(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る成形品製造装置1を、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に関わる成形品製造装置1の構成を模式的に示す斜視図、図2は成形品製造装置1に用いられる搬送装置12及び加熱装置13の構成を模式的に示す正面図、図3は成形品製造装置1に用いられる要部構成、具体的には金型51及び熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100の構成であって、成形品の製造工程の構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、成形品製造装置1は、保管部11と、搬送装置12と、加熱装置13と、金型装置14と、射出装置15と、制御装置19と、を備えている。成形品製造装置1は、工場内等の敷設範囲2に配置されるとともに、金型装置14及び射出装置15がベース3上に配置される。成形品製造装置1は、熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ(インサート部材)100を加熱後に金型装置14により賦形するとともに、射出装置15により射出成形することで成形品を製造可能に形成されている。
熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ(インサート部材)100は、シート状に形成されている。即ち、プリプレグ100は、ガラスや炭素等の繊維材料及び繊維材料に含浸した熱可塑性の樹脂材料により形成されている。プリプレグ100は、図1においてはその平面形状を方形状に形成されているが、成形品の形状に賦形するのに適した形状に形成されている。プリプレグ100は、例えば、方形状、三角形状及び楕円形状等や、成形品を形成可能な異形状に形成される。
保管部11は、プリプレグ100を複数保管可能に形成されている。保管部11は、例えば、プリプレグ100を縦の姿勢で保管可能に形成されている。なお、保管部11は、例えば、プリプレグ100を横の姿勢で保管するとともに横姿勢から縦姿勢に変更可能に形成されている。
ここで、プリプレグ100の縦姿勢とは、プリプレグ100の主面が略重力方向に沿った姿勢、即ち、上下方向に延設する姿勢、又は、これら姿勢と同等の姿勢である。また、プリプレグ100の横の姿勢とは、プリプレグ100の主面が略水平方向に沿った姿勢、即ち、成形品製造装置1の設置面に沿った姿勢又はこれら姿勢と同等の姿勢である。
搬送装置12は、プリプレグ100を縦の姿勢で、プリプレグ100の保管部11から加熱装置13及び金型装置14へ順次搬送可能に形成されている。具体的には、搬送装置12は、チャック装置21と、搬送機構22と、を備えている。
チャック装置21は、例えば、搬送機構22に設けられた支持部31と、複数のチャック32と、チャック32を開閉する開閉手段33と、冷却装置34と、を備えている。チャック装置21は、複数のチャック32により、プリプレグ100を複数の位置で挟持可能に形成されている。
支持部31は、複数のチャック32を支持可能に形成されている。支持部31は、搬送機構22により移動可能に形成される。チャック32は、例えば、図2に示すように、プリプレグ100の周縁を複数個所で、例えば上下の複数個所で固定可能に、支持部31に複数配置される。チャック32は、開閉手段33により駆動されることで、その先端を開閉可能に形成されている。チャック32は、例えば、互いに接近又は離反することで少なくともその先端が開閉する、対向する二つの爪部32aから構成される。
チャック32は、爪部32aの先端間にプリプレグ100の端部が位置した状態で、開閉手段33により閉状態に駆動され、当該閉状態が維持されることで、プリプレグ100を保持可能に形成されている。チャック32は、プリプレグ100を金型51に搬送し、インサートするときに、金型51と干渉しない形状に形成されている。
開閉手段33は、チャック32の開閉を行う駆動源であって、例えば、空圧シリンダ等が用いられる。開閉手段33は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
冷却装置(冷却化手段、冷却手段)34は、チャック32を冷却可能に形成されている。冷却装置34は、例えば、エアをチャック32に噴射することで、チャック32を冷却可能に形成されている。冷却装置34は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
冷却装置34は、少なくともチャック32の爪部32aのプリプレグ100に接触する部位を冷却可能に形成されている。冷却装置34は、支持部31に支持されるか、又は、保管部11にチャック32が移動する前工程でチャック32を冷却可能な位置に配置される。なお、冷却装置34は、加熱装置13の上部に位置し、プリプレグ100を加熱している最中も、プリプレグ100に影響しない範囲で冷却しても良い。
搬送機構22は、チャック装置21のチャック32を保管部11、加熱装置13及び金型装置14へ順次搬送する機構であり、例えば、支持部31をスライド移動可能に形成されている。搬送機構22は、例えばレールや、多関節ロボット等である。搬送機構22は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
