JP6084935B2 - 腐食センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、腐食センサおよびその製造方法に係り、特に、大気中の腐食環境性を測定するための腐食センサおよびその製造方法に関する。
長期間にわたって自然環境に曝される構造物、例えば橋梁、標識、街灯、水門および樋門などは、酸素や水分などの腐食成分と接触して腐食が進行するため、定期的に腐食状況を点検し、所定の耐久性を維持させる必要がある。しかしながら、構造物の腐食は、その周辺に存在する酸素濃度、pHおよび温湿度などの腐食環境性の違いに応じて局所的に進行するため、その腐食箇所によっては点検で見落とされるおそれがある。そこで、構造物の腐食状況を把握するために、構造物周辺の腐食環境性を測定する腐食センサが開発されている。
例えば、特許文献1には、腐食成分の濃度が低い環境において測定に要する期間を短縮する腐食センサが提案されている。この腐食センサでは、熱電冷却素子の吸熱側に試験片を取り付けて試験片を冷却して結露させた後、冷却を留めて乾燥させる。これを繰り返すことにより、環境中の腐食成分を試験片上に固定して、腐食環境性を測定する期間を短縮することができる。しかしながら、試験片の腐食が進行するにはある程度の期間を要するため、腐食環境性の変化を即座に測定することは困難であった。
そこで、貴な金属電極と卑な金属電極を配置して、腐食成分を含む水分が電極間を連結した際に流れる電流値を測定する、いわゆるガルバニック対を利用したACMセンサ(Atmospheric Corrosion Monitor)が提案されている。このACMセンサは、腐食環境性を電気化学的に測定するため、その腐食環境の変化を即座に検出することができる。
特開2000−019097号公報
しかしながら、ACMセンサは、一般的に64mm×64mmと、大きな表面積を有する基板上に広範囲にわたって1つの電極が配置されており、平均的な腐食環境性を測定するものであった。このため、所定の空間内における腐食成分の分布など、腐食環境性を細かく測定することが困難であった。
近年、構造物の形状は複雑化しており、細い隙間などの間隙部が構造物には多く存在する。このような間隙部は、内部まで光が届かないために腐食成分である水分が蒸発せずにその場に留まるため、腐食の進行が速い個所の一つとなっている。また、構造物の腐食を促進させる物質、例えば塩化物などのハロゲンイオンを含む物質が間隙部内に一旦入り込むと雨水などで流され難く、そのまま間隙部内に留まってしまうことも腐食の進行が速い要因となっている。
このような間隙部は、狭い空間であることが多く、ACMセンサのような大きな表面積を有する電極を間隙部内に収めることが困難であった。また、腐食成分の分布を測定するために、複数の電極を設置したACMセンサを同様の構成で作成すると、ACMセンサ全体の厚みが大幅に増加してしまうため、間隙部などの細い空間にACMセンサを挿入することさえ困難となる。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、間隙部などの細い空間にセンサ領域を挿入して腐食環境性を細かく測定することができる腐食センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る腐食センサは、基板と、前記基板の表面に沿って平面状に配置される共通の陽極と、前記陽極の表面上に形成される複数の絶縁部と、前記陽極に対して貴な電位を有する導電性材料を前記複数の絶縁部の表面上にそれぞれ薄層状に塗布して形成される複数の陰極とを有する複数の電極部と、前記複数の電極部のそれぞれに接続され、前記腐食回路が形成された時に流れる電流を測定する測定部と、前記複数の陰極と前記陽極との電位差をそれぞれ測定し、前記複数の電極部の間の前記電位差の変動に基づいて、前記測定部で測定された電流値をキャリブレーションするキャリブレーション部とを備え、複数の電極部は、前記複数の陰極が前記陽極との間で互いに独立した腐食回路を形成するように前記複数の陰極を互いに電気的に分離して構成されるものである。
また、基板に対して平行に延び、前記複数の陰極を互いに電気的に分離して前記測定部に接続する複数の配線部をさらに有するのが好ましい。
また、複数の配線部は、互いに同一平面内に位置するように、金属材料を薄層状に塗布して形成することができる。また、複数の配線部は、厚さ方向に高さが異なる位置にわかれて多層に配置され、各層毎に金属材料を薄層状に塗布して形成することもできる。
