JP6091611B2 - 分析物センサおよびその製造 - Google Patents

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Description

本願は、120条の下、2012年7月3日出願の米国特許出願整理番号第13/541,262号より優先権を主張するものであり、その内容は本件に引用して援用する。
本発明は、糖尿病の管理に使用するグルコースセンサなどのバイオセンサ、特に、このようなセンサの製造に使用する方法および材料に関する。
バイオセンサなどの分析物センサには、生物的要素を利用してマトリックス中の化学分析物を検出可能な信号に変換するデバイスが含まれる。多様な分析物の検出に用いられる多くの種類のバイオセンサがある。恐らく、最も良く研究されている種類のバイオセンサは、糖尿病患者のグルコース濃度の監視に一般的に使用される装置である、電流測定グルコースセンサである。
典型的なグルコースセンサは、次の化学反応に従って作動する。
グルコースオキシダーゼ
グルコース + O → グルコン酸 + H 反応式1
→ O + 2H + 2e 反応式2
グルコースオキシダーゼは、反応式1に示すように、グルコースと酸素が反応してグルコン酸と過酸化水素を発生する反応の触媒として用いられる。Hは反応式2に示すように電気化学的に反応し、その電流はポテンショスタットで測定される。in vivoセンサの開発において、反応の化学量論が課題である。特に、センサ性能を最適とするために、センサ信号出力は、着目する分析物(グルコース)のみによって決まり、共存物質(O)や、速度論に支配されるパラメータ(拡散など)に影響されてはならない。酸素とグルコースが等モル濃度で存在するならば、Hは、酵素で反応するグルコース量に化学量論的に相関し、それに伴う、センサ信号を発生する電流は、酵素と反応するグルコースの量に比例する。しかし、全てのグルコースが酵素と反応するには酸素が不十分であると、電流は、グルコース濃度ではなく、酸素濃度に比例してしまうと考えられる。このため、センサがグルコース濃度だけに依存して信号を発生するには、グルコースが限定試薬でなければならず、つまり、O濃度は、潜在的な全グルコース濃度に対して過剰でなければならない。しかし、このようなグルコースセンサをin vivoで使用する際の課題は、センサを埋め込むin vivoの酸素濃度がグルコースに対して低いという、センサ読み取り値の精度を下げるおそれのある現象である。
あるセンサ設計は、特定の機能特性、例えば、分析物の拡散を選択的に調節する能力を保つよう選択した一連の層状材料を使用して、酸素不足問題に対処しようとするものである。この設計に伴う問題として、例えば、センサの機能的寿命を制限してしまうような、時間に伴うセンサ層の剥離および/または劣化がある。この技術のこのような課題に取り組むよう考案された方法および材料が望まれている。
本発明の実施形態は、複数の層状材料を含むセンサ中に接着促進(AP)層を形成するための、ドライプラズマ処理を含む。本件に開示のドライプラズマ処理には、接着促進層の形成に使用する従来の湿式化学処理よりも多くの長所があり、例えば、ある種の有害化合物の使用が少ない、および/または、使用しないため、この処理で生じる有毒廃棄物が少なくなる。本発明の実施形態はまた、この方法で形成した接着促進組成物を含み、この組成物は、好ましい材料特性の組み合わせ、例えば、比較的薄く、かつ、非常に均一な構造的形状を示す。後に示すように、この接着促進組成物を組み込んだ電流測定グルコースセンサは、多くの好ましい特徴を示す。
本発明の具体的な実施形態は、ドライプラズマ処理で形成した接着促進層を含む、複数の層状材料からの、分析物センサ装置の製造法を含む。典型的にこの方法は、ベース層を準備する工程と、ベース層上に、少なくとも1つの電極を含む導電層を形成する工程と、導電層上に、分析物検出層(例えば、グルコースオキシダーゼを含む層)を形成する工程と、次に、分析物検出層上に、プラズマ蒸着処理を用いて接着促進層を形成する工程と、を含む。必要に応じて、接着促進層の形成に用いるプラズマ蒸着処理は、パルス蒸着処理である。本発明の典型的な実施形態において、接着促進層はヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を含む。本発明の一部の実施形態では、接着促進層は、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンの両方を含み、デュアルプラズマ蒸着処理を用いて分析物検出層上に形成する。この実施形態では、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンを、5:1から1:1の範囲の比で接着促進層中に配置することができる。
本発明の実施形態は、複数の層状材料から分析物センサを製造するための追加の方法論的工程、例えば、前述の接着促進層の下および/または上に追加の層、例えば、分析物調節層、カバー層等を形成する工程を含む。このような実施形態の1つにおいて、この方法は、分析物検出層上にタンパク質層を形成する工程と、このタンパク質層上に接着促進層を形成する工程と、次に、接着促進層上に分析物調節層を形成する工程とを含む。本発明の実施形態は、例えば、その上に接着促進層を蒸着する1つ以上の層に前処理工程の1つを行うことで、本発明の方法を多様化するための追加工程も含む。具体的な実施形態では、ヘキサメチルジシロキサン接着促進組成物を蒸着する前に、その上に接着促進層を蒸着する1つ以上の層を気体プラズマに曝露する。本発明の実施形態は更に、例えば、接着促進層を蒸着した後に架橋工程または処理を行って、ヘキサメチルジシロキサン組成物を蒸着後、これを変性させる工程を含むことができる。具体的な架橋工程の1つは、ヘキサメチルジシロキサン組成物を、架橋用気体プラズマに曝露する工程を含む。必要に応じて、これらの工程において、気体プラズマは、ヘリウムプラズマまたは酸素プラズマを含む。本発明の実施形態はまた、架橋工程の後、接着促進層上に分析物調節層を形成する前に、分析物センサを洗浄する工程を含むことができる。
本発明の別の実施形態は、プラズマ蒸着処理を用いてヘキサメチルジシロキサン組成物から形成した接着促進層を含む、複数の層状材料を含む分析物センサ装置である。本発明の一部の実施形態では、接着促進層を、特定の構造、例えば、60、50、または40nm未満の平均厚さを持つように形成する。本発明の一部の実施形態において、接着促進組成物は、特定の材料特性を持つように作られており、例えば、約5:1、4:1、3:1、2:1、または1:1の比で組み合わせた、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンの両方を含んでいる。本発明の一部の実施形態では、ヘキサメチルジシロキサンの1つ以上の原子とアリルアミンの1つ以上の原子が共有結合によって架橋している。このような接着促進層を含むセンサの例としては、作用電極(例えば、導電層上に配置した電極)上に配置したグルコースオキシダーゼ(例えば、分析物検出層中に)を含む電流測定グルコースセンサが挙げられる。本発明の一部の実施形態では、導電層上に分析物検出層が置かれ、分析物検出層上に接着促進層が置かれるよう、層を編成する。本発明の実施形態は、層状スタック中の異なる相対位置に、追加の層、および/または、層を含んでいる。必要に応じて、例えば、分析物検出層上に設けたタンパク質層(例えば、ウシ血清アルブミンまたはヒト血清アルブミンを含むタンパク質層)の上に接着促進層を配置する。本発明の実施形態は、接着促進層の上に配置した層、例えば、グルコースの拡散を制限するよう設計した膜を含む分析物調節層を含む。本発明の一部の実施形態は、イソシアナート化合物を含む分析物調節層を含んでおり、この化合物は、必要に応じて、接着促進層中に配置したアリルアミン化合物の原子と共有結合する原子を含むものである。
本発明の別の実施形態は、本件に開示の、ヘキサメチルジシロキサン(および、必要に応じて、アリルアミン)をプラズマ蒸着して形成した接着促進層を含む、複数の層状材料を含む電流測定センサを用いた、哺乳動物体内の分析物の検出法を含む。典型的に、この方法は、分析物センサを哺乳動物に埋め込む工程と、分析物の存在下、センサ電極での電流の変化を検出する工程と、電流変化を分析物の存在および/または濃度と相関させる工程と、を含む。具体的な実施形態において、センサは、糖尿病患者の使用するグルコースセンサである。
本発明のその他の目的、態様、および特長は、以下の詳細な記述より、当業者には明らかとなろう。しかし、当然のことながら、詳細な記述および具体例に本発明のいくつかの実施例が示されているが、これらは説明のためであって、限定するものではない。本発明の精神から外れることなく、本発明の範囲内で多くの変化および変形を行うことができ、このような変形も全て本発明に含まれる。
複数の層状要素を含むセンサの実施形態を示す断面図である。 複数の層状要素を含むセンサの実施形態を示す断面図である。 数字で示した複数の層状要素を含むセンサの実施形態を示す断面図である。 センサプレート上でのプラズマAP処理の概要を示す略図である。 本発明の特徴を具体的に表した、皮下センサ挿入セット、遠隔測定特性値監視送信デバイス、データ受信デバイスを示す透視図である。 in vivo状態を模倣するよう設計した、in vitro 重炭酸緩衝試験系(BTS)内におけるセンサの試験データを示すグラフである。この系では、既知濃度のグルコース存在下でセンサ電流を一定時間毎に測定後、グルコース値をIsig(センサ電流(μA))と相関させる。このグラフは、HMDSO/アリルアミン(1:1比の等気体流速の2つの前駆物質を用いたプラズマ処理)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを用いた実験によるデータ(時間に対するIsig)を示している。この3日間のin vitro試験の結果から、これらのセンサが、100mg/dlのグルコース濃度で良好な開始Isigを示し、センサ間の変動が非常に小さく、試験終了時でもIsigが安定していた(例えば、上方へのドリフトがない)ことが分かる。この試験データは、このプラズマ蒸着AP層を用いて製造したセンサが、従来の湿式化学AP層を用いて製造したセンサに勝るとは言えないまでも、それに比肩する機能特性を示すことの証拠となる。 in vivo状態を模倣するよう設計した、別のin vitroセンサ試験系(SITS)内におけるセンサの試験データを示すグラフである。このグラフは、HMDSO/アリルアミン(1:1比の等気体流速の2つの前駆物質を用いたプラズマ処理)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを用いたデータ(時間に対するIsig)を示している。この7日間の標準的センサのin vitro試験の結果から、これらのセンサが、グルコース濃度の異なる4回の較正試験、更に、酸素応答試験、温度応答試験、Isig安定性試験(僅かのセンサ間変動で)に合格したことが分かる。 HMDSO/アリルアミン(5:1比の気体流速の2つの前駆物質を用いたプラズマ処理)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを用いた、BTSデータ(時間に対するIsig)を示すグラフである。