図1及び図2に示すように、加熱装置13は、例えば、プリプレグ100を加熱可能な、間隔を空けて互いに対向する一対の加熱部41と、加熱部41を支持する支持部42と、を備えている。一対の加熱部41は、プリプレグ100を加熱する加熱面41aが、プリプレグ100の主面に沿って配置される。
即ち、一対の加熱部41は、プリプレグ100と同様に、縦姿勢で(例えば、略重力方向に沿って縦長の直方体で)配置される。一対の加熱部41は、チャック32の爪部32a先端の一部及びチャック32に保持されたプリプレグ100が通過可能な間隔を有して対向する。
加熱部41は、それら対向する加熱面41aに、例えば、赤外線ヒータ43が単数又は複数設けられ、加熱部41間を通過するプリプレグ100を所定の温度に加熱可能に形成されている。なお、ここで、所定の温度とは、プリプレグ100を、金型装置14において所定の形状に賦形(成形)可能な温度である。加熱部41は、例えば、その上方であって、チャック32と対向し、且つ、プリプレグ100とは対向しない範囲に、熱を遮断するカバー44が設けられている。
また、加熱部41は、その赤外線ヒータ43の配置、又は、部分的な出力の変更等によって、プリプレグ100の加熱分布が、プリプレグ100の周縁部において他部よりも低温となる分布に加熱可能に形成されている。
このように、加熱装置13は、赤外線ヒータ43の配置又は部分的な出力の変更等により所定の温度分布でプリプレグ100を加熱可能な加熱部41、及び、プリプレグ100の周縁部の一部に対向して加熱部41に設けられたカバー44の少なくとも一方によって構成される、プリプレグ100の周縁部を他部よりも低い温度にする低温化手段を備えている。
金型装置14は、開閉可能な金型51と、金型51を開閉する型締装置52と、を備えている。
金型51は、固定型53と、移動型54と、を備えている。固定型53は、移動型54と対向する面に、成形品の一部の形状に形成されたキャビティ53aと、キャビティ53aに接続され、射出装置15と対向する面に形成されたゲート53cと、を備えている。また、固定型53は、例えば、配置されたプリプレグ100を固定する位置決めピンを備えている。
移動型54は、固定型53に対して移動可能に形成されている。移動型54は、固定型53に対向する面に、成形品の一部の形状に形成されたキャビティ54aを備えている。また、移動型54は、例えば、成形後の成形品を押圧可能に形成された突き出しピンを備えている。
金型51は、閉状態において、固定型53及び移動型54のキャビティ53a,54aによって、成形品の形状の空間が形成される。
型締装置52は、金型51を開閉可能、且つ、型締め可能に形成されている。すなわち、型締装置52は、金型51にプリプレグ100を賦形させる力(賦形力)を与えることができる。型締装置52は、例えば、固定盤56と、固定盤56に対して移動可能な移動盤57と、移動盤57を移動させるトグル機構58と、トグル機構58を駆動させる駆動源59と、を備えている。型締装置52は、成形品を成形する成形装置である。
固定盤56は、固定型53を支持可能に形成されている。移動盤57は、移動型54を支持可能に形成されている。トグル機構58は、駆動源59により駆動されることで、移動盤57を固定盤56に対して進退させる。駆動源59は、トグル機構58を駆動可能に形成されている。駆動源59は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
射出装置15は、例えば、ハウジング61と、シリンダ62と、スクリュ63と、ホッパ64と、移動手段65と、駆動装置66と、シリンダ加熱装置67と、を備えている。射出装置15は、金型装置14の金型51内に樹脂材料(成形材料)を射出することで、型締装置52とともに成形品を成形する成形装置である。
ハウジング61は、例えば、シリンダ62、スクリュ63及びホッパ64を支持可能、且つ、内部に駆動装置66を収納可能に形成されている。シリンダ62は、その内部にスクリュ63を収納する。シリンダ62は、その先端に射出ノズル62aを備えている。射出ノズル62aは、金型51に形成されたゲート53cに接続可能に形成されている。スクリュ63は、シリンダ62内で回転可能、且つ、シリンダ62に対して進退可能に形成されている。
ホッパ64は、射出成形を行う、溶融される樹脂材料(成形材料)が収容される。ホッパ64は、収容された樹脂材料(成形材料)をシリンダ62内に供給可能に形成されている。
移動手段65は、例えば、ベース3上に配置され、固定型53及び固定盤56に向って延設された複数のレール71と、ハウジング61の下部に設けられ、レール71をスライド移動可能な複数のガイド72と、を備えている。移動手段65は、ガイド72がレール71に案内されることで、ハウジング61及びハウジング61に支持された各構成をレール71に沿って金型装置14に進退可能に形成される。
駆動装置66は、例えば、スクリュ63を回転させる第1駆動装置74と、スクリュ63をシリンダ62に対して進退させる第2駆動装置75と、ハウジング61をレール71に沿って金型装置14に対して進退させる第3駆動装置76と、を備えている。
