JP6091925B2 - 真空ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、気体を中真空から大気圧まで圧縮する取付姿勢の自由な真空ポンプに係り、特に軽量で簡易な構造の真空ポンプに関するものである。
スパッタリング装置、ヘリウムリークディテクター、SEM等の分析装置等の用途に、気体を中真空から大気圧まで圧縮できる排気能力を持つ真空ポンプが用いられている。また、ターボ分子ポンプ等の高真空ポンプの粗引き用の真空ポンプとして、さらに、真空乾燥・真空張り合わせ装置等のように水蒸気等のガスを吸引する真空ポンプとしても、上記排気能力を持つ真空ポンプが用いられている。
小容量で小型軽量の真空ポンプとしては、油回転ポンプが主流である。しかしながら、真空チャンバーへの油蒸気の逆拡散(真空チャンバーやワークの油汚染)、排気ラインの油汚染(火災の危険)、環境汚染、油飛散による油の減少、水分混入等による油の劣化、定期的に必要な油補充・油交換等の種々の問題がある。特に、真空ポンプ用のフッ素系の油は高価であり、交換作業も面倒である。
そのため、近年、油回転ポンプに代替する真空ポンプとして、スクロール型ドライ真空ポンプが登場してきた。スクロール型ドライ真空ポンプは、オイルフリーであり、スクロールの揺動運動により真空から大気圧まで連続的に圧縮するので、真空運転時の動力が小さく、比較的真空到達性能がよい等の特徴を有する。しかしながら、スクロールの端部にチップシール(接触シール)を使用するので、チップシールが摩耗してパーティクルが発生し、真空チャンバー内部を汚染するという問題がある。また、チップシールが摩耗するので、経年的に真空性能が低下し、1年程度の連続運転でチップシールを交換しなくてはならない。さらに、チップシールの交換作業の際は真空ポンプを分解しなくてはならず、交換費用が高価になる。また、同容量の油回転ポンプと比較して、大型でコストが高い等の問題がある。
上記問題に対応可能な真空ポンプとして、特許文献1等に記載された真空ポンプがある。特許文献1には、鋼材からなる軸の外周にアルミニウム又はアルミニウム合金製のスクリュー部を嵌合固定することにより構成したロータが開示されている。この特許文献1の構成は、スクリューねじ部を加工のし易いアルミニウム又はアルミニウム合金製にし、軸は剛性の高い材質を用い、ロータ全体の固有振動数を高くし、回転速度の範囲を広くして高速回転できるようにしたものである。
特開2010−127119号公報
特許文献1に開示されているように、鋼材からなる軸の外周にアルミニウム又はアルミニウム合金製のスクリュー部を固定する場合には、鋼材の軸にアルミニウム又はアルミニウム合金製のスクリュー部を嵌合する工程が必要である。この場合、高温運転を考えると、線膨張係数の大きいアルミニウム又はアルミニウム合金を軸の外周に嵌合するため、熱変形による嵌合強度の低下を見込み、初期嵌合条件を決定しなければならない。熱変形によりスクリュー部と軸部に隙間が発生することは、高速回転するロータの機能上許されない。
真空ポンプを運転すると、気体の圧縮仕事に伴うスクリューロータ部の発熱、モータ部からの発熱によりポンプ温度が上昇する。ケーシングは、ロータと微小な隙間を形成している。つまり若干ケーシング内径の方がロータ外径より大きく、この差が微小隙間となっている。この隙間の大きさがポンプの圧縮性能に大きく影響し、隙間が小さいほうが性能は向上するが、小さくし過ぎるとロータのスクリュー部とケーシングの接触の可能性が高まる。ポンプが運転により温度上昇するとポンプ各部が熱膨張するが、熱膨張によってロータのスクリュー部とケーシングの接触の可能性が更に高まることになる。