この3日間のin vitro試験の結果から、これらのセンサが、100mg/dlのグルコース濃度で良好な開始Isigを示し、センサ間の変動が非常に小さく、全試験期間に亘ってIsigが安定していた(例えば、上方へのドリフトがない)ことが分かる。この試験データは、このプラズマ蒸着AP層を用いて製造したセンサが、従来の湿式化学AP層を用いて製造したセンサに勝るとは言えないまでも、それに比肩する機能特性を示すことの証拠となる。 HMDSO(単独。アリルアミンなし)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを用いた、BTSデータ(時間に対するIsig)を示すグラフである。この4日間のin vitro試験の結果は、このセンサも、100mg/dlのグルコース濃度で良好な開始Isigを持ち、センサ間の変動が小さく、全試験期間に亘ってIsigが安定していた(上方へのドリフトがない)ことを示している。この試験データは、このプラズマ蒸着AP層を用いて製造したセンサが、従来の湿式化学AP層を用いて製造したセンサに勝るとは言えないまでも、それに比肩する機能特性を示すことの証拠となる。 糖尿病でないイヌから得た、in vivoデータを示すグラフである(HMDSO/アリルアミン(1:1比の等気体流速の2つの前駆物質を用いたプラズマ処理)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを使用し、埋め込んで3日間のセンサ血糖(mg/dL)およびセンサIsig(nA))。このグラフから、このセンサは、起動が速く、Isigが安定し、MARDが小さく(“平均絶対相対差(mean absolute relative difference)”、約18%、偏差が小さいことを示す)、埋め込みの3日後でもIsigが強いことが分かる。 糖尿病のイヌから得た、in vivoデータを示すグラフである(HMDSO/アリルアミン(1:1比の等気体流速の2つの前駆物質を用いたプラズマ処理)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを使用し、埋め込んで3日間のセンサ血糖(mg/dL)/センサIsig(nA))。このグラフから、このセンサは、埋め込んだごく当初から最後まで、糖尿病のイヌのin vivoグルコース濃度変化に、著しく良好な直線性(R=0.98)と小さい偏差(MARD=7%)で、非常に良く従うことが分かる。 プラズマ蒸着APのフーリエ変換赤外線分光(FTIR)試験データを示すグラフである。図11に、1回の作業で、プラズマ蒸着チャンバ内の3つの異なる段からの試料についてそれぞれ得た、3つのFTIRスペクトルを示す。これらのグラフに明らかな差異はなく、このデータは、プラズマAP処理の均一性を示す証拠となる。 プラズマ蒸着APのフーリエ変換赤外線分光(FTIR)試験データを示すグラフである。図11に、1回の作業で、プラズマ蒸着チャンバ内の3つの異なる段からの試料についてそれぞれ得た、3つのFTIRスペクトルを示す。これらのグラフに明らかな差異はなく、このデータは、プラズマAP処理の均一性を示す証拠となる。 HMDSO(単独。アリルアミンなし)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサで得られる、望ましいセンサ性能特性のデータを示すグラフである。図12A(1)の上の図は、in vivoセンサの起動が良好で、ヒトの体内に埋め込んで2日間、センサIsigが安定していることを示すデータである。図12A(1)の下の図は、埋め込んで2日間のCal因子(Cal比)を示すデータである。Cal因子は、4未満から始まって4付近で安定しており、このセンサの好ましい特性が確かめられる。 HMDSO(単独。アリルアミンなし)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサで得られる、望ましいセンサ性能特性のデータを示すグラフである。図12A(2)は、ヒトの体内に埋め込んで2日間の、センサ血糖が実際の体内グルコース変化に、小さく良好なMARD(11%)で、非常に良く従っていることを示すデータである。 HMDSO(単独。アリルアミンなし)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサで得られる、望ましいセンサ性能特性のデータを示すグラフである。図12B(1)の上の図は、in vivoセンサの起動が良好で、ヒトの体内に埋め込んで2日間、センサIsigが安定していることを示している。図12B(1)の下の図は、起動が良好で、Cal因子(4未満)が安定していることを示しており、in vivoでのIsig低下の問題が全く無い、好ましいIsigであることが確かめられる。 HMDSO(単独。アリルアミンなし)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサで得られる、望ましいセンサ性能特性のデータを示すグラフである。図12B(2)は、非常に良好で小さいMARD(約11%)を示し、検出したグルコースと実際の血糖との間のずれがごく僅かであることを示している。
別途定義のない限り、文中で用いられている全ての技術用語、表記、その他の科学的用語または専門用語は、本発明の関係する技術の当業者に一般的に理解されている意味を持つものとする。一部のケースでは、明確にするため、および/または、参照を容易にするために、一般的に理解されている意味を持つ用語が文中で定義されているが、文中でこのように定義することが、当技術で通常理解されているものとの実質的な違いを表していると必ずしも理解すべきではない。文中に記載または参照されている技術および手順の多くは、当業者には良く理解されており、従来の手法を用いて一般的に行われている。文中で言及した全ての開示資料は、引用されている開示資料に関連する方法および/または材料を開示および記述するため、本件に引用して援用する(例えば、Harschほか, Journal of Neuroscience Methods 98 (2000) 135-144; Yoshinariほか, Biomedical Research 27(21): 29-36 (2006); 米国特許第7,906,217号、米国特許出願第20070202612号を参照)。文中に引用の開示資料は、本願の出願日より前のその開示の内容に関して引用されている。より早い優先日またはより早い発明日の効力によって、出願者らが開示資料の日付を早める権利を持たないことを承認すると解釈すべきではない。更に、実際の公開日が、それらの示された、また独立検証を求められた日付と異なることもある。
本明細書および添付の請求項で用いられている単数形“a”、“an”、および“the”には、文脈が明らかに別のものを指していない限り、複数の指示物が含まれることに留意しなければならない。整数以外の値で数値的に特定可能な値(例えば、“60nm”)を示す、本明細書および添付の請求項に挙げられている全ての数は、用語“約”で修飾されていると理解する。
文中で用いられている用語“センサ”は広義の語であって、その通常の意味で用いられ、例えば、制限無く、分析物を検出する、分析物監視デバイスの要素である。ある実施形態において、センサは、電気化学セルと電子的接続と膜系とを含んでいる。電気化学セルは、作用電極と参照電極と対電極と(例えば、これらの電極のそれぞれを複数)を備え、これらの電極はセンサ本体を貫通し、その中に固定されていて、本体上のある位置に電気化学的反応表面を形成している。電子的接続は、本体の別の場所にある。膜系は本体に付着していて、電気化学的反応表面を覆っている。センサの通常の作動の間、生体試料(例えば、血液や間質液)またはその一部を、酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)と接触させる(直接に、あるいは、1つ以上の膜または領域を通過させた後)と、生体試料(またはその一部)の反応から反応生成物が生じ、これにより生体試料中の分析物濃度を求めることができる。
文中に開示されている発明の実施形態は、例えば、糖尿病患者の血糖濃度の皮下または経皮的監視に用いられる種類のセンサを提示する。糖尿病その他の命に関わる病気の治療のため、様々な埋め込み型の電気化学バイオセンサが開発されている。既存のセンサ設計の多くは、その生物特異性を得るため、何種類かの固定化酵素を用いている。本件に記載の発明の実施形態は、多種多様の既知の電気化学センサ、例えば、その内容を本件に引用して援用する、米国特許出願第20050115832号、米国特許第6,001,067号、米国特許第6,702,857号、米国特許第6,212,416号、米国特許第6,119,028号、米国特許第6,400,974号、米国特許第6,595,919号、米国特許第6,141,573号、米国特許第6,122,536号、米国特許第6,512,939号、米国特許第5,605,152号、米国特許第4,431,004号、米国特許第4,703,756号、米国特許第6,514,718号、米国特許第5,985,129号、米国特許第5,390,691号、米国特許第5,391,250号、米国特許第5,482,473号、米国特許第5,299,571号、米国特許第5,568,806号、米国特許第5,494,562号、米国特許第6,120,676号、米国特許第6,542,765号、更に、PCT国際公開第01/58348号、国際公開第04/021877号、国際公開第03/034902号、国際公開第03/035117号、国際公開第03/035891号、国際公開第03/023388号、国際公開第03/022128号、国際公開第03/022352号、国際公開第03/023708号、国際公開第03/036255号、国際公開第03/036310号、国際公開第08/042625号、国際公開第03/074107、および欧州特許出願第1153571号に記載のものに適応可能であり、またこれを用いて実行することができる。
