JP6089622B2 - 流体制御弁 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された三方弁は、特許文献1の図1に示すように、燃料電池システムの酸化ガス供給路上に設けられている。この三方弁は、特許文献1の図2に示すように、流体の流入口と流出口とを有する流路(流入通路12および第1流出通路16から構成されている)が形成されたバルブハウジング本体(ケーシング4)と、ケーシング4に取り付けられた駆動装置8と、駆動装置8の出力軸(駆動軸58)に連結されて、ケーシング4内において軸方向に移動する弁軸36と、弁軸36の軸心に対し半径方向に延びるように取り付けられ、弁軸36とともに移動することにより、ケーシング4の前記流路に形成された弁座(第1弁座30)に離れまたは接触して、前記流路を開閉する弁体(ポペット弁6)と、を備え、駆動装置8の駆動軸58が閉弁位置にて位置決め固定されることにより、ポペット弁6が前記弁座に接触しケーシング4の前記流路が閉じられる状態が維持される流体制御弁である。
さらに、弁軸は、軸方向に分割された第一分割部と第二分割部とを備え、弾性変形部材は、弁軸と同径であるとともに、第一分割部と第二分割部との間に配設され、第一分割部と第二分割部とを連結する。弁座に接触している弁体に開弁方向の力が作用した場合、弾性変形部材は軸方向に弾性変形して、弁体が弁座から離れる。これにより、弁軸の構成を変更するという簡単な構成で、流体制御弁自体にリリーフ機能を持たせることができる。
さらに、弾性変形部材は、駆動装置と駆動装置の固定部との間に設けられ、弁座に接触している弁体に開弁方向の力が作用した場合、弾性変形部材は、駆動装置の固定部に対して駆動装置が軸方向に移動するように弾性変形して、弁体が弁座から離れる。これにより、駆動装置の構成を変更するという簡単な構成で、流体制御弁自体にリリーフ機能を持たせることができる。
さらに、弾性変形部材は、バルブハウジング固定部とバルブハウジング本体との間に設けられ、弁座に接触している弁体に開弁方向の力が作用した場合、弾性変形部材は、バルブハウジング本体に対してバルブハウジング固定部が軸方向に移動するように弾性変形して、弁体が弁座から離れる。これにより、バルブハウジングの構成を変更するという簡単な構成で、流体制御弁自体にリリーフ機能を持たせることができる。
以下、図1および2に基づき、本発明の第1実施形態による三方弁3およびエア調圧弁4について説明する。図1に示すように、本実施形態による三方弁3およびエア調圧弁4(流体制御弁に該当する)は、車両に搭載された燃料電池システム1の酸素系2に適用されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるべきものではなく、燃料供給系システムあるいは油圧ブレーキシステムといった、車両用流体制御弁として広範囲に使用することが可能であり、また、家庭用機器もしくは一般産業機械用の流体制御弁としても適用することが可能である。
図1に示すように、燃料電池システム1は、酸素系2、燃料系5、電池スタック6、動力系7、冷却系8および制御装置9とから形成されている。
カソード流路62の他端には酸素系排出配管21bの一端が接続されており、酸素系排出配管21b上には、2ポートの流体制御弁であるエア調圧弁4が設けられている。また、前述した三方弁3は3ポートの流体制御弁であって、バイパス管路21cの一端が接続されており、バイパス管路21cの他端は、酸素系排出配管21bのエア調圧弁4よりも下流側部位(電池スタック6が接続されていない側)に接続されている。
動力系7は、車両を走行させるための電動モータ71を備えている。電動モータ71は電池スタック6の正極および負極と接続されており、電池スタック6の発電によって駆動される。
制御装置9は、エアコンプレッサ23、三方弁3、エア調圧弁4、遮断弁53、循環ポンプ57および冷却ポンプ81と電気的に接続されている。制御装置9は車両の走行状態に応じて算出された電池スタック6の必要な発電量に基づき、これらの各構成要素の作動を制御している。
上述した構成により、車両が運転開始すると、制御装置9はエアコンプレッサ23を作動させてカソード流路62へ空気を供給するとともに、遮断弁53および循環ポンプ57を作動させてアノード流路61へ水素ガスを供給し、電池スタック6において発電を行う。
