JP6092172B2 - 溶射材料 - Google Patents

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Description

本発明は、金属の酸化発熱反応を利用した工業窯炉等の補修に使用される溶射材料に関する。
工業窯炉や溶融金属容器等においては、その使用に伴って、耐火物からなる内張り等に損傷が発生する。このような損傷に対しては、適宜、補修が実施される。例えば、製鉄所のコークス炉は建設してから20年以上のものが多く、特に、炭化室の壁は補修を繰り返しながら操業を継続している。
操業を継続しながら補修を実施する技術として溶射補修法がある。この溶射補修法には、例えば、プラズマ溶射、レーザー溶射、火炎溶射がある。しかしながら、これらの溶射法には大掛かりな装置が必要である。そのため、近年、比較的簡易な装置で実現可能な、金属の酸化発熱反応を利用した溶射法も利用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この溶射法では、金属粉末(燃焼剤)と耐火性粉末の混合物(溶射材料)を酸素で搬送し、高熱の補修面に吹き付ける。
例えば、特許文献1は、混合物として溶射する粒体の粒子径を、耐火性粒体(シリマナイト、ムライト、ジルコン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等)の80%及び20%粒径の平均が酸化性粒体(シリコン、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム等)の80%及び20%粒径の平均よりも大きく、耐火性粒体の粒径分布範囲率が1.2以上になるようにした溶射材料を開示している。この溶射材料によれば、信頼性及び堅牢性を向上させることができ、高い耐久性を有する耐火性溶着層が実現できるとされている。また、耐火性材料の少なくともいくつかを、ケルビン温度において、温度がその融点の0.7倍を越える前に着火させることで耐火性材料の結晶構造を改善し高品質の溶射耐火性溶着層が形成できるとされている。
また、特許文献2は、耐火原料粉(マグネシア質粉3〜30質量%、シリカ質粉50〜90質量%)と金属Si粉5〜30質量%を含み、化学成分値で組成全体に占めるMgO成分を1〜25質量%とした溶射材料を開示している。さらに、特許文献3は、耐火原料粉(CaO含有量75質量%超のカルシア質粉2〜25質量%、シリカ質粉50〜90質量%)と金属Si粉5〜30質量%を含む溶射材料を開示している。これらの技術では、マグネシア質粉やカルシア質粉との反応によってシリカ質粉の溶融が促進され、付着性及び接着性が向上するとされている。
一方、上述の溶射材料による補修対象の1つであるコークス炉炭化室は、コークスを押出す際に扉を開閉するため、その扉近くでは、例えば、900℃〜1300℃間で炉内温度が変動する。また、炭化室を補修する際には扉を長時間開放するため、炉内温度が400℃近くまで低下することもある。このような大きな温度変動に曝される部位では、被施工体である炉壁の熱膨張率と補修に使用される溶射施工体の熱膨張率が大きく異なると、温度変動によって溶射施工体が炉壁から剥離損耗してしまう。そのため、被施工体である炉壁の熱膨張率と同等の熱膨張率を有する溶射施工体を使用することにより耐用性を確保する必要がある。
また、金属の酸化発熱反応を利用した溶射に使用される溶射材料は、金属粉末の酸化により生成される酸化物(結合相)や一部溶融した耐火性粉末がガラス質になっている。このような施工体に含まれるガラス質は、補修施工後の使用中に徐々に結晶化が進行する。この結晶化は膨張を伴うため、施工体が被施工体の補修面から剥離損耗してしまう。
その対策として、結晶化促進剤を添加し、溶射後速やかに結晶化させること技術が採用されている。例えば、特許文献4は、耐火性粉末(珪石れんがの2000μm以下の粉砕粉が主成分)と酸化性粉体である金属粉末(金属シリコン)とを含有する溶射材料において、結晶化促進剤としてリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩の1種又は複数を溶射材料に対して外掛けで0.3〜5重量%添加すること、及び着火促進剤として、発火点が300〜800℃の炭素系粉末(コークス粉、木炭粉、コーンスターチ粉など)又は金属粉末(鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉など)を溶射材料に対して外掛けで0.3〜5重量%添加することを開示している。この溶射材料によれば、コークス炉の炭化室に使用されている珪石れんがと補修材の熱膨張率を近似させることができるため、長期間使用時のれんが面からの剥離損耗を抑制できるとされている。また、結晶化促進剤の添加により溶射と同時に結晶化させることができるため、溶射施工完了後の使用中に材料が膨張を伴って結晶化することを防止でき、れんがと補修材の接着強度低下を防止できるとされている。
