JP6094313B2 - エンコーダ、駆動装置、ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

エンコーダ、駆動装置、ステージ装置及び露光装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンコーダ、駆動装置、ステージ装置及び露光装置に関する。
従来、波長変化を利用して干渉縞を変調することで高い分解能を得るエンコーダが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、そのようなエンコーダにおいて、周囲温度の変化などによって生じる波長ドリフトをキャンセルすることが可能な技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。波長ドリフトをキャンセルすることにより、位置検出結果における誤差を低減し、検出精度を向上させることができる。
国際公開第2010/047100号 国際公開第2010/089824号
近年では、検出精度の更なる向上のため、上記のような波長ドリフトのキャンセルによって検出誤差を低減する技術に加えて、光学系の寸法の変化や温度変化等の外乱による組み立て調整状態の変化等、他の原因によって生じる誤差についても低減することが可能な技術が求められている。
以上のような事情に鑑み、本発明は、検出精度の更なる向上を図ることが可能なエンコーダ、駆動装置、ステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に従えば、光を平行に射出する光源部と、少なくとも1つの部材で形成され、光源部から射出される光の光路上に配置され、光を透過可能な光透過部材と、光透過部材の表面に配置され、光源部から射出される光を第一光及び第二光に偏向する偏向パターンと、第一光及び第二光を互いに異なる第一方向及び第二方向にそれぞれ分岐する分岐光学系と、所定方向に沿って周期的に形成された第一回折パターンを有し、第一方向に偏向された第一光及び第二光による第一干渉光が第一回折パターンに入射するように配置されたスケールと、所定方向に沿って周期的に形成され、光透過部材の表面のうち第二方向に偏向された第一光及び第二光による第二干渉光が入射する位置に配置された第二回折パターンと、第一回折パターンを介した第一干渉光と、第二回折パターンを介した第二干渉光とをそれぞれ受光する受光部とを備えるエンコーダが提供される。
本発明の第二の態様に従えば、光を平行に射出する光源部と、少なくとも1つの部材で形成され、光源部から射出される光の光路上に配置され、光を透過可能な光透過部材と、光透過部材の表面に配置され、光源部から射出される光を第一光及び第二光に偏向する偏向パターンと、第一光と第二光との間に光路長差を形成するガラスブロックと、光路長差が形成された第一光及び第二光を互いに異なる第一方向及び第二方向にそれぞれ分岐する分岐光学系と、所定方向に沿って周期的に形成された第一回折パターンを有し、第一方向に偏向された第一光及び第二光による第一干渉光が第一回折パターンに入射するように配置されたスケールと、所定方向に沿って周期的に形成され、光透過部材の表面のうち第二方向に偏向された第一光及び第二光による第二干渉光が入射する位置に配置された第二回折パターンと、第一回折パターンを介した第一干渉光と、第二回折パターンを介した第二干渉光とをそれぞれ受光する受光部とを備えるエンコーダが提供される。
本発明の第三の態様に従えば、移動子と、当該移動子を駆動する駆動部と、移動子に設けられ、移動子の移動情報を検出するエンコーダとを備え、エンコーダとして、本発明の第一の態様に従うエンコーダ又は本発明の第二の態様に従うエンコーダが用いられている駆動装置が提供される。
本発明の第四の態様に従えば、移動可能なステージと、ステージに設けられ、ステージの移動情報を検出するエンコーダとを備え、エンコーダとして、本発明の第一の態様に従うエンコーダが用いられているステージ装置が提供される。
本発明の第五の態様に従えば、本発明の第一の態様に従うエンコーダ又は本発明の第二の態様に従うエンコーダを備える露光装置が提供される。
本発明の態様によれば、検出精度の更なる向上を図ることが可能となる。
第一実施形態に係るエンコーダの全体構成を示す斜視図。 本実施形態に係るエンコーダの一部の構成を示す平面図。 本実施形態に係るエンコーダの一部の構成を示す側面図。 第二実施形態に係る駆動装置の全体構成を示す斜視図。 本実施形態に係るロボット装置の構成を示す模式図。 第三実施形態に係る露光装置の全体構成を示す図。 本実施形態に係る露光装置の一部の構成を示す図。
[第一実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るエンコーダ100の構成を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、エンコーダ100は、いわゆる回折干渉方式のエンコーダであり、光源部10と、ガラスブロック20と、光透過部材30と、インデックス格子(偏向パターン)40と、ハーフミラー(分岐光学系、半透過反射膜)50と、スケール60と、補償格子(第二回折パターン)70と、受光部80と、制御部CONTとを備えている。
エンコーダ100は、所定方向に移動する移動体の移動方向、移動量あるいは変位を検出する光学式エンコーダである。エンコーダ100は、屈折率n1の雰囲気中(例、空気中など)で用いられる。なお、本実施の形態に係るエンコーダの位置関係を説明するため、移動体の移動方向をX軸方向とし、X方向に直交する一方向をY軸方向とし、X軸及びY軸によって形成される平面に垂直な方向をZ軸方向として説明する。
光源部10は、光源11、コリメートレンズ12及び光変調部13を有している。光源11は、例えばレーザ光を射出する発光素子である。光源11は、光変調部13によって波長が周期的に変調されたコヒーレントな光L0を射出する。コリメートレンズ12は、光源11から射出された光L0を平行化し、平行光を射出する。なお、本実施形態において、光源部10は、Z軸方向に対して傾いた方向に光を射出する。
