JP6086638B1 - ステッチシール - Google Patents

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Abstract

【課題】部材の表面に簡単にステッチ模様を付けて楽しむことができるステッチシールを提供する。【解決手段】部材の表面にステッチ模様を形成するために貼着される帯状のステッチシール1であって、帯状の基材10と、該基材10の裏面側に設けられた粘着剤層とを備え、基材10の表面の両側縁部にはそれぞれ長手方向に沿ってステッチ3が設けられ、ステッチ3は、基材10の表面に位置する上糸と基材10の裏面に位置する下糸とから構成され、ステッチ3の1ピッチあたり上糸が1.5往復しており、上糸よりも下糸の方が細く、基材10は、複数枚積層されたオーガンジーから構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、各種の部材の表面にステッチ模様を形成するためのステッチシールに関する。
例えば自動車の内装の表皮材に本革を用いると高級感が出る。その場合、所定形状に裁断された複数枚の本革製の表皮材を縫合することになる。しかしながら、縫合作業に手間がかかるうえに、コストが嵩むという問題がある。
これに対して下記特許文献1,2のように、表皮材を成形により一体的に形成すると共に、疑似的なステッチ模様を成形によって同時に形成するようにすることが提案されている。しかしながら、実際の糸を使用していないことからリアル感に欠けるという問題がある。
一方、複数枚の表皮材を成形により形成し、その複数枚の表皮材を本革の場合と同様に縫合するという案も提案されている(下記特許文献3〜5)。しかしながら、縫合作業が必要となるため、成形による疑似的なステッチ模様の構成に比して手間とコストが必要になる。
尚、下記特許文献6では、装飾帯の幅方向中央部に実際の糸を使用してステッチを形成し、その装飾帯を部材表面に熱融着させるという案が提案されている。しかしながら、例えば、自動車を購入した者が好みに応じてステッチ模様を付けて楽しむというものではない。
何れにしても、従来においては、使用者が後付けの態様で部材の表面に簡単にステッチ模様を付けて楽しむということができなかった。
特開2010−184487号公報 特開2015−178275号公報 特開2008−49835号公報 特開2003−334895号公報 特公平7−4819号公報 実開昭61−179143号公報
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、部材の表面に簡単にステッチ模様を付けて楽しむことができるステッチシールを提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係るステッチシールは、少なくとも一部に帯状部を有し、部材の表面にステッチ模様を形成するために貼着されるステッチシールであって、基材と、該基材の裏面側に設けられた粘着剤層とを備え、帯状部における基材の表面の側縁部には、帯状部の長手方向に沿ってステッチが設けられており、基材の側面とステッチの外縁とが揃っていて、ステッチの外縁は基材の側面と共にステッチシールの側面を構成していることを特徴とする。
該構成のステッチシールにあっては、裏面に粘着剤層が設けられているので、各種の部材の表面に簡単に貼着することができる。そして、ステッチシールにはステッチが設けられているので、ステッチシールを部材の表面に貼着することによって、部材の表面にステッチ模様を簡単に形成して楽しむことができる。しかも、ステッチが実際の糸から構成されているので、リアル感のあるステッチ模様が得られる。更には、ステッチがステッチシールの帯状部の側縁部に設けられているので、ステッチシールを部材に貼着した状態において基材の側面が目立ちにくく、ステッチのみが目立つことになる。上述の特許文献6のようにステッチが装飾帯の幅方向中央に形成されていると、装飾帯を部材に熱融着した状態において装飾帯の両側面が目立つことになり、別体の装飾帯を貼着しているということが視認されやすくステッチのリアル感が低下する。それに対して、本発明に係るステッチシールでは、ステッチがステッチシールの帯状部の側縁部に設けられているので、基材の側面は目立ちにくくステッチが目立ちやすくなる。従って、あたかも部材の表面にステッチが直接設けられているように見えて、リアリティの高い装飾が得られる。
