JP6091597B2 - シクロペプチド系化合物の水和物およびその製造方法と使用 - Google Patents

シクロペプチド系化合物の水和物およびその製造方法と使用 Download PDF

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Description

本発明は、薬物組成物に関し、具体的には優れた安定性を有するシクロペプチド系化合物の水和物の組成物およびその製造方法と使用に関する。
真菌感染は、既に免疫不全患者の発症率及び死亡率が向上する要因となっている。過去の20年間で、カビ感染の発症率が顕著に増加してきた。真菌感染の危険性が高い人は、重篤な患者、外科の患者およびHIV感染、血液癌や他の腫瘍の患者を含む。同様に、臓器移植を受けた患者も、真菌感染の危険性の高い人たちである。
エキノカンジンは、新規な抗真菌薬として、カンジダ菌やアスペルギルス菌による感染の治療に効果が優れたものである。このような薬物は、カスポファンギンやミカファンギンが代表的である。エキノカンジン系薬物は、1,3-βグリコシド結合の形成を阻害することによって真菌を抑制することで、人体への障害をより減少させ、効率的で且つできるだけ副作用を低下させるため、使用の過程において従来の抗真菌薬よりも安全である。
FK463は、ミカファンギンナトリウムとも呼ばれ、式IIで表される化合物(R=ナトリウムイオン)で、日本藤沢社(Japan Fujisawa Toyama Co.,Ltd,Takaoka Plant)によって開発され、商品名がマイカミン(Mycamine)で、現在は静脈投与の抗真菌薬として多くの国で販売されている。FR901379、即ち、式IIIで表される化合物(R=ナトリウムイオン又は水素イオン)を前駆体として、酵素で側鎖を除去し、FR179642、式Iで表される化合物(R=水素イオン又はナトリウムイオン)を得た後(具体的な方法は米国特許US5376634、EP0431350及び中国特許CN1161462Cを参照)、化学修飾をして上述化合物を得ることができるが、具体的な製造や精製の方法は特許公開WO9611210、WO9857923、WO2004014879を参照する。
具体的なスキームは以下の通りである。
本分野で周知のように、薬物の安定性と水分含有量が密接に関係する。薬物の安定性に関する文献と書籍(例えば「薬剤学」)で報告されているが、水は化学反応の媒体で、固体薬物が水分を吸着すると、表面に一層の液膜が形成し、加水分解または酸化分解反応は膜の中で行われる。微量の水は、不安定の薬物の分解を加速させる。アンピシリンのような原料薬物の水分含有量は、低いレベルに抑える必要があり、通常、1%程度である。水分含有量が多ければ、分解速度が速くなる。
発明者は、大量の研究を行ったところ、式Iで表される化合物の水和物における水含有量は、式I化合物の安定性に大きな影響があることを見出した。
もっと意外なのは、式I化合物では、高い水分含有量は、式I化合物の分解を加速させて式I化合物の安定性を降下させることなく、逆に有効に式I化合物の安定性を向上させる。以上のように、式I化合物の水分含有量が8%未満の場合、式I化合物の安定性が顕著に劣る。同時に、発明者は、式I化合物の安定性は、その結晶形の種類とはあまり関係がなく、水分含有量は式I化合物の安定性を決める要素であることを見出した。これは、意外な発見で、発明者は、大量の実験研究を経て得た結論である。
そのため、本分野では、より輸送・保存に適する、優れた安定性を有する式Iで表される化合物の水和物を提供することが切望されている。
一つの方面では、本発明は、水の含有量が質量百分率で8.0%超であることを特徴とする、式Iで表される化合物の水和物を提供する(ただし、Rは、H又は薬学的に許容される付加塩を形成することができるカチオンを表す)。Rは、H、ナトリウムイオン又はジイソプロピルエチルアミンイオンが好ましい。
一つの具体的な実施形態において、前述水の含有量は質量百分率で8%〜30%である。
さらなる実施形態において、前述水の含有量は質量百分率で9.5%〜28.0%である。
もう一つの実施形態において、前述水和物は、以下の工程で製造される。
(a)式Iで表される化合物を水または水と相溶の有機溶媒(i)の水性溶液に溶解させ、式Iで表される化合物を含有する溶解液のpHを調整する。
(b)降温及び/又は水と相溶の有機溶媒(i)の添加によって上述式Iで表される化合物の水和物を得る。
(c)遠心またはろ過を行って当該水和物を得る。
(d)工程(c)で得られた水和物を真空乾燥し、固体における水の質量百分率換算含有量を調整する。
さらなる実施形態において、前述有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールから選ばれる。
またさらなる実施形態において、前述低級アルコールは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種である。
さらなる実施形態において、前述式I化合物を含む溶液のpHを2.0〜5.0とし、またさらなる実施形態において、前述式I化合物を含む溶液のpHを3.5〜4.5とする。
さらなる実施形態において、前述固体における水の含有量は質量百分率で8%超である。
またさらなる実施形態において、前述固体における水の含有量は質量百分率で8%〜30%である。
またさらなる実施形態において、前述固体における水の含有量は質量百分率で9.5%〜28.0%である。
もう一つの方面では、本発明は、以下の工程を含む式Iで表される化合物の水和物の精製方法を提供する。
(a)式Iで表される化合物を水または水と相溶の有機溶媒(i)の水性溶液に溶解させ、式Iで表される化合物を含有する溶解液のpHを調整する。
(b)降温及び/又は水と相溶の有機溶媒(i)の添加によって上述式Iで表される化合物の水和物を得る。
(c)遠心またはろ過を行って当該水和物を得る。
(d)工程(c)で得られた水和物を真空乾燥し、水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。
さらなる実施形態において、前述有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールから選ばれる。
またさらなる実施形態において、前述低級アルコールは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種である。
さらなる実施形態において、前述式I化合物を含む溶液のpHを2.0〜5.0とし、またさらなる実施形態において、前述式I化合物を含む溶液のpHを3.5〜4.5とする。
さらなる実施形態において、前述固体における水の含有量は質量百分率で8%超である。
またさらなる実施形態において、前述固体における水の含有量は質量百分率で8%〜30%である。
またさらなる実施形態において、前述固体における水の含有量は質量百分率で9.5%〜28.0%である。
もう一つの方面では、本発明は、式IIで表される化合物の製造における上述水和物の使用を提供する。
もう一つの方面では、本発明は、真菌感染を治療する薬物の製造における上述水和物の使用を提供する。
もう一つの方面では、本発明は、上述水和物と薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供する。
もう一つの方面では、本発明は、上述水和物と薬学的に許容される担体を混合し、上述薬物組成物を得ることを含む上述薬物組成物の製造方法を提供する。
もう一つの方面では、本発明は、上述方法で製造された水和物を提供する。