光変調部13は、光源11に供給される駆動電流を所定の変調周波数f(例えば200kHz)で変化させることによって、光源11から射出される光の波長を周期的に変化させる。光変調部13は、例えば、光源11から射出される光の波長λ=850nmを、△λ=±5nm分だけ変化させる。つまり、光変調部13は、光源11から射出される光の波長をλ=845〜855nmの範囲で変化させる。
ガラスブロック20は、コリメートレンズ12とインデックス格子40との間であって、光L0の光路の一部に重なるように配置されている。ガラスブロック20は、例えば石英ガラスなどによって形成されており、所定の屈折率n2(例、ガラスの場合、n2=1.5)を有している。ガラスブロック20は、光L0の進行方向について、所定の寸法Lを有する。
ガラスブロック20により、光L0のうち一部の光路長が変更される。ここで、光路長とは、空間的な距離に屈折率を乗じた光学的距離である。光L0のうちガラスブロック20を透過する成分の光路長は、ガラスブロック20の屈折率n2および厚さLの大きさに応じて長くなる。このため、光L0のうちガラスブロック20を透過せず屈折率n1の雰囲気中を透過する成分(以下、第一光線L1と表記する)の光路長に比べて、ガラスブロック20を透過する成分(以下、第二光線L2と表記する)の光路長は長くなる。このときの光路長差を△Lとすると、
Figure 0006094313
で表される。例えば、L=5mm、n1=1、n2=1.5とした場合、△Lは約1.67(mm)となる。光源11から射出される光の波長λは、変調周波数fで変調されている。この波長λの変化により第一光線L1及び第二光線L2の波数が変化する。
つまり、ガラスブロック20は、光源11からスケール60までの光路としての実質的な距離が等しい第一光線L1及び第二光線L2に対して、第二光線L2の光路上にのみ配置されることにより、第一光線L1と第二光線L2との間で光路長を相対的に変更し、第二光線L2の光路長を、第一光線L1の光路長に比べて長くする。
光透過部材30は、第一光線L1及び第二光線L2の光路上に配置されている。光透過部材30は、例えば石英ガラスなどを用いて角柱状に形成されている。光透過部材30は、例えばY方向に長手となるように形成されている。光透過部材30の−Y側端部は、スケール60の−Y側端辺よりも−Y側に配置されている。光透過部材30の+Y側端部は、スケール60の+Y側端辺よりも+Y側に配置されている。
光透過部材30は、+Z側に向けられた第一面(第一平面部)30aと、−Z側に向けられた第二面(第二平面部)30bとを有している。第一面30aは、第一光線L1及び第二光線L2が入射する入射面となっている。第一面30aは、XY平面に平行であり、平坦に形成されている。第一光線L1及び第二光線L2は、第一面30aの法線方向(Z方向)に対して傾いた方向から第一面30aに入射する。
インデックス格子40は、X方向に所定のピッチで形成された格子状の回折パターンを有する透過型の回折格子である。インデックス格子40は、入射光である第一光線L1及び第二光線L2をそれぞれ回折させ、第一光線L1の±n次回折光及び第二光線L2の±n次回折光を射出する。
インデックス格子40は、光透過部材30の第一面30a上に配置されている。インデックス格子40は、第一面30aのうち例えば−Y側の端部に配置されている。インデックス格子40は、例えばナノインプリントなどの手法によって第一面30aにパターニングされている。
ハーフミラー50は、第一光線L1の少なくとも−1次回折光(第一光:以下、第一回折光と表記する。)L11及び第二光線L2の少なくとも+1次回折光(第二光:以下、第二回折光と表記する。)L12のうちそれぞれの一部ずつを反射し、残りを透過させる。このように、ハーフミラー50は、少なくとも第一回折光L11及び第二回折光L12を、透過方向(第一方向)α1及び反射方向(第二方向)α2に分岐する。ハーフミラー50は、光透過部材30の第二面30b上であって、第一回折光L11及び第二回折光L12の光路上に配置されている。
スケール60は、例えば板状に形成されており、他の構成要素(光源部10、ガラスブロック20、光透過部材30、インデックス格子40、ハーフミラー50、補償格子70及び受光部80)に対して相対的に変位する移動体に固定されている。スケール60は、移動体の移動方向に当該移動体と一体で移動する。スケール60は、ハーフミラー50から射出される光、すなわち、第一回折光L11及び第二回折光L12が入射する入射面60aを有する。
スケール60の入射面60aは、光透過部材30の第二面30bに対向して配置されている。入射面60aには、移動格子(第一回折パターン)61が形成されている。移動格子61は、移動体の移動方向に所定のピッチで形成された格子状の回折パターンを有する反射型の回折格子である。第一回折光L11と第二回折光L12は、移動格子61に入射する際、所定の光照射領域S1に重なるようになっている。つまり、スケール60以外の構成要素である光源部10、ガラスブロック20、光透過部材30、インデックス格子40、ハーフミラー50は、第一回折光L11及び第二回折光L12が移動格子61上の光照射領域S1に重なって入射するように配置されている。
移動格子61の光照射領域S1には、当該第一回折光L11と第二回折光L12との干渉光(第一干渉光)L13が形成されるようになっている。移動格子61は、この干渉光L13を回折させ、回折光を反射して計測光L10として+Z側に射出する。
補償格子70は、X方向に所定のピッチで形成された格子状の回折パターンを有する透過型の回折格子である。補償格子70には、ハーフミラー50で反射された第一回折光L11と第二回折光L12とが光照射領域S2に重なり合うように入射する。このため、補償格子70には、第一回折光L11と第二回折光L12との干渉光(第二干渉光)L14が形成されるようになっている。補償格子70は、この干渉光L14を回折させ、回折光を透過して参照光L20として+Z側に射出する。
補償格子70は、光透過部材30の第一面30a上に配置されている。このため、インデックス格子40及び補償格子70は、同一平面上に配置されている。補償格子70は、インデックス格子40に対して+Y側に並んで配置されている。このため、インデックス格子40及び補償格子70は、第一面30a上においてY方向に隣り合った位置に配置されている。
