JP6086736B2 - 振動応答監視装置、回転機械および振動応答監視方法 - Google Patents

振動応答監視装置、回転機械および振動応答監視方法 Download PDF

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本発明は、振動応答監視装置、回転機械および振動応答監視方法
に関する。
タービンロータの動翼に発生する翼振動を、非接触式センサーを用いて計測する翼振動計測方法およびこれを用いた翼振動監視システムがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第3530474号公報
しかしながら、タービン運転中には、ロータおよび車室は、熱伸び等により各部の変形を伴う。そして、この熱伸び等の影響により、非接触式センサーとタービンロータの動翼の相対的な位置関係が変化する。この位置ズレにより、正確に振動を検出できない、もしくは正確に動翼の振動振幅を評価できない問題があった。このため、正確に動翼の振動応答を把握できないという問題もあった。
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、動翼振動量の検出精度を向上させ、より正確に振動応答を監視することができる振動応答監視装置、回転機械および振動応答監視方法を提供することを目的とする。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による振動応答監視装置は、複数の動翼が回転軸に取り付けられているロータに向けて前記回転軸と直交する方向に検出光を出射する出射部と、前記検出光が前記動翼で反射した反射光を受光する受光部とを有するセンサーを複数備えるセンサー部と、前記受光部の出力に基づき前記動翼の振動量を検出し、検出した振動量が、前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に応じて予め決められている翼振動制限値を超えているか否かを判定し前記動翼の振動応答を監視する振動応答監視部と、前記受光部の出力に基づき、前記翼振動制限値が決められた際の前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に対して、前記センサー部と前記動翼との間で位置ズレが発生したか否かを判定する位置ズレ判定部と、を備える。
これにより、本実施形態に係る振動応答監視装置は、センサー部と動翼との相対的に位置関係に応じて予め決められている翼振動制限値に基づき、動翼の振動応答を監視することができる。よって、動翼の振動振幅(つまり振動量)の検出精度が向上し、より正確な振動応答を監視することができる。
また、これにより、本実施形態に係る振動応答監視装置は、センサー部と動翼との相対的な位置関係の位置ズレを検出することができ、センサー部が動翼のどの位置を検出しているのかを判定することができる。よって、位置ズレ後のセンサーと動翼の位置関係に応じた翼振動制限値に基づき、動翼の振動応答を監視することができる。
また、本発明の一態様による振動応答監視装置において、前記位置ズレ判定部は、位置ズレが発生したと判定した場合、位置ズレ後の前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に応じた前記翼振動制限値を設定する。
これにより、本実施形態に係る振動応答監視装置は、位置ズレに応じて、翼振動制限値を補正することができる。よって、熱伸び等の影響により、センサーと動翼の相対的な位置関係が変化した場合であっても、動翼の振動量の検出精度を向上させ、より正確に振動応答を監視することができる。
また、本発明の一態様による振動応答監視装置において、前記ロータの低速回転時における前記受光部の出力に基づき、前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係を示す初期値を設定し、前記低速回転時よりも回転数を上げて定格回転数で回転する運転時における前記受光部の出力に基づき、前記初期値との位置ズレが閾値以上である場合、前記センサー部と前記動翼との間で位置ズレがあると判定する。
これにより、本実施形態に係る振動応答監視装置は、高速回転によるロータの熱伸び等による変形に伴う、センサー部とロータの動翼との位置ズレを検出することができる。
また、本発明の一態様による振動応答監視装置は、前記振動応答監視部によって、前記検出した振動量が前記翼振動制限値を超えていると判定された場合、前記ロータの運転の停止を報知する報知部をさらに備える。
また、この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による回転機械は、前記ロータと、上述のうちいずれか1つの振動応答監視装置とを備える。
また、この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による振動応答監視方法は、複数の動翼が回転軸に取り付けられているロータに向けて前記回転軸と直交する方向に検出光を出射する出射部と、前記検出光が前記動翼で反射した反射光を受光する受光部とを有するセンサーを複数備えるセンサー部、位置ズレ判定部、および、振動応答監視部を備える振動応答監視装置における振動応答監視方法であって、位置ズレ判定部は、前記受光部の出力に基づき、前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係を検出し、前記振動応答監視部は、前記受光部の出力値に基づき前記動翼の振動量を検出し、検出した振動量が、前記位置ズレ判定部によって検出された前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に応じて予め決められている翼振動制限値を超えているか否かを判定し翼振動応答を監視する。
本発明によれば、動翼振動量の検出精度を向上させ、より正確に振動応答を監視することができる。