特に、帯状部における基材の表面の両側縁部にそれぞれステッチが設けられていることが好ましい。基材の帯状部の両側縁部のうちの一方のみにステッチが設けられていてもよいが、両側縁部のそれぞれにステッチが設けられていると、基材の両側面の何れも目立ちにくくなるので、貼着箇所や用途に制約が少なくなり、簡単にダブルステッチ模様を設けることができる。
また、ステッチは、基材の表面に位置する上糸と基材の裏面に位置する下糸とから構成され、ステッチの1ピッチあたり上糸が1.5往復していることが好ましい。このようにステッチを上糸と下糸から構成することによりミシンによって簡単にステッチを形成することができる。そして、基材の表面に位置している上糸を1ピッチにつき1.5往復させると、1ピッチあたり上糸が合計3本並ぶことになり、細い上糸を使用しつつもステッチを太くすることができる。従って、本革の縫合に使用されている実際の糸に近い太さのステッチとなって、より一層リアル感が増す。しかも、細い上糸を使用しているので、ミシンで容易にステッチを形成できる。また、上糸を2.5往復や3.5往復させることも可能であるが、ステッチを形成する工程に要する時間が多くかかることになり、コストが高くなる。従って、上糸を1.5往復とすることで、コストを抑制しつつステッチを太くすることができる。
更に、上糸よりも下糸の方が細いことが好ましい。下糸の方を細くすることで、ステッチをスムーズに形成することができる。
また、基材がオーガンジーから構成され、該オーガンジーが複数枚積層されたものであることが好ましい。基材をオーガンジーから構成すると、ステッチシールを部材に貼着したときに基材が透けて目立ちにくくなり、ステッチの目立ち度合いが相対的により一層高まってリアル感が増す。そして、オーガンジーを複数枚積層して基材を構成することにより、非常に薄いオーガンジーであってもステッチ形成時に基材がゆがみにくくなって、ステッチを容易に真っ直ぐに形成でき、ステッチのヨレや蛇行を防止できる。
以上のように、ステッチが側縁部に形成されていて裏面には粘着剤層が形成されているので、使用者の好みに応じて、簡単に部材に貼着してリアルなステッチ模様を形成して楽しむことができる。
本発明の一実施形態におけるステッチシールを示す一部破断線を含む正面図。 同ステッチシールの拡大図。 図2のA−A断面図。 同ステッチシールの上糸を示す概略図。 同ステッチシールの製造工程を示す斜視図。 同ステッチシールの製造工程を示す正面図。 同ステッチシールの製造工程を示す図6のB−B線に対応した箇所の要部拡大断面図。 同ステッチシールの使用状態を示す正面図。 同ステッチシールの使用状態を示す図であって、(a)は断面図、(b)は一部断面を含む斜視図。 本発明の他の実施形態におけるステッチシールを示す正面図。 本発明の他の実施形態におけるステッチシールを示す正面図。 本発明の他の実施形態におけるステッチシールを示す正面図。 (a)は本発明の他の実施形態におけるステッチシールを示す正面図、(b)は同ステッチシールの使用状態を示す一部断面を含む斜視図。
以下、本発明の一実施形態にかかるステッチシールについて図1〜図9を参酌しつつ説明する。本実施形態のステッチシール1は、各種の部材の表面にステッチ模様を形成するために、その部材の表面に貼着される細幅のシート状のステッチシール1である。図1にはその一形態を示しており、台紙2にテープ状(帯状)の二本のステッチシール1が剥離可能に貼着されている。図1では二本のステッチシール1をセットにした形態を示しているが、これはあくまでも例示であって、一本のみであってもよいし、台紙2に三本以上貼着された形態であってもよい。二本セットにした形態では、例えば、車内に貼着する際に、左右のドアの内貼り等に一本ずつ貼着するという使用方法に適している。また、長さが必要である場合には二本のステッチシール1を直列配置にして貼着するという使用方法にも適している。
ステッチシール1は、幅一定の帯状であって一直線状に形成されている。ステッチシール1の長さは任意であるが、例えば、50cm〜80cmとすることができる。ステッチシール1の幅も任意であるが、例えば、3mm〜20mmとすることができ、好ましくは3mm〜10mmとする。
該ステッチシール1は、両側縁部にそれぞれステッチ3を備えている。上述のようにステッチシール1は一直線状の帯状であって、側縁部も一直線状であり、一対のステッチ3はそれぞれ側縁部に沿って一直線状に形成されている。従って、一対のステッチ3は互いに平行であり、両ステッチ3間の距離は、ステッチシール1の幅から両ステッチ3の太さを除去したものとなる。また、一対のステッチ3がステッチシール1の両側縁部にそれぞれ形成されていることから、図1及び図2に示すようにステッチシール1の正面視において、一対のステッチ3はそれぞれステッチシール1の各側縁部を構成することになる。尚、左右両ステッチ3は、互いに千鳥状となるのではなく、互いの線状部が長手方向に位置ズレすることなく揃った状態で形成されている。