補償格子70は、インデックス格子40と同様、例えばナノインプリントなどの手法によって第一面30aにパターニングされている。このため、インデックス格子40及び補償格子70を同一工程で形成することができる。また、例えば補償格子70を構成する回折パターンのX方向のピッチは、インデックス格子40を構成する回折パターンのX方向のピッチと同一である。
図2は、光透過部材30及びスケール60を−Z方向に見たときの構成を示す図である。図3は、光透過部材30、スケール60及び受光部80を+X方向に見た時の構成を示す図である。
図2及び図3に示すように、第一光線L1及び第二光線L2は、第一面30aの法線方向(Z方向)に対して所定の角度θ(図3参照)だけ傾いて入射する。このため、第一回折光L11及び第二回折光L12がハーフミラー50に入射する入射領域のY座標は、第一光線L1及び第二光線L2が第一面30aに入射する入射領域のY座標に対して、+Y側にずれている。このため、ハーフミラー50は、第一回折光L11及び第二回折光L12がより確実に入射されるように、インデックス格子40に対して+Y側にずれた位置に配置されている。
同様に、ハーフミラー50によって反射された第一回折光L11及び第二回折光L12が補償格子70に入射する入射領域のY座標は、ハーフミラー50における入射領域のY座標に対して+Y側にずれている。したがって、補償格子70は、ハーフミラー50に対して+Y側にずれた位置に配置されている。なお、図2及び図3に示すように、ハーフミラー50は、Y方向について、インデックス格子40と補償格子70との間に配置されている。
光透過部材30の+Y側端部は、移動格子61から射出された計測光L10の光路上に配置されている。当該光透過部材30の+Y側端部には、第一反射抑制膜(反射抑制層)31及び第二反射抑制膜(反射抑制層)32が形成されている。第一反射抑制膜31は、光透過部材30の第二面30b上であってハーフミラー50の+Y側に配置されている。第一反射抑制膜31は、スケール60で反射した光が第二面30bにおいてスケール60側(−Z側)へ反射されるのを防いでいる。第二反射抑制膜32は、光透過部材30の第一面30a上であって補償格子70の+Y側に配置されている。第二反射抑制膜32は、光透過部材30の内部を通過する光が第一面30aで−Z側(第二面30b側)へ反射されるのを防いでいる。
受光部80は、第一受光素子81、第二受光素子82及び基板83を有している。第一受光素子81は、光透過部材30の第一面30a(第二反射抑制膜32)から射出された計測光L10を受光する。第二受光素子82は、補償格子70から射出された参照光L20を受光する。第一受光素子81及び第二受光素子82は、同一の基板83の表面83a上に配置されている。基板83の表面83aは、例えば光透過部材30の第二面30bと平行である。基板83は、運搬する場合、組み立てる場合、検出動作を行う場合など、通常の使用の範囲においては変形しない程度の剛性を有している。この構成では、第一受光素子81及び第二受光素子82が一体に設けられるため、個別に位置ズレを起こすことが抑制され、検出誤差が低減される。
本実施形態では、計測光L10及び参照光L20は、光透過部材30の第一面30aから互いに平行な方向に射出される。このため、第一受光素子81及び第二受光素子82は、同一方向(例、−Z方向)を向くように並んで配置させることができる。よって、第一受光素子81及び第二受光素子82は、基板83の同一の表面83aに配置可能となっている。
制御部CONTは、光源部10の動作を制御する。また、制御部CONTは、受光部80において変換された計測光L10及び参照光L20の光電変換信号を検出し、検出結果に基づいて位置情報を求める。制御部CONTは、例えば受光部80で得られた電気信号を、変調周波数fで同期検波することで、ノイズの小さい位置情報を求めることが可能となっている。
次に、上記のように構成されたエンコーダ100の動作を説明する。
制御部CONTは、光変調部13を用いて変調させつつ光源11から光L0を射出させる。光源11から射出された光L0は、コリメートレンズ12によって平行化され、光源部10からは平行光が射出される。
この光L0の一部(例えば+X側の半分)は、第一光線L1として光屈折率n1の雰囲気中を進行し、インデックス格子40に入射する。一方、光L0の一部(例えば−X側の半分)は、第二光線L2として光屈折率n2のガラスブロック20の内部を進行して、インデックス格子40に入射する。このとき、第一光線L1と第二光線L2との間には、光路長差△Lが発生する。
インデックス格子40に入射した第一光線L1及び第二光線L2は、それぞれ回折パターンにおいて回折され、±n次回折光として光透過部材30の内部に射出される。光透過部材30の内部に射出された±n次回折光は、光透過部材30の内部を進行し、ハーフミラー50に入射する。
ハーフミラー50に入射した第一光線L1及び第二光線L2の±n次回折光の一部は、ハーフミラー50を透過して光透過部材30の−Z側に射出される。この±n次回折光のうち第一光線L1の−1次回折光と、第二光線L2の+1次回折光とは、スケール60の入射面60aに形成された移動格子61の光照射領域S1に照射される。
第一回折光L11と第二回折光L12との間には位相差が形成されているため、光照射領域S1には、干渉縞が形成される。この干渉縞は、例えばスケール60(移動体)の移動方向(X軸方向)に周期的に変化している。当該干渉縞の周期的な変化は、光変調部13により変調された波長の周期的な変化に基づくものである。
本実施形態では、第二光線L2がガラスブロック20の内部を通過するにより、第一光線L1と第二光線L2との間に上記[数1]で示した光路長差△Lが発生する。このため、移動格子61上で重なる第一回折光L11及び第二回折光L12の位相が変化する。例えば、干渉縞を1周期変化されるのに必要な波長変化△λは、
Figure 0006094313
