた一対のバネ部材49によりそれぞれコンミテータ46に向けて所定圧で押圧されている。
各ブラシ47には、車室内等(図示せず)に設けられた制御装置CUから駆動電流が供給され、これにより各ブラシ47およびコンミテータ46を介してアーマチュア44に巻装したコイル43に駆動電流が流れるようになっている。コイル43への駆動電流の供給により、アーマチュア44には回転力(電磁力)が発生し、アーマチュアシャフト45が所定の回転方向,回転数で回転するようになっている。ここで、制御装置CUには、車室内等に設けたワイパスイッチSWおよびエンジンルームRM内等に設置された電源BTがそれぞれ電気的に接続されている。
アーマチュアシャフト45の一端側(図中右側)は、ヨーク41の内部から突出してギヤ部50の内部にまで延びている。アーマチュアシャフト45の一端側には、減速機構51を形成するウォーム45aが一体に設けられており、このウォーム45aは、アーマチュアシャフト45の外周に転造加工等により一体成形されている。
アーマチュアシャフト45の外周には、環状のセンサマグネット60が圧入により固定されている。センサマグネット60は、アーマチュアシャフト45の回転位置(回転方向や回転数等)を検出する回転検出センサを構成しており、その周方向に沿うよう、例えば12極(六対)の磁極が着磁されている。
ギヤ部50は、内部に減速機構51を収容するケーシング52を備えている。ケーシング52は、図2〜4に示すように、溶融したアルミ材料を鋳造成形することにより有底状に形成されたケース部材53と、当該ケース部材53の開口部分と略同様の外郭形状に形成され、ケース部材53の開口部分を閉塞する樹脂製のカバー部材54とを備えている。ケース部材53とカバー部材54とは、シール部材(図示せず)を介して互いに密着されており、この状態のもとで、複数の締結ネジSによって一体化されている。これにより、ケーシング52の内部への雨水等の進入を防止している。
ケース部材53の内部には、図4に示すように、減速機構51を形成する樹脂製のウォームホイール(回転体)55が回転自在に収容されている。ウォームホイール55の外周にはウォーム45aと噛み合うギヤ歯55aが一体に設けられており、ウォームホイール55は、アーマチュアシャフト45の回転に伴って回転するようになっている。
ウォームホイール55の回転中心には、鋼棒よりなる出力軸56の基端部が、セレーション嵌合(図示せず)により一体回転可能に固定されている。出力軸56には、アーマチュアシャフト45の回転が、ウォーム45aおよびウォームホイール55(減速機構51)により減速され、かつ高トルク化されて伝達されるようになっている。
ウォームホイール55の一方の側面55bには、環状のセンサマグネット57が固定されている。センサマグネット57は、ウォームホイール55の角度位置を検出する位置検出センサを構成しており、その周方向に沿って一対の磁極(N極およびS極)が着磁されている。
図2に示すように、出力軸56はケース部材53のボス部53aに回動自在に支持されており、出力軸56の先端部はボス部53aを介して外部に延出されている。出力軸56には、プッシュナット61が装着されており、これにより出力軸56がボス部53aに対して軸方向にがたつくのを防止している。
出力軸56の先端部には、セレーション部56aと雄ネジ部56bとが一体に設けられている。セレーション部56aは、先端に向かうにつれて徐々に先細りとなった略テーパ形状に形成されており、セレーション部56aには、DR側ワイパアーム22(図1参照)の基端部が相対回転不能に固定されるようになっている。雄ネジ部56bには、DR側ワイパアーム22をセレーション部56aに取り付けた状態のもとで締結ナット(図示せず)がネジ結合され、これにより、DR側ワイパアーム22のセレーション部56aからの抜け止めが行われる。
図2〜5に示すように、ケース部材53の出力軸56を挟むモータ本体40側とは反対側には、単一の装着部58が一体成形により設けられている。装着部58は、DR側エプロンアッパメンバ12に設けた第1モータ取付部14に対して、抜き差しによって装着されるようになっている。
装着部58は、図5に示すように、DR側ワイパモータ21の短手方向に沿って延びる橋渡部58aを備えており、橋渡部58aとケース部材53との間には、断面が略長方形形状に形成された長孔58bが設けられている。ここで、装着部58は、橋渡部58aおよび長孔58bにより形成されている。