また、特許文献5は、結晶化促進剤としてリチウム塩(リチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩)を溶射材料に対して外掛けで、酸化物換算で0.3〜1.0質量%添加すること、着火促進剤として金属粉末(鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉等)を溶射材料に対して外掛けで1.5質量%未満添加すること、及び燃焼補助剤として金属酸化物(酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅)を溶射材料に対して外掛けで0.3〜2.0質量%添加することを開示している。この溶射材料によれば、分解時に吸熱して燃焼効率を低下させる硫酸リチウムのようなアルカリ金属塩を結晶化促進剤として添加していても、多量の着火促進剤を添加することなく着火性と燃焼継続性が確保できるため、安全性を確保できるとされている。
特開昭61−275170号公報 特開2006−098029号公報 特開2006−151771号公報 特開2009−120406号公報 特開2012−188345号公報
上述した従来の溶射材料では、結晶化を促進するために、溶射材料にアルカリ金属イオン源が添加される。このようなアルカリ金属イオン源には、特許文献4及び5が開示するように、爆発等の危険性のない安全な化合物であり、工業的にも入手が容易な、塩化アルカリ、炭酸アルカリ、硫酸アルカリ等のアルカリ金属塩が利用されている。しかしながら、アルカリ金属塩は分解時に吸熱するため、400℃程度に温度が低下した扉付近の補修では、アルカリ金属塩を含む溶射材料では、着火が困難であったり、着火した場合でも燃焼の継続が困難であったりする。これに対し、特許文献5は、金属酸化物粉末からなる燃焼補助剤を添加することで、着火性と燃焼継続性とを確保している。しかしながら、特定の条件下では付着性が低下することがあり、その効果は十分に満足できるものではない。
本発明は、上記従来の事情を鑑みて提案されたものであって、アルカリ金属塩を添加することなく点火性及び燃焼継続性を確保し、かつ耐用性と安全性に優れる溶射材料を提供することを目的とする。
本願発明者らは、まず、従来の結晶化促進剤について考察した。上述のように、従来、結晶化促進剤として、アルカリ金属イオン源が溶射材料に添加されている。アルカリ金属イオンのうち、リチウムイオンは高い結晶化促進効果を得ることができる。これは、イオン半径が小さいためシリカネットワーク内での移動が起こり易く、シリカネットワーク切断による結晶化促進効果が高いためと考えられる。
このようなアルカリ金属イオン源には、特許文献5が開示するように、爆発などの危険性のない安全な化合物であり、工業的にも入手が容易なアルカリ金属塩が利用されてきた。ここでいう塩とは、酸由来の陰イオンと塩基由来の陽イオンとの化合物であるが、従来の結晶化促進剤は高温で熱分解し、陽イオン由来のLiOは残留するのに対し、酸由来の陰イオンは揮発、気散していた。このように、アルカリ金属塩は受熱により分解して吸熱するため、400℃程度に温度が低下した扉付近の補修においては、アルカリ金属塩を含む溶射材料を使用すると、着火が困難であったり、着火した場合でも燃焼の継続が困難であったりした。
これに対し、特許文献5では、金属からなる着火促進剤と金属酸化物からなる燃焼補助剤を併用することにより着火性、燃焼継続性を向上させているが、特定の条件下では、アルカリ金属塩の分解時の吸熱に起因して付着率の低下が確認された。
以上の考察から、本願発明者らは、リチウムイオン源として、Liを含有するとともに、熱分解を起こさない化合物であれば、吸熱を発生させることなく溶射によって溶融し、リチウムイオン源として働かせることができるのではないかと考えた。そして、このようなリチウムイオン源の1つとして、リチウムを含有する珪酸塩鉱物に着目した。珪酸塩鉱物には、例えば、スポジュメン(LiAlSi)やペタライト(LiAlSi10)等がある。
