JP6089572B2 - 磁気抵抗効果素子のリセット回路 - Google Patents

磁気抵抗効果素子のリセット回路 Download PDF

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本発明は、磁気抵抗効果素子のリセット回路に関し、特に、磁気抵抗効果素子のフリー層の磁化方向をリセットするための技術に関する。
外部磁場により物質の電気抵抗が変化する磁気抵抗効果の中でも、特にその相対変化の度合いが大きい巨大磁気抵抗効果を利用するGMR(Giant Magneto Resistive effect:巨大磁気抵抗効果)素子が知られている。一般に、GMR素子は、2つの強磁性薄膜層の間に非磁性薄膜層を配置した多層構造を有している。一方の強磁性薄膜層は、磁化方向が外部磁場によって変化しないように固定されたピンド層であり、他方の強磁性薄膜層は、磁化方向が外部磁場に応じて変化するフリー層である。このようなGMR素子は、ピンド層の固定された磁化方向に対し、外部磁場に応じてフリー層の磁化方向が相対的に回転することによって電気抵抗が変化する。
従来、上記のようなGMR素子は、磁気メモリや、磁気ディスク装置の読み出しヘッドなどに広く用いられていた(例えば特許文献1,2)。しかし、近年では、スマートフォンやタブレット端末、ノート型パソコン(PC)などのような携帯機器においてナビゲーションシステムを支援するための電子コンパスとして、GMR素子が地磁気センサーとしても利用される傾向にある。
GMR素子を内蔵するセンサーデバイスが携帯機器に組み込まれると、その携帯機器の使用環境によってGMR素子が強磁場に曝されてしまう可能性がある。その場合、GMR素子が外部強磁場による影響を受け、フリー層の磁化方向が初期状態とは異なる方向に変化してしまい、それ以後、正常な出力信号を出力することができなくなる。これを防止するため、センサーデバイスは、GMR素子の近傍にコイルを配置しており、そのコイルに電流を流すことによってフリー層の磁化方向を元の初期状態に戻すためのリセット動作を行う構成となっている。
図9は、コイルに電流を流すための従来のリセット回路の一例を示す図である。図9に示すように、従来のリセット回路は、コイル104と、スイッチ素子105とを有し、コイル104の一端が携帯機器などの内部に設けられる電源電圧VDDに接続され、他端がスイッチ素子105を介して接地された構成である。そしてGMR素子のフリー層をリセットする際には、スイッチ素子105に制御信号Scを与えてスイッチ素子105をオンにし、コイル104にリセット電流IRを流すようにしている。コイル104に流すリセット電流IRは通常20mA〜100mA程度であり、これによりフリー層の磁化方向を初期状態に戻すことが可能な磁場を発生する。
特開2004−146688号公報 特開2004−165442号公報
ところで、GMR素子を内蔵するセンサーデバイスは多種多様な機器に実装され、それらの機器に応じて電源電圧VDDの仕様が異なるのが一般的であり、例えば1.6V〜3.8Vの範囲内のいずれかの値で使用される。特に近年は、スマートフォンなどのような小型の携帯機器の分野において電源電圧VDDが低くなる傾向にあるのに対し、PCなどの分野では電源電圧VDDが高い電圧で使用され続ける傾向もある。そのため、近年ではセンサーデバイスが使用される電源電圧VDDの仕様範囲がさらに広がる傾向にある。
そのような状況の下で、図9に示すような従来のリセット回路を採用すると、電源電圧VDDが比較的低いときには、フリー層の磁化方向を初期状態に戻すために適度な電流をコイル104に流すことができる反面、電源電圧VDDが比較的高いときには、フリー層の磁化方向を初期状態に戻すために必要以上の過電流がコイル104に流れてしまうことになる。そのため、電源電圧VDDが大きくなる程、GMR素子のフリー層をリセットする際の消費電力が増加してしまうという問題が生じると共に、電流密度の増加に伴って発生するマイグレーションでの破損が問題となる。