また、エア調圧弁4は、その開度を調整し電池スタック6内に残存した空気の排出量を調整することにより、電池スタック6内の圧力を制御している。
さらに、バルブボデー411の内周面において、調圧弁インレット411dと調圧弁アウトレット411eとの間には調圧弁座411f(弁座に該当する)が形成されている。調圧弁座411fは平坦な円環状に形成されている。
なお、弾性変形部材48は、バルブシャフト44であれば、円柱部443以外の部位に設けるようにしてもよい。
また、バルブフレーム451は、一端が段部451bに連続した円筒部451c(筒状部に該当する)を有している。円筒部451cは、平板部451aに対して垂直方向に延び、バルブシャフト44の円柱部443が挿入されている。さらに、バルブフレーム451は、円筒部451cの他端に連続して形成され、先端が袋状に閉じていることにより、バルブシャフト44の連結部444を収容することが可能な取付部451dを有している。
バルブシャフト44にバルブ部材451を取り付ける場合、ボール孔445内に鋼球446を配置した状態で、平坦面444aから突出した鋼球446が嵌合部451f内に収容されるように、連結部444を取付部451d内に挿入する。その後、鋼球446に対して、双方の固定壁451eをかしめることによりかしめ部451hが形成され、取付部451dが鋼球446に固定される。
さらに、スプリングリテーナ453は、肩部453bから上方へと延びた連結部453cと、連結部453cから半径方向外方へと拡がる締付部453dとを備えている。
また、第1ボデー311の内部上面からは、円筒状の着座体311cが下方に延びている。着座体311cの下端は平坦に形成され、三方弁インレット311aおよび三方弁アウトレット312aと、バイパス口311bとの間に位置するバイパス弁座311dが形成されている。また、第1ボデー311の内周上面からは、着座体311cの半径方向内方に位置するように、円筒形のシャフト支持部311eが突出している。
第1ボデー311の固定部311gは、モータ取付ボス311fの開口端から外方に向けて延設されるフランジ部である。モータケース321の固定部321bは、バルブハウジング本体に設けられたバルブハウジング固定部311gに取り付けられている。
バルブシャフト33は、上述したシャフト支持部311eの内周面において、その軸方向に移動可能に支持されている。
なお、弾性変形部材38は、バルブシャフト33であれば、円柱部331以外の部位に設けるようにしてもよい。
連結部334には、軸心に直交する方向にボール孔335(貫通孔に該当する)が貫通しており、ボール孔335の両端部は、対向した平坦面334aに直交するようにそれぞれ開口している。ボール孔335内には、鋼球336(球体に該当する)が回転可能、かつ、ボール孔335の軸方向に移動可能に配置されている。連結部334、ボール孔335および鋼球336の寸法関係は、上述したエア調圧弁4の場合と同様に設定されている。
シール部材352の下面には、バルブ部材35の下降により、第2ボデー312に形成された制御弁座312bと当接可能なシールリップ352a(シール部に該当する)が突出している。図3に示したように、シールリップ352aは、電池スタック6内に残留した水素ガスと酸素の反応によって発生する負圧によりセルフシールするように、半径方向外向きに形成されている。また、シール部材352の上面は平坦に形成され、バルブ部材35の上昇により、第1ボデー311に形成されたバイパス弁座311dと当接可能となっている。
尚、図3において、バルブ部材35をバルブシャフト33に取り付けるために、取付部351dに形成される構成のうち、エア調圧弁4と同様の構成については、あえて符号を省略している。
バルブシャフト33において、上述した連結部334の上方には円柱部331と同径の第2ランド部337が設けられており、円柱部331の下端と第2ランド部337との間には、第2シール溝338が円周上に形成されている。第2シール溝338内には、合成ゴム材料にて形成されたリング状のシャフトシール36(リング状のシール部材に該当する)が装着されている。シャフトシール36は、バルブシャフト33の外周面とバルブフレーム351の円筒部351cの内周面との間でシール性能を発揮し、バルブフレーム351の円筒部351cおよび取付部351d内への水、異物等の浸入を防止している。