また、複数の絶縁部は、互いに同一平面内に位置するように、絶縁材料を前記陽極の表面上に薄層状に塗布して形成するのが好ましい。
また、陽極は、フェライト系ステンレス鋼から構成されるのが好ましい。また、複数の陰極はカーボンから構成されると共に、前記陽極はSUS430から構成することができる。
また、基板は、紙フェノールまたはガラスエポキシから構成されるのが好ましい。
この発明に係る第2の腐食センサは、基板と、前記基板の表面に沿って平面状に配置される共通の陽極と、前記陽極の表面上に形成される複数の絶縁部と、前記陽極に対して貴な電位を有する導電性材料を前記複数の絶縁部の表面上にそれぞれ薄層状に塗布して形成される複数の陰極とを有する複数の電極部とを備え、前記複数の電極部は、前記複数の陰極が前記陽極との間で互いに独立した腐食回路を形成するように前記複数の陰極を互いに電気的に分離して構成され、前記基板は矩形形状を有し、前記複数の電極部は前記基板の先端部付近に配置され、前記基板の先端部に近いほど前記複数の陰極が密に配置されるものである。
また、複数の陰極は、それぞれ直線状に細長く延びた形状を有し、前記基板の先端部付近から後端部に向かって互いに平行に一列に並べて配置することができる。また、複数の陰極は、格子状に並べて配置することもできる
この発明によれば、平面状に配置される共通の陽極と導電性材料を薄層状に塗布して形成される複数の陰極とを有し且つ複数の陰極を互いに電気的に分離して構成された複数の電極部を備えるので、間隙部などの細い空間にセンサ領域を挿入して腐食環境性を細かく測定することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る腐食センサの構成を示し、(A)は腐食センサの平面図、(B)は腐食センサの側面断面図である。 構造物の間隙部内にセンサ部が挿入される様子を示す図である。 陽極と陰極の間が水分で連結された様子を示す図である。 腐食センサを製造する工程を示す図である。 複数の陰極を格子状に配置したセンサ部を示す図である。 複数の陰極を先端部近くにより多く配置したセンサ部を示す図である。 先端部付近に複数の陰極を格子状に配置すると共にそれ以外の部分では複数の陰極を一列に並べて配置したセンサ部を示す図である。 複数の配線部を階層を分けて配置したセンサ部を示す図である。 腐食環境性を測定するために水溶液中にセンサ部の先端部が入るように設置された腐食センサを示す図である。 実施の形態1の腐食センサを用いて、水溶液に対するチャンネルの位置を変えた時の腐食電流の変化を測定した実施例を示すグラフである。 実施の形態1の腐食センサを用いて、水溶液に対するチャンネルの位置を固定した時の腐食電流を測定した実施例を示すグラフである。 実施の形態2に係る腐食センサのキャリブレーション部の構成を示す図である。 2つの腐食センサについて、複数の電極部に流れる腐食電流をそれぞれ測定した実施例を示すグラフである。 2つの腐食センサについて、複数の陰極と陽極の電位差をそれぞれ測定した実施例を示すグラフである。 2つの腐食センサについて、腐食電流の電流値をキャリブレーションした実施例を示すグラフである。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1(A)および(B)に実施の形態1に係る腐食センサの構成を示す。この腐食センサは、大気中の腐食環境性を電気化学的に検出するセンサ部1と、センサ部1で検出された腐食環境性を測定する測定部2とを有する。
センサ部1は、基板3と、基板上に配置された複数の電極部4と、複数の電極部4と測定部2をそれぞれ接続するための複数の端子5と、複数の電極部4をそれぞれ複数の端子5に接続する複数の配線部6と、複数の配線部6の下側に配置された絶縁層7と、絶縁層7の表面上に形成されて複数の配線部6を覆う保護層8とを有する。
なお、図1(A)では、保護層8を省略している。
基板3は、例えば60mm×150mmの矩形形状を有し、薄層形成可能な絶縁性樹脂材料、例えば、紙フェノールおよびガラスエポキシなどから構成される。これにより、基板の厚さを、例えば0.8mm程度に薄く形成することができる。
複数の電極部4は、腐食環境性を検出するものであり、基板3の表面に沿って広く平面状に配置される共通の陽極9と、陽極9の表面上に形成される複数の絶縁部10と、陽極9に対して貴な導電性材料(イオン化傾向が小さい材料)を複数の絶縁部10の表面上にそれぞれ薄層状に塗布して形成される複数の陰極11とから形成されている。
陽極9は、例えば60mm×150mmの矩形形状を有し、その厚さは0.8mm程度に薄く形成されている。なお、陽極9は、SUS430などのフェライト系ステンレス鋼から構成するのが好ましい。