図1は、実施例2における水和物Dの25℃で6ヶ月置いた後のHPLCグラフである。 図2は、実施例6における水和物Yの25℃で6ヶ月置いた後のHPLCグラフである。 図3は、水和物A、B、C、D及びEの25℃で6ヶ月置いた後のサンプルの不純物含有量である。 図4は、水和物F、G、H、I及びJの25℃で6ヶ月置いた後のサンプルの不純物含有量である。 図5は、水和物K、L、M、N及びOの25℃で6ヶ月置いた後のサンプルの不純物含有量である。 図6は、水和物P、Q、R、S及びTの25℃で6ヶ月置いた後のサンプルの不純物含有量である。 図7は、水和物U、V、W、X及びYの25℃で6ヶ月置いた後のサンプルの不純物含有量である。
具体的な実施形態
発明者は、大量の実験と研究を行ったところ、式Iで表される化合物を水または水と相溶の有機溶媒の混合溶液に溶解させると、式Iで表される化合物を含む溶液は飽和溶解度付近に維持し、この時、溶液のpHを所定の範囲内にし、式Iで表される化合物の水和物を得ることができることを見出した。より重要なのは、式Iで表される化合物で形成される水和物は水を含有するが、発明者は、大量の研究を行ったところ、式Iで表される化合物の水和物における水含有量は、形成される水和物の安定性に大きな影響があることを見出した。
同時に、本製造方法は、結晶化溶媒の選択で大量の緻密な作業をしたところ、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールまたはその混合溶液中で結晶化すると、式I化合物は良い形態の結晶となり、その水分含有量をある範囲にすると、安定性が優れた式I化合物を得ることができる。一方、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチルのような溶媒で結晶化すると、式I化合物は無定形の沈殿を形成し、安定性が劣るが、これは無定形固体物質と結晶物質の安定性における違いでもある。
しかし、このような無定形固体でも、水含有量をある範囲内にすると、その安定性は他の水分含有量の場合よりも顕著に良い。pHの範囲は、式I化合物が結晶形態になって安定性を向上させるかどうかを決めるもう一つの重要なパラメーターで、所定のpHの範囲を超えると、物質の形態は無定形のように転移する。
定義
ここで用いられるように、用語「有効量」とは、治療剤の給与のための担体で、各種の賦形剤と希釈剤を含む。この用語は、自身が必要な活性成分ではなく、かつ使用時は過度の毒性がない薬剤の担体のことを指す。適切な担体は、当業者に熟知である。「レミントンの医薬科学」(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Pub. Co.,N.J. 1991)において、薬学的に允許される賦形剤に関する十分な検討が見つけられる。組成物において、薬学的に許容される担体は液体、例えば水、食塩水、グリセリンやエタノールを含んでもよい。さらに、これらの担体には、補助的な物質、例えば崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝物質等が存在してもよい。
前述薬物組成物は、異なる投与経路によって、色々な剤型に製造することができる。これらの剤形は、経口投与、噴霧吸入、直腸投与、鼻腔投与、頬部投与、局所投与、皮下、静脈、筋肉、腹膜内、鞘内、心室内、胸骨内や頭蓋内の注射や注入のような非腸管投与、或いはインプラントによる投与などの様態で使用される。
ここで用いられるように、「式I化合物」、「式Iで表される化合物」及び「式Iで表されるような化合物」は、いずれも以下の構造式を持つ化合物またはその薬学的に許容される塩を指し、入れ替えて使用することができる。
薬学的に許容される塩は、好ましく、金属塩、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩など)、アンモニウム塩、有機塩基と形成した塩(例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩など)など、有機酸付加塩(例えばギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩など)、無機酸付加塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など)、アミノ酸(例えばアルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸など)と形成した塩などを含む。Rは、H、ナトリウムイオン又はジイソプロピルエチルアミンイオンが最も好ましい。
式Iで表される化合物は、本分野の通常の方法、例えば特許WO9611210で報告された当該化合物の製造方法によって得ることができるが、これに限定されない。また、日本藤沢社などから、市販品としても得られるが、これに限定されない。
ここで用いられるように、「C1-C4の低級アルコール」とは、炭素原子数が1〜4のアルコール類物質を指す。
本発明で説明された上述特徴、或いは実施例で説明された特徴は任意に組み合わせることができる。本願説明書におけるすべての特徴はいずれの組成物の様態とも併用することができ、説明書で開示された各特徴は、いずれの相同、同等或いは類似の目的の代替性特徴にも任意に替えることができる。そのため、特に説明しない限り、開示された特徴は同等或いは類似の特徴の一般的な例にすぎない。
式Iで表される化合物の水和物の製造
発明者は、深く研究したところ、式Iで表される化合物を水または水と相溶の有機溶媒の混合溶液に溶解させると、式Iで表される化合物を含む溶液は飽和溶解度付近に維持し、この時、溶液のpHを所定の範囲内にし、且つ結晶化温度、モル濃度、冷却速度または撹拌条件、結晶化時間などの要素を変更することによって、また真空乾燥によって、安定した式Iで表される化合物の水和物を得ることができることを見出した。
これに基づき、発明者らがこの発明を完成した。
本発明は、水の含有量が、質量百分率で、8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%である、安定した式Iで表される化合物の水和物を提供する。
本発明は、以下の工程を含む前述の式Iで表される化合物の水和物の製造方法を提供する。
(a)式Iで表される化合物を水または有機溶媒(i)の水性溶液に溶解させ、溶解液のpHを調整する。
(b)降温及び/又は有機溶媒(i)の添加によって式I化合物の水和物を得る。
(c)当該水和物の遠心またはろ過を行う。
(d)工程(c)で得られた固体を真空乾燥し、当該水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。
ここで、工程(a)における前述溶解の温度は10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)における前述有機溶媒(i)の水性溶液において、有機溶媒(i)と水の体積比は0.01〜100で、好ましくは0.1〜10で、より好ましくは0.5〜3.0である。
ここで、工程(a)における前述溶解液の合計体積に対して、式Iで表される化合物を10〜500mg/ml、好ましくは100〜400mg/ml含有する。
ここで、工程(a)における前述溶解液のpHは、2.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5となるように調整する。
ここで、工程(b)における前述の降温の温度は-40〜35℃で、好ましくは-10〜35℃で、より好ましくは-5〜30℃で、最も好ましくは5〜10℃である。
ここで、工程(b)における前述有機溶媒(i)と工程(a)における前述溶解液の体積比は0.1〜10で、好ましくは1〜5である。