また、長孔58bには、弾性部材としての緩衝ゴム58cが装着されており、緩衝ゴム58cは、長孔58bの内側を全周に亘って被覆するようになっている。これにより、緩衝ゴム58cは、第1モータ取付部14と装着部58との間に設けられることになる。ただし、図4においては、緩衝ゴム58cの記載を省略している。
橋渡部58aの出力軸56側とは反対側のカバー部材54側には、第1平面支持部58dが設けられている(図3,4参照)。第1平面支持部58dは、第1モータ取付部14の第1平面部14cを、緩衝ゴム58cを介して平面で支持するようになっている。
長孔58bは、DR側ワイパモータ21の短手方向に沿って延び、出力軸56の軸方向に沿うようケース部材53を貫通して設けられている。長孔58bには、緩衝ゴム58cを介して第1モータ取付部14の先端部14bが差し込まれるようになっている。
長孔58bを形成する一対の長辺のうちのモータ本体40側の長辺には、第2平面支持部58eが設けられている。第2平面支持部58eは、第1モータ取付部14の第2平面部14dを、緩衝ゴム58cを介して平面で支持するようになっている。
図4に示すように、アーマチュアシャフト45および出力軸56は、長孔58bを矢印A方向から見た場合において、モータ本体40側に向く長孔58bの投影範囲AR(図中網掛部分)の内部に配置されるようになっている。
これにより、アーマチュアシャフト45が矢印R1方向に正転または逆転して、DR側ワイパモータ21がアーマチュアシャフト45を中心に捻れるような挙動をしても、第1平面支持部58dが緩衝ゴム58cを介して第1平面部14cを平面で支持しているため、上記挙動が抑えられる。また、出力軸56が矢印R2方向に正転または逆転して、DR側ワイパモータ21が出力軸56を中心に捻れるような挙動をしても、第2平面支持部58eが緩衝ゴム58cを介して第2平面部14dを平面で支持しているため、上記挙動が抑えられる。したがって、DR側ワイパモータ21は、当該部分が抜き差しによる装着であっても、作動中か否かに関わらず、第1モータ取付部14に安定保持されるようになっている。
図2〜5に示すように、ケース部材53の装着部58とモータ本体40との間には、単一の固定部59が一体成形により設けられている。固定部59は、図1に示すように、DR側スプリングサポート16に設けた第2モータ取付部18に対して、締結ボルトBおよびナット部材Nによって固定されるようになっている。
固定部59は、出力軸56(ウォームホイール55)の径方向に向けてケース部材53から突出して設けられ、特に図4に示されるように、固定部59のケース部材53からの突出方向(図中下側)は、装着部58のケース部材53からの突出方向(図中右側)と直交するようになっている。つまり、固定部59は、アーマチュアシャフト45の長さ方向に対して直交する方向に、ケース部材53から延ばされている。また、ケース部材53の外周の直線部分のうち、アーマチュアシャフト45の長さ方向における略中央から、固定部59が突出している。これにより、図1に示すように、エンジンルームRM内で直交するように配置された第1モータ取付部14および第2モータ取付部18に対して、DR側ワイパモータ21を固定できるようになっている。
固定部59の先端部には、ボルト貫通孔59aが穿設されており(図4参照)、当該ボルト貫通孔59aには、締結ボルトBが挿通されるようになっている。ボルト貫通孔59aには、弾性部材としての緩衝ブッシュ59bが装着されており、当該緩衝ブッシュ59bは、第2モータ取付部18と固定部59との間に配置されるようになっている。ただし、図4においては、緩衝ブッシュ59bの記載を省略している。
このように、第1モータ取付部14と装着部58との間に緩衝ゴム58cを設け、第2モータ取付部18と固定部59との間に緩衝ブッシュ59bを設けることにより、DR側ワイパモータ21と車体10との間で振動が伝達されるのを抑制している。
図5に示すように、ケース部材53の装着部58と固定部59との間には、ブリーザキャップBCが設けられている。ブリーザキャップBCは、ギヤ部50の内部と外部との間での通気のみを許容、つまりギヤ部50の呼吸作用を許容するもので、これによりギヤ部50内への雨水等の浸入を防止しつつ、ギヤ部50内の圧力が変動するのを防止している。ここで、図1に示すように、DR側ワイパモータ21においては、ブリーザキャップBC側に固定部59を配置し、AS側ワイパモータ31においては、ブリーザキャップBC側とは反対側に固定部59を配置している。