複数の絶縁部10は、それぞれ直線状に細長く延びた形状を有し、センサ部1の先端部12付近に配置されると共に先端部12付近から後端部13に向かって互いに平行に等間隔で並べられている。複数の絶縁部10は、窒化ホウ素などの絶縁材料から構成され、この絶縁材料を陽極9の表面上にそれぞれ薄層状に、例えば30μm以下の薄さに塗布して形成される。複数の絶縁部10は、例えば、それぞれ約1mmの幅Hを有する複数の絶縁部10を約1mmの間隔を空けて平行に並べて配置することができる。
複数の陰極11は、複数の絶縁部10の表面上に形成されており、それぞれ直線状に細長く延びた形状を有し、センサ部1の先端部12付近に配置されると共に先端部12付近から後端部13に向かって互いに平行に等間隔で並べられている。複数の陰極11は、カーボンペーストおよび銀ペーストなどの導電性材料を薄層状に、例えば30μm以下の薄さに塗布して形成することができる。複数の陰極11は、例えば、それぞれ約1mmの幅Hを有する複数の陰極11を約1mmの間隔を空けて平行に並べて配置することができる。
このようにして、センサ部1に複数の電極部4が形成され、複数の陰極11が配置されたセンサ領域15がセンサ部1の先端部12付近に位置されることになる。このセンサ領域15は、基板3と陽極9がそれぞれ薄く形成されると共に複数の絶縁部10と複数の陰極11がそれぞれ薄層状に形成されるため、ほぼ一様に薄く、例えば0.8mm〜1.6mm程度の厚さで形成することができる。また、複数の絶縁部10と複数の陰極11は細長く形成されるため、センサ領域15を小さく形成することができ、例えば16個の陰極11が配置されたセンサ領域15を横L22mm×縦M35mmの大きさで形成することができる。
絶縁層7は、窒化ホウ素などの絶縁材料を陽極9の表面上に薄層状に塗布して形成される。この時、絶縁層7は、センサ部1以外の部分に形成され、センサ部1に配置された複数の陰極11と陽極9の一部が露出されることになる。また、絶縁層7は、複数の絶縁部10と同一平面内に位置するように形成される。
複数の端子5は、複数の陰極11にそれぞれ対応して絶縁層7の表面上に設けられ、センサ部1の他端部13付近に配置されている。
複数の配線部6は、陽極9に対して平行に延びて、複数の陰極11を互いに電気的に分離してそれぞれ対応する複数の端子5に接続するもので、金属材料を絶縁層7の表面上にそれぞれ薄層状に、例えば30μm以下の薄さに塗布して、互いに同一平面内に位置するように形成される。このように、複数の配線部6を薄層状に形成することにより、センサ領域15だけでなく、センサ部1の全体をほぼ一様に薄く形成することができる。
また、複数の配線部6が互いに同一の抵抗値となるように、複数の配線部6はほぼ同一の長さで形成されている。すなわち、端子5との距離が遠い陰極11を接続する配線部に対し、端子5との距離が近い陰極11を接続する配線部6は経路を迂回して形成されることになる。複数の配線部6は、銀または銅などの金属材料から構成することができる。
保護層8は、複数の配線部6を保護するためのもので、絶縁材料から構成され、絶縁層7の表面上にわたって複数の配線部6を覆うように形成される。すなわち、センサ部1のセンサ領域15以外の部分が保護層8で覆われることになる。
測定部2は、電流測定器から構成され、複数の電線16を介して、複数の端子5に互いに電気的に分離して接続されると共に陽極9に接続されている。
ここで、複数の配線部6と複数の電線16は、複数の陰極11を互いに電気的に分離するように配線されている。このため、センサ領域15において、複数の絶縁部10で隔てられた複数の陰極11と陽極9との間がそれぞれ水分などの腐食成分を介して連結されると、各陰極11毎にそれぞれ独立した腐食回路が形成される。すなわち、複数の電極部4は、複数の陰極11が陽極9との間で互いに独立した腐食回路を形成するように、複数の陰極11を互いに電気的に分離して構成されたものとなっている。これにより、センサ領域15には、それぞれ単独のセンサとして腐食回路の形成を検出する複数のチャンネルCが形成されることになる。
複数の電極部4にそれぞれ形成された腐食回路を流れる電流は、測定部2により腐食回路毎に測定される。なお、測定部2は、それぞれの電極部4毎に接続を切り換えることができる多チャンネル型無抵抗電流計から構成されるのが好ましい。
次に、図1に示した腐食センサを使用して大気中の腐食環境性を測定する一例について説明する。