三方弁3において、バルブ部材35は、制御弁座312bとバイパス弁座311dとの間において任意の位置をとることにより、三方弁インレット311aから供給された流体の、三方弁アウトレット312aおよびバイパス口311bへそれぞれ分流される流量を、流体が通過する通路の断面積に基づき制御することができる。
この封止時において、燃料電池6の内部(アノード流路61)の圧力が高くなった場合、バルブ部材45は圧力を受けて、その力によって弾性変形部材48が軸方向に縮むためバルブ部材45は弁座411fから離れていく(開弁方向に移動する)。しかし、つぶれた状態のシールリップ452aにはもとの形状に戻る力が作用するので、シールリップ452aの先端は弁座411fから離れないで接触している(図4(b))。
さらに、燃料電池6の内部(アノード流路61)の圧力が高くなると、その圧力による力がシールリップ452aのもとの形状に戻る力を超えるためシールリップ452aの反り(曲がり)が発生することにより、二次側圧力を一次側に逃がすことができる(図4(c))。
上述した第1実施形態の三方弁3においては、弾性変形部材38をバルブシャフト33に設けるようにしたが、弾性変形部材38を、弁座312bに接触しているバルブ部材35(液体制御弁が閉弁状態にある)に開弁方向の力が作用した場合、その力がバルブ部材35、バルブシャフト33(弁軸)およびモータアッセンブリ32(駆動装置)経由でバルブハウジング本体41に伝達する経路の途中に設けるようにしてもよい。
例えば、図5に示すように、弾性変形部材381を、モータアッセンブリ32(駆動装置)とモータアッセンブリ32の固定部321bとの間に設けるようにしてもよい。弾性変形部材381は弾性材で円環状または方環状に形成されている。弁座312bに接触しているバルブ部材35に開弁方向の力が作用した場合、弾性変形部材381は、モータアッセンブリ32の固定部321b(すなわちバルブハウジング本体31)に対してモータアッセンブリ32がバルブシャフト33の軸方向に移動するように弾性変形して、バルブ部材35が弁座312bから離れる。これにより、モータアッセンブリ32の構成を変更するという簡単な構成で、流体制御弁自体にリリーフ機能を持たせることができる。
さらに、例えば、図6に示すように、弾性変形部材382を、バルブハウジング固定部311gとバルブハウジング本体31(モータ取付ボス311f)との間に設けるようにしてもよい。具体的には、固定部311gより肉薄に形成したり、弾性変形部材381のように弾性材で形成したりすればよい。弁座312bに接触しているバルブ部材35に開弁方向の力が作用した場合、弾性変形部材382は、バルブハウジング本体31に対してバルブハウジング固定部311gが軸方向に移動するように弾性変形して、バルブ部材35が弁座312bから離れる。これにより、バルブハウジング本体31の構成を変更するという簡単な構成で、流体制御弁自体にリリーフ機能を持たせることができる。
さらに、バルブ部材35に弾性変形部材を設けるようにしてもよい。例えば、シールリップ352aとバルブシャフト33との連結部との間に設けるようにすればよい。
また、第2および第3実施形態の弾性変形部材は、エア調圧弁4にも適用可能である。
Claims (6)
- 流体の流入口と流出口とを有する流路が形成されたバルブハウジング本体と、
前記バルブハウジング本体に設けられたバルブハウジング固定部に取り付けられた固定部を備えた駆動装置と、
前記駆動装置の出力軸に連結されて、前記バルブハウジング本体内において軸方向に移動する弁軸と、
前記弁軸の軸心に対し半径方向に延びるように取り付けられ、前記弁軸とともに移動することにより、前記バルブハウジング本体の流路に形成された弁座に離れまたは接触して、前記流路を開閉する弁体と、
を備え、前記駆動装置の出力軸が閉弁位置にて位置決め固定されることにより、前記弁体が前記弁座に接触し前記バルブハウジング本体の流路が閉じられる状態が維持される流体制御弁であって、