第1駆動装置74は、スクリュ63を回転させることで、ホッパ64から供給された樹脂材料(成形材料)を定量供給可能に形成されている。第1駆動装置74、第2駆動装置75及び第3駆動装置76は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
シリンダ加熱装置67は、シリンダ62を加熱可能に形成されている。シリンダ加熱装置67は、シリンダ62に装着されている。シリンダ加熱装置67は、シリンダ62を加熱することで、ホッパ64から供給された樹脂材料(成形材料)を溶融可能に形成されている。シリンダ加熱装置67は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
制御装置19は、搬送装置12、金型装置14及び射出装置15を制御可能に形成されている。具体的には、制御装置19は、搬送機構22を制御することで、チャック32(支持部31)の移動動作を制御可能に形成されている。制御装置19は、開閉手段33を制御することで、チャック32の開閉動作を制御可能に形成されている。制御装置19は、冷却装置34を制御することで、チャック32の冷却を制御可能に形成されている。
制御装置19は、駆動源59を制御することで、トグル機構58を駆動し、移動型54の進退動作を制御可能に形成されている。制御装置19は、第1駆動装置74、第2駆動装置75及び第3駆動装置76を制御することで、スクリュ63の回転動作及び進退動作、並びに、ハウジング61の進退動作(射出装置15の進退動作)を制御可能に形成されている。制御装置19は、シリンダ加熱装置67を制御することで、シリンダ62の加熱動作を制御可能に形成されている。
次に、このように構成された成形品製造装置1を用いて成形品を製造する方法を説明する。
先ず、チャック32を保管部11に移動させるとともに、チャック32を開状態とする。なお、本サイクル前に、プリプレグ100を加熱装置13に搬送した場合には、冷却装置34によりチャック32を冷却する。
次に、チャック32をさらに移動させて、プリプレグ100の周縁に爪部32aの先端を位置させる。次に、チャック32を閉状態とし、プリプレグ100をチャック32により保持する。次に、チャック32を移動させて、プリプレグ100を一対の加熱部41の間に移動させ、プリプレグ100を所定の温度、具体的には、プリプレグ100を成形可能であって、且つ、プリプレグ100の周縁部が他部よりも低温となるように加熱する。
なお、他部よりも低温となるようにされるプリプレグ100の周縁部は、少なくともプリプレグ100の周縁部の一部であればよいが、プリプレグ100の周縁部全体であってもよい。
次に、チャック32を移動させて、プリプレグ100を金型51に搬送し、プリプレグ100を金型51の固定型53及び移動型54間に配置する。このとき、プリプレグ100が所定の位置となるように、プリプレグ100を配置する。
次に、トグル機構58を駆動し、移動型54を固定型53に向って移動させる。このとき、プリプレグ100を固定型53に設けられた位置決めピンに固定する。次に、チャック32を開状態としてプリプレグ100の保持を解除し、チャック32を金型51から離反させる。これにより、プリプレグ100が金型51にインサートされる。
次に、さらにトグル機構58を駆動し、移動型54を固定型53に向って移動させ、金型51を閉状態とする。これにより、プリプレグ100が金型51によってプレスされ、キャビティ53a,54aの形状に賦形される。
併せて、第3駆動装置76を駆動してハウジング61を移動させ、固定型53に形成されたゲート53cに射出ノズル62aを接続させるとともに、シリンダ62内にホッパ64から供給され溶融された樹脂材料(成形材料)を、ゲート53cを介して金型51内に射出する。
これにより、図3に示すように、キャビティ53a,54a内に樹脂材料(成形材料)が射出され、キャビティ53a,54aの形状に樹脂材料(成形材料)が供給され、賦形されたプリプレグ100と一体に成形される。
次に、成形されたプリプレグ100及び樹脂材料(成形材料)を冷却し、成形品が成形される。次に、移動型54を移動させ、金型51を開状態とし、移動型54に設けられた突き出しピンにより成形品を押圧し、金型51から成形品を取り出す。
次に、冷却装置34によりチャック32を冷却し、再びプリプレグ100を加熱装置13に搬送し、以後、同様の工程を繰り返す。これらの工程の繰り返しにより成形品が製造される。
このように構成された成形品製造装置1によれば、加熱装置13により、プリプレグ100を賦形可能な温度であって、周縁の温度を他部の温度よりも低温とすることで、周縁の強度又は粘度を他部よりも高くすることが可能となる。さらに、チャック32によりプリプレグ100を保持することで、プリプレグ100での当該保持した部位では、加熱部41からの熱を直接的には受けなくなり、当該保持した部位の強度又は粘度を他部よりも高くすることが可能となる。これらの構成により、不良品の多発を防止することができる。
具体的には、プレスによる賦形によってプリプレグ100が過度な圧力が印加され、金型51とプリプレグ100がこすれると、繊維材料の部分的なよれや、端部の繊維材料にほつれやずれ等が発生する場合があり、これらが起きて成形された成形品は不良品となる虞がある。