ステッチシール1は、図3にも示しているように、基材10と、粘着剤層11と、ステッチ3を構成する上糸12及び下糸13とを備えている。基材10はステッチシール1の形状に対応した形状となっており、本実施形態ではその全長に亘って帯状である。基材10は、種々の生地から構成されてよいが、好ましくは薄くてそれを介してその向こう側が透けて見えるものであって、メッシュの生地が好ましく、特に、本実施形態ではオーガンジーから構成されている。オーガンジーはポリエステル製である。また、基材10は、一枚構成であってもよいし複数枚構成であってもよい。即ち、基材10は、単層であってもよいし複層であってもよい。本実施形態では、オーガンジーの三枚重ねの構成であるが、二枚重ねの構成であってもよいし、一枚構造であってもよく、また、四枚以上積層された構成であってもよい。例えば、基材10が一枚のオーガンジーから構成されていると、透視の程度が大きくなるため、ステッチシール1を部材に貼着したときに基材10を介して部材が透けて見えやすくなり、基材10の存在感を薄れさせることができる。基材10が二枚以上のオーガンジーから構成されていると、枚数が増えるにつれて透視の程度が低下するので、基材10を介して部材が透けて見える度合いも小さくなり基材10の存在感が相対的に増すことになる。従って、オーガンジーを複数枚積層する場合であっても二枚あるいは三枚の積層とすることが好ましい。一方、オーガンジーを複数枚積層すると、ステッチ3を形成する際に基材10がゆがみにくくなり、ステッチ3を真っ直ぐに形成しやすくなる。また、基材10の側縁部に位置しているステッチ3がほつれにくくなる。
また、基材10を複層とする場合、各層が単に重ね合わせられた構成であってもよいし、全ての層間あるいは一部の層間が接着された構成であってもよい。例えば、基材10が三枚構成である場合、三枚全てが互いに接着されていてもよいし、三枚のうちの二枚のみが互いに接着された構成としてもよい。基材10を複数枚の生地の積層構造とする場合であって生地同士を接着した構成とする場合には、例えば、片面や両面に接着層を積層した生地を用いたり、生地と生地との間に接着フィルムを挟み込んだりしてよい。このように生地同士を接着しておくと、後述するように基材10にステッチ3を形成する際に基材10がゆがみにくくなってステッチ3を真っ直ぐに形成しやすくなる。接着フィルムとしては例えばポリアミド系のフィルムが使用できてオーガンジー等の生地に熱溶着して使用できる。
かかる基材10にステッチ3がミシンにより形成されている。ステッチ3は、基材10の表面に位置する上糸12と基材10の裏面に位置する下糸13とを有している。基材10の表面には上糸12が断続的に延びており、基材10の裏面には下糸13が断続的に延びている。上糸12は、所定長さ毎に基材10を貫通して下糸13により繋止されており、その箇所を糸挿通部50,60と称することとする。上糸12は相対的に太く、下糸13は上糸12よりも細い。また、上糸12や下糸13の材質は種々であってよいが、上糸12にはレーヨン製の刺繍糸を使用でき、下糸13にはポリエステル製の刺繍糸を使用できる。尚、図1、図2、及び図4では下糸13の図示を省略していて上糸12のみを示している。
ステッチ3は、1ピッチあたりにおいて、基材10の表面では上糸12が1.5往復していており、基材10の裏面では下糸13が同様に1.5往復している。従って、図3及び図4のように、1ピッチあたりに上糸12は3本ずつ並設されており、下糸13もまた同様に3本ずつ並設されている。尚、図4は、上糸12のみを図示しており、3本の上糸12が横に並列に並んでいる状態で図示している。但し、これは説明を容易にするためであって、実際には、図3のように3本の上糸12が上下にも重なり合った状態となっている。また、後述する後側の糸挿通部50も図4では横に三つ並んで形成されているように図示しているが、これは実際には同じ箇所であって後側の糸挿通部50は一つである。前側の糸挿通部60についても同様であって図4では横に二つ並んで形成されているように図示しているが、実際には一箇所である。尚、下糸13も同様であるが、図3では3本横に並んだ状態で図示している。