マイグレーションによる破損の問題は、電源ラインや接地ラインなどの配線パターンを十分に太くしてレイアウトすることにより解消することが可能であるが、その場合は、コスト上昇を招くだけでなく、チップサイズの大型化を避けられない。そのため、配線パターンを太くレイアウトすることによる解決手法は、特にスマートフォンなどのような小型の携帯機器には適さない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コイルに流れる電流を一定の範囲内に制御することにより、マイグレーションを生じさせることなく、磁気抵抗効果素子のフリー層をリセットできるようにした磁気抵抗効果素子のリセット回路を提供することを、その目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、磁気抵抗効果素子のリセット回路において、磁気抵抗効果素子を備えて構成される磁気センサーと、前記磁気抵抗効果素子の近傍に配置され、外部電源から出力される電流によって前記磁気抵抗効果素子におけるフリー層の磁化方向をリセットするための磁場を発生するコイルと、前記外部電源の電源電圧に関わらず、前記コイルに流す電流を、予め定められた下限値と上限値の範囲内の定電流に調整する電流調整回路と、を備える構成を解決手段として採用するものである。
また上記構成において、前記電流調整回路は、定電流源から出力される定電流を第1抵抗に流すことによって基準電圧を生成し、該基準電圧を前記コイルの一端に接続された第2抵抗に印加することによって、前記コイルに流れる電流を、前記下限値と上限値の範囲内の一定値に調整することを特徴とする構成を採用しても良い。
また上記構成において、前記電流調整回路は、前記コイルの一端に、互いに並列に接続された複数のトランジスタを有し、前記外部電源の電源電圧に応じて前記複数のトランジスタのそれぞれを選択的にオンオフすることにより、前記コイルに流れる電流を、前記下限値と上限値の範囲内の値に制御することを特徴とする構成を採用するようにしても良い。
また上記構成において、前記電流調整回路は、前記外部電源の電源電圧を測定する測定回路をさらに備え、該測定回路の測定結果に基づいて前記複数のトランジスタのそれぞれを選択的にオンオフすることを特徴とする構成を採用しても良い。
さらに上記構成において、前記磁気センサーは複数の磁気抵抗効果素子を備えており、前記電流調整回路は、前記複数の磁気抵抗効果素子のそれぞれに対応して配置される複数のコイルに対し、前記下限値と上限値の範囲内となる定電流を個別に流すことによって各磁気抵抗効果素子におけるフリー層の磁化方向をリセットすることを特徴とする構成を採用しても良い。
本発明によれば、外部電源の電源電圧に関わらず、コイルに流す電流を、予め定められた下限値と上限値の範囲内の定電流に調整するため、マイグレーションを生じさせることなく、磁気抵抗効果素子のフリー層をリセットすることが可能になる。
GMR素子のリセット回路が設けられるセンサーデバイスの一構成例を示す図である GMR素子の一構成例を示す断面図である。 リセット回路によって電流が調整される範囲を示す概念図である。 第1実施形態におけるGMR素子のリセット回路の一構成例を示す図である。 第1実施形態における電源電圧と電流との関係を示す図である。 第2実施形態におけるGMR素子のリセット回路の一構成例を示す図である。 第2実施形態において電源電圧と電流との関係を示す図である。 第3実施形態におけるGMR素子のリセット回路の一構成例を示す図である。 コイルに電流を流すための従来のリセット回路の一例を示す図である。
以下、本発明に関する幾つかの好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下の実施形態においては、磁気抵抗効果素子の一例として、主にGMR素子を利用する形態について説明する。また、以下において参照する各図面では、互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に関するGMR素子のリセット回路7が設けられるセンサーデバイス1の一構成例を示す図である。このセンサーデバイス1は、例えばスマートフォンやタブレット端末、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、カーナビゲーションシステムなどのような機器に搭載され、GMR素子の磁気検知機能によって、それらの機器に電子コンパスの機能を付与するための地磁気センサーとして利用される。図1に示すように、センサーデバイス1は、複数のGMR素子3a,3b,3c,3dで構成されるセンサー部2と、センサー部2から出力される信号を増幅するアンプ部5と、アンプ部5から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変換してセンサー出力SGを出力するA/D変換部6と、複数のGMR素子3a,3b,3c,3dのそれぞれをリセットするためのリセット回路7とを備えて構成される。これら各部は、センサーデバイス1が搭載される機器の外部電源に接続され、その外部電源から供給される電源電圧VDDによって動作する。