当技術においては、グルコースなどの生物的分析物の検出および/または測定に使用される電流測定センサなど、多種多様のセンサおよびセンサ要素が知られている。グルコースセンサの多くは、酸素(クラーク型)電流測定トランスデューサ(例えば、Yangほか, Electroanalysis 1997, 9, No. 16: 1252-1256; Clarkほか, Ann. N.Y. Acad. Sci. 1962, 102, 29; Updikeほか, Nature 1967, 214,986; Wilkinsほか, Med. Engin. Physics, 1996, 18, 273.3-51 参照)を利用している。グルコースとグルコースオキシダーゼの間の化学反応を利用して測定可能な信号を発生させる電気化学的グルコースセンサは、典型的に、当技術において“酸素不足問題”として知られる問題を解決するため、グルコースなどの分析物の拡散を調節するポリマ材料を含んでいる。特に、グルコースオキシダーゼを利用するセンサは、信号の発生に酸素(O)とグルコースの両方を必要とするため、グルコースオキシダーゼ型グルコースセンサの作動には、グルコースに対して過剰の酸素が存在する必要がある。しかし、皮下組織中の酸素濃度はグルコース濃度よりも遙かに低いため、センサ内でのグルコースと酸素とグルコースオキシダーゼとの反応において酸素が制限反応物となることがあり、この状況では、グルコース濃度に厳密に従った信号を発生するセンサの能力が低下してしまう。センサ内の層状材料の変性および/または置換は、このような変性によってこれらの層の非常に重要な選択透過性に予想外の変化が生じるおそれがあることが問題である。例えば、材料の特性は、化合物がその材料を通って測定可能な化学反応の部位へ拡散する速度に影響するため、グルコースとグルコースオキシダーゼとの化学反応を利用して測定可能な信号を発生させる、電気化学グルコースセンサに使用する分析物調節層の材料特性は、例えば、酸素不足問題を起こり易くするような、酸素よりもグルコースを拡散させ易いものであってはならない。このような状況において、本件に開示のプラズマ蒸着ヘキサメチルジシロキサン(および、必要に応じてアリルアミン)AP層は、電流測定グルコースセンサに見られる酸素不足問題に対処するよう考案された層状センサ構造体において有利となるような拡散特性などの機能的特色を示す。このような材料を用いて、長い保存寿命、改良された性能特性など、多くの望ましい特性を備えたセンサを作ることができる。
後で詳細に論じるように、本件に開示されている発明の実施形態は、改良された材料特性を備えたセンサ要素と、このような要素を含むよう構築されたセンサ装置(例えば、センサと、関連する電子的構成要素、例えば、モニタ、プロセッサなどを含む装置)を提示する。本願は更に、このようなセンサの製造法および使用法を提示する。本発明のいくつかの実施形態はグルコースセンサに関連しているが、本件に開示の様々な処理法および材料(例えば、プラズマ蒸着処理で形成した接着促進層)は、当技術で知られる多種多様の分析物センサのいずれにも使用できるよう適応可能である。本発明のこのようなセンサは、驚異的な柔軟性と多用途性とを示し、この特性により、多種多様の分析物を分析するよう考案された多種多様のセンサ構造が可能となる。文中で用いられている用語“分析物”は広義の語であって、その通常の意味で用いられ、例えば、制限無く、分析可能な体液(例えば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、または尿)などの液体中の物質または化学成分を指す。分析物には、天然にある物質、人工物質、代謝産物、および/または、反応生成物が含まれる。例示的な実施形態において、分析物はグルコースである。
本発明の実施形態の具体的な態様を、以下の章で詳細に論じる。
<本発明の典型的な処理工程、要素、および分析物センサ>
後で詳細に論じるように、本発明の実施形態は、改良された材料特性と製造し易さといった、独自の組み合わせの特徴を備えた接着促進層を含む、要素の新たな集合を提示する、電気化学センサの製造および使用法に関する。本発明の電気化学センサは、液体中の着目分析物(例えば、グルコース)の濃度、あるいは、分析物の濃度または存在を示す物質の濃度を測定するよう設計されている。一部の実施形態において、本センサは連続的デバイス、例えば、皮下、経皮、または血管内デバイスである。一部の実施形態において、本デバイスは、間欠的に複数の血液試料を分析して、着目分析物の濃度を示す出力信号を発生することができる。このようなセンサは、選択した材料特性を併せ持った1つ以上の接着促進層を含み、例えば、この特性によって、グルコースと酸素が、検出複合体(例えば、電極上に配置したグルコースオキシダーゼなどの酵素)と反応する前に、適度にこれらの層を通って移動することができる。分析物の存在は電気化学的方法を用いて測定可能であり、電極系の出力は分析物の指標として機能することができる。典型的に、このセンサは、in vivoまたはin vitroの分析物の指標として、酸素存在下での分析物と酵素との酵素的反応の生成物または反応物(例えば、グルコースの存在下、グルコースオキシダーゼによって発生する過酸化水素)を検出する種類のものである。
前述のように、本発明の実施形態は、層状センサ構造、例えば、1つ以上の接着促進材料/層を含む、複数の層状材料を備えた電流測定グルコースセンサに見られる構造に関する。このAP層の主な機能は、センサ性能の低下に繋がる、層間剥離の抑制である。しかし、追加材料の嵩がセンサ電流特性を変えるおそれがあり、この現象はセンサ性能に悪い影響を及ばす可能性があるため、これらの層は、電流測定センサ中においてできる限り薄くなければならない。接着促進材料/層は当技術において知られているが、従来のセンサ製造法の多くは、グルタルアルデヒドなどの有害な化学物質を用いて接着促進剤層を形成する。例えば、いくつかの湿式化学AP処理では、周囲の層、例えば、グルコースオキシダーゼ(GOx)および/または血清アルブミンを含む層、および/または、グルコース制限膜(“GLM”)に見られるようなポリマを含む層の間に設けられる、シラン類(例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン)などの組成物を架橋するために、グルタルアルデヒドを用いる。残念なことに、グルタルアルデヒドの使用には多くの問題が伴う。その1つは、この化合物がAP層を空気中で不安定にすることである。もう1つの問題は、センサ膜マトリックス中に残留する架橋剤によって架橋反応が続くため、センサ信号が時間と共に低下し易いことである。更に、グルタルアルデヒド廃棄物を環境に対して慎重に扱うと非常にコストがかかる。その結果、センサ製造に関わる様々な工程でのグルタルアルデヒドの使用量の低減、および/または、不使用には、多くの利点がある。
本発明の実施形態は、複数の層状材料を含むセンサ中の接着促進層を形成するためのドライプラズマ処理を含む。このドライプラズマ処理は、従来の湿式化学処理よりも多くの利点があり、例えば、従来法で使用する、ある種の生体に有害な化合物(例えば、グルタルアルデヒド)の必要量が少ない、あるいは、必要ないため、製造工程で生じる化学廃棄物が少なくなる。本発明の実施形態は、この方法で形成した接着促進層組成物を含み、この組成物は、望ましい材料特性の組み合わせ、例えば、非常に薄く、かつ、均一な構造的形状を示す。この接着促進層は、in vivoで使用するための電気化学センサの製造に特に有用である。後に示すように、この接着促進組成物を組み込んだ電流測定グルコースセンサは、多くの好ましい特性、例えば、改良された性能特性(例えば、図12Aおよび図12B参照)を示す。本発明の実施形態では、望ましい特性の組み合わせ、例えば、改良された寿命特性と、例えば、酸素不足問題に対処した、グルコースなどの分子に対する透過性が可能となる。更に、この接着促進層は、環境に優しく、コスト効率の良い製造工程を用いて形成することができる。
本発明の具体的な実施形態は、ドライプラズマ処理で形成した接着促進層を含む、複数の層状材料からのグルコースセンサ装置(例えば、図1および図2参照)の製造法を含む。典型的に、この方法は、ベース層を準備する工程と、ベース上に、作用、対、および参照電極を含む導電層を形成する工程と、導電層上に、分析物検出層(例えば、グルコースオキシダーゼを含む層)を形成する工程と、次に、分析物検出層上に、プラズマ蒸着処理を用いて接着促進層を形成する工程と、を含む。必要に応じて、接着促進層の形成に用いるプラズマ蒸着処理はパルス蒸着処理である。本発明の一部の実施形態において、接着促進層はヘキサメチルジシロキサンを含む。本発明の一部の実施形態において、接着促進層はヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンとを含み、デュアルプラズマ蒸着処理を用いて分析物検出層上に形成する。この実施形態では、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンを、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1を超えない(または、下回らない)比で、接着促進層中に配置する。
本発明の実施形態は、複数の層状材料から分析物センサを製造するための追加の方法論的工程、例えば、前述の接着促進層の上または下に追加の層、例えば、タンパク質層、分析物調節層、カバー層等を形成する工程を含む。このような実施形態の1つにおいて、この方法は、分析物検出層上にタンパク質層を形成する工程と、次に、このタンパク質層上に接着促進層を形成する工程を含む。本発明の実施形態はまた、その上に接着促進層を蒸着する1つ以上の層に、例えば、この層を前処理用気体プラズマに曝露することによって、前処理を行う工程を含むことができる。本発明の実施形態はまた、接着促進層を蒸着後、接着促進層を架橋させる工程を含んでいても良い。この架橋工程は、架橋用気体プラズマへの曝露を含む。必要に応じて、これらの工程において、前処理用または架橋用気体プラズマは、ヘリウムプラズマまたは酸素プラズマを含む。更に、本発明の実施形態は、架橋工程の後、接着促進層上に分析物調節層を形成する前に、分析物センサを洗浄する工程を含むことができる。
本発明の別の実施形態は、プラズマ蒸着処理を用いてヘキサメチルジシロキサン組成物から形成することによって得られる、材料特性の組み合わせを備えた接着促進層を含む、複数の層状材料を含む分析物センサ装置である。典型的にこのセンサは、in vivoへの埋め込みに適した構造体(例えば、針、カテーテル、プローブなど)に接続する。本発明の一部の実施形態において、接着促進層は、5:1から1:1まで(例えば、5:1、4:1、3:1、2:1、または1:1)の比で組み合わせた、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンの両方を含む。本発明の一部の実施形態において、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンは共有結合によって架橋している。一部の実施形態において、接着促進層は、特定の構造を持つように形成されており、例えば、平均厚さは、60、50、または40nm未満であり、および/または、その層の全長に亘って孔や裂け目(例えば、下にある層の一部を露出させるような、接着促進層の一部にあるピンホール様構造体)が相対的に少ない(湿式化学処理で形成した従来のAP層に比べて)か、無い。このような接着促進層を含む典型的なセンサとしては、作用電極上に配置した、グルコースオキシダーゼ(例えば、分析物検出層中に)を含む電流測定グルコースセンサが挙げられる。この実施形態の具体例を図1Aおよび図1Bに示す。本発明の一部の実施形態では、導電層上に分析物検出層を配置し、分析物検出層上に接着促進層を配置するよう、層を編成する。一部の実施形態において、接着促進層は、第1の側がタンパク質層中の材料と直に接し、第2の側が分析物調節層中の材料と直に接している。別の実施形態において、接着促進層は、第1の側が分析物検出層中の材料と直に接し、第2の側が分析物調節層中の材料と直に接している。本発明の一部の実施形態において、分析物検出層は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、乳糖デヒドロゲナーゼから成る群より選ばれる酵素を含む。