まず、図2に示すように、橋梁などの構造物Sに形成された細い間隙部G内に、腐食センサのセンサ部1が先端部12を先頭にして挿入され、所望の位置に設置される。例えば、間隙部G内において水分などの腐食成分が多く存在する奥部Rに、センサ部1のセンサ領域15が位置するように設置される。
この時、センサ部1は、一様に薄く形成されているため、構造物Sの間隙部Gの幅が小さい場合でも、センサ部1を間隙部G内にスムーズに挿入することができる。また、センサ領域15が小さく形成されているため、構造物Sの間隙部Gが狭い場合でも、腐食成分を検出するセンサ領域15を所望の位置に配置することができる。
なお、センサ部1のセンサ領域15には、16個の電極部4a〜4pが配置されているものとする。
間隙部G内にセンサ領域15が配置されると、図3に示すように、間隙部G内の水分Wが、互いに絶縁された陰極11aと陽極9の間を覆うように付着することで、陰極11aと陽極9が電気的に連結される。ここで、陰極11a〜11pは互いに電気的に分離して構成されているため、水分Wが付着した陰極11aにおいて他の陰極11b〜11pとは独立した腐食回路Tが形成される。
これにより、陰極11aに対して卑な導電性材料(イオン化傾向が大きい導電性材料)から構成された陽極9側では、アノード反応(酸化反応)がおこり、金属原子は、陽極9に電子を残し、水分W中に溶解して拡散する。一方、貴な導電性材料から構成された陰極11a側では、陽極9に残された電子が供給されることでカソード反応(還元反応)がおこり、水HO、酸素O及び陽極9から供給された電子が反応して水酸化物イオンOHを生じる。
なお、陽極9側で生じるアノード反応と陰極11a〜11p側で生じるカソード反応の一方の反応のみが大きく低下するのを抑制するために、陰極11a〜11pを配置する間隔を各陰極11a〜11pの幅Hとほぼ同じになるように、すなわち陽極9の露出部分の幅と各陰極11a〜11pの幅Hをほぼ同じにして、アノード反応とカソード反応の反応面を同等の大きさにするのが好ましい。
上記のように、アノード反応とカソード反応が陽極9と陰極11aにおいてそれぞれ生じることで、陽極9から陰極11aへ順次電子eが供給されると共に陰極11aから陽極9へ腐食電流Aが流れる。そして、この腐食電流Aは、アノード反応とカソード反応の反応速度に依存したもの、すなわち反応に使用される水HOおよび酸素Oなどの腐食成分の量に依存したものとなる。
このため、電極部4a〜4pにおいて互いに独立した腐食回路Tが形成されると、それぞれの腐食回路Tには、各電極部4a〜4pの周辺の酸素濃度および湿度などの腐食環境性に応じた腐食電流Aが流れることになる。例えば、間隙部Gの開口部付近では、日光が差し込むため湿度が低くなり、アノード反応およびカソード反応の速度が遅くなることで腐食電流Aが小さくなる。一方、間隙部Gの奥部Rでは、日光が差し込まないため湿度が高く、アノード反応およびカソード反応の速度が速くなることで腐食電流Aが大きくなる。また、構造物Sに水をまくなどして間隙部G内に局所的に水分が滞水している場合には、滞水が生じた場所に位置する電極部のみに大きな腐食電流Aが流れる。
このように、電極部4a〜4pには、それぞれ周辺の腐食環境性に応じた腐食電流Aが流れ、この腐食電流Aが測定部2によりそれぞれ測定される。
ここで、電極部4a〜4pに腐食電流Aが流れる際に、陽極9ではアノード反応により金属原子が水分W中に溶解しており、この金属原子が水分W中で酸化されることで陽極9に腐食が発生する。本発明では、センサ領域15を小さく形成するために陽極9の露出部分、すなわち陽極9に腐食が発生する部分も小さく形成されており、例えば上記のACMセンサのように陽極9と陰極11a〜11pを鉄と銀または亜鉛と銀などで構成すると、陽極9が短期間のうちに腐食するため、センサ部1を交換する頻度が高くなってしまう。
そこで、陽極9は、錆などの腐食生成物が表面に堆積しにくい材料、例えばフェライト系ステンレス鋼から構成されるのが好ましい。また、陽極9と陰極11a〜11pの間の電位差は、所定の範囲、具体的にはSUS430(陽極9)とカーボン(陰極11a〜11p)の電位差またはSUS430(陽極9)と銀(陰極11a〜11p)の電位差程度に保つのが好ましい。
このようにして、電極部4a〜4pにそれぞれ流れる電流値に基づいて、構造物Sの間隙部G内における腐食環境性および腐食成分の分布が評価される。
本実施の形態によれば、複数の電極部4を有すると共にセンサ領域15をほぼ一様に薄く形成することにより、構造物Sに形成された間隙部Gにセンサ領域15を容易に挿入して間隙部G内の腐食環境性を細かく測定することができる。