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、運転中にロータのスクリュー部とケーシングの微小隙間を維持してロータのスクリュー部とケーシングの接触を防止することができ、運転中の温度上昇によりポンプ各部が熱膨張してもロータのスクリュー部とケーシングの微小隙間の変化量を非常に小さくすることができる真空ポンプを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の真空ポンプは、対向して配置された一対のロータと、吸排気口を有し前記一対のロータの軸間距離を規定する第一の軸受を収めるケーシングと、前記ロータを回転駆動するモータ部を備えた真空ポンプであって、前記ケーシングと、前記ロータのスクリュー部と、前記一対のロータの軸間距離を規定する第二の軸受を収める軸受プレートの材質が同一であり、前記一対のロータの軸間距離を規定する第二の軸受に対し同心に前記軸受プレートに締結されている軸受押さえを設け、前記ケーシングと前記軸受押さえとを焼嵌めもしくは圧入にて嵌合し、前記ケーシングと前記軸受押さえの線膨張係数に差を持たせるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、運転中にロータのスクリュー部とケーシングの微小隙間を維持してロータのスクリュー部とケーシングの接触を防止することができ、運転中の温度上昇によりポンプ各部が熱膨張してもロータのスクリュー部とケーシングの微小隙間の変化量を非常に小さくすることができる。したがって、運転中の温度上昇によってもスクリューロータとケーシングの接触を防止することができる。
本発明によれば、軸受プレート側のポンプケーシングとの位置決めを、軸受に対し同心で配置された別部品である軸受押さえに対し行う構成になっている。すなわち、ポンプケーシングの内径と軸受押さえの外径とを焼嵌めもしくは圧入にて嵌合することにより、ポンプケーシングの位置決めを行っている。この場合、ポンプケーシングの着脱を考えると、ポンプケーシングと軸受押さえの線膨張係数に差を持たせておくと、すなわち、ポンプケーシング>軸受押さえにしておけば、温度調整により着脱が安易に行える。例えば、軸受押さえの材質を、アルミニウムもしくはアルミニウム合金よりも線膨張係数の小さいステンレス合金(線膨張係数:10〜17×10 −6 /℃)などにすれば、ポンプケーシングの嵌合位置の内径よりも軸受押さえの嵌合位置の外径を若干大きく製作し、焼嵌めにより締結しても、分解の際、温度を上昇させ、嵌合部に隙間を形成することで容易に分解することができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記材質は、アルミニウム合金であることを特徴とする。
本発明によれば、ケーシング、ロータのスクリュー部、軸受を収める軸受プレートの材料をアルミニウム合金とすることにより、比重が小さく、ポンプの軽量化を図ることができ、また熱伝導率が大きくポンプの温度分布の均一化を図ることができる。
本発明の好ましい態様によれば、前記ケーシングの線膨張係数を前記軸受押さえの線膨張係数より大きくしたことを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記ケーシングの材質は、アルミニウム合金であり、前記軸受押さえの材質は、ステンレス合金であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様によれば、前記ケーシングにビッカース硬度200から3000までの表面処理が施されていることを特徴とする。
本発明によれば、ケーシング内径部は特にスクリューロータと微小隙間を形成しているので、傷などが付き難くしておくことが好ましく、したがって、本発明においては、ケーシング内径部への表面処理の施工は重要である。表面処理の候補とそのビッカース硬度を以下にあげる。
・硬質アルマイト:Hv200から400
・Niメッキ:Hv500から1000
・セラミックスメッキ:Hv1000から1500
・DLC(ダイヤモンドライクカーボン):Hv1000〜3000
本発明の好ましい態様によれば、前記モータ部は、前記一対のロータをタイミングギヤを用いず互いに同期させて逆方向に回転させるマグネットカップリング型DCブラシレスモータであることを特徴とする。
