JP6084905B2 - 電池及び電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池及び電池の製造方法に係り、例えば車載用途等に使用される角形二次電池及びその製造方法に関する。
例えばリチウムイオン二次電池等の電池においては、円柱形状や直方体形状の電池容器が用いられている。例えば車載用途の電池は、通常、複数の電池を組み合わせた組電池として車両に搭載されるため、小型化が重要な問題となっている。このような車載用途の電池では、電池の実装密度を向上させる観点から直方体形状の角形電池が用いられている。
角形電池において、気密性を維持しつつ電池蓋及び電池容器の製作コストの増加を最小限に抑えるために、電池蓋と電池容器の隙間に公差を設定する技術が開示されている(下記特許文献1を参照)。特許文献1では、電池蓋に嵌入部とフランジ部を設け、嵌入部を電池容器の開口部に嵌入し、フランジ部を電池容器の開口部の端面に当接させている。そして、電池蓋の周縁部に上方からレーザービームを照射することにより、電池蓋と電池容器とを溶接し、電池蓋によって電池容器の開口部を封止している。
特開2011−181215号公報
しかしながら、前記従来の電池では、電池蓋と電池容器の溶接時に溶融した金属の量が過大になると、該溶融した金属が凝固することで形成される溶接部が、電池の製品外形を規定する電池容器の側面よりも外側に突出する虞がある。溶接部の電池容器側面からの突出は、例えば複数の電池により組電池を構成する際に、溶接部と他の部材との干渉を生じさせ、電池の適正な配置を阻害し、組電池の小型化を阻害する要因となっている。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、電池容器に電池蓋が溶接される場合に、溶接部が電池容器の側面よりも外側に突出することを防止でき、組電池の小型化が可能な電池を提供することにある。
前記の目的を達成すべく、本発明の電池は、電極群と、該電極群を収容配置する電池容器と、該電池容器の上方開口部を溶接封止する電池蓋と、を備えた電池であって、前記電池容器の外周側面の上端平面を、前記電池蓋の外周側面の下端平面よりも大きくして、前記電池容器の前記上端平面に溶接可能部分を形成し、前記上端平面の前記溶接可能部分と前記電池蓋の前記外周側面とで形成される全周は、前記溶接可能部分の外周端部と前記電池蓋の前記外周側面の上方端部とを残して溶接されて溶接部を形成していることを特徴とする。
本発明の電池は、電池蓋により電池容器を溶接封止する際に、電池容器の上端平面に溶接可能部分を形成し、該溶接可能部分の外周端部と電池蓋の外周側面の上方端部を残して、該溶接可能部分と電池蓋の外周側面とにより形成される全周を溶接したので、溶接時に溶融した金属を前記溶接可能部分において凝固させ、溶接部が電池容器の外周側面よりも外側に突出することを防止できる。したがって、複数の電池により組電池を構成する際に、溶接部が干渉することを防止して各電池を適切に配置することができ、組電池を小型化することが可能になる。
本発明の電池の実施形態1を示す斜視図。 図1に示す電池の分解斜視図。 図1及び図2に示す電池蓋と電池容器を簡略化して示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は平面図。 図3に示す電池蓋と電池容器のIV‐IV線に沿う断面図。 図4に示す電池蓋の凸部を説明する部分断面図。 図4に示すVI部の拡大図であり、(a)は溶接前の部分拡大断面図、(b)は溶接後の部分拡大断面図。 本発明の電池の実施形態2を示す図であり、(a)は溶接前の部分拡大断面図、(b)は溶接後の部分拡大断面図。 本発明の電池の実施形態3を示す図であり、(a)は溶接前の部分拡大断面図、(b)は溶接後の部分拡大断面図。 本発明の電池の実施形態4を示す図であり、(a)は溶接前の部分拡大断面図、(b)は溶接後の部分拡大断面図。 比較例の電池を示す図であり、(a)は溶接前の部分拡大断面図、(b)は溶接後の部分拡大断面図。
以下、本発明の電池の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明の電池の実施形態1を示す斜視図である。図2は、図1に示す電池の分解斜視図である。本実施形態の電池1は、角形リチウムイオン二次電池であり、例えば複数の電池1を組み合わせた組電池として電気自動車等に搭載されるものである。電池1は、正負の電極を積層した電極群4と、電極群4を収容する電池容器2と、電池容器2の上方開口部2aを封止する電池蓋5とを有している。電池容器2と電極群4との間には、絶縁シート3が配置されている。
