JP6085099B2 - 検体情報処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検体情報を検出して、この検体情報について処理を行う検体情報処理装置に関する。
比較的太い血管が中に通っている腕や、毛細血管が網のように張り巡らされた指先などに対して、それらが持つ脈動性の信号を検出するセンサにおいて、閉じた空間を持つ構造をもつもので、片側が腕の皮膚や指先の皮膚の部分に、血管の流れを妨げないごく弱いレベルで圧力をかけ、反対側にコンデンサマイクなどの圧力センサを配置し、血管を通じて伝わってくる心臓の脈動に起因する脈波を、閉じた空間内の圧力変化として良好なS/N比で検出することを特徴とする圧力センサ装置が知られている。また、血管の脈動性信号のベースバンドに現れる、伝送歪みにより復調された呼吸成分から、呼吸信号を抽出する試みがなされている。
特許文献1(特開昭63−0154153)では、被検出体への当接部分に当該検出体により形成される開口部を有する有限容積キャビティと、上記キャビティ内に設置された無指向性マイクロホンとから成り、被検出体の膨張変化あるいは収縮変化を上記キャビティ内の圧力変化として上記無指向性マイクロホンにて検出するセンサが開示されている。
特許文献2(特開2010−115431)では、空洞を有する筐体を装着部材により皮膚表面に装着され、装着面の一部にある開口部が皮膚により密閉され、体内音による皮膚表面の振動が直接空洞内の空気に伝わり、これをマイクロホンにより取得できる体内音取得装置について開示されている。また、人体頚部の皮膚表面から呼吸音を取得できたことが開示されている。
特許文献3(特開2006−55501)では、発光素子と受光素子とからなる光学式反射型センサを脈波センサとして用いて検出対象者の脈波を検出し、その検出した脈波信号を信号処理して胸腔内圧を検出することにより、呼吸の深さを検出することが開示されている。
特開昭63−0154153号公報 特開2010−115431号公報 特開2006−55501号公報
上記特許文献1の場合、圧力センサの開口部は指を挿入できる程度の大きさであり、検体の特定部位の血管の振動を、指向性よく検出することが困難であるという課題がある。
上記特許文献2の場合、体内音取得装置は開口部の穴の径が1mm又は3mmであり、細い血管の振動をその真上にマイクがなくても測定できるような工夫がなされていない。
上記特許文献3の場合、脈波信号から検出信号の包絡線を求めることで呼吸信号を生成しており、この方法で得られる呼吸信号のS/N比では、脈波を変調している呼吸信号を正確に反映したものが得られなかった。
また、ECM(エレクトレットコンデンサマイクロホン、以下ECMともいう)は風除け等の理由から低周波領域の信号の感度が低いように設計されているが、上記文献のいずれもECMのこの特性については触れていない。
また、血管の脈動性信号において、ベースバンドに現れる、伝送歪みにより復調された呼吸成分を抽出する従来の方法では、S/N比の点で十分とは言い難く、呼吸信号の周波数成分を正しく取ることが出来ないという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みて創案されたものであり、センサと血管の位置関係の正確さを要求せず、かつセンシングに指向性を有し、血管の脈動性信号の検出と呼吸信号の抽出が可能な検体情報処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の検体情報処理装置は、検体における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて上記の検体における血管の脈動性信号を検出するセンサと、該センサの該圧力情報の取込部に連通する空洞を有するとともに該検体に対向する部位に3mmから10mmの口径を有する開口部を有し該開口部を該検体に対向させて該検体に装着された状態で該空洞が閉鎖された空間構造を有するセンサ取付部とを有する脈動性信号検出ユニットと、該脈動性信号検出ユニットの該センサからの脈動性信号出力について、周波数復調処理を施すことにより、該脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出する周波数復調部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
また、本発明の検体情報処理装置は、該周波数復調処理が、位相同期回路を利用する周波数復調処理であってもよい。
また、本発明の検体情報処理装置は、該検体情報処理装置の該センサからの脈動性信号出力について、周波数補正処理を施すことにより、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出す信号補正部をそなえて構成されてもよい。
また、本発明の検体情報処理装置は、該信号補正部が、該脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なうことにより、少なくとも上記の脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すように構成されてもよい。
また、本発明の検体情報処理装置は、該センサが、上記の検体における動脈血管の脈動性信号に起因する音圧情報を検出するコンデンサマイクとして構成されてもよい。
また、本発明の検体情報処理装置は、該コンデンサマイクが、MEMS−ECMで構成されてもよい。
また、本発明の検体情報処理装置は、該開口部の口径が動脈血管の直径の5倍以下であってもよい。
また、本発明の検体情報処理装置は、該脈動性信号検出ユニットの移動に伴って変化する該センサからの出力レベルを検出するレベル検出部と、該レベル検出部での検出結果に基づいて出力レベル変化情報を表示するレベル表示部とをそなえ、該レベル表示部が該脈動性信号検出ユニットに設けられていてもよい。
本発明によれば、センサと血管の位置関係の正確さを要求しない仕組みを持ち、血管の脈動性信号の検出と呼吸信号の抽出を行う検体情報処理装置を提供することができる。また、本発明の検体情報処理装置は、圧力センサーとしてのセンシング範囲が狭く限定されており、高い指向性(あるいは空間分解能)を持つことができる。また、本発明では、検体情報処理装置の指向性を利用して、血管から近い位置で脈動性信号を検出することにより、脈動性信号及び呼吸信号のS/N比及び感度を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る検体情報処理装置の構成を模式的に表わす図である。 本発明の一実施形態に係る検体情報処理装置の機能構成を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施形態に係る検体情報処理装置の機能構成を説明するためのブロック図である。 検体情報処理装置における検体情報処理の一例を説明するためのフローチャートである。 検体情報処理装置における検体情報処理の一例を説明するためのフローチャートである。 左手の手のひらの動脈を追跡した一例を示す模式図である。 検体情報処理装置の開口部の口径と信号の強さとの関係の一例を示す図である。 周波数復調部の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。 マイクロホンの開放状態にした場合の周波数応答の一例を表わす図である。 マイクロホンのクローズの状態にした場合の周波数応答の一例を表わす図である。 ECMの構成の一例を模式的に表わす図である。 MEMS−ECMの内部を上部から見た構成の一例を模式的に表わす図である。 MEMS−ECMのダイヤフラム及びバックプレート部の構成の一例を模式的に表わす図である。 MEMS−ECMの回路構成の一例を表わす図である。 MEMS−ECMの周波数特性の測定法の一例を説明するための機器の構成を模式的に表わした図である。 MEMS−ECMのクローズドキャビティ形成時の低周波数域における周波数特性の一例を表わした図である。 MEMS−ECMからの出力の周波数補正処理の方法の一例を説明するための図である。 周波数補正処理を実現するためのアナログ回路の一例を示す図である。 MEMS−ECMにより測定される周波数補正後の脈波の周波数特性の一例を示す図である。 MEMS−ECMを用いて測定した波形を示す図であって、(a)はMEMS−ECMを用いて測定した手首橈骨での容積脈波波形の一例を表わす図、(b)はMEMS−ECMを用いて測定した手首橈骨での速度脈波波形の一例を表わす図、(c)はMEMS−ECMを用いて測定した手首橈骨での加速度脈波波形の一例を表わす図である。 圧電素子を用いて測定した波形を示す図であって、(a)は圧電素子を用いて測定した頚動脈の容積脈波を表わす図、(b)は圧電素子を用いて測定した頚動脈の速度脈波を表わす図、(c)は圧電素子を用いて測定した頚動脈の加速度脈波を表わす図である。 MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置における脈波の変化の一例を表わす図である。 脈波の変化に伴う信号処理における機能構成の一例を表わすブロック図である。 MEMS−ECMを用いた脈動性信号検出ユニットの構成例を模式的に表わす図である。 MEMS−ECMを用いた脈動性信号検出ユニットの構成例を模式的に表わす図である。 ECMを用いた検体情報処理装置の一部(脈動性信号ユニット及び信号補正部)の機能構成を表わすブロック図である。 通常呼吸時の容積脈波と加速度脈波の周波数スペクトラムの一例を表わす図である。 息止め時の容積脈波と加速度脈波の周波数スペクトラムの一例を表わす図である。 呼吸波形の抽出要領を説明する図であって、(a)は抽出された呼吸波形の一例を表わす図、(b)は容積脈波波形の一例を表わす図である。 ECMを用いた脈動性信号検出ユニットの構成例を模式的に表わす図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[1.検体情報処理装置]
