JP6091661B2 - リン回収装置およびリン回収方法 - Google Patents

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Description

この発明は、リン回収装置およびリン回収方法に関し、特に、汚泥を回収対象物とするリン回収装置およびリン回収方法に関するものである。
有機性廃水はリン(燐)を含有している。この有機性廃水を下水処理すればリンを含む汚泥が生じる。下水汚泥を用いるリン回収装置では、まず下水汚泥を物理的または化学的な方法によって溶解し、下水汚泥に含まれていたリンを溶液中に溶出させる。次に、溶液と固形物を分離する。溶液中に溶出したリンは凝集沈殿させて、沈殿物からリンを回収する。リンを回収した後の溶液や固形物は汚泥処理系に返送される。
廃水は浮遊物質を含んでいる。リンの回収には、余剰汚泥や濃縮汚泥など、浮遊物質濃度(SS濃度)が約3wt%以下、含水率では約97wt%以上の下水汚泥が使用されている。下水汚泥を溶解させる物理的方法としては、加熱、超音波破砕、オゾン曝気、機械的破砕などが考えられる。化学的方法では、酸、アルカリ、酵素などの薬品を使用する。
下水汚泥の溶解にオゾンとアルカリ溶液を用いる方法が提案されている(例えば特許文献1,2および非特許文献1,2)。この方法では、汚泥溶液にオゾンガスを曝気した後にアルカリ溶液を添加し、固液分離によって得られた溶液にリンの凝集剤を加え、沈殿したリン化合物を回収する。はじめに汚泥表面をオゾンで酸化すると、表面の難分解性有機物質が変質するため、引き続き行うアルカリ処理による有機物の分解効率が向上する。このオゾンとアルカリ溶液を併用した有機物分解により汚泥内部に取り込まれたリンが溶液に溶出する。
特開2004-58047号公報 特開2005-219043号公報
安永、外3名、「下水汚泥からのリン回収技術」、三菱電機技報、2003年、第77巻、第5号、p343〜346 安永、広辻(Yasunaga and Hirotsuji)、「下水汚泥からのリン回収(Recovering Phosphates from Sewage Sludge)」, Mitsubishi Electric ADVANCE (Environmental Technology Edition)、2003年、12月号、 p17〜20
オゾンとアルカリ溶液を用いて汚泥からリンを回収する装置では、浮遊物質濃度(SS濃度)が約3wt%以下、含水率では約97wt%以上の下水汚泥を対象としている。脱水操作によって含水率が70〜90%となった脱水汚泥は、直径が数ミリから数センチの団子状になって脱水機から排出される。このような脱水汚泥をオゾンとアルカリ溶液で処理する場合、オゾンと汚泥の反応は団子状汚泥の表面のみで起こるため、汚泥の内部にはオゾンと反応しなかった部分が生じる。オゾンと未反応の汚泥が残ると、アルカリ溶液による有機物の溶解効率は低下し、汚泥に含まれているリンの溶出率が減少する。
オゾンと汚泥を接触させる際に汚泥を攪拌すれば、未反応の汚泥が露出してオゾン処理は活性化する。しかし、汚泥処理量が多くなると汚泥とオゾンとの反応を十分行うためには攪拌時間が長くなる。攪拌時間が長くなると汚泥と反応せずに排出されるオゾンの量が増加し、オゾン処理コストが増加する。また、オゾンを曝気する際に、汚泥に水を添加しても、汚泥の流動性が高まり、オゾンと汚泥との反応が活性化する。しかし、汚泥に水を添加すると処理する汚泥溶液の体積が増大し、オゾン処理に長時間が必要になるとともに、装置が大型化する。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、オゾンと汚泥の反応効率を高めるとともに処理時間を短縮して、装置の小型化を実現することを目的としている。
この発明に係るリン回収装置は、水分を含有する汚泥を加熱する乾燥装置と、乾燥装置によって加熱された汚泥を粉末化する粉砕装置と、粉砕装置によって粉末化された汚泥にオゾンガスが注入されるオゾン処理槽と、オゾン処理槽でオゾンガスが注入された汚泥に酸またはアルカリが添加される汚泥溶解槽と、汚泥溶解槽で酸またはアルカリが添加された汚泥を汚泥物と分離液とに分離する脱水機と、脱水機によって分離された分離液に凝集剤が添加され上澄み液と凝集物とが生じる沈殿槽と、沈殿槽で生じた凝集物を貯蔵する凝集物回収槽と、を備えている。