本実施形態に係る振動応答監視装置を適用可能なガスタービンの一例を示す図である。 本実施形態に係るセンサー部の一例を示す概略図である。 本実施形態に係るセンサー部とタービンロータとの位置関係を説明するための図である。 本実施形態に係る振動応答監視装置の構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係る振動検出方法の一例について説明するためのフローチャートである。 本実施形態に係る翼通過静的試験の一例について説明するための参考図である。 本実施形態に係るセンサー配置情報の取得ステップの一例を示す参考図である。 本実施形態に係るタービンロータの低速運転時における翼通過パルスデータ等の一例を示す参考図である。 本実施形態に係るタービンロータの定格回転数での運転時における翼通過パルスデータ等の一例を示す参考図である。 本実施形態に係る位置ズレ検出処理の一例を説明するための参考図である。 本実施形態に係る振動モードの一例を説明するための参考図である。 本実施形態に係る位置ズレの一例を説明するための参考図である。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る振動応答監視装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
初めに、図1を参照して、本実施形態に係る振動応答監視装置を備えるガスタービン1(回転機械)の一例について説明する。
ガスタービン1は、図1に示すように、外気を圧縮して圧縮空気を生成する空気圧縮機2と、燃料ガスに圧縮空気を混合して燃焼させ高温の燃焼ガスを生成する燃焼器3と、燃焼ガスにより駆動するタービン4と、を備えている。
空気圧縮機2は、圧縮機ロータ5と、これを回転可能に覆う圧縮機ケーシング6とを有している。
燃焼器3は、燃料ガス及び空気圧縮機2からの圧縮空気を受け入れてこれらを噴出する燃料供給器7と、燃料供給器7から燃料ガス及び圧縮空気が内部に噴射されて、燃料ガスの燃焼領域を形成する燃焼筒8とを有している。
タービン4は、燃焼ガスにより回転するタービンロータ9(ロータ)と、このタービンロータ9を回転可能に覆うタービンケーシング10とを有している。このタービンロータ9は、回転軸9aと、この回転軸9aに取り付けられた複数の動翼Y1,Y2,Y3・・・とを備える。また、タービンケーシング10の内面には、複数の動翼Y1,Y2,Y3・・・と交互に設けられる、複数の静翼11が取り付けられている。空気圧縮機2の圧縮機ロータ5は、回転軸9aを介してタービンロータ9と接続され、このタービンロータ9と一体回転する。また、タービンケーシング10には、タービンロータ9の振動を検出するためのセンサー部20が取り付けられている。このセンサー部20は、タービンロータ9の動翼と対向する位置に設置されており、タービンケーシング10の内面に露出するように埋設されている。
次に、図2を参照して、センサー部20の一例について説明する。図2は、センサー部20の一例を示す概略図である。
このセンサー部20は、光学式、静電容量式、渦電流式などのセンサーが利用可能である。センサー部20は、例えば、上流側センサー201と、中央センサー202と、下流側センサー203とを備える。これら上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203は、例えば、光学式のセンサーであって、それぞれ、センサー光(検出光)を出射する出射部2aと、センサー光の反射光を受光する受光部2bとを備える。
次に、図3を参照して、タービンロータ9とセンサー部20との位置関係の一例について説明する。図3(a)には、タービンロータ9の回転軸方向Xからタービンロータ9を見た図である。図3(b)は、タービンロータ9を図1と同じ方向から見た図であって、タービンロータ9の動翼とセンサー部20との近接する部分を拡大して示す図である。
図3(a),3(b)に示す通り、センサー部20は、各センサー201〜203の出射部2aからのセンサー光の光軸(図中の点線部分)が、タービンロータ9の回転軸方向Xに対して直交する位置に設けられている。なお、本実施形態において、センサー光の光軸の方向を、以下、光軸方向Zという。言い換えると、センサー部20は、タービンロータ9の径方向の外側に、各センサー201〜203の出射部2aからのセンサー光がタービンロータ9に向く位置に設置されている。
また、タービンロータ9は、短冊形状の複数の動翼Y1,Y2,Y3・・・を備える。これら動翼Y1,Y2,Y3・・・の一端(付け根)は、回転軸9aに固定されている。これにより、これら動翼Y1,Y2,Y3・・・の他端(先端)は、タービンロータ9の回転により、センサー部20と対向する位置を通過する。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る振動応答監視装置100の構成について説明する。図4は、本実施形態に係る振動応答監視装置100の構成例を示すブロック図である。
図4に示す通り、振動応答監視装置100は、センサー部20と、制御部101と、記憶部102と、報知部103とを備える。この制御部101は、位置ズレ判定部111と、振動応答監視部112とを備える。
位置ズレ判定部111は、センサー部20の各センサー201〜203の受光部2bの出力に基づき、各センサー201〜203のセンサー光を遮断してタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・がセンサー光を通過することにより得られる翼通過パルスデータを取得する。この翼通過パルスデータは、センサー部20の各センサー光を通過する各動翼Y1,Y2,Y3・・・のセンサー部20の通過時間を示す。位置ズレ判定部111は、取得した翼通過パルスデータに基づき、センサー部20とタービンロータ9との相対的な位置ズレが発生しているか否かを判定する。