[1−1.検体情報処理装置の構成例]
<検体情報処理装置の構成>
本発明の検体情報処理装置1(以下、本検体情報処理装置ともいう)は、図1に示すように、脈動性信号検出ユニット11と信号処理部41とをそなえて構成されている。
脈動性信号検出ユニット11は、脈動性信号を検出して、信号処理部41に脈動性信号を出力するものであって、センサ31とセンサ取付部21とを有する。
センサ31は、検体71における動脈血管73の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、上記の検体71における動脈血管の脈動性信号を検出するものである。センサ31の筐体35は、圧力情報の取込部32を有しており、筐体35の内部の空間である空気室34にセンサ素子33が設けられている。以下、動脈血管を単に血管と言うことがある。
センサ取付部21は、検体情報処理装置1を検体71に装着する際に検体71の皮膚72と接触する部分であって、センサ31の圧力情報の取込部32を有する面に付設して設けられ、ゴム製のO−リング24によって形成されセンサ31の圧力情報の取込部32に連通する空洞(Cabity;キャビティ)23を有するとともに、検体71に対向する部位に開口部22を有しており、開口部22を検体71の皮膚72に装着された状態で空洞23が閉鎖された空間構造を有する。このように空洞23が形成する閉鎖された空間構造を、「Closed Cavity;クローズドキャビティ」ということもある。
信号処理部41は、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31からの脈動性信号出力について、信号処理を施すもので、信号補正部51と、周波数復調部61とを有している。
信号補正部51は、センサ31からの脈動性信号出力について周波数補正処理を施すことにより、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すものである。
周波数復調部61は、センサ31からの脈動性信号出力または信号補正部51によって周波数補正処理が施された信号について周波数復調処理を施すことにより、脈動性信号出力または信号補正部51によって周波数補正処理が施された信号に含まれる呼吸信号を抽出するものである。
検体情報処理装置1は、外部のコンピュータ81、及び波形表示器82に有線又は無線の回線を介して接続されている。
コンピュータ81は、信号処理部41によって処理された信号が入力されて、信号の処理又は保存を行うものである。コンピュータ81は、信号補正部51によって取り出された脈動性容積信号、脈動性速度信号又は脈動性加速度信号を利用して、各信号の波形から検体71の健康状態の診断を行うことが出来る。また、コンピュータ81は、周波数復調部61によって抽出された呼吸信号を利用して、検体71の呼吸状態の検査や、検体71の睡眠又は覚醒状態の判断を行うことも出来る。
波形表示器82は、信号処理部41から出力された信号が入力されて、信号波形の表示を行うものである。信号処理部41の信号補正部51から脈動性容積信号、脈動性速度信号、又は脈動性加速度信号が波形表示器82に出力されることで、波形表示器82は脈動性容積信号、脈動性速度信号、又は脈動性加速度信号の波形を表示する。信号処理部41の周波数復調部61から呼吸信号が波形表示器82に出力されることで、波形表示器82は呼吸信号の波形を表示する。また、センサ31からの脈動性信号について、信号処理部41の信号補正部51によって増幅動作を行った脈動性信号の波形を表示する。波形表示器82としては、例えば、液晶ディスプレイ、CRT、プリンタ、又はペンレコーダを用いることができる。
本検体情報処理装置(以下、本装置ともいう)1は、上述のように構成されており、検体71に開口部22を密着させることで空洞23が閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)を形成して、検体71における検体情報処理装置1の装着部位付近に存在する血管73の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体71における血管73の脈動性信号を検出し、脈動性信号出力から、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すものであり、また脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出するものである。
<検体>
本検体情報処理装置1を適用する検体71としては、検体71における動脈血管73の脈動を測ることができるものであれば特に制限されず、人または人以外の動物に用いることができる。センサ取付部21の開口部22を検体71に対向させて密着させることにより、空洞23がクローズドキャビティを形成するためには、検体情報処理装置1を検体71の皮膚72に装着することが好ましい。
上記の構成では、検体71における動脈血管73の脈動性信号に起因する圧力情報を受ける構成を挙げたが、測定の対象となる血管73は脈動を測ることが出来る血管であれば特に制限されず、静脈血管や毛細血管の測定にも用いることが出来る。
本検体情報処理装置1の装着箇所としては、人の場合は、装着のし易さ、測定のし易さ、体表近くに動脈血管が存在して感度良く測定できる点から、前腕部が好ましい。または、装着のし易さ、測定のし易さ、体表近くに毛細血管が存在して感度良く測定できる点から、指先が好ましい。人以外の動物についても、その装着箇所は、装着のしやすさ、測定のし易さを考慮した部位が好ましい。
本検体情報処理装置1を用いて人の脈動性信号を検出する場合において、測定の対象となる血管73の例としては、前腕に存在する橈骨動脈または尺骨動脈が挙げられる。
<開口部の口径>
図7はセンサ取付部21において、開口部22の口径を変えながら、指先の毛細血管の脈動性信号を測定した場合の信号の強さを表わす図である。
図7から明らかなように、開口部22の口径が1〜3mmでは信号が測定できてはいるものの、十分なゲインが得られていない。開口部22の口径が3mm以上ではゲインが上昇し、開口部22の口径が5mm〜6mmにおいて、高いゲインで脈動性信号の測定を行うことができることが分かる。これは、開口部22の口径が2mmよりも小さい場合には、血管73からの信号を捉えるための面積が狭くなるため、検出される信号が弱くなることが影響しているのだと考えられる。
開口部22の口径が大きすぎる(例えば口径が10mmよりも大きい)と、検体情報処理装置1を検体71に装着した場合に、検体71の表面の組織(皮膚、体毛等)が盛り上がって空洞23に入り込むことで、組織によって圧力情報の取込部32が塞がれたり、組織がセンサ素子33と干渉したりするおそれがある。また、開口部22の口径が大きすぎると、検体情報処理装置1を検体71の立体的な形状に沿って密着するように装着する場合に、空洞23がクローズドキャビティを形成することが困難になる場合がある。また人の指先等の、検体71の面積が狭い箇所に検体情報処理装置1を装着する場合にも、検体情報処理装置1を装着する際に空洞23のクローズドキャビティの形成が困難になる場合がある。また、空洞23の高さを一定にした場合、空洞23の開口部22の口径が大きくなるにつれて空洞23の体積が大きくなり、脈動性信号の強さが一定の場合には、空洞23の体積が大きくなることで血管73の脈動性信号に起因する振動が減衰するため、センサ31により検出される信号の強度が低下するおそれがある。また、開口部22の口径が広すぎると、血管73の真上に検体情報処理装置1が存在しない場合であっても血管73の脈動性信号が検出可能となるため、センサ31の指向性が低下するおそれがある。
このため、開口部22の口径は、通常3mm以上、好ましくは6mm以上であり、通常10mm以下、好ましくは8mm以下である。開口部22の口径の下限が上記の範囲の値より大きいことで、検出される脈動性信号が強くなり、検体71に装着した際に血管73からの振動を検出できる位置に開口部22を密着させることが容易になるため好ましい。開口部22の口径の上限が上記範囲の値より小さいことで、開口部22に入り込む検体71の影響を抑え、感度を保ち、センサ31の指向性を持たせることができるため好ましい。
また、人の成人の手首における動脈血管(橈骨動脈及び尺骨動脈)の直径がおよそ2mm程度であることから、検体情報処理装置1の開口部22を人の手首に装着した場合には、動脈血管73からの脈動性信号をセンサ31により感度良く検出する観点から、開口部22の口径は動脈血管73の直径の2倍以上、4〜5倍以下であることが好ましい。開口部22の口径の下限が上記範囲の値より大きいことで、検出される脈動性信号が強くなり、検体71に装着した際に血管73からの振動を検出できる位置に開口部22を密着させることが容易になるため好ましい。開口部22の口径の上限が上記範囲の値より小さいことで、開口部22に入り込む検体71の影響を抑え、空洞23の体積の増大に伴う感度の低下を防ぎ、センサ31の指向性を持たせることができるため好ましい。
人の指に検体情報処理装置1の開口部22を装着する場合には、指に存在する毛細血管の脈動信号を検出するために、上記の人の手首に装着した場合のように血管73の直径との関係から規定することはできないが、空洞23がクローズドキャビティを形成して脈動性信号を感度良く検出する観点から、開口部22の口径は少なくとも指のスパンの半分以上、指のスパンの4分の3以下の大きさであることが好ましい。