しかしながら、スポジュメンやペタライトは組成中にアルミニウムを含有するため、Alが生成されて膨張特性が被補修面の珪石れんがと乖離することで、剥離損耗することが懸念された。そこで、本願発明者らは、実際に、スポジュメンを添加し、結晶化促進効果と、熱膨張特性の珪石れんがとの一致を検証した。その結果、結晶化促進剤として利用可能であり、また、リチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩を添加した場合と比較して付着率が向上することを見出した。また、結晶化促進効果が、特許文献5に示すリチウム塩(リチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩)のLiO換算での添加量より少量で発揮することを見出した。
本願発明者らは、以上のようにして得られた新たな知見に基づいて本発明に至った。まず。本発明は、珪石、珪石れんが粉、溶融シリカ、シャモット、コージエライトの1種又は2種以上からなる耐火性粉末と金属粉末を主原料とし、酸素とともに吹き付けて被補修面を補修する溶射法に使用する溶射材料を前提としている。そして、本発明に係る溶射材料は、結晶化促進剤であるアルカリ金属イオン源として、リチウムを含有する珪酸塩又はリチウムを含有する珪酸塩鉱物を主原料に対して、外掛けで、Li2O換算で0.2〜0.7質量%添加し、かつアルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の硫酸塩の添加量が主原料に対して、外掛けで、0.2質量%未満であって、その他のアルカリ金属塩を含まないことを特徴とする。
上記主原料は、耐火性粉末及び金属シリコン粉末を含むことができる。この場合、耐火性粉末を主原料の全量に対して80〜90質量%、金属シリコン粉末を主原料の全量に対して10〜20質量%とすることができる。
また、点火促進剤として、鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉、マグネシウム粉、チタン粉、あるいはこれらの合金の粉末から選ばれる1種又は2種以上を、さらに添加することもできる。この場合、添加量は、主原料の全量に対して外掛けで0.1〜1.5質量%とすることが好ましい。
さらに、燃焼補助剤として、遷移金属酸化物を、さらに添加することもできる。この場合、添加量は、主原料の全量に対して外掛けで0.3〜2.0質量%とすることが好ましい。なお、燃焼補助剤は、酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅から選ばれる1種又は2種以上とすることができる。
本発明によれば、主原料に添加した、リチウムを含有する珪酸塩、リチウムを含有する珪酸塩鉱物は結晶化を促進するが、リチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩のように熱分解による燃焼阻害を起こすことはない。その結果、結晶化促進剤としてリチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩を添加した場合に比較して付着率が向上し、作業を効率化することができる。また、従来に比べて、点火性、燃焼継続性、耐用性、安全性が低下することもない。
本発明に係る溶射材料は、耐火性粉末と、燃焼剤としての金属粉末との混合物(以下、耐火性粉末と金属粉末との混合物を主原料という。)に、特性を制御するための添加物を添加することで構成される。本発明では、結晶化促進剤として、Li(リチウム)を含有する珪酸塩(以下、Li含有珪酸塩という。)又はLiを含有する珪酸塩鉱物(以下、Li含有珪酸塩鉱物という。)が添加される。Li含有珪酸塩又はLi含有珪酸塩鉱物を適当量添加することで、結晶化促進効果を得ることができる。また、結晶化促進剤としてLi含有珪酸塩、Li含有珪酸塩鉱物を添加した場合、結晶化促進剤としてリチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩を添加した場合と比較して付着率が向上する。
Li含有珪酸塩としては、例えば、珪酸リチウムを使用することができる。また、Li含有珪酸塩鉱物としては、例えば、スポジュメン(LiAlSi)、ペタライト(LiAlSi10)、ユークリプタイト(LiAlSiO)、レピドライト(LiKAlSi)等を使用することができる。これらの中でも、スポジュメン、ペタライトは工業的に比較的安価に入手可能であり、経済的である。なお、これらの、Li含有珪酸塩、Li含有珪酸塩鉱物は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
