JP6089473B2 - ナースカート - Google Patents

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Description

本発明は、病院や診療所等において好適に使用されるナースカートに関する。
従来より、病院や診療所等において、電子カルテ用ノートPCやレントゲンフィルムその他の資料、薬剤、器具類の収納及び運搬の用に供され、移動可能な脚ベースと、この脚ベースに立設されオプション取付部を有する支柱と、前記支柱上に配された天板とを備えたナースカートが広く用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
従来のナースカートにおいては、オプションであるトレーユニットを、例えば脚ベースの左右方向中央から立設した支柱に支持させるようにしており、全体としても左右対称の形状を備えている。このようなナースカートのトレーに物品を収納するにあたっては、大型の物品をトレーの使用端側、小型の物品をトレーの反使用端側にそれぞれ収納する等の方法が採用されている。
ところで、病院や診療所等の現場においては、大型の物品と小型の物品とを分けて収納する要望が存在する。しかし、従来のナースカートの構成では、略左右対称の形状を有することから、左右方向中央を挟んで左側と右側とで使用態様を異なる構成とすることが困難である。このような問題を解消する手段として、左右方向中央に対して右又は左に偏心した位置に支柱を立設する構成を採用することが考えられるが、このような構成を採用することにより、以下に述べるような問題が新たに発生する。すなわち、このようにナースカートの左右方向中央に対して右又は左に偏心した位置に配した支柱を、天板の反使用端側下方に潜り込ませたピットの縁に衝突させると、衝突の際の衝撃によりこのようなナースカートが水平軸周りに回転することがあり、使い勝手がよくないと感じられることがある。
特開2009−279414号公報
本発明は以上の点に着目し、上述したうち、少なくとも左右非対称の形状を採用することに起因する衝突の際の衝撃により水平軸周りに回転することがあり使い勝手がよくないという不具合を解決することを目的とする。
このような課題を解決すべく、本発明に係るナースカートの一つは以下のような構成を有する。すなわち本発明に係るナースカートの一つは、床面上を自在な方向に移動可能な脚ベースと、この脚ベースの左右方向中央に対して右又は左に偏心した位置に立設された支柱と、前記支柱上に配された天板と、この天板の少なくとも使用端側に配されたハンドルと、前記天板の反使用端側下方に潜り込ませたピットの縁に前記支柱が衝突した際にその縁に略同時に当接して当該天板が前記脚ベースとともに旋回するのを止める旋回抑止部材とを具備してなる。
このようなものであれば、脚ベースの左右方向中央に対して右(又は左)に偏心した位置に立設された支柱を挟んで、前記支柱が偏心している側と逆側に配したオプション取付部を介して幅広のオプションを片持状態で取り付けるとともに、前記支柱が偏心している側に配したオプション取付部を介して幅狭のオプションを片持状態で取り付ける態様を採用することができる。その上で、ピットの縁に前記支柱が衝突した際に前記旋回抑止部材がその縁に略同時に当接して当該天板が前記脚ベースとともに旋回するのを止めるので、使い勝手の向上を図ることができる。
このようなナースカートをピットにより深く差し入れることができるようにするには、前記支柱を、前記脚ベースの前後方向中央に対しても前記天板の使用端側に偏心させるとよい。
天板が前記支柱の上端に剛結された支持構造体に支持されたナースカートにおいて、前記旋回抑止部材を安定して取り付けることができるようにするための構成として、この旋回抑止部材が前記支持構造体に関連させて設けられたものが挙げられる。
このような旋回抑止部材を実現するための具体的な態様の一例として、基端を前記支柱に支持させるとともに先端を前記支持構造体に支持させてなるスチール線材製のものが挙げられる。
床面上を自在な方向に移動可能な脚ベースの一例として、360度全方向に首振り可能なキャスタを備えたものが挙げられる。
本発明によれば、左右非対称の形状を採用することに起因する、衝突の際の衝撃により水平軸周りに回転することがあり使い勝手がよくないという不具合を解決することができる。
本発明の一実施形態に係るナースカートを示す全体斜視図。 同実施形態に係るナースカートを示す平面図。 同実施形態に係るナースカートを示す正面図。 同実施形態に係るナースカートを示す側面図。 図4におけるA−A断面図。 同実施形態に係る脚ベースを示す分解斜視図。 図4におけるB−B断面図。 図4における矢印C方向視拡大図。 図4におけるD−D断面図。 図4におけるE−E断面図。 図4におけるF−F断面図。 同実施形態に係るナースカートを示す分解斜視図。 同実施形態に係るナースカートを示す底面側分解斜視図。 同実施形態に係るナースカートをピットに接近させる態様を示す概略図。 図14における要部を拡大して示す図。 本発明と類似の効果を奏する構成のナースカートをピットに接近させる態様を示す概略図。 本発明と類似の効果を奏する構成のナースカートをピットに接近させる態様を示す概略図。 本発明と類似の効果を奏する構成のナースカートをピットに接近させる態様を示す概略図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