本発明によれば、一対のポンプロータを同期させて逆方向に回転させるためのタイミングギヤ及び該タイミングギヤを潤滑するための潤滑油や潤滑系を省略できるから、ドライ真空ポンプ全体を更に軽量化することが可能となる。また、真空ポンプとして回転運転を行っている最中に発生する駆動力ロスをポンプロータの回転軸を支えるベアリングの回転摩擦ロスに限定し、モータ部の消費電力ロスを最小限にすることが可能となる。
本発明の実施形態によれば、前記ケーシングは、前記一対のロータの軸間距離を規定する第二の軸受を収める軸受プレートに対し、焼嵌めもしくは圧入にて嵌合されている。
ポンプケーシングの位置決めは、一対のロータの軸間距離を決めるもう一つの要素である第二の軸受を配置した軸受プレートに対し行われるのが最適である。上記実施形態によれば、ポンプケーシングの位置決めを、第二の軸受を収納する軸受プレートに対して直接に焼嵌めもしくは圧入にて行なうことにより、ケーシング内に2軸分ある第一の軸受の同心及び軸間を安定させ易くなる。例えば、ケーシング側で説明すると、軸受を収めるケーシングの内径加工(ここに軸受の外径が収まる)と、軸受プレートと焼嵌めもしくは圧入するケーシングの内径加工は同時加工でき、非常に高い精度の芯出しが可能である。
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)運転中にロータのスクリュー部とケーシングの微小隙間を維持してロータのスクリュー部とケーシングの接触を防止することができ、運転中の温度上昇によりポンプ各部が熱膨張してもロータのスクリュー部とケーシングの微小隙間の変化量を非常に小さくすることができる。したがって、運転中の温度上昇によってもスクリューロータとケーシングの接触を防止することができる。
(2)ケーシング、ロータのスクリュー部、軸受を収める軸受プレートの材料をアルミニウム合金とすることにより、比重が小さく、ポンプの軽量化を図ることができ、また熱伝導率が大きくポンプの温度分布の均一化を図ることができる。
図1は、本発明に係る真空ポンプの第1の実施形態を示す縦断面図である。 図2(a),(b),(c)は、図1に示す真空ポンプの各部クリアランスおよび各部位の線膨張係数の関係を示す図であり、図2(a)は真空ポンプの全体を示す縦断面図であり、図2(b)はポンプケーシングと一対のロータのスクリューネジ部との関係を示す模式的な横断面図であり、図2(c)は図2(a)のII部の拡大図である。 図3は、図1の変形例を示す図である。
以下、本発明に係る真空ポンプの実施形態を図1乃至図3を参照して説明する。図1乃至図3において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明に係る真空ポンプの第1の実施形態を示す縦断面図である。図1に示すように、真空ポンプは、ポンプケーシング1と、ポンプケーシング1内に対向して配置された一対のロータ2,2と、一対のロータ2,2を回転駆動するモータ部10とを備えている。前記一対のロータ2,2は、ポンプケーシング1に固定された第一の軸受3,3と、ポンプケーシング1の開口端に設けられた軸受プレート4に支持された第二の軸受5,5とにより回転自在に支承されている。一対のロータ2,2の軸間距離Lは、第一の軸受3,3の位置と第二の軸受5,5の位置を規定することにより所定の寸法に設定されている。第一の軸受3,3の位置は、ポンプケーシング1に形成された円形孔からなる軸受支持部1a,1aにより規定され、第二の軸受5,5の位置は、軸受プレート4に形成された円形孔からなる軸受支持部4a,4aにより規定される。第二の軸受5,5は軸受プレート4に固定された軸受押さえ6により押さえられている。