この発明によれば、脱水汚泥を粉末化する装置を設けたことで、オゾンと反応する汚泥の面積が拡大し、オゾンによる汚泥表面の酸化を短時間で実施することができる。また、粉末状の汚泥は汚泥粒子同士の結合力が弱いために攪拌が容易になり、未反応の粉末汚泥を短時間でオゾンと接触させることができる。これにより、汚泥処理時間を短縮するとともに、装置の小型化を実現することができる。
本発明の実施の形態1によるリン回収装置の構成図である。 オゾン処理槽における粉末汚泥のオゾン処理過程を示す図である。 粉末汚泥が酸またはアルカリによって溶解する過程を示す図である。 粉末汚泥と脱水汚泥からのリン回収実験結果を示す図である。 本発明の実施の形態2によるリン回収装置の構成図である。 本発明の実施の形態3によるリン回収装置の構成図である。 アルカリ処理後に水を加えた粉末汚泥からのリン回収率を示す図である。 本発明の実施の形態4によるリン回収装置の構成図である。 本発明の実施の形態1によるリン回収装置に係わる装置配置図である。 本発明の実施の形態5によるリン回収装置の構成図である。 本発明の実施の形態6によるリン回収装置の構成図である。 本発明の実施の形態6によるオゾン処理槽における粉末汚泥のオゾン処理過程を示す図である。
以下に本発明にかかるリン回収装置およびリン回収方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の既述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。図において、同一符号が付与されている構成要素は、同一の、または、相当する構成要素を表している。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による汚泥からのリン回収装置100の構成図である。また、本実施の形態によるリン回収装置100の装置配置図を図9に示す。なお、この後の実施の形態では、リン回収装置100は図1の様式に従って簡略化して示すことにする。乾燥装置2には、含水率70〜90%の脱水汚泥1が投入される。乾燥装置2は、粉砕装置3と汚泥搬送機11によってつながっている。粉砕装置3は、オゾン処理槽6と汚泥搬送機11によってつながっている。オゾン処理槽6は汚泥溶解槽7と汚泥搬送機11によってつながっている。オゾン発生器4はオゾン処理槽6とオゾンガス配管5で接続されている。汚泥溶解槽7は、酸またはアルカリを注入する薬品注入器8と薬品配管9で接続されている。
汚泥溶解槽7は、脱水機10と汚泥搬送機11によってつながっている。脱水機10は、分離液配管13によって沈殿槽14とつながっている。リン除去汚泥物貯蔵槽12は脱水機10と汚泥搬送機11によってつながっている。沈殿槽14には、凝集剤注入器15が凝集剤配管16を介して接続されている。リン凝集物回収槽18は、沈殿槽14にリン凝集物引き抜き配管17を介して接続されている。上澄み液配管19は沈殿槽14に設けられている。汚泥搬送機11には、装置間を接続する配管と、搬送する汚泥の含水率に応じて汚泥を移動させるポンプ、コンベア、空気輸送装置などを組み合わせて用いるか、または単独で使用することができる。
このような構成によれば、含水率70〜90wt%の脱水汚泥1は乾燥装置2によって乾燥され、脱水汚泥1の含水率はさらに低下する。乾燥装置2によって脱水汚泥1の含水率を20wt%以下、最適には15wt%以下に調整する。乾燥装置2には、電気ヒータの他に、天然ガス、消化ガス、汚泥燃料、灯油などの燃焼熱を使用する熱乾燥機、真空雰囲気で水分を蒸発させる脱水乾燥装置、天日干しや風を用いる自然乾燥装置も使用することができる。含水率が20wt%以下、最適には15wt%以下に調整された脱水汚泥1を粉砕装置3で処理すると、脱水汚泥は水による汚泥同士の結合力が弱められているため、脱水汚泥1を微粉末にすることができる。ただし、脱水汚泥1を過度に乾燥させると燃料費が嵩む上に、粉砕が困難になるため、含水率は5wt%以上にしておくことが好ましい。
粉砕装置3には、回転歯によるせん断力を用いた粉砕装置や、衝撃力を用いた粉砕装置を使用する。粉砕装置3を用いると、脱水汚泥1を粒径が数ミクロンから数百ミクロンの粉末にすることができる。粉末化された脱水汚泥はオゾン処理槽6に投入し、攪拌しながらオゾンガスを注入する。オゾン処理槽6はオゾン発生器4とオゾンガス配管5で接続されている。粉末状の汚泥の微粒子同士は結合力が弱いため攪拌によってバラバラになり、粉末汚泥の表面にはオゾンガスが充分に行き渡る。