このナースカートNは、移動可能な脚ベース1と、この脚ベース1上に立設された支柱3と、この支柱3の上端3aに剛結された支持構造体5と、この支持構造体5の上に配設された天板7と、この天板7の周縁7aに離間状態で沿い設けられた略環状をなすハンドル9とを具備してなる。そして、前記支柱3の左側面3bに幅広のオプションを、右側面3cに幅狭のオプションをそれぞれ片持状態で支持させている。また、前記支柱3と前記支持構造体5に関連させて旋回抑止部材11を設けている。なお、図1はこのナースカートNを示す斜視図、図2は同平面図、図3は同正面図、図4は同右側面図である。この明細書において「前」とは、天板7の使用端7b側を意味し、「後」とは、天板7の反使用端7c側を意味する。「左」「右」とは、前記正面図における左右をそれぞれ意味するものとする。
次いで、各部の構成を具体的に説明する。
<脚ベース1>
前記脚ベース1は、図5〜図7に示すように、横断面形状が各部において同じである素材を所定長さに切断して作られる中間部材21と、この中間部材21の両端に結合された型成形品である左右の脚羽根23とを備えたものである。
前記中間部材21は、スチール製の角型パイプ素材を所定の長さに切断してなる部材本体25と、この部材本体25の内部における開口端近傍部分に配設された左右の内壁27、29とを備えてなるものである。左の内壁27は、短冊状をなす板金製のもので、外面27aが下側が左側方を向くように傾斜させた状態で部材本体25内に溶接等により剛結されている。右の内壁29は、短冊状をなす板金製のもので、外面29aが下側が右側方を向くように傾斜させた状態で部材本体25内に溶接等により剛結されている。右の内壁29の上縁には部材本体25の天井面25aに添接する補強壁31が一体に連続させてある。前記右の内壁29と前記補強壁31とは、板金素材を屈曲成形することにより一体に作られている。前記左右の内壁27、29には、それぞれ対をなす中間部材側ボルト挿通孔27b、29bが設けられており、前記各内壁27、29の内面には、それら中間部材側ボルト挿通孔27b、29bに軸心を一致させてナット部材27c、29cがそれぞれ溶接等により固設されている。前記各ナット部材27c、29cの軸心s1、s2は、前記各内壁27、29に直交するように設定されている。換言すれば、前記各軸心s1、s2は、外側方に向かって漸次低くなるように傾斜させてある。なお、この中間部材21の左右方向中央、換言すれば脚ベース1の左右方向中央1aよりも一方方向、より具体的には右方向に偏位した部位には、前記支柱3を取り付けるための支柱取付部33が設けられている。前記支柱取付部33は、図5〜図7に示すように、前記部材本体25の天壁25bと前記補強壁31とが重なった部位に設けられたもので、前記天壁25b及び前記補強壁31を貫通するように穿たれた前後対をなすボルト挿通孔33aと、これらボルト挿通孔33aの中間に穿たれたシリンダ挿通孔33bと、このシリンダ挿通孔33bに軸心を一致させて前記部材本体25の底壁25cに穿たれたシリンダ固定孔33cと、このシリンダ固定孔33cが形成された前記底壁25cにおける前記両ボルト挿通孔33aにそれぞれ対応する部位に穿たれた工具挿通孔33dとを備えたものである。
一方、前記脚羽根23は、図6、図7及び図13に示すように、アルミダイキャスト製のもので、下方に開放された中空体状をなしている。具体的には、各脚羽根23は、上壁23aと、内外の側壁23b、23cと、前後の端壁23dとを一体に備えてなるもので、その内部には補強用のリブ23eが一体に設けられている。右の脚羽根23と左の脚羽根23とは、左右対称形状をなしており、各脚羽根23の前後方向両端部23f、23gには、それぞれ360度全方向に首振り可能なキャスタ35が取り付けられている。各脚羽根23の内側壁23bにおける前後方向中間位置、より具体的には、前記脚ベース1の前後方向中央1bよりも天板7の使用端7b側に偏位した中間位置には、前記中間部材21と連結するための連接部37がそれぞれ設けられている。前記連接部37は、前記内側壁23bに一体に形成され前記中間部材21の端面21aが密着する環状当接部分37aと、この環状当接部分37aの内側に設けられ前記中間部材21の端部内に嵌入される角柱状をなす隆起部分37bとを備えたものであり、前記隆起部分37bの先端面37cは前記中間部材21の内壁27、29と平行をなすように傾斜させてある。そして、前記隆起部分37bにおける前記左右の内壁27、29の中間部材側ボルト挿通孔27b、29bに対応する部分には、脚羽根側ボルト挿通孔37dがその軸心を前記ナット部材27c、29cの軸心s1、s2に一致させて設けられている。脚羽根側ボルト挿通孔37dは、前記内側壁23bをも貫通するように穿たれており、図7に示すように、斜め下側から前記脚羽根側ボルト挿通孔37dに挿入したボルト39を前記中間部材側ボルト挿通孔27b、29bを通して前記ナット部材27c、29cに螺合させ締めつけることによって、前記各脚羽根23を前記中間部材21の端にそれぞれ連結し固定するようになっている。
<支柱3>