で表される。例えば、波長λが850nm、△Lが1.67mmの場合、0.432nmの振幅で光源11から射出される光の波長を変調すれば、移動格子61上で発生する干渉縞を1周期変調することができる。このように、移動格子61上に、例えば、移動方向(X軸方向)に所定の周期で変化(又は移動)する干渉縞を得ることができる。この干渉縞は、移動格子61によって回折され、移動格子61で反射され、計測光L10として+Z側に射出される。移動格子61から射出された計測光L10は、光透過部材30の第二面30bから当該光透過部材30の内部に入射し、第一面30aから+Z側に射出される。第二面30bへの入射の際には、当該第二面30bに第一反射抑制膜31が設けられているため、計測光L10の−Z側への反射が抑制される。また、第一面30aからの射出の際には、当該第一面30aに第二反射抑制膜32が設けられているため、計測光L10の−Z側への反射が抑制される。
一方、ハーフミラー50に入射した第一光線L1及び第二光線L2の±n次回折光の別の一部は、ハーフミラー50によって反射され、光透過部材30の内部を+Z側に進行する。この±n次回折光のうち第一光線L1の−1次回折光と、第二光線L2の+1次回折光とは、補償格子70の光照射領域S2に照射される。
ハーフミラー50で反射された第一回折光L11と第二回折光L12との間にも位相差が形成されているため、光照射領域S2においても同様に干渉縞が形成される。この干渉縞は、補償格子70によって回折され、補償格子70を透過し参照光L20として+Z側に射出される。
光透過部材30から射出された計測光L10及び参照光L20は、それぞれ受光素子81及び82に入射する。このとき、計測光L10及び参照光L20は、それぞれ回折光同士が干渉するため、受光素子81には計測光L10の干渉縞が形成され、受光素子82には参照光L20の干渉縞が形成される。受光素子81、82では、それぞれの干渉縞が光電変換され、光電変換信号が生成される。
スケール60がX方向に移動する場合、光照射領域S1に配置される移動格子61の回折パターンがX方向に移動する。このため、移動格子61によって回折されて得られる計測光L10の干渉縞の位相がシフトする。制御部CONTでは、当該干渉縞の位相のシフトを検出することにより、スケール60の移動情報を求めることができる。なお、スケール60が移動する場合であっても、光透過部材30は移動せず、補償格子70も移動しない。このため、参照光L20の干渉縞の位相は、スケール60の移動によっては変化しない。
なお、計測光L10における干渉縞の位相の変化は、移動格子61の回折パターンが変化する場合だけではなく、例えば光L0の波長の変調中心がドリフトする場合や、光学系の寸法が変化する場合、温度変化等の外乱により組み立て調整状態に変化が生じた場合であっても生じる。
このため、例えば光L0の波長の変調中心がドリフトしたり、光学系の寸法が変化したり、温度変化等の外乱により組み立て調整状態に変化が生じたりすると、スケール60が移動していない場合であっても、あたかもスケール60がX方向に移動したかのように干渉縞の位相がシフトする。このため、計測光L10の検出だけでは検出結果に誤差が含まれる場合がある。
一方、参照光L20においても、干渉縞の位相の変化は、光L0の波長の変調中心がドリフトする場合や、光学系の寸法が変化する場合、温度変化等の外乱により組み立て調整状態に変化が生じた場合に生じる。計測光L10及び参照光L20の光路は、光源部10からガラスブロック20、インデックス格子40、光透過部材30を経てハーフミラー50に至るまで同一である。このため、光源部10からハーフミラー50までの間に受ける外乱の影響は、計測光L10と参照光L20とで同一である。
このように、外乱による干渉縞の位相の変化は、計測光L10と参照光L20とで同一である。したがって、制御部CONTは、計測光L10の干渉縞から検出される光電変換信号と、参照光L20から検出される光電変換信号との差分をとることにより、外乱の影響がキャンセルされた検出結果を得ることができる。
しかも、本実施形態では、インデックス格子40と補償格子70とが1つの部材で構成された光透過部材30に固定されているため、光学系の寸法が変化した場合であっても、インデックス格子40及び補償格子70に発生する位置や寸法の変化は同一となる。このため、インデックス格子40を介した光が補償格子70に到達するまでの間において、外乱による位相変化の影響が低減されることになる。
以上のように、本実施形態に係るエンコーダ100は、光を平行に射出する光源部10と、光源部10から射出される光を第一回折光L11及び第二回折光L12に偏向するインデックス格子40と、第一回折光L11及び第二回折光L12を互いに異なる透過方向α1及び反射方向α2にそれぞれ分岐するハーフミラー50と、所定方向(X方向)に沿って周期的に形成された移動格子61を有し、透過方向α1に偏向された第一回折光L11及び第二回折光L12による干渉光L13が移動格子61に入射するように配置されたスケール60と、X方向に沿って周期的に形成され、反射方向α2に偏向された第一回折光L11及び第二回折光L12による干渉光L14が入射する位置に配置された補償格子70と、移動格子61から射出された計測光L10と、補償格子70から射出された参照光L20とをそれぞれ受光する受光部80とを備える。この構成により、光L0の波長の変調中心がドリフトする場合や、温度変化等の外乱により組み立て調整状態に変化が生じた場合であっても、外乱による位相変化の影響をキャンセルすることができる。
しかも、本実施形態では、インデックス格子40と補償格子70とが1つの部材で構成された光透過部材30に固定されているため、光学系の寸法が変化する場合であっても、インデックス格子40及び補償格子70に発生する位置や寸法の変化は同一となる。このため、インデックス格子40を介した光が補償格子70に到達するまでの間において、外乱による位相変化の影響が低減されることになる。これにより、検出精度の更なる向上を図ることが可能となる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。以下、第一実施形態と同一の構成要素については、説明を省略あるいは簡略化する。