前記弁座に接触している前記弁体に開弁方向の力が作用した場合、その力が前記弁体、弁軸および駆動装置経由で前記バルブハウジングの本体に伝達する経路の途中に設けられ、前記力が加わることにより前記弁体が前記弁座から離れるように弾性変形する弾性変形部材をさらに備え、
前記弁軸は、軸方向に分割された第一分割部と第二分割部とを備え、
前記弾性変形部材は、前記弁軸と同径であるとともに、前記第一分割部と前記第二分割部との間に配設され、前記第一分割部と前記第二分割部とを連結し、
前記弁座に接触している前記弁体に開弁方向の力が作用した場合、前記弾性変形部材は前記軸方向に弾性変形して、前記弁体が前記弁座から離れる流体制御弁。 - 流体の流入口と流出口とを有する流路が形成されたバルブハウジング本体と、
前記バルブハウジング本体に設けられたバルブハウジング固定部に取り付けられた固定部を備えた駆動装置と、
前記駆動装置の出力軸に連結されて、前記バルブハウジング本体内において軸方向に移動する弁軸と、
前記弁軸の軸心に対し半径方向に延びるように取り付けられ、前記弁軸とともに移動することにより、前記バルブハウジング本体の流路に形成された弁座に離れまたは接触して、前記流路を開閉する弁体と、
を備え、前記駆動装置の出力軸が閉弁位置にて位置決め固定されることにより、前記弁体が前記弁座に接触し前記バルブハウジング本体の流路が閉じられる状態が維持される流体制御弁であって、
前記弁座に接触している前記弁体に開弁方向の力が作用した場合、その力が前記弁体、弁軸および駆動装置経由で前記バルブハウジングの本体に伝達する経路の途中に設けられ、前記力が加わることにより前記弁体が前記弁座から離れるように弾性変形する弾性変形部材をさらに備え、
前記弾性変形部材は、前記駆動装置と前記駆動装置の固定部との間に設けられ、
前記弁座に接触している前記弁体に開弁方向の力が作用した場合、前記弾性変形部材は、前記駆動装置の固定部に対して前記駆動装置が前記軸方向に移動するように弾性変形して、前記弁体が前記弁座から離れる流体制御弁。 - 流体の流入口と流出口とを有する流路が形成されたバルブハウジング本体と、
前記バルブハウジング本体に設けられたバルブハウジング固定部に取り付けられた固定部を備えた駆動装置と、
前記駆動装置の出力軸に連結されて、前記バルブハウジング本体内において軸方向に移動する弁軸と、
前記弁軸の軸心に対し半径方向に延びるように取り付けられ、前記弁軸とともに移動することにより、前記バルブハウジング本体の流路に形成された弁座に離れまたは接触して、前記流路を開閉する弁体と、
を備え、前記駆動装置の出力軸が閉弁位置にて位置決め固定されることにより、前記弁体が前記弁座に接触し前記バルブハウジング本体の流路が閉じられる状態が維持される流体制御弁であって、
前記弁座に接触している前記弁体に開弁方向の力が作用した場合、その力が前記弁体、弁軸および駆動装置経由で前記バルブハウジングの本体に伝達する経路の途中に設けられ、前記力が加わることにより前記弁体が前記弁座から離れるように弾性変形する弾性変形部材をさらに備え、
前記弾性変形部材は、前記バルブハウジング固定部と前記バルブハウジング本体との間に設けられ、
前記弁座に接触している前記弁体に開弁方向の力が作用した場合、前記弾性変形部材は、前記バルブハウジング本体に対して前記バルブハウジング固定部が前記軸方向に移動するように弾性変形して、前記弁体が前記弁座から離れる流体制御弁。 - 前記弁体および前記弁座の少なくともいずれかに弾性材で形成され、前記両部材間をシールするシール部をさらに備えている請求項1乃至請求項3のうちいずれか一項の流体制御弁。
- 前記シール部は、断面リップ状に形成されている請求項4の流体制御弁。
- 前記弁体とともに移動するダイヤフラムをさらに備え、
前記ダイヤフラムの一側は前記流路および前記弁座を含んで構成され前記流体が流通する流体室に面しており、前記ダイヤフラムの他側は前記流体の進入が禁止され大気に開放されている空気室に面しており、
前記ダイヤフラムの有効受圧面積は前記弁体の有効受圧面積より大きい請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項の流体制御弁。
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