<クロ−ズドキャビティを形成する材料>
クロ−ズドキャビティを形成する材料としてここではゴム製のO−リング24を挙げたが、検体71における脈動性信号を閉じ込める空洞23を形成できる物体であれば、樹脂製や金属製の素材からなるものであっても用いることができる。空洞23のクローズドキャビティの形成のためには剛性の高いものが望ましいが、皮膚72に当たる側には、人体の皮膚72の特性(柔軟性)を考慮するとゴムやシリコン製などの皮膚72との親和性が高い素材を用いることが好ましい。
<センサ>
センサ31としては、血管73の脈動性信号を検出するものであれば、特に限定されないが、血管73の脈動に起因する検体71の皮膚72の振動によって生じる空気の振動(音圧情報)を電気的に検出するマイクロホンを好適に用いることができる。マイクロホンの中でも、指向性、S/N比、感度の点からコンデンサマイクが好ましく、ECM(electret condenser microphone;エレクトレットコンデンサーマイクロホン、以下、単に「ECM」ともいう)を好適に用いることができる。また、MEMS(microelectromechanical system)技術を用いて作製したECMである、MEMS型ECM(以下、「MEMS−ECM」ともいう)を好適に用いることができる。
ここでは、脈動性信号検出ユニット11に、センサ31を1つ設けた構成を記載しているが、検出される脈動性信号の強さを向上させ、S/N比を上げる観点からは、センサ31を2つ以上設けて各センサ31の信号を加算したものを脈動性信号とすることが好ましい。脈動性信号検出ユニット11に複数のセンサ31を設ける場合、MEMS−ECMはサイズが小さいために実装が容易であり、開口部22の口径が大きくなりすぎるのを防ぐことができるために好ましい。また、MEMS−ECMは品質が安定しているため、並列に多数接続して、各センサ31の信号を加算した際であっても安定した信号を得ることができるために好ましい。
[1−2.検体情報処理装置の機能構成]
<検体情報処理装置の機能構成>
検体情報処理装置1を機能的に表わすとき、検体情報処理装置1は、図2、図3に示すように、脈動性信号検出ユニット11及び信号処理部41を備え、信号処理部41は、信号補正部51及び周波数復調部61を有している。
脈動性信号検出ユニット11は、前述のごとく、センサ31により検体71における血管73の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体71における血管73の脈動性信号を検出し、この脈動性信号を出力するものである。
信号補正部51は、前述のごとく、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31からの脈動性信号出力について周波数補正処理を行うことで、脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出すものである。信号補正部51により脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出す処理を、補正処理ともいう。
また、信号補正部51は、脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なうことにより、少なくとも上記の脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すものである。
周波数復調部61は、例えば位相同期回路(Phase−locked loop、以下、「PLL」ともいう)を利用する周波数復調処理により脈動性信号に変調成分として含まれる呼吸信号を抽出するものである。周波数復調部61により呼吸信号を抽出する処理を、抽出処理ともいう。
検体情報処理装置1における呼吸信号の抽出は、図2に示すように、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31からの脈動性信号出力を、信号補正部51を介さずに、そのまま周波数復調部61において周波数復調処理を行っても良い。
または、検体情報処理装置1における呼吸信号の抽出は、図3に示すように、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31からの脈動性信号出力を、信号補正部51において周波数補正処理を行った後に、補正処理後の脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちのいずれかの信号について、周波数復調部61において周波数復調処理を行うように構成してもよい。
<呼吸信号の抽出>
周波数復調部61を機能的に表わすとき、周波数復調部61は、図8に示すように、位相比較器151、ローパスフィルタ152、VCO(voltage controlled oscillator;電圧制御発振器)153、分周器154を備えている。
周波数復調処理とは、PLLによって位相を同期させた二つの信号を比較することで、脈動性信号に含まれる呼吸信号を抽出する処理である。一例として、図8に示すように、周波数復調部61において、位相比較器151に脈動性信号を入力し、位相比較器151からの出力をローパスフィルタ152に入力してその出力でVCO153の発振周波数を調整し、分周器154によって分周し、位相比較器151に戻してこれらの二つの信号を同期させることで、ローパスフィルタ152の出力波形を呼吸成分として得ることができる。
すなわち、検体71の呼吸成分が変調された脈動性信号について、復調処理を施すことにより、呼吸成分を脈動性信号から抽出できるのである。
[1−3.検体情報処理装置の動作]
図4、図5に示すフローチャートに従って、検体情報処理装置1の動作を説明する。
図2に示す機能構成を有する検体情報処理装置1では、図4に示すように、まず、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31によって脈動性信号を検出する(ステップS11)。
次に、周波数復調部61は、脈動性信号信号検出ユニット11のセンサ31によって検出された脈動性信号出力について、周波数復調処理を施し(ステップS12)、脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出する(ステップS13)。
また、図3に示す機能構成を有する検体情報処理装置1では、図5に示すように、まず、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31によって脈動性信号を検出する(ステップS21)。次に、信号処理部41の信号補正部51は、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31によって検出された脈動性信号出力について、周波数補正処理を施し(ステップS22)、脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号を取り出し(ステップS23)、これら脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの一つの信号について、信号処理部41の周波数復調部61は、周波数復調処理を施し(ステップS24)、脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出する(ステップS25)。
[1−4.効果]
本検体情報処理装置1によれば、検体情報処理装置1の開口部22が血管73の上に位置して装着されることで、センサ31の圧力情報の取込部32が血管73の直上になくとも、血管73の脈動性信号の検出と呼吸信号の抽出を行うことができる。すなわちセンサ31と血管73の位置関係の正確さを要求しない仕組みを持ち、血管73の脈動性信号の検出と呼吸信号の抽出を行う検体情報処理装置1を提供することができる。
また、本検体情報処理装置1は脈動性信号の検出に際して、開口部22を検体71に対向させることで、センサ31と検体71の皮膚72との間に空洞23がクローズドキャビティを形成する。本検体情報処理装置1は開口部22の口径を所定の大きさにを限定しているため、開口部22が受けとる圧力情報の範囲が限定され、本検体情報処理装置1の圧力センサとしてのセンシング範囲が狭く限定される。これにより、圧電素子やマイクロホン等の他のセンサを用いて開放系でセンシングする場合に比して高い指向性(あるいは空間分解能)を持つことができる。
さらに、本検体情報処理装置1の指向性を利用して、血管73から近い位置で脈動性信号を検出することにより、脈動性信号のS/N比及び感度を向上させることができ、脈動性信号から抽出される呼吸信号のS/N比及び感度も向上させることができる。
[2.ECM及びMEMS−ECMについて]
本検体情報処理装置1のセンサ31に用いられるセンサに関して、まずはマイクロホンのクローズドキャビティと周波数応答との関係についてについて説明し、次に、ECM及びMEMS−ECM、並びにこれらを用いた脈動性信号の検出、周波数特性、及び周波数補正処理について説明する。
[2−1.クローズドキャビティと周波数応答]
本検体情報処理装置1は、血管73の脈動性信号の振動をセンサ31によって開放状態(開放系)で測定を行うのではなく、センサ31と振動源との関係において、センサ31の空気室34と連通する空洞23が閉鎖された空間構造(クロ−ズドキャビティ)を形成するようにして測定した場合、すなわちセンサ31と振動源とをクローズの状態にして測定する。
このことを説明するために、センサ(マイクロホン)の開放状態とクローズの状態での周波数応答の相違について説明する。