次に、腐食センサの製造方法について説明する。
まず、図4(A)に示すように、矩形形状を有する基板3を形成する。この基板3は、紙フェノールまたはガラスエポキシ等の薄層形成可能な絶縁性樹脂により、例えば0.8mm程度に薄く形成される。次に、基板3の表面上に、図4(B)に示すように、基板3の全体にわたって平面状に延在する陽極9を接合する。陽極9は、フェライト系ステンレス鋼から構成され、例えば0.8mm程度に薄く形成されたものである。
続いて、図4(C)に示すように、陽極9の表面上に、めっきまたはスクリーン印刷により、窒化ホウ素などの絶縁材料を例えば30μm以下の薄さで薄層状に塗布する。この時、センサ領域15以外の部分についてはその全て覆うように絶縁材料が塗布され、センサ領域15については部分的に陽極9の表面が露出するように絶縁材料が塗布される。センサ領域15に塗布される絶縁材料は、直線状に細長く延びる複数の絶縁部が先端12付近から後端部13に向かって一定の間隔を空けて平行に並ぶように塗布される。これにより、センサ領域15に複数の絶縁部10が形成されると共にセンサ領域15以外の部分に絶縁層7が形成され、複数の絶縁部10と絶縁層7が互いに同一平面内に位置される。このようにして、複数の絶縁部10と絶縁層7を一度に形成することができると共にセンサ部1をほぼ一様に薄く形成することができる。
次に、図4(D)に示すように、複数の絶縁部10の表面上に、めっきまたはスクリーン印刷により、カーボンペーストまたは銀ペーストなど、陽極9に対して貴な導電性材料を例えば30μm以下の薄さでそれぞれ薄層状に塗布して複数の陰極11を形成する。
これにより、陽極9、複数の絶縁部10および複数の陰極11から複数の電極部4が形成され、陽極9を平面形状の共通電極とすると共に複数の絶縁部10と複数の陰極11を薄層状に塗布して形成することにより、センサ領域15をほぼ一様に薄く形成することができる。
続いて、図4(E)に示すように、絶縁層7の表面上に、めっきまたはスクリーン印刷により、銀ペーストなどの金属材料を例えば30μm以下の薄さでそれぞれ薄層状に塗布して複数の配線部6を形成する。このように、複数の配線部6を薄層状に塗布して形成することにより、センサ部1をほぼ一様に薄く形成することができる。
そして、図4(F)に示すように、センサ領域15以外の部分に絶縁材料を塗布して複数の配線部6を覆うことにより保護層8を形成し、センサ部1が作成される。そして、センサ部1の複数の配線部6に、それぞれ測定部2を接続することにより、腐食センサが完成する。
このように、複数の絶縁部10、複数の陰極11および複数の配線部6をめっきなどにより薄層状に形成することにより、センサ領域15を容易に薄く形成することができると共にセンサ部1全体を薄く形成することができる。
なお、上記の実施の形態では、センサ領域15において複数の陰極11は、それぞれ直線状に細長く延びた形状を有し、センサ部1の先端部12付近から後端部13に向かって互いに平行にならべて配置されたが、複数の電極部4により腐食環境性を測定できればよく、これに限られるものではない。
例えば、図5に示すように、複数の陰極17は、センサ部1の先端部12の縦方向Mおよび横方向Lに平面状に広がるように、すなわち格子状に配置することができる。このように、複数の陰極17を格子状に配置することにより、構造物Sの間隙部G内における腐食環境性を2次元的に詳細に検出することができる。
また、センサ部1の先端部12に近いほど複数の陰極を密に配置することもできる。例えば、図6に示すように、センサ領域15を先端部分15aと後端部分15bに分け、先端部分15aには複数の陰極18を密に配置すると共に後端部分15bには複数の陰極18を疎に配置することができる。また、図7に示すように、センサ部1の先端部12付近には複数の陰極19を格子状に配置すると共に、これより後端側では細長く延びた複数の陰極19を一列に並べて配置することもできる。
構造物Sの間隙部G内では、通常、奥部Rに水分などの腐食成分が多く存在するため、その奥部Rに配置されるセンサ部1の先端部12付近に陰極を密に配置することで、腐食が発生し易い部分の腐食環境性を詳細に測定することができる。
また、上記の実施の形態では、複数の配線部6は、互いに同一平面内に位置するように形成されたが、厚さ方向に高さが異なる位置にわかれて多層に配置することもできる。例えば、図8に示すように、複数の配線部20を保護層8内に3つの層に分けて配置することができ、各層毎に金属材料を薄層状に塗布して形成する。このように、複数の配線部20を多層にわけて配置することにより配線の経路の自由度が増し、センサ部1の縦方向Mおよび横方向Lの長さを小さく形成することができる。
