JP5940743B2 - タービン翼の損傷検知のための測定法およびタービン - Google Patents

タービン翼の損傷検知のための測定法およびタービン Download PDF

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Description

本願発明は、タービンのインペラの翼の損傷早期検知のための測定法と、タービンとに関する。
タービンの翼の損傷を、渦流検査によって調べることが知られている。その際、極小の亀裂を検出するために、プローブが直接製品上で動かされる。
そのような検査は、プローブと翼とが直接接触するので、タービンの駆動中は不可能である。駆動中に起こる損傷はそれゆえ、早くても駆動終了後の次の検査時期に確認できる。
本願発明の課題は、改善された測定法と、当該測定法を実行するように形成されているタービンとを提供することである。
この課題は、請求項1に記載の方法と、請求項6に記載のタービンとによって解決される。本発明の有利な発展形態は、従属請求項において記載され、かつ明細書において記述されている。
タービンのインペラの翼の損傷早期検知のための本発明に係る測定法において、タービンの駆動中に、翼の翼板の先端部によって横切る際に影響を受ける複数の磁界がそれぞれ、翼の回転方向においてインペラを取り囲む周に沿った複数の箇所で、ほぼ翼の振動方向に並立して発生させられる。複数の箇所で影響を及ぼすことによって、先端部の位置値が算定される。それから位置値から、翼板の位置プロファイルが形成され、位置プロファイルから周波数が算出される。この周波数は、特定の周波数値と比較される。周波数が突然におよび/あるいは大きく変化した場合には、非常事態が検知される。
測定領域はそれぞれ、並立して設けられた複数列のプローブを備える。特にその際、複数の列は互いに、翼の振動方向に対して垂直に延在する方向に設けられている。
したがって、位置を算定するために、重複したデータを用いてよい。翼板の先端部の位置算定は、それによってより確実に実行され得る。
紹介された測定法は、特に蒸気タービンの駆動中に、独立した最終段翼に、永続的なリアルタイム振動測定器をいかにして実装できるかという可能性を示し、かつタービンの損傷からの効果的な保護を提供する。
翼根にひび割れが先行して生じてはいるが、まだはっきりと翼板が引きちぎれる前に、該当する翼での周波数変化を確認し、それに従って、より大きな損傷を効果的に防ぐために、早期にタービンを停止させることが、有利に可能である。
そのような解決法は、あらゆる伝導性のある翼の測定も透磁性のある翼の測定も含む。チタン製あるいはアルミニウム製の翼も、検査可能である。翼の一時的な磁化は、必要ない。
しかも同時に、翼に対する可変の駆動パラメータの作用を算定し、表わすことができる。
さらに、本発明に係る方法はその使用において、タービン技術へのより高い信頼性に貢献する。
本発明に係る測定法の有利な実施形態において、位置値が、位置プロファイルとして正弦曲線に変換される。
それによって、位置プロファイルの波長もしくは周波数が、容易に決定され得る。検査されるべき周波数のための値が、すぐに算出され得る。
本発明に係る測定法の有利なさらなる実施形態において、翼は周期的に、順々に検査される。
それによって、容易なやり方で、インペラのすべての翼が、定期的に検査される。その際周期が短いので、2つの検査の間では、翼の故障は起こり得ない。
本発明に係る測定法の有利なさらなる実施形態において、特定の周波数値は、すでに算出された翼の周波数から決定される。
それによって、個々の翼の異なる振動特性が、非常事態が検知された場合に、考慮される。測定法はそれにより、より正確になる。それによって、誤報を回避できる。
本発明に係る測定法の有利なさらなる実施形態において、特定の周波数は、予め定義された周波数領域から決定される。
それによって、すでにタービンの最初の駆動開始前に、調整するための値が利用可能である。測定法の使用状況は、それによって広がる。
ディフューザと、当該ディフューザ内に設けられて複数の翼を備えるインペラとを有する、本発明に係るタービンは、本発明に従えば、翼の回転方向においてインペラを取り囲む周に沿った複数の箇所に測定領域を備える。これらの測定領域はそれぞれ、少なくとも1つの励磁コイルと、ほぼ翼の振動方向に並立して設けられた複数のプローブとを備え、当該プローブは評価ユニットと接続可能である。プローブは特に、渦流プローブである。そして本発明に係るタービンは特に、蒸気タービンである。