検体71における血管73の脈動性信号を検出するにあたって、人体のどこからでも、心臓の動きに端を発する振動を捉えることはできる。しかし、その動きの振幅はきわめて小さく、単にマイクロホン等の圧力を感知できるものを人体の近くに配置しても、心臓の動きに端を発する振動を検出することは困難である。それはセンサを開放状態にした場合では、音の放射の原理でいったん空間に放射された振動は、図9に示すように、その素子の固有周波数f0においてレスポンスがピークとなり、固有周波数f0よりも高周波数領域では定出力となるが、低周波数領域に向けていわゆる−40dB/decのカーブをたどり、心臓の動きの基本周波数のところではきわめて微少な信号になっている周波数応答を示すためである。小型の音響機器では固有周波数は数kHzであるとされており、心臓の動き等の1Hz付近では高い周波数に対する振幅に対して−120dB以下に信号が減衰することになり、レスポンスが低く十分な感度で測定を行うことが困難である。図9で何本ものトレースがあるのはいわゆるダンピングファクターの差であり、横軸のfoの位置が固有周波数を意味する。
一方で、この振動を感知する素子(センサ)の先端に閉じた空間を作り上げてクローズの状態にすることで、周波数特性は一変し図10のようになる。図10における複数のトレースの存在は先に説明したとおり、いわゆるダンピングファクターの差である。図10からは、クロ−ズドキャビティ形成時には、低周波領域の信号を感度よく測定可能であることが分かる。これは図9の開放状態の周波数応答と比較すると、1Hz付近の心臓の振動であっても、固有周波数f0付近の振動と同ゲインで正しい振幅で検出できることを意味している。このことは振動を音響エネルギーとして空気中に放出するのではなく、閉じた空間の圧力変化に変換しているためであると考えられる。
上述のとおり、センサ(ECM)をクロ−ズドキャビティを形成するようにして、クローズの状態にして測定することで、低周波数領域の周波数応答を向上させることができる。
すなわち、本装置では、従来測定が困難であった、1Hz付近の検体71における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて、検体71における血管の脈動性信号を感度良く検出することができ、さらには1Hz付近の脈動性信号から検体71の呼吸信号を抽出することができるものである。
[2−2.ECMについて]
上述したような閉じた空間(空洞)の圧力変化として、微少振動を検出するときに最も身近なものはマイクロホンである。その中でも、ECM(electret condenser microphone、エレクトレットコンデンサーマイクロホン)は、この用途には特に適したものである。ECMは携帯電話等への応用が進み、小型化、安定化は言うまでも無く、大量生産による入手しやすさが魅力である。
ECMはエレクトレット膜をコンデンサーマイクロホンの振動膜あるいは固定電極に融着させ、高感度・低電圧駆動を実現させた小型マイクロホンである。
図11に示すように、ECM201の筐体208は、外部と連通し窓のような形状からなる空気穴202を有しており、筐体208の内部の空間である空気室205に、空気穴202に面したダイヤフラム203とバックプレート204とが対向して設けられている。ここでは、ダイヤフラム203としてエレクトレット膜を用いている。ダイヤフラム203及びバックプレート204には図示するように電極206が取り付けてあり、バックプレート204が固定電極となり、ここから信号を電圧の変化として検出することができ、ダイヤフラム203とバックプレート204との間のキャパシタンス(静電容量)を測定することができるようになっている。また、低インピーダンスで信号を取り出すために、電界効果トランジスタやCMOS系のICがインピーダンス変換素子として用いられる。空気穴202の口径は空気的な周波数特性の調整に用いられるが、おおむね筐体208における空気穴を有する側の径の1/3程度である。例えば、一般的な6mm径のECMの場合、空気穴の口径は2mmほどである。また、この空気穴はひとつの穴でなく、さらに小さな空気穴を複数持つものも市販されている。
振動源から振動が発生した場合、空気穴202を通じて伝わる空気室205の空気の振動がダイヤフラム203を押す力となって働き、ダイヤフラム203とバックプレート204との距離が変化することによりキャパシタンス(静電容量)の変化が生じる。
ECM201ではダイヤフラム203とバックプレート204との間に一定の電荷(Q)を、動作時は常に付加し動作させる。さらにダイヤフラム203とバックプレート204との間の距離を(d)、これらの面積を同じとして(S)とすると、このECM201の静電容量(C)は次の式(1)で定義できる。
C∝S/d (1)
(上記式(1)において、∝は比例を意味する。)
一方、電磁気学から
Q=C×V (2)
上記式(2)の関係が成り立つので、これらの式から、ECM201から検出される電圧(V)は、下記式(3)で表わされる。
V∝Q×d/S (3)
式(3)から明らかなように、電荷(Q)と面積(S)は空気圧で変化することは無い定数のため、電圧(V)はダイヤフラム203とバックプレート204の距離(d)に比例することになり、図11の空気穴202から入ってくる空気振動は電圧Vの形で検出できることになる。
このようにして静電容量変化を電圧に変換することで、振動を測定することができる。検体71における血管73の脈動性信号に起因する圧力情報も、血管73の脈動性信号が検体71の皮膚72に伝わり、皮膚72の振動が空洞23内の空気を振動させることで、脈動性信号として検出することができる。
図11では、空気穴202にダイアフラム203が対向している構成を挙げたが、ダイヤフラム203とバックプレート204は空気穴202に対して逆向きに設けても良い。即ち、空気穴202に面したバックプレート204とダイヤフラム203とを対向して設けても良い。
ここではダイヤフラムとしてエレクレット膜を用いている構成を説明したが、ダイヤフラムに外部から直流電圧をかける方式のECMも本発明に用いることができる。
[2−3.MEMS−ECMについて]
近年、ECMは小型化の要求からダイヤフラムに半導体プロセスによるシリコン性のダイヤフラムを用いることが多くなっている。このようなECMをMEMS(microelectromechanical system)−ECMという。
MEMS−ECMは半導体プロセスによりサブμmオーダーの加工・成膜技術により立体的に微細加工を施した超小型のECMであり、一般に“シリコンマイクロホン”とも呼ばれる。MEMS−ECMは、原理的にはECMと同一であるが、ECMよりもサイズが小さく、空間を用いて周波数特性を調整するため、空気穴(音孔ともいう)のサイズは直径1mmに満たないのが普通である。MEMS−ECMは感度・S/N・周波数特性ともに、通常のECMと比して遜色はなく、品質のばらつきも小さいことが知られている。
図12に示すように、MEMS−ECM211は、ダイヤフラムとバックプレートを備えるMEMSチップ212とCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補型金属酸化膜半導体)チップ213が設けられ、ワイヤボンディング214で接続された構成となっている。
図13に示すように、MEMS−ECM211はMEMS−ECM内部の空間である空気室223に面したダイヤフラム221とバックプレート222が対向して設けられ、ダイヤフラム221とバックプレート222との間のキャパシタンス(静電容量)を測定することができるようになっている。ECMと同様に、振動源から振動が発生した場合、外部と連通する図示しない空気穴(音孔)を通じて伝わる空気室223の空気の振動がダイヤフラム221を振動させ、ダイヤフラム221とバックプレート222との距離が変化することによりキャパシタンス(容量)の変化が生じる。この容量変化を電圧に変換することで、振動を測定することができる。なお、ダイヤフラム221とバックプレート222は空気穴(音孔)に対してどちらが対向するように設けても構わない。即ち、空気穴(音孔)に面したダイヤフラム221にバックプレート222を対向して設けても良く、空気穴(音孔)に面したバックプレート222にダイヤフラム221を対向して設けても良い。
図14に示すように、MEMS−ECMは、MEMSチップ部231と、CMOSチップ部234とからなる。図14の等価回路にあるようにインピーダンス変換と増幅のためにCMOS構造のアンプを包含しているため、MEMSチップ部231のダイアフラム232とバックプレート233において生じた電圧の変化は、CMOSチップ部234のバッファ236を介し、更には増幅器235で増幅されて出力されるようになっている。
[2−4.クローズドキャビティの形成と脈動性信号の検出]
これらのECMあるいはMEMS−ECM(シリコンマイクということもある)を用いて、心臓に起因する血管73の振動(脈動性信号)を捕らえようとするとき、これらのマイクを図10のような周波数特性で、空洞が形成する閉じた空間(クローズドキャビティ)の圧力変化として検出することが望ましい。そのためには、例えばこれらを直接人体の皮膚に押し付けてしまえばよい。この場合、空気穴とダイヤフラムの間で空間が閉じられるために図10のような周波数特性で信号が検出できるとも考えられる。
