JP6094369B2 - 電力需要予測装置、電力需要予測方法および電力需要予測プログラム - Google Patents

電力需要予測装置、電力需要予測方法および電力需要予測プログラム Download PDF

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Description

本発明は、需要家の電力使用量を予測する電力需要予測装置等に関する。
デマンドレスポンス(DR)とは、米国エネルギー省(DOE)の定義によると、「時間毎に変化する電力価格単価や、卸電力価格が高い場合や電力系統が信頼度面で危機にある場合に、電力の節約を促すように設計されたインセンティブの支払いに応じて、最終需要家自らが通常の電力消費パターンから電力消費を変化させること」である。
デマンドレスポンスの手法の1つにダイナミックプライシングと呼ばれるプログラムがある。ダイナミックプライシングは、電力市場の価格を需要家の電力価格単価に反映するもので、電力事業者が翌日の電力価格単価(時間帯ごと)を需要家に通知し、需要家が電力価格単価に応じて、使用する電力量を調整するものである。
ダイナミックプライシングの一例が非特許文献1に開示されている。この非特許文献1のダイナミックプライシングでは、需要家の電力需要がピークとなる時間帯(13時〜17時)の電力価格単価を5段階にレベル分けしている。
CEMS(地域エネルギーマネジメントシステム)と呼ばれる需給制御システムは、翌日の電力需給の運用計画を作成する際に、需給バランスを考慮して翌日のピーク時間帯の電力価格単価を決定する。その際、電力価格単価を変更したときに、どのくらい需要が変化するかを予め予測しておくことが重要である。そのために、電力価格変更時の需要変化を算出し、変化の程度を係数で表した価格弾力性を算出する必要がある。
非特許文献1では、デマンドレスポンス対象地域の需要家を2つのグループに分けている。当該2つのグループは、電力価格単価を変更しないグループと電力価格単価を変更するグループとの2つのグループになる。次に、それぞれのグループにおいて、電力価格単価を変更した日の電力需要の差を算出する。最後に、2つのグループの電力需要の変化の差を算出することで、電力価格変更時の需要変化の程度を算出している。
この手法は「差分の差分法」と呼ばれており、政策効果を正確に推計できる手法として知られている。この手法では、気温等の気象条件が同じグループのデータを使って効果を算出するため、気象条件の影響を排除することができる。これにより、正確な価格弾力性を算出することが可能になる。
松岡俊和、"北九州スマートコミュニティー創造事業(北九州市提出資料)"、[online]、経済産業省 資源エネルギー庁、[2013年2月3日検索]、インターネット<URL:http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/29th.htm>
上述した「差分の差分法」では、電力価格単価を変更する需要家グループと電力価格単価を変更しない需要家グループとの過去の需要変化の差を算出している。このため、電力価格単価を変更する需要家グループと電力価格単価を変更しない需要家グループとの2つのグループの存在が必要になる。デマンドレスポンスを実施する対象地域の全ての需要家が電力価格単価を変更する場合、すなわち電力価格単価を変更しない需要家が存在しない場合には、上述した手法を適用することができない。
また、デマンドレスポンスの実施期間が短い場合等は、それほど多くのデータが蓄積されていない。このため、蓄積されたデータ数が少なくなり、統計的な処理において精度が低下する。これにより、電力需要の予測精度が低下することになる。
そこで、本発明は、電力価格単価の変更を実施した需要家のみの過去の実績データを用いて電力の需要予測を高精度に行うことを目的とする。
以上の課題を解決するため、本発明の電力需要予測装置は、時間帯によって電力価格単価の変更を実施した需要家のみの過去の電力需要を前記電力価格単価と対応させて実績データとして記憶する実績データ記憶部と、前記実績データに基づいて前記電力価格単価を変更しない時の電力需要と、前記電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を価格弾力性として算出する価格弾力性算出部と、前記電力価格単価ごとに前記価格弾力性を記憶する価格弾力性記憶部と、前記電力需要の予測対象日の電力価格単価に対応する価格弾力性を前記価格弾力性記憶部から決定する価格弾力性決定部と、前記予測対象日の電力需要予測値を予測する電力需要予測部と、前記電力需要予測部が予測した前記電力需要予測値に対して前記価格弾力性決定部が決定した前記価格弾力性で補正する電力需要値補正部と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明の電力需要予測方法は、時間帯によって電力価格単価の変更を実施した需要家のみの過去の電力需要を前記電力価格単価と対応させて実績データとして記憶し、前記実績データに基づいて前記電力価格単価を変更しない時の電力需要と、前記電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を価格弾力性として算出し、前記電力価格単価ごとに前記価格弾力性を記憶し、前記電力需要の予測対象日の電力価格単価に対応する価格弾力性を決定し、前記予測対象日の電力需要予測値を予測し、前記電力需要予測値に対して前記価格弾力性で補正する、ことを特徴としている。