振動応答監視部112は、センサー部20から得られる翼通過パルスデータよりタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動量を検出する。この振動応答監視部112は、検出した振動量と翼振動制限値とを比較し、検出した動翼の振動量が、動翼が損傷するおそれがあるレベルの振動であるか否かを判定する。もし動翼の振動量が翼振動制限値以下であれば、安全に回転機械を運転することができる状態である。このため、振動応答監視部112は、回転機械の運転を継続すると判定する。一方、動翼の振動量が翼制限値以上であれば、動翼が損傷するおそれがあることから、振動応答監視部112は、タービンロータ9を停止する指令や、動翼の振動量が翼振動制限値を超えたことの通知等を出力する。この振動応答監視部112は、例えば、タービンロータ9を停止する指令や、動翼の振動量が翼振動制限値を超えたこと等を、報知部103から報知させる。なお、振動応答監視部112は、これに限られず、例えば、タービンロータ9の運転を制御する制御部にタービンロータ9の停止を指示するコマンドを出力して、タービンロータ9の運転を停止させてもよい。なお、この翼振動制限値は、これ以上動翼が振動すると動翼が損傷する可能性を有する振動量の限界値を示す情報である。この翼振動制限値は、タービンの大きさや材質等に応じて、任意に設定可能である。
記憶部102は、走査位置情報テーブル121と、センサー配置情報記憶領域122と、初期値記憶領域123と、参照パターン記憶領域124と、翼振動制限値記憶領域125とを備える。
報知部103は、振動応答監視部112から入力する指令値に応じた報知を行う。この報知部103は、例えば、スピーカー、発光装置、あるいはディスプレイ等であって、音、光、文字、あるいは映像で、タービンロータ9の停止を報知する。
次に、図5〜10を参照して、本実施形態に係る振動応答監視装置100における振動応答監視方法の一例について説明する。図5は、本実施形態に係る振動応答監視方法の一例を示すフローチャートである。図6〜10は、この振動応答監視方法の各処理について説明するための参考図である。
(ステップST1)
はじめに、位置ズレ判定部111は、翼通過静的試験を実行する。この翼通過静的試験は、例えば、タービンロータ9の回転軸方向Xに沿って、タービンロータ9に対向するセンサー部20の位置を変化させて、センサー部20からのセンサー光をタービンロータ9に走査し、翼通過パルスデータを取得する試験である。この翼通過静的試験では、タービンロータ9を回転させたときにおける、動翼Y1,Y2,Y3・・・とセンサー部20とを位置関係を模擬した状態で、試験的に、1つの中央センサー202の出射部2aからのセンサー光を、1枚の動翼Y1に照射するものであってもよい。受光部2bは、このセンサー光の動翼からの反射光を受光し、タービンロータ9を回転させたときにおける、動翼Y1からの反射光を示す翼通過パルスデータを取得する。なお、この翼通過静的試験は、複数の走査位置にセンサー部20を位置させた状態で、タービンロータ9を回転させ、センサー光を回転するタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・に照射する試験であってもよい。
位置ズレ判定部111は、タービンロータ9の動翼Y1からの反射光が示す翼通過パルスデータに基づき、各走査位置における動翼の板厚(あるいはパルス幅)を算出し、算出した板厚(あるいは、パルス幅)と走査位置とを対応づけて、走査位置情報テーブルに書き込む。
ここで、図6を参照し、位置ズレ判定部111による翼通過静的試験の一例について具体的に説明する。図6(a)は、動翼Y1の先端に対して中央センサー202のセンサー光を出射した際の、センサー光と動翼Y1との関係の一例を示す図である。本実施形態において、中央センサー202は、動翼Y1との相対的な位置関係において決まる走査位置S1〜S22において、センサー光を動翼Y1に照射する。この走査位置S1〜S22は、例えば、タービンロータ9の回転軸方向Xにおいて等間隔に複数設定されるセンサー光の走査位置である。本実施形態において、走査位置S1は、動翼Y1の先端の上流側に設定される走査位置であり、走査位置S22は、動翼Y1の先端の下流側に設定される走査位置である。なお、上流側および下流側とは、タービンロータ9を通過するガスの流れの方向を意味している。
操作位置S1〜S22に位置された中央センサー202のセンサー光が模擬的な回転移動する動翼Y1を走査した場合、中央センサー202の受光部2bは、受光した反射光に基づく翼通過パルスデータを位置ズレ判定部111に出力する。この翼通過パルスデータが示すパルス波形の一例を、図6(b)に示す。図6(b)は、走査位置S1,S6,S12,S18,S22に位置する中央センサー202のセンサー光に基づくパルス波形を示す図である。
図6(b)に示す通り、走査位置に応じて、各翼通過パルスデータが示すパルス幅が異なる。本実施形態では、図示の通り、走査位置S1,S6,S12,S18,S22に位置する中央センサー202のセンサー光に基づく翼通過パルスデータのパルス幅を、パルス幅ΔT1,ΔT2,ΔT3,ΔT4,ΔT5とする。位置ズレ判定部111は、擬似的に設定されるタービンロータ9の回転速度V、および翼通過パルスデータが示すパルス幅ΔT1,ΔT2,ΔT3,ΔT4,ΔT5に基づき、各走査位置S1〜S22における動翼の板厚を算出する。この位置ズレ判定部111は、例えば、以下の演算式(1)〜(5)に従って、走査位置S1,S6,S12,S18,S22における動翼の板厚H1,H2,H3,H4,H5を算出する。そして、位置ズレ判定部111は、算出した動翼の板厚H1,H2,H3,H4,H5を走査位置に対応付けて、走査位置情報テーブル121に書き込む。なお、ここでは、説明簡略化のため、走査位置S1,S6,S12,S18,S22の一例について説明したが、位置ズレ判定部111は、すべての走査位置S1〜S22に対応する板厚を算出し、走査位置情報テーブル121に書き込む。
H1=V×ΔT1 ・・・式(1)
H2=V×ΔT2 ・・・式(2)
H3=V×ΔT3 ・・・式(3)
H4=V×ΔT4 ・・・式(4)
H5=V×ΔT5 ・・・式(5)
なお、本発明はこれに限られず、位置ズレ判定部111は、動翼Y1,Y2,Y3・・・の設計図面に基づき、各走査位置に対応する板厚H1,H2,H3,H4,H5を算出し、各走査位置に対応付けて、走査位置情報テーブル121に書き込むものであってもよい。
また、本実施形態において、位置ズレ判定部111は、算出した動翼の板厚を走査位置に対応付けて、走査位置情報テーブル121に書き込む例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、位置ズレ判定部111は、翼通過パルスデータが示すパルス幅ΔT1,ΔT2,ΔT3,ΔT4,ΔT5と走査位置S1,S6,S12,S18,S22とをそれぞれ対応付けて、走査位置情報テーブル121に書き込むものであってもよい。