それによって有利には、本発明に係る測定法を実施するためのタービンが提供される。本発明に係るタービンは、向上した駆動安全性を備える。翼の損傷による事故を回避できる。それによって、タービン自体とその周辺とが保護される。
プローブはその際突出しておらず、流れに影響を及ぼさない。高い解像能力と永続的なオンライン監視の可能性とを有する、頑丈で長寿命の装置が提供される。
本発明に係るタービンの有利な態様において、測定領域は、周全体にわたって均等に分割されて設けられている。
それによって、周全体にわたる翼の振動挙動についてのデータが算出され得る。評価するためのより多くのデータを利用できる。しかも、周全体を測定する際に、インペラが垂直軸で回転しないのであれば、個々の翼の振動挙動に対する重力の影響を調べることができる。
本発明に係るタービンの有利なさらなる態様において、当該タービンは、測定領域に水冷却器を備える。
それによって、測定領域の効果的な冷却が可能となり、この効果的な冷却は、測定領域をより好都合な駆動温度にでき、それによって測定領域の活動期間を向上させることができる。
本発明の模範的な実施形態は、図と以下の記述とに基づいて、より詳細に説明される。図に示されるのは以下である。
本発明のタービンの測定領域である。 タービンにおける複数の測定領域の配置である。 タービンの翼板上方の測定領域である。 翼板の位置プロファイルである。 2つの翼板の周波数プロファイルである。 本発明の測定法である。
図1において、略図で模範的に、本発明のタービン10の測定領域13が示されている。測定領域13は、並立して設けられた複数のプローブ12を備え、当該プローブ12は、特に複数列で設けられている。特に、プローブ12には、それぞれ1つの可変の磁界を発生させるための励磁コイル29が組み込まれている。プローブ12は特に、渦流を検出するためのものである。
描写されている測定領域13は、18のプローブ12を備える。本発明に従えば、測定領域13のプローブ12の数は、18より多くてもあるいは少なくてもよい。
測定領域13は、翼のタイプによっては、振幅の幅と翼板の幅とを足したものを超える測定幅39を備える。測定領域13の傾斜38は、翼の振動方向18に応じて設定される。個々のプローブ12の互いの間隔は同様に、振幅に応じて設定される。測定領域13が設けられるべきディフューザ16の形状も、考慮される。
磁界に存在する、透磁性あるいは導電性のある翼26を検出するために、励磁コイル29として、たとえば直径0.5mmから2mmの比較的小さなものが意図されている。
本明細書に記述された発明では、伝導性あるいは透磁性のある被検物が磁界の作用領域内にあれば、いわゆる「リフトオフ信号」がインピーダンス平面で動くという特性が用いられる。
約20Hzから2MHzまでの周波数と励磁コイル29の直径とによっては、被検物である翼26を、プローブ12からさらに数mm離して検出できる。この間隔は、たとえば磁気シールドやフェライト磁心のような既知の技術によって、さらに大きくできる。
図2において、略図で模範的に、本発明に係るタービン10のディフューザ16における複数の測定領域13の配置が表わされている。
測定領域13は、ディフューザ16に堅固に、翼26の翼板14の先端部15のすぐ上方に設けられている。測定領域13は、翼26を取り囲むディフューザ16の内側を形成する、ディフューザ16の周24に、特に均等な間隔で位置している。
その際測定領域13は、翼板14の厚さとその軸方向の振幅とを足したものよりも大きい測定幅39を備える。それで、約0.5mmから1mmの正確さで、先端部の軸方向位置決定を行うことが可能である。
翼板14の周波数22を測定できるようにするために、複数の測定領域13を周24に分割して設けることが必要である。これらの測定領域13は、測定法11において、回転数にシンクロして次々に起動される。
個々の測定領域13の間の間隔は、励磁コイル29の周波数と、周24の長さと、翼26の固有振動数とに依存している。例示される計算は、励磁周波数が25Hz、周が21m、翼26の固有振動数が150Hzで、測定点が5つの場合、測定領域13ごとの間隔は0.7mであることを示している。