図1に示すように、一対のロータ2,2は、軸部2A,2Aとスクリューネジ部2S,2Sとを一体化したスクリューロータから構成されている。すなわち、各ロータ2は、軸部2Aとスクリューネジ部2Sとを嵌合して一体化している。以下の説明においては、ロータ2をスクリューロータ2とも適宜称する。スクリューロータ2,2とポンプケーシング1の内面との間には流体流路1fpが形成され、この流体流路1fpの上流側端部に吸気口1spが設けられ、流体流路1fpの下流側端部に排気口1dpが設けられている。スクリューロータ2,2は、僅かなクリアランスを保って非接触で相互に反転し、吸気口1spから吸込まれた気体を排気口1dpに移送するようになっている。
モータ部10はマグネットカップリング型DCブラシレスモータから構成されている。一対のロータ2,2の軸部2A,2Aの吸気側の軸端には、それぞれ同一の構成を有する一対のマグネットロータ11,11が配置されており、DCブラシレスモータとしてスクリューロータ2,2を反転駆動すると共に、マグネットカップリングによりスクリューロータ2,2を互いに同期させて逆方向に回転させるようになっている。各マグネットロータ11は、磁性材のヨークの外周にリング形状のマグネットを周設している。本実施形態では、マグネットロータ11の外周上には着磁したマグネットが周設され、互いのマグネットロータ11,11の異磁極が引き合うように対向し、且つクリアランスを保って配置されている。なお、マグネットロータ11の極数は4,6,8・・・などの偶数である。
各マグネットロータ11の外周面の一部に近接して、鉄心12aと巻線12bからなる三相(U,V,W)のモータステータ12が配置されている。対をなす三相のモータステータ12,12は一対のマグネットロータ11,11どうしがマグネットカップリングする側とは回転軸に関して反対側に配置されている。これにより、マグネットロータ11,11が互いに吸引するマグネットカップリング力をマグネットロータ11とモータステータ鉄心12aに作用する吸引力でキャンセルすることができる。また、三相のモータステータ磁極は、マグネットロータ11の磁極数に対応し、マグネットロータ11の各極に磁界をかけるようにしている。三相の巻線12bに所要の直流電流を供給することで、任意の回転数で一対のロータ2,2を同期反転駆動することができる。
本発明においては、ポンプケーシング1と、ロータ2のスクリューネジ部2Sと、軸受プレート4の材質を同一にしている。すなわち、一対のロータ2,2の軸間距離Lを規定する第一の軸受3,3を収めるポンプケーシング1と、一対のロータ2,2の軸間距離Lを規定する第二の軸受5,5を収める軸受プレート4と、一対のロータ2,2のスクリューネジ部2S,2Sとを同一の材質で、すなわちアルミニウム合金で形成している。
真空ポンプが運転により温度上昇するとポンプ各部が熱膨張するが、ロータ2のスクリューネジ部2Sとポンプケーシング1の材料を同一にしておくことで、スクリューネジ部2Sとポンプケーシング1はほぼ同量の熱膨張となり、真空ポンプの性能に非常に重要であるロータ2のスクリューネジ部2Sとポンプケーシング1の微小隙間の変化量を非常に小さくすることができる。
また、一対のスクリューロータ2,2の軸間距離Lを決める第一の軸受3,3と第二の軸受5,5とを収めたポンプケーシング1と軸受プレート4の材質を同一にしてあるため、ポンプケーシング1と軸受プレート4におけるそれぞれの軸間距離の熱膨張量がほぼ同じになり、スクリューロータ2とポンプケーシング1の接触を防止することができる。
次に、各部クリアランスおよび各部位の線膨張係数と、接触の可能性および真空ポンプの性能との関係について、図2を参照して説明する。
図2(a),(b),(c)は、図1に示す真空ポンプの各部クリアランスおよび各部位の線膨張係数の関係を示す図であり、図2(a)は真空ポンプの全体を示す縦断面図であり、図2(b)はポンプケーシング1と一対のロータ2のスクリューネジ部2Sとの関係を示す模式的な横断面図であり、図2(c)は図2(a)のII部の拡大図である。
図2(a)〜(c)に示すように、各部クリアランスと各部位の線膨張係数は以下のとおりである。
<各部クリアランス>
・ポンプケーシングとスクリューロータの隙間:δ1
・スクリューロータ内外径間の隙間:δ2
・スクリューロータ軸方向間の隙間:δ3