しかし、加熱装置13、及び、チャック32によって、加熱によるプリプレグ100の加熱分布を異ならせることで、加熱後のプリプレグ100の周縁部及びチャック32で保持された部位においては、加熱後のプリプレグ100の他部よりも強度又は粘度を高くすることが可能となる。即ち、加熱温度を異ならせることで、プリプレグ100の周縁部においては、加熱後のプリプレグ100の粘度を他部よりも高くし、賦形時に、周縁部で繊維材料のずれが発生することを防止することができる。これにより、成形品の強度の向上及び成形品の外観(外観性)の向上を図ることができ、不良品の発生を抑制することができる。
さらに、これらの構成によってプリプレグ100の繊維材料のほつれを防止することができ、当該ほつれにより発生する金型51の繊維材料の挟み込みを防止することができる。結果、金型51の寿命が向上し、メンテナンス回数の低減となる。これにより、成形品製造装置1のランニングコストの低減にもなる。
上述したように本発明の第1の実施形態に係る成形品製造装置1によれば、加熱装置13(より具体的には、低温化手段)によって熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100を用いて成形された成形品における不良品の発生を抑制することができる。
なお、成形品製造装置1は、図示しない、加熱されていない金属部材を具備する低温化手段を備える構成であってもよい。即ち、低温化手段である当該金属部材を、プリプレグ100を加熱した後であって、チャック32を移動させてプリプレグ100を金型51に搬送している間又は搬送後で金型51内にプリプレグ100を配置する前に、プリプレグ100の周縁部に当接させる(接触させる)ことで、プリプレグ100の周縁部を冷却する構成であってもよい。このような構成とすることで、プリプレグ100の周縁部が上述した成形品製造装置1と同様に、周縁の温度を他部の温度よりも低温とすることが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る成形品製造装置1を、図1、図2及び図4を用いて説明する。
第2の実施形態に係る成形品製造装置1は、上述した第1の実施形態に係る成形品製造装置1と同様に、図1及び図2を用いて以下説明する。
図4は本発明の第2の実施形態に係る成形品製造装置1に用いられる要部構成、具体的には金型51及び熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100の構成であって、成形品の製造工程の構成を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、成形品製造装置1は、保管部11と、搬送装置12と、加熱装置13と、金型装置14と、射出装置15と、制御装置19と、を備えている。成形品製造装置1は、工場内等の敷設範囲2に配置されるとともに、金型装置14及び射出装置15がベース3上に配置される。成形品製造装置1は、熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ(インサート部材)100を加熱後に金型装置14により賦形するとともに、射出装置15により射出成形することで成形品を製造可能に形成されている。
熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ(インサート部材)100は、シート状に形成されている。プリプレグ100は、ガラスや炭素等の繊維材料及び繊維材料に含浸した熱可塑性の樹脂材料により形成されている。プリプレグ100は、図1においてはその平面形状を方形状に形成されているが、成形品の形状に賦形するのに適した形状に形成されている。プリプレグ100は、例えば、方形状、三角形状及び楕円形状等や、成形品を形成可能な異形状に形成される。
保管部11は、プリプレグ100を複数保管可能に形成されている。保管部11は、例えば、プリプレグ100を縦の姿勢で保管可能に形成されている。なお、保管部11は、例えば、プリプレグ100を横の姿勢で保管するとともに横姿勢から縦姿勢に変更可能に形成されていてもよい。
ここで、プリプレグ100の縦姿勢とは、プリプレグ100の主面が略重力方向に沿った姿勢、即ち、上下方向に延設する姿勢、又は、これら姿勢と同等の姿勢である。また、プリプレグ100の横の姿勢とは、プリプレグ100の主面が略水平方向に沿った姿勢、即ち、成形品製造装置1の設置面に沿った姿勢又はこれら姿勢と同等の姿勢である。
搬送装置12は、プリプレグ100を縦の姿勢で、プリプレグ100の保管部11から加熱装置13及び金型装置14へ順次搬送可能に形成されている。具体的には、搬送装置12は、チャック装置21と、搬送機構22と、を備えている。
チャック装置21は、例えば、搬送機構22に設けられた支持部31と、複数のチャック32と、チャック32を開閉する開閉手段33と、冷却装置34と、を備えている。チャック装置21は、複数のチャック32により、プリプレグ100を複数の位置で挟持可能に形成されている。
支持部31は、複数のチャック32を支持可能に形成されている。支持部31は、搬送機構22により移動可能に形成される。チャック32は、図2に示すように、プリプレグ100の周縁(縁部、端部)を複数個所、例えば上下の複数個所で固定可能に、支持部31に複数配置される。チャック32は、開閉手段33により駆動されることで、その先端を開閉可能に形成されている。チャック32は、例えば、互いに接近又は離反することで少なくともその先端が開閉する、対向する二つの爪部32aから構成される。