本実施形態において、電池1の外装容器を構成する電池容器2及び電池蓋5は、共にアルミニウム合金で製作されている。電池容器2は、アルミニウム合金の素材を深絞り加工することにより扁平な直方体形状に形成され、長方形の上方開口部2aと、外周側面である幅の狭い側面2c及び幅の広い側面2dと、底面2eとを有している。電池容器2の肉厚は、深絞り加工により任意に設定することができる。なお、本実施形態の説明で用いる上下左右は、電池1の構成を説明するための便宜的な方向付けであり、必ずしも鉛直方向或いは水平方向を意味しない。
ここで、本実施形態の電池1における特徴的な構成を有する外装容器について、図3〜図6を用いて詳細に説明する。図3は、図1及び図2に示す電池容器2及び電池蓋5を簡略化して示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は平面図である。図4は、図3に示す電池容器2の上方開口部2aを電池蓋5によって塞いだ状態におけるIV-IV線に沿う断面図である。図3〜図6では、電池容器2及び電池蓋5以外の構成の図示は省略している。
電池容器2は、側面2c,2dの上端に上端平面2bを有している。上端平面2bは、電池容器2の肉厚に等しい幅を有して上方開口部2aの周囲に形成された平坦な面である。図3(b)に示すように、電池容器2の上端平面2bにおける外形は、電池蓋5の外形よりも大きくされている。すなわち、電池容器2の平面視における外形寸法が、電池蓋5の平面視における外形寸法よりも一回り大きい。そのため、電池容器2の上方開口部2aを電池蓋5によって塞いだ状態において、電池蓋5の外周側面5aは、電池容器2の側面2c,2dよりも内側に配置される。これにより、電池蓋5の外周側面5aの外側において電池容器2の上端平面2bが露出して溶接可能部分2b1が形成される。
ここで、電池蓋5の外周側面5aが電池容器2の側面2c,2dよりも内側に位置するとは、図4に示す断面図において、電池容器2の側面2c,2dと平行な電池容器2の中心線CLから電池蓋5の外周側面5aまでの距離が、同中心線CLから電池容器2の側面2c,2dまでの距離よりも近いことを意味する。これは、後述する溶接部Wと電池容器2の側面2c,2dとの関係についても同様である。
図5は、電池蓋5の下面すなわち電池容器2の上方開口部2aに対向する面が上方に向くように裏返した状態の電池蓋5の一部を拡大して示す斜視図である。電池蓋5は、下面側の周縁部を除く内側部分に形成された凸部5bと、周縁部に形成されたフランジ部5cとを有している。凸部5bは、フランジ部5cに対して電池蓋5の厚さ方向に突出している。電池蓋5は、フランジ部5cにおける厚みが凸部5bにおける厚みよりも薄くされ、下面側においてフランジ部5cと凸部5bとの間に厚さ方向の段差を有している。電池蓋5の外周側面5aの下端には、電池容器2の上端平面2bに当接する下端平面5c1が形成されている。すなわち、本実施形態では、フランジ部5cの下面が下端平面5c1とされている。下端平面5c1は、電池容器2の上端平面2bと密着可能な平坦な面である。電池蓋5は、図4に示すように凸部5bが電池容器2の上方開口部2aに内嵌合することで、外周側面5aの下端平面5c1が、電池容器2の側面2c,2dの上端平面2bと当接するように形成されている。
図6は、図4に示すVI部の拡大図であり、(a)は電池蓋5と電池容器2との溶接前の状態を示し、(b)は電池蓋5と電池容器2との溶接後の状態を示している。図6(a)に示すように、電池容器2の上端平面2bが電池蓋5の外周側面5aの下端平面5c1よりも大きくされることで、電池容器2の上端平面2bに溶接可能部分2b1が形成されている。ここで、上端平面2bが下端平面5c1よりも大きいとは、上端平面2bの外形輪郭が下端平面5c1の外形輪郭よりも大きく、例えば図3(b)に示す平面視において下端平面5c1の外形輪郭が上端平面2bの外形輪郭の内側に配置可能であることを意味する。
電池容器2の上方開口部2aを電池蓋5によって溶接封止する際に、電池容器2の溶接可能部分2b1の外周端部と、電池蓋5の外周側面5aの上方端部とを残して、電池容器2の溶接可能部分2b1と電池蓋5の外周側面5aとにより形成される全周を溶接することで、溶接部Wが形成される。電池蓋5と電池容器2との溶接方法については、後で詳細に説明する。