センサー部2は、図1に示すように、4つのGMR素子3a,3b,3c,3dがブリッジ回路を構成しており、これにより1軸の地磁気センサーが形成されている。地磁気方向を正確に検知するためには、互いに直交する3軸方向について地磁気を検知することが好ましいため、実際には、センサーデバイス1に4つのGMR素子3a,3b,3c,3dから成るブリッジ回路が3組実装されるが、図1では説明を簡単にするために1組だけを例示している。
図2は、GMR素子3a,3b,3c,3dの一構成例を示す断面図である。図2に示すように、GMR素子3a,3b,3c,3dは、半導体層15と配線層16とから成る半導体チップ17の表面上に形成される。GMR素子3a,3b,3c,3dは、2つの強磁性体層11,13の間に非磁性体層12を配置し、さらに一方の強磁性体層11に反強磁性体層10を結合させた多層構造を有し、半導体チップ17の表面から順に、反強磁性体層10、強磁性体層11、非磁性体層12及び強磁性体層13が積層されている。このうち、強磁性体層11は反強磁性体層10によって磁化方向が固定されたピンド層となっており、外部磁場が作用してもその磁化方向は変化しない。これに対し、最上部の強磁性体層13は、予め磁化された磁化方向が外部磁場に応じて変化するフリー層となっている。例えばフリー層13の磁化方向は、ピンド層11の磁化方向に対して平面視で略90度の角度を成すように予め設定されている。これに外部磁場が作用すると、その外部磁場に応じてフリー層13の磁化方向が平面視で回転し、ピンド層11の磁化方向との成す角度が変位することにより、GMR素子3a,3b,3c,3dの電気抵抗が変化する。したがって、4つのGMR素子3a,3b,3c,3dのそれぞれを同一平面内において異なる方向の地磁気に感度を有するように配置して図1のようなブリッジ回路を構成することにより、そのブリッジ回路の2つの中点の電位バランスの変化でその平面内における地磁気方向を検知することができる。
センサーデバイス1に設けられたリセット回路7は、外部からの強磁場によってフリー層13の磁化方向が初期方向から反転してしまった場合に、そのフリー層13の磁化方向を初期方向に戻してリセットするための回路である。例えば、リセット回路7は、センサーデバイス1への電源投入時、或いは、センサーデバイス1が所定値以上の強磁場を検知した直後に、フリー層13の磁化方向を初期方向に戻すためのリセット動作を行う。
このリセット回路7は、図1に示すように、4つのGMR素子3a,3b,3c,3dの近傍に配置されたコイル4a,4b,4c,4dを備えている。これらのコイル4a,4b,4c,4dは、例えば図2に示すように、各GMR素子3a,3b,3c,3dの直下において半導体チップ17の3〜4層構造で構成される配線層16に形成される。そしてリセット回路7は、これらコイル4a,4b,4c,4dに対して個別に外部電源から出力される電流をリセット電流IRとして流すことにより、フリー層13の磁化方向を初期状態に戻すために必要な磁場を発生させてリセットする。
このときリセット回路7は、各コイル4a,4b,4c,4dに流すリセット電流IRを、所定範囲内の定電流に調整する。図3は、リセット回路7によってリセット電流IRが調整される範囲を示す概念図である。図3に示すように、リセット回路7は、外部電源の電源電圧VDDに関わらず、各コイル4a,4b,4c,4dに流すリセット電流IRを、所定の下限値Iminと上限値Imaxの範囲内(図3の斜線領域内)の定電流に調整する。つまり、各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRが所定の下限値Iminに満たない場合には、フリー層13の磁化方向を初期状態に戻すために必要十分な磁場が発生しないため、リセット回路7は、外部から供給される電源電圧VDDに関わらず、リセット電流IRが所定の下限値Imin以上となるように調整する。逆に、各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRが所定の上限値Imaxを越える場合にはセンサーデバイス1内の電源ラインや接地ラインの電流密度が増加し、マイグレーションによる破損が生じる可能性があるため、リセット回路7はそれを防止すべく、外部から供給される電源電圧VDDに関わらず、リセット電流IRが所定の上限値Imax以下となるように調整する。以下、本実施形態におけるリセット回路7の具体的構成例について説明する。