図2,3に示すように、カバー部材54には、車体10側に設けられる外部コネクタ(図示せず)が接続されるコネクタ接続部54aが一体に設けられている。コネクタ接続部54aには、複数のターミナル(図示せず)がインサート成形されており、複数のターミナルは、駆動電流用のターミナル、回転数検出用のターミナル、位置検出用のターミナル等を含む。各ターミナルの一端側は、外部コネクタのターミナル(図示せず)にそれぞれ電気的に接続され、各ターミナルの他端側は、制御基板54b(図4参照)にそれぞれ電気的に接続されている。
図4に示すように、カバー部材54の内側には、モータ本体40に設けたアーマチュアシャフト45の回転方向を、正逆方向に回転制御する制御基板54bが設けられている。この制御基板54bは、ケース部材53とカバー部材54(図3参照)とを組み付けた状態のもとで、ウォームホイール55の一方の側面55bと対向するようになっている。
制御基板54bのセンサマグネット57と対向する部分には、単一のホールIC54cが設けられ、当該ホールIC54cは、センサマグネット57とともに位置検出センサを構成している。ホールIC54cは、センサマグネット57の回転に伴う磁極の変化によりオン/オフ駆動され、オン/オフ駆動時に発生する矩形波信号を制御基板54bの演算部(図示せず)に送出するようになっている。そして、制御基板54bの演算部は、ホールIC54cからの矩形波信号の出現タイミングや出現回数を監視して、これに基づいてウォームホイール55の角度位置を演算するようになっている。
また、アーマチュアシャフト45のセンサマグネット60と対向する部分には、一対のホールIC54dが設けられており、各ホールIC54dは、センサマグネット60とともに回転検出センサを構成している。各ホールIC54dは、センサマグネット60の回転に伴う磁極の変化によりオン/オフ駆動されて、オン/オフ駆動時に発生する矩形波信号を制御基板54bの演算部に送出するようになっている。そして、制御基板54bの演算部は、各ホールIC54dからの矩形波信号の出現タイミングや出現回数を監視して、これに基づいてアーマチュアシャフト45の回転方向や回転数等を演算するようになっている。
なお、本実施の形態においては、センサマグネット57と対向するホールIC54cに代えて、MRセンサやロータリエンコーダICを用いることもできる。例えば、ロータリエンコーダICを用いることで、当該ロータリエンコーダIC1つで回転検出/位置検出センサの両機能を持たせる(集約する)こともでき、この場合、アーマチュアシャフト45の回転位置を検出する回転検出センサを省略することができる。また、単一のホールIC54cと、一対のホールIC54dと、を示したが、ホールICの数は限定されない。
さらに、制御基板54bには、一対のブラシ側ターミナル(図示せず)の一端側がそれぞれ電気的に接続されており、各ブラシ側ターミナルの他端側は、各ブラシ47に電気的に接続されて、各ブラシ47にそれぞれ駆動電流を供給するようになっている。
次に、以上のように形成したDR側ワイパモータ21の車体10への搭載手順について、図5を用いて詳細に説明する。
まず、DR側ワイパモータ21を車体10に搭載する前に、破線矢印(1)に示すように、緩衝ゴム58cを長孔58bに取り付けておく。その後、破線矢印(2)に示すように、DR側ワイパモータ21を各モータ取付部14,18に臨ませて、緩衝ゴム58cの内側に第1モータ取付部14の先端部14bを差し込む。これにより、固定部59が第2モータ取付部18の上に載置され、ひいてはDR側ワイパモータ21の車体10への仮固定が完了する。
ここで、各モータ取付部14,18は、フロントウィンドシールド11と重なること無く、エンジンルームRM内に露出しているため、作業者には目視し易い状態となっている。さらには、DR側ワイパモータ21を、各モータ取付部14,18に対して、重力方向に沿う上方から臨ませるため、DR側ワイパモータ21を車体10に対して容易に仮固定できるようになっている。ただし、作業者によらず組立ロボットにより仮固定しても良く、この場合、DR側ワイパモータ21の移動方向が垂直方向のみで済むので、組立ロボットの駆動制御を簡素化することができる。