オゾン処理槽6における粉末汚泥20のオゾン処理過程を図2に示す。オゾン処理槽6には攪拌機21が取り付けられている。オゾン処理槽6の内部に挿入される攪拌棒22には先端に攪拌羽根23が取り付けられている。オゾン処理槽6に注入されるオゾンガスの重量は、粉末汚泥20の乾燥重量1gあたり、0.01gO3〜10gO3である。汚泥搬送機11によってオゾン処理槽6に搬送された粉末汚泥20は、攪拌棒22と攪拌羽根23の回転によってオゾン処理槽6の内部で攪拌される。オゾン処理槽6の底部に接続されたオゾンガス配管5からは、オゾンガスがオゾン処理槽6の内部に吹き込まれる。オゾン処理(酸化)によって、有機物の結合が切断され、汚泥表面からの有機物の剥離や汚泥表面への微細な穴の形成が起こる。
粉末汚泥20は微粒子同士の結合が弱くなっているため、オゾン処理槽6における粉末汚泥20の攪拌は容易に行われる。粉末汚泥20が攪拌羽根23によって攪拌されると、粉末汚泥20の微粒子同士の間に隙間が生じ、オゾン処理槽6の底部から吹き込まれたオゾンガスが微粒子同士の間に侵入する。粉末汚泥20を構成する微粒子は1個ずつオゾンガスと接触し、表面が酸化される。このようにして、脱水汚泥1を粉砕して粉末汚泥20にすると、短時間でオゾンガスと粉末汚泥20を接触させることができる。粉末汚泥20の全体で酸化が進行するため、酸化時間は短縮されるとともに、オゾンガスの利用効率が向上する。
オゾン添加の評価を行うために、汚泥の表面色の変化(白色化)と、汚泥の重量の変化を記録する。汚泥を水に溶かした後で遠心分離を行い、沈殿物の重量が元の重量よりも軽くなっていれば、剥離した汚泥が水に溶け出したことがわかる。オゾンガスによって酸化された粉末汚泥20は、汚泥搬送機11によってオゾン処理槽6から排出されて汚泥溶解槽7へ搬送される。オゾン処理槽6へ吹き込まれ粉末汚泥20と接触したオゾンガスは、排オゾン配管24を通ってオゾン分解装置34で酸素に分解される。
オゾンガスによって酸化された粉末汚泥20は、汚泥溶解槽7で酸またはアルカリが添加される。ここでは、酸として硫酸、塩酸、硝酸などを、アルカリとして水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液などを使用する。酸またはアルカリの添加量は、粉末汚泥の乾燥重量1gあたり、1mmol〜100mmolの範囲である。酸またはアルカリによる有機物分解作用により、粉末汚泥20は表面から溶解し、汚泥の溶解液が得られる。
粉砕装置3によって微細化された粉末汚泥20が酸またはアルカリによって溶解する過程を図3に示す。脱水汚泥1の内部には、リン30を取り込んだ微生物31や脱水に使用された凝集剤32が含まれている。脱水の際、汚泥がばらばらになると、固形分が水に混入する。これを防止するため凝集剤32を添加して固形物を結合させ、脱水時に固形物が水とともに流れ出ないようにしている。脱水汚泥1を粉末化せずにオゾン処理や酸およびアルカリによる溶解処理を行うと、脱水汚泥の表面から徐々に酸化や溶解が生じる。その際、脱水汚泥1に含まれる水分によって脱水汚泥1の体積が大きくなっているため、リンを取り込んだ微生物31の細胞膜33や凝集剤32に含まれるリン30が溶解するには長時間を必要とする。
これに対し、乾燥装置2で汚泥の水分を蒸発させると、脱水汚泥1の体積が減少している。粉砕装置3で脱水汚泥1を粉砕して粉末汚泥20にすると、脱水汚泥1の接触面積が増えるとともに、脱水汚泥1の内部においてリンを取り込んだ微生物や凝集剤が分散する。乾燥した細胞は弾力性がなくなっているので、機械的な力で細胞膜まで壊れていると考えられる。これにより、粉末汚泥20の表面からリンが存在する箇所までの距離が短くなり、短時間の汚泥溶解によって粉末汚泥20から酸溶液中またはアルカリ溶液中にリンが
溶出する。
汚泥溶解槽7で溶解された粉末汚泥20は、脱水機10によって汚泥物(リン除去汚泥物)36と分離液37に分けられる。汚泥物36の含水率は80〜90%である。汚泥搬送機11によって脱水機10から排出された汚泥物は、リン除去汚泥物貯蔵槽12に貯蔵される。分離液37には粉末汚泥20から溶出したリンが含まれている。粉砕装置3で粉末汚泥20となった後に酸やアルカリが添加されると、粉末汚泥20は微粒子同士の結合が弱くなっているため、添加した酸やアルカリと粉末汚泥20は容易に分離する。分離液は分離液配管13を通して沈殿槽14に投入される。