また、本発明の電力需要予測プログラムは、コンピュータに、時間帯によって電力価格単価の変更を実施した需要家のみの過去の電力需要を前記電力価格単価と対応させて実績データとして記憶する手順、前記実績データに基づいて前記電力価格単価を変更しない時の電力需要と、前記電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を価格弾力性として算出する手順、前記電力価格単価ごとに前記価格弾力性を記憶する手順、前記電力需要の予測対象日の電力価格単価に対応する価格弾力性を決定する手順、前記予測対象日の電力需要予測値を予測する手順、前記電力需要予測値に対して前記価格弾力性で補正する手順、を実行させることを特徴としている。
本発明は、電力価格単価を変更した需要家のみの過去の実績データを用いて電力の需要予測を高精度に行うことが可能になる。
第1の実施形態の電力需要予測装置を含むシステム構成図である。 デマンドレスポンスレベルと電力価格単価との関係を示す図である。 (a)は電力価格単価の変更、(b)は電力価格単価を変化させたときの電力需要を示す図である。 第1の実施形態の処理の流れを示すフローチャートである。 実績データベースのデータ構成例である。 価格弾力性データベースのデータ構成例である。 第1の実施形態のデータの流れを示す図である。 (a)は従来の電力需要予測手法の価格弾力性、(b)は従来の電力需要予測手法の電力需要予測値と実際値とを示す図である。 (a)は本発明の電力需要予測手法の価格弾力性、(b)は本発明の電力需要予測手法の電力需要予測値と実際値とを示す図である。 価格弾力性算出部のブロック図である。 第2の実施形態のデータの処理の流れを示す図である。 回帰式による補正を説明するための図である。
<A:本発明の第1の実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態の電力需要予測装置を含むシステム構成図を示している。図1のシステムは、スマートメーター1と電力需要予測装置3とがネットワーク2を介して接続されている。
スマートメーター1は通信機能を備える電力等の計測器である。スマートメーター1は各需要家(オフィス、工場、一般家庭等)に備えられている。各需要家に備えられるスマートメーター1は1つだけとは限らず、2つ以上備えられている場合もある。また、図1の例では、1つの需要家のみを示しているが、一般的には複数の需要家が存在している。ネットワーク2はインターネットや専用回線等の通信回線である。ネットワーク2によりスマートメーター1と電力需要予測装置3との間でデータの送受信が行われる。
スマートメーター1は各種のデータを電力需要予測装置3に送信する。例えば、“需要家No.(予め各需要家に割り当てられる識別番号である)”や“日時と電力需要計測値”等のデータが送信される。また、デマンドレスポンスを実施する需要家のスマートメーター1は、電力需要予測装置3からデマンドレスポンス実施予定日時とそのときの電力価格単価等のデータを受信して表示等する。
電力需要予測装置3は、例えば、電気事業者(発電事業者等)やCEMS事業者の側に設置されている。通常、デマンドレスポンスを実施する需要家は、電気事業者等と事前に契約をしている。デマンドレスポンスを実施する際には、電気事業者等がデマンドレスポンスを実施する需要家に対して電力価格単価を任意に決定することができる。
以上の電力需要予測装置3は、データ入力部11と実績データベース12と価格弾力性算出部13と価格弾力性データベース14と価格弾力性決定部15と電力需要予測部16と電力需要値補正部17とを備えている。なお、実績データベース12および価格弾力性データベース14は補助記憶装置に記憶させ、価格弾力性算出部13、価格弾力性決定部15、電力需要予測部16、電力需要値補正部17は図示しないRAM上に読み出されて、図示しないCPUにより実行されるプログラムとして機能させることもできる。
データ入力部11は各種のデータを入力する。例えば、キーボードやマウス等の入力手段からのデータ、ネットワーク2を介してスマートメーター1から送信されるデータ等をデータ入力部11は入力する。また、ネットワーク2には、例えば図示しない気象予報サイトが接続されている。気象予報サイトから翌日以降の気温や湿度等の気象条件の予報情報のデータをデータ入力部11から入力することができる。
実績データベース12(実績データ記憶部)は、少なくとも需要家の電力需要と後述する電力価格単価のレベルとを含む各種データ(実績データ)をテーブル形式で記憶している。電力需要予測装置3はネットワーク2を介して需要家のスマートメーター1から実績データを収集している。収集した実績データは実績データベース12に蓄積されていく。
価格弾力性算出部13は、実績データベース12に蓄積されている実績データを読み出して、価格弾力性Eを決定する。価格弾力性Eは以下の式(1)で示される。
「価格弾力性E=電力価格単価を変更した時の電力需要/電力価格単価を変更しない時の電力需要」・・・式(1)
つまり、電力価格単価を変更した時の電力需要と、電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を価格弾力性Eとして算出している。
価格弾力性データベース14(価格弾力性記憶部)は、価格弾力性Eをテーブル形式で記憶している。価格弾力性算出部13により得られた価格弾力性Eが条件ごとにテーブル形式のデータベースに蓄積されていく。これにより、価格弾力性データベース14が作成される。