図4は、本実施形態に係る駆動装置MTRの構成を示す斜視図である。
図4に示すように、駆動装置MTRは、駆動部であるモータ本体201と、当該モータ本体201の駆動によって回転する回転軸202と、当該回転軸202の回転情報を検出するエンコーダ200とを備えている。
エンコーダ200は、回転軸202に固定されたスケール260と、当該スケール260と相対的に移動する検出部270と、制御部CONT2とを有している。なお、エンコーダ200は、スケール260が回転軸202の回転方向に移動し、検出部270が固定された構成である。
検出部270は、光源部10と、ガラスブロック20と、光透過部材30と、インデックス格子(偏向パターン)240と、ハーフミラー(分岐光学系)50と、スケール260と、補償格子(第二回折パターン)275と、受光部80とを有している。インデックス格子240、スケール260及び補償格子275の構成は第一実施形態とは異なっている。他の構成は、第一実施形態と同一である。
スケール260は、回転軸202の端部に固定されている。スケール260は、回転軸202を中心軸として当該回転軸202と一体的に回転する。スケール260は、例えば金属材料や樹脂材料、ガラス材料などを用いて形成されている。スケール260は、平坦に形成されたパターン面260aを有する。パターン面260aは、例えば鏡面加工された状態となっている。
パターン面260aには、移動格子261が形成されている。移動格子261は、例えばスケール260の円周方向に沿って所定のピッチで形成された回折パターンを有する反射型の回折格子である。
また、本実施形態では、インデックス格子240及び補償格子275は、移動格子261と同一の回折パターンを有するように形成されている。例えば、インデックス格子240においては、第一光線L1が入射する第一インデックス格子241と、第二光線L2が入射する第二インデックス格子242とが設けられている。第一インデックス格子241と第二インデックス格子242とは、例えばX方向に並んで配置されている。第一インデックス格子241、第二インデックス格子242及び補償格子275は、図4に示すように、それぞれ移動格子261の一部を切り取った状態(例、扇形など)に形成されている。
この構成において、光源部10から射出された光L0は、ガラスブロック20によって第一光線L1及び第二光線L2に分けられるようになっている。第一光線L1及び第二光線L2は、第一インデックス格子241及び第二インデックス格子242によって第一回折光L11及び第二回折光L12に偏向されるようになっている。また、ハーフミラー50によって第一回折光L11及び第二回折光L12の一部が透過方向(α1:図1等参照)に射出され、一部が反射方向(α2:図1等参照)に射出されるようになっている。また、反射方向に射出された第一回折光L11及び第二回折光L12が、補償格子270上の光照射領域S2に干渉光L14として照射され、参照光L20として射出されるようになっている。また、補償格子270から射出された参照光L20は、受光部80の第二受光素子82に入射するようになっている。
また、第一回折光L11及び第二回折光L12は、移動格子261に入射する際、光照射領域S3に重なって入射するようになっている。つまり、スケール260以外の構成要素である光源部10、ガラスブロック20、光透過部材30、第一インデックス格子241及び第二インデックス格子242、ハーフミラー50は、第一回折光L11及び第二回折光L12が移動格子261上の光照射領域S3に重なって入射するように配置されている。
本実施形態において、光照射領域S3は、移動格子261を構成する格子の長手方向がY方向に平行となる位置に形成されるようになっている。このとき、当該光照射領域S3において、スケール260が回転する場合の回折パターンの変化は、回折パターンがX方向に平行移動する場合と同等となる。光照射領域S3と光照射領域S2との間で、回折条件を近似させることができる。このため、移動格子261が回転方向に所定のピッチで形成されており、補償格子70が直線方向(X方向)に所定のピッチで形成された場合であっても、所期の検出結果を得ることができる。これにより、回折干渉方式の構成を回転型のエンコーダ200に適用することができる。
次に、上記のように構成されたエンコーダ100の適用例として、ステージ装置の構成を説明する。
図5は、上記実施形態に記載のエンコーダ100A、100Bを備えるステージ装置150の構成を示す図である。
同図に示すように、ステージ装置150は、ステージ本体(ステージ)151と、駆動部152と、エンコーダ100A、100Bと、制御部153とを備えている。ステージ本体151は、構造物を支持可能な支持面151aを有している。ステージ本体151は、図5においては直方体状(矩形状)に形成された構成が示されているが、これに限られることはなく、例えば円柱状(円形状)や他の多角柱状(多角形状)など、他の形状であってもよい。
駆動部152は、ステージ本体151をX方向及びY方向に移動させることが可能である。駆動部152としては、例えばリニアモータ機構や平面モータ機構、エアシリンダ機構、油圧機構などの自動制御機構を用いることができる。なお、駆動部152として、手動でステージ本体151を移動させる機構が設けられていてもよい。また、駆動部152が設けられず、ステージ本体151を直接移動させる構成であってもよい。また、ステージ本体151の移動方向としては、X方向及びY方向に限られることはなく、Z方向であってもよいし、θX方向、θY方向、θZ方向であってもよい。
エンコーダ100A、100Bは、第一実施形態に記載のエンコーダ100とほぼ同一構成となっている。相違点としては、例えばエンコーダ100A、100Bが共通の制御部153を有していることが挙げられる。他の構成については、第一実施形態のエンコーダ100と同一である。なお、ステージ本体151の移動方向がθX方向、θY方向、θZ方向である場合には、第二実施形態に記載のエンコーダ200を用いることができる。
支持面151aには、エンコーダ100A、100Bの一部を構成するスケール60が埋め込まれている。なお、スケール60が支持面151aに載置された構成であってもよい。また、スケール60に形成される回折パターン(移動格子61)が支持面151aに直接形成された構成であってもよい。