沈殿槽14では、分離液に含まれるリンと反応して凝集物を生成する凝集剤(例えば塩化カルシウム)が凝集剤注入器15によって注入される。凝集剤とリンが反応することでリン凝集物38が生成し、沈殿槽14の底部に沈殿する。沈殿槽14に沈殿したリン凝集物38をリン凝集物引き抜き配管17を通して引き抜き、リン凝集物回収槽18に貯蔵することで脱水汚泥1のリンを回収することができる。粉末汚泥20にオゾン処理と酸またはアルカリによる薬品溶解処理を行っているため、沈殿槽14に投入される分離液には、脱水汚泥1に含有されていたリンが効率よく溶出している。これにより、沈殿槽14では高効率で脱水汚泥1のリンを回収することができる。沈殿槽14からは上澄み液26が得られる。
図4に粉末汚泥20と脱水汚泥1から回収したリン量を示す。粉末汚泥20は脱水汚泥1を乾燥、粉砕したものである。粉末汚泥20と脱水汚泥1は、オゾンとアルカリで処理し、脱水機10で分離液37を作成した。縦軸は、粉末汚泥20または脱水汚泥1に含まれていたリン量と、分離液37に含まれていたリン量から求めた回収率を表している。脱水汚泥1の含水率は80%であった。粉末汚泥20の含水率は10%であった。脱水汚泥1からのリン回収率は14%であるのに対し、粉末汚泥20からのリン回収率は70%と非常に高い値を示している。
汚泥溶解に添加したアルカリ溶液は汚泥に吸収される。脱水汚泥1からリンを回収した場合、脱水機10で回収された分離液の量は添加したアルカリ溶液の50%であった。オゾンとアルカリによって溶出したリンは脱水汚泥1の含水に溶出し、大部分は脱水機10で回収できなかったため、リンの回収率が14%になったと考えられる。一方、粉末汚泥20からリンを回収した場合、粉末汚泥20の含水率が10%と低く、添加したアルカリと粉末汚泥20が容易に分離できた。脱水機10によって、添加したアルカリの90%を分離液として回収できるため、リンの回収率が70%と高くなったと考えられる。
各工程の所要時間は汚泥の処理量によって、装置サイズが変わるため一概には言えない。ただ、実証試験などの値から、オゾン処理は約30分程度、アルカリ処理は約15分程度になると考えられる。汚泥の乾燥については、天日干しであれば2時間程度、熱乾燥であれば30分程度、粉末化処理は5分程度で済ませることが出来ると考えている。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2による汚泥からのリン回収装置の構成図である。脱水汚泥1を粉砕してオゾン処理する構成図に示すように、粉砕装置3とオゾン処理槽6の間に、粉末汚泥20に水を添加する含水率調整槽25を設けている。実施の形態2による構成によると、粉砕装置3で粉末化した粉末汚泥20に貯水器35から水を加えることで、粉末汚泥20の含水率を任意に調整することができる。オゾン処理槽6における粉末汚泥20とオゾンガスとの反応は、粉末化した汚泥粒子同士が結合しないほうが効率的である。しかし、粉砕装置3で処理する脱水汚泥1の量が多くなると、オゾン処理槽6でオゾンガスによる酸化が生じた際、発生する酸化熱が多くなる。この酸化熱が高くなると粉末汚泥20に含まれる有機物を変質させ、難分解性物質に変質する可能性が生じる。
含水率調整槽25で粉末汚泥20の含水率を調整すると、オゾン処理槽6においてオゾンガスによる有機物の変質を防止することができる。乾燥した汚泥の含水率、アルカリ添加量、および汚泥の移送量から、水添加量(mL/g-SS)と汚泥の含水率(%)との関係が求められる。そのために、汚泥の移送量、アルカリの添加量および水の添加量を計測している。含水率調整槽25において粉末汚泥20に添加される水量は、粉末汚泥20の含水率が70〜90%となることが望ましい。
粉末汚泥20の含水率が70〜90%に調整されていると、乾燥装置2で処理される前の脱水汚泥1の体積と同程度になり、粉末汚泥20に水を加えたことによるオゾン処理槽6の大型化を防ぐことができる。また、粉砕装置3で粉末汚泥20となった後で水を添加すると、粉末汚泥20の微粒子同士の結合が弱くなっているため、添加した水と粉末汚泥20が容易に分離する。これにより、オゾン処理槽6における粉末汚泥20の攪拌も容易であり、粉末化していない脱水汚泥1に比べてオゾンガスと粉末汚泥20を短時間で均一に反応させることができる。水の供給方法として、例えば、汚泥搬送の途中でスプレーを使って水を噴射する方法が考えられる。その際、搬送する汚泥量から必要な水噴射量を計算する。
実施の形態3.