図4は、第1実施形態におけるGMR素子のリセット回路7の構成例を示す図である。このリセット回路7は、外部電源の電源電圧VDDに関わらず、各コイル4a,4b,4c,4dに流すリセット電流IRを、予め定められた下限値Iminと上限値Imaxの範囲内の定電流に調整する電流調整回路8を備えている。図4に示す電流調整回路8は、電源電圧VDDに接続される定電流源21と、その定電流源21に直列接続される抵抗値Raの第1抵抗22と、非反転入力端子が定電流源21と第1抵抗22との間に接続されるオペアンプ23と、オペアンプ23の出力端子と反転入力端子との間を開閉するスイッチ24と、第1〜第4ドライブ回路25,26,27,28とを備えている。また各コイル4a,4b,4c,4dの一端は電源電圧VDDに接続され、他端は第1〜第4ドライブ回路25〜28のそれぞれに接続されている。尚、定電流源21が出力する定電流Irは、電源電圧VDDに依存しない一定の微小な電流である。
第1ドライブ回路25は、オペアンプ23からの出力信号によってオンオフするMOS電界効果トランジスタ(以下、単に「トランジスタ」と呼ぶ)29と、トランジスタ29のソース端子と接地端子との間に接続される抵抗値Rbの第2抵抗30と、オペアンプ23の出力端子とトランジスタ29のゲート端子との間に介挿されるスイッチ31と、オペアンプ23の反転入力端子とトランジスタ29のソース端子との間に介挿されるスイッチ32と、トランジスタ29のゲート端子と接地端子との間に介挿されるスイッチ33とを備えている。またトランジスタ29のドレイン端子はコイル4aに接続される。
第2〜第4ドライブ回路26,27,28は、第1ドライブ回路25と同様の構成であるため説明を省略する。またスイッチ24,31,32,33は、それぞれリセット回路7に設けられる図示しない制御回路によってオンオフが切り替えられるようになっている。
次に上記構成を有する電流調整回路8の動作について説明する。第1ドライブ回路25を駆動してコイル4aにリセット電流IRを流す際には、図4に示すように、スイッチ24,33を開とし、スイッチ31,32を閉とする。その状態で定電流源21から出力される定電流Irを第1抵抗22に流し、オペアンプ23の非反転入力端子に基準電圧(Ir・Ra)を発生させる。これにより、オペアンプ23は、トランジスタ29をオンさせて反転入力端子が基準電圧と同電圧となるように動作する。その結果、基準電圧が第2抵抗30に印加されることとなり、外部電源から出力される電流が、コイル4a及びトランジスタ29を介して第2抵抗30に流れる。このときコイル4aに流れる電流がリセット電流IRとなり、IR=(Ra/Rb)・Irで表される。したがって、第1抵抗22及び第2抵抗30の抵抗値Ra,Rbを予め適切な値に設定しておくことにより、電源電圧VDDに依存することなく、リセット電流IRを上述した下限値Iminと上限値Imaxの範囲内の定電流に調整して流すことができる。
そしてリセット電流IRを一定時間流すと、GMR素子3aの初期化が完了するため、第1ドライブ回路25のスイッチ31,32を開とし、スイッチ33を閉とする。その後、上記と同様にして第2〜第4ドライブ回路26〜28を順に動作させていくことにより、他のGMR素子3b,3c,3dを初期化することができる。全てのGMR素子3a,3b,3c,3dの初期化が完了すると、スイッチ24を閉としてリセット動作を終了する。
以上のように本実施形態のリセット回路7は、定電流源21から出力される定電流Irを第1抵抗22に流すことによって基準電圧を生成し、その基準電圧をコイル4a,4b,4c,4dの一端に接続された第2抵抗30に印加することによって、各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRを、所定の下限値Iminと上限値Imaxの範囲内の一定値に調整する構成である。このような構成によれば、外部電源から供給される電源電圧VDDに依存することなく、リセット電流IRを一定の範囲内に制御することが可能であるため、電源ラインや接地ラインなどの配線パターンを太く設計しなくてもマイグレーションを生じさせることがなく、しかも各GMR素子3a,3b,3c,3dにおけるフリー層13の磁化方向を良好に初期状態にリセットすることが可能である。