しかしながら、実際には、ECMあるいはMEMS−ECMを直接検体に押し付けても、所望の信号をなかなか得ることができない。最大の原因は、空気穴の径が小さすぎることにあると考えられる。例えば、空気穴の径が2mmのECMでは血管73の真上に空気穴が来たときにだけ信号が検出できた。一方で、MEMS−ECMでは空気穴(音孔)が血管73の径より細いためか、ほとんど信号の検出が出来なかった。これは、検体71とセンサ31との間に開口部22と空洞23を有するセンサ取付部21を設けない場合には、ECM又はMEMS−ECMの圧力情報の取込部(空気穴、音孔)32の直下にある血管73の脈動性信号を検出できるという特性が影響しているものと考えられる。また、検体71の皮膚組織の柔らかさなどにより圧力情報の取込部32から皮膚組織等が進入し、圧力情報の取込部32が塞がれることも影響しているものと考えられる。
そこで、本検体情報処理装置1では、O−リング24を用いて開口部22と空洞23を有するセンサ取付部21を設け、クローズドキャビティの形成を行ない、空洞23とセンサ31の圧力情報の取込部32と空気室を連通させることで、開口部22の範囲内にある低周波の血管73の脈動性信号の検出を可能にしている。
[2−5.ECM及びMEMS−ECMの周波数特性について]
現在の普通のECMやMEMS−ECM等に共通の特性として、風除けの対策が施されていることが挙げられる。携帯電話等のマイクでは、風が強いときの風音、あるいは、使用者が咳き込んだとき(吹かれ)などの急な圧力変化に反応しないように、ダイヤフラムに小さな穴(数十μm)の穴が開けられている。これにより、周波数特性的には低周波分の減衰を招くことになる。遅い空気の流れはこの小さなダイヤフラムの穴を抜けることを考えれば理解しやすい。
なお、半導体プロセスによりダイヤフラムの穴が形成されるMEMS−ECMでは、穴の形成を安定して同品質で行うことが可能であり、ECMと比較するとMEMS−ECM毎の個体間において周波数応答が安定していることが知られている。
低周波領域の感度低下は、可聴音域(20Hz〜)を対象とする通常のマイクロホンの使い方においては風音や吹かれを防止する上で効果的である。しかしながら、本検体情報処理装置1において検出したい脈波の中心周波数は約1Hzであり、呼吸信号の周波数も数Hzオーダーの領域において顕著に現れるため、この低周波領域の感度低下は検出に影響することが考えられる。
そこで、MEMS−ECMを用いた周波数特性の検証について説明する。
上述の通り、本検体情報処理装置1では、脈動性信号の検出及び呼吸信号の抽出を目的とするため1Hzを含む低周波領域における周波数特性を検証する必要がある。周波数特性の検証は、図15に示す構成の機器を用いて行った。
スピーカー403はダイナミック型スピーカーを用い、振動板を取り去り、スピーカーのボイスコイルを残して動く状態にしたままコーン紙を取り除き(Exciterともいう)、その部分にゴムシートを貼り付けてある。このスピーカー403のゴムシートに、Cavityの口径を拡大した周波数特性を検査される(被検)MEMS−ECM405とを向かい合うように圧着して、空気室結合404を形成した。
この状態で、FFTアナライザ401(CF−7200、株式会社小野測器)を低周波信号発生器に用いて0.125〜100Hzの範囲の正弦波掃引によりにより各周波数の信号を出力し、信号をDCパワーアンプ402に入力して増幅を行った。この増幅後の信号を入力1としてFFTアナライザに入力している。
さらに、低周波信号発生器401から発生させた低周波信号でスピーカー403のボイスコイルを駆動することで、スピーカ403からの信号はゴムシートを信号どおりに上下することとなり、振動を感知した被検MEMS−ECM405により生じた信号を、必要に応じて周波数補償回路406に周波数補正を行った信号407(容積脈波信号、速度脈波信号、加速度脈波信号)を入力2としてFFTアナライザに入力した。なお、周波数補償回路406では、後述する周波数補正と同様の処理を行っている。すなわち、被検MEMS−ECM405により生じた信号を積分したものが容積脈波信号、被検MEMS−ECM405により生じた信号を増幅したものが速度脈波信号、被検MEMS−ECM405により生じた信号を微分したものが加速度脈波信号として得られる。
駆動している低周波信号発生器の信号(入力1)と、入力2との振幅と位相特性について、0.125〜100Hzの範囲において掃引した各周波数において(入力2/入力1)の値を128回加算し、これを平均化することで、各周波数におけるMEMS−ECMの低周波特性の測定と検証を行った。
上述の周波数特性の測定法により、横軸に周波数(Hz)、縦軸に振幅(dB)をとることで、低周波の周波数特性の検証結果は図16のように表わされる。
図16に示すように、検証に用いられたMEMS−ECMの周波数特性は、低周波に向かって、20dB/decの感度低下が認められた。心臓の動きに関するものであれば脈拍は普通1Hz(脈拍が一分間で60の場合)程度なので、これは本来の検出すべき信号の微分特性を示すものといえる。また、100Hz付近に1つの極を持つ微分回路と等価であるといえる。
この時、容積変化などの信号を検出すべき信号とすると、MEMS−ECMで脈波を計測する場合、対象とする周波数帯域(およそ0.5〜10Hz)において、単純な微分回路であって、その計測波形は通常の脈波の微分である速度成分を示すことになり、“速度脈波”であると考えることができる。
また、よく血管の状況を判断するのに用いられる加速度脈波はこの速度脈波をさらに時間微分したものである。
[2−6.周波数補正処理について]
<周波数補正処理>
次に、脈動性信号出力についての周波数補正処理について説明する。
周波数補正処理とは、検体情報処理装置1のセンサ31からの脈動性信号出力について、すくなくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号、及び脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出す補正処理をいう。
図16のような応答を示すMEMS−ECMの出力(測定データ)は、速度脈波として得られるため、周波数補正を行わない場合には、速度脈波を得ることができる。
MEMS−ECMの出力から脈波、そして加速度脈波を得るには図17に示すような周波数応答をする電気回路を通過させる周波数補正処理を適用すればよい。
すなわち、MEMS−ECMの出力に対して超低周波域から100Hzまで−20dB/decでその後はフラットなカーブを通過させれば(容積)脈波が得られ、MEMS−ECMの出力に対して超低域から100Hzまで20dB/decで上昇し、その後フラットな電気回路を通せば加速度脈波が得られることになる。また、MEMS−ECMの出力に対して補正処理を行わない場合には、速度脈波が得られる。この様な回路を通過させた後のトータルな周波数特性は図19のようになった。
図19において、Dは速度脈波の周波数特性を示し、Eは容積脈波の周波数特性を示し、Fは加速度脈波の周波数特性を示す。
図19に示すこれらの加速度脈波、速度脈波、容積脈波は、周波数が高くなるにつれて40dB/dec、20dB/dec、0dB/decでゲインが上昇している。脈波の周波数付近ではそれぞれ、加速度脈波、速度脈波、そして脈波を発生する周波数特性となっている。
この周波数補正処理は、速度脈波について、100Hz以下を微分回路で補償する(微分する)ことにより加速度脈波を得ることができ、また、速度脈波について、100Hz以下を積分回路で補償する(積分する)ことにより容積脈波を得ることができる処理と同等の処理を行うものである。また、周波数補正処理では、必要に応じて増幅動作を行っても良い。
また、周波数補正処理とは、脈波の周波数1Hzに対して、微分動作を行うことで加速度脈波を得て、積分動作を行うことで容積脈波を得て、増幅動作を行うことで速度脈波を得る処理であるということもできる。
このような周波数補正を施す回路をアナログ回路で表すと、図18のように構成することができる。
図18において、符号Aで示す部分は増幅動作回路部分であり、符号Bで示す部分は積分動作回路部分であり、符号Cで示す部分は微分動作回路部分である。
<周波数補正処理と脈波波形>
手首橈骨に、開口部22の口径を拡げて空洞23がクロ−ズドキャビティを形成するようにMEMS−ECMを当てて観測した脈波の波形が図20である。測定により得られた速度脈波(測定データ)の波形は図20(b)のように表わされる。この速度脈波を上述した積分回路での補償により得られる容積脈波は、図20(a)のように表わされる。速度脈波を上述した微分回路での補償により得られる加速度脈波は、図20(c)のように表わされる。
容積脈波、速度脈波、及び加速度脈波の波形は東洋医学を含むいろいろな分野でヘルスケアや疾病の診断に用いられている。一例として、圧電素子を用いて頚動脈の脈波を測定した容積脈波の波形は図21(a)のように表わされる。また速度脈波は図21(b)のように表わされる。また、加速度脈波は図21(c)のように表わされる。
図20(c)及び図21(c)のピークにa〜eの符号を付して示したように、加速度脈波を特徴付けるa〜eのピーク(a波〜e波)が得られる。これらのうちb波とd波の相対的な振幅は心臓血管系の疾患との関連性や年齢・血圧の推定などに用いられ、臨床的に重要視されるファクターである。このb−d波は心臓からの駆出波(Percussion Wave、以下、「PW」ともいう)および血管障壁等からの反射波(Tidal Wave、以下、「TW」ともいう)の合成の様態に由来し、ちょうど容積脈波においては図20(a)におけるPWとTWで示した箇所のくびれの形状により大きく異なる。
図20と図21の波形の比較から、MEMS−ECMを用いて脈波の測定を行うことにより、観察された容積脈波(図20(a))は、PWとTWにより形成されるギャップが強調されており、また、加速度脈波(図20(c))においても顕著なピークを形成していることがわかる。