図4を参酌しつつより詳細に説明する。図4において右側に向けてステッチ3が形成されるものとして、図中右側を進行方向の前側(ステッチ形成方向の前側)、左側を進行方向の後側(ステッチ形成方向の後側)と称する。上糸12は、第一の往路部12aと、復路部12bと、第二の往路部12cとを備えた、1ピッチあたり3本の構成となっている。図4において1ピッチを符号Pで示している。上糸12は図4において図示しない基材10に対して左側から右側に向かって相対的に進んでいくが、上糸12が進行方向に進むときに第一の往路部12aと第二の往路部12cが形成され、進行方向とは逆方向に進むときに復路部12bが形成され、後側の糸挿通部50から前側の糸挿通部60までの間に3本の上糸12が存在している。
右側に向かう上糸12は、まず後側の糸挿通部50において基材10を貫通して図示しない下糸13に繋止される。その後、基材10の表面側を進行方向に進んで前側の糸挿通部60において再び基材10を貫通して下糸13に繋止される。この一回目の進行方向への上糸12の移動によって第一の往路部12aが形成される。続いて、前側の糸挿通部60から上糸12は基材10の表面側を逆方向に進み、後側の糸挿通部50において再び基材10を貫通して下糸13に繋止される。この逆走によって復路部12bが形成される。復路部12bは第一の往路部12aと略同じ長さである。更に続いて、後側の糸挿通部50から上糸12は再び基材10の表面側を進行方向に進む。ミシンは第一の往路部12aと第二の往路部12cにおいて同じタイミング、間隔で針が上下動するが、基材10が進行方向に対して逆方向に引っ張られることから、二回目の進行方向への上糸12の移動時には、一回目と同じ前側の糸挿通部60ではなく、それを若干前側に越えた箇所に到達する。そのポイントが次の後側の糸挿通部50となる。従って、第二の往路部12cは第一の往路部12aよりも若干長くなる。この後側の糸挿通部50と次の後側の糸挿通部50までの距離が1ピッチとなる。但し、前側の糸挿通部60とその次の後側の糸挿通部50とが同じ箇所であってもよく、従って、第二の往路部12cと第一の往路部12aとが同じ長さであってもよい。
一方、基材10の法線方向から見た正面視において、基材10の側面10aとステッチ3の外縁3a(上糸12の外縁)とは揃っている。基材10の側面10aはステッチ3から短手方向(幅方向)の外側に大きくはみ出さしておらず、はみ出ていたとしても1mm以下である。基材10の側面10aとステッチ3の外縁3aとが揃っていることから、ステッチ3の外縁3aは基材10の側面10aと共にステッチシール1の側面を構成している。
基材10の裏面には粘着剤層11が全体に亘って積層されている。粘着剤層11は無色透明である。粘着剤層11は、例えば、ナイロン系やアクリル系の樹脂、あるいはEVA系の樹脂から構成される。粘着剤層11は基材10よりも薄い。
次に、ステッチシール1の製造方法について説明する。まず、図5のようにオーガンジー20を三枚重ね合わせて基材10を形成する。その際、上述したように上下のオーガンジー20の間に熱接着フィルムとしてポリアミド系フィルムを挟み込んでオーガンジー20同士を接着固定してもよい。基材10は例えば縦横1m〜2m程度の矩形とする。基材10の外周部分を図示しないフレームで挟み込んで基材10を張った状態に固定する。そして、図6のように、その基材10にミシンでステッチ3を順次形成していく。基材10には、例えば所定長さのステッチ3をステッチ3の形成方向と直交する方向に一定間隔ずつあけながら並列状態で多数本形成する。詳細には、ステッチ3は1本おきにその形成方向を逆方向としながら形成していく。即ち、例えば1本目のステッチ3を図6において向かって右側の方向である矢印Xの方向に形成すると、その次のステッチ3については、逆に、向かって左側の方向である矢印Yの方向に形成し、その次は再び矢印Xの方向に向けて形成するというように、1本おきに形成する方向を逆向きとしながら順次形成していくと効率が良い。このように基材10にステッチ3を形成する際には、下糸13を上糸12よりも細くすることでスムーズにステッチ3を形成できる。
ステッチ3を形成した後、フレームから基材10を取り外し、取り外した基材10の裏面側に、図7のように粘着シート30を積層一体化する。粘着シート30は、粘着剤層11の表面側にホットメルト層31が積層されたものであって、その粘着剤層11の裏面側には離型紙32が設けられている。ホットメルト層31は例えばポリオレフィン系樹脂であってポリエチレンを主成分とするものが使用できる。この粘着シート30を基材10の裏面に重ね合わせて熱圧着して粘着シート30と基材10とを一体化する。粘着シート30を基材10に熱圧着すると、粘着シート30のホットメルト層31が溶融して基材10に含浸していくので、ホットメルト層31によって基材10と下糸13とが接着される。また、基材10を構成している三枚のオーガンジー20も、溶融したホットメルト層31によって互いに密着一体化し、更には、上糸12も基材10に接着してほつれにくくなる。尚、ホットメルト層31は粘着剤層11よりも軟化温度が低いので、ホットメルト層31は溶融するものの粘着剤層11は溶融せず、従って、基材10の裏面に粘着剤層11が積層された状態となる。