価格弾力性決定部15はデマンドレスポンスを実施する予定日(予測対象日)のデマンドレスポンスレベル(以降、単にレベルと称呼する場合もある)に応じた価格弾力性Eを価格弾力性データベース14から抽出する。ここで、図2に示すように、デマンドレスポンスには複数段階のレベルiが設定されている。図2の例では5段階のレベルiが設定されている。レベル0は電力価格単価を変更しないことを示している。一方、レベルi(i=1〜4)は電力価格単価を変更することを示している。そして、iの値が高くなるほど電力価格単価が高くなる。
電力需要予測部16は、予測対象日データと気象予報データと実績データベース12の実績データとを用いて、予測対象日(例えば、翌日)の電力需要予測を行う。予測対象日データは、予測対象日の年月日、曜日、平日/休日等のデータである。予測対象日データはデータ入力部11から入力することができる。気象予報データは、予測対象日(翌日またはそれ以降)の気温、湿度、風速、天候等の気象条件に関するデータであり、上述したように、例えば気象予報サイトから取得することができる。実績データは実績データベース12を参照することで、得ることができる。
予測対象日データと気象予報データと実績データとを用いて、電力需要予測を行う手法は既知であり、例えば以下の各参考文献に記載されている既存手法を用いることができる。つまり、需要予測は、実績データの過去の電力需要、天候、気温、季節、曜日、電力単価等を入力データとして、出力が電力需要予測値となるような需要予測モデルにより算出される。需要予測モデルとしては、下記参考文献に開示されているニューラルネットワーク等を使用することができる。
・参考文献:「Proceedings of the LASTED International Conference 248-039 “Peak Load Forecasting using Neural Networks and Fuzzy Inference”」
電力需要値補正部17は、電力需要予測部16が予測した電力需要(電力需要予測値)に対して、価格弾力性データベース14から得られる価格弾力性Eを用いて補正を行う。補正後の電力需要予測値は補正前の電力需要予測値に比べて正確な予測値になっている。
次に、デマンドレスポンスについて説明する。デマンドレスポンスは、所定の時間帯の電力価格単価を変更することにより、電力需要を抑制または創出する手法である。デマンドレスポンスとしては、ポイントの付与やクーポン券の付与等のように何らかの形で需要家に報酬を与えるインセンティブをベースとする手法もあるが、ここでは、時間帯によって電力価格単価を変更するダイナミックプライシングの手法を説明する。
ダイナミックプライシングの場合、電力需要を抑制または創出したい需要家に応じて、デマンドレスポンスのレベルiを決めて、電力価格単価を変更する。図2は、ダイナミックプライシングの一例を示したものであり、レベルiに応じて電力価格単価が変化している。
図2では、レベル0(デマンドレスポンスを実施しない)の電力価格単価は「15[円/kW]」、レベル1の電力価格単価は「50[円/kW]」、レベル2の電力価格単価は「75[円/kW]」、レベル3の電力価格単価は「100[円/kW]」、レベル4の電力価格単価は「150[円/kW]」となっている。図2のレベルiおよび電力価格単価はあくまでも一例であり、上述したように、レベルiは任意に設定することができる。電力価格単価も任意に設定することができる。
図2の電力価格単価は夏季を想定している。一般に、夏季においては、時間帯13時〜17時の間が最も気温が高くなる。この時間帯が、空調設備が最も使用され、電力需要が最も高くなる。従って、13時〜17時の時間帯をピーク時間帯としている。デマンドレスポンスでは、このピーク時間帯の電力価格単価を変更している。なお、冬季の場合には、早朝および夜間がピーク時間帯となることが想定される。
図3(a)および(b)は、デマンドレスポンスを実施した場合(破線:レベルi)と実施しない場合(実線:レベル0)とにおける電力需要を示している。同図(a)においてレベルiが「i=1」の場合、デマンドレスポンスを実施しない場合のピーク時間帯(13時〜17時)の電力価格単価P0(=15[円/kW])よりもデマンドレスポンスを実施する場合のピーク時間帯の電力価格単価Pi(=50[円/kW])の方が高くなっている。
このときの電力需要の需要曲線が同図(b)に示されている。同図(b)に示されるように、ピーク時間帯における実線(デマンドレスポンスを実施しない場合)よりも破線(デマンドレスポンスを実施した場合)の方が電力需要は低くなっている。このときの差分が需要変化になる。つまり、デマンドレスポンスを実施することにより、ピーク時間帯における電力需要が抑制されたことになる(図中の網掛け部分)。
従って、デマンドレスポンスによる需要家の電力需要の変動を考慮した電力需要を高精度に予測することは重要である。そこで、図1の電力需要予測装置3は高精度に電力需要の予測を行う。
図4のフローチャートを用いて動作の説明をしていく。図1に示したように、需要家のスマートメーター1はネットワーク2を経由して、電力需要を含む実績データを所定間隔ごと(例えば、30分ごと、1時間ごと)に電力需要予測装置3に対して送信している。これにより、電力需要予測装置3は需要家のスマートメーター1から実績データを取得する(ステップS1)。そして、電力需要予測装置3に入力された実績データは実績データベース12に蓄積されていく(ステップS2)。
次に、実績データベース12を参照して価格弾力性Ei(t)を算出する(ステップS3)。価格弾力性Ei(t)は、上述したニューラルネットワーク等を用いて予測した電力需要予測値の誤差を補正するために用いられる。価格弾力性Ei(t)の算出方法や具体的な使用例については後述する。