結晶化促進剤の添加量は、酸化物(LiO)換算で、主原料の全量に対して外掛けで0.2〜0.7質量%(0.2質量%以上かつ0.7質量%以下)である。より好ましくは、0.24〜0.45質量%(0.24質量%以上かつ0.45質量%以下)である。ここで、主原料の全量は、耐火性粉末と金属粉末とからなる100質量%の混合物を意味する。
添加量がLiO換算で0.2質量%未満であると、十分な結晶化促進効果が得られないため好ましくない。一方、添加量がLiO換算で0.7質量%を超えると、融液中のアルカリ濃度が高くなることで粘性が低下して溶射体が流下するため好ましくない。また、添加量がLiO換算で0.7質量%を超えると、Li含有珪酸塩に不可避的に含有されるアルミニウムに起因して、溶射層と被補修面の珪石れんがとの熱膨張率の乖離が次第に顕著となるので好ましくない。Liを含有する結晶化促進剤の粒径は特には限定されないが、溶射時に速やかに融解して結合相と混ざるためには最大粒子径が1.0mm以下とすることが望ましい。
以下、結晶化促進剤以外の成分について詳述する。
(耐火性粉末)
上述のように、本発明に係る溶射材料は、耐火性粉末と金属粉末の混合物に、特性を制御するための添加物を添加することで構成される。当該耐火性粉末には、珪石、珪石れんが粉、溶融シリカ、シャモット、コージエライト等を用途に応じて用いることができる。
特に限定されないが、耐火性粉末の最大粒子径は2000μmであることが好ましい。最大粒子径が2000μmより大きいと、施工時に大きい粒子が跳ね返るため被施工体への付着が困難となり、溶射効率が低下するからである。
(金属粉末)
本発明に係る溶射材料では、燃焼剤としての金属粉末が配合される。燃焼剤は、燃焼後に上述の耐火性粉体を結合する結合相を形成する酸化物となる。例えば、補修対象である被施工体がシリカ主体である珪石れんがからなる場合、当該燃焼剤として金属シリコン粉末を使用することができる。
主原料となる耐火性粉末と金属シリコン粉末の混合物の全量を100質量%としたとき、金属シリコン粉末の添加量は10〜20質量%(10質量%以上かつ20質量%以下)であり、好ましくは13〜17質量%(13質量%以上かつ17質量%以下)である。
添加量が10質量%より少ないと、燃焼反応が弱くなり燃焼の継続性と被施工体への付着が著しく悪化するため、溶射材料として成立しない。また、添加量が20質量%を超えると、燃焼による発熱量が多く高温になりすぎる。その結果、溶射した材料の粘性が低下して溶射した材料が被施工体から流れ落ちてしまい良好な施工体を得ることができなくなるため、溶射材料として成立しない。金属シリコン粉末に含まれる金属Si成分の質量割合(Si純度)は90%以上であることが好ましい。Si純度が低い場合、シリカの結晶化を阻害するアルミニウムなどの元素が多く含まれることになるため好ましくない。なお、主原料の金属シリコン粉末以外の残部は耐火性粉末である。
金属粉末の粒子径は、溶射材料全体において、75μm以上が5質量%以下、20μm以下が3〜14質量%(3質量%以上かつ14質量%以下)、残部を20〜75μm(20μmより大きく、かつ75μm以下)とすることが好ましい。より好ましくは、75μm以上が3.0質量%以下、20μm以下が5〜12質量%(5質量%以上かつ12質量%以下)である。粒子径が75μm以上の金属粉末は、燃焼反応が弱く、配合量が多くなると燃焼継続性が低下するため、5質量%以下とすることが好ましい。20μm以下の金属粉末が3質量%未満である場合も、燃焼反応が弱くなり燃焼継続性が低下するため好ましくない。20μm以下の金属粉末が14質量%を超えると、粉体流動性が低下して脈動を引き起こして逆火の危険性が大きくなるため好ましくない。
(点火促進剤)
本発明に係る溶射材料では、金属シリコン粉末の酸化反応に必要な初期の熱量を補助する機能を有する金属粉末の点火促進剤を必要に応じて配合できる。点火促進剤を配合することにより、被施工体温度が800℃以下の比較的低温である場合でも、溶射開始時の点火を促進することができる。
このような金属粉末としては、例えば、鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉、マグネシウム粉、チタン粉、あるいはこれらの合金の粉末等を好適に使用することができる。これらの金属粉末は、単体で添加されてもよく、2種以上が組み合わされて添加されてもよい。点火促進剤は発火点が300〜800℃であれば使用できるが、発火点が400℃以下である鉄粉が特に好ましく使用できる。