次いで、DR側ワイパモータ21を車体10への仮固定した後は、破線矢印(3)に示すように、締結ボルトBを固定部59に臨ませて、図示しない締結工具(ボックスレンチやメガネレンチ等)を用い、締結ボルトBをナット部材Nに所定の締め付けトルクでねじ結合させる。これにより、DR側ワイパモータ21の車体10への搭載(本固定)が完了する。
なお、DR側ワイパモータ21が第1モータ取付部14のみによって仮固定された状態において、場合によっては第1モータ取付部14には、当該第1モータ取付部14をこじる方向に比較的大きな過重が負荷される場合がある。しかしながら、第1モータ取付部14は、高強度部材であるDR側エプロンアッパメンバ12に強固に固定されているため、第1モータ取付部14が歪んでDR側ワイパモータ21の取り付け位置がずれるようなことは無い。
以上詳述したように、第1実施の形態に係るDR側ワイパモータ21によれば、車体10に抜き差しにより装着される単一の装着部58と、車体10に締結ボルトBにより固定される単一の固定部59とを、ケース部材53に一体成形して設けた。装着部58を、車体10の前後方向に沿うフロントウィンドシールド11と重ならない位置で、車体10のDR側エプロンアッパメンバ12に設けた第1モータ取付部14に抜き差しするようにした。固定部59を、車体10の前後方向に沿うフロントウィンドシールド11と重ならない位置で、DR側エプロンアッパメンバ12から車体10のエンジンルームRM側に向けて膨出したDR側スプリングサポート16に設けた第2モータ取付部18に固定するようにした。
これにより、DR側ワイパモータ21を車体10に固定するために、従前必要であったブラケットを省略して部品点数を削減でき、組立作業性を向上させつつ小型軽量化を図ることができる。また、装着部58および固定部59は、車体10の前後方向に沿うフロントウィンドシールド11と重ならない位置で、車体10に設けた第1モータ取付部14および第2モータ取付部18に装着または固定するので、DR側ワイパモータ21を目視しながら車体10に容易に固定することができる。さらに、一方を装着部58とし、他方を固定部59としたので、1つの締結ボルトBでDR側ワイパモータ21を車体10に固定でき、車体10への搭載作業性を向上させることができる。
また、第1実施の形態に係るDR側ワイパモータ21によれば、カバー部材54にモータ本体40のアーマチュアシャフト45を正逆方向に回転制御する制御基板54bを収容し、出力軸56の先端部にDR側ワイパアーム22を固定したので、DR側ワイパモータ21をダイレクトドライブ方式とすることができる。これにより、従前必要であったリンク機構やピボットシャフト等を省略することができ、ひいては部品点数をより削減することができる。
さらに、第1実施の形態に係るDR側ワイパモータ21によれば、装着部58は、第1モータ取付部14に設けた第1平面部14cと、第2平面部14dを平面で支持する第1平面支持部58d及び第2平面支持部58eと、を備える。このため、DR側ワイパモータ21は、第1モータ取付部14により平面で支持される。よって、DR側ワイパモータ21は、車体10に対してがたつきが抑えられた状態で安定支持される。
また、第1実施の形態に係るDR側ワイパモータ21によれば、第1モータ取付部14と装着部58との間および第2モータ取付部18と固定部59との間に、緩衝ゴム58cおよび緩衝ブッシュ59bをそれぞれ設けたので、DR側ワイパモータ21の振動が車体10に伝達されるのを抑制することができ、かつ車体10の振動がDR側ワイパモータ21に伝達されるのを抑制することができる。
次に、本発明の第2実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した第1実施の形態と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。図6は第2実施の形態に係るワイパモータの図5に対応する図を表している。
図6に示すように、第2実施の形態に係るDR側ワイパモータ70は、DR側エプロンアッパメンバ12に設けられるモータ取付孔12aに合わせて、第1実施の形態に比して装着部71の形状のみを異ならせている。ここで、モータ取付孔12aは、本発明における第1取付部を構成しており、AS側エプロンアッパメンバ13(図1参照)にも同様にモータ取付孔(図示せず)が設けられている。