ここで、工程(a)及び/又は工程(b)における前述の有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールで、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種の混合物である。
ここで、工程(d)において、固体における水の含有量を質量百分率で8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%とする。
結晶が完成したら、ろ過、溶媒の除去、或いは他の方法で、好ましくはろ過で水和物を分離する。さらに、任意に当該水和物を洗浄し、最後に真空の条件で、当該水和物を乾燥して式Iで表される化合物の水和物を得る。
本発明の一つの実施形態において、以下の工程で式I化合物の水和物を得る。
(a)式Iで表される化合物を水に溶解させ、溶解液のpHを調整する。
(b)降温によって式I化合物の水和物を得る。
(c)当該水和物の遠心またはろ過を行う。
(d)工程(c)で得られた固体を真空乾燥し、当該水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。
ここで、工程(a)における前述溶解の温度は10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)における前述溶解液の合計体積に対して、式Iで表される化合物を10〜500mg/ml、好ましくは100〜400mg/ml含有する。
ここで、工程(a)における前述溶解液のpHは、2.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5となるように調整する。
ここで、工程(b)における前述の降温の温度は-40〜35℃で、好ましくは-10〜35℃で、より好ましくは-5〜30℃で、最も好ましくは5〜10℃である。
ここで、工程(d)において、固体における水の含有量を質量百分率で8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%とする。
本発明のもう一つの実施形態において、以下の工程で式I化合物の水和物を得る。
(a)式Iで表される化合物を水に溶解させ、溶解液のpHを調整する。
(b)有機溶媒(i)の添加によって式I化合物の水和物を得る。
(c)当該水和物の遠心またはろ過を行う。
(d)工程(c)で得られた固体を真空乾燥し、当該水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。
ここで、工程(a)における前述溶解の温度は10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)における前述溶解液の合計体積に対して、式Iで表される化合物を10〜500mg/ml、好ましくは50〜300mg/ml含有する。
ここで、工程(a)における前述溶解液のpHは、2.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5となるように調整する。
ここで、工程(b)における前述の有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールで、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種の混合物である。
ここで、工程(b)における前述有機溶媒(i)と工程(a)における前述溶解液の体積比は0.1〜10で、好ましくは1〜5である。
ここで、工程(d)において、固体における水の含有量を質量百分率で8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%とする。
本発明のもう一つの実施形態において、以下の工程で式I化合物の水和物を得る。
(a)式Iで表される化合物を水に溶解させ、溶解液のpHを調整する。
(b)降温及び有機溶媒(i)の添加によって式I化合物の水和物を得る。
(c)当該水和物の遠心またはろ過を行う。
(d)工程(c)で得られた固体を真空乾燥し、当該水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。ここで、工程(a)における前述溶解の温度は、10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)における前述溶解液の合計体積に対して、式Iで表される化合物を10〜500mg/ml、好ましくは50〜300mg/ml含有する。
ここで、工程(a)における前述溶解液のpHは、2.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5となるように調整する。
ここで、工程(b)における前述の有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールで、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種の混合物である。
ここで、工程(b)における前述の降温の温度は-40〜35℃で、好ましくは-10〜35℃で、より好ましくは-5〜30℃で、最も好ましくは5〜10℃である。
ここで、工程(b)における前述有機溶媒(i)と工程(a)における前述溶解液の体積比は0.1〜10で、好ましくは1〜5である。
ここで、工程(d)において、固体における水の含有量を質量百分率で8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%とする。
本発明のもう一つの実施形態において、以下の工程で式I化合物の水和物を得る。
(a)式Iで表される化合物を有機溶媒(i)の水性溶液に溶解させ、溶解液のpHを調整する。
(b)降温によって式I化合物の水和物を得る。
(c)当該水和物の遠心またはろ過を行う。
(d)工程(c)で得られた固体を真空乾燥し、当該水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。
ここで、工程(a)における前述溶解の温度は10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)における前述有機溶媒(i)の水性溶液において、有機溶媒(i)と水の体積比は0.01〜100で、好ましくは0.1〜10で、より好ましくは0.5〜3.0である。
ここで、工程(a)における前述溶解液の合計体積に対して、式Iで表される化合物を10〜500mg/ml、好ましくは100〜400mg/ml含有する。
ここで、工程(a)における前述溶解液のpHは、2.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5となるように調整する。
ここで、工程(a)における前述の有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールで、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種の混合物である。
ここで、工程(b)における前述の降温の温度は-40〜35℃で、好ましくは-10〜35℃で、より好ましくは-5〜30℃で、最も好ましくは5〜10℃である。
ここで、工程(d)において、固体における水の含有量を質量百分率で8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%とする。
本発明のもう一つの実施形態において、以下の工程で式I化合物の水和物を得る。
(a)式Iで表される化合物を有機溶媒(i)の水性溶液に溶解させ、溶解液のpHを調整する。
(b)有機溶媒(i)の添加によって式I化合物の水和物を得る。
(c)当該水和物の遠心またはろ過を行う。