このステップS3の処理において、まず、実績データベース12について説明し、その後、実績データベース12から価格弾力性Ei(t)を算出する手法について説明する。
実績データベース12について説明する。図5は、実績データベース12のデータ構成例を示している。実績データベース12に蓄積される実績データは過去のデータである。そして、当該実績データはデマンドレスポンスを実施した需要家のみの過去のデータでもある。図5では、実績データベース12に蓄積される実績データはテーブル形式になっているが、テーブル形式以外の方法で記憶されてもよい。
図5に示すように、実績データベース12の実績データはヘッダー部21とデータ部22とを有している。ヘッダー部21は需要家番号またはグループ番号(図中では、需要家No.または グループNo.)23を有している。上述したように、需要家番号は、予め各需要家に割り当てられる識別番号である。需要家は所定数のグループ(例えば、オフィスビルや商業施設等のグループ)に分けられる場合もあり、その場合には、各グループをグループ番号により識別する。
データ部22は日時24と曜日25と休日/平日26と気温27と湿度28と電力需要29と電力価格単価30とデマンドレスポンスレベル31とを有している。図5のデータ部22の各情報は一例であり、これら以外の情報を有していてもよいし、全ての情報を有していなくてもよい。
図5の実績データの最初の1行は、「2012年4月1日の0:00」、「日曜日」、「休日」、「気温23.4[℃]」、「湿度41[%]」、「電力需要5.6[kW]」、「電力価格単価15[円/kWh]」、「デマンドレスポンレベル0」であることを示している。そして、30分ごとに各種のデータが取得され、蓄積されている。これらは、30分ごとに蓄積された過去の実績データになる。
次に、実績データベース12を参照して、価格弾力性Ei(t)を算出する手法について説明する。上述したように、価格弾力性Eは式(1)で示される。レベル0の日のピーク時間帯(デマンドレスポンスにより電力価格単価が変更される時間帯)における電力需要をD0(t)、レベルiの日のピーク時間帯における電力需要をDi(t)、電力価格単価をレベル0からレベルiに変更した日の価格弾力性をEi(t)とすると、価格弾力性Ei(t)は「Ei(t)=Di(t)/D0(t)」となる。
ただし、このときの価格弾力性Ei(t)は気象条件(例えば、t=最高気温Tmax)が考慮されていない。気象条件(最高気温Tmax)が同じ条件の価格弾力性Ei(Tmax)を算出することで、より正確な価格弾力性を得ることができる。そこで、価格弾力性算出部13は、実績データベース12の実績データから気温27を参照して、最高気温Tmaxの日の電力需要D0(t)と同じ最高気温Tmaxの日の電力需要Di(t)を抽出する。そして、電力需要Di(t)を電力需要D0(t)で除算することで、価格弾力性Ei(Tmax)を得る。
次に、上述した手法で計算された価格弾力性Ei(t)を価格弾力性データベース14に記憶する(ステップS4)。このステップS4の処理において、まず価格弾力性データベース14について説明し、その後、価格弾力性データベース14に価格弾力性Ei(t)を記憶させる手法について説明する。
図6は、価格弾力性データベース14に記憶されるデータ構成例を示している。価格弾力性データベース14の価格弾力性データは、適応月特定部32とマトリクス部33とを有している。適応月特定部32はマトリクス部33の期間を特定する。ここでは、期間は「月」であるものとし、図6では「7月」の価格弾力性Eのデータを示している。期間は「月」だけでなく、「週」や「年」、「季節」等であってもよい。ただし、価格弾力性Eのデータ数を多くするために、ある程度長い期間、例えば「月」や「季節」等であることが望ましい。
図6の例では、「7月」のマトリクス部33を示しているが、価格弾力性データベース14は他の月(「8月」や「9月」等)のマトリクス部33も有している。
マトリクス部33は、レベルiごと且つ最高気温Tmaxごとに価格弾力性Ei(t;ここではt=Tmax)を記憶している。図6に示すように、レベルi(図中のデマンドレスポンスレベルi)はレベル0〜レベル4の5段階に分けられている。一方、最高気温は、「31[℃]以下」、「32[℃]±1[℃]」、「34[℃]±1[℃]」、「35[℃]以上」の4つに分かれている。ここでは、最高気温Tmaxを4つに分けているが、4つ以外に分けてもよい。
そして、図6に示すような価格弾力性データベース14のマトリクス部33に、ステップS3で算出された価格弾力性Ei(Tmax)が記憶されていく。価格弾力性算出部13は実績データベース12を参照して、レベルiごと且つ最高気温Tmaxごとに価格弾力性Ei(Tmax)を算出している。従って、算出された価格弾力性Ei(Tmax)がマトリクス部33の対応する箇所に記憶されていく。
例えば、価格弾力性Ei(Tmax)がE2(34)であれば、マトリクス部33のうちレベルiが「2」の箇所、且つ最高気温Tmaxが「34[℃]±1[℃]」の箇所に記憶される。これにより、価格弾力性データベース14が作成される。
なお、最高気温Tmaxが上記のように所定の範囲となっている場合には、当該範囲の中に複数の価格弾力性Ei(Tmax)が含まれることがある。その場合には、例えば、複数の価格弾力性Ei(Tmax)の平均値を代表値とする。
また、図6の例ではレベル0からレベル2に変更したときの価格弾力性Ei(Tmax)を示しているが、この例に限らない。例えば、レベル1からレベル2に変更したときの価格弾力性Ei(Tmax)であっても構わない。