図6は本発明の実施の形態3による汚泥からのリン回収装置の構成図である。実施の形態1においては、汚泥溶解槽7と脱水機10を直接つなぎ、酸またはアルカリを加えて溶解させた粉末汚泥20を脱水機10で汚泥物(リン除去汚泥物)と分離液とに分けていた。汚泥溶解槽7と脱水機10の間には含水率調整槽25を設けることもできる。実施の形態3による構成によれば、酸またはアルカリで溶解させた粉末汚泥20に水を添加し、粉末汚泥20の含水率を任意に調整することができる。脱水機10によって脱水されたリン除去汚泥物の含水率は80〜90%であり、この含水率を超えて粉末汚泥20に加えられた酸またはアルカリが分離液となる。
分離液のリン溶出率を高めるためには、分離液の液量を増加させる必要がある。酸またはアルカリの添加量を増やすと薬品使用コストが高くなる。これに対し、汚泥溶解槽7と脱水機10の間で水を加えると、薬品使用量を増やすことなくリンの溶出効率を高めることができる。図7にアルカリ処理後の粉末汚泥20に水を加えた場合におけるリン回収率を示す。水の添加量が増加するとリン回収率が増加し、アルカリ溶液の添加量(0.4mL/g-SS)の3倍である1.2mL/g-SSの水を添加すると、リン回収率は90%以上になることがわかった。
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4による汚泥からのリン回収装置の構成図である。同図には、上澄み液配管19から含水率調整槽25に上澄み液26を返送する上澄み液返送配管27が示されている。本実施の形態によれば、含水率調整槽25に注入する水として、沈殿槽14で得られる上澄み液26を用いる。上澄み液26は上澄み液配管19によって沈殿槽14から排出される。
本構成によると、沈殿槽14から放出された上澄み液26の一部を、上澄み液返送配管27を用いて含水率調整槽25に返送することができる。沈殿槽14から排出される上澄み液26には、汚泥溶解槽7で使用した酸またはアルカリが含まれている。このため、酸またはアルカリを汚泥溶解に再利用することが可能となり、酸またはアルカリの使用量を削減することができる。
実施の形態5.
図10は本発明の実施の形態5による汚泥からのリン回収装置の構成図である。沈殿槽14に接続された上澄み液返送配管27は、混合槽40に接続されている。混合槽40は混合汚泥返送配管41によって含水率調整槽25に接続されている。混合槽40と脱水機10の間には汚泥引抜配管39が接続されている。汚泥引抜配管39は汚泥物36の一部を脱水機10から引抜く。混合槽40は、引抜いた汚泥物36と上澄み液26を混合する。混合汚泥返送配管41は汚泥物36と上澄み液26の混合物を含水率調整槽25に返送する。
本構成によると、脱水機10から得られた汚泥物36を上澄み液26と混合して含水率調整槽25へ戻し、再度、脱水機10によって脱水することができる。汚泥物36には、脱水機10で分離できなかったリンを含有する水が残っている。上澄み液26と汚泥物36を混合して再度、脱水機10によって脱水することで汚泥物36に残っていたリンを分離液37に混入させて回収するため、粉末汚泥20に含まれるリンの回収効率をさらに高めることができる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6による汚泥からのリン回収装置を図11に従って説明する。本実施の形態によるオゾン処理槽6は、周囲に(特に側面に)加熱装置42が設置されていて、水分を含有する脱水汚泥が直接投入される。オゾン発生器4はオゾンガス配管5によって、オゾン処理槽6の底部と接続されており、オゾンガスがオゾン処理槽6に供給される。オゾン処理槽6に脱水汚泥1を投入して攪拌羽根23で攪拌しながら加熱装置42で脱水汚泥1を加熱する。本実施の形態は、リン回収装置における乾燥装置2と粉砕装置3とオゾン処理槽6の機能を、1台の装置にまとめた構成である。