エンコーダ100Aのスケール60は、X方向に沿って回折パターンが形成されている。このため、エンコーダ100Aは、X方向の移動を検出可能である。エンコーダ100Bのスケール60は、Y方向に沿って回折パターンが形成されている。このため、エンコーダ100Bは、Y方向の移動を検出可能である。なお、エンコーダ100A、100Bのうち一方を省略した構成としてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、外乱による位相変化の影響をキャンセルすることが可能であり、検出精度に優れたエンコーダ100A、100Bを備えるため、高精度が移動制御が可能なステージ装置150を得ることができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図6は、本実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、例えば液体(第1液体)LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。本実施形態の露光装置EXは、例えば工場などに設置されて用いられる。
図6において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ301と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ302と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材C及び計測器を搭載して移動可能な計測ステージ303と、マスクステージ301を移動する駆動システム304と、基板ステージ302を移動する駆動システム305と、計測ステージ303を移動する駆動システム306と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材307と、露光装置EX全体の動作を制御する制御部CONT3とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射抑制膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ301は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材309のガイド面309G上を移動可能である。駆動システム304は、ガイド面309G上でマスクステージ301を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、マスクステージ301に配置された可動子と、ベース部材309に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、マスクステージ301は、駆動システム304の作動により、ガイド面309G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
基板ステージ302は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材310のガイド面310G上を移動可能である。計測ステージ303は、計測部材C及び計測器を搭載した状態で、投影領域PRを含むベース部材310のガイド面310G上を移動可能である。
基板ステージ302を移動するための駆動システム305は、ガイド面310G上で基板ステージ302を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、基板ステージ302に配置された可動子と、ベース部材310に配置された固定子とを有する。同様に、計測ステージ303を移動するための駆動システム306は、平面モータを含み、計測ステージ303に配置された可動子と、ベース部材310に配置された固定子とを有する。
本実施形態において、マスクステージ301、基板ステージ302、及び計測ステージ303の位置情報は、レーザ干渉計ユニット311A、311Bを含む干渉計システム311によって計測される。レーザ干渉計ユニット311Aは、マスクステージ301に配置された計測ミラー301Rを用いて、マスクステージ301の位置情報を計測可能である。レーザ干渉計ユニット311Bは、基板ステージ302に配置された計測ミラー302R、及び計測ステージ303に配置された計測ミラー303Rを用いて、基板ステージ302及び計測ステージ303それぞれの位置情報を計測可能である。また、基板ステージ302については、エンコーダ300を用いた位置検出が可能である。
図6に示すように、検出部370は、基板ステージ302の+Z側に配置されている。検出部370は、光源部10と、ガラスブロック20と、光透過部材30と、インデックス格子(偏向パターン)40と、ハーフミラー(分岐光学系)50と、スケール360と、補償格子(第二回折パターン)70と、受光部80とを有している。これら各部の構成は、第一実施形態と同一である。なお、図6においては、エンコーダ300は、基板ステージ302のX方向への移動を検出する構成となっているが、これに限られることは無い。例えば、エンコーダ300と同一構成のエンコーダが、基板ステージ302のY方向への移動を検出可能となるように配置されていてもよい。また、エンコーダ300と同一構成のエンコーダが、マスクステージ301のX方向及びY方向の少なくとも一方への移動を検出可能となるように設けられてもよい。
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御部CONT3は、干渉計システム311及びエンコーダ300の少なくとも一方の計測結果に基づいて、駆動システム304,305,306を作動し、マスクステージ301(マスクM)、基板ステージ302(基板P)、及び計測ステージ303(計測部材C)の位置制御を実行する。