また本実施形態のリセット回路7によれば、仮にセンサーデバイス1が搭載された機器の充電中に電源電圧VDDが上昇する場合であっても、リセット動作を行う際に各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRを上昇させることなく、一定値に保つことが可能である。
ただし、本実施形態におけるリセット回路7の構成では、外部電源から供給される電源電圧VDDが一定レベルよりも低くなり、電源電圧VDDと、第1抵抗22によって生成される基準電圧との差がトランジスタ29をオンさせるために必要なゲート−ソース間電圧よりも低くなると、トランジスタ29が正常にオンしなくなり、適切なリセット電流IRを流すことができなくなる。図5は、第1実施形態において電源電圧VDDと各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRとの関係を示す図である。図5に示すように電源電圧VDDが所定値VLよりも低くなると、リセット電流IRが減少する傾向が現れる。この傾向が現れる所定値VLをなるべく小さな値にするためには、オン抵抗のより小さなトランジスタ29を用いる必要があるが、そうするとトランジスタ29のサイズが大型化する。そのため、本実施形態のリセット回路7は、小型で且つ電源電圧VDDが低くなる傾向にあるスマートフォンなどのような小型機器よりも、電源電圧VDDが高い傾向にある機器に搭載されることが好ましい。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。本実施形態では、小型で且つ電源電圧VDDが低くなる傾向にあるスマートフォンなどのような小型機器にも良好に適用可能なリセット回路7を例示する。尚、本実施形態でもリセット回路7が設けられるセンサーデバイス1の構成は第1実施形態で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図6は、第2実施形態におけるGMR素子のリセット回路7の構成例を示す図である。このリセット回路7もまた、外部電源の電源電圧VDDに関わらず、各コイル4a,4b,4c,4dに流すリセット電流IRを、予め定められた下限値Iminと上限値Imaxの範囲内の定電流に調整する電流調整回路8を備えている。図6に示す電流調整回路8は、電源電圧VDDを所定の分圧比で分圧する分圧抵抗41,42と、電源電圧VDDに依存しない基準電圧Vref(ただし、Vref<VDD)を分圧して複数の基準分圧値を出力する抵抗43,44,45,46と、電源電圧VDDの分圧値を複数の基準分圧値のそれぞれと比較するコンパレータ47,48,49と、制御回路50と、制御回路50に接続される第1〜第4ドライブ回路25,26,27,28とを備えている。
分圧抵抗41,42と、抵抗43,44,45,46と、コンパレータ47,48,49とによって構成される回路は、電源電圧VDDを測定する測定回路である。すなわち、複数のコンパレータ47,48,49は、電源電圧VDDの分圧値を、それぞれ異なる基準分圧値と比較し、電源電圧VDDに応じたコードを出力する。制御回路50は、その電源電圧VDDに応じたコード出力に基づき、第1〜第4ドライブ回路25,26,27,28のそれぞれを駆動し、各コイル4a,4b,4c,4dに流すリセット電流IRを調整する。
第1ドライブ回路25は、互いに並列に接続された複数のトランジスタ55,56,57,58を有し、それら複数のトランジスタ55,56,57,58のドレイン端子がコイル4aの一端に接続され、ソース端子が接地端子に接続された構成である。また複数のトランジスタ55,56,57,58のゲート端子は、制御回路50に接続される。複数のトランジスタ55,56,57,58は、それぞれ特性が異なるものであり、例えばオン抵抗がそれぞれ異なる値となっている。そのため、複数のトランジスタ55,56,57,58は、それぞれオンしたときにドレイン−ソース間に流れる電流が異なる値となる。尚、第2〜第4ドライブ回路26,27,28は、それぞれコイル4b〜4dにリセット電流IRを流すためのものであり、その構成は第1ドライブ回路25と同様である。