オゾン処理槽6における脱水汚泥1のオゾン処理過程を図12に示す。オゾン処理槽6に脱水汚泥1を投入して攪拌羽根23で攪拌しながら加熱装置42で脱水汚泥1を加熱する。脱水汚泥1に含まれている水は蒸発し、脱水汚泥1が乾燥する。脱水汚泥1の含水率が20%以下、最適には15%以下に低下した後に攪拌機21の回転数を上げることで脱水汚泥1を粉砕することができる。脱水汚泥1が粉砕され粉末化した後にオゾンガス配管5を通してオゾンガスを供給すると、粉末化した脱水汚泥1がオゾンと反応する。オゾンと反応した脱水汚泥1は汚泥搬送機11によってオゾン処理槽6から排出される。本実施の形態により構成とすることにより、乾燥、粉砕、オゾン処理を1台の装置で行うことが可能となり、装置の小型化が実現できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 脱水汚泥、2 乾燥装置、3 粉砕装置、4 オゾン発生器、5 オゾンガス配管、6 オゾン処理槽、7 汚泥溶解槽、8 薬品注入器、9 薬品配管、10 脱水機、11 汚泥搬送機、12 リン除去汚泥物貯蔵槽、13 分離液配管、14 沈殿槽、15 凝集剤注入器、16 凝集剤配管、17 リン凝集物引き抜き配管、18 リン凝集物回収槽、19 上澄み液配管、20 粉末汚泥、21 攪拌機、22 攪拌棒、23 攪拌羽根、24 排オゾン配管、25 含水率調整槽、26 上澄み液、27 上澄み液返送配管、30 リン、31 微生物、32 凝集剤、33 細胞膜、34 オゾン分解装置、35 貯水器、36 汚泥物、37 分離液、38 リン凝集物、39 汚泥引抜配管、40 混合槽、41 混合汚泥返送配管、42 加熱装置、100 リン回収装置。

Claims (8)

  1. 水分を含有する汚泥を加熱する乾燥装置と、
    前記乾燥装置によって加熱された汚泥を粉末化する粉砕装置と、
    前記粉砕装置によって粉末化された汚泥にオゾンガスが注入されるオゾン処理槽と、
    前記オゾン処理槽でオゾンガスが注入された汚泥に酸またはアルカリが添加される汚泥溶解槽と、
    前記汚泥溶解槽で酸またはアルカリが添加された汚泥を汚泥物と分離液とに分離する脱水機と、
    前記脱水機によって分離された分離液に凝集剤が添加され上澄み液と凝集物とが生じる沈殿槽と、
    前記沈殿槽で生じた凝集物を貯蔵する凝集物回収槽と、を備えているリン回収装置。
  2. 前記オゾン処理槽の周囲に設置された加熱装置を備え、
    前記オゾン処理槽は、攪拌機を有していることを特徴とする請求項1に記載のリン回収装置。
  3. 前記粉砕装置と前記オゾン処理槽の間に設置された含水率調整槽を備えていることを特徴とする請求項1に記載のリン回収装置。
  4. 前記汚泥溶解槽と前記脱水機の間に設置された含水率調整槽を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のリン回収装置。
  5. 前記上澄み液を前記含水率調整槽に返送する上澄み液返送配管を備えていることを特徴とする請求項4に記載のリン回収装置。
  6. 前記沈殿槽で生じた上澄み液と前記脱水機によって分離された汚泥物を混合する混合槽と、
    前記混合槽で生じた汚泥物を前記含水率調整槽に搬送する混合汚泥返送配管と、を備えていることを特徴とする請求項4に記載のリン回収装置。
  7. 水分を含有する汚泥を加熱する第1工程と、
    前記第1工程で加熱された汚泥を粉末化する第2工程と、
    前記第2工程で粉末化された汚泥にオゾンガスを注入する第3工程と、
    前記第3工程でオゾンガスが注入された汚泥に酸またはアルカリを添加する第4工程と、前記第4工程で酸またはアルカリを添加された汚泥を汚泥物と分離液とに分離する第5工程と、
    前記第5工程で分離された分離液に凝集剤を添加して上澄み液と凝集物とが生じる第6工程と、
    前記第6工程で生じた凝集物を貯蔵する第7工程と、を備えているリン回収方法。
  8. 前記第1工程で加熱された汚泥は、含水率が20wt%以下、5wt%以上の範囲に調整されていることを特徴とする請求項7に記載のリン回収方法。
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