前記支柱3は、脚ベース1の左右方向中央1aに対して右又は左に偏心した位置に立設されその左右にオプションを片持状態で取り付けるためのオプション取付部3dを有している。そして、この支柱3に全荷重を支持させ得る状態で当該支柱3上に前記天板7が配されている。換言すれば、前記天板7を1本の支柱3のみによって支持するようにしている。なお、この実施形態においては、前記支柱3は、脚ベース1の左右方向中央1aに対して右に偏心した位置に立設されており、後述するように、この支柱3の左側に幅広なオプションを配するとともに、右側に幅狭なオプションを配するようにしている。また、この支柱3は、前記脚ベース1の前後方向中央1bに対しても前記天板7の使用端7b側に偏心させて配されている。
詳述すれば、この支柱3は、テレスコープ式に伸縮し得る構造のもので、図5、図8及び図9に示すように、前記脚ベース1に固定された静止要素41と、この静止要素41に昇降可能に保持され前記支持構造体5を介して前記天板7を支持する昇降要素43と、この昇降要素43の昇降を所望位置においてロックする機能を有したガススプリング45とを備えてなる。
前記静止要素41は、図9に示すように、前記昇降要素43を昇降可能に包持するコア部材47と、このコア部材47の前後両側に装着された化粧部材49と、これら化粧部材49及び前記コア部材47間に形成される目地3eの底を形成する目地底材51とを具備してなる。コア部材47は、アルミ押出成形素材を所定の長さに切断したものであり、内側壁47a、外側壁47b、前壁47c及び後壁47dを備えてなる概略角柱パイプ状のものである。そして、このコア部材47は、前記前壁47c及び後壁47dの中央にそれぞれ一体に形成された略円形パイプ状をなす長尺ボス47eと、これら各長尺ボス47eの左右両側から側方に伸びる延出片47fとを備えており、前記長尺ボス47eの下端部47gは、その内周に雌ネジ溝が刻設されナットとしての機能を有している。また、前記内側壁47a及び外側壁47bの前後両端部には、例えばV字形に凹陥したレール面47hが形成されており、これらのレール面47hで後述する昇降要素43のベアリング53を案内するようになっている。前記化粧部材49は、図9に示すように、前記コア部材47との間に目地3eを形成する内壁49aと、この内壁49aの両端間に設けられ外方に部分円弧状をなして膨出する湾曲した外壁49bと、前記内壁49aの内面に取付隙間49cを介して配置された補助壁49dとを一体に備えてなるもので、例えば、アルミ押出成形素材を所定の長さに切断することにより作られている。そして、前記補助壁49dと前記内壁49aとの間に形成される前記取付隙間49cに前記コア部材47の延出片47fを上下方向からスライド係合させることによって、前後の化粧部材49が前記コア部材47にそれぞれ取り付けられている。これら化粧部材49と前記コア部材47との間に配される前記目地底材51は、目地3eの底を形成する底板51aと、この底板51aの両端縁から内方に延出する側板51bとを備えたもので、横断面コ字状をなす押出成形素材を所定の長さに切断することにより作られている。
このようにしてなる支柱3の静止要素41は、その左側面3b及び右側面3cに前記各オプションを高さ位置変更可能に取り付けることができるオプション取付部3dをそれぞれ備えている。具体的には、各オプション取付部3dは、前記各目地底材51に複数のフック孔51cを上下方向に所定のピッチで形成したものであり、前記フック孔51cは、前記目地部材51の上下方向全長に亘って形成されている。すなわち、前記各オプション取付部3dは、平均的な使用者の想定膝高さtより上の清潔領域qから前記想定膝高さtより下の不潔領域rに亘って設けられている。かかる静止要素41に前記昇降要素43が昇降可能に支持されている。
前記昇降要素43は、図5、図8及び図9に示すように、金属製のパイプ部材55と、このパイプ部材55を前記静止要素41に対して昇降可能に支持させる複数のベアリング53とを具備してなる。前記パイプ部材55は、内側壁55a、外側壁55b、前壁55c及び後壁55dを有するもので、スチール等の角柱パイプ素材を所定の長さに切断することにより作られている。前記パイプ部材55の上端近傍部には、固定壁57が溶接等により略水平姿勢で固設されている。この固定壁57の中心には、前記ガススプリング45を接続するための接続孔57aが設けられている。この固定壁57の一端側は、前記外側壁55bの上端部に形成されたレバー挿通用の窓55eを通して外部に延出させてあり、この固定壁57の延出部分の両縁に軸受板59が一体に形成されている。これら軸受板59には、ロック解除レバー61が水平軸63を介して回動可能に軸着されている。ロック解除レバー61は、前記ガススプリング45のロックを解除するためのもので、その内方端61aを前記接続孔57aの上方に臨ませてある。このパイプ部材55は、上端側を外部に露出させた状態で、図9に示すように、前記静止要素41におけるコア部材47の内側に収容されており、前記ガススプリング45のストローク範囲内で昇降し得るようになっている。そして、このパイプ部材55の下半部分における上下二箇所に、それぞれ4個のベアリング53が配されている。各ベアリング53は、前記パイプ部材55に取り付けられる軸53aと、この軸53aの軸心53b周りに自転するアウターリング53cとを少なくとも備えてなるものである。上下各箇所において、前記パイプ部材55の前壁55c及び後壁55dにそれぞれ2個のベアリング53が取り付けられており、それら各ベアリング53のアウターリング53cを前記コア部材47のレール面47hにそれぞれ転接させることにより、前記パイプ部材55が、前記コア部材47の内部において一定の姿勢を保ちつつ昇降し得るようになっている。なお、この実施形態においては、前記コア部材47の前壁47c及び後壁47dにおける前記各ベアリング53の軸心53bに対応する部位に係止突条47iをそれぞれ設けている。これらの係止突条47iは、不測の外力等に起因した前記昇降要素43の前記静止要素41に対する姿勢の乱れを抑止するためのものであり、常時は、各係止突条47iと各ベアリング53とは微小なクリアランスを介して離間させてある。すなわち、前記昇降要素43が前記静止要素41に対して前後方向や回転方向に不当に偏位した場合にだけ、いずれかの係止突条47iが対面するベアリング53の軸心53bに対応する部位に当接して、前記昇降要素43のそれ以上の偏位を防止するようになっている。