次に、実績データベース12を参照して需要予測を行う(ステップS5)。上述したように、電力需要予測装置3はネットワーク2を介して気象予報サイトから予測対象日データと気象予報データとを入力する。予測対象日データは、年月日、曜日、平日/休日等のデータであり、気象予報データは、予測対象日における気温、湿度、風速、天候等の気象条件のデータである。
そして、電力需要予測部16は、実績データベース12を参照し、実績データベース12と予測対象日データと気象予報データとに基づき、ニューラルネットワーク等を用いて、需要予測モデルを算出する。電力需要予測部16は、この需要予測モデルに基づいて、需要予測を行うことで、予測対象日における電力需要予測値を得る。これにより、需要予測が行われる。
次に、価格弾力性データベース14を参照して、価格弾力性Ei(Tmax)を決定する(ステップS6)。価格弾力性決定部15は、データ入力部11から入力されたレベルiを入力している。また、電力需要予測装置3は、気象予報サイトから予測対象日の気象条件を入力しており、価格弾力性決定部15は最高気温Tmaxを得ることができる。
価格弾力性決定部15は、価格弾力性データベース14から、レベルiおよび最高気温Tmaxに一致した価格弾力性Ei(Tmax)を抽出する。これにより、価格弾力性決定部15により価格弾力性Ei(Tmax)が決定される。
次に、電力需要値補正部17は、ステップS5で予測された電力需要予測値に対して価格弾力性Ei(Tmax)を用いて補正を行う(ステップS7)。
電力需要予測部16が算出した電力需要予測値と価格弾力性決定部15が決定した価格弾力性Ei(Tmax)とが電力需要値補正部17に入力される。電力需要予測部16が算出した電力需要予測値は、価格弾力性Ei(Tmax)を考慮していない値であり、予測値は実際の電力需要の値に対して誤差が大きい。そこで、電力需要値補正部17は、電力需要予測部16が算出した電力需要予測値に対して、価格弾力性Ei(Tmax)で補正を行う。
そして、補正後の電力需要予測値を得る(ステップS8)。つまり、電力需要予測値は「電力需要予測値(補正後)=電力需要予測値(補正前)×価格弾力性Ei(Tmax)」となる。
図7は電力需要予測装置3の各部のデータの流れを示している。同図の「予測対象日データ、気象予報データ」は、気象予報サイトからネットワーク2を介して電力需要予測装置3に入力されている。
同図の「DRを実施した需要家の実績データベース」は図1の実績データベース12であり、「価格弾力性データベース」は図1の価格弾力性データベース14である。また、「デマンドレスポンスのレベルの入力」は、データ入力部11よりレベルiの入力がされるものである。
電力需要予測部16は、予測対象日データおよび気象予報データを入力し、実績データベース12を参照している。従って、電力需要予測部16は予測対象日データと気象予報データと実績データとに基づいて、ニューラルネットワーク等を用いて電力需要予測を行う。この処理は、図7の「需要予測を行う」の処理になる。電力需要予測部16は予測した電力需要予測値を電力需要値補正部17に出力する。
一方、図7に示すように、価格弾力性決定部15は、予測対象日データから予測対象日のデータ(年月日、曜日、平日/休日等)を入力する。また、価格弾力性決定部15は、予測対象日の気象予報データを入力する。ここでは、最高気温Tmaxを入力する。
価格弾力性決定部15にはデータ入力部11からレベルiが入力されている。そして、価格弾力性決定部15は価格弾力性データベース14を検索する。価格弾力性決定部15には予測対象日データとして年月日が入力されているため、予測対象日の「月」を認識できる。
そこで、価格弾力性決定部15は図6に示した価格弾力性データベース14のうち適応月が予測対象日の「月」に該当するマトリクス部33を検索する。価格弾力性決定部15には最高気温Tmaxおよびレベルiが入力されているため、これら2つのデータから抽出する価格弾力性Ei(Tmax)を特定することができる。これが図7に示す「価格弾力性決定」の処理になる。
これにより、価格弾力性決定部15は価格弾力性Ei(Tmax)を決定する。
電力需要値補正部17は電力需要予測部16が予測した電力需要予測値と価格弾力性Ei(t)を入力している。電力需要値補正部17は、電力需要予測値に対して価格弾力性Ei(t)を乗算する。これが、図7に示す「デマンドレスポンス補正」になる。これにより、価格弾力性Ei(Tmax)で補正を行う前の電力需要予測値に対して、誤差を低減した正確な電力需要予測値を得ることができる。
以上説明したように、実績データベース12にはデマンドレスポンスを実施した需要家のみの実績データベースが記憶されており、この実績データベースに基づいて、価格弾力性データベース14の各価格弾力性Ei(Tmax)が得られている。そして、価格弾力性データベース14の各価格弾力性Ei(Tmax)のうち予測対象日の価格弾力性Ei(Tmax)を抽出することで、電力需要予測値を補正することができ、正確な電力需要予測を行うことができる。
ところで、図6で示した価格弾力性データベース14に記憶される価格弾力性Ei(Tmax)はレベルiと最高気温Tmaxとの2つの要因により得られていたが、レベルiのみで価格弾力性Eiを得るようにしてもよい。つまり、電力価格単価のみで価格弾力性Eiを得るようにしてもよい。上述したように、価格弾力性Eiは「Ei=Di/D0」により求めることができる。従って、電力需要DiとD0との気象条件が異なっていたとしても、価格弾力性Eiを得ることができる。そして、この価格弾力性Eiはデマンドレスポンスを実施した需要家(時間帯によって電力価格単価の変更を実施した需要家)のみの過去の実績データに基づいて得られるものである。