<各部位の線膨張係数>
・ロータのスクリューネジ部:λr
・ポンプケーシング:λc
・軸受プレート:λbc
各部クリアランスおよび各部位の線膨張係数と、接触の可能性および真空ポンプの性能との関係は以下のとおりである。
・λc>λrのとき、δ1及びδ2が大きくなり、真空ポンプの性能低下となる。
・λr>λcのとき、δ1及びδ2が小さくなり、接触の可能性が高まる。
・λbc>λrのとき、δ2が大きくなり、真空ポンプの性能低下となる。
・λr>λbcのとき、δ2が小さくなり、接触の可能性が高まる。
・λbc>λcのとき、A部の隙間狭くなり、接触の可能性が高まる。
・λc>λbcのとき、A部の隙間広くなり、真空ポンプの性能低下となる。
上記各部位の材質としてはアルミニウムもしくはアルミニウム合金が好適である。これらは、線膨張係数が23×10−6/℃と大きいものの、比重が2.8と小さく、軽量化が図れること、熱伝導率が約150W/m・Kと大きく、ポンプの温度分布の均一化が図れるなどのメリットがある。
上記各部位の材質は樹脂でもよい。例えばPPS樹脂(比重:1.3〜1.8、線膨張係数:26〜69×10−6/℃)、PEEK樹脂(比重:1.3〜1.8、線膨張係数:47×10−6/℃)など。
次に、一対のロータ2,2の軸間距離Lを規定する第一の軸受3,3を収めるポンプケーシング1と、一対のロータ2,2の軸間距離Lを規定する第二の軸受5,5を収める軸受プレート4の構成について図1を参照して説明する。
図1に示すように、ポンプケーシング1は、その内部の最深部に一対のロータ2,2の軸間距離を決める要素の一つである第一の軸受3,3を配置している。ポンプケーシング1の位置決めは、一対のロータ2,2の軸間距離を決めるもう一つの要素である第二の軸受5,5を配置した軸受プレート4に対し行われるのが最適である。その方法として、平行ピンもしくはテーパーピンを2個用いる方法がある。ポンプケーシング1と軸受プレート4のそれぞれに同一のX、Y座標位置にピンを挿入する穴を設け、2部品を位置決めする方法である。また、ポンプケーシング1の内径とロータ2の外径の隙間も考える必要がある。2軸分あるケーシング内径とロータ外径は、回転周方向の隙間のばらつきを小さくするため、両軸ともできるだけ同心が得られていることが望ましい。そのため、ピンの座標は、ポンプケーシング1の内径の芯、また軸受プレート4の芯に対しての厳しい寸法公差が要求される。
それに対し、ポンプケーシング1の位置決めを、第二の軸受5,5を収納する軸受プレート4に対して直接に焼嵌めもしくは圧入にて行なうことは、ケーシング内に2軸分ある第一の軸受3,3の同心及び軸間を安定させ易くなる。例えば、ケーシング側で説明すると、軸受を収めるケーシングの内径加工(ここに軸受の外径が収まる)と、軸受プレートと焼嵌めもしくは圧入するケーシングの内径加工は同時加工でき、ピンでの位置決めに対し非常に高い精度の芯出しが可能である。これは軸受プレート側も同様である。
すなわち、図1において太い点線で示すように第一の軸受3を収めるポンプケーシング1の軸受支持部1aの内径加工と、図1において太い実線で示すように軸受プレート4と焼嵌めもしくは圧入する部分であるポンプケーシング1の内径加工とは、同時加工することにより、ピンでの位置決めに対し非常に高い精度の芯出しが可能である。また、図1において太い点線で示すように第二の軸受5を収める軸受プレート4の軸受支持部4aの内径加工と、図1において太い実線で示すようにポンプケーシング1と焼嵌めもしくは圧入する部分である軸受プレート4の外径加工とは、同時加工することにより、ピンでの位置決めに対し非常に高い精度の芯出しが可能である。