その後、ステッチ3を二本一組として基材10をカットする。その際、ステッチ3に沿ってカットしていく、より詳細には、ステッチ3から外方に基材10がはみ出さないように、ステッチ3の外縁3aに沿って基材10を直線状にカットしていく。尚、基材10と粘着剤層11を切断するが離型紙32は切断せずに残す。また、ステッチ3と直交する方向の切断位置は、例えば基材10に直線状に形成したステッチ3の長手方向の端部とすることができるが、その端部以外の位置を切断位置とする場合、即ち、ステッチ3の中途部を切断位置とする場合には、糸挿通部50,60あるいは後側の糸挿通部50と次の前側の糸挿通部60との間の位置を切断位置とする。そして、形成したステッチシール1を別途の台紙2(離型シート)に図1のように貼り付けて完成する。
このようにして製造されたステッチシール1は、台紙2から容易に剥離して使用者の所望の場所に容易に貼り付けることができる。その際、ステッチシール1を好みの長さにハサミ等で容易にカットして貼り付けることができる。このように使用者の好みに応じて後付けでステッチシール1を部材の表面に貼着することによって、部材の表面にステッチ3模様を簡単に形成して楽しむことができる。しかも、実際の糸からなるステッチ3であるので、リアル感のあるステッチ模様が得られる。
基材10の色は貼着対象の部材の色に合わせて同系色とすることが好ましい。また、ステッチ3、特に上糸12の色は、基材10と同系色であってもよいし反対色であってもよい。ステッチ3が基材10と同系色であると渋い感じになり、反対色であると目立つ感じになる。図8のようにステッチシール1を部材100の表面に貼り付けると、基材10が薄く透ける素材であることから、基材10を通して部材100が透けて見えることになる。しかも、基材10の色が部材100の色と同系色であるため、基材10の存在感が小さく、目立たない。
一方、ステッチ3がステッチシール1の側縁部に位置していて、基材10がステッチ3から外側に大きくはみ出さずに基材10の側面10aとステッチ3の外縁3aとが揃っているので、ステッチシール1を部材100に貼着した状態において基材10の側面10aが目立ちにくく、ステッチ3のみが目立つことになる。従って、あたかも部材100の表面にステッチ3が直接設けられているように見えて、リアリティの高い装飾が得られる。
また、ステッチシール1の両側縁部にそれぞれステッチ3が設けられているので、基材10の両側面10aが何れも目立ちにくい。そのため、ステッチシール1の貼着箇所や用途に制約が少なくなり、部材100の表面に簡単にダブルステッチ模様を設けることができる。
更に、上糸12が下糸13よりも太く、しかも、1ピッチあたり3本の構成となっているので、ステッチ3があたかも一本の太い糸を使用しているように見え、本革のステッチ3のような高級感のあるステッチ模様が得られる。
尚、使用場所は自動車の内装に適しているが、それに限られず種々の部材100に貼着して使用でき、カバンやブックカバー、名刺入れ、スマートフォンのカバー等、各種の製品に使用することができる。ブックカバー101に貼着する場合、例えば、図9のようにブックカバー101の端面101aを跨ぐようにステッチシール1を幅方向に折り曲げてブックカバー101の端部の表面と裏面にそれぞれステッチ3が位置するように貼り付けることができる。このように貼り付けると、ブックカバー101の縁部と平行に1本のステッチ3が一直線状に延びることになり、ブックカバー101の縁部にシングルステッチ模様を形成できる。
尚、ステッチシール1は種々の形態であってよい。例えば、両ステッチ3間の基材10の表面に別途の模様を設けるようにしてもよい。例えば図10のように両ステッチ3間における基材10に各種のポイントマーク部70を島状に配置してよい。ポイントマーク部70は一つでもよいし複数個でもよく、図10のようにステッチシール1の長手方向に沿って間隔をあけながらポイントマーク部70を連続して配置してもよい。ポイントマーク部70は刺繍により基材10に形成してよく、また、別部材100のポイントマーク部70を基材10の表面に貼着してもよい。ポイントマーク部70は各種の図形や文字であってよい。尚、基材10の表面の両ステッチ3間に長手方向に連続する模様を刺繍等により形成してもよい。このように両ステッチ3の基材10の表面に各種の模様を設けると、その模様が目立つことによって基材10が相対的に目立ちにくくなる。