上記のような回路構成の場合、制御回路50は、外部電源の電源電圧VDDに応じて複数のトランジスタ55,56,57,58のそれぞれを選択的にオンオフすることにより、コイル4aに流れるリセット電流IRを、上述した下限値Iminと上限値Imaxの範囲内の値に制御する。このとき、制御回路50は、一のトランジスタだけをオンさせるようにしても良いし、複数のトランジスタを同時にオンさせるようにしても良い。尚、第2〜第4ドライブ回路26〜28を駆動して他のコイル4b,4c,4dにリセット電流IRを流す場合もこれと同様である。
図7は、第2実施形態において電源電圧VDDと各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRとの関係を示す図である。図7に示すように、本実施形態では電源電圧VDDが複数の基準電圧Vth1,Vth2,Vth3と比較されてオンするトランジスタが選択的に切り替えられるため、電源電圧VDDに応じてリセット電流IRは鋸波状に変化する。ここで、基準電圧Vth1,Vth2,Vth3は、基準電圧Vrefを分圧した基準分圧値に基づく電圧である。例えば、VDD≦Vth1のときには、トランジスタ55がオンし、リセット電流IRが一定範囲内に制御される。また例えば、Vth1<VDD≦Vth2のときには、トランジスタ56がオンし、リセット電流IRが一定範囲内に制御される。このように本実施形態では、電源電圧VDDが比較的高電圧となる場合、或いは比較的低電圧となる場合のいずれであっても、その電源電圧VDDに適したトランジスタをオンさせることにより、リセット電流IRを一定範囲内に抑制することができる。
したがって、本実施形態では、外部電源から供給される電源電圧VDDがどのような電圧であっても、リセット電流IRを一定の範囲内に制御することが可能であるため、電源ラインや接地ラインなどの配線パターンを太く設計しなくてもマイグレーションを生じさせることがなく、しかも各GMR素子3a,3b,3c,3dにおけるフリー層13の磁化方向を良好に初期状態にリセットすることが可能である。
また本実施形態のリセット回路7は、仮にセンサーデバイス1が搭載された機器の充電中に電源電圧VDDが上昇する場合であっても、リセット動作を行う際にはオンするトランジスタを必要に応じて切り替えることにより、各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRを一定の範囲内の値に保つことが可能である。逆に、二次電池の放電が進み、仮に電源電圧VDDが低下する場合でも、リセット動作を行う際にはオンするトランジスタを必要に応じて切り替えることにより、各コイル4a,4b,4c,4dに流れるリセット電流IRを一定の範囲内の値に保つことも可能である。
特に本実施形態では、複数のトランジスタ55,56,57,58のソース端子に電圧降下を生じさせる抵抗が接続されていないため、電源電圧VDDが第1実施形態で説明した所定値VL(図5参照)よりも低くなる場合であっても、その電源電圧VDDに適したトランジスタをオンさせることにより、リセット電流IRを適切に一定範囲内に制御することができるという利点がある。それ故、本実施形態のリセット回路7は、小型で且つ電源電圧VDDが低くなる傾向にあるスマートフォンなどのような小型機器にも良好に適用し得るものである。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態におけるGMR素子のリセット回路7の構成例を示す図である。図8に示すリセット回路7では、図6に示した電源電圧VDDを測定する測定回路の代わりにレジスタ60が設けられている。レジスタ60以外の部分は、第2実施形態(図6)と同様である。本実施形態では、このレジスタ60に予め電源電圧VDDの値(電源電圧値)61を格納しておく。つまり、センサーデバイス1をスマートフォンなどの機器に搭載して使用するユーザーがその機器からセンサーデバイス1に供給する電源電圧VDDの値61をレジスタ60に予め格納しておくのである。
このような回路構成の場合、制御回路50は、レジスタ60に格納されている電源電圧VDDの値61を読み出し、その電源電圧VDDの値61に応じて複数のトランジスタ55,56,57,58のそれぞれを選択的にオンオフすることにより、コイル4aに流れるリセット電流IRを、上述した下限値Iminと上限値Imaxの範囲内の値に制御する。したがって、本実施形態においても、電源電圧VDDに適したトランジスタをオンさせることにより、リセット電流IRを一定範囲内に抑制することができる。そして本実施形態のリセット回路7もまた第2実施形態と同様に、小型で且つ電源電圧VDDが低くなる傾向にあるスマートフォンなどのような小型機器にも良好に適用し得るものである。