前記ガススプリング45は、図5、図8及び図9に示すように、下端中心部に取付突起65aを有したシリンダ65と、このシリンダ65内の図示しないピストンに接続されその上端側を該シリンダ65の上端から突没可能に突出させたロッド67とを具備してなるもので、常時は前記ロッド67が前記シリンダ65に対してロックされている。そして、前記ロッド67の先端に設けた操作端69を押し下げた場合にだけ、前記ロッド67を封入ガスの弾性反発力により上動させたり前記ガスの弾性反発力に抗する操作力により降下させたりすることができるようになっている。このガススプリング45のロッド67の先端部67aは、前記昇降要素43のパイプ部材55の固定壁57に固定されている。すなわち、前記ロッド67の先端部67aは固定壁57の接続孔57aに貫通させた状態で当該固定壁57に固定されており、そのロッド67の先端に設けられた操作端69を、前記ロック解除レバー61の内方端61aの下側に臨ませてある。そのため、前記ロック解除レバー61の外方端61b側を上方に操作することによって、そのロック解除レバー61の内方端61aが前記操作端69を押し下げてこのガススプリング45のロック状態を解除することができるようになっている。
以上のようにしてなる支柱3の前記脚ベース1に対する取り付けは、次のようになっている。前記ガススプリング45の下端部を脚ベース1の中間部材21の天壁25bに設けられたシリンダ挿通孔33bに挿入するとともに、その下端部に突設された取付突起65aを前記中間部材21の底壁25cに設けられたシリンダ固定孔33cに貫通させ、その取付突起65aの貫通端側にEリング等の止着具71を装着している。また、前記中間部材21の上面に当接させた静止要素41を、支柱固定ボルト73により該中間部材21に固定している。すなわち、前記支柱固定ボルト73は、前記中間部材21の底壁25cに設けられた工具挿通孔33dを通して該中間部材21内に挿入され、前記中間部材21の天壁25bに設けられたボルト挿通孔33aを通して前記静止要素41のコア部材47における長尺ボス47eの下端部47gに螺合させ定着してある。
<支持構造体5>
前記支持構造体5は、図3乃至図5及び図10乃至図12に示すように、前記支柱3の上端3aに剛結された金属製のもので、中空体状をなしている。詳述すれば、前記支持構造体5は、前記支柱3における昇降要素43のパイプ部材55に溶接等により剛結された横架材75と、この横架材75の両端に溶接等により剛結され上縁に取付フランジ77aを有する左右の側壁77と、これら両側壁77の下縁間に設けられた底壁79と、この底壁79の反使用端側の縁部から上方に向けて延設された上端に取付フランジ81aを有する端壁81とを具備してなる。前記横架材75は、スチール製の角柱パイプ素材を所定長さに切断することにより作られたもので、前記パイプ部材55の上端及び前記軸受板59の上端にそれぞれ溶接等により剛結されている。前記左右の側壁77と、前記底壁79とは、スチール製の板金素材を折曲成形することにより一体に構成されたものであり、左右の側壁77間に使用端7b側に開放されたバッテリ収容空間5aが形成されている。側壁77の上縁に形成された取付フランジ77aは、前記横架材75の上面に被せた状態で溶接等により該横架材75に剛結されており、その前後両端部に天板取付用のボルト挿通孔77bを備えている。前記端壁81は、前記底壁79の縁に溶接等により剛結されたもので、その上端に設けた取付フランジ81aは、天板取付用のボルト挿通孔81bを備えている。
<天板7>
前記天板7は、図1乃至図5及び図10乃至図13に示すように、パーソナルコンピュータやカルテ等を載置するための平面視略長方形状のもので、前記脚ベース1の上方に配されている。この天板7は、例えば、木製の芯材83と、この芯材83の上面に添設されたメラミン樹脂板等の化粧板85と、この化粧板85及び前記芯材83の周縁を包囲するエッジ部材87とを具備してなる。前記芯材83の下面側における前記支持構造体5のボルト挿通孔77b、81bに対応する部位には、インサートナット89が埋設されている。
この天板7は、前記支持構造体5の取付フランジ77a、81a上に配置され、前記ボルト挿通孔77b、81bを通して前記インサートナット89に螺着されるボルト91により該支持構造体5上に固定されている。
<ハンドル9>
前記ハンドル9は、図1乃至図5及び図10乃至図13に示すように、前記天板7の周縁7aに離間状態で沿い設けられたもので、前記支持構造体5に支持されている。このハンドル9は、前記天板7の上面7dよりも下に配される低位部9a及び前記天板7の上面7dよりも上に配される高位部9bを有した略環状をなすもので、360度いずれの方向からでも把持することができるようになっている。