また、基板1および陽極9の厚さをさらに薄く形成して、センサ部1の厚さを1mm以下にすることで、センサ部1を湾曲可能に形成することができる。これにより、構造物Sの間隙部Gの形状に応じてセンサ部1を変形させることができ、様々な形状の間隙部G内にセンサ部1を配置することができる。
次に、腐食センサを用いて実際に腐食環境性を測定した実施例について説明する。
図9に示すように、0.1wt%NaCl水溶液R1を入れた容器に、腐食センサのセンサ部1の一部が0.1wt%NaCl水溶液R1中に入るように腐食センサを設置する。この図9では、センサ部1が、先端部12を先頭にして0.1wt%NaCl水溶液R1中に入れられ、センサ領域15に配置された16個のチャンネルC1〜C16のうち、先端部12に近い1番目のチャンネルC1から14番目のチャンネルC14までを完全に0.1wt%NaCl水溶液R1中に浸漬させると共に15番目のチャンネルC4が0.1wt%NaCl水溶液R1と気相R2の界面(気液界面R3)付近に位置し、さらに16番目のチャンネルC16が気相R2中に位置するように配置されている。なお、測定部2には、電流レンジが0.1nA〜100mAの無抵抗電流計を用い、1分毎に各チャンネルに流れる電流を測定した。
図10に、25時間の間にチャンネルC13〜C16でそれぞれ検出された腐食電流Aの値を示す。ここで、チャンネルC15は、0.1wt%NaCl水溶液R1中に浸漬された状態で測定を開始し、20時間程度を経過した時に気液界面R3に移動されている。その結果、気相R2中に配置されたチャンネルC16において腐食電流Aはほぼ検出されなかったのに対し、測定時間を通して0.1wt%NaCl水溶液R1中に配置されたチャンネルC13およびC14では腐食電流Aが検出され、その電流値は0.003μAの範囲である程度安定して推移している。このことから、各チャンネルへの水分Wの付着による腐食回路Tの形成を検出し、その形成された腐食回路Tに流れる腐食電流Aを精度よく測定できることがわかる。
また、チャンネルC15では、0.1wt%NaCl水溶液R1中に浸漬されている時にはチャンネルC13およびC14と同様にある程度安定して電流値が推移しているのに対し、20時間程度を経過した時に0.1wt%NaCl水溶液R1から気液界面R3に移動されると、急激な電流値の上昇が観察された。
一般的に、気液界面R3では水膜が薄くなり気相R2から酸素が供給されることにより水溶液R1中に比べて腐食速度が増加することが知られており、チャンネルC15で観察された電流値の上昇は、チャンネルC15周辺の腐食環境が急激に悪化したことを反映していることが示唆される。このことから、各チャンネルに付着した水分Wに含まれる腐食成分の濃度が変化した場合でも、その変化に応じた腐食電流Aを精度よく測定することができ、腐食環境性の変化を明確に捉えられることがわかる。
また、図11に、容器内の水溶液に対してチャンネルC1〜C16の位置を固定した時の各チャンネルC1〜C16に流れる電流値を示す。ここで、チャンネルC1〜C3は水溶液R1中に完全に浸漬させると共にチャンネルC4は気液界面R3に正確に位置させ、チャンネルC5〜C16は気相R2に位置させている。このように、水溶液R1中に浸漬されたチャンネルC1〜C3に対して、気液界面R3に位置されたチャンネルC4において顕著に電流値の上昇が観察された。このことから、各チャンネルC1〜C16に付着した水分Wに含まれる腐食成分の濃度の違いを腐食電流Aの値として精度よく測定することができ、腐食成分の分布を明確に捉えられることがわかる。
このように、本発明の腐食センサにより、各チャンネルに付着した腐食成分の違いに応じた腐食電流Aを測定して、腐食環境性を高精度に測定することができる。
また、複数の電極部4において、陽極9と複数の陰極11の電位差を所定の範囲(SUS430とカーボンの電位差またはSUS430と銀の電位差程度)に保つことで、センサ領域15を小さく形成したにもかかわらず、陽極9の腐食による電極のダメージを長期間抑制し、上記のように腐食環境性を高精度に検出する状態を長期間にわたって維持することができた。特に、陽極9をSUS430で構成すると共に複数の陰極11をカーボンで構成することにより、陽極9の腐食によるダメージを長期間にわたって抑制して、腐食環境性の検出をより長く維持することができた。
実施の形態2