(d)工程(c)で得られた固体を真空乾燥し、当該水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。
ここで、工程(a)における前述溶解の温度は10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)における前述有機溶媒(i)の水性溶液において、有機溶媒(i)と水の体積比は0.01〜100で、好ましくは0.1〜10で、より好ましくは0.5〜3.0である。
ここで、工程(a)における前述溶解液の合計体積に対して、式Iで表される化合物を10〜500mg/ml、好ましくは100〜400mg/ml含有する。
ここで、工程(a)における前述溶解液のpHは、2.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5となるように調整する。
ここで、工程(b)における前述有機溶媒(i)と工程(a)における前述溶解液の体積比は0.1〜10で、好ましくは1〜5である。
ここで、工程(a)及び工程(b)における前述の有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールで、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種の混合物である。
ここで、工程(d)において、固体における水の含有量を質量百分率で8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%とする。
本発明のもう一つの実施形態において、以下の工程で式I化合物の水和物を得る。
(a)式Iで表される化合物を有機溶媒(i)の水性溶液に溶解させ、溶解液のpHを調整する。
(b)降温及び有機溶媒(i)の添加によって式I化合物の水和物を得る。
(c)当該水和物の遠心またはろ過を行う。
(d)工程(c)で得られた固体を真空乾燥し、当該水和物における水の質量百分率換算含有量を調整する。
ここで、工程(a)における前述溶解の温度は10〜50℃で、好ましくは20〜40℃である。
ここで、工程(a)における前述有機溶媒(i)の水性溶液において、有機溶媒(i)と水の体積比は0.01〜100で、好ましくは0.1〜10で、より好ましくは0.5〜3.0である。
ここで、工程(a)における前述溶解液の合計体積に対して、式Iで表される化合物を10〜500mg/ml、好ましくは100〜400mg/ml含有する。
ここで、工程(a)における前述溶解液のpHは、2.0〜5.0、好ましくは3.5〜4.5となるように調整する。
ここで、工程(b)における前述の降温の温度は-40〜35℃で、好ましくは-10〜35℃で、より好ましくは-5〜30℃で、最も好ましくは5〜10℃である。
ここで、工程(b)における前述有機溶媒(i)と工程(a)における前述溶解液の体積比は0.1〜10で、好ましくは1〜5である。
ここで、工程(a)及び工程(b)における前述の有機溶媒(i)はC1-C4の低級アルコールで、好ましくはメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種の混合物である。
ここで、工程(d)において、固体における水の含有量を質量百分率で8.0%超、好ましくは8.0%〜30%、最も好ましくは9.5%〜28%とする。
同定と性質
本発明者は式Iで表される化合物の水和物を得た後、さらに複数の手段でその性質を検討した。
本発明の一つの実施形態において、本分野でよく使用される検出方法で組成物における水の質量百分率を測定する。
例えば、Karl Fischer(KF)を使用して水分含有量を測定する。
本発明のもう一つの実施形態において、以下のようなHPLC検出方法で本発明の方法によって製造されたサンプルの純度を測定し、サンプルの安定性の研究に使用する。
高速液相クロマトグラフ:Waters 1525-717-2498
クロマトグラフィーカラム:ACE 3 AQ、150×4.6mm、3μm
移動相: A:1000ml水、10mlメタノール、100μlトリフルオロ酢酸 B:600ml水、400mlメタノール、100μlトリフルオロ酢酸(使用された試薬はHPLC級で、TEDIA company, inc.によって提供された)
流速:0.55 ml/min
カラム温度:50℃
勾配:
仕込み温度:5℃
検出波長:225nm
式Iで表される化合物の水和物の安定性の研究
本発明の式Iで表される化合物の水和物は、安定し、工業化生産が便利で、長期間の保存に有利である。安定性試験により、本発明の方法で製造される式Iで表される化合物の水和物は、優れた安定性があることが、本発明者らにより決定付けられた。25℃で長期間に保存することができ、同時に原料薬の輸送の難題を解決する。
発明者は、さらに深く研究したところ、式Iで表される化合物の水和物の安定性と水分の含有量は密接に関係することを見出した。水分が8.0%超の場合、優れた安定性を有し、長期間に25℃での条件で保存することができる。
水分の含有量が8.0%未満の場合、製品を0〜8℃の条件で長期間に保存すると、僅かだけ分解するが、製品を25℃の条件で長期間に保存すると、製品の安定性が顕著に低下し、製品が顕著に分解する。
使用
本発明において、式Iで表される化合物の水和物の使用を提供する。一方、式IIで表される化合物の製造に使用することができるが、合成スキームは、例えば、WO9611210、US6291680、WO2004014879などのいくつかの特許で報告されている。
これによって、本発明は、さらに、式Iで表される化合物の水和物と、薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供することができる。
本発明の主な利点は以下の通りである。
1.本発明は、製造条件の実験を繰り返すことによって、特定の製造条件を見つけ、意外な技術効果が生じ、大規模生産に好適な安定性が非常に優れた式I化合物の水和物を製造する方法を提供した。
2.本発明の式Iで表される化合物の水和物の安定性が良く、水の質量百分率換算含有量が8.0%未満の式Iで表される化合物および既存技術で製造される式Iで表される化合物よりも顕著に優れている。
3.本発明のプロセスの操作が簡単で、得られる安定性が高い水和物は輸送と保存に便利で、生産コストを減少し、意外な技術効果が生じる。
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、或いはメーカーの推奨する条件で行われた。別の説明がない限り、すべての百分率、割合、比率或いは部は、重量で計算される。
本発明における重量体積百分率の単位は当業者にとって熟知で、例えば100mLの溶液における溶質の重量を指す。
別の定義がない限り、本文に用いられるすべての専門用語と科学用語は、本分野の技術者に知られている意味と同様である。また、記載の内容と類似或いは同等の方法及び材料は、いずれも本発明の方法に用いることができる。ここで記載の好ましい実施方法及び材料は例示のためだけである。
実施例1
化合物Iの製造
米国特許5376634の実施例1の方法を参照し、式Iで表される化合物の固体粉末を153g得た。Karl Fischer方法で測定された式Iの化合物の水分含有量は3.4%であった。上述で得られた2.0gのサンプルを取って安定性の研究を行った。研究は、密封して0〜8℃で保温して6ヶ月、また密封して25℃で保温して6ヶ月置いた後、サンプルの不純物含有量を分析した。式Iの初期不純物含有量は2.4%で、0〜8℃で6ヶ月のサンプルの不純物含有量は3.0%で、25℃で6ヶ月のサンプルの不純物含有量は4.9%であった。
実施例2
式Iで表される化合物を含有する水和物A、B、C、D、Eの製造