詳述すれば、前記ハンドル9は、前記天板7よりも一回り大きな枠形状をなすパイプ部材93と、このパイプ部材93の使用端7b側及び反使用端7c側にそれぞれ装着されたカバー体95、97とを具備してなる。パイプ部材93は、天板7の使用端7bに沿う使用端側水平部分93aと、この使用端側水平部分93aの両端から天板7の側縁に沿って後方に延びる低位側側端水平部分93bと、天板7の反使用端7cに沿う反使用端側水平部分93cと、この反使用端側水平部分93cの両端から天板7の側縁に沿って前方に延びる高位側側端水平部分93dと、これら高位側側端水平部分93dの前端を低位側側端水平部分93bの後端に接続する傾斜部分93eとを備えてなるもので、1本の金属パイプ素材を曲げ加工することにより一体に構成されている。前記一方のカバー体95は、前記使用端側水平部分93a及び前記低位側側端水平部分93bの一部を覆うもので、上下に2分割し得る構成をなしており、合成樹脂等により作られている。前記他方のカバー体97は、前記反使用端側水平部分93c及び高位側側端水平部分93dの一部を覆うもので、上下に2分割し得る構成をなしており、合成樹脂等により作られている。前記パイプ部材93の図示しない継ぎ目は、例えば、前記反使用端側のカバー体97により隠されている。
しかして、前記低位部9aは、前記カバー体95が装着された前記使用端側水平部分93aと、前記低位側側端水平部分93bと、前記傾斜部分93eの前記天板7の上面7dより低い部位とによって構成されている。また、前記高位部9bは、前記カバー体97が装着されたパイプ部材93の反使用端側水平部分93cと、前記高位側側端水平部分93dと、前記傾斜部分93eにおける前記天板7の上面7dより高い部位とによって構成されている。なお、前記ハンドル9の高位部9bは、天板7の上に載置されたパーソナルコンピュータ等の物品により当該高位部9bに対する把持動作が妨げられるのを防止するためのガード部材99を備えている。具体的には、前記ガード部材99は、前記反使用端側水平部分93cとの間に一定幅の手掛空間9cを形成した状態で前記高位側側端水平部分93d間に架設されている。前記ガード部材99は、直線をなす線材により作られている。
このハンドル9は、その内側にコードを掛けるための複数のコード掛け101を備えている。コード掛け101は、天板7上に載置されたパーソナルコンピュータ等の機器から伸びる各種のコードを着脱可能に掛け止めし得るように構成されたもので、例えば、前記低位部9aにおける左右の内側、及び前記高位部9bにおける左右の内側にそれぞれ設けられている。
このハンドル9は、複数のアーム103、105を介して前記支持構造体5の側壁77に取り付けられている。具体的に説明すれば、前記ハンドル9は、図10及び図11に示すように、前記低位部9aから上方に延出させた第1のアーム103と、前記高位部9bから下方に延出させた第2のアーム105とを介して前記支持構造体5の側壁77に取り付けられている。第1のアーム103は、基端を前記パイプ部材93の低位側側端水平部分93bに溶接等により止着され内方に伸びる水平部103aと、この水平部103aの先端に連続して設けられ上方に起立する起立部103bとを備えたもので、前記起立部103aの上端近傍には雌ねじ孔103cが形成されている。前記起立部103aは、前記支持構造体5の側壁77の内面に添接するように構成されており、前記側壁77の前ボルト挿通孔77cに挿入したボルト107を前記雌ねじ孔103cに螺着することによって、前記各第1のアーム103が支持構造体5の左右の側壁77にそれぞれ取り付けられるようになっている。前記第2のアーム105は、基端を前記パイプ部材93の高位側側端水平部分93dに溶接等により止着され下方に垂下する垂下部105aと、この垂下部105aの下端に連続して設けられ内方に伸びる水平部105bと、この水平部105bの先端に止着された起立板部105cとを備えたもので、前記起立板部105cには雌ねじ孔105dが形成されている。前記起立板部105cは、前記支持構造体5の側壁77の内面に添接するように構成されており、前記側壁77に設けた後ボルト挿通孔77dに挿入したボルト109を前記雌ねじ孔105dに螺着することによって、前記各第2のアーム105が支持構造体5の左右の側壁77にそれぞれ取り付けられるようになっている。なお、前記両側壁77の反使用端7c側の縁には、後方に向けて開放された切欠き77eがそれぞれ形成されており、前記第2のアーム105の水平部105bは、この切欠き77eに遊嵌させてある。
またこのハンドル9は、それぞれのカバー体95、97における幅方向中央部分において樹脂素材が薄肉とした溝95a、97aがカバー体を95、97を周回するように形成されている。この溝95a、97aは、例えば脚ベース1の中間部材21を、図示のものとは異なる幅寸法を有するものに仕様変更した場合に起こるハンドル9の仕様変更に対応させるために設けたものである。すなわち中間部材21を図示のものよりも幅狭のものに仕様変更する場合には溝95a、97aの位置で樹脂素材を破断し、それぞれのカバー体95、97の幅寸法を短くし、幅狭のハンドル9を構成することができる。さらに中間部材21を図示のものよりも幅広なものに仕様変更する場合には溝95a、97aの位置で樹脂素材を破断するとともに当該破断箇所に図示しない別部材を介在させて、幅広のハンドル9を構成することができる。また溝95a、97aの存在により、上記の仕様変更によってもハンドル9の見た目が大きく異なることを回避することができる。