(ステップST2)
次に、位置ズレ判定部111は、センサー配置情報を取得する。このセンサー配置情報とは、センサー部20に含まれる複数のセンサー同士の間隔を示す情報である。
図7(a)は、センサー部20のセンサー光の光軸を含む面で切断した場合の断面図である。図示の通り、センサー部20は、上流側センサー201と、中央センサー202と、下流側センサー203とを含む。これら上流側センサー201と、中央センサー202と、下流側センサー203の位置関係は、それぞれ決められており、上流側センサー201の光軸と中央センサー202の光軸との間隔は、センサー間隔αであり、中央センサー202の光軸と下流側センサー203の光軸との間隔は、センサー間隔βである。これら上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203は、それぞれセンサー光L1,L2,L3を出射する。
図7(b)は、上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203からのセンサー光L1〜L3が、動翼Y1,Y2,Y3・・・の先端に照射された場合の走査線の一例を示す図である。図示の通り、上流側センサー201のセンサー光L1の走査線と中央センサー202のセンサー光L2の走査線との間隔はαであり、中央センサー202のセンサー光L2の走査線と下流側センサー203のセンサー光L3の走査線との間隔はβである。
位置ズレ判定部111は、このセンサー間隔α,βを、センサー配置情報として取得し、記憶部102のセンサー配置情報記憶領域122に格納する。
(ステップST3)
そして、位置ズレ判定部111は、タービンロータ9の低速運転時における翼通過パルス出力を取得する。
図8(b)に示す通り、翼通過パルスデータは、センサー部20の各センサー201〜203から取得される。上流側センサー201の出力に基づく翼通過パルスデータを、翼通過パルスデータD11という。中央センサー202の出力に基づく翼通過パルスデータを、翼通過パルスデータD12という。下流側センサー203の出力に基づく翼通過パルスデータを、翼通過パルスデータD13という。図8(b)に示すグラフは、横軸が時間、縦軸が各センサー201〜203の出力を示す。
図示の通り、翼通過パルスデータD11〜D13において、各センサー201〜203の受光部2bの出力=0は、各センサー201〜203からの反射光がなかったことを示し、各センサーの受光部2bの出力=1は、各センサー201〜203からの反射光があったことを示す。つまり、翼通過パルスデータD11〜D13は、タービンロータ9の低速運転により上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203を通過する各動翼Y1,Y2,Y3・・・からの反射光を示す。
位置ズレ判定部111は、取得した翼通過パルスデータD11〜D13に基づき、タービンロータ9に対するセンサー部20の各センサー201〜203の相対的な位置関係を判定する。
この位置関係の判定における、位置ズレ判定部111の処理内容について具体的に説明する。
まず、位置ズレ判定部111は、翼通過パルスデータD11〜D13に基づき、各動翼Y1,Y2,Y3・・・からの反射光を検出した時間長から、各動翼Y1,Y2,Y3・・・の板厚を算出する。例えば、位置ズレ判定部111は、タービンロータ9の低速回転により取得された翼通過パルスデータD11から各動翼の平均的な反射光の時間長であるパルス幅ΔT11を算出する。また、位置ズレ判定部111は、タービンロータ9の低速回転により取得された翼通過パルスデータD12から各動翼の平均的な反射光の時間長であるパルス幅ΔT12を算出する。位置ズレ判定部111は、タービンロータ9の低速回転により取得された翼通過パルスデータD13から各動翼の平均的な反射光の時間長であるパルス幅ΔT13を算出する。そして、位置ズレ判定部111は、算出したパルス幅ΔT11〜ΔT13に基づき、上述した式(6)〜(8)に従って、各センサー201〜203からの反射光が示す動翼の板厚を算出する。なお、回転速度V10は、タービンロータ9の低速回転時におけるタービンロータ9の回転速度である。
H11=V10×ΔT11 ・・・式(6)
H12=V10×ΔT12 ・・・式(7)
H13=V10×ΔT13 ・・・式(8)
(ステップST4)
そして、位置ズレ判定部111は、ステップST1において取得されたパルス幅と、ステップST3において取得された翼通過パルスデータD11〜D13が示すパルス幅とを照合し、各センサー201〜203の走査位置を判定する。本実施形態において、位置ズレ判定部111は、走査位置情報テーブル121を参照して、ステップST1において算出された動翼の板厚のうち、ステップST3において算出された動翼の板厚に対応する走査位置を検出する。つまり、位置ズレ判定部111は、走査位置情報テーブル121の動翼の板厚のうち、ステップST3において算出された動翼の板厚と一致する、あるいは、一致していると判定される程度の誤差を含み一致しているものと対応付けられた走査位置を、各センサー201〜203に対応する走査位置であると判定する。なお、本発明はこれに限られず、走査位置情報テーブル121において、走査位置にパルス幅が対応付けられている場合、走査位置情報テーブル121のパルス幅のうち、ステップST3において算出されたパルス幅と一致する、あるいは、一致していると判定される程度の誤差を含み一致しているものと対応付けられた走査位置を、各センサー201〜203に対応する走査位置であると判定するものであってもよい。