25Hz×21m=525m/s
525m/s÷150Hz=波長3.5m
3.5m÷測定点5つ=間隔0.7m
本発明に係るタービン10は、個々の測定領域13のために、ディフューザ16に貫通ポケットを備える。これらの貫通ポケットは、タービンに測定領域13が追加装備されることになるのであれば、後から取り付けられてもよい。しかも、本発明に係るタービン10は、プローブ12を評価ユニットと接続するデータラインを備える。
任意的に、本発明に係るタービン10は、励磁コイル29を効果的に冷却できる水冷却器を備えてよい。それで、励磁コイル29の長寿命を達成できる。
図3は、略図で模範的に、翼26上方の複数の測定領域13の配置の上面図を示している。この描写において、ディフューザ16はフェードアウトされている。
翼根27に設けられた翼板14は、タービン10の駆動時に回転方向17に動き、その際振動方向18に振動する。
回転方向17に沿って、本明細書では例示的に、測定領域13から13が表わされている。測定領域13は、振動方向18に対して平行に設けられている。当該測定領域13は、インペラの回転軸に対して、振動方向18と同じ傾斜38を備える。その測定幅39は、振幅の幅と翼板の幅とを足したものを超える。
タービン10のインペラの回転時に、翼板14の先端部15が、様々な測定領域13から13を順々に横切る。図3において、先端部15はちょうど測定領域13を横切っている。翼板14の振動によって、先端部15は、測定幅39の異なる箇所で、様々な測定領域13を横切る。翼板14は、測定領域13のプローブ12によってこれらの箇所で算定され32、そこから、本明細書での例では、翼26の先端部15に対する5つの位置値19がもたらされる。
それぞれ1つの特定の翼26によって、たとえば蒸気流入縁部での周に依存する先端部15の位置変化を算出するために、測定領域13から13は特に、インペラの回転数にシンクロして次々に起動される。
正確な位置で翼をストロボスコープ状に測定できるようにするために、周の位置は、ロータの任意の箇所でピックアップする必要がある。
5つの測定領域13から13での、翼26の5つの位置値19から、評価ユニットによって、位置プロファイル20が形成される33。そのような位置プロファイル20は、模範的に図4において表わされている。
その際、様々な5つの測定領域13から13の位置値19から19は、順番に描写される。位置値19から19は、本明細書では例示的に、測定領域13それぞれにつき18のプローブ12から1218によって算定される32。位置値19から19は、評価ユニットによって、特に正弦関数に変換される。この正弦関数から、振動の波長が算出され、そこから数学的に、翼26の周波数22が算出される34。その際測定結果は、測定点の密度が増すにつれ、より正確になる。
各翼26の周波数22は、このやり方で、順々に周期的に監視される。翼根27に大きな亀裂があれば、翼の周波数22は数Hz変化し、これは、本発明に係る技術を介して容易に反映され得る。そのために、算出された周波数22は、時間21にわたって観察される。
図5は、模範的に、時間21にわたって描写される、周波数プロファイル28における周波数22を示している。示されているのは、本明細書では例示的に、2つの異なる翼26の2つの周波数プロファイル28と28とである。本発明に従えば、特にすべての翼26の周波数22が監視される。
得られた周波数22は、特定の周波数値と比較される35。これらの周波数値は、たとえば翼のこれまでの値から獲得され得、および/あるいは特定の周波数値は特定の周波数領域25の予め定義された値である。翼26の周波数22が、突然におよび/あるいは明らかに変化した場合、非常事態23が検知され36、警報が出力されるか、もしくはタービン10がコントロールされて停止される。図5において、下の周波数プロファイル28では、そのような非常事態23が起こっている。