50℃で、7.0gの実施例1で製造された式Iで表される化合物の固体粉末を10mlの水と8mlのn-プロパノールの混合溶液に溶解させ、30分間撹拌し、式Iで表される化合物を完全に溶解させた。氷酢酸でpHを3.5とし、溶液を25℃に冷却し、式Iで表される化合物の水和物が析出し、25℃で撹拌を5時間続け、式Iで表される化合物の水和物を生長させた。
その後、ゆっくり36mlのn-プロパノールを滴下し、25℃で撹拌を2時間続け、ろ過し、式Iで表される化合物の水和物を得た。20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Aとし、測定されたAにおける水の含有量は質量百分率で29.5%であった。残ったサンプルをさらに0.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Bとし、測定されたBにおける水の含有量は質量百分率で27.1%であった。
残ったサンプルをさらに3時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Cとし、測定されたCにおける水の含有量は質量百分率で12.5%であった。残ったサンプルをさらに1.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Dとし、測定されたDにおける水の含有量は質量百分率で9.5%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに2時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Eとし、測定されたEにおける水の含有量は質量百分率で6.1%であった。
上述で得られたサンプルに対して安定性の研究を行った。方法は以下の通りである:それぞれ水和物A、水和物B、水和物C、水和物D、水和物Eを取り、密封して0〜8℃で保温して6ヶ月、また密封して25℃で保温して6ヶ月置いた後、サンプルの不純物含有量を分析した。水和物Dの25℃で6ヶ月置いた後のHPLCグラフ(図1)の具体的なデータは以下の通りである。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例3
式Iで表される化合物を含有する水和物F、G、H、I、Jの製造
30℃で、16gの実施例1で製造された式Iで表される化合物を90mlの水溶液に溶解させ、2時間撹拌し、式Iで表される化合物を完全に溶解させた。氷酢酸でpHを2.0とし、さらにゆっくり610mlのエタノールを滴下し、式Iで表される化合物の水和物が析出し、溶液を11℃に冷却し、11℃で撹拌を2時間続けた。ろ過し、式Iで表される化合物の水和物を得た。
20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。0.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Fとし、測定されたFにおける水の含有量は質量百分率で31.2%であった。残ったサンプルをさらに0.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Gとし、測定されたGにおける水の含有量は質量百分率で26.2%であった。残ったサンプルをさらに2時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Hとし、測定されたHにおける水の含有量は質量百分率で14.6%であった。
残ったサンプルをさらに2時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Iとし、測定されたIにおける水の含有量は質量百分率で8.6%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Jとし、測定されたJにおける水の含有量は質量百分率で7.2%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例4
式Iで表される化合物を含有する水和物K、L、M、N、Oの製造
28℃で、18 gの実施例1で製造された式Iで表される化合物を50mlの水と50mlのイソプロパノールの混合溶液に溶解させ、1時間撹拌し、式Iで表される化合物を完全に溶解させた。氷酢酸でpHを3.6とし、溶液を17℃に冷却し、式Iで表される化合物の水和物が析出し、さらに-10℃に降温し、2時間以上撹拌した。ろ過し、式Iで表される化合物の水和物を得た。20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。
0.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Kとし、測定されたKにおける水の含有量は質量百分率で29.5%であった。残ったサンプルをさらに0.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Lとし、測定されたLにおける水の含有量は質量百分率で27.5%であった。残ったサンプルをさらに3時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Mとし、測定されたMにおける水の含有量は質量百分率で19.8%であった。
残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Nとし、測定されたNにおける水の含有量は質量百分率で9.6%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Oとし、測定されたOにおける水の含有量は質量百分率で4.9%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例5
式Iで表される化合物を含有する水和物P、Q、R、S、Tの製造
25℃で、10.0gの実施例1で製造された式Iで表される化合物を40 mlの水と64 mlのメタノールの混合溶液に溶解させ、2時間撹拌し、式Iで表される化合物を完全に溶解させた。氷酢酸でpHを3.5とし、ゆっくりメタノールを300ml入れ、式Iで表される化合物の水和物が析出した。ろ過し、式Iで表される化合物の水和物を得た。20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥し、2時間撹拌した。
0.5時間乾燥し、1.0 gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Pとし、測定されたPにおける水の含有量は質量百分率で31.3%であった。残ったサンプルをさらに0.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Qとし、測定されたQにおける水の含有量は質量百分率で27.3%であった。残ったサンプルをさらに3時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Rとし、測定されたRにおける水の含有量は質量百分率で19.0%であった。
残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Sとし、測定されたSにおける水の含有量は質量百分率で9.0%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Tとし、測定されたTにおける水の含有量は質量百分率で8%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例6
式Iで表される化合物を含有する水和物U、V、W、X、Yの製造