本発明の検体情報処理装置1によれば、空洞23がクロ−ズドキャビティを形成することと、センサ31としてECM又はMEMS−ECMを用いることにより、従来よりも低周波領域における脈動性信号のS/N比が大きく改善され、より明瞭な脈波を得ることができる。
[3.血管位置の検出と通知について]
<血管位置の検出>
脈動性信号検出ユニット11を検体71に対向させて設置して、検体情報処理装置1の検体71上の位置を変えながら皮膚72の表面で脈動性信号の検出を行なう。このとき、波形表示器82により表示される脈動性信号の波形を確認することで、脈動性信号検出ユニット11の位置の変化に伴う脈動性信号検出ユニット11のセンサ31からの出力レベルを検出することができる。さらに、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31からの心拍(脈動性信号)が強く検出された位置(出力レベルとしての脈波波形の振幅が大きく検出された位置)をプロットすることを繰り返すことで、血管73の位置を追跡することができる。図6は、左手の手のひらに検体情報処理装置1の脈動性信号検出ユニット11を当てて、脈波の速度成分が少しでも検出できる位置を探し、その近辺で脈動性信号検出ユニット11を少しずつずらしていき、速度脈波の振幅(脈動性信号の出力レベル)が一番大きくなるところをプロットしたものである。
左手の手のひらにおいて動脈が存在することが知られており、動脈の分布についての知見が得られている。この動脈の分布と図6のプロットの分布とを比較すると、図6のプロットは動脈の分布と一致しており、図6のプロットにより動脈血管が追跡できていることが分かる。図6に示すプロットでは、断続的にプロットが得られており動脈血管を完全にはトレースしきれていないものの、ECMをセンサ31に用いた本検体情報処理装置1により、血管分布のような2次元マップを作成することができる。
なお、センサ31からの出力レベルとしては、上述のように、波形表示器82により表示される脈動性信号の脈波波形の振幅を用いることができる。脈動性信号としては、容積脈波、速度脈波、または加速度脈波のいずれを用いてもよい。または、コンピュータ81において、信号処理部41から入力された脈動性信号を処理して、脈動性信号の強さを検体情報処理装置1の位置の変化に伴う経時的な値として数値化することで脈動性信号の出力レベルとして比較するようにしてもよい。
<血管位置の通知>
上述したように、本検体情報処理装置1を用いることで、検体情報処理装置1の指向性を利用して、脈動性信号検出ユニット11の移動に伴って変化する、センサ31の出力レベルを検出し、その出力レベルの変化に基づいて検体71の皮膚72の表面において動脈血管の位置を追跡することができる。
次に、本検体情報処理装置1の、この特性を利用して、本検体情報処理装置1による脈動性信号の検出の際に血管位置を通知し、適正な検出位置で本装置の装着と測定を行うことを可能にする装置について説明する
このような血管位置の通知を行う検体情報処理装置1は、レベル検出部と、レベル表示部とをそなえ、レベル表示部が脈動性信号検出ユニット11に設けられていることにより構成することができる。
レベル検出部は、脈動性信号検出ユニット11の移動に伴って変化するセンサ31からの出力レベルを検出するものである。
レベル表示部は、レベル検出部での検出結果に基づいて出力レベル変化情報を表示するものである。レベル表示部は本検体情報処理装置1における視認しやすい箇所、例えば本装置1を検体71に装着したときに、本装置の上面となる部位に設けることが好ましい。
血管位置の通知を行う検体情報処理装置441を機能的に表わすとき、例えば、図23に示すように構成することができ、レベル検出部442は、PLL(Phase−locked loop)443、タイミング発生部444、サンプルホールド445、446を備えており、レベル表示部447はコンパレータ448、450、及びLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)449、451を備えている。
検体情報処理装置1により脈波を測定する際に、脈動性信号検出ユニット11を検体71に対向させて位置を変えながら脈動性信号の検出をすることで、図22に示すように、脈動性信号検出ユニット11と検体71の動脈血管73との位置関係に応じて、センサ31からの出力レベル(脈波の強さ(振幅))がピークt1〜t8のように順に変化する。ここではt1〜t4において、検体情報処理装置1が検体71の動脈血管73に近づくにつれて脈波の振幅が増大し、t4においてピークとなる様子を表わしている。また、t5〜t8において、検体情報処理装置1が検体71の動脈血管73から離れるにつれて振幅が減少している様子を表わしている。
測定により得られた脈波は、まずレベル検出部442において、脈動性信号検出ユニット11の移動に伴って変化するセンサ31からの出力レベルを検出する。一例として、図23に示すように、PLL443、タイミング発生部444、サンプルホールド445、446を利用して、サンプルホールド445から出力されるピーク値と、サンプルホールド446から出力される1ピーク位置分遅延したピークとを、コンパレータ448、450に入力する。
次に、図23に示すように、レベル表示部において、レベル検出部442からの出力に応じて、出力レベル評価情報を表示する。ここでは、コンパレータ448、450の出力がLowのときに、LED449、451が点灯するように構成されている。このため、コンパレータ450は、サンプルホールド445及びサンプルホールド446からの出力を受けて、サンプルホールド445からの入力がサンプルホールド446からの入力よりも高ければ(図22のt1〜t4の場合)、LED451を点灯させる。コンパレータ448は、サンプルホールド445及びサンプルホールド446からの出力を受けて、サンプルホールド445からの入力がサンプルホールド446からの入力よりも低ければLED449を点灯させる。
LED449、451は、本装置における視認しやすい箇所に設けられているので、動脈血管73の位置に近い、適正な検出位置に対応する部位に本装置が装着されたことを容易に知ることができる。
本検体情報処理装置1は上述のように構成されているため、例えば検体71として人の手首を周方向に一方向に移動させながら脈動性信号の検出をした場合、動脈血管73から離れた状態のt1のピークから、検体情報処理装置1が動脈血管73に近づくにつれて図22のt2〜t3のようにピークが増大し、動脈血管73に最も近づいたt4においてピークが最大となる。この間、レベル検出部442がセンサ31からの出力レベルを検出して、レベル表示部447はLED449を消灯させ、LED451を点灯させる。さらに、検体情報処理装置1を移動させながら脈動性信号の検出を行うと、検体情報処理装置1が動脈血管73から離れることで、t5〜t8において振幅が減少する。この間、レベル表示部447はLED449を点灯させ、LED451を消灯させる。
LED449及び451を、脈動性信号検出ユニット11に設けておき、例えばLED449を赤色、LED451を青色を発するようにすることで、検体情報処理装置1を移動させながら脈動性信号の検出をする場合に、動脈血管73との位置関係をLEDの点灯状態(点灯色)の変化で使用者に通知することができる。これにより、使用者は検体情報処理装置1を操作しながら、検体情報処理装置1に設けられた手元のLEDを確認することで、簡便に動脈血管73に近い適正な位置に本装置を装着して測定を行なうことができる。また、動脈血管73に近い位置での測定が可能となり、強い脈動性信号を検出することができる。
もちろん、LED449が点灯すると、出力レベルの判定結果を示す表示板(例えば、LED449の点灯により「後」と表示される表示板)を照らし、LED451が点灯すると、LED449が照らす表示板とは別の表示板(例えば、LED451の点灯により「前」と表示される表示板)を照らすように構成することも可能である。このように構成することにより、本装置を使用する者は、表示板の表示に従って操作を行うことで容易に動脈血管73の位置を確認することができ、本装置の適正な装着位置を確認することが出来る。
上述したように、検体情報処理装置1に、レベル検出部とレベル表示部とがそなえられ、レベル表示部が脈動性信号検出ユニット11に設けられていることにより、簡便に血管73の位置を検出することが可能となる。また、血管73に近い適正な位置に本装置1を装着して測定を行なうことができるため、信号が強くS/N比が高い脈動性信号を検出することができる。さらには、血管73に近い適正な位置に本装置1を装着して測定を行なうことができるため、周波数復調部61により脈動性信号から抽出される呼吸信号のS/N比及び感度も向上させることができる。
<第一実施形態>
[4.MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置]
次に、本発明の第一実施形態である、センサとしてMEMS−ECMを用いた検体情報処理装置について説明する。
本実施形態は、一部の構成を除いて上述の検体情報処理装置1と同様に構成されており、上述の検体情報処理装置1と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する
[4−1.MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置の構成例]
MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置は、図1に示すように、脈動性信号検出ユニット11と信号処理部41とをそなえて構成されており、MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置1では、図1に示す脈動性信号検出ユニット11のセンサ31として、MEMS−ECMを用いる。