装着部71は、DR側ワイパモータ70の長手方向(図中左右方向)に沿って延びる差し込み凸部71aを備えており、この差し込み凸部71aは、ケース部材53に一体成形により設けられている。差し込み凸部71aの先端部には、緩衝キャップ72の抜け止めを行う抜け止め大径部71bが一体に設けられている。差し込み凸部71aには、弾性部材としての緩衝キャップ72が取り付けられるようになっており、当該緩衝キャップ72は、モータ取付孔12aと差し込み凸部71aとの間に配置されるようになっている。
緩衝キャップ72は、略円柱形状に形成され、その長手方向に沿う中央部分には、環状の嵌合溝72aが設けられている。これにより、差し込み凸部71aをモータ取付孔12aに差し込んだ際に、嵌合溝72aにはモータ取付孔12aの内周部分が入り込み、抜け止めされるようになっている。
DR側ワイパモータ70の車体10への搭載作業については、まず、それに先立ち、破線矢印(4)に示すように、緩衝キャップ72を差し込み凸部71aに取り付けておく。次いで、破線矢印(5)に示すように、DR側ワイパモータ70を水平方向に移動して差し込み凸部71aをモータ取付孔12aに臨ませる。そして、水平方向に所定過重を負荷して、緩衝キャップ72の先端部分をモータ取付孔12aに挿入する。その後、固定部59を第2モータ取付部18の上に載置し、これによりDR側ワイパモータ70の車体10への仮固定が完了する。
その後、破線矢印(6)に示すように、締結ボルトBを固定部59に臨ませて、図示しない締結工具を用い、締結ボルトBをナット部材Nに所定の締め付けトルクでねじ結合させる。これにより、DR側ワイパモータ70の車体10への搭載(本固定)が完了する。
ここで、第2実施の形態においても、作業者によらず組立ロボットにより仮固定しても良い。また、第2実施の形態においては、第1実施の形態に比して、平面支持の部分、つまり図3,5に示すような第1,第2平面部14c,14dおよび第1,第2平面支持部58d,58eが存在しないため、例えば、負荷過重が小さい小型のワイパモータへの適用が望ましい。
以上のように形成した第2実施の形態に係るDR側ワイパモータ70においても、平面支持による作用効果を除き、上述した第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。これに加え、第2実施の形態においては、DR側エプロンアッパメンバ12には、モータ取付孔12aを設けるだけで済むので、第1実施の形態で必須の第1モータ取付部14を省略でき、ひいては車体10側の形状を簡素化することができる。
本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記各実施の形態においては、固定部59に緩衝ブッシュ59bを設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、固定部59を、弛み止め機能を有するボルトおよびナットでがたつかないよう強固に固定しても良い。この場合、緩衝ブッシュ59bを省略できるので、DR側ワイパモータ21,70をより軽量化することができる。
また、高強度部材であるDR側エプロンアッパメンバ12は、DR側エプロンアッパメンバ12の板厚を厚く設定することによって強度を高めた構造や、DR側エプロンアッパメンバ12として剛性の高い材料、材質を用いて強度を高めた構造等を含む。さらに、DR側ワイパモータ21を車体10に取り付ける箇所の強度は、車体10における他の箇所の強度よりも高ければよい。DR側ワイパモータ21の装着部58を、高強度部材を介して車体10へ取り付けると、DR側ワイパモータ21の作動による振動が、車体10へ伝わることを抑制することができる。また、DR側ワイパモータ21を強固に固定することができるため、DR側ワイパモータ21と車体10との間でガタの発生を抑制することができる。
図7は、DR側ワイパモータ21を車体10に固定する構造の変更例を示す。図7において、図1〜図4と同じ構成部分については、図1〜図4と同じ符号を付してある。図7に示す固定部59は、アーマチュアシャフト45の長さ方向で、ケース部材53の外周縁の直線部分のうち、最もコンミテータ46に近い箇所に配置されている。また、図7に示すケース部材53の装着部58と固定部59との直線距離は、図4に示すケース部材53の装着部58と固定部59との直線距離よりも長い。