図6は、模範的に、開始30から終了37までのフローチャートにおいて、本発明に係る測定法11を示している。第1ステップにおいて、磁界が発生させられる31。特定の箇所の磁界を横切る翼26の先端部15によって、特定の磁界が影響を受け、先端部15の位置値19が算定される32。位置値19から、評価ユニットが位置プロファイル20を形成し33、位置プロファイル20の周波数22を算出する34。得られた周波数22は、続いて特定の周波数値と比較される35。このやり方で、タービン10のすべての翼26が、周期的に順々にコントロールされる。得られた周波数22が、特定の周波数値と相違すれば、非常事態23が検知される36。この非常事態23は、たとえばタービン停止のような、さらなる安全対策のための開始信号として用いられ得る。
本発明は、好ましい実施例によって、細部においてより詳細に図解されかつ記述されたが、本発明は開示された例によって限定されるものではなく、別のヴァリエーションが、本発明の保護範囲から離れることなく、当業者によって本発明から導き出されてよい。
10 タービン
12 プローブ
13 測定領域
14 翼板
15 先端部
16 ディフューザ
17 回転方向
18 振動方向
19 位置値
20 位置プロファイル
21 時間
22 周波数
24 周
25 周波数領域
26 翼
27 翼根
28 周波数プロファイル
29 励磁コイル
38 傾斜
39 測定幅

Claims (9)

  1. タービン(10)のインペラの翼(26)の損傷早期検知のための測定法(11)において、
    前記タービン(10)の駆動中に、
    ‐前記翼(26)の回転方向(17)において前記インペラを取り囲む周(24)に沿った複数の箇所で、複数の磁界がそれぞれ前記翼(26)の略振動方向(18)に並立して発生させられ(31)、該複数の磁界は、前記翼(26)の翼板(14)の先端部(15)が横切る際に影響を受け、前記タービン(10)において、前記回転方向(17)において前記周(24)に沿った複数の箇所に測定領域(13)が設けられ、該測定領域(13)は、複数の励磁コイル(29)と、並立して設けられた複数列のプローブ(12)とで形成され、
    ‐複数の箇所で影響を及ぼすことによって、前記先端部(15)の位置値(19)が算定され(32)、
    ‐該位置値(19)から、前記翼板(14)の位置プロファイル(20)が形成され(33)、
    ‐該位置プロファイル(20)から周波数(22)が算出され(34)、
    ‐該周波数(22)は、特定の周波数値と比較され(35)、
    ‐該周波数(22)が突然におよび/あるいは大きく変化した場合には、非常事態(23)が検知される(36)
    ことを特徴とする測定法(11)。
  2. 前記位置値(19)が、位置プロファイルとして正弦曲線に変換される、請求項1に記載の測定法(11)。
  3. 前記翼(26)は周期的に、順々に検査される、請求項1あるいは2に記載の測定法(11)。
  4. 特定の周波数値は、すでに算出された前記翼(26)の前記周波数(22)から決定される、請求項1から3のいずれか1項に記載の測定法(11)。
  5. 特定の周波数は、予め定義された周波数領域(25)から決定される、請求項1から4のいずれか1項に記載の測定法(11)。
  6. ディフューザ(16)と、該ディフューザ(16)内に設けられて複数の翼(26)を備えるインペラとを有するタービン(10)において、
    該タービン(10)は、前記翼(26)の回転方向(17)において前記インペラを取り囲む周(24)に沿った複数の箇所に測定領域(13)を備え、
    該測定領域(13)はそれぞれ、複数の励磁コイル(29)と、前記翼(26)の略振動方向(18)に並立して設けられた複数のプローブ(12)とを備え、該プローブ(12)は評価ユニットと接続可能であり、
    前記測定領域(13)はそれぞれ、並立して設けられた複数列のプローブ(12)を備えることを特徴とするタービン(10)。
  7. 前記測定領域(13)は、前記周(24)全体にわたって均等に分配されて設けられている、請求項6に記載のタービン(10)。
  8. 複数の列は互いに、前記翼(26)の前記振動方向(18)に対して垂直に延在する方向に設けられている、請求項6に記載のタービン(10)。
  9. 前記タービン(10)は、前記測定領域(13)に水冷却器を備える、請求項6から8のいずれか1項に記載のタービン(10)。
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