点火促進剤の添加量は、主原料の全量に対して外掛けで0.1〜1.5質量%(0.1質量%以上かつ1.5質量%以下)であることが好ましい。添加量が0.1質量%未満であると、点火促進剤の添加効果(点火促進効果)が十分得られないため好ましくない。一方、1.5質量%より多いとシリカの結晶化を阻害する上、爆発や逆火などの作業上の危険性が高まるため好ましくない。また、点火促進剤である金属粉末の粒子径は100μm以下であることが好ましい。100μmより大きいと反応性が乏しくなり点火促進の効果が得難くなるからである。
(燃焼補助剤)
本発明に係る溶射材料では、溶射材料の燃焼中に酸素を供給して、被施工体上で、燃焼材である金属シリコン粉末を酸化させる機能を有する燃焼補助剤を必要に応じて配合することができる。燃焼補助剤は、燃焼剤である金属シリコン(金属粉末)に付着していると、被施工体に付着した際の受熱により酸素供給源となる金属酸化物の粉末からなる。
このような金属酸化物としては、例えば、遷移金属酸化物、特に、第一遷移金属酸化物(酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅)を好適に使用することができる。これらの金属酸化物は、金属シリコンに付着していると、被施工体上における燃焼中に自身の酸化数を低下させることで金属シリコンを酸化する。燃焼剤である金属シリコン粉末が酸化されるため、被施工体上での燃焼が継続されることになる。なお、これらの金属酸化物は、単体で添加されてもよく、2種以上が組み合わされて添加されてもよい。金属シリコン粉末を効率よく酸化させる観点では、酸化鉄(Fe)が、金属シリコン粉末が酸化されて生成したシリカガラスに固溶した場合に酸素透過速度を上昇させる効果もあるため特に好適に使用できる。
燃焼補助剤の添加量は、主原料の全量に対して外掛けで0.3〜2.0質量%(0.3質量%以上かつ2.0質量%以下)である。添加量が0.3質量%より少ないと燃焼剤の燃焼継続効果が十分得られないため好ましくない。添加量が、2.0質量%より多いと、不純物が多くなり、組成が変化し過ぎて熱膨張特性などの設計特性が発揮できなくなるため好ましくない。また、金属酸化物粉末の粒子径は100μm以下であることが好ましい。100μmより大きいと反応性が乏しくなり、燃焼の継続性を向上する効果が得られなくなる。
(その他の添加物)
上述の各成分に加えて、金属シリコンが溶融した際のSiOの粘度を低減させて溶射時の層間の一体性を向上させる目的で、純度90%以上のCaO粉末、純度90%以上のMgO粉末の1種以上を、主原料の全量に対して外掛けで4.0質量%を超えない範囲で添加することができる。添加量が4.0質量%を超えると、添加したCaO粉末やMgO粉末に起因する結合相の組成変化が大きくなり、珪石れんがとの熱膨張率の一致が図れなくなるため好ましくない。また、CaO粉末、MgO粉末の粒子径は200μm以下であることが好ましい。200μmを超えると結合相となるシリカと反応しにくく、粘度を低減させて層間の一体性を向上させる効果が期待できなくなるため好ましくない。
また、本発明の効果を阻害しない範囲において、流動性改善や鉱物組成の調整を目的として、ヒュームドシリカや、マグネシウム、カルシウム、鉄から選択された元素の酸化物、炭化物、窒化物などを添加することもできる。結晶化を促進する目的でリチウム等のアルカリ金属の炭酸塩または硫酸塩を添加する必要はないが、添加量が少量であれば、溶射材料の着火性、燃焼継続性及び付着性に及ぼす影響は小さいので、Li含有珪酸塩と併用することは必ずしも妨げない。この場合、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属硫酸塩の合計添加量は、主原料の全量に対して外掛けで0.5質量%未満とし、より望ましくは0.2質量%未満とすることが好適である。
以下に実施例及び比較例を提示して、本発明の溶射材料を説明する。
表1、表2に示す配合割合で溶射材料を作成し、各溶射材料を使用した溶射施工により形成した施工体を評価した。各溶射材料で使用した耐火性粉末は珪石である。また、各溶射材料で使用した金属シリコン粉末のSi純度は97%である。なお、耐火性粉末の粒子径及び金属シリコン粉末の粒子径も、表1、表2中に示している。表1、表2において、「1000−2000」は、1000μmより大きく、かつ2000μm以下を意味する。「600−1000」は、600μmより大きく、かつ1000μm以下を意味する。「200−600」は、200μmより大きく、かつ600μm以下を意味する。「−200μm」は、200μm以下を意味する。また、「75−」は、75μmより大きい、を意味する。「20−75」は、20μmより大きく、かつ75μm以下を意味する。「−20μm」は、20μm以下を意味する。