そして、位置ズレ判定部111は、翼通過パルスデータD11が示す板厚に対応する走査位置を、上流側センサー201の走査位置の初期値に設定する。また、位置ズレ判定部111は、翼通過パルスデータD12が示す板厚に対応する走査位置を、中央センサー202の走査位置の初期値に設定する。位置ズレ判定部111は、翼通過パルスデータD13が示す板厚に対応する走査位置を、下流側センサー203の走査位置の初期値に設定する。この位置ズレ判定部111は、設定した上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203の走査位置の初期値を、記憶部102の初期値記憶領域123に書き込む。なお、初期値は、図6(a)に示した走査位置S1〜S22を示す値であればどのような情報であってもよい。例えば、図8(a)に示すように、タービンロータ9の動翼Y1の回転軸方向Xにおいて、最も上流側の端部からの距離によって示されるものであってもよい。この場合、上流側センサー201の走査位置は、動翼断面図の外縁点から距離aの位置であって、中央センサー202の走査位置は、動翼断面図の外縁点から距離bの位置であって、下流側センサー203の走査位置は、動翼断面図の外縁点から距離cの位置である。
また、位置ズレ判定部111は、初期値を算出した元データである翼通過パルスデータD11〜D13を、参照パターンとして、記憶部102の参照パターン記憶領域124に書き込む。この翼通過パルスデータD11〜D13は、図8(b)に示すとおり、各動翼Y1,Y2,Y3・・・からの反射光の出現位置を基準点T0からの時間長で示す情報であり、各動翼Y1,Y2,Y3・・・からの反射光のパルス幅ΔT11〜ΔT13を示す情報である。
(ステップST5)
そして、位置ズレ判定部111は、定格回転数での運転時における翼通過パルスデータを取得する。本実施形態において、位置ズレ判定部111は、上流側センサー201の出力に基づく翼通過パルスデータD21と、中央センサー202の出力に基づく翼通過パルスデータD22と、下流側センサー203の出力に基づく翼通過パルスデータD23を取得する。この翼通過パルスデータD21〜D23の一例を、図9(b)に示す。この場合の動翼の板厚は、図9(a)に示すとおり、H21〜H23とする。
例えば、位置ズレ判定部111は、タービンロータ9の高速回転数(または定格回転数)での運転により取得された翼通過パルスデータD21〜23から各動翼の平均的な反射光の時間長であるパルス幅ΔT21〜ΔT23を算出することができる。そして、位置ズレ判定部111は、算出したパルス幅ΔT21〜ΔT23に基づき、上述した式(9)〜(11)に従って、各センサー201〜203からの反射光が示す動翼の板厚を算出することができる。なお、回転速度V20は、高速回転数(または定格回転数)での運転におけるタービンロータ9の回転速度である。
H21=V20×ΔT21 ・・・式(9)
H22=V20×ΔT22 ・・・式(10)
H23=V20×ΔT23 ・・・式(11)
(ステップST6)
そして、位置ズレ判定部111は、各センサー201〜203の走査位置の初期値に基づき、タービンロータ9とセンサー部20との位置ズレを判定する。本実施形態において、位置ズレ判定部111は、記憶部102の初期値記憶領域123に格納されている走査位置に対応する動翼の板厚を、走査位置情報テーブル121から読み出す。そして、位置ズレ判定部111は、読み出した各センサー201〜203に対応する動翼の板厚H11〜H13と、ステップST5において検出された翼通過パルスデータD21〜D23のパルス幅ΔT21〜ΔT23が示す動翼の板厚H21〜H23とを照合する。上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203の初期値に対応する動翼の板厚H11〜H13と、翼通過パルスデータD21〜D23のパルス幅が示す動翼の板厚H21〜H23との差が、予め決められた閾値以上である場合、位置ズレ判定部111は、タービンロータ9とセンサー部20との位置ズレが発生していると判定する。一方、この差が予め決められた閾値未満である場合、位置ズレ判定部111は、タービンロータ9とセンサー部20との位置ズレが発生していないと判定する。
なお、本発明はこれに限られず、位置ズレ判定部111は、ステップST5において検出された翼通過パルスデータD21〜D23のパルス幅ΔT21〜ΔT23と、低速運転時において検出された翼通過パルスデータD11〜D13のパルス幅ΔT11〜ΔT13とを照合するものであってもよい。位置ズレ判定部111は、パルス幅ΔT11〜ΔT13とパルス幅ΔT21〜ΔT23のとそれぞれの差が、予め決められた閾値以上である場合、タービンロータ9とセンサー部20の位置ズレが発生していると判定する。一方、この差が予め決められた閾値未満である場合、位置ズレ判定部111は、タービンロータ9とセンサー部20との位置ズレが発生していないと判定する。
タービンの高速回転数(または定格回転数)による運転中には、ロータおよび車室は、熱伸び等により各部の変形を伴う。そして、この熱伸び等の影響により、センサー201〜203と動翼Y1,Y2,Y3・・・の相対的な位置関係が変化する。よって、各センサー201〜203で計測される翼通過パルスデータのパルス幅ΔT21〜ΔT23も変化する。位置ズレ判定部111は、このような位置ズレを補正するため、各センサー201〜203が動翼のどの位置を通過しているのか、つまり、各センサー201〜203の走査位置を推定する。すなわち、位置ズレ判定部111は、各センサー201〜203で計測される動翼の板厚H21〜H23の変化により、例えば、各センサー201〜203の走査位置が、ガス流れの上流側に移動したのか、下流側に移動したのかが推定できる。
図10は、センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1の位置ズレの一例を示す図である。図10(a)は、位置ズレ前(移動前)の動翼Y1と走査位置との位置関係と、位置ズレ後(移動後)の動翼Y1と走査位置との位置関係との一例を示す。図10(b)は、位置ズレ前(移動前)の各センサー201〜203の反射光に基づく翼通過パルスデータの一部と、位置ズレ後(移動後)の各センサー201〜203の反射光に基づく翼通過パルスデータの一部を示す。
図10(a)において、位置ズレ前の各センサー201〜203の反射光に基づき算出された動翼の板厚は、初期値である板厚H11〜H13である。また、図10(b)において、位置ズレ後の各センサー201〜203の反射光に基づき算出された動翼の板厚は、板厚H21〜H23である。具体的には、上流側センサー201の板厚がH11,H21であり、中央センサー202の板厚がH12,H22であり、下流側センサー203の板厚がH13,H23である。