液浸部材307は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間(第1液浸領域)LSを形成可能である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。液浸部材307は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子312の近傍に配置される。本実施形態において、液浸部材307は、環状の部材であり、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態においては、液浸部材307の少なくとも一部が、終端光学素子312の周囲に配置される。
終端光学素子312は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面313を有する。本実施形態において、液浸空間LSは、終端光学素子312と、終端光学素子312から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)に配置される物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように形成される。本実施形態において、投影領域PRに配置可能な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子312の射出面313側)で投影領域PRに移動可能な物体であり、基板ステージ302、基板ステージ302に保持された基板P、及び計測ステージ303の少なくとも一つを含む。もちろん、投影領域PRに配置可能な物体は、基板ステージ302、基板ステージ302に保持された基板P、及び計測ステージ303の少なくとも一つに限られない。
本実施形態において、液浸部材307は、投影領域PRに配置される物体と対向可能な下面314を有する。液浸部材307は、投影領域PRに配置される物体との間で液体LQを保持することができる。液浸部材307は、射出面313から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、投影領域PRに配置される物体との間で液体LQを保持可能である。投影領域PRに移動可能な物体は、射出面313から射出される露光光ELの光路が液体LQで満たされるように、終端光学素子312及び液浸部材307との間で液体LQを保持可能である。一方側の射出面313及び下面314と、他方側の物体の表面(上面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子312と物体との間の露光光ELの光路が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)の少なくとも一部は、液浸部材307の下面314と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
図7は、基板ステージ302の上面の構成を示す図である。
基板ステージ302には、エンコーダシステムのスケール360が設けられている。スケール360には、移動格子361が形成されている。移動格子361は、所定方向(X方向又はY方向)に所定のピッチで配置された回折パターンを有する反射型の回折格子である。
本実施形態によれば、光源部10から射出される光の波長の変調中心がドリフトする場合や、温度変化等の外乱により組み立て調整状態に変化が生じた場合であっても、外乱による位相変化の影響をキャンセルすることができる。また、インデックス格子40と補償格子70とが1つの部材で構成された光透過部材30に固定されているため、光学系の寸法が変化する場合であっても、インデックス格子40及び補償格子70に発生する位置や寸法の変化は同一となる。このため、インデックス格子40を介した光が補償格子70に到達するまでの間において、外乱による位相変化の影響が低減されることになる。これにより、基板ステージ302のX方向及びY方向における移動を高精度に検出することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、インデックス格子40と補償格子70とが同一平面状に配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えばインデックス格子40と補償格子70とが光透過部材30の異なる面に設けられた構成であってもよい。
また、直線方向(例、X方向)に移動可能な移動子と、当該移動子を駆動する駆動部と、移動子の移動情報を検出するエンコーダとを備える駆動装置において、エンコーダとして例えば上記第一実施形態において説明したエンコーダ100を適用してもよい。この場合、移動子にスケール60を固定させればよい。
また、上記実施形態においては、スケール60、260、360に設けられた移動格子61、261、361が反射型の回折格子である場合を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、透過型の回折格子であってもよい。この場合、第一受光素子81をスケール60、260、360の−Z側に配置させればよい。あるいは、第一受光素子81及び第二受光素子82を同一基板に配置させる場合、リレー系によって第一受光素子81に導光すればよい。
CONT…制御部 L1…第一光線 L2…第二光線 L10…計測光 L20…参照光 L11…第一回折光 L12…第二回折光 L13…干渉光 L14…干渉光 α1…透過方向 α2…反射方向 S1、S2、S3…光照射領域 MTR…駆動装置 EX…露光装置 10…光源部 11…光源 13…光変調部 20…ガラスブロック 30…光透過部材 31…第一反射抑制膜 32…第二反射抑制膜 40、240…インデックス格子 50…ハーフミラー 60、260、360…スケール 61、261、360…移動格子 70、275…補償格子 80…受光部 81…第一受光素子 82…第二受光素子 83…基板 100、100A、100B、200、300…エンコーダ 30a…第一面 30b…第二面 150…ステージ装置

Claims (18)

  1. 光を平行に射出する光源部と、