一部の実施形態では、接着促進層を、分析物検出層上に配置したタンパク質層の上に配置し、例えば、タンパク質層は、ウシ血清アルブミン(BSA)またはヒト血清アルブミン(HSA)を含む。典型的な実施形態において、この層中のタンパク質成分は、ヒト血清アルブミンなどのアルブミンを含んでいる。HSA濃度は、約0.5%〜30%(w/v)の間で変動する。典型的に、HSA濃度は約1〜10%w/vであり、最も典型的には、約5%w/vである。本発明の別の実施形態では、コラーゲンまたはBSA、あるいはこのような状況で使用される別の構造タンパク質を、HSAの代わりに、またはそれに加えて使用することができる。本発明の実施形態は、接着促進層上に配置した追加的な層、例えば、分析物調節層を含む。本発明の一部の実施形態において、分析物調節層は、イソシアナート化合物を含み、このイソシアナートは、接着促進層中のアリルアミンの原子と共有結合する原子を含んでいる。本発明の一部の実施形態において、分析物調節層は、線状ポリウレタン/ポリ尿素ポリマを含む。典型的に、分析物調節層は、ジイソシアナート化合物(典型的に、混合物中の反応物の約50モル%)と、少なくとも1つの親水性ジオールまたは親水性ジアミン化合物(典型的に、混合物中の反応物の約17から45モル%)と、シロキサン化合物とを含む混合物から形成する。必要に応じて、ポリウレタン/ポリ尿素ポリマは、45〜55モル%(例えば、50モル%)のジイソシアナート(例えば、4,4’−ジイソシアナート)と、10〜20モル%(例えば、12.5モル%)のシロキサン(例えば、ポリメチルヒドロシロキサン、トリメチルシリル末端化)と、30〜45モル%(例えば、37.5モル%)の親水性ジオールまたは親水性ジアミン化合物(例えば、600ドルトンの平均分子量を持つポリプロピレングリコールジアミン、Jeffamine 600)とを含む。分析物調節層の実施形態の一部では、第1のポリウレタン/ポリ尿素ポリマを、5〜45質量%のメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル化合物と、15〜55質量%のメタクリル酸メチル化合物と、15〜55質量%のポリジメチルシロキサンモノメタクリルオキシプロピル化合物と、5〜35質量%のポリ(エチレンオキシド)メチルエーテルメタクリラート化合物と、1〜20質量%のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを含む混合物から生成した第2のポリマと混合する。このとき、第1ポリマと第2ポリマは、1:1と1:20質量%の間の比で混合する。
本発明の具体的な実施形態において、分析物調節層は、ジイソシアナートと、親水性ジオールまたは親水性ジアミンを含む親水性ポリマと、末端にアミノ、ヒドロキシル、またはカルボン酸官能基を持つシロキサンとを含む混合物から生成した、ポリウレタン/ポリ尿素ポリマの混合物を含んでいる。必要に応じて、このポリウレタン/ポリ尿素ポリマを、アクリル酸ブチル、プロピル、エチル、またはメチルと、アミノアクリラートと、シロキサンアクリラートと、ポリ(エチレンオキシド)アクリラートとを含む混合物から生成した、分枝アクリラートポリマと混合する。必要に応じて、分析物調節層は、膜重量の40〜60%の水吸着性を示す。本発明の一部の実施形態において、分析物調節層の厚さは5〜15μmである。一部の実施形態において、分析物調節層は、ジイソシアナートと、親水性ジオールまたは親水性ジアミンを含む親水性ポリマと、末端にアミノ、ヒドロキシル、またはカルボン酸官能基を持つシロキサンと、ポリウレタン/ポリ尿素ポリマ安定化化合物とを含む混合物から生成したポリウレタン/ポリ尿素ポリマを含む。ポリウレタン/ポリ尿素ポリマ安定化化合物は、この混合物から生成したポリウレタン/ポリ尿素ポリマの熱分解および酸化分解を抑制する、その能力に応じて選択する。ポリウレタン/ポリ尿素ポリマ安定化化合物は、1000g/モル未満の分子量を持ち、ヒドロキシル基を持つベンジル環(ArOH)を含んでいる。本発明の典型的な実施形態において、ポリウレタン/ポリ尿素ポリマ安定化化合物は酸化防止活性を示す(例えば、フェノール系酸化防止剤を含む実施形態)。必要に応じて、ポリウレタン/ポリ尿素ポリマ安定化化合物は、ヒドロキシル基を持つ、少なくとも2つのベンジル環を含んでいる。
本発明の別の実施形態は、本件に開示の、ヘキサメチルジシロキサン(および、必要に応じて、アリルアミン)のプラズマ蒸着から形成した接着促進層を含む、複数の層状材料を含む電流測定センサを使用した、哺乳動物体内の分析物の検出法を含む。典型的にこの方法は、分析物センサを哺乳動物に埋め込む工程と、分析物の存在下、センサ電極での電流の変化を検出する工程と、電流変化を分析物の存在および/または濃度と相関させる工程と、を含む。具体的な実施形態において、このセンサは、糖尿病患者の使用するグルコースセンサである(例えば、図12参照)。
図2は、本発明の、あるセンサの実施形態100の断面図である。このセンサの実施形態は、技術的に認められた方法、および/または、本件に開示の本発明の特定の方法に従って互いに配置した、様々な導電性および非導電性成分を含む、層の形をした複数の構成要素で形成されている。センサの構成要素は、例えば、図2に示すセンサ構造の特徴を示し易くするため、文中では一般に層で示す。しかし、当業者ならば、本発明の一部の実施形態において、複数の成分が異成分を含む1つ以上の層を形成するように、センサ成分を組み合わせることを理解していよう。このような状況で、当業者は、本発明の様々な実施形態で、層状成分の順番は変更可能であることを理解している。
図2に示す実施形態は、センサ100を支えるベース層102を含んでいる。ベース層102は、金属および/またはセラミックおよび/またはポリマ基材などの材料を含み、自立性でも、当技術で知られる別の材料で更に支持されていても良い。本発明の実施形態は、ベース層102上に配置した、および/または、ベース層102に結合した導電層104を含む。典型的に、導電層104は1つ以上の電極を含む。作動するセンサ100は典型的に、作用電極、対電極、参照電極などの複数の電極を含む。別の実施形態はまた、複数の、ユニットとしてグループ化された作用、対、および参照電極の組を含む。
後で詳細に論じるように、ベース層102および/または導電層104は、多くの既知の技術および材料を用いて製造できる。本発明の一部の実施形態において、センサの電気回路は、配置した導電層104を、所望のパターンの導電性パスにエッチングして形作る。センサ100の典型的な電気回路は、近接端に接触パッドとなる領域と、遠位端にセンサ電極となる領域とを備えた、2つ以上の隣接する導電性パスを含む。ポリマコーティングなどの電気絶縁性カバー層106を、センサ100上の一部に配置しても良い。絶縁性保護カバー層106として使用可能なポリマコーティングには、シリコーン化合物、ポリイミド、生体適合性ソルダーマスク、エポキシアクリラート共重合体など、無毒の生体適合性ポリマ(但し、これらに限定しない)が含まれる。本発明のセンサにおいて、カバー層106を貫通して1つ以上の露出部位または開口部108を設け、導電層104を外部環境に開放して、例えば、グルコースなどの分析物をセンサの層へ浸透させ、検出要素で検出できるようにしても良い。開口部108は多くの技術、例えば、レーザアブレーション、テープマスキング、化学研磨、エッチング、フォトリソグラフィ現像などで形成できる。本発明の一部の実施形態において、製造の際、更に第2のフォトレジストを保護層106に塗布して、開口部108を形成するために除去される保護層の領域を形作っても良い。露出電極および/または接触パッドにも、表面を準備するため、および/または、導電性領域を強化するため、追加のメッキ工程などの第2の加工(例えば、開口部108を通して)を行っても良い。
図2に示すセンサ形状では、分析物検出層110を、導電層の104の1つ以上の露出した電極上に配置する。典型的に、分析物検出層110は、酸素および/または過酸化水素を発生または利用することのできる酵素、例えば、酵素グルコースオキシダーゼを含む。必要に応じて、分析物検出層中の酵素を、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンなどの第2の担体タンパク質と結合させる。具体的な実施形態において、分析物検出層110中の、グルコースオキシダーゼなどのオキシドレダクターゼ酵素はグルコースと反応して過酸化水素を生成し、この化合物は、電極での電流を変調させる。この電流の変調は過酸化水素の濃度に依存し、過酸化水素濃度はグルコースの濃度に相関するため、この電流変化を監視することでグルコース濃度が求められる。過酸化水素濃度の変化によって起こるこの電流変化は、一般的なセンサ電流測定バイオセンサ検出器などの様々なセンサ検出装置のいずれかで、あるいは、Medtronic MiniMed製のグルコース監視デバイスなど、当技術で知られる様々な類似デバイスの1つで監視することができる。本発明のこの要素の典型的なセンサの実施形態では、酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)を使用し、これを第2のタンパク質(例えば、アルブミン)と一定の比率(例えば、典型的に、グルコースオキシダーゼを安定化する性質が最大となるような比率)で組み合わせ、次に、電極表面に塗布して薄い酵素要素を形成する。典型的な実施形態において、分析物検出要素は、GOxとHSAの混合物を含む。一般に、酵素および第2タンパク質(例えば、アルブミン)に処理を行い(例えば、タンパク質混合物に架橋剤を加えて)、架橋したマトリックスとする。当技術で周知のように、架橋条件は、酵素の生物活性の保持、その機械的および/または操作安定性などの因子を調節するため、操作しても良い。架橋手順の例は、米国特許出願整理番号第10/335,506号、国際公開第03/035891号に記載されており、その内容は本件に引用して援用する。例えば、グルタルアルデヒドなど(但し、これに限定しない)のアミン架橋剤を、タンパク質混合物に加えても良い。
本発明の実施形態では、分析物検出層110を、導電層の一部分の上に、または、導電層の全領域上に塗布することができる。典型的に、分析物検出層110は、陽極または陰極である作用電極の上に配置する。必要に応じて、分析物検出層110は、対および/または参照電極の上にも配置する。分析物検出層110は約1000μmの厚さにまでできるが、典型的に、分析物検出層は、当技術で先に述べられたセンサに見られる層に比べて相対的に薄く、例えば、典型的に、1、0.5、0.25、または0.1μm未満の厚さである。後で詳細に論じるように、薄い分析物検出層110を製造するためのいくつかの方法としては、基材(例えば、白金黒電極の反応表面)上への層の刷毛塗り、更に、スピンコーティング法、浸漬および乾燥法、低剪断スプレ法、インクジェット法、シルクスクリーン法などが挙げられる。