図24は、センサ31としてMEMS−ECMを用いた脈動性信号検出ユニット301の構成例を模式的に表わす図である。図25は、センサ31としてMEMS−ECMを用いた脈動性信号検出ユニット351の別の構成例を模式的に表わす図である。
図24に示すように、脈動性信号検出ユニット301は、センサ31としてMEMS−ECM311を有し、MEMS−ECM311には圧力情報の取込部32として音孔312が設けられており、MEMS−ECM311内部の空間である空気室315とMEMS−ECM311外部の空間とが連通している。MEMS−ECM311内の空気室315にはMEMS膜のダイヤフラム313、及びバックプレート314が設けられている。センサ取付部21はゴム製のO−リング333と基板334によって形成されており、O−リング333によって形成される開口部331を検体341に向けて、検体341に装着された状態で、音孔312に連通する空洞332が、閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)をとっている。
なお、図24の符号316、317はセンサ素子を形成する支持台を表わし、符号318はCMOSを表わし、符合319、320はワイヤボンディングを表わし、符合321はCMOSを埋包するエポキシを表わし、符合322はMEMS−ECM311のLid蓋を表わし、符合323はMEMS−ECM311の壁を表わす。
開口部331において捉えられる検体341の振動が空洞332及び音孔312を通じて空気室315に伝わることで、ダイヤフラム313とバックプレート314との距離の変化を生じさせ、静電容量の変化から血管73の脈動性信号を検出することができる。
または、図25に示すように、脈動性信号検出ユニット351は、センサとしてMEMS−ECM361を有し、MEMS−ECM361には圧力情報の取込部として音孔362が設けられており、MEMS−ECM361内部の空間である空気室365とMEMS−ECM31外部の空間とが連通している。MEMS−ECM361内の空気室365にはMEMS膜のダイヤフラム363、及びバックプレート364が設けられている。センサ取付部21はゴム製のO−リング383と基板384によって形成されており、O−リング383によって形成される開口部381を、検体391に向けて検体391に装着された状態で、音孔362及び基板にあけた穴372に連通する空洞382が、閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)をとっている。
なお、図25の符号366、367はセンサ素子を形成する支持台を表わし、符号368はCMOSを表わし、符合369、370はワイヤボンディングを表わし、符合371はCMOSを埋包するエポキシを表わす。
開口部381において捉えられる検体391の振動が空洞382及び音孔362を通じて空気室365に伝わることで、ダイヤフラム363とバックプレート364との距離の変化を生じさせ、静電容量の変化から血管73の脈動性信号を検出することができる。
[4−2.MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置の機能構成]
MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置を機能的に表わすとき、図2、図3に示すように、MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置1は、脈動性信号検出ユニット11及び信号処理部41とを備え、信号処理部41は、信号補正部51及び周波数復調部61を有している。
ここで、MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置1は、脈動性信号検出ユニット11において、センサにMEMS−ECMを用いる。MEMS−ECMからの脈動性信号出力は、信号補正部51、または周波数復調部61に入力される。
周波数復調部61では、図8に示すように、PLLを利用する周波数復調処理により脈動性信号から呼吸信号を抽出する。
MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置の一部(脈動性信号ユニット11及び信号補正部51)の機能構成は、図26に示すように表わすことができる。MEMS−ECMを用いた情報処理装置421は、コンデンサマイク423及びインピーダンス変換器424を備える脈動性信号検出ユニット422と、増幅器426、積分補正部427、及び微分補正部428を備える信号補正部425を有している。ECMを用いた検体情報処理装置では、ECMがコンデンサマイク423として機能する。
コンデンサマイク423及びインピーダンス変換器424を備える脈動性信号検出ユニット422は、図2及び図3の脈動性信号ユニット11におけるセンサ31に相当し、増幅器426、積分補正部427、及び微分補正部428を備える信号補正部425は、図2及び図3の信号補正部51に相当する。
コンデンサマイク423で得られた信号は、インピーダンス変換器424に入力され、インピーダンス変換される。インピーダンス変換器424の出力信号は増幅器426に入力され、増幅処理が行われる。MEMS−ECMを用いた情報処理装置において、増幅器426の出力信号は速度脈波が得られるため、信号補正部425では増幅処理以外の周波数補正処理を行わずに、速度脈波を得ることができる。また、増幅器426の出力信号を積分補正部427に入力し、積分回路での補償を行うことにより、容積脈波を得ることができる。また、増幅器426の出力信号を微分補正部428に入力し、微分回路での補償を行うことにより、加速度脈波を得ることができる。
[4−3.MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置の動作]
MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置は、図4、図5に示すフローチャートのようにして、脈動性信号から呼吸信号を抽出する。
ここで、MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置1を用いて、人間の小指に検体情報処理装置1のO−リングにより形成される開口部を対向させて装着し、脈動性信号の検出と呼吸信号を抽出した場合を例として説明する。
脈動性信号検出ユニットにより検出された脈動性信号は、MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置1では速度脈波として得られるため、この速度脈波について周波数復調部61により呼吸信号の抽出を行うことができる。または信号補正部51により、速度脈波から容積脈波または加速度脈波に周波数補正を行い、これら容積脈波または加速度脈波について周波数復調部61により呼吸信号の抽出を行うことができる。
通常呼吸時の周波数スペクトラム(図27)と、息止め時の周波数スペクトラム(図28)とを比較すると明らかなように、MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置1を用いて検出した脈動性信号において、通常呼吸時では、脈波のスペクトルに、脈波が呼吸により変調された、脈波の変調スペクトル(呼吸による変調スペクトル)がサイドバンドとして含まれていることが分かる。このような呼吸による脈波の周波数の変調は、これまでの検出装置では見られなかった。この変調スペクトルについて、周波数復調部61により周波数復調処理を行うことにより呼吸信号抽出することができる。
図29(b)は、時間経過に伴う容積脈波波形を表わす図であり、0秒〜約51秒は普通に呼吸をしており(通常呼吸)、約51秒〜約1分21秒は息を止めており(息止め)、約1分19秒以降は止めていた息を吐き出して呼吸をした際(通常呼吸)の脈波波形を表わしている。
図29(a)は、図29(b)の容積脈波波形から抽出された呼吸信号の波形(呼吸波形)を表わしている。図29(a)において、0〜約51秒では安定した呼吸波形が得られており、約51秒〜約55秒では、息止めにもかかわらず、多少追従して通常呼吸と同様の呼吸波形が得られている。また、約55秒〜約1分21秒では息止めの影響から呼吸波形が弱くなっている。さらに、約1分21秒以降は息止め後に息を吐き出して通常呼吸に戻った反動により、強い呼吸波形が得られている。このように、脈波波形から抽出された呼吸波形は、検体の動作に影響を受けていることが分かる。
[4−4.効果]
図27、図28から明らかなように、本発明のクロ−ズドキャビティの形成とMEMS−ECMを組み合わせた検体情報処理装置1とを用いることで、従来よりも低周波領域における脈動性信号のS/N比が大きく改善される。このため、従来の検出装置では見られなかった、脈波の呼吸による周波数変調を確認することができる。
また、図29(a)、(b)から明らかなように、従来のベースバンドに現れる、伝送歪みにより復調された脈波を単に0.3Hz以下位の低域通過フィルタによって抜き出すことによる検出とは異なり、本発明のクロ−ズドキャビティの形成とMEMS−ECMを組み合わせた検体情報処理装置1を用いることで、脈波波形から呼吸信号を復調でき、また検体の動作状況に応じて呼吸波形が変化する様子を捉えることができる。
<第二実施形態>
[5.ECMを用いた検体情報処理装置]
本発明の第二実施形態である、ECMを用いた検体情報処理装置について説明する。
本実施形態は、一部の構成を除いて上述の検体情報処理装置及び第一実施形態と同様に構成されており、上述の検体情報処理装置及び第一実施形態と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。