溶射施工は、各溶射材料4kgを、エジェクタ式の溶射装置を用いて、被溶射体に吹き付けることで実施した。搬送ガスは純度100%の酸素とし、流量は32Nm/hとした。材料供給速度は95〜105kg/hである。ランスは2mのものを使用し、先端ノズル径はφ14とした。被溶射体として、230×230×30mmのシャモットれんが(耐火度SK36)を炉の中に配置し、炉の中の雰囲気温度を約1000℃に加熱した後、炉を開放し、れんが表面が500〜600℃に冷却されたときに、かまぼこ状に溶射施工を行った。
各溶射材料による施工体について、溶射作業性(点火性、燃焼継続性、付着率)、施工体物性(珪石れんがとの熱膨張率の一致)を評価し、表1、表2中に記載した。
点火性は、溶射施工開始時の点火性を、目視観察により評価した。「◎」は速やかに点火し材料が付着し始めたことを示し、「○」は実用上問題のない範囲でやや遅れて点火し材料が付着し始めたことを示し、「△」は点火したものの燃焼が弱かったことを示し、「×」は、点火しないことを示している。
燃焼継続性は、溶射施工時の燃焼継続性を、目視観察により評価した。「◎」は失火の気配がなく燃焼時の光が強いまま燃焼が継続したことを示し、「○」は失火の気配がないものの燃焼時の光が弱かったことを示し、「△」は失火しそうになったことを示し、「−」は溶射開始時に点火しなかったために評価できなかったことを示している。
付着率は、溶射試験後に被溶射体に付着した材料を採取して重量を測定し、先端ノズルから吐出した溶射材料の重量に対する当該付着質量の割合を算出している。「−」は溶射開始時に点火しなかった、もしくは失火したために評価できなかったことを示している。
珪石れんがとの熱膨張率の一致は、施工体が冷えた状態で、施工体から円柱状の試料を切り出して当該試料の熱間線膨張率を測定し、当該熱間線膨張率と珪石れんがの熱間線膨張率とを400〜1300℃の範囲で比較し、その600℃を起点にしたときの1300℃での乖離具合をもって評価した。「◎」は乖離が0.03%以下であることを示し、「○」は乖離が0.03%より大きく0.15%以下であることを示し、「×」は0.15%より大きく乖離することを示し、「−」は点火しなかったもしくは失火したために施工体が得られずに評価できなかったことを示している。なお、「◎」、「○」は実用上問題のない程度の一致である。
Figure 0006092172
Figure 0006092172
表1に示す各実施例は、珪石からなる耐火性粉末と金属シリコン粉末からなる主原料100質量%において、金属シリコン粉末の含有量が10〜20質量%であり、さらに結晶化促進剤として、Li含有珪酸塩又はLi含有珪酸塩鉱物をLiO換算の外掛けで0.2〜0.7質量%添加した配合である。結晶化促進剤は、粒子径が1000μm以下のスポジュメン、ペタライト、珪酸リチウム、コークリプタイト、レピドライトを単独又は2種組み合わせて使用している。また、層間一体性を向上させる目的で、粒子径が75μm以下の酸化カルシウム粉末(CaO純度は95%)を添加している。さらに、点火促進剤として粒子径が100μm以下の鉄粉、燃焼補助剤として粒子径が100μm以下の酸化第二鉄(酸化鉄(III))粉末を、適宜、添加している。なお、酸化カルシウム粉末、鉄粉、酸化第二鉄粉末の添加量は、主原料全量に対する外掛けで規定している。以下、各配合について簡単に説明する。
実施例1〜実施例4は、結晶化促進剤としてスポジュメンを添加した配合であり、その配合量をそれぞれ変更している。実施例5〜実施例8は、結晶化促進剤としてペタライトを添加した配合であり、その配合量をそれぞれ変更している。実施例9〜実施例11は、結晶化促進剤として、それぞれ、珪酸リチウム、コークリプタイト、レピドライトを添加した配合であり、その配合量は、LiO換算で実施例2、実施例6と同等である。実施例12〜実施例15は、結晶化促進剤としてスポジュメン及びペタライトを添加した配合であり、その総配合量をそれぞれ変更している。実施例16は、実施例2の配合において、珪石の粒度配合を変更している。実施例17〜実施例19は、実施例2の配合において、鉄粉及び酸化第二鉄の配合量をそれぞれ変更している。実施例20〜実施例22は、実施例2の配合において、主原料である耐火性粉末と金属シリコン粉末との配合割合をそれぞれ変更している。