チャック32は、爪部32aの先端間にプリプレグ100の端部が位置した状態で、開閉手段33により閉状態に駆動され、当該閉状態が維持されることで、プリプレグ100を保持可能に形成されている。チャック32は、プリプレグ100を金型51に搬送し、インサートするときに、金型51と干渉しない形状に形成されている。
開閉手段33は、チャック32の開閉を行う駆動源であって、例えば、空圧シリンダ等が用いられる。開閉手段33は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
冷却装置34は、チャック32を冷却可能に形成されている。冷却装置34は、例えば、エアをチャック32に噴射することで、チャック32を冷却可能に形成されている。冷却装置34は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
冷却装置34は、少なくともチャック32の爪部32aのプリプレグ100に接触する部位を冷却可能に形成されている。冷却装置34は、支持部31に支持されるか、又は、保管部11にチャック32が移動する前工程でチャック32を冷却可能な位置に配置される。なお、冷却装置34は、加熱装置13の上部に位置し、プリプレグ100を加熱している最中も、プリプレグ100に影響しない範囲で冷却しても良い。
搬送機構22は、チャック装置21のチャック32を保管部11、加熱装置13及び金型装置14へ順次搬送する機構であり、例えば、支持部31をスライド移動可能に形成されている。搬送機構22は、例えばレールや、多関節ロボット等である。搬送機構22は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
図1及び図2に示すように、加熱装置13は、例えば、プリプレグ100を加熱可能な、間隔を空けて互いに対向する一対の加熱部41と、加熱部41を支持する支持部42と、を備えている。一対の加熱部41は、プリプレグ100を加熱する加熱面41aが、プリプレグ100の主面に沿って配置される。
即ち、一対の加熱部41は、プリプレグ100と同様に、縦姿勢で(例えば、略重力方向に沿って縦長の直方体で)配置される。一対の加熱部41は、チャック32の爪部32a先端の一部及びチャック32に保持されたプリプレグ100が通過可能な間隔を有して対向する。
加熱部41は、それら対向する加熱面41aに、例えば、赤外線ヒータ43が単数又は複数設けられ、加熱部41間を通過するプリプレグ100を所定の温度に加熱可能に形成されている。なお、ここで、所定の温度とは、プリプレグ100を、金型装置14において所定の形状に賦形(成形)可能な温度である。加熱部41は、例えば、その上方であって、チャック32と対向し、且つ、プリプレグ100とは対向しない範囲に、熱を遮断するカバー44が設けられている。
また、加熱部41は、その赤外線ヒータ43の配置、又は、部分的な出力の変更等によって、プリプレグ100の加熱分布が、プリプレグ100の周縁部において他部よりも低温となる分布に加熱可能に形成されている。
金型装置14は、開閉可能な金型51と、金型51を開閉する型締装置52と、を備えている。
金型51は、固定型53と、移動型54と、を備えている。固定型53は、移動型54と対向する面に、成形品の一部の形状に形成されたキャビティ53aと、キャビティ53aのプリプレグ100の周縁と対向する位置に設けられた逃げ部53bと、キャビティ53aに接続され、射出装置15と対向する面に形成されたゲート53cと、を備えている。また、固定型53は、例えば、配置されたプリプレグ100を固定する位置決めピンを備えている。
移動型54は、固定型53に対して移動可能に形成されている。移動型54は、固定型53に対向する面に、成形品の一部の形状に形成されたキャビティ54aと、キャビティ54aのプリプレグ100の周縁と対向する位置に設けられた逃げ部54bと、を備えている。また、移動型54は、例えば、成形後の成形品を押圧可能に形成された突き出しピンを備えている。
金型51は、閉状態において、固定型53及び移動型54のキャビティ53a,54aによって、成形品の形状の空間が形成される。また、金型51は、閉状態において、逃げ部53b,54bによって、内部にインサートされたプリプレグ100の周縁と非接触、又は、過度な加圧を行わない状態でプリプレグ100を賦形可能に形成される。
型締装置52は、金型51を開閉可能、且つ、型締め可能に形成されている。型締装置52は、例えば、固定盤56と、固定盤56に対して移動可能な移動盤57と、移動盤57を移動させるトグル機構58と、トグル機構58を駆動させる駆動源59と、を備えている。型締装置52は、成形品を成形する成形装置である。
固定盤56は、固定型53を支持可能に形成されている。移動盤57は、移動型54を支持可能に形成されている。トグル機構58は、駆動源59により駆動されることで、移動盤57を固定盤56に対して進退させる。駆動源59は、トグル機構58を駆動可能に形成されている。駆動源59は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