典型的に、分析物検出層110は、1つ以上の追加の層に隣接するよう被覆、および/または、配置する。必要に応じて、1つ以上の追加層には、分析物検出層110上に配置したタンパク質層116が含まれる。典型的に、タンパク質層116は、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミンなどのタンパク質を含む。典型的に、タンパク質層116はヒト血清アルブミンを含む。本発明の一部の実施形態において、追加層は、分析物検出層110に達する分析物を調節するために分析物検出層110上に配置した、分析物調節層112を含む。例えば、分析物調節膜層112は、分析物検出層内に存在する、グルコースオキシダーゼなどの酵素に接触するグルコースの量を調節する、グルコース制限膜を含んでいても良い。このグルコース制限膜は、この目的に適うことが知られる様々な材料、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン化合物、ポリウレタン、ポリ尿素、酢酸セルロース、NAFION、ポリエステルスルホン酸(例えば、Kodak AQ)、ヒドロゲル、本件に開示されているポリ尿素ポリマとポリマの混合物から作ることができる。
本発明の実施形態では、層の密着性および/または接着性を高めるため、図2に示すように、分析物調節層112と分析物検出層110など、層の間に接着促進剤層114を配置する。本発明の詳細な実施形態では、層の密着性および/または接着性を高めるため、図2に示すように、分析物調節層112とタンパク質層116の間に接着促進剤層114を配置する。接着促進剤層114は、これらの層の間の結合性を高めることが当技術で知られている様々な材料のいずれから製造しても良い。典型的に、接着促進剤層114は、ヘキサメチルジシロキサン、または、5:1から1:1までの比で組み合わせたヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンとを含む。本件に開示のセンサに加えることのできる、および/または、本件のセンサでの使用に適した、典型的な要素の実施形態は、米国特許出願公開第20070163894号、米国特許出願公開第20070227907号、米国特許出願公開第20100025238号、米国特許出願公開第20110319734号、米国特許出願公開第20110152654号に開示されており、その内容は全て本件に引用して援用する。例えば、米国特許出願公開第20070163894号の図2には、本発明の実施形態での使用に適した種類の、皮下センサ挿入セット、遠隔測定特性値監視送信デバイス、データ受信デバイスを描いた斜視図が示されている。更に、多くの論文、米国特許、および特許出願は、本件に開示の通常の方法と材料とで最新技術を述べており、更に、本件に開示のセンサ設計に使用可能な様々な構成要素(および、その製造法)も述べている。そのようなものとしては、例えば、米国特許第6,413,393号、米国特許第6,368,274号、米国特許第5,786,439号、米国特許第5,777,060号、米国特許第5,391,250号、米国特許第5,390,671号、米国特許第5,165,407号、米国特許第4,890,620号、米国特許第5,390,671号、米国特許第5,390,691号、米国特許第5,391,250号、米国特許第5,482,473号、米国特許第5,299,571号、米国特許第5,568,806号、米国特許出願第20020090738号、更に、PCT国際公開番号第01/58348号、国際公開第03/034902号、国際公開第03/035117号、国際公開第03/035891号、国際公開第03/023388号、国際公開第03/022128号、国際公開第03/022352号、国際公開第03/023708号、国際公開第03/036255号、国際公開第03/036310号、国際公開第03/074107号が挙げられ、これらの内容は全て本件に引用して援用する。
本発明の実施形態には、本件に開示のプラズマ蒸着AP層を備えたセンサを含む、皮下センサ挿入装置が含まれる。図4に、皮下センサ挿入装置の一般化した1つの実施形態の斜視図と、本発明の1つの具体例による、センサの電子的デバイスのブロック図を示す。このようなセンサ装置の実施形態に典型的に用いられる追加要素は、例えば、米国特許出願第20070163894号に開示されており、その内容は本件に引用して援用する。図4に、使用者の体内の特定の場所に、可撓性のセンサ12等の活性部分を皮下に設置するための皮下センサセット10を含む、遠隔測定特性値監視装置1の斜視図を示す。センサセット10の皮下または経皮部分には、鋭端44を備えた、空洞で穴の開いた挿入針14とカニューレ16が含まれる。カニューレ16の内側は、カニューレ16中に形成した窓22を通して、使用者の体液を1つ以上のセンサ電極20に触れさせるための、センサ12の検出部18である。検出部18は部接続部24に繋がり、その末端は導電性の接触パッドなどになっていて、これも絶縁層の1つを通して露出している。接続部24と接触パッドは一般に、センサ電極20から生じた信号に応じて使用者の状態を監視するためのディスプレイ214に繋がった、適当な監視装置200への、直接配線型電気接続に適している。接続部24は、その内容を本件に引用して援用する、米国特許第5,482,473号、標題“FLEX CIRCUIT CONNECTOR”に図示および記述されているような、コネクタブロック28(など)によって、監視装置200または特性値監視送信機100へ、簡単に電気接続できる。
図4に示すように、本発明の実施形態に従い、皮下センサセット10を、有線または無線の特性値監視装置と共に作動するように構成または形成する。使用者の皮膚上への設置に適したマウンティングベース30に、センサ12の近位部を載せる。マウンティングベース30は、裏面が、適当な粘着剤層32と、センサセット10が使える状態になるまで粘着剤層32を覆って保護するよう通常設けられている剥離紙ストリップ34とで覆われたパッドでも良い。マウンティングベース30は上層36と下層38を含み、可撓性センサ12の接続部24は層36と層38で挟まれている。接続部24には、センサ12の活性検出部18に繋がる前方部分があり、この部分は角度を成して折れ曲がり、下側ベース層38中に形成した穴40を通って下方へ伸びている。必要に応じて、粘着剤層32(または、in vivo組織と接触する、装置の他の部分)は、炎症反応を抑えるための抗炎症剤、および/または、感染機会を減らすための抗菌剤を含んでいる。挿入針14は、上側ベース層36中に形成したニードルポート42を通り、下側ベース層38中の下側の穴40を通って、スライドして嵌め込むようになっている。挿入後、挿入針14を引き抜くと、検出部18とセンサ電極20を含むカニューレ16が特定の挿入部位内に残る。この実施形態では、遠隔測定特性値監視送信機100を、コネクタ104を通るケーブル102でセンサセット10に接続する。コネクタ104は、センサセット10の接続部24のコネクタブロック28に電気接続している。
図4に示す実施形態では、遠隔測定特性値監視装置100には、プリント基板108、バッテリ110、アンテナ112、コネクタ104付きケーブル102を支えるハウジング106が含まれる。一部の実施形態では、ハウジング106を上部ケース114と下部ケース116で作り、これを超音波溶接で密閉して防水(または耐久性)密閉とし、水、洗浄剤、アルコール等での浸漬(または拭き取り)により洗浄できるようにする。一部の実施形態では、上部ケース114と下部ケース116を医療用プラスチックで作る。しかし、別の実施形態では、上部ケース114と下部ケース116を別の方法、例えば、スナップ式、密閉リング、RTV(シリコーン封止剤)、接着剤で貼り合わせるなどして接合しても良く、あるいは、別の材料、例えば、金属、複合材、セラミックスなどから作っても良い。別の実施形態では、分かれた容器を用いず、この部品を単に、エポキシ中に、あるいは、電子装置に合った適度に耐湿性の他の成形性材料中に埋め込む。図のように、下部ケース116は、適当な粘着剤層118と、センサセット遠隔測定特性値監視送信機100が使える状態になるまで粘着剤層118を覆って保護するよう通常設けられている剥離紙ストリップ120とで覆われた下面を備えていても良い。
図4に示す具体的な実施形態では、皮下センサセット10により、使用者の状態を示す特定の血液パラメータの監視に使用する種類の可撓性薄膜電気化学センサ12を正確に配置し易くなる。センサ12は体内のグルコース濃度を監視するもので、これを、米国特許第4,562,751号、米国特許第4,678,408号、米国特許第4,685,903号、または米国特許第4,573,994号に記載されているように、外付け型または埋め込み型の自動または半自動薬物注入ポンプと連動するように使用して、糖尿病患者へのインスリン投与を制御しても良い。
図4に示す具体的な実施形態では、センサ電極10を様々な検出用途に使用し、また様々な方法で設定する。例えば、センサ電極10を、触媒として何種類かの生体分子を使用する、生理的パラメータ検出用途に用いる。例えば、センサ電極10を、センサ電極20との反応に触媒作用を及ぼすグルコースオキシダーゼ酵素を含む、グルコースおよび酸素センサに用いる。センサ電極10を、生体分子またはいくつかの他の触媒と共に、人体の血管内または非血管内環境中に置く。例えば、センサ電極20と生体分子を、血管内に置いて血流に曝し、あるいは、人体の皮下または腹膜部位内に置く。
図4に示す本発明の実施形態において、センサ信号の監視装置200は、センサ電子デバイス200とも呼ばれる。監視装置200には、電源、センサインターフェース、処理用電子装置(即ち、プロセッサ)、データ形式化電子装置が含まれる。監視装置200は、接続部24のコネクタブロック28に電気接続した、コネクタを通るケーブル102でセンサセット10に接続している。別の実施形態では、ケーブルは無くても良い。このような本発明の実施形態では、監視装置200に、センサセット10の接続部104へ直接接続するための適当なコネクタが含まれる。センサセット10は、コネクタ部104を別の位置、例えば、センサセットの上部に設けるように変更して、センサセット上に監視装置200を置き易くしても良い。
本件に開示されている本発明の別の実施形態は、プラズマ蒸着処理を用いて形成した接着促進層を含む、複数の層状要素からの、哺乳動物に埋め込むためのセンサ装置の製造法である。この方法は、ベース層を準備する工程と、ベース層上に導電層を形成する工程と、導電層上に分析物検出層を形成する工程と、必要に応じて、分析物検出層上にタンパク質層を形成する工程と、次に、分析物検出層または任意のタンパク質層の上に接着促進層を形成する工程と、を含み、導電層は、電極(典型的に、作用電極と参照電極と対電極)を含み、分析物検出層は、分析物の存在下、導電層中の電極で電流を変化させる(グルコース存在下でグルコースオキシダーゼが行うように)組成物を含む。次に、この接着促進層上に、その後の層を堆積する。
本発明の方法の典型的な実施形態では、他の機能層の接触性を良くし、センサ装置の安定性を高めるため、それらの間に接着促進剤層を配置する。接着促進剤層を作るための組成物は、センサ安定性を高め、かつ、気体プラズマ処理を用いてセンサの1つ以上の層の上に蒸着可能である、などの多くの望ましい特性を備えるよう選択する。典型的に、このようなプラズマAP処理では、PVA−TePla(登録商標)M4lチャンバなど、市販の装置が使用できる。ある一般的なプラズマAP処理には、図3に図示した工程が含まれる。電流測定グルコースセンサに用いられる段階的手順の一例は、以下のとおりである。