図10(b)において、パルス幅ΔT11〜ΔT13は、位置ズレ前の各センサー201〜203の反射光に基づく翼通過パルスデータD11〜13の一部であって、パルス幅ΔT21〜ΔT23は、位置ズレ後の各センサー201〜203の反射光に基づく翼通過パルスデータD21〜D23の一部を示す。具体的には、上流側センサー201の反射光に対応するパルス幅ΔT11,ΔT21であり、中央センサー202の反射光に対応するパルス幅ΔT12,ΔT22であり、下流側センサー203の反射光に対応するパルス幅ΔT13,ΔT23である。
なお、図7(b)に示す通り、センサー部20が下流側に移動したときは、各センサー201〜203のHが減少傾向となる。
(ステップST7)
定格回転数運転によるタービンロータ9とセンサー部20との位置ズレを検出した場合、位置ズレ判定部111は、記憶部102の翼振動制限値を変更する。
例えば、位置ズレ判定部111は、位置ズレ後の動翼の板厚H21〜H23、あるいは、パルス幅ΔT21〜ΔT23に基づき、位置ズレ後のセンサー部20の走査位置を推定する。位置ズレ判定部111は、記憶部102の走査位置情報テーブル121とセンサー配置情報記憶領域122とを参照して、上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203のセンサー間隔α,βに基づき、位置ズレ後の動翼の板厚H21〜H23、あるいは、パルス幅ΔT21〜ΔT23が示す走査位置を推定する。
そして、位置ズレ判定部111は、推定した走査位置に対応する翼振動制限値を取得し、記憶部102の翼振動制限値記憶領域125に書き込む。なお、翼振動制限値は、動翼Y1,Y2,Y3・・・に対応するセンサー部20の走査位置に応じて予め決められており、記憶部102に格納されている。この翼振動制限値は、事前の振動実験による解析から求められた値である。
なお、位置ズレ判定部111は、定格回転数運転によるタービンロータ9とセンサー部20との位置ズレを検出しない場合であっても、未だ翼振動制限値が翼振動制限値記憶領域125に設定されていない場合、初期値記憶領域123に格納されている初期値に対応する翼振動制限値を設定する。
(ステップST8)
また、振動応答監視部112は、センサー部20の出力が示す翼通過パルスデータに基づき、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動量を検出する。例えば、振動応答監視部112は、上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203のそれぞれで取得された翼通過パルスデータD31〜D33の振動応答(振動、振動数、振動モード等)を分析する。なお、この振動応答の程度を示す値を振動量という。なお、振動応答監視部112は、上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203は、翼通過パルスデータD11を分析することで、動翼Y1,Y2,Y3・・・の静的な変形や、動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動モードも分析評価することが可能となる。
(ステップST9)
そして、振動応答監視部112は、検出された動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動量が翼振動制限値を超えているか否かを判定し動翼の振動応答を監視する。この振動応答監視部112は、例えば、ステップST7において設定された翼振動制限値と、ステップST8において検出された動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動量とを比較する。具体的に説明すると、振動応答監視部112は、翼振動制限値記憶領域125から翼振動制限値を読み出し、検出された振動量が翼振動制限値を超えているか否かを判定する。動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動量のうち少なくとも1つが翼振動制限値を超えている場合、振動応答監視部112は、タービンロータ9を停止する指令や、動翼の振動量が翼振動制限値を超えたことを、報知部103から報知させる。
なお、本発明はこれに限られず、振動応答監視部112は、記憶部102の参照パターン記憶領域124から、初期値に対応する参照パターンと、ステップST5において検出される翼通過パルスデータD21〜23とを、各センサー201〜203ごとに比較するものであってよい。基準点T0からパルス波形の出現する時間長や、各パルス幅が、翼振動制限値において定義される範囲を超えている場合、振動応答監視部112は、タービンロータ9を停止する指令等を、報知部103から報知させる。この翼振動制限値には、初期値である参照パターンに対して決められる、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・が損傷するおそれがあるか否かを判定する際の振動量の限界値が含まれている。
また、本発明はこれに限られず、定格回転数運転によるタービンロータ9とセンサー部20との位置ズレを検出した場合、ステップST7において、位置ズレ判定部111が、位置ズレ後の翼通過パルスデータD21〜D23を、参照パターン記憶領域124に上書きするものであってもよい。この場合、振動応答監視部112は、参照パターン記憶領域124から読み出した参照パターンと、ステップST5において取得された翼通過パルスデータとを比較して、差分が翼振動制限値を超えている場合、タービンロータ9を停止する指令等を、報知部103から報知させるものであってもよい。
さらに、定格回転数運転によるタービンロータ9とセンサー部20との位置ズレを検出した場合、ステップST7において、位置ズレ判定部111が、位置ズレ後の翼通過パルスデータD21〜D23が示すパルス幅ΔT21〜23あるいは板厚H21〜H23を、初期値記憶領域123に上書きするものであってもよい。この場合、振動応答監視部112は、初期値記憶領域123から読み出したパルス幅ΔT21〜23あるいは板厚H21〜H23と、ステップST5において取得された翼通過パルスデータに対応するパルス幅あるいは板厚とを比較して、差分が翼振動制限値を超えている場合、タービンロータ9を停止する指令等を、報知部103から報知させるものであってもよい。