射出装置15は、例えば、ハウジング61と、シリンダ62と、スクリュ63と、ホッパ64と、移動手段65と、駆動装置66と、シリンダ加熱装置67と、を備えている。射出装置15は、金型装置14の金型51内に樹脂材料(成形材料)を射出することで、型締装置52とともに成形品を成形する成形装置である。
ハウジング61は、例えば、シリンダ62、スクリュ63及びホッパ64を支持可能、且つ、内部に駆動装置66を収納可能に形成されている。シリンダ62は、その内部にスクリュ63を収納する。シリンダ62は、その先端に射出ノズル62aを備えている。射出ノズル62aは、金型51に形成されたゲート53cに接続可能に形成されている。スクリュ63は、シリンダ62内で回転可能、且つ、シリンダ62に対して進退可能に形成されている。
ホッパ64は、射出成形を行う、溶融される樹脂材料(成形材料)が収容される。ホッパ64は、収容された樹脂材料(成形材料)をシリンダ62内に供給可能に形成されている。
移動手段65は、例えば、ベース3上に配置され、固定型53及び固定盤56に向って延設された複数のレール71と、ハウジング61の下部に設けられ、レール71をスライド移動可能な複数のガイド72と、を備えている。移動手段65は、ガイド72がレール71に案内されることで、ハウジング61及びハウジング61に支持された各構成をレール71に沿って金型装置14に進退可能に形成される。
駆動装置66は、スクリュ63を回転させる第1駆動装置74と、スクリュ63をシリンダ62に対して進退させる第2駆動装置75と、ハウジング61をレール71に沿って金型装置14に対して進退させる第3駆動装置76と、を備えている。
第1駆動装置74は、スクリュ63を回転させることで、ホッパ64から供給された樹脂材料(成形材料)を定量供給可能に形成されている。第1駆動装置74、第2駆動装置75及び第3駆動装置76は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
シリンダ加熱装置67は、シリンダ62を加熱可能に形成されている。シリンダ加熱装置67は、シリンダ62に装着されている。シリンダ加熱装置67は、シリンダ62を加熱することで、ホッパ64から供給された樹脂材料(成形材料)を溶融可能に形成されている。シリンダ加熱装置67は、制御装置19に信号線Sを介して電気的に接続されている。
制御装置19は、搬送装置12、金型装置14及び射出装置15を制御可能に形成されている。具体的には、制御装置19は、搬送機構22を制御することで、チャック32(支持部31)の移動動作を制御可能に形成されている。制御装置19は、開閉手段33を制御することで、チャック32の開閉動作を制御可能に形成されている。制御装置19は、冷却装置34を制御することで、チャック32の冷却を制御可能に形成されている。
制御装置19は、駆動源59を制御することで、トグル機構58を駆動し、移動型54の進退動作を制御可能に形成されている。制御装置19は、第1駆動装置74、第2駆動装置75及び第3駆動装置76を制御することで、スクリュ63の回転動作及び進退動作、並びに、ハウジング61の進退動作(射出装置15の進退動作)を制御可能に形成されている。制御装置19は、シリンダ加熱装置67を制御することで、シリンダ62の加熱動作を制御可能に形成されている。
次に、このように構成された成形品製造装置1を用いて成形品を製造する方法を説明する。
先ず、チャック32を保管部11に移動させるとともに、チャック32を開状態とする。なお、本サイクル前に、プリプレグ100を加熱装置13に搬送した場合には、冷却装置34によりチャック32を冷却する。
次に、チャック32をさらに移動させて、プリプレグ100の周縁に爪部32aの先端を位置させる。次に、チャック32を閉状態とし、プリプレグ100をチャック32により保持する。次に、チャック32を移動させて、プリプレグ100を一対の加熱部41の間に移動させ、プリプレグ100を所定の温度に加熱、具体的には、プリプレグ100を成形可能であって、且つ、プリプレグ100の周縁部が他部よりも低温となるように加熱する。
なお、他部よりも低温となるようにされるプリプレグ100の周縁部は、少なくともプリプレグ100の周縁部の一部であればよいが、プリプレグ100の周縁部全体であってもよい。
次に、チャック32を移動させて、プリプレグ100を金型51に搬送し、プリプレグ100を金型51の固定型53及び移動型54間に配置する。このとき、プリプレグ100が所定の位置となるように、プリプレグ100を配置する。
次に、トグル機構58を駆動し、移動型54を固定型53に向って移動させる。このとき、プリプレグ100を固定型53に設けられた位置決めピンに固定する。次に、チャック32を開状態としてプリプレグ100の保持を解除し、チャック32を金型51から離反させる。これにより、プリプレグ100が金型51にインサートされる。
次に、さらにトグル機構58を駆動し、移動型54を固定型53に向って移動させ、金型51を閉状態とする。これにより、プリプレグ100が金型51によってプレスされ、キャビティ53a,54aの形状に賦形される。このとき、プリプレグ100の周縁は、逃げ部53b,54bによって過度なプレスが成されず、所定の形状に賦形される。