1.その上にAP層を蒸着する、所望の下引き層を準備する(例えば、HSAを含むタンパク質層、または、GOxを含む分析物検出層)。このセンサスタック(例えば、HSAまたはGOx層まで)に短時間、気体プラズマ(例えば、ヘリウムプラズマ、O2プラズマ、または連続波モノマプラズマ)で前処理を行い、基材表面を活性化する。
2.その上にAP層を蒸着する特定の層(例えば、HSAを含むタンパク質層、またはGOxを含む分析物検出層)の上に、HMDSO(および、必要に応じて、アリルアミン)パルスプラズマ蒸着(例えば、60sccmのアリルアミン、60sccmのHMDSOを使用し、200W、350mT、2分10秒、パルスデューティサイクル30%、パルス周波数20)を用いて、非常に薄い薄膜を作る。様々な要望に応じて、アリルアミンとHMDSOの比は調節可能である。一部の実施形態において、この層は100%がHMDSOを含み、プラズマ処理でHMDSOだけを使用して形成する。
アリルアミンおよびHMDSO前駆物質は、従来のいくつかの接着促進剤(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)でも生成する、シロキサン基とアミノ官能基を生成できるが、従来の一部のAP処理に伴う問題、例えば、低い蒸気圧、センサ製造の際の空気中湿度に対する高い感受性などの問題がない。この2つのモノマの液相の代わりに、その蒸気相を用い、それぞれの蒸気が独自のプラズマ組成物を生じて、独自の表面特性を備えた層を生成する。パルスプラズマ蒸着処理の間、アリルアミンおよびHMDSOモノマ蒸気は分解し、基材と、またそれら自体とも反応し、繋がって、ピンホールのない薄膜となる。更に、HMDSOパルスプラズマ蒸着は、活性化基材に結合するためのシリカ様の薄膜層を生じ、これは、分析物調節層を下の、例えば、GOxを含む層に固定するための、また、最も上の分析物調節層(例えば、GLM層)からの分析物(例えば、グルコース)の浸透を更に制限するための、良好な障壁となり得る。アリルアミン前駆物質は、比較的親水性のポリマ膜を形成し、また、隣接層中の基(例えば、GLM中に見られる基)に化学結合する、アミノ官能基も生成することができる。
3.このプラズマパルス蒸着処理に続き、適当なプラズマ処理(例えば、200W、350mTorrで、75秒間のヘリウムプラズマ)を用いて、新たに堆積したAP層を架橋しても良い。この処理により、堆積物の安定性を高めることができる。このような堆積後処理の別の選択肢、特に、HMDSOのみを含むAP組成物のための処理は、低出力で短時間のO2プラズマ(例えば、10Wで10秒間)である。
4.この架橋処理工程に続き、プラズマ処理したプレートを、例えば、洗浄工程においてDI水で5分間洗い、次にプレートを乾燥(例えば、脱水機で)しても良い。この洗浄工程を用いて、好ましくない残留化学物質(例えば、共有結合していない物質)が除去できる。
5.この洗浄/乾燥工程の後、処理したセンサスタックに、次の層(例えば、GLMを含む分析物調節層)を直接被覆することができる。このようにして、グルタルアルデヒドなどの問題のある化合物を使用せずにAP層を形成する。
上で述べたように、本発明の実施形態は、プラズマ蒸着した接着促進層上に分析物調節層を形成する工程を含む。典型的に、接着促進層は分析物調節層と直に接している。この実施形態において、分析物調節層は、それを通る分析物の拡散を調節するポリマ組成物(例えば、グルコース制限膜)を含む。この方法はまた、分析物調節層の少なくとも一部の上に配置したカバー層を形成する工程を含んでいても良い。このカバー層は、分析物調節層の少なくとも一部の上に開いた開口部を更に含んでいる。本発明の一部の実施形態において、分析物調節層は、中心鎖と、中心鎖に結合した複数の側鎖とを含む分枝アクリラート共重合体で安定化した、線状ポリウレタン/ポリ尿素ポリマを含む。
後で詳細に論じるように、センサの様々な層は、様々な異なる特性を示すように作成でき、この特性は、センサの固有の設計に従って調節可能である。典型的に、センサの製造法は、分析物検出層上にタンパク質層を形成する工程を含み、タンパク質層中のタンパク質は、ウシ血清アルブミンおよびヒト血清アルブミンから成る群より選ばれるアルブミンである。典型的に、センサの製造法は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、および乳酸デヒドロゲナーゼから成る群より選ばれる酵素組成物を含む、分析物検出層を形成する工程を含む。この方法において、分析物検出層は、典型的に、酵素とほぼ一定の比で担体タンパク質組成物を含んでおり、酵素と担体タンパク質は分析物検出層全体にほぼ均一に分散している。
本件に提示されている開示の内容には、様々な既知の技術を組み合わせ用いて製造できるセンサおよびセンサ構造が含まれる。開示の内容は更に、非常に薄い酵素被膜をこのような種類のセンサに塗布する方法と、この方法で製造したセンサを提示する。このような場合、本発明の一部の実施形態には、技術的に認められた方法に従って、基材上にこのようなセンサを形成する方法が含まれる。一部の実施形態において、基材は、フォトリソグラフィマスクおよびエッチング処理での使用に適した硬く平らな構造を含む。この場合、基材の上面は一般に、高い均一平面度を備えている。研磨したガラス板を用いて滑らかな上面としても良い。別の基材材料としては、例えば、ステンレススチール、アルミ、プラスチック材料(delrinなど)等が挙げられる。別の実施形態では、基材は硬くなく、薄膜、あるいは、基材として使用される絶縁材料、例えば、ポリイミドなどのプラスチックを含む、別の層でも良い。
本発明の方法の最初の工程は、典型的に、センサのベース層の形成を含む。ベース層はどのような所望の手段で基材上に配置しても良く、例えば、制御されたスピンコーティング法で配置する。更に、基材層とベース層との間の接着性が不十分ならば接着剤を用いる。典型的に、液状のベース層材料を基材に塗布した後に基材を回転させ、薄くほぼ均一な厚さのベース層として、絶縁材料を含むベース層を基材上に形成する。この工程を繰り返して十分な厚さのベース層を積み上げた後、一連のフォトリソグラフィおよび/または化学マスクおよびエッチング工程を行って、後に論じる導体を形成する。具体的な形では、ベース層は、セラミックまたはポリイミド基材などの絶縁材料の薄膜シートを含む。ベース層は、アルミナ基材、ポリイミド基材、ガラスシート、制御された細孔ガラス、または平坦化した可塑性液晶ポリマを含んでいても良い。ベース層は、炭素、窒素、酸素、ケイ素、サファイア、ダイアモンド、アルミ、銅、ガリウム、ヒ素、ランタン、ネオジム、ストロンチウム、チタン、イットリウム、またはこれらの組み合わせなどの(但し、これらに限定しない)、様々な元素の1つ以上を含むどのような材料から作っても良い。更に、基材は、当技術で周知の様々な方法、例えば、化学蒸着、物理蒸着、あるいは、スピングラス、カルコゲニド、グラファイト、二酸化ケイ素、有機合成ポリマなどの材料を用いたスピンコーティングで、固体支持体上に被覆しても良い。
本発明の方法は更に、1つ以上の検出要素を備えた導電層の生成を含む。典型的にこれらの検出要素は、活性電極の形状を作るための、当技術で知られる様々な方法のいずれか、例えば、フォトレジスト、エッチング、および洗浄などで形成した電極である。次に、例えば、作用電極と対電極では白金黒を電着し、参照電極上に銀、続いて塩化銀を電着して、電極を電気化学的に活性化することができる。次に、検出層上にセンサ化学酵素層などのセンサ層を、電気化学析出により、または、電気化学析出以外の方法、例えば、スピンコーティングなどで堆積した後、例えば、ジアルデヒド(グルタルアルデヒド)またはカルボジイミドを用いて蒸気架橋することができる。
本発明の電極は、当技術で知られる多種多様の材料から作ることができる。例えば、電極を貴後期遷移金属から作る。様々な本発明の実施形態には、金、白金、銀、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウムなどの金属が適している。一部のセンサの実施形態では、炭素や水銀など、他の組成物も有用である。これらの金属の中でも、銀、金、白金が、参照電極金属として典型的に用いられる。後に塩素化される銀電極は、典型的に参照電極として用いられる。これらの金属は、当技術で周知のどのような手段で堆積しても良く、例えば、無電解法で行う。無電解法は、金属塩と還元剤を含む溶液に基材を浸し、予め金属化した部位に金属を堆積する工程を含むものである。無電解法は、還元剤が電子を導電性(金属化)表面に与えると同時に、導電性表面で金属塩の還元が起こることで進行する。
本発明の例示的な実施形態では、初めに、電極付着、表面スパッタリング、または他の適当な処理工程により、薄膜導電層でベース層を被覆する。ある実施形態では、ポリイミドベース層との化学接着に適したクロムを含む層を最初に作り、次に、薄膜の金を含む層とクロムを含む層を順次形成したものなど、複数の薄膜導電層としてこの導電層を作る。別の実施形態では、別の電極層の構造または材料を用いることができる。次に、従来のフォトリソグラフィ技術に従って導電層を選択したフォトレジストコーティングで覆い、適切に光画像形成を行うため、フォトレジストコーティング上にコンタクトマスクを塗布することができる。コンタクトマスクは、典型的に、フォトレジストコーティングを適当に露光し、次に、エッチング工程を行ってベース層上に複数の導電性のセンサ配線を残すための、1つ以上の導体配線パターンを含んでいる。皮下グルコースセンサとして使用するために設計された具体的なセンサ構造では、それぞれのセンサ配線は、作用電極、対電極、参照電極などの3つに分かれた電極に相当する、3つの平行したセンサ要素を含むことができる。
典型的に、導電性センサ層の一部は、一般にシリコンポリマおよび/またはポリイミドなどの材料を含む、絶縁性カバー層で覆われている。絶縁性カバー層は、どのような所望の方法で塗布しても良い。例示的な手順では、絶縁性カバー層を、センサ配線上に液体層として塗布し、その後、基材を回転させて液体材料をセンサ配線上の薄膜として分散させ、センサ配線の周縁を超えて伸ばして、ベース層と密封接触させる。次に、この液体材料に、当技術で周知の、適当な放射線および/または化学および/または熱硬化工程の1つ以上を行う。別の実施形態では、液体材料を、スプレ法または他の所望の塗布手段のいずれかを用いて塗布する。光画像形成可能なエポキシアクリラートなど、様々な絶縁層材料が用いられ、材料の一例は、ニュージャージー州ウェストパターソン、OCG, Inc.より、製品番号7020として入手可能な、光画像形成性ポリイミドを含むものである。
センサ要素の処理後、スプレ、浸漬など、当技術で周知の多種多様の方法のいずれかで、1つ以上の追加の機能性被覆またはカバー層を塗布することができる。本発明の一部の実施形態は、酵素含有層上に堆積した分析物調節層を含む。分析物制限膜層の使用により、活性センサ表面に接触する分析物の量を調節する他にも、異物によるセンサ付着物の問題も防止できる。当技術で知られているように、分析物調節膜層の厚さは、活性酵素に到達する分析物の量に影響する。このため、その塗布は通常、一定の処理条件下で行われ、その厚さを綿密に制御する。下にある層の微細加工は、分析物調節膜層全体の寸法管理に、また、分析物制限膜層材料自体の正確な組成にも影響する要因となることがある。この点で、何種類かの共重合体、例えば、シロキサンおよび非シロキサン部分を含む共重合体が特に有用であることが分かっている。これらの材料は、制御された厚さまで、少量ずつ分配またはスピンコートすることができる。