40℃で、15gの実施例1で製造された式Iで表される化合物を50mlの水に溶解させ、撹拌し、式Iで表される化合物を完全に溶解させた。氷酢酸でpHを4.0とし、溶液を22℃に冷却し、式Iで表される化合物の水和物が析出し、さらにゆっくり5℃に降温し、5℃で10時間撹拌した。ろ過し、式Iで表される化合物の水和物を得た。20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。
1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Uとし、測定されたUにおける水の含有量は質量百分率で42.0%であった。残ったサンプルをさらに2時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Vとし、測定されたVにおける水の含有量は質量百分率で30.0%であった。残ったサンプルをさらに2時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Wとし、測定されたWにおける水の含有量は質量百分率で19.5%であった。
真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに2時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Xとし、測定されたXにおける水の含有量は質量百分率で9.6%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに2時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物Yとし、測定されたYにおける水の含有量は質量百分率で1.9%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
水和物Yの25℃で6ヶ月置いた後のHPLCグラフ(図2)の具体的なデータは以下の通りである。
実施例7
式Iで表される化合物を含有する水和物a、b、cの製造
40℃で、15gの実施例1で製造された式Iで表される化合物を50mlの水に溶解させ、撹拌し、式Iで表される化合物を完全に溶解させた。氷酢酸でpHを5.0とし、溶液を22℃に冷却し、式Iで表される化合物の水和物が析出し、ゆっくりエタノールを150ml入れ、2時間撹拌した。ろ過し、式Iで表される化合物の水和物を得た。
20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。
1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物aとし、測定されたaにおける水の含有量は質量百分率で42.0%であった。残ったサンプルをさらに3.5時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物bとし、測定されたbにおける水の含有量は質量百分率で17.5%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに3時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物cとし、測定されたcにおける水の含有量は質量百分率で6.3%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例8
式Iで表される化合物を含有する水和物d、e、fの製造
20℃で、12gの実施例1で製造された式Iで表される化合物を40mlの水に溶解させ、撹拌し、式Iで表される化合物を完全に溶解させた。氷酢酸でpHを4.5とし、ゆっくりn-プロパノールを180ml入れ、2時間撹拌し、式Iで表される化合物の水和物が析出し、撹拌を2時間以上続けた。ろ過し、式Iで表される化合物の水和物を得た。20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物dとし、測定されたdにおける水の含有量は質量百分率で31.0%であった。
残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物eとし、測定されたeにおける水の含有量は質量百分率で9.2%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物fとし、測定されたfにおける水の含有量は質量百分率で1.3%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
上述実施例から、式I化合物の水和物の水分含有量が8.0%〜30%の場合、優れた安定性があることがわかる。
式I化合物の水和物の水分含有量が30%超または8.0%未満の場合、式I化合物の水和物の安定性が顕著に低下した。
実施例9
式Iで表される化合物を含有する水和物g、h、iの製造(pHの影響)
30℃で、12gの実施例1で製造された化合物Iを60mlの水に溶解させ、撹拌して溶解させた。氷酢酸でpHを1.8とし、ゆっくりエタノールを200ml入れ、化合物Iの固体が析出した。撹拌を1時間続け、ろ過した。20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物gとし、測定されたgにおける水の含有量は質量百分率で36.0%であった。
残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物hとし、測定されたhにおける水の含有量は質量百分率で14.5%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物iとし、測定されたiにおける水の含有量は質量百分率で6.3%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例10
式Iで表される化合物を含有する水和物j、k、lの製造(pHの影響)
30℃で、12gの実施例1で製造された化合物Iを60mlの水に溶解させ、撹拌して溶解させた。氷酢酸でpHを5.4とし、ゆっくりエタノールを200ml入れ、化合物Iの固体が析出した。撹拌を1時間続け、吸引ろ過し、20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。
1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物jとし、測定されたjにおける水の含有量は質量百分率で35.0%であった。残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物kとし、測定されたkにおける水の含有量は質量百分率で14.1%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物lとし、測定されたlにおける水の含有量は質量百分率で6.6%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例11
式Iで表される化合物を含有する水和物m、n、oの製造(溶媒の影響)
20℃で、4.8gの実施例1で製造された化合物Iを14mlの水に溶解させ、氷酢酸でpHを4.0とし、1時間撹拌し、化合物Iを完全に溶解させた。ゆっくりアセトニトリルを35ml入れ、2時間撹拌し、固体が析出し、撹拌を2時間続けた。吸引ろ過し、20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。