実施の形態1の腐食センサにおいて、複数の陰極11と陽極9の電位差をそれぞれ測定し、複数の電極部4の間の電位差の変動に基づいて、測定部2で測定された電流値をキャリブレーションするキャリブレーション部をさらに備えることができる。
例えば、図12に示すように、それぞれの電極部4に対応して配置され、陽極9と陰極11に接続された複数の電圧測定器21と、複数の電圧測定器21に接続されると共に実施の形態1において測定部を構成する電流測定器2に接続された較正値算出部22とを有するキャリブレーション部23を備えることができる。
複数の電圧測定器21は、各電極部4に配置された陽極9と陰極11の電位差をそれぞれ測定するものであり、測定した電位差を較正値算出部22に出力する。
一方、電流測定器2は、複数の電極部4にそれぞれ形成された腐食回路を流れる電流を測定し、その電流値を較正値算出部22に出力する。
ここで、陽極9と陰極11の電位差には、複数の電極部4の間で個体差による変動が生じる場合がある。例えば、腐食センサの使用前において、SUS430などから構成される陽極9には、その表面に生じる酸化膜の状態に起因して電位に変動が生じるおそれがある。また、腐食センサの使用時において、陽極9の電位は腐食の進行状態に応じて変動が生じるおそれがあり、陰極11の電位は汚れの付着などに起因して変動が生じるおそれがある。このようにして、複数の電極部4の間で陽極9と陰極11の電位差に変動が生じると、複数の電極部4を流れる腐食電流の電流値にズレが生じてしまう。
そこで、較正値算出部22は、複数の電圧測定器21から入力された電位差に基づいて、電位差の変動に起因して生じる電流測定器2で測定された電流値のズレを較正して較正電流値を算出する。
例えば、腐食センサを使用する前に、電圧測定器21が複数の電極部4における陽極9と陰極11の電位差をそれぞれ測定し、較正値算出部22が所定の基準値に対する電位差の変動量を求める。そして、較正値算出部22が、基準値に対する電位差の変動量に基づいて、複数の電極部4の電流値のズレをそれぞれ較正することで較正電流値を算出することができる。ここで、所定の基準値は、複数の電極部4の電位差の平均値とするのが好ましい。
また、腐食センサの使用時において、電圧測定器21が複数の電極部4における陽極9と陰極11の電位差を定期的に測定し、陽極9の一部が大きく腐食するなどして、得られた電位差の変動量が所定の閾値を超えたときに、較正値算出部22が、上記と同様にして、較正電流値を算出することができる。
このように、複数の電極部4の間で生じた電位差の変動に伴うズレが解消されるように腐食電流の電流値をキャリブレーションすることにより、腐食環境性を精度よく測定することができる。
さらに、複数の腐食センサを使用する際に、腐食センサの間において、複数の電極部4の電位差の変動に起因して生じた電流値のズレを較正することもできる。例えば、各腐食センサにおいて、電圧測定器21が複数の電極部4における陽極9と陰極11の電位差を測定し、較正値算出部22が複数の腐食センサ間における複数の電極部4の電位差の変動量を求める。そして、較正値算出部22が、複数の電極部4の電位差の変動量に基づいて、腐食センサ間で生じた複数の電極部4の電流値のズレを較正して較正電流値を算出することができる。
このように、複数の腐食センサ間において、複数の電極部4の電位差の変動に伴うズレが解消されるように腐食電流の電流値をキャリブレーションすることにより、複数の腐食センサ間の腐食環境性の違いを精度よく比較することができる。
次に、複数の腐食センサを用いて腐食環境性を測定した値をキャリブレーションした実施例について説明する。
具体的には、5.0wt%NaCl当量水溶液を入れた容器に、2つの腐食センサS1およびS2をその一部が5.0wt%NaCl当量水溶液中に入るように設置した。腐食センサS1およびS2は、それぞれ一列に配置した16個のチャンネルC1〜C16を有し、先端部に近いチャンネルC16からチャンネルC3までを完全に5.0wt%NaCl当量水溶液中に浸漬させると共にチャンネルC2が5.0wt%NaCl水溶液と気相との界面付近に位置し、さらにチャンネルC1が気相中に位置するように配置した。
図13に、腐食センサS1およびS2のチャンネルC1〜C16においてそれぞれ検出された腐食電流の値を示す。このように、腐食センサS1およびS2のチャンネルC1〜C16はそれぞれ同じ環境に曝されている、例えば、チャンネルC3〜C16は同じ5.0wt%NaCl当量の水溶液中に浸漬されているにもかかわらず互いに異なる電流値を示していることがわかる。次に、腐食センサS1およびS2について、チャンネルC1〜C16の陽極9と陰極11との間の電位差を測定した結果を図14に示す。その結果、腐食センサS1に配置されたチャンネルC1〜C16の電位差と、腐食センサS2に配置されたチャンネルC1〜C16の電位差は、3倍程度の変動が生じていることがわかった。