図3は、図1の変形例を示す図である。図3に示す例においては、軸受プレート側のポンプケーシングとの位置決めを、軸受に対し同心で配置された別部品である軸受押さえ6に対し行う構造になっている。すなわち、図3において太い実線で示すように、ポンプケーシング1の内径と軸受押さえ6の外径とを嵌合することにより、ポンプケーシング1の位置決めを行っている。この場合、ポンプケーシング1の着脱を考えると、ポンプケーシング1と軸受押さえ6の線膨張係数に差を持たせておくと、すなわち、ポンプケーシング1>軸受押さえ6にしておけば、温度調整により着脱が安易に行える。例えば、軸受押さえの材質を、アルミニウムもしくはアルミニウム合金よりも線膨張係数の小さいステンレス合金(線膨張係数:10〜17×10−6/℃)などにすれば、ポンプケーシング1の嵌合位置の内径よりも軸受押さえ6の嵌合位置の外径を若干大きく製作し、焼嵌めにより締結しても、分解の際、温度を上昇させ、嵌合部に隙間を形成することで容易に分解することができる。
ポンプケーシング1と軸受プレート4の嵌合部は、両部品を同一材料で製作した場合、その分解の際に嵌合部での摺動が発生する。このとき、ケーシング内径及び軸受プレート外径の表面硬度が小さいと表面が削られてしまい、何度かの分解にて、嵌合隙間が変化してしまう。表面の削れが進行すると嵌合代がなくなり緩んでしまう。そのため、それぞれの部品には硬度を上げる表面処理を施しておくことが望ましい。以下に表面処理の候補とそのビッカース硬度を示す。
・硬質アルマイト:Hv200から400
・Niメッキ:Hv500から1000
・セラミックスメッキ:Hv1000から1500
・DLC(ダイヤモンドライクカーボン):Hv1500〜3000
ポンプケーシング1を別材質の軸受押さえ6に嵌合する場合は、軸受プレート4の表面処理の実施は任意である。また、ケーシング内径部は特にスクリューロータと微小隙間を形成しているので、傷などが付き難くしておくことが好ましく、したがって、ケーシング内径部への上記表面処理の施工は重要である。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
1 ポンプケーシング
1a 軸受支持部
2 ロータ,スクリューロータ
2A 軸部
2S スクリューネジ部
3 第一の軸受
4 軸受プレート
4a 軸受支持部
5 第二の軸受
6 軸受押さえ
10 モータ部
11 モータロータ
12 モータステータ

Claims (6)

  1. 対向して配置された一対のロータと、吸排気口を有し前記一対のロータの軸間距離を規定する第一の軸受を収めるケーシングと、前記ロータを回転駆動するモータ部を備えた真空ポンプであって、
    前記ケーシングと、前記ロータのスクリュー部と、前記一対のロータの軸間距離を規定する第二の軸受を収める軸受プレートの材質が同一であり、
    前記一対のロータの軸間距離を規定する第二の軸受に対し同心に前記軸受プレートに締結されている軸受押さえを設け、前記ケーシングと前記軸受押さえとを焼嵌めもしくは圧入にて嵌合し、
    前記ケーシングと前記軸受押さえの線膨張係数に差を持たせるようにしたことを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記材質は、アルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
  3. 前記ケーシングの線膨張係数を前記軸受押さえの線膨張係数より大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
  4. 前記ケーシングの材質は、アルミニウム合金であり、前記軸受押さえの材質は、ステンレス合金であることを特徴とする請求項に記載の真空ポンプ。
  5. 前記ケーシングにビッカース硬度200から3000までの表面処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
  6. 前記モータ部は、前記一対のロータをタイミングギヤを用いず互いに同期させて逆方向に回転させるマグネットカップリング型DCブラシレスモータであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
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