1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物mとし、測定されたmにおける水の含有量は質量百分率で25.0%であった。残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物nとし、測定されたnにおける水の含有量は質量百分率で18.1%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物oとし、測定されたoにおける水の含有量は質量百分率で10.2%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
実施例12
式Iで表される化合物を含有する水和物p、q、rの製造(溶媒の影響)
18℃で、4.2gの実施例1で製造された化合物Iを14mlの水に溶解させ、氷酢酸でpHを4.0とし、1時間撹拌し、化合物Iを完全に溶解させた。ゆっくりアセトンを40ml入れ、2時間撹拌し、固体が析出し、撹拌を2時間続けた。吸引ろ過し、20℃〜25℃で、式Iで表される化合物の水和物を真空乾燥した。
1時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物pとし、測定されたpにおける水の含有量は質量百分率で23.8%であった。残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物qとし、測定されたqにおける水の含有量は質量百分率で15.6%であった。真空乾燥オーブンに五酸化二リンを入れ、残ったサンプルをさらに4時間乾燥し、1.0gの水和物を取り、式Iで表される化合物の水和物rとし、測定されたrにおける水の含有量は質量百分率で7.6%であった。
安定性の結果は以下の通りである。
上述実施例から、pHと溶媒の選択は、高い安定性を有する水和物に顕著な影響があり、pHを2.0〜5.0の範囲以外とし、または本発明以外の溶媒を選択して製造される式I化合物の水和物は、安定性が顕著に低下することがわかる。
しかし、それでも、式I化合物の水和物は、水分含有量が8.0%〜30%の場合、安定性が水分含有量が30%超または8.0%未満の水和物よりも顕著に優れた。
実施例13
式IIで表される化合物の製造
WO2004014879のミカファンギンの合成プロセスを参照し、式I化合物から式II化合物を合成した。
本出願の実施例2で得られた式I化合物の水和物A(1.07mmol、1.00g)をDMF 12mlに溶解させ、氷浴で0℃以下に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(0.22g、1.67mmol)を入れ、温度を0℃に維持し、ゆっくりMKC-8(1-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルオキシ]-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール)(0.53g、1.14mmol)を入れ、反応系が2〜6℃に昇温し、4時間反応させ、反応終了後直接60mlの酢酸エチルを反応液に入れ、撹拌を1時間続け、ろ過し、ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を得た。当該塩をアセトン30mlと酢酸エチル30mlに溶解させ、洗浄し、ろ過した。ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を真空乾燥して残った有機溶媒を除去し、HPLCによるミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩の純度が99.35%で、収率が91.9%であった。
実施例14
式Iで表される化合物の水和物B、C、D、H、N、Sを使用した式IIで表される化合物の製造
WO2004014879のミカファンギンの合成プロセスを参照し、式I化合物から式II化合物を合成した。
それぞれ本出願の実施例2、実施例3、実施例4、実施例5で得られた式I化合物の水和物B、C、D、H、N、S(1.07mmol、1.00g)をDMF 12mlに溶解させ、氷浴で0℃以下に冷却し、それぞれジイソプロピルエチルアミン(0.22g、1.67mmol)を入れ、温度を0℃に維持し、ゆっくりMKC-8(1-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルオキシ]-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール)(0.53g、1.14mmol)を入れ、反応系が2〜6℃に昇温し、4時間反応させ、反応終了後各反応液にそれぞれ60mlの酢酸エチルを入れ、撹拌を1時間続け、ろ過し、ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を得た。
それぞれ上述で得られた塩をアセトン30mlと酢酸エチル30mlに溶解させ、洗浄し、ろ過した。ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を真空乾燥して残った有機溶媒を除去し、HPLCによるミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩の純度の結果と合成収率の結果を下述表に示す。
比較例1
式Iで表される化合物の水分含有量が8%未満の水和物を使用した式IIで表される化合物の製造
WO2004014879のミカファンギンの合成プロセスを参照し、式I化合物から式II化合物を合成した。
それぞれ実施例2、実施例3、実施例4、実施例6、実施例7、実施例8で得られた式I化合物の水和物E、J、O、Y、c、f(1.07mmol、1.00g)をDMF 12mlに溶解させ、氷浴で0℃以下に冷却し、それぞれジイソプロピルエチルアミン(0.22g、1.67mmol)を入れ、温度を0℃に維持し、ゆっくりMKC-8(1-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルオキシ]-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール)(0.53g、1.14mmol)を入れ、反応系が2〜6℃に昇温し、4時間反応させ、反応終了後各反応液にそれぞれ60mlの酢酸エチルを入れ、撹拌を1時間続け、ろ過し、ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を得た。
それぞれ上述で得られた塩をアセトン30mlと酢酸エチル30mlに溶解させ、洗浄し、ろ過した。ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を真空乾燥して残った有機溶媒を除去し、HPLCによるミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩の純度の結果と合成収率の結果を下述表に示す。
上述比較例から、式I化合物の水分含有量が8%未満の水和物から式II化合物を製造した時、式II化合物のHPLC純度と合成収率は共にある程度低下したことがわかる。
比較例2
式Iで表される化合物の水分含有量が30%超の水和物を使用した式IIで表される化合物の製造
WO2004014879のミカファンギンの合成プロセスを参照し、式I化合物から式II化合物を合成した。
それぞれ実施例3、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9で得られた式I化合物の水和物F、P、U、a、d、g(1.07mmol、1.00g)をDMF 12mlに溶解させ、氷浴で0℃以下に冷却し、それぞれジイソプロピルエチルアミン(0.22g、1.67mmol)を入れ、温度を0℃に維持し、ゆっくりMKC-8(1-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルオキシ]-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール)(0.53g、1.14mmol)を入れ、反応系が2〜6℃に昇温し、4時間反応させ、反応終了後各反応液にそれぞれ60mlの酢酸エチルを入れ、撹拌を1時間続け、ろ過し、ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を得た。それぞれ上述で得られた塩をアセトン30mlと酢酸エチル30mlに溶解させ、洗浄し、ろ過した。
ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を真空乾燥して残った有機溶媒を除去し、HPLCによるミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩の純度の結果と合成収率の結果を下述表に示す。
上述比較例から、式I化合物の水分含有量が30%超の水和物から式II化合物を製造した時、式II化合物のHPLC純度と合成収率は共にある程度低下したことがわかる。
比較例3
実施例1における式Iで表される化合物の水和物を使用した式IIで表される化合物の製造
WO2004014879のミカファンギンの合成プロセスを参照し、式I化合物から式II化合物を合成した。
実施例1で得られた式I化合物の水和物(1.07mmol、1.00g)をDMF 12mlに溶解させ、氷浴で0℃以下に冷却し、ジイソプロピルエチルアミン(0.22g、1.67mmol)を入れ、温度を0℃に維持し、ゆっくりMKC-8(1-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルオキシ]-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール)(0.53g、1.14mmol)を入れ、反応系が2〜6℃に昇温し、4時間反応させ、反応終了後直接60mlの酢酸エチルを反応液に入れ、撹拌を1時間続け、ろ過し、ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を得た。
当該塩をアセトン30mlと酢酸エチル30mlに溶解させ、洗浄し、ろ過した。ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を真空乾燥して残った有機溶媒を除去し、HPLCによるミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩の純度が95.7%で、収率が75.2%であった。
上述比較例から、実施例1における式I化合物の水和物から式II化合物を製造した時、式II化合物のHPLC純度と合成収率は共にある程度低下したことがわかる。
実施例15
式Iで表される化合物の水和物を使用した式IIで表される化合物の製造
WO2004014879のミカファンギンの合成プロセスを参照し、式I化合物から式II化合物を合成した。
それぞれ実施例9、実施例10、実施例12で得られた式I化合物の水和物h、i、j、k、q、r(1.07mmol、1.00g)をDMF 12mlに溶解させ、氷浴で0℃以下に冷却し、それぞれジイソプロピルエチルアミン(0.22g、1.67mmol)を入れ、温度を0℃に維持し、ゆっくりMKC-8(1-[4-[5-(4-ペンチルオキシフェニル)イソオキサゾール-3-イル]ベンゾイルオキシ]-1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール)(0.53g、1.14mmol)を入れ、反応系が2〜6℃に昇温し、4時間反応させ、反応終了後各反応液にそれぞれ60mlの酢酸エチルを入れ、撹拌を1時間続け、ろ過し、ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を得た。
それぞれ上述で得られた塩をアセトン30mlと酢酸エチル30mlに溶解させ、洗浄し、ろ過した。ミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩を真空乾燥して残った有機溶媒を除去し、HPLCによるミカファンギンジイソプロピルエチルアミン塩の純度の結果と合成収率の結果を下述表に示す。
上述比較例から、比較例1における式I化合物の水和物から式II化合物を製造した時、式II化合物のHPLC純度と合成収率は共にある程度低下したことがわかる。しかし、式Iで表される化合物の水和物の水分含有量を8.0%〜30%とした時、製造される式II化合物のHPLC純度と合成収率が水分含有量を8.0%〜30%以外とした時よりもやや優れた。
実施例16
薬物組成物の製造
20gの乳糖を50℃未満で加熱して純水(200ml)に溶解させた。20℃以下に冷却した後、乳糖溶液に実施例2で得られた式Iで表される化合物を含有する水和物Bを2.5g入れ、泡が立たないようにゆっくり撹拌した。2%クエン酸水溶液(0.95ml)を入れた後、pHが5.5となるように溶液に0.4%水酸化ナトリウム水溶液(約24ml)を入れ、さらに純水で希釈し、所定の体積(250ml)とした。得られた溶液を100個の体積10mlのバイアルに2.5mlずつ分けて入れた。通常の方法で、冷凍乾燥装置で各バイアルにおける溶液を冷凍乾燥し、それぞれ25mgの式I化合物の水和物を含有する冷凍乾燥組成物を得た。
以上の説明は本発明の好ましい実施例だけで、本発明の実質の技術内容の範囲を限定するものではなく、本発明の実質の技術内容は広義的に出願の請求の範囲に定義され、他の人が完成した技術実体或いは方法は、出願の請求の範囲に定義されたものとまったく同じものであれば、或いは効果が同等の変更であれば、いずれもその請求の範囲に含まれるとみなされる。

Claims (8)

  1. 水の含有量が質量百分率で8〜30%であることを特徴とする、式Iで表される化合物の水和物。
    (ただし、Rは、H又は薬学的に許容される塩を形成することができるカチオンを表す)
  2. 水の含有量が質量百分率で9.5%〜28.0%であることを特徴とする、請求項1に記載の水和物。
  3. (a)式Iで表される化合物を水または水と相溶の有機溶媒(i)の水性溶液に溶解させ、式Iで表される化合物を含有する溶解液のpHを調整する工程、
    (b)降温及び/又は水と相溶の有機溶媒(i)の添加によって上述式Iで表される化合物の水和物を得る工程、
    (c)遠心またはろ過を行って当該水和物を得る工程、
    (d)工程(c)で得られた水和物を真空乾燥し、水和物における水の質量百分率換算含有量を8〜30%に調整する工程、
    ここで、有機溶媒(i)がC1-C4の低級アルコールから選ばれることを特徴とする、
    を含む、請求項1に記載の式Iで表される化合物の水和物の製造方法
    (ただし、Rは、H又は薬学的に許容される塩を形成することができるカチオンを表す)。
  4. 低級アルコールがメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノールから選ばれる一種又は複数種であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 式IIで表される化合物の製造における請求項1または2のいずれか一項に記載の水和物の使用。
  6. 真菌感染を治療する薬物の製造における請求項1または2に記載の水和物の使用。
  7. 請求項1または2に記載の水和物と薬学的に許容される担体とを含むことを特徴とする、薬物組成物。
  8. 請求項1または2に記載の水和物と薬学的に許容される担体を混合し、請求項7に記載の薬物組成物を得ることを含むことを特徴とする、請求項7に記載の薬物組成物の製造方法。
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