    少なくとも1つの部材で形成され、前記光源部から射出される前記光の光路上に配置され、前記光を透過可能な光透過部材と、
    前記光透過部材の表面に配置され、前記光源部から射出される前記光を第一光及び第二光に偏向する偏向パターンと、
    前記第一光及び前記第二光を互いに異なる第一方向及び第二方向にそれぞれ分岐する分岐光学系と、
    所定方向に沿って周期的に形成された第一回折パターンを有し、前記第一方向に偏向された前記第一光及び前記第二光による第一干渉光が前記第一回折パターンに入射するように配置されたスケールと、
    前記所定方向に沿って周期的に形成され、前記光透過部材の表面のうち前記第二方向に偏向された前記第一光及び前記第二光による第二干渉光が入射する位置に配置された第二回折パターンと、
    前記第一回折パターンを介した前記第一干渉光と、前記第二回折パターンを介した前記第二干渉光とをそれぞれ受光する受光部と
    を備え
    前記光透過部材は、前記光源部に対向する平面が形成された第一平面部を有し、
    前記偏向パターン及び前記第二回折パターンは、前記第一平面部に設けられている
    エンコーダ。
  2. 前記偏向パターンは、前記光を回折する回折パターンを有する
    請求項1に記載のエンコーダ。
  3. 前記偏向パターン及び前記第二回折パターンは、前記所定方向に直交する方向に並んで配置されている
    請求項1又は請求項2に記載のエンコーダ。
  4. 前記分岐光学系は、前記光透過部材に設けられている
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のエンコーダ。
  5. 前記光透過部材は、前記第一平面部に平行な平面が形成された第二平面部を有し、
    前記分岐光学系は、前記第二平面部に設けられている
    請求項4に記載のエンコーダ。
  6. 前記分岐光学系は、半透過反射膜を有する
    請求項5に記載のエンコーダ。
  7. 前記第二平面部は、前記スケールに対向して配置されている
    請求項5又は請求項6に記載のエンコーダ。
  8. 前記第一平面部及び前記第二平面部は、前記第一回折パターンを介した前記第一干渉光の光路上に配置されている
    請求項7に記載のエンコーダ。
  9. 前記第二平面部のうち前記第一干渉光が入射する領域には、反射抑制層が形成されている
    請求項8に記載のエンコーダ。
  10. 前記第一平面部のうち前記第一干渉光が射出される領域には、第二反射抑制層が形成されている
    請求項8又は請求項9に記載のエンコーダ。
  11. 前記分岐光学系から射出される前記第一光及び前記第二光の射出方向は、前記スケールの表面に対して傾斜している
    請求項7から請求項10のうちいずれか一項に記載のエンコーダ。
  12. 前記受光部は、
    前記第一平面部に対向して配置された基板と、
    前記基板のうち前記第一平面部との対向面に配置され、前記第一干渉光を受光する第一受光部と、
    前記対向面に配置され、前記第二干渉光を受光する第二受光部と
    を有する
    請求項7から請求項11のうちいずれか一項に記載のエンコーダ。
  13. 前記光源部は、前記光の波長を周期的に変化させる波長変調部を有する
    請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載のエンコーダ。
  14. 前記所定方向は、円周方向に沿った方向である
    請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載のエンコーダ。
  15. 波長を周期的に変化させた光を平行に射出する光源部と、
    少なくとも1つの部材で形成され、前記光源部から射出される前記光の光路上に配置され、前記光を透過可能な光透過部材と、
    前記光透過部材の表面に配置され、前記光源部から射出される前記光を第一光及び第二光に偏向する偏向パターンと、
    前記光の光路のうち前記光源部と前記偏向パターンとの間に配置され、前記偏向パターンに入射する前記第一光と前記第二光との間に光路長差を形成するガラスブロックと、
    光路長差が形成された前記第一光及び前記第二光を互いに異なる第一方向及び第二方向にそれぞれ分岐する分岐光学系と、
    所定方向に沿って周期的に形成された第一回折パターンを有し、前記第一方向に偏向された前記第一光及び前記第二光による第一干渉光が前記第一回折パターンに入射するように配置されたスケールと、
    前記所定方向に沿って周期的に形成され、前記光透過部材の表面のうち前記第二方向に偏向された前記第一光及び前記第二光による第二干渉光が入射する位置に配置された第二回折パターンと、
    前記第一回折パターンを介した前記第一干渉光と、前記第二回折パターンを介した前記第二干渉光とをそれぞれ受光する受光部と
    を備え
    前記光透過部材は、前記光源部に対向する平面が形成された第一平面部を有し、
    前記偏向パターン及び前記第二回折パターンは、前記第一平面部に設けられている
    エンコーダ。
  16. 移動子と、
    前記移動子を駆動する駆動部と、
    前記移動子に設けられ、前記移動子の移動情報を検出するエンコーダと
    を備え、
    前記エンコーダとして、請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載のエンコーダが用いられている
    駆動装置。
  17. 移動可能なステージと、
    前記ステージに設けられ、前記ステージの移動情報を検出するエンコーダと
    を備え、
    前記エンコーダとして、請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載のエンコーダが用いられている
    ステージ装置。
  18. 請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載のエンコーダを備える
    露光装置。
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