本発明の一部の実施形態では、センサ層の酵素に接触する分析物の量を調節可能な親水性被膜を含む分析物調節層を塗布する方法でセンサを作る。例えば、本発明のグルコースセンサに加えるカバー層は、電極上のグルコースオキシダーゼ酵素層に接触するグルコースの量を調節するグルコース制限膜を含むことができる。このグルコース制限膜は、この目的に適うことが知られる様々な材料、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン、ポリウレタン、酢酸セルロース、Nafion、ポリエステルスルホン酸(例えば、Kodak AQ)、ヒドロゲル、または、この目的に適うことが当業者に知られるその他の膜から作ることができる。本発明の一部の実施形態において、分析物調節層は、中心鎖と、中心鎖に結合した複数の側鎖とを含み、少なくとも1つの側鎖がシリコーン基を含む、分枝アクリラート共重合体で安定化した、線状ポリウレタン/ポリ尿素ポリマを含んでいる。
本発明の実施形態は、典型的に、電気絶縁性の保護構成要素(例えば、図2の要素106参照)である、1つ以上の外部カバー構成要素を含む。典型的に、このようなカバー構成要素は、分析物調節構成要素の少なくとも一部の上に配置する。絶縁性保護カバー構成要素として使用可能なポリマコーティングには、シリコーン化合物、ポリイミド、生体適合性ソルダーマスク、エポキシアクリラート共重合体など、無毒の生体適合性ポリマ(ただし、これらに限定しない)が含まれる。
[実施例1:実例となる本発明の実施形態]
プラズマは、導電性状態となるまでエネルギを加えた気体であり、その中では、かなりの割合の原子または分子がイオン化している。この状態では、電子、イオン、ラジカル、励起された中性分子(excited neutrals)、光子、電界および磁界が存在する。これらの成分の集団的性質がプラズマ現象を構成している。プラズマ化学気相成長法は、プラズマ技術を用いて、気体状態(気相)から固体状態へ、基材の上に薄膜を堆積する方法である。本発明の実施形態では、プラズマ蒸着技術を用い、例えば、埋め込み型グルコースセンサの製造に有益な、2成分前駆物質プラズマAP蒸着処理を用いて、層状センサ構造体に有用な接着促進層を形成する。この処理法には、湿式化学AP処理に伴うある種の問題がなく、従来法に代わる環境に優しい方法となる。
例えば、TePla M4Lプラズマ処理装置を用いて、先進的なドライプラズマAP材料および処理法が開発されており、これには、センサ製造工程において有用で、in vivo埋め込みに適した生体適合性も持つという特徴がある。プラズマAPは、自動処理の可能性、著しく短い処理時間、有毒なグルタルアルデヒドの不使用、日常の化学廃棄物の低減など、現在の湿式化学AP処理法よりも多くの長所を持つ。
<実例となるIN VITROおよびIN VIVO試験>
次の試験は、以下の順で堆積した以下の層状要素を備えた電流測定グルコースセンサで行った。ベース層、電極を含む導電層、GOxを含む分析物検出層、HSAを含むタンパク質層、HMDSOを含むプラズマ蒸着した接着促進層、グルコース制限膜(GLM)を含む分析物調節層。
センサ構造体(HSA層まで)を、本件に記載のプラズマAP処理を含む方法で形成した。AP層を加えてプレートを洗浄および乾燥した後、AP層上にスロットコーティングでGLMを塗布し、次に、従来のプロトコルに従って焼成した。後に述べるように、滅菌後、これらのプラズマAP処理したセンサを、BTSおよびSITS in vitro試験と、in vivo試験で評価した。
図5〜図8に、in vivoの状態を模倣するよう設計した、in vitro試験系内におけるこれらのグルコースセンサの試験データを示す。この系は、グルコースに対して化学量論的に高い酸素濃度など、in vivoのグルコースオキシダーゼセンサの状態を模倣するよう設計した、重炭酸緩衝試験系“BTS”と、別のin vitroセンサ試験系(SITS)を含む。これらの系では、既知濃度のグルコース存在下でセンサ電流を一定時間毎に測定する。当技術で知られているように、グルコースオキシダーゼ型センサでは、グルコース値を、センサ電流(μA)であるIsigと相関させることができる。例えば、間質腔などのin vivo環境内で使用する場合、このセンサを使用し、式IG=Isig×CAL(式中、IGは、間質のグルコース値(mmol/Lまたはmg/dL)、Isigは、センサ電流(μA)、CALは、較正係数(mmol/L/μAまたはmg/dL/μA)である)を用いた計算に従って、グルコースが測定できる。これらのグラフに示されたデータから、in vivo状態を模倣するように設計した複数の系中でのin vitro試験において、様々なセンサの実施形態のセンサIsigは、様々なグルコース濃度と適切に相関していることが分かる。
図5は、HMDSO/アリルアミン(1:1比の等気体流速の2つの前駆物質を用いたプラズマ処理)を含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを用いた、BTSデータのグラフ(時間に対するIsig)を示している。この3日間のin vitro試験の結果は、これらのセンサが、100mg/dlのグルコース濃度での開始Isigが良好であり、センサ間の変動が非常に小さく、試験終了時でもIsigが安定している(ドリフトアップ問題がない)ことを示したことから、プラズマAPは、湿式化学APに勝るとは言えないまでも、それに比肩することが示唆される。7日間のSITS試験で、予備的BTSの結果(図6)を更に確認した。図6は、HMDSO/アリルアミンを含むプラズマ蒸着AP層を含むよう構築したセンサを用いた、SITSデータのグラフ(時間に対するIsig)を示している。この7日間の標準的センサのin vitro試験の結果は、これらのセンサが、グルコース濃度の異なる4回の較正試験、酸素応答試験、温度応答試験、Isig安定性試験(僅かのセンサ間変動で)に合格したことを示した。
HMDSO/アリルアミン(1:1の比で)プラズマAPを試験し、非常に良好かつ信頼性の高い結果が得られることを確認した。しかし、望ましい結果(例えば、HMDSO/アリルアミンの望ましい比)に応じて、プラズマAP処理を変えても良い。図7は、HMDSO/アリルアミンが5:1の比のBTSの結果を示している。HMDSO/アリルアミンプラズマAP処理の組み合わせに代わるものとしては、HMDSO(1つの前駆物質)プラズマAP処理がある。このHMDSO単独前駆物質プラズマAP蒸着処理は、第2の工程、つまり、GLM層を塗布する前にHMDSOプラズマ蒸着した材料を活性化するため、O2プラズマを用いる工程を含むことができる(図8参照)。この処理工程の典型的なパラメータは、HMDSO(80sccm)プラズマパルスを、200ワット、350mTorrで約4分間(3分45秒から4分15秒、デューティサイクル=30、頻度=1)行った後、O2プラズマを、約10ワットで約10秒間行うことを含む。
図9、図10、および図12は、これらのグルコースセンサのin vivo試験のデータを示している。これらの図に示されているデータから分かるように、糖尿病でないイヌと糖尿病のイヌの両方でプラズマAPセンサを試験したところ、優れた結果が示された。図9は、糖尿病でないイヌでのプラズマAPセンサのデータを示しており、このデータから、センサのIsigが対応する血液ガス測定結果と良く合致することが分かる。更に、埋め込んで3日間試験した後も、センサIsigは強いままである。図10から、このセンサが、糖尿病のイヌの実際のグルコース濃度変化に非常に良く従うことが分かる。埋め込み型グルコースセンサの機能および生体適合性の評価に使用する、その他のin vitroおよびin vivo試験手順については、例えば、Koschwanez ほか, Biomaterials. 2007 28(25): 3687-3703に述べられている。
これらのin vitroおよびin vivo試験のデータから、本件に開示のプラズマ蒸着AP層を用いて製造したセンサが、従来の湿式化学AP層で製造したセンサに勝るとは言えないまでも、それに比肩する機能特性を示すことが分かる。このデータは、ヘキサメチルジシロキサン単独と、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンとを5:1と1:1の間の比で組み合わせたものが、材料特性の全く異なる層間の接着性(例えば、線状ポリウレタン/ポリ尿素ポリマを含むグルコース制限膜を含む層と、アルブミンを含むタンパク質層またはグルコースオキシダーゼと組み合わせたアルブミンを含むタンパク質層との間の接着性)を高めるだけでなく、更に、層状グルコースセンサが、従来の層状グルコースセンサと少なくとも同程度に機能するという、驚くべき結果を示している。特定の科学的理論または作用機構に囚われるものではないが、これらの材料に見られる接着性は、ファンデルワールス力(または、ファンデルワールス相互作用)によるものと考えられる。
<プラズマAPの均一性およびスケールアップ試験>
本製造法が大量生産に適応可能であることを示すため、一連のプラズマAP均一性およびスケールアップ試験を行った。この試験の際、1回のプラズマAP作業で、3ロットまでのセンサプレートが良好に処理できた。1回の作業内および異なる作業間の変動も、いくつかの異なる判定法で確認した。
<BTSおよびSITS試験>
プラズマチャンバ内での試験から、プラズマAP被膜の厚さを、チャンバ内のセンサの配置など、多くの方法で調節できることが分かる。顕微鏡下で目視検査したところ、最下段に置いたセンサのプラズマAP被膜は、最上段または中段に置いたセンサの被膜よりも僅かに軽く、薄いことが分かる。1回の作業で、プラズマチャンバの異なる位置、即ち、最上段、中段、最下段で処理したセンサに著しい差異は見られない。最下段の群の測定から、100mg/dlのグルコースでの対応する開始Isigは、他の群よりも僅かに高いことが分かる。
M4Lプラズマチャンバ内の各棚には、2.5×2.5インチ(約6.4×6.4cm)のセンサプレートが12個まで置けることから、最下段を用いなくとも1回のプラズマAP作業で複数のセンサロットを処理できる。
<偏光解析およびプラズマAPの厚さ試験>
プラズマAPの均一性試験の一部として、3インチ(約7.6cm)のシリコンウェハプレートをM4Lプラズマチャンバに入れ、プラズマAP処理を行った。このAP処理は、3人の異なるオペレータで3回繰り返した。プラズマ被膜の厚さを、エリプソメータ(M2000F, J. A. Woollam)で測定した。各ウェハの3箇所の厚さを測った。以下の表1は、異なる作業間の厚さのばらつきがごく限られていることを示しており、プラズマAP処理の非常に高い一貫性/再現性を証明している。更に、ウェハ間の標準偏差(SD)は小さく、それぞれのウェハ上のプラズマAP被膜が非常に均一であることを証明している。
<フーリエ変換赤外分光(FTIR)試験>