ただし、同じ気象条件(最高気温Tmax)の電力需要DiおよびD0を用いた方が、正確な価格弾力性Ei(Tmax)を得ることができる。この価格弾力性Ei(Tmax)を価格弾力性データベース14に蓄積することで、正確な電力需要予測を行うことが可能になる。このとき、気象条件としては最高気温Tmaxだけでなく、最低気温、最高湿度、最低湿度等を用いることができる。つまり、電力価格単価以外の要因を一致させた条件で価格弾力性Eiを算出することで、より高い精度の電力需要予測を行うことが可能になる。
電力価格単価以外の要因としては、気象条件ではなく、一定の期間を用いることができる。つまり、レベルiと一定の期間とに基づいて価格弾力性を算出して、価格弾力性データベース14に蓄積することで、正確な電力需要予測を行うことができる。一定の期間としては、「月」や「季節」等を用いることができる。上記の説明では価格弾力性Eiをレベルiと「温度=t」、その一例として最高気温Tmaxについて求めた。例えば、レベルiと「温度=t」と「季節」とに基づいて価格弾力性を得る場合には、温度と季節と言う2つの要因に基づいて価格弾力性が得られるため、より高い精度の電力需要予測を行うことが可能になる。
図8は、従来の電力需要予測手法により予測される電力需要の需要曲線を示している。同図(a)は従来の手法による価格弾力性を示し、同図(b)は電力需要を示している。同図(b)の破線は従来手法の予測値であり、実線は実際の電力需要の値(実際値)を示している。同図(a)に示すように、価格弾力性は小さい。従って、同図(b)に示されるように、ピーク時間帯(電力価格単価を変更する時間帯)における予測値と実際値との間の誤差が大きくなっている。
一方、図9は、本実施形態の電力需要予測手法により予測される電力需要の需要曲線を示している。同図(a)に示すように、同一の気象条件に対応した価格弾力性Ei(Tmax)を用いて補正を行っている。この価格弾力性Ei(Tmax)は従来手法と比較して大きい。これは、気象条件に対応した正確な価格弾力性を示している。そして、価格弾力性Ei(Tmax)を用いて補正を行っているため、同図(b)に示されるように、実際値と予測値とはほぼ同じになり、誤差を低減することができる。これにより、正確な電力需要の予測を行っている。
<B:本発明の第2の実施形態>
デマンドレスポンスの実施期間が長い場合には、実績データベース12に多くの実績データが蓄積され、統計的な処理の精度が高くなり、正確な電力需要予測を行うことができる。しかしながら、デマンドレスポンスの実施期間が短いような場合には、データ数が少なくなるため、統計的な処理において精度が低下する。
本実施形態では、蓄積されたデータ数が少ないような場合においても、正確な価格弾力性Ei(Tmax)を算出する。上述した第1の実施形態では、同一の気象条件(最高気温)である「Tmax」のときの価格弾力性Ei(Tmax)を算出していた。つまり、最高気温が「Tmax」の日のレベルiの電力需要Diを最高気温「Tmax」の日のレベル0の電力需要D0で除算することにより、価格弾力性Ei(Tmax)を算出していた。
従って、最高気温が「Tmax」の日のレベルiの電力需要Diと最高気温が「Tmax」の日のレベル0の電力需要D0との両者が揃っていなければ、価格弾力性Ei(Tmax)を算出することができない。
そこで、本実施形態では、データ数が少ない場合でも、回帰式により気象条件を補正することで、正確な価格弾力性Ei(Tmax)を算出する。図10に示すように、本実施形態の価格弾力性算出部13はレベルiデータ抽出部41とレベル0データ抽出部42と回帰式作成部44と気象類似日抽出部43と気象条件補正部45と算出部46とを備えている。
レベルiデータ抽出部41は、レベルiのデマンドレスポンスを実施した日の気象条件および電力需要を実績データベース12から読み出す。また、レベル0データ抽出部42は実績データベース12に記憶されているレベル0の全ての日の気象条件および電力需要を実績データベース12から読み出す。
気象類似日抽出部43は、レベルiの日の気象条件に近いレベル0の気象条件の日を気象類似日として抽出する。レベルiの日の気象条件に最も近いレベル0の気象類似日から順番に1または複数の気象類似日を抽出する。気象類似日は1つであってもよいが、複数の気象類似日を抽出することが望ましい。
回帰式作成部44は、レベル0データ抽出部42が抽出したレベル0の全ての日の気象条件および電力需要に基づいて下記の式(2)で示す回帰式を作成する。
「電力需要=A×気象条件1+B×気象条件2+・・・+定数」・・・(式2)
ただし、A、B、・・・は回帰係数とする。
気象条件補正部45は、気象類似日抽出部43で抽出されたレベル0の気象類似日の電力需要を、気象条件および回帰係数を用いて補正する。そして、抽出されたレベル0の気象類似日が複数ある場合には、補正後の電力需要の平均値を演算する。
算出部46は、レベルiデータ抽出部41が読み出したレベルiの気象条件の電力需要を気象条件補正部45が補正したレベル0の電力需要で除算することで、価格弾力性Eiを算出する。また、レベルiのデマンドレスポンスを実施した全ての日について価格弾力性Eiを算出する。さらに、全てのレベルiについて価格弾力性Eiを算出する。これにより、価格弾力性Ei(Tmax)を得ることができ、レベルiごと且つ気象条件ごとに価格弾力性データベース14に価格弾力性データを蓄積することができる。このときのEi(Tmax)は以下の式(3)で表される。
「Ei(気象条件1、気象条件2、・・・)=Di(気象条件1、気象条件2、・・・)/D0(気象条件1、気象条件2、・・・)」・・・式(3)