そこで、図13に示す腐食センサS1およびS2の電流値について、チャンネルC1〜C16の電位差がそれぞれ100mVとなるように換算した較正電流値を算出した。その結果を図15に示す。図15に示すように、電位差の変動による影響を解消することで、腐食センサS1およびS2のチャンネルC1〜C16における電流値がほぼ同じ値で分布することがわかる。
このことから、複数の腐食センサ間において、複数の電極部の電位差の変動による影響を解消することで腐食電流の電流値のズレをキャリブレーションすることができ、複数の腐食センサの間の腐食環境性の違いを精度よく比較できることがわかる。
1 センサ部、2 測定部、3 基板、4 電極部、5 端子、6,20 配線部、7 絶縁層、8 保護層、9 陽極、10 絶縁部、11,17,18,19 陰極、12 先端部、13 後端部、15 センサ領域、15a センサ領域の先端部分、15b センサ領域の後端部分、16 電線、21 電圧測定器、22 較正値算出部、23 キャリブレーション部、S 構造物、G 間隙部、R 奥部、W 水分、T 腐食回路、A 腐食電流、M 縦方向、L 横方向、H 幅、R1 水溶液、R2 気相、 R3 気液界面、C,C1〜C16 チャンネル、S1,S2 腐食センサ。

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に沿って平面状に配置される共通の陽極と、前記陽極の表面上に形成される複数の絶縁部と、前記陽極に対して貴な電位を有する導電性材料を前記複数の絶縁部の表面上にそれぞれ薄層状に塗布して形成される複数の陰極とを有する複数の電極部と
    前記複数の電極部のそれぞれに接続され、前記腐食回路が形成された時に流れる電流を測定する測定部と、
    前記複数の陰極と前記陽極との電位差をそれぞれ測定し、前記複数の電極部の間の前記電位差の変動に基づいて、前記測定部で測定された電流値をキャリブレーションするキャリブレーション部と
    を備え、
    前記複数の電極部は、前記複数の陰極が前記陽極との間で互いに独立した腐食回路を形成するように前記複数の陰極を互いに電気的に分離して構成される腐食センサ。
  2. 前記基板に対して平行に延び、前記複数の陰極を互いに電気的に分離して前記測定部に接続する複数の配線部をさらに有する請求項に記載の腐食センサ。
  3. 前記複数の配線部は、互いに同一平面内に位置するように、金属材料を薄層状に塗布して形成される請求項に記載の腐食センサ。
  4. 前記複数の配線部は、厚さ方向に高さが異なる位置にわかれて多層に配置され、各層毎に金属材料を薄層状に塗布して形成される請求項に記載の腐食センサ。
  5. 前記複数の絶縁部は、互いに同一平面内に位置するように、絶縁材料を前記陽極の表面上に薄層状に塗布して形成される請求項1〜のいずれか一項に記載の腐食センサ。
  6. 前記陽極は、フェライト系ステンレス鋼から構成される請求項1〜のいずれか一項に記載の腐食センサ。
  7. 前記複数の陰極はカーボンから構成されると共に、前記陽極はSUS430から構成される請求項に記載の腐食センサ。
  8. 前記基板は、紙フェノールまたはガラスエポキシから構成される請求項1〜のいずれか一項に記載の腐食センサ。
  9. 基板と、
    前記基板の表面に沿って平面状に配置される共通の陽極と、前記陽極の表面上に形成される複数の絶縁部と、前記陽極に対して貴な電位を有する導電性材料を前記複数の絶縁部の表面上にそれぞれ薄層状に塗布して形成される複数の陰極とを有する複数の電極部と
    を備え、
    前記複数の電極部は、前記複数の陰極が前記陽極との間で互いに独立した腐食回路を形成するように前記複数の陰極を互いに電気的に分離して構成され、
    前記基板は矩形形状を有し、前記複数の電極部は前記基板の先端部付近に配置され、前記基板の先端部に近いほど前記複数の陰極が密に配置される腐食センサ。
  10. 前記複数の陰極は、それぞれ直線状に細長く延びた形状を有し、前記基板の先端部付近から後端部に向かって互いに平行に一列に並べて配置される請求項に記載の腐食センサ。
  11. 前記複数の陰極は、格子状に並べて配置される請求項または10に記載の腐食センサ。
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