図8は、DR側ワイパモータ21を車体10に固定する構造の他の変更例を示す。図8において、図1〜図4と同じ構成部分については、図1〜図4と同じ符号を付してある。図8の固定部59は、アーマチュアシャフト45の長さ方向に対して傾斜する方向に、固定部59が突出されている。また、図8に示すケース部材53の装着部58と固定部59との直線距離は、図4に示すケース部材53の装着部58と固定部59との直線距離よりも長い。
また、上記各実施の形態においては、装着部58,71と固定部59との組合せを示したが、本発明はこれに限らず、DR側ワイパモータ21においては、装着部58または装着部71に代えて、ケース部材53に固定部を設けてもよい。
図9は、DR側ワイパモータ21を車体10に固定する構造の変更例を示す。図9において、図1〜図4と同じ構成部分については、図1〜図4と同じ符号を付してある。図9のケース部材53は、図4の装着部58に代えて固定部73を設けてある。固定部73はボルト貫通孔73aを有する。ケース部材53を底面視すると、固定部73はアーマチュアシャフト45の長さ方向に、ケース部材53から延ばされている。また、固定部59の突出方向の中心線と、固定部73の突出方向の中心線とのなす角度は、略90度である。
図10は、DR側ワイパモータ21を車体10に固定する構造の変更例を示す。図10において、図1〜図4と同じ構成部分については、図1〜図4と同じ符号を付してある。図10のケース部材53には、図4の装着部58に代えて固定部73を設けてある。ケース部材53を底面視すると、固定部73はアーマチュアシャフト45の長さ方向に対して傾斜する向きで、ケース部材53の隅から延ばされている。
さらに、固定部59は、ケース部材53におけるセンサマグネット60付近から、アーマチュアシャフト45の長さ方向に対して傾斜する向きで、ケース部材53から延ばされている。また、固定部59の突出方向の中心線と、固定部73の突出方向の中心線とのなす角度は、90度を超えている。
上記のように、図9及び図10に示すケース部材53は、共に2つの固定部59,73を有する。このため、車体10に、固定部73を固定する第1モータ取付部と、固定部59を固定する第2モータ取付部18とが、別個に設けられる。固定部73を固定する第1モータ取付部は、図1に示すDR側エプロンアッパメンバ12に設けられる。固定部73を固定する第1モータ取付部は、第2モータ取付部18と同じ構造である。
すなわち、ナット部材Nと同じナット部材が、DR側エプロンアッパメンバ12に固定されている。そして、固定部73は、締結ボルトを用いて第1モータ取付部に固定される。締結ボルトは、図1及び図5の締結ボルトBと同じである。また、固定部73のボルト貫通孔73aには、弾性部材として緩衝ブッシュが取り付けられる。この緩衝ブッシュは、図2、図3、図5に示す緩衝ブッシュ59と同じ材質、形状である。なお、図9及び図10に示すケース部材53は、図4の装着部58を備えていない。
本実施形態において、車体10に対するDR側ワイパモータ21の取付けを、固定部59,73の少なくとも一つを用いて行う場合、固定部59,固定部73の少なくとも一つと、車体10との間に介在される緩衝ブッシュ59b等を少なくとも一つは省略してもよい。
また、上記各実施の形態においては、各第1モータ取付部14,15は、断面が略L字形状に形成され、各本体部14a,15aに対して略垂直となるように先端部14b,15bを形成したものを示しているが、本発明は、各本体部14a,15aに対する先端部14b,15bの角度が垂直でないものを含む。つまり、各第1モータ取付部14,15は、DR側ワイパモータ21を車体10へ組み付けやすく、かつ、DR側ワイパモータ21の振動が車体10へ伝達されにくい形状または構造であればよい。さらに、各先端部14b,15bの先端に、装着部58の抜け止めのための突起(図示せず)等を形成してもよい。
さらに、図1〜図4では、装着部58の長孔58bに、各第1モータ取付部14,15を挿入する構造を示しているが、本発明は、装着部とモータ取付部との位置関係が逆でもよい。つまり、本発明は、車体10に装着孔を有する装着部が設けられ、ケース部材53にモータ取付部が設けられており、モータ取付部を装着孔に挿入する構造を含む。
上記の実施形態で説明したように、DR側ワイパモータ21を車体10に取り付ける構造は、装着部58,71及び固定部59,73等の要素のうち、複数の要素を適宜組み合わせてケース部材53に設ける構造を含む。複数の要素を組み合わせるバリエーションまたはパターンは、車体10側の形状、構造、強度、ケース部材53の形状、構造、強度等により任意に選択される。また、これらの要素の突出方向の中心線と、アーマチュアシャフトの中心線とのなす角度は、任意に設定可能である。さらに、上記の実施形態で説明したDR側ワイパモータ21の固定構造は、AS側ワイパモータ31の固定構造に用いることが可能である。