次に、図11を参照して、本実施形態の処理の流れについて説明する。まず、レベルiデータ抽出部41は、図11に示す「DRを実施した需要家の実績データベース」、つまり図1の実績データベース12を検索する。そして、レベルiのデマンドレスポンスを実施した任意の1日を抽出する。これが図11の「レベルiの日を抽出」する処理になる。
気象条件としては、温度や湿度、天候等があるが、ここでは、レベルiデータ抽出部41は実績データベース12から、例えば、最高気温Tmaxおよび最低気温Tminを気象条件として読み出すものとする。
また、レベルiデータ抽出部41は実績データベース12から抽出した日の電力需要Di(Tmax)を読み出す。これが、図11に示す「最高気温(Tmax)、最低気温(Tmin)、電力需要Di(Tmax)を読み出す」の処理になる。尚、気象条件の一例として最高気温Tmaxおよび最低気温Tminを示したがこれに限らず、任意に設定する温度tを対象にしても構わない。
一方、レベル0データ抽出部42は、レベル0の全ての日の気象条件および電力需要を実績データベース12から読み出す。これが、図11の「レベル0の日を抽出」の処理になる。レベル0データ抽出部42が読み出した気象条件および電力需要は回帰式作成部44に出力される。 回帰式作成部44は、レベル0データ抽出部42が抽出した気象条件および電力需要に基づいて、式(2)で示されるような回帰式を作成する。これが、図11の「レベル0の回帰式作成」の処理になる。レベル0データ抽出部42は複数の気象条件および電力需要を抽出しているため、複数のサンプルが得られる。これにより、回帰式を作成することができる。
ここでは、気象条件1が最高気温Tmax、気象条件2が最低気温Tminとする。これにより、式(2)の回帰式は「電力需要=A×Tmax+B×Tmin+定数」となる。
気象類似日抽出部43はレベル0データ抽出部42が抽出した気象条件(レベル0の全ての日の気象条件)を入力する。また、気象類似日抽出部43はレベルiデータ抽出部41が抽出したレベルiの気象条件(最高気温Tmaxおよび最低気温Tmin)が入力される。ここでは、気象類似日抽出部43はレベルiの最高気温Tmaxに最も近いレベル0の最高気温を例えば5つ抽出するものとする(Tmax1〜Tmax5とする)。これが図11の「気象類似日の抽出」の処理になる。
これら5つの最高気温の日が気象類似日となる。勿論、最低気温Tminに近い5つの気象類似日が抽出されてもよい。また、地域によっては最高気温が同じでも最低気温が著しく異なる場合もある。そこで、最高気温と最低気温との両方が近い5つの気象類似日が抽出されてもよい。この場合、「最高気温との差」と「最低気温との差」の大きさを合算し、その大小で類似日を決定しても良い。
気象類似日が抽出され、回帰式の傾き「A」が求められた後に、気象条件補正部45は、気象類似日抽出部43が抽出した気象類似日の電力需要に対して回帰式作成部44で作成した回帰式で補正を行う。これが図11の「気象類似日の需要を、Tmax、傾きAを用いて補正」の処理になる。
図12は回帰式による電力需要の補正を説明した図である。D0(Tmax1)〜D0(Tmax5)はそれぞれ気象類似日抽出部43が抽出した気象類似日の電力需要を示している。同図の「A」は回帰式の回帰係数(傾き)を示している。
そして、気象条件補正部45はレベルiの最高気温Tmaxとなるように、各気象類似日の電力需要D0(Tmax1)〜D0(Tmax5)を補正する。図12に示すように、電力需要D0(Tmax1)を補正したときの、補正後の電力需要の最高気温はTmaxになる。図12では、電力需要D0(Tmax1)を補正した補正後の電力需要をD0−1(Tmax)とする。
同様に、電力需要D0(Tmax2)を補正した補正後の電力需要をD0−2(Tmax)とする。また、電力需要D0(Tmax3)を補正した補正後の電力需要をD0−3(Tmax)とする。また、電力需要D0(Tmax4)を補正した補正後の電力需要をD0−4(Tmax)とする。また、電力需要D0(Tmax5)を補正した補正後の電力需要をD0−5(Tmax)とする。
気象条件補正部45はD0−1(Tmax)〜D0−5(Tmax)の代表値(例えば、平均値)を演算する。これが図11の「すべての類似日について補正し、需要の平均を算出」の処理になる。
演算した結果をD0(Tmax)とする。このD0(Tmax)のTmaxはレベルiのDi(Tmax)のTmaxに近似する補正を行った最高気温の電力需要になる。つまり、レベル0の電力需要のデータは実績データベース12に複数蓄積されている。そして、複数のデータから回帰式を作成して補正することで、D0(Tmax)を作成している。そこで、この計算値を実測値の代替として十分に用いることができる。
算出部46はレベルiデータ抽出部41からDi(Tmax)を入力し、気象条件補正部45からD0(Tmax)を入力する。算出部46が価格弾力性Ei(気象条件1、気象条件2、・・・)を算出するときには、上述した式(4)で表されるが、ここでは、価格弾力性Ei(Tmax)は「Ei(Tmax)=Di(Tmax)/D0(Tmax)」となる。算出部46はレベルiの全ての日について価格弾力性Ei(Tmax)を算出する。これが、図11の「価格弾力性を算出」の処理になる。
上述したように、レベルiの日は任意の1日を抽出していたが、価格弾力性データベース14を作成するために、レベルiの全ての日について価格弾力性Ei(Tmax)を算出する。これが、図11の「レベルiの全ての日について算出」の処理になる。