更に、ステッチシール1はその全体が帯状でなくてもよく、少なくとも一部に帯状部1aを備えていればよい。例えば、図11のようにステッチシール1の所定箇所に局所的に幅広となったポイントマーク部70を形成してもよい。この例では、両側の帯状部1aの幅よりも大きな直径を有する円形のポイントマーク部70を設けており、このポイントマーク部70において基材10は局所的に幅方向に拡がった形状となっている。この円形のポイントマーク部70の周縁部には所定幅の縁取り部71が全周に亘って設けられている。この縁取り部71は、径方向に往復する刺繍糸により形成されている。また、ポイントマーク部70の縁取り部71の内側にはマーク部72を刺繍により形成してよい。マーク部72は各種の図形や文字であってよい。ポイントマーク部70は一箇所のみであってもよいし、複数箇所であってもよい。
また更に、図12のようにステッチシール1の片側のみが外側に拡がるように、即ち帯状部1aから外側にはみ出すようにポイントマーク部70を設けてもよい。ポイントマーク部70の形状も任意であって円形のみならず矩形等であってもよい。
また、図13(a)のようにステッチシール1の両側縁部のうちの一方のみにステッチ3が設けられていてもよい。一方の側縁部のみにステッチ3を備えた構成では、他方の側縁部にステッチ3が存在しないことからその他方の側縁部において基材10のエッジが目立ちやすい。そのため貼着する箇所等の使用用途に工夫が必要になるが、例えば、ブックカバー101の表面にステッチシール1を貼着する場合、ブックカバー101の端縁にステッチシール1の他方の側縁部を合わせるようにして貼着すれば、他方の側縁部における基材10のエッジが目立ちにくくなる。このようにステッチ3が設けられていない方の側縁部を部材100の端縁や段差部に位置させるように貼着することが好ましい。
また、図13(a)の片側ステッチ3構成のステッチシール1を二本使用して、図13(b)のように他方の側縁部同士を接合させるようにして二本並べて部材100に貼着すればダブルステッチ模様が得られる。この場合、二本のステッチ3の間に、二本のステッチシール1の他方の側縁部からなる接合線102が見えることになる。例えば、表皮同士を縫合してダブルステッチが形成される場合、そのダブルステッチ間には表皮同士が接合した接合ラインが形成されることになるが、図13(b)のような片側ステッチ3構成の二本のステッチシール1を使用した場合における接合線102が表皮同士の接合ラインに見えるという利点がある。
1 ステッチシール
1a 帯状部
2 台紙
3 ステッチ
3a 外縁
10 基材
10a 側面
11 粘着剤層
12 上糸
12a 第一の往路部
12b 復路部
12c 第二の往路部
13 下糸
20 オーガンジー
30 粘着シート
31 ホットメルト層
32 離型紙
50 後側の糸挿通部
60 前側の糸挿通部
70 ポイントマーク部
71 縁取り部
72 マーク部
100 部材
101 ブックカバー(部材)
101a 端面
102 接合線

Claims (5)

  1. 少なくとも一部に帯状部を有し、部材の表面にステッチ模様を形成するために貼着されるステッチシールであって、
    基材と、該基材の裏面側に設けられた粘着剤層とを備え、
    帯状部における基材の表面の側縁部には、帯状部の長手方向に沿ってステッチが設けられており、基材の側面とステッチの外縁とが揃っていて、ステッチの外縁は基材の側面と共にステッチシールの側面を構成していることを特徴とするステッチシール。
  2. 帯状部における基材の表面の両側縁部にそれぞれステッチが設けられている請求項1記載のステッチシール。
  3. ステッチは、基材の表面に位置する上糸と基材の裏面に位置する下糸とから構成され、ステッチの1ピッチあたり上糸が1.5往復している請求項1又は2記載のステッチシール。
  4. 上糸よりも下糸の方が細い請求項3記載のステッチシール。
  5. 基材がオーガンジーから構成され、該オーガンジーが複数枚積層されたものである請求項1乃至4の何れかに記載のステッチシール。
JP2016079744A 2016-04-12 2016-04-12 ステッチシール Active JP6086638B1 (ja)

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