また、上記各実施の形態においては、締結ボルトBとナット部材Nとを用い、固定部59を第2モータ取付部18に固定したものを示したが、本発明はこれに限らず、締結部材として、例えば、リベット等を用いることもできる。
さらに、上記各実施の形態においては、装着部58,71を、第1モータ取付部14およびモータ取付孔12aのそれぞれに抜き差しにより装着した状態のもとで、車体10に対するDR側ワイパモータ21,70の搭載を完了させたものを示したが、本発明はこれに限らず、装着部58,71を、それぞれ補強ねじ等の補強部材(図示せず)を用い、第1モータ取付部14およびモータ取付孔12aへの固定強度を増加させても良い。
また、上記各実施の形態においては、モータ本体40として、4極(二対)のマグネット42をそれぞれ対向配置したものを示したが、本発明はこれに限らず、2極(一対)または6極(三対)以上のマグネットをそれぞれ対向配置したモータ本体を用いることもできる。
また、上記各実施の形態においては、エプロンアッパメンバと記載した高強度部材については、サイドメンバ、サイドフレーム等、その名称は問わない。
本発明は、ウィンドシールドを払拭するワイパ部材を揺動駆動するワイパモータを、車体に取り付ける場合に用いられる。
Claims (7)
- 車体に設けられるウィンドシールドを払拭するワイパ部材を揺動駆動するワイパモータであって、
回転軸を有する駆動源と、
前記回転軸により回転する回転体と、
前記回転体を回転自在に収容するケーシングと、
前記回転体の回転に伴って回転し、先端部が前記ケーシングの外部に延出された出力軸と、
前記ケーシングに一体成形され、前記車体に抜き差しにより装着される単一の装着部と、
前記ケーシングに一体成形され、前記車体に締結部材により固定される単一の固定部とを備え、
前記装着部は、前記車体の前後方向に沿う前記ウィンドシールドと重ならない位置で、前記車体の内壁に設けた第1取付部に抜き差しされ、
前記固定部は、前記車体の前後方向に沿う前記ウィンドシールドと重ならない位置で、前記内壁から前記車体の内側に向けて膨出した膨出部に設けた第2取付部に固定されることを特徴とするワイパモータ。 - 請求項1記載のワイパモータにおいて、前記ケーシングに前記駆動源を正逆方向に回転制御する制御基板を収容し、前記出力軸の先端部に前記ワイパ部材を固定したことを特徴とするワイパモータ。
- 請求項1または2記載のワイパモータにおいて、前記装着部は、前記第1取付部に設けた第1,第2平面部を平面で支持する第1,第2平面支持部を備えることを特徴とするワイパモータ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイパモータにおいて、前記第1取付部と前記装着部との間および前記第2取付部と前記固定部との間のうちの少なくとも何れか一方に、弾性部材を設けることを特徴とするワイパモータ。
- 車体に設けられるウィンドシールドを払拭するワイパ部材を揺動駆動するワイパモータであって、
回転軸を有する駆動源と、
前記回転軸により回転する回転体と、
前記回転体を回転自在に収容するケーシングと、
前記回転体の回転に伴って回転し、先端部が前記ケーシングの外部に延出された出力軸と、
前記ケーシングに一体成形され、前記車体に締結部材により固定される固定部と、
を備え、
前記固定部は、前記車体の前後方向に沿う前記ウィンドシールドと重ならない位置で、前記車体の内壁に設けた第1取付部と、前記内壁から前記車体の内側に向けて膨出した膨出部に設けた第2取付部とに固定されることを特徴とするワイパモータ。 - 請求項5記載のワイパモータにおいて、前記ケーシングに前記駆動源を正逆方向に回転制御する制御基板を収容し、前記出力軸の先端部に前記ワイパ部材を固定したことを特徴とするワイパモータ。
- 請求項5または6に記載のワイパモータにおいて、前記第1取付部と前記固定部との間、または前記第2取付部と前記固定部との間の少なくとも一方に、弾性部材を設けることを特徴とするワイパモータ。
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