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記第1実施形態では、GMR素子3a,3b,3c,3dを備えたセンサーデバイス1(特にセンサー部2)が地磁気センサーとして構成される場合を例示したが、GMR素子3a,3b,3c,3dを備えたセンサーデバイス1の用途は必ずしも地磁気を検知するものに限られない。そのため、センサーデバイス1(特にセンサー部2)は、地磁気以外の磁気を検知する磁気センサーとして構成されるものであっても構わない。
また、例えば上記第2実施形態では、特性の異なる複数のトランジスタ55,56,57,58が第1〜第4ドライブ回路25,26,27,28に設けられる構成例を説明した。しかし、これに限られず、複数のトランジスタ55,56,57,58は全て同じ特性のものであっても良い。その場合、制御回路50は、電源電圧VDDに応じてオンするトランジスタの数を変更することにより、リセット電流IRを一定範囲内に制御することが可能である。尚、この点は第3実施形態でも同様である。
さらに、上記各実施形態では、GMR素子3a,3b,3c,3dを用いて磁気センサーを構成する場合を例示したが、GMR素子以外の磁気抵抗効果素子を用いて磁気センサーを構成するものであっても構わない。すなわち、上述したリセット回路7は、例えばTMR(Tunnel Magneto-Resistance effect:トンネル磁気抵抗効果)素子など、他の磁気抵抗効果素子におけるフリー層の磁化方向をリセットするためのリセット回路としても適用可能である。
1:センサーデバイス、2:センサー部(磁気センサー)、3a,3b,3c,3d:GMR素子、4a,4b,4c,4d:コイル、7:リセット回路、13:フリー層(強磁性体層)、8:電流調整回路。

Claims (3)

  1. 複数の磁気抵抗効果素子を備えて構成される磁気センサーと、
    前記複数の磁気抵抗効果素子におけるフリー層の磁化方向をリセットするリセット回路と、
    を有し、
    前記リセット回路は、
    前記複数の磁気抵抗効果素子のそれぞれの近傍位置に対して一対一で配置され、外部電源から出力される電流によって前記複数の磁気抵抗効果素子のそれぞれにおけるフリー層の磁化方向をリセットするための磁場を発生する複数のコイルと、
    記コイルに流す電流を、予め定められた下限値と上限値の範囲内に調整する電流調整回路と、
    を備え
    前記電流調整回路は、前記外部電源に接続される定電流源と、前記定電流源から出力される定電流を流すことによって基準電圧を生成する第1抵抗と、前記複数のコイルのそれぞれの一端側に対して一対一で接続される複数の第2抵抗と、を有し、前記第1抵抗によって生成される前記基準電圧を、前記複数の第2抵抗に対して順に印加していくことにより、前記範囲内に調整された電流を前記複数のコイルに対して順に流し、前記複数の磁気抵抗効果素子におけるフリー層を順にリセットすることを特徴とするセンサーデバイス
  2. 磁気抵抗効果素子を備えて構成される磁気センサーと、
    前記磁気抵抗効果素子におけるフリー層の磁化方向をリセットするリセット回路と、
    を有し、
    前記リセット回路は、
    前記磁気抵抗効果素子の近傍に配置され、外部電源から出力される電流によって前記磁気抵抗効果素子におけるフリー層の磁化方向をリセットするための磁場を発生するコイルと、
    記コイルに流す電流を、予め定められた下限値と上限値の範囲内の定電流に調整する電流調整回路と、
    を備え
    前記電流調整回路は、前記コイルの一端に、互いに並列に接続された複数のトランジスタを有し、前記外部電源の電源電圧に応じて前記複数のトランジスタのそれぞれを選択的にオンオフすることにより、前記コイルに流れる電流を、前記下限値と上限値の範囲内の値に制御することを特徴とするセンサーデバイス
  3. 前記電流調整回路は、前記外部電源の電源電圧を測定する測定回路をさらに備え、該測定回路の測定結果に基づいて前記複数のトランジスタのそれぞれを選択的にオンオフすることを特徴とする請求項に記載のセンサーデバイス
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