併せて、第3駆動装置76を駆動してハウジング61を移動させ、固定型53に形成されたゲート53cに射出ノズル62aを接続させるとともに、シリンダ62内にホッパ64から供給され溶融された樹脂材料(成形材料)を、ゲート53cを介して金型51内に射出する。
これにより、図4に示すように、キャビティ53a,54a内に樹脂材料(成形材料)が射出され、キャビティ53a,54a及び逃げ部53b,54bの形状に樹脂材料(成形材料)が供給され、賦形されたプリプレグ100と一体に成形される。
次に、成形されたプリプレグ100及び樹脂材料(成形材料)を冷却し、成形品が成形される。次に、移動型54を移動させ、金型51を開状態とし、移動型54に設けられた突き出しピンにより成形品を押圧し、金型51から成形品を取り出す。
次に、冷却装置34によりチャック32を冷却し、再びプリプレグ100を加熱装置13に搬送し、以後、同様の工程を繰り返す。これらの工程の繰り返しにより成形品が製造される。
このように構成された成形品製造装置1によれば、プリプレグ100の賦形時に、逃げ部53b,54bによってプリプレグ100の周縁のプレスを避けることが可能となり、金型51とプリプレグ100の周縁とのこすれ防止が可能となる。また、加熱装置13により、プリプレグ100を賦形可能な温度であって、周縁の温度を他部の温度よりも低温とすることで、プリプレグ100の周縁部の強度又は粘度を他部よりも高くすることが可能となる。さらに、チャック32によりプリプレグ100を保持することで、プリプレグ100での当該保持した部位では、加熱部41からの熱を直接的には受けなくなり、当該保持した部位の強度又は粘度を他部よりも高くすることが可能となる。これらの構成により、不良品の多発を防止することができる。
具体的には、プレスによる賦形によってプリプレグ100が過度な圧力が印加され、金型51とプリプレグ100がこすれると、繊維材料の部分的なよれや、端部の繊維材料にほつれやずれ等が発生する場合があり、これらが起きて成形された成形品は不良品となる虞がある。
しかし、逃げ部53b,54bによって金型51及びプリプレグ100の周縁のこすれが防止され、繊維材料のほつれやずれ等の発生を防止することができる。また、加熱装置13、及び、チャック32によって、加熱によるプリプレグ100の加熱分布を異ならせることで、加熱後のプリプレグ100の周縁部及びチャック32で保持される部位においては加熱後のプリプレグ100の他部よりも強度又は粘度を高くすることが可能となる。即ち、加熱温度を異ならせることで、プリプレグ100の周縁部においては加熱後のプリプレグ100の粘度を他部よりも高くすることが可能となる。これにより、不良品の発生を抑制することができる。
また、成形品製造装置1は、金型51の逃げ部53b,54bに射出成形時に樹脂を供給することで、プリプレグ100の成形不良が発生しやすい周縁部を樹脂によって覆うことが可能となる。プリプレグ100の周縁部を樹脂によって覆うことで、プリプレグ100の周縁部の強度の向上及び外観性の向上が可能となる。また、繊維材料のよれ、ほつれ及びずれ等の成形不良が賦形時に発生したとしても、樹脂材料(成形材料)により当該部位を覆うことで、強度の向上及び外観の向上が可能となり、不良品の発生を抑制することができる。
さらに、これらの構成によってプリプレグ100の繊維材料のほつれを防止可能となり、当該ほつれにより発生する金型51の繊維材料の挟み込みを防止可能となり、結果、金型51の寿命が向上し、メンテナンス回数の低減となる。これにより、成形品製造装置1のランニングコストの低減にもなる。
上述したように本発明の第2の実施形態に係る成形品製造装置1によれば、逃げ部53b,54b及び加熱装置13によって熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100を用いて成形された成形品における不良品の発生を抑制することができる。また、成形品製造装置1によれば、逃げ部53b,54bに樹脂材料(成形材料)を射出して熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100の周縁を樹脂材料(成形材料)で覆うことで、熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100を用いて成形された成形品における不良品の発生を抑制することができ、また、ボス等の三次元形状の追加及び外観品質の向上を図ることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、成形品製造装置1は、金型51により熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100を賦形後に射出装置15により射出成形を行う構成を説明したがこれに限定されない。例えば、成形品製造装置1は、射出装置15を備えない構成、即ち射出成形を行わず、金型51による熱可塑性の樹脂材料を含浸したプリプレグ100の賦形のみを行う構成(例えば、プレス機(プレス成形機))であってもよい。
このような構成であっても、第2の実施形態に係る成形品製造装置1は、逃げ部53b,54b、加熱装置13及びチャック32によって、成形品での不良品の発生を抑制することができる。同様に、第1の実施形態に係る成形品製造装置1は、加熱装置13によって、成形品での不良品の発生を抑制することができる。