[5−1.ECMを用いた検体情報処理装置の構成例]
図30は、センサとしてECMを用いた脈動性信号検出ユニットの構成例を模式的に表わす図である。
ECMを用いた検体情報処理装置は、図1に示すように、検体71における血管73の脈動性信号を検出して、脈動性信号に周波数復調処理を施すことにより、脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出するものであって、脈動性信号検出ユニット11と信号処理部41とをそなえて構成されている。
ここで、脈動性信号検出ユニット11のセンサ31として、ECMを用いる。
図30に示すように、脈動性信号検出ユニット501は、センサ31としてECM511を有し、ECM511には圧力情報の取込部として空気穴512が設けられている。ECM511内の空気室515にはダイヤフラム513及びバックプレート514が設けられている。センサ取付部21はゴム製のO−リング533によって形成されており、O−リング533によって形成される開口部531を検体541に向けて、検体541に装着された状態で、空気穴512に連通する空洞532が、閉鎖された空間構造(クローズドキャビティ)をとっている。
なお、図30の符号516、517は電極を表わし、符合518はECM511の筐体を表わす。
開口部531において捉えられる検体541の振動が空洞532及び音孔512を通じて空気室515に伝わることで、ダイヤフラム513とバックプレート514との距離の変化を生じさせ、静電容量の変化から血管73の脈動性信号を検出することができる。
[5−2.ECMを用いた検体情報処理装置の機能構成]
ECMを用いた検体情報処理装置を機能的に表わすとき、図2、図3に示すように、ECMを用いた検体情報処理装置1は、脈動性信号検出ユニット11及び信号処理部41とを備え、信号処理部41は、信号補正部51及び周波数復調部61を有している。
ここで、ECMを用いた検体情報処理装置1は、脈動性信号検出ユニット11において、センサ31にECMを用いる。ECMからの脈動性信号出力は、信号補正部51、または周波数復調部61に入力される。
周波数復調部61では、図8に示すように、PLLを利用する周波数復調処理により脈動性信号から呼吸信号を抽出する。
MEMS−ECMを用いた検体情報処理装置1の一部(脈動性信号ユニット11及び信号補正部51)の機能構成は、図26に示すように表わすことができる。ECMを用いた情報処理装置421は、コンデンサマイク423、及びインピーダンス変換器424を備える脈動性信号検出ユニット422と、増幅器426、積分補正部427、及び微分補正部428を備える信号補正部425を有している。ECMを用いた検体情報処理装置では、ECMがコンデンサマイク423として機能する。
コンデンサマイク423、及びインピーダンス変換器424を備える脈動性信号検出ユニット422は、図2及び図3の脈動性信号ユニット11のセンサ31に相当し、増幅器426、積分補正部427、及び微分補正部428を備える信号補正部425は、図2及び図3の信号補正部51に相当する。
コンデンサマイク422で得られた信号は、インピーダンス変換器424に入力され、インピーダンス変換される。インピーダンス変換器424の出力信号は増幅器426に入力され、増幅処理が行われる。ECMを用いた検体情報処理装置において、脈動性信号検出ユニットにより検出された脈動性信号は、速度脈波、容積脈波と速度脈波との中間の波形、または速度脈波〜加速度脈波との中間の波形して得られる。いずれの波形として得られるかは、ECM毎の特性の違いにより変わってくるため、個々のECM毎の特性にあわせて周波数補正を行う必要がある。脈動性信号検出ユニットにより検出された脈動性信号が速度脈波である場合には、信号補正部425では増幅処理以外の周波数補正処理を行わずに、加速度脈波を得ることができる。また、脈動性信号検出ユニットにより検出された脈動性信号が速度脈波である場合には、増幅器426の出力信号を積分補正部427に入力し、積分回路での補償を行うことにより、容積脈波を得ることができる。また、脈動性信号検出ユニットにより検出された脈動性信号が速度脈波である場合には、増幅器426の出力信号を微分補正部428に入力し、微分回路での補償を行うことにより、加速度脈波を得ることができる。
[5−3.ECMを用いた検体情報処理装置の動作]
ECMを用いた検体情報処理装置は、図4、図5に示すフローチャートのようにして、脈動性信号から呼吸信号を抽出する。
脈動性信号検出ユニットにより検出された脈動性信号について、周波数復調部61によりそのまま呼吸信号の抽出を行うことができる。周波数補正後の呼吸信号についても周波数復調部61により呼吸信号の抽出を行うことが可能であるが、信号補正部51により周波数補正を行う場合には、ECM毎の特性にあわせ、脈動性信号に応じて周波数補正を行う必要がある。
[5−4.効果]
クロ−ズドキャビティの形成とECMを組み合わせた検体情報処理装置1を用いることで、従来よりも低周波領域における脈動性信号のS/N比が大きく改善され、従来の検出装置では見られなかった、脈波の呼吸による周波数変調を確認することができる。
また、従来のベースバンドに現れる、伝送歪みにより復調された脈波を、単に0.3Hz以下位の低域通過フィルタによって抜き出すことによる検出とは異なり、本発明のクロ−ズドキャビティの形成とECMを組み合わせた検体情報処理装置1を用いることで、脈波波形から呼吸信号を復調することができ、また検体の動作状況に応じて呼吸波形が変化する様子を適性且つ正確に捉えることができる。
(その他)
上記の説明においては、脈動性信号の処理を検体情報処理装置が備えるアナログ回路による処理について説明したが、検体情報処理装置がデジタル回路、例えばデジタルシグナルプロセッサ(以下、「DSP」ともいう)を含む回路を備え、このデジタル回路により信号をデジタル処理する構成としても良い。
また、脈動性信号検出ユニット11により検出された脈動性信号を、検体情報処理装置外部のA/Dコンバータを介してコンピュータに出力し、CPUで信号を処理する構成としても良い。
1 検体情報処理装置
11 脈動性信号検出ユニット
21 センサ取付部
22 開口部
23 空洞(Cavity)
24 O−リング
31 センサ
32 圧力情報の取込部
33 センサ素子
34 空気室
35 筐体
41 信号処理部
51 信号補正部
61 周波数復調部
71 検体
72 皮膚
73 血管
81 コンピュータ
201、511 ECM
202、312、362、512 空気穴(音孔)
203、313、363、513 ダイヤフラム
204、314、364、514 バックプレート
311、361 MEM−ECM
331、381、531 開口部
332、382、532 空洞(Cavity)
333、383、533 O−リング
341、391、541 検体

Claims (8)

  1. 検体における血管の脈動性信号に起因する圧力情報を受けて上記の検体における血管の脈動性信号を検出するセンサと、該センサの該圧力情報の取込部に連通する空洞を有するとともに該検体に対向する部位に3mmから10mmの口径を有する開口部を有し該開口部を該検体に対向させて該検体に装着された状態で該空洞が閉鎖された空間構造を有するセンサ取付部とを有する脈動性信号検出ユニットと、
    該脈動性信号検出ユニットの該センサからの脈動性信号出力について、周波数復調処理を施すことにより、該脈動性信号出力に含まれる呼吸信号を抽出する周波数復調部とをそなえて構成されたことを特徴とする、検体情報処理装置。
  2. 該周波数復調処理が、位相同期回路を利用する周波数復調処理である
    ことを特徴とする請求項1記載の検体情報処理装置。
  3. 該検体情報処理装置の該センサからの脈動性信号出力について、周波数補正処理を施すことにより、少なくとも脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出す信号補正部をそなえて構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の検体情報処理装置。
  4. 該信号補正部が、該脈動性信号の有する周波数で少なくとも増幅動作、積分動作および微分動作のうちの1つの動作を行なうことにより、少なくとも上記の脈動性容積信号、脈動性速度信号および脈動性加速度信号のうちの1つの信号を取り出すように構成されたことを特徴とする、請求項記載の検体情報処理装置。
  5. 該センサが、上記の検体における動脈血管の脈動性信号に起因する音圧情報を検出するコンデンサマイクとして構成されたことを特徴とする、請求項1ないし請求項に記載の検体情報処理装置。
  6. 該コンデンサマイクが、MEMS−ECMで構成されたことを特徴とする、請求項記載の検体情報処理装置。
  7. 該開口部の口径が動脈血管の直径の5倍以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の検体情報処理装置。
  8. 該脈動性信号検出ユニットの移動に伴って変化する該センサからの出力レベルを検出するレベル検出部と、
    該レベル検出部での検出結果に基づいて出力レベル変化情報を表示するレベル表示部とをそなえ、
    該レベル表示部が該脈動性信号検出ユニットに設けられていることを特徴とする、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の検体情報処理装置。
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