12枚のKBrディスク(プレート)を、1段当たり4枚ずつ、M4Lプラズマチャンバ(M24748)に入れた。FTIRスキャン(Nexus 670 FT-IR, M10681)に適した被膜の厚さとなるよう、蒸着時間を長くして(通常2分間のところを11分間)、HMDSO/アリルアミンプラズマAP処理を行った。
図11に、1回の作業、3つの異なる段での試料からそれぞれ得られた、3つのFTIRスペクトルを示す。これらのグラフに明らかな違いはなく、このデータは、プラズマAP処理の均一性が良好であったことを証明している。2958および2901cm−1のバンドは、メチルおよびメチレン基によるものである。1254cm−1のバンドは、SiCHによるもので、841、797、および754cm−1の3つのバンドは、Si(CHによるものである。これらのシグナルは極めて強く、ケイ素上のメチレンおよびメチル基がそのままであることを示している。1045cm−1のバンドは、別のSi−O−Siバンドで、分裂がないことは、この試料が架橋していることを証明している。
<X線光電子分光(XPS)表面分析試験>
チャンバ内の位置による、プラズマAP蒸着処理のばらつきを更に調べた。X線光電子分光法(XPS)は、最も感度の高い表面分析ツールであることから、XPS(Physical Electronics VersaProbe 5000)で測定した表面の化学的性質を用いて、ばらつきの量を求めることとする。この技術の分析深さは約75オングストロームである。少なくとも25分間、X線ビーム下に置き、中性化したところ、測定結果は安定していた。この試験には、ロット1733(最上段)の9枚、ロット1769(中段)の9枚、ロット1770(最下段)の9枚の試料が含まれていた。
元素組成に関するピークの定量の域を超えて、XPS測定スペクトルからは更に情報が得られる。XPSスペクトルのバックグラウンドは、非弾性的に散乱された光電子とオージェ電子が作り出しているため、バックグラウンドの形状は薄膜の構造と厚さに影響される。プレート全体のスペクトルの全体的形状にかなりの再現性があったことから、最上部の10nmは同じ薄膜層構造であることが示唆される。ロット1733(最上段)および1769(中段)は良く似ていたが、1770(最下段)は微妙に異なっていた。Siが少なく、Nのバックグラウンドは、タンパク質基材からのNが透けて見えているような、若干の埋没した特性を示している。
<異なるAP処理の同時比較>
プラズマAPを要約し、同時に通常の湿式化学APと比較した(以下の表2)。プラズマAPには、処理時間が著しく短縮される、毒性のグルタルアルデヒドおよび関連するCVD装置が不用、湿式化学AP処理の日常の化学廃棄物がないなど、通常のAPよりも多くの有利な点がある。
<別のセンサプラットフォームへの応用>
プラズマAPの処方および製造法は、多種多様のセンサ構造および/またはセンサ材料に適用可能である。先に論じたセンサプラットフォームの他にも、様々なプラズマAPの製造法および処方が、別のセンサ、例えば、より多い、または少ない層を様々な順で含むセンサ、様々な異なる材料を含む層を含むセンサ、分散パターンに配置した複数の電極を含むセンサ、結線型(wire-based)センサなどに応用されている。
分散型電極を持つセンサ/結線型センサ用に設計した、修正HMDSO AP処理(“HMDSO−2A”)の一例は、次のパラメータを含む。HMDSO(80sccm)プラズマパルスを、200ワット、350mTorrで約4分間(3分45秒から4分15秒、デューティサイクル=50、頻度=20)行った後、O2プラズマを、約10ワットで約10秒間行った。
当業者ならば、プラズマ蒸着層を形成するための様々な処理工程は、技術的に認められた方法に従って使用できることは理解されよう(例えば、Yoshinariほか, Biomedical Research 27(1) 29-36 (2006); Harschほか, Journal of Neuroscience Methods 98 (2000) 135-144;および、The Challenge of Plasma Processing - Its Diversity, Larnerほか, Medical Device Materials II: Proceedings of the Materials & Processes for Medical Devices Conference 2004 (ASM International) 2005, Pages: 91-96参照。これらの内容は本件に引用して援用する)。
<生体適合性>
In vitro細胞毒性試験で、本件に開示のセンサ組成物の生体適合性を確認する。例えば、HMDSO、HMDSO/アリルアミン(5分洗浄)、HMDSO/アリルアミン(洗浄なし)など、様々な配合のプラズマAPについて、in vitro細胞毒性試験を行った。これらの試験では、既知の生体適合性センサの化学組成を持つ層を用いてセンサを作り、その際、従来の接着促進剤層を本件に開示のプラズマAP層に代えた。プレートを製造後、プレートの端に沿ってポリイミドをレーザー切断し、プレートを個別袋に包装して通常の電子線滅菌処理に送った。以下の方法では全て生体適合性の(例えば、in vivoへ埋め込むセンサでの使用に適した)材料が生成する。
HMDSO試料:HMDSOプラズマパルスを7分間、200ワット、350mTorrで行った後、10ワットで10秒間、Oプラズマを行う(通常のHMDSOプラズマAP処理に比べて、65%のHMDSO蒸着時間の増加を反映(reflecting))。
HMDSO/アリルアミン(洗浄なし)試料:HMDSO/アリルアミン(1/1)プラズマパルスを4分間、200ワット、350mTorrで行った後、200ワットでヘリウムプラズマ架橋を行う(通常のHMDSO/アリルアミンプラズマAP処理に比べ、85%のHMDSO/アリルアミン蒸着時間の増加を反映(reflecting))。
HMDSO/アリルアミン(5分間洗浄)試料:HMDSO/アリルアミン(1/1)プラズマパルスを4分間、200ワット、350mTorrで行った後、200ワットでヘリウムプラズマ架橋を行う(通常のHMDSO/アリルアミンプラズマAP処理に比べ、85%のHMDSO/アリルアミン蒸着時間の増加を反映(reflecting))。
本発明の実施形態を、次の請求項に列挙する。

Claims (18)

  1. 分析物センサ装置の製造法であって、
    前記製造法は、
    ベース層を準備する工程と、
    前記ベース層上に導電層を形成する工程と、
    前記導電層上に分析物検出層を形成する工程と、
    前記分析物検出層上に接着促進層を形成する工程と、
    前記接着促進層上に分析物調節層を形成する工程と、
    を含み、
    前記導電層は作用電極を含み、
    前記分析物検出層は、分析物の存在下、前記導電層中の作用電極での電流を変えることのできる組成物を含み、
    前記接着促進層は、ヘキサメチルジシロキサンを含み、プラズマ蒸着処理を用いて前記分析物検出層上に形成し、
    前記接着促進層は、アリルアミンを含み、デュアルプラズマ蒸着処理を用いて前記分析物検出層上に形成する、
    ことを特徴とする分析物センサ装置の製造法。
  2. 前記ヘキサメチルジシロキサンと前記アリルアミンを、5:1と1:1の間の比で、前記接着促進層中に配置することを特徴とする、請求項1に記載の製造法。
  3. その上に前記接着促進層を蒸着する層に前処理を行う工程を更に含み、前記前処理工程は、前処理用気体プラズマへの曝露を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造法。
  4. 前記接着促進層を蒸着後、前記接着促進層を架橋する工程を更に含み、前記架橋工程は、架橋用気体プラズマへの曝露を含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造法。
  5. 前記架橋用気体プラズマは、ヘリウムプラズマまたは酸素プラズマを含むことを特徴とする、請求項4に記載の製造法。
  6. 前記架橋工程の後、前記接着促進層上に前記分析物調節層を形成する前に、前記分析物センサを洗浄する工程を更に含むことを特徴とする、請求項4に記載の製造法。
  7. 前記プラズマ蒸着処理は、パルス蒸着処理であることを特徴とする、請求項1に記載の製造法。
  8. 前記分析物検出層上にタンパク質層を形成する工程と、前記タンパク質層上に前記接着促進層を形成する工程とを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造法。
  9. ベース層と、
    前記ベース層上に配置した導電層と、
    前記導電層上に配置した分析物検出層と、
    前記分析物検出層上に配置した接着促進層と、
    前記接着促進層上に配置した分析物調節層と、
    を含む分析物センサ装置であって、
    前記導電層は作用電極を含み、
    前記分析物検出層は、分析物の存在下、前記導電層中の作用電極での電流を検出できるほどに変え、
    前記接着促進層はヘキサメチルジシロキサンを含み、
    前記分析物調節層は、これを通る分析物の拡散を調節し、
    前記接着促進層はアリルアミンを含む、
    ことを特徴とする、分析物センサ装置。
  10. 前記接着促進層は、5:1から1:1までの比で組み合わせた、ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンとを含むことを特徴とする、請求項9に記載の分析物センサ装置。
  11. 前記ヘキサメチルジシロキサンとアリルアミンは共有結合によって架橋していることを特徴とする、請求項10に記載の分析物センサ装置。
  12. 前記分析物調節層はイソシアナート化合物を含み、前記イソシアナート化合物は、前記アリルアミンと共有結合することを特徴とする、請求項9に記載の分析物センサ装置。
  13. 前記接着促進層は、60、50、または40nm未満の平均厚さを持つことを特徴とする、請求項9に記載の分析物センサ装置。
  14. 前記分析物検出層上に配置したタンパク質層を更に含み、前記タンパク質層上に前記接着促進層を配置することを特徴とする、請求項9に記載の分析物センサ装置。
  15. 前記タンパク質層は、ウシ血清アルブミンまたはヒト血清アルブミンを含むことを特徴とする、請求項14に記載の分析物センサ装置。
  16. 前記分析物検出層は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼ、ヘキソキナーゼ、および乳糖デヒドロゲナーゼから成る群より選ばれる酵素を含むことを特徴とする、請求項9に記載の分析物センサ装置。
  17. 前記接着促進層は、第1の側が前記分析物検出層中の材料と直に接しており、第2の側が前記分析物調節層中の材料と直に接していることを特徴とする、請求項9に記載の分析物センサ装置。
  18. 前記センサを、in vivoへの埋め込みに適した構造体に接続することを特徴とする、請求項9に記載の分析物センサ装置。
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