<旋回抑止部材11>
このナースカートNは、図3、図5、図12、図13、図14及び図15に示すように、前記天板7の反使用端7c側下方に潜り込ませたピットPの縁Paに前記支柱3が衝突した際にその縁Paに同時に当接して当該天板7が前記脚ベース1とともに旋回するのを止める旋回抑止部材11を備えている。
前記旋回抑止部材11は、基端を前記支柱3の昇降要素43の左側面3bに溶接等により剛結した水平桿111と、この水平桿111の先端に連続して設けられ上方に起立する起立桿113とを備えたもので、前記起立桿113の先端部は、前記支持構造体5の横架材75及び側壁77に溶接等により剛結されている。この旋回抑止部材11は、1本のスチール線材を変形させて作られたもので、その起立桿113は、前記昇降要素43のパイプ部材55が直線的なピットPの縁Paに直交方向から衝突した際に略同時にその縁Paに当接し得る位置に設けられている。
<オプション>
この実施形態においては、図1、図3、図4、図12及び図13に示すように、前記支柱3の左側に形成される幅の広い天板下空間に幅広のオプションである2組のトレーユニット13を配するとともに、前記支柱3の右側に形成される幅の狭い天板下空間に幅狭のオプションであるグローブボックス15と、2種類のごみ受け具17、19を配している。
前記トレーユニット13は、矩形状の枠体13aと、この枠体13aに着脱可能に保持されるトレー13bとを具備してなるもので、枠体13aは、爪付ブラケット13cを介して前記支柱3の左側面3bに設けられたオプション取付部3dに高さ位置変更可能に取り付けられる。爪付ブラケット13cは、前記枠体13aに固着され前記支柱3の左側面3bに平行に配される基板13dと、この基板13dの両側縁から支柱3に向かう方向に突出させた側板13eとを具備してなるもので、前記両側板13eの先端縁には、前記支柱3のオプション取付部3dに設けられたフック孔51cに着脱可能に係り合う爪13f、13gが形成されている。上側のトレーユニット13は、清潔領域qに取り付けられており、例えば、使用前の医療用具や衣類或いは薬品類などが収容される。一方、下側のトレーユニット13は、不潔領域rに取り付けられており、例えば、使用済みの医療用具や衣類等が投入される。
前記グローブボックス15は、起立板15aと、起立板15aの下縁から略水平に延設されその先端に落下防止縁15cを有する底板15bと、この底板15bの上方に開放隙間を介して配された線状フレーム15dと、この線状フレーム15dの内側に形成される収容空間を仕切るための仕切板15eとを具備してなる。前記起立板15aと前記底板15bとは、板金素材を折り曲げ加工することにより一体に作られたものである。線状フレーム15dは、断面円形をなすスチール線材を略コ字形に屈曲加工することにより作られたものである。前記起立板15aは、爪付ブラケット15fを介して前記支柱3の右側面3cに設けられたオプション取付部3dに高さ位置変更可能に取り付けられる。爪付ブラケット15fは、前記起立板15aに固着され前記支柱3の右側面に平行に配される基板15gと、この基板15gの両側縁から支柱3に向かう方向に突出させた側板15hとを具備してなるもので、前記両側板15hの先端縁には、前記支柱3のオプション取付部3dに設けられたフック孔51cに着脱可能に係り合う爪15i、15jが形成されている。このグローブボックス15は主に清潔領域qに配されるものであり、その中には、例えば、作業用の手袋を1枚ずつ取出し可能に収納した手袋収納箱を縦置き姿勢で収納することや、消毒液用ボトルを収納することができ、仕切板15eを取り外すと前記手袋収納箱を横置き姿勢で収納することもできるようになっている。なお、前記手袋収納箱を縦置き姿勢で収納した場合には、前記線状フレーム15dの上側から手袋を取り出すことができ、横置き姿勢で収納した場合には、前記線状フレーム15dの下側から手袋を取り出すことができるように前記線状フレーム15dの取付位置が設定されている。
前記一方のごみ受け具17は、前記支柱3に片持状態で装着され内側に挿入したごみ袋17aの開口縁部17bを掛けることが可能な環状の枠体17cと、この枠体17cに懸吊保持され前記ごみ袋17aの周囲を覆い得る位置に配される底のないカバー体17dとを具備してなる。枠体17cは、横長の起立板17eと、この起立板17eの両端に固着した線状フレーム17fとを備えたもので、前記起立板17eは、爪付ブラケット17gを介して前記支柱3の右側面3cに設けられたオプション取付部3dに高さ位置変更可能に取り付けられる。爪付ブラケット17gは、前記起立板17eに固着され前記支柱3の右側面3dに平行に配される基板17hと、この基板17hの両側縁から支柱3に向かう方向に突出させた側板17iとを具備してなるもので、前記両側板17iの先端縁には、前記支柱3のオプション取付部3dに設けられたフック孔51cに着脱可能に係り合う爪17j、17kが形成されている。この枠体17cは、その内側に挿入したごみ袋17aの開口縁部17bを被せるようにして掛けることができるようになっている。一方、カバー体17dは、枠体17cにかけられたごみ袋17aの前記支柱3により隠される面以外の周囲を覆うためのもので、前記支柱3の右側面3cに平行に取り付けられる第1の周壁17lと、この第1の周壁17lの両側縁から前記支柱3に向かう方向に延出させた対をなす第2の周壁17mとを備えたもので、これら両第2の周壁17mの上縁には、前記枠体17cの線状フレーム17fに掛け止めするための掛止部17nが設けられている。前記第1の周壁17lと、掛止部17nを有した前記第2の周壁17mとは、合成樹脂により一体に成形されている。