また、上述した例では、搬送装置12は、複数のチャック32によってプリプレグ100の周縁の上下を保持する構成を説明したが、上下のみでなく全周縁のそれぞれで一部を保持する構成であってもよく、また、全周縁を保持する構成であってもよい。
さらに、上述した例では、第2の実施形態に係る成形品製造装置1は、金型51に逃げ部53b,54bを設ける構成を説明したが、当該逃げ部は固定型53及び移動型54のいずれか一方にのみ設ける構成であってもよい。
また、上述した例では、プリプレグ100の周縁の強度を他部よりも高くする方法として、プリプレグ100を加熱する際に、プリプレグ100の周縁部を他部よりも低温となるように加熱する構成、及び、プリプレグ100の周縁部をチャック32により保持することで、チャック32によりプリプレグ100の周縁部を覆い、プリプレグ100を直接加熱しないようにする構成を説明したが、本発明はこれらの構成に限定されない。
つまり、本発明の低温化手段は、これらの構成に限定されない。
例えば、プリプレグ100を加熱した後であって、チャック32を移動させてプリプレグ100を金型51に搬送している間又は搬送後に、チャック装置21の冷却装置34を用いてプリプレグ100の周縁部を冷却する構成であってもよい。即ち、冷却装置34を加熱装置13の構成の一として用い、冷却装置34によりプリプレグ100の周縁部を低温にする構成であってもよい。冷却装置34が例えばエアにより冷却する構成である場合には、プリプレグ100の周縁部にのみエアを吹き付けることで、プリプレグ100の周縁部のみを、他部よりも低温にすることが可能となる。
また、例えば、チャック32の爪部32aの周辺に、図示しないプレート等の平面状の構造物を別途設け、プリプレグ100を加熱するときに、当該構造物によりプリプレグ100の周縁部と加熱部41とを遮断し、プリプレグ100の周縁部を直接加熱しない構成であってもよい。
また、第2の実施形態に係る成形品製造装置1は、金型51の逃げ部53b,54b及び加熱装置13によって成形品における不良品の発生を抑制する構成を説明したが、これに限定されない。例えば、成形品製造装置1は、金型51の逃げ部53b,54bを備えるとともに、プリプレグ100を加熱装置13によって一様に加熱する構成であってもよい。即ち、成形品製造装置1は、加熱装置13によってプリプレグ100の周縁部で粘度を高くせず、粘度が一様となるように加熱する構成であってもよい。
このような構成であっても、金型51の逃げ部53b,54bによってプリプレグ100の周縁部において金型51とプリプレグ100の周縁とのこすれ防止が可能となるとともに、チャック32により保持した部位の粘度を高くすることが可能となる。
さらに、上述した実施形態では、冷却装置34は、チャック32の爪部32aのプリプレグ100に接触する部位を冷却可能に形成された構成を用いて説明したがこれに限定されない。例えば、冷却装置34は、さらに開閉手段33を冷却可能な構成であってもよい。この構成により、加熱装置13の加熱部41より発せられた熱が開閉手段33に伝わることをより防止することが可能となり、チャック装置21、特にチャック装置21の開閉手段33が熱により故障することを防ぐことができる。結果、メンテナンスコストを抑えることができるだけでなく、成形品の生産性の低下も防ぐことが可能となる。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 加熱装置により、シート状のインサート部材の周縁部の少なくとも一部を前記インサート部材の他部よりも低い温度で加熱し、
加熱した前記インサート部材を金型内にインサートし、
前記金型内にインサートされた前記インサート部材を賦形する、
ことを特徴とする成形品の製造方法。
[2] 加熱装置により、シート状のインサート部材を加熱し、
前記インサート部材の加熱後、前記インサート部材の周縁部の少なくとも一部を前記インサート部材の他部よりも低い温度になるように冷却し、
周縁部の少なくとも一部を冷却した前記インサート部材を金型内にインサートし、
前記金型内にインサートされた前記インサート部材を賦形する、
ことを特徴とする成形品の製造方法。
[3] シート状のインサート部材を加熱する加熱装置と、
前記インサート部材を賦形する金型に前記インサート部材を賦形させる力を与える型締装置と、
前記インサート部材を前記金型内に配置する前に、前記インサート部材の周縁部の少なくとも一部を前記インサート部材の他部よりも低い温度にする低温化手段と、
を備えることを特徴とする成形品製造装置。
[4] 前記低温化手段は、前記インサート部材を加熱するときに、前記インサート部材の周縁部の少なくとも一部を前記インサート部材の他部よりも低い温度で加熱する前記加熱装置であることを特徴とする[3]に記載の成形品製造装置。
[5] 前記低温化手段は、冷却手段により前記インサート部材の周縁部の少なくとも一部を他部よりも低い温度に冷却することを特徴とする[3]に記載の成形品製造装置。
[6] 前記低温化手段は、前記インサート部材の周縁部の少なくとも一部と対向する熱を遮断するカバーを備える前記加熱装置であることを特徴とする[3]に記載の成形品製造装置。
[7] 前記低温化手段は、前記インサート部材の周縁部の少なくとも一部と当接することで前記インサート部材を冷却することを特徴とする[3]に記載の成形品製造装置。