次に、図11を参照して、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動モードの一例について説明する。図11は、本実施形態に係る振動モードの一例を示す図である。
図11(a)は、振動モード1の一例を示す図である。振動モード1は、図示の通り、タービンロータ9の回転軸方向X(つまり、ガス流れ方向)と直交する回転方向Rに、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の位置が移動した場合の一例を示す。この場合、ステップST5において検出される翼通過パルスデータのパルス幅の出現位置がずれる。つまり、基準点T0(例えば、図6(b)に示す)から各パルス幅までの時間長が変化する。
図11(b)は、振動モード2の一例を示す図である。振動モード2は、図示の通り、タービンロータ9の回転軸方向X(つまり、ガス流れ方向)と直交する回転方向Rの回転前方に、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の下流側の端部が移動している。一方、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の上流側の端部は、回転方向Rの回転後方に移動している。
また、図11(c)は、振動モード3の一例を示す図である。振動モード3は、図示の通り、タービンロータ9の回転軸方向X(つまり、ガス流れ方向)と直交する回転方向Rの回転前方に、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の下流側の端部が移動している。一方、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の上流側の端部は、ほとんど移動していない。
この図11(b),11(c)に示す振動モード2,3の場合、基準点T0(例えば、図6(b)に示す)から各パルス幅までの時間長が短くなったり長くなったりする。また、パルス幅も変化する。
振動応答監視部112は、基準点T0から各パルス幅までの時間長の変化量やパルス幅の変化量を総合的に分析することにより、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動が、振動モード1〜3のうちいずれに該当するか否かを判定することができる。
なお、本発明は、この振動モード1〜3に限られない。
次に、図12を参照して、定格回転による運転時(高速運転時)における位置ズレの一例を説明する。図12(a)は、位置ズレ前(低速運転時)におけるタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の位置と、位置ズレ後(高速運転時)におけるタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の位置とを示す図である。図示の通り、タービンロータ9の回転軸方向X(つまり、ガス流れ方向)と直交する回転方向Rの回転前方に、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の上流側の端部が移動している。一方、タービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・の下流側の端部は、ほとんど移動していない。
図12(b)は、位置ズレ前(低速運転時)における翼通過パルスデータD11〜D13と、位置ズレ後(高速運転時)における翼通過パルスデータD41〜D43とを示す。図12(b)に示す通り、パルス波形の出現タイミングがずれている。つまり、基準点T0からパルス波形までの時間長が変化している。
位置ズレ判定部111は、このような基準点T0からのパルス波形までの時間長の変化に基づき、位置ズレを検出することができる。なお、位置ズレ判定部111は、基準点T0を示す基準パルスを、例えば、回転制御部113から入力する構成であってもよい。回転制御部113は、タービンロータ9の予め決められた所定位置を通過した場合、基準パルスを位置ズレ判定部111に出力するようにしてもよい。
また、振動応答監視部112は、このような基準点T0からのパルス波形までの時間長の変化やパルス幅の変化に基づき、上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203の受光部2bからの出力値を総合的に分析することにより、動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動モードも分析評価することができる。
動翼Y1,Y2,Y3・・・先端の振動振幅は、振動モードによって、また、センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・(動翼先端)との相対位置関係によって異なる。センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・(動翼先端)との相対的な位置関係が分からない場合、翼先端のどの位置の振幅を計測しているのか詳細な情報が得られないため、振動の検出精度が悪かった。これにより、翼振動に伴う寿命評価が難しいという問題があった。
例えば、運転条件により、熱変形や遠心力が原因となり、センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・(動翼先端)との相対的な位置関係が変化することが予想される。また、同じ振動モードであっても、センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・(動翼先端)との相対的な位置関係がズレた場合、計測される振動が翼振動制限値を越えているにも関わらず、翼制限値を越えていないと誤判定する虞がある。