表1に示すように、いずれの実施例も、点火性、燃焼継続性、付着率、珪石れんがとの熱膨張の一致の各評価項目において、良好な結果が得られていることが理解できる。また、各実施例は、リチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩を用いた場合(例えば、後述の比較例3〜比較例6参照。)と比較しても付着率が向上する結果が得られた。
続いて、比較例について説明する。比較例1及び比較例2は、実施例1〜実施例4の配合において、結晶化促進剤として使用したスポジュメンの添加量を変更している。比較例1は適正量より少ない場合で、珪石れんがとの熱膨張の一致の評価項目において、不一致であった。比較例2は適正量より多い場合で、融液中のアルカリ濃度が高くなり粘性が低下して溶射体が流下した結果、付着率が低下した。また、熱膨張率の不一致も若干大きくなる傾向であった。
比較例3〜比較例6は、実施例1〜実施例15及び実施例17〜実施例19の配合において、結晶化促進剤として、Li含有珪酸塩又はLi含有珪酸塩鉱物に代えて、硫酸リチウム・一水和物を添加した配合である。硫酸リチウム・一水和物の添加量は、主原料全量に対してLiO換算の外掛けで0.47質量%(硫酸リチウムで2.0質量%)である。また、各比較例では、鉄粉及び酸化第二鉄の添加量を変更している。
比較例3は、実施例1〜実施例16の配合と同様に、鉄粉と酸化第二鉄をそれぞれ主原料全量に対して外掛けで0.8質量%添加しているが、点火性と燃焼継続性が低下し、付着率も低下した。比較例4は、実施例17の配合と同様に、鉄粉のみを主原料全量に対して外掛けで1.0質量%添加しているが、比較例3に比べて燃焼継続性がさらに低下した。比較例5は、実施例18の配合と同様に、酸化第二鉄のみを主原料全量に対して外掛けで1.5質量%添加しているが、比較例3に比べて点火性がさらに低下した。比較例6は、実施例19の配合と同様に、鉄粉も酸化第二鉄も添加していない配合であるが、溶射開始時に点火がなされなかった。
以上の結果より、耐火性粉末と金属シリコン粉末に、結晶化促進剤として、Li含有珪酸塩又はLi含有珪酸塩鉱物を適量添加することにより、点火性と燃焼継続性に優れ、耐用性と安全性に優れる溶射材料を実現できる。また、従来のリチウムの炭酸塩又はリチウムの硫酸塩を用いた配合と比較して付着率が向上するとともに、より少量の添加により優れた効果を得ることが可能である。また、実施例19から理解できるように、点火促進剤及び燃焼補助剤を添加しない配合であっても、点火性と燃焼継続性に問題のない溶射材料を実現できる。
本発明に係る溶射材料は、点火性及び燃焼継続性に優れるとともに、耐用性、安全性、付着性に優れるため、コークス炉炭化室の補修等に使用する溶射部材として有用である。

Claims (5)

  1. 珪石、珪石れんが粉、溶融シリカ、シャモット、コージエライトの1種又は2種以上からなる耐火性粉末と金属粉末を主原料とし、酸素とともに吹き付けて被補修面を補修する溶射法に使用する溶射材料であって、
    結晶化促進剤であるアルカリ金属イオン源として、リチウムを含有する珪酸塩又はリチウムを含有する珪酸塩鉱物を主原料に対して、外掛けで、LiO換算で0.2〜0.7質量%添加し、かつアルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の硫酸塩の添加量が主原料に対して、外掛けで、0.2質量%未満であって、その他のアルカリ金属塩を含まないことを特徴とする溶射材料。
  2. 前記主原料が耐火性粉末及び金属シリコン粉末を含み、
    耐火性粉末が、主原料の全量に対して80〜90質量%、
    金属シリコン粉末が、主原料の全量に対して10〜20質量%
    である、請求項1に記載の溶射材料。
  3. 点火促進剤として、鉄粉、マンガン粉、バナジウム粉、マグネシウム粉、チタン粉、あるいはこれらの合金の粉末から選ばれる1種又は2種以上を、主原料の全量に対して外掛けで0.1〜1.5質量%、さらに添加した、請求項1又は請求項2に記載の溶射材料。
  4. 燃焼補助剤として、遷移金属酸化物を、主原料の全量に対して外掛けで0.3〜2.0質量%、さらに添加した、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の溶射材料。
  5. 前記燃焼補助剤が、酸化スカンジウム、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅から選ばれる1種又は2種以上である、請求項4に記載の溶射材料。
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