他方のごみ受け具19は、ごみ袋19aの開口縁部19bを掛けることが可能な環状の枠体19cのみからなるものである。前記枠体19cは、横長の起立板19dと、この起立板19dの両端に固着した線状フレーム19eと備えたもので、その起立板19dの一端は、前記一方のごみ受け具17の起立板17eの端にくびれ部19fを介して一体に接続されている。
これら両ごみ受け具17、19は、主に不潔領域rに取り付けられるものであり、一方のごみ受け具17には、視覚的に刺激の強いごみ、例えば、血のついたガーセその他が投入され、他方のごみ受け具19には、通常の可燃ごみが投入されるようにしてある。
さらに、前記天板7の下面には、バーコードリーダー等を置くための他のオプションである機器載置具20が設けられている。この機器載置具20は、起立板20aと、起立板20aの下縁から略水平に延設されその先端に落下防止縁20cを有する底板20bと、この底板20bの上方に開放隙間を介して配された線状フレーム20dとを具備してなる。起立板20aの上縁には取付フランジ20eを設けていて、この取付フランジ20eを天板7の下面にボルト等の止着具を介して取り付けている。
<ナースカートの使用方法>
このような構成のナースカートにおいて、使用者は、通常ハンドル9の使用端側水平部分93aを把持し、天板7の使用端7bから反使用端7cに向かう方向に押して移動させる。また、幅広のオプションすなわちトレーユニット13には、医療用具や衣類或いは薬品類といった比較的大型の物品を収納する。幅狭のオプションのうち、グローブボックス15は、上述したように主に清潔領域qに配し、その中に、例えば作業用の手袋を1枚ずつ取出し可能に収納した手袋収納箱や消毒液用ボトルといった小型の物品を収納する。ごみ受け具17、19は、不潔領域rに配し、枠体17c、19cの内側に挿入したごみ袋の開口縁部を該枠体17c、19cに支持させた状態で使用する。
また、本実施形態のナースカートNは、図14に示すように複数台をピットPを接近させた状態で集合させて使用することができる。その際には、図14及び図15に示すように、ナースカートNの天板7と脚ベース1との間にピットPが位置するようにし、さらに、支柱3のパイプ部材55の後面と旋回抑止部材11の起立桿113の後端部とが同時にピットPの縁Paに当接するまで接近させることにより、このナースカートNをピットPに最大限近づけて使用するようにしている。
以上に述べたように、本実施形態のナースカートNの構成によれば、脚ベース1の左右方向中央1aに対して右に偏心した位置に立設された支柱3を挟んで、支柱3の左側面3bに配したオプション取付部3dを介してトレーユニット13を片持状態で取り付けるとともに、支柱3の右側面3cに配したオプション取付部3dを介してグローブボック15ス及びごみ袋受け17、19を片持状態で取り付けることにより、大型の物品と小型の物品とを支柱を挟んで左右に分けて整理した状態で収納することができる。その上で、ピットPの縁Paに支柱3が衝突した際に旋回抑止部材11がその縁Paに略同時に当接して天板7が前記脚ベース1とともに旋回するのを止めるので、使い勝手の向上を図ることができる。
また、前記支柱3を、前記脚ベース1の前後方向中央1bに対しても前記天板7の使用端7b側に偏心させてあるので、このようなナースカートNをピットPにより深く差し入れることができる。
さらに、天板7を前記支柱3の上端3aに剛結された支持構造体5に支持させ、スチール線材製の旋回抑止部材11の先端を前記支持構造体5に支持させるとともに前記旋回抑止部材11の基端を前記支柱3に支持させているので、この旋回抑止部材11を安定した状態で取り付けておくことができる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
例えば、上述した実施形態では、天板の反使用端側下方に潜り込ませたピットの縁に支柱が衝突した際に、旋回抑止部材がその縁に略同時に当接して当該天板が前記脚ベースとともに旋回するのを止めるように構成しているが、本発明と類似の効果を奏する構成として、以下に述べるようなものが挙げられる。すなわち、支柱がピットの縁に向けて移動している際に、脚ベースの左右方向中央に対応する箇所でピットの縁に優先して当接する旋回抑止部材を具備する構成が挙げられる
具体的には、図16に示すように、脚ベースの左右方向中央1aの直上かつ支柱3より後方の位置にピットPの縁Paに優先して当接する旋回抑止部材A11を設ける態様や、図17に示すように、左右方向中央1aより右に偏心した位置に立設された支柱3の後面から脚ベースの左右方向中央1aを越えて左側に延びる旋回抑止部材B11を設ける態様が考えられる。なお、図16に係る旋回抑止部材A11は、支柱3に支持させるものや天板7の下面から垂下させて設けるもの、あるいは支柱の上端に剛結され天板7を支持する支持構造体に支持させるもの等、種々の設置態様のものが考えられる。