本実施形態に係る振動応答監視装置100は、事前に、センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・との相対的な位置関係を確認する。そして、確認された位置関係に応じて予め決められている翼振動制限値に基づき、動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動を判定することができる。これにより、センサー部と動翼との相対的に位置関係に応じて予め決められている翼振動制限値に基づき、動翼の振動応答を監視することができる。よって、動翼の振動量の検出精度が向上し、より正確に振動応答を監視することができる。
また、本実施形態に係る振動応答監視装置100は、センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・との相対的な位置関係の位置ズレを検出することができる。よって、振動応答監視装置100は、センサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・との相対的な位置関係が変化した場合であっても、位置ズレ後のセンサー部20とタービンロータ9の動翼Y1,Y2,Y3・・・との相対的な位置関係の検出することができる。よって、位置ズレ後の位置関係に基づき、動翼Y1,Y2,Y3・・・の振動を判定することができる。また、位置ズレ後において、センサー部20が動翼Y1,Y2,Y3・・・のどの位置を検出しているのかを判定することができる。これにより、位置ズレ後のセンサーと動翼の位置関係に応じた翼振動制限値を用いて、動翼の振動応答を監視することができる。
また、上流側センサー201と下流側センサー203の光学式センサーの翼通過パルスデータのパルス幅は、動翼の板厚とほぼ等しくなる場合、翼通過パルスデータの幅を求めれば上流側センサー201、中央センサー202、および下流側センサー203が、動翼Y1,Y2,Y3・・・のどの位置を計測しているのかが評価可能となり、正しい翼振動応答レベルを評価することが可能となる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、本発明に係る振動応答監視装置100は、ガスタービン1が備える構成であってもよい。また、センサー部20だけがガスタービン1に取り付けられており、センサー部20の検出結果を示す情報を受信する受信部と、制御部101と、記憶部102と、報知部103とを備える構成を、振動応答監視装置とする構成であってもよい。
1 ガスタービン
2 空気圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
5 圧縮機ロータ
6 圧縮機ケーシング
7 燃料供給器
8 燃焼筒
9 タービンロータ
10 タービンケーシング
100 振動応答監視装置
101 制御部
102 記憶部
111 位置ズレ判定部
112 振動応答監視部
113 回転制御部
121 走査位置情報テーブル
122 センサー配置情報記憶領域
123 初期値記憶領域
124 参照パターン記憶領域
125 翼振動制限値記憶領域

Claims (6)

  1. 複数の動翼が回転軸に取り付けられているロータに向けて前記回転軸と直交する方向に検出光を出射する出射部と、前記検出光が前記動翼で反射した反射光を受光する受光部とを有するセンサーを複数備えるセンサー部と、
    前記受光部の出力に基づき前記動翼の振動量を検出し、検出した振動量が、前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に応じて予め決められている翼振動制限値を超えているか否かを判定し前記動翼の振動応答を監視する振動応答監視部と、
    前記受光部の出力に基づき、前記翼振動制限値が決められた際の前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に対して、前記センサー部と前記動翼との間で位置ズレが発生したか否かを判定する位置ズレ判定部と、
    を備えることを特徴とする振動応答監視装置。
  2. 前記位置ズレ判定部は、
    位置ズレが発生したと判定した場合、位置ズレ後の前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に応じた前記翼振動制限値を設定することを特徴とする請求項1に記載の振動応答監視装置。
  3. 前記位置ズレ判定部は、
    前記ロータの低速回転時における前記受光部の出力に基づき、前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係を示す初期値を設定し、前記低速回転時よりも回転数を上げて定格回転数で回転する運転時における前記受光部の出力に基づき、前記初期値との位置ズレが閾値以上である場合、前記センサー部と前記動翼との間で位置ズレがあると判定することを特徴とする請求項2に記載の振動応答監視装置。
  4. 前記振動応答監視部によって、前記検出した振動量が前記翼振動制限値を超えていると判定された場合、前記ロータの運転の停止を報知する報知部をさらに備えることを特徴とする請求項1からのうちいずれか一項に記載の振動応答監視装置。
  5. 前記ロータと、
    前記請求項1からのうちいずれか一項に記載の振動応答監視装置とを備えることを特徴とする回転機械。
  6. 複数の動翼が回転軸に取り付けられているロータに向けて前記回転軸と直交する方向に検出光を出射する出射部と、前記検出光が前記動翼で反射した反射光を受光する受光部とを有するセンサーを複数備えるセンサー部、位置ズレ判定部、および、振動応答監視部を備える振動応答監視装置における振動応答監視方法であって、
    位置ズレ判定部は、
    前記受光部の出力に基づき、前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係を検出し、
    前記振動応答監視部は、
    前記受光部の出力値に基づき前記動翼の振動量を検出し、検出した振動量が、前記位置ズレ判定部によって検出された前記センサー部と前記動翼との相対的な位置関係に応じて予め決められている翼振動制限値を超えているか否かを判定し翼振動応答を監視することを特徴とする振動応答監視方法。
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