上述したように、価格弾力性データベース14は各レベルiについて記憶されるため、全てのレベルiについて価格弾力性Ei(Tmax)を算出する。これが、図11の「すべてのレベルについて算出」の処理になる。
これにより、図5で示したように、レベルiごと且つ最高気温Tmaxごとに価格弾力性Ei(Tmax)が整理されたマトリクス部33が作成される。本実施形態では、レベルiのデマンドレスポンスを実施した日の最高気温とレベル0の日の最高気温とが等しくない場合でも、回帰式を用いて、レベル0の日の最高気温の電力需要を補正することで、高精度な価格弾力性Ei(Tmax)を算出することが可能になる。このため、デマンドレスポンスの実施期間が短い場合等、実績データベース12の実績データが少ない場合でも価格弾力性Ei(Tmax)を算出することが可能になる。その結果、価格弾力性データベース14に価格弾力性データを蓄積することが可能になる。
1 スマートメーター
2 ネットワーク
3 電力需要予測装置
11 データ入力部
12 実績データベース
13 価格弾力性算出部
14 価格弾力性データベース
15 価格弾力性決定部
16 電力需要予測部
17 電力需要値補正部
41 レベルiデータ抽出部
42 レベル0データ抽出部
43 気象類似日抽出部
44 回帰式作成部
45 気象条件補正部
46 算出部

Claims (8)

  1. 時間帯によって電力価格単価の変更を実施した需要家のみの過去の電力需要を前記電力価格単価と対応させて実績データとして記憶する実績データ記憶部と、
    前記実績データに基づいて前記電力価格単価を変更しない時の電力需要と、前記電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を価格弾力性として算出する価格弾力性算出部と、
    前記電力価格単価ごとに前記価格弾力性を記憶する価格弾力性記憶部と、
    前記電力需要の予測対象日の電力価格単価に対応する価格弾力性を前記価格弾力性記憶部から決定する価格弾力性決定部と、
    前記予測対象日の電力需要予測値を予測する電力需要予測部と、
    前記電力需要予測部が予測した前記電力需要予測値に対して前記価格弾力性決定部が決定した前記価格弾力性で補正する電力需要値補正部と、
    を備えた電力需要予測装置。
  2. 前記価格弾力性算出部は前記電力価格単価以外の要因ごとに前記価格弾力性を算出し、
    前記価格弾力性記憶部は前記電力価格単価ごと且つ前記要因ごとに前記価格弾力性を記憶し、
    前記電力需要値補正部は、前記予測対象日の前記電力価格単価と前記要因とに対応する前記価格弾力性を読み出して補正を行う、
    請求項1記載の電力需要予測装置。
  3. 前記要因は気象条件または一定の期間である、
    請求項2記載の電力需要予測装置。
  4. 前記価格弾力性算出部は、
    前記電力価格を変更した日の気象条件に対して前記電力価格を変更しない日の気象条件に最も近いものから順番に1または複数の日を気象類似日として前記実績データ記憶部から抽出する気象類似日抽出部と、
    前記電力価格を変更しない日の電力需要と前記気象条件とに基づいて回帰式を作成する回帰式作成部と、
    前記回帰式を用いて前記1または複数の気象類似日の前記電力需要を補正する気象条件補正部と、
    前記気象条件補正部により補正された電力需要と、前記電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を前記価格弾力性として、前記電力価格単価を変更した日ごと且つ前記電力価格単価ごとに算出する算出部と、
    を備えた請求項1記載の電力需要予測装置。
  5. 前記回帰式は、以下の式(1)で示されるものである、
    「電力需要=A×気象条件1+B×気象条件2+・・・+定数」・・・(式1)
    ただし、A、B、・・・は回帰係数を示す
    請求項4記載の電力需要予測装置。
  6. 前記気象条件補正部は、前記回帰式を用いて複数の気象類似日の前記電力需要を補正し、補正後の各電力需要の代表値の演算を行う、
    請求項4記載の電力需要予測装置。
  7. 時間帯によって電力価格単価の変更を実施した需要家のみの過去の電力需要を前記電力価格単価と対応させて実績データとして記憶し、
    前記実績データに基づいて前記電力価格単価を変更しない時の電力需要と、前記電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を価格弾力性として算出し、
    前記電力価格単価ごとに前記価格弾力性を記憶し、
    前記電力需要の予測対象日の電力価格単価に対応する価格弾力性を決定し、
    前記予測対象日の電力需要予測値を予測し、
    前記電力需要予測値に対して前記価格弾力性で補正する、
    電力需要予測方法。
  8. コンピュータに、
    時間帯によって電力価格単価の変更を実施した需要家のみの過去の電力需要を前記電力価格単価と対応させて実績データとして記憶する手順、
    前記実績データに基づいて前記電力価格単価を変更しない時の電力需要と、前記電力価格単価を変更した時の電力需要と、の比率を価格弾力性として算出する手順、
    前記電力価格単価ごとに前記価格弾力性を記憶する手順、
    前記電力需要の予測対象日の電力価格単価に対応する価格弾力性を決定する手順、
    前記予測対象日の電力需要予測値を予測する手順、
    前記電力需要予測値に対して前記価格弾力性で補正する手順、
    を実行させるための電力需要予測プログラム。
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