これらのような構成のものであっても、ナースカートを図16及び図17の想像線に示す位置から実線に示す位置までそれぞれ移動させると、支柱3より優先して脚ベースの左右方向中央1aの直上に位置する旋回抑止部材A11、B11がピットPの縁Paに当接するので、左右方向中央1aに対して偏心した位置に支柱3を配することによる不具合、すなわちピットPの縁Paに衝突する際の衝撃によりナースカートが水平軸周りに回転する不具合の発生を防ぐことができる。
また、支柱がピットの縁に向けて移動している際に、脚ベースの左右方向中央を挟んだ複数箇所でピットの縁に優先して当接する旋回抑止部材を具備する構成を採用してもよい。具体的には、図18に示すように、左右方向中央1aより右に偏心した位置に立設された支柱3の後面と、左右方向中央より左に偏心した位置にそれぞれ第1及び第2の旋回抑止部材B11a、B11bを設け、支柱3がピットPの縁Paに向けて移動している際にこれら第1及び第2の旋回抑止部材B11a、B11bが前記縁Paに略同時に当接する態様が考えられる。
このような構成のものであっても、ナースカートを図18の想像線に示す位置から実線に示す位置まで移動させると、脚ベースの左右方向中央1aを挟んで2箇所に設けた旋回抑止部材B11a、B11bが略同時にピットPの縁Paに当接するので、左右方向中央1aに対して偏心した位置に支柱3を配することによる不具合、すなわちピットPの縁Paに衝突する際の衝撃によりナースカートが水平軸周りに回転する不具合の発生を防ぐことができる。
なお、図16、図17及び図18において、上述した実施形態におけるものに対応する部位には、同一の符号を付し、説明は省略する。
また、上述した実施形態では、天板が支柱の上端に剛結された支持構造体に支持されており、この支持構造体に関連させて旋回抑止部材が設けられているが、天板を支柱の上端に直接支持させる構成のナースカートに本発明を適用してもよい。この場合の旋回抑止部材として、例えば一端部を天板に接続するとともに他端部を支柱に支持させるように構成した線条体が考えられる。
さらに、上述した実施形態では、脚ベース1本の支柱のみを立設し、この支柱が、天板を支持するだけでなくトレーユニット等のオプション及び該オプションに収納した物品の荷重も受けるように構成されているが、脚ベースから複数本の支柱を立設し、トレーユニット等のオプション及び該オプションに収納した物品の荷重は前記複数本の支柱全てにより受けるようにし、天板の反使用端側下方にピットを潜り込ませることができるようにすべく脚ベースの左右方向中央に対して右又は左に偏心した位置に立設された1本の支柱のみに天板を支持させる態様のナースカートに本発明を適用してもよい。このような態様のナースカートにおいても、天板を支持する前記支柱を天板の反使用端側下方に潜り込ませたピットの縁に衝突させると、衝突の際の衝撃によりこのようなナースカートが水平軸周りに回転することがあるが、図1〜図15を参照しつつ前述した実施形態の旋回抑止部材を設けることにより、この旋回抑止部材がピットの縁に支柱と略同時に当接することにより前記天板が前記脚ベースとともに旋回する不具合の発生を防止又は抑制し、使い勝手の向上を図ることができる。また、図16〜図18を参照しつつそれぞれ前述した実施形態の旋回抑止部材を設けることにより、ピットの縁に前記旋回抑止部材が左右方向中央に対応する箇所又は脚ベースの左右方向中央を挟んだ複数箇所で当接するので前記天板が前記脚ベースとともに旋回する不具合の発生を防止又は抑制し、使い勝手の向上を図ることができる。
加えて、床面上を自在な方向に移動可能な脚ベースの構成として、上述した実施形態に係る360度全方向に首振り可能なキャスタを備えたもの以外を採用してもよい。
そして、支柱の前後方向位置についても任意に設定してよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
N…ナースカート
1…脚ベース
1a…脚ベースの左右方向中央
1b…脚ベースの前後方向中央
3…支柱
3d…オプション取付部
5…支持構造体
7…天板
7b…使用端
9…ハンドル
11…旋回抑止部材
13、15、17、19…オプション
t…想定膝高さ
q…清潔領域
r…不潔領域

Claims (5)

  1. 床面上を自在な方向に移動可能な脚ベースと、この脚ベースの左右方向中央に対して右又は左に偏心した位置に立設された支柱と、前記支柱上に配された天板と、この天板の少なくとも使用端側に配されたハンドルと、前記天板の反使用端側下方に潜り込ませたピットの縁に前記支柱が衝突した際にその縁に略同時に当接して当該天板が前記脚ベースとともに旋回するのを止める旋回抑止部材とを具備してなることを特徴とするナースカート。
  2. 前記支柱が、前記脚ベースの前後方向中央に対しても使用端側に偏心したものである請求項1記載のナースカート。
  3. 前記天板が、前記支柱の上端に剛結された支持構造体に支持されたものであり、前記旋回抑止部材が、前記支持構造体に関連させて設けられたものである請求項1又は2記載のナースカート。
  4. 前記旋回抑止部材が、基端を前記支柱に支持させるとともに先端を前記支持構造体に支持させてなるスチール線材製のものである請求項3記載のナースカート。
  5. 前記脚ベースが、360度全方向に首振り可能なキャスタを備えたものである請求項1、2、3又は4記載のナースカート。
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