溶接部Wは、電池蓋5の外周側面5aの上端5a1に対して電池蓋5の厚さ方向に間隔d2を開けて形成され、電池蓋5の外周側面5aの上端5a1よりも下方に形成される。また、溶接部Wは、電池容器2の側面2c,2dに対して電池容器2の厚さ方向に間隔d1を開けて形成されている。これにより、溶接部Wは、電池容器2の側面2c,2dよりも内側に形成されている。
溶接部Wは、電池蓋5と電池容器2との溶接時に少なくとも電池蓋5と電池容器2の一部が溶融することで生成した溶融金属が混合して凝固することで、電池蓋5の外周側面5aと電池容器2の上端平面2bとの間に、電池容器2の上方開口部2aの全周に亘って形成される。すなわち、電池蓋5と電池容器2とは、電池蓋5の外周側面5aと電池容器2の上端平面2bの溶接可能部分2b1との間に溶接部Wを形成する、隅肉溶接によって接合されている。なお、本実施形態の溶接部Wは、主に電池蓋5の一部を選択的に溶融させることにより形成されている。
電池蓋5は、電池容器2に溶接された状態において、外周側面5aの上方端部が、溶接時に溶融されない第1の非溶融部5a2とされている。すなわち、溶接部Wは、非溶融部5a2よりも下方の電池蓋5の外周側面5aと、電池容器2の上端平面2bとの間に形成されている。また、電池容器2は、電池蓋5が溶接された状態において、溶接可能部分2b1の前記外周端部が、溶接時に溶融されない第2の非溶融部2b2とされている。すなわち、溶接部Wは、電池容器2の非溶融部2b2よりも内側の上端平面2bである溶接可能部分2b1と、電池蓋5の外周側面5aとの間に形成されている。要するに、溶接部Wは、電池蓋5の外周側面5aにおいて非溶融部5a2の下方で、かつ電池容器2の溶接可能部分2b1において非溶融部2b2の内側に形成されている。
電池蓋5は、凸部5bが電池容器2の上方開口部2aに内嵌合することで、外周側面5aの下端平面5c1が電池容器2の側面2c,2dの上端平面2bと当接し、外周側面5aが電池容器2の側面2c,2dの内側でかつ上端平面2b上に配置されるように、寸法が規定されている。図6(a)に示すように、電池蓋5は、例えば凸部5bから外周側面5aまでの寸法Lが、電池容器2の厚さTすなわち上端平面2bの幅以下となるように形成されている。また、凸部5bは、その外形寸法が電池容器2の上方開口部2aの開口寸法よりも一回り小さく設定され、電池容器2の上方開口部2aに内嵌合した状態で、電池容器2の内周面2fとの間に間隙Gが形成される。すなわち、凸部5bの外周側面と電池容器2の内周面2fとは、間隙Gを挟んで対向する。
次に、本実施形態の電池1のその他の構成について説明する。図1及び図2に示すように、電池蓋5には、正極外部端子6と、負極外部端子7と、注液口8と、ガス排出弁9が設けられている。正極外部端子6及び負極外部端子7には、それぞれ接続板10及び11が接続されている。正極外部端子6、負極外部端子7及び接続板10,11は、図示しない絶縁材によって電池蓋5と電気的に絶縁されている。注液口8は、電池容器2内に電解液を注入するために電池蓋5に穿設されている。正極外部端子6及び接続板10はアルミニウム合金で製作され、負極外部端子7及び接続板11は銅合金で製作されている。注液口8は、電池容器2内に電解液を注入した後に注液栓によって封止される。ガス排出弁9は、電池容器2内の圧力が所定の圧力を超えて上昇することによって開放され、電池容器2の内部からガスを排出することで、電池容器2内の圧力を低減する。また、電池蓋5には図示しないシール材が設けられ、電池容器2内の電解液の漏れを防止している。
電池容器2に収容される電極群4は、例えば扁平状の捲回電極群であり、正負の電極である帯状の正極板と負極板を、これらの間に絶縁体であるセパレータを介在させて積層し、この積層体を捲回軸周りに扁平状に捲回することにより形成されている。正極板と負極板は、それぞれ集電箔上に活物質合剤を塗布することにより構成されている。正極板の幅方向の一端と、負極板の幅方向の一端は、それぞれ活物質合剤が塗布されずに集電箔が露出した未塗工部とされている。各未塗工部は、正極板と負極板の積層時に互いに幅方向の反対側に配置され、それぞれ電極群4の捲回軸方向の一端と他端に位置して接続板10,11に電気的に接続されている。
次に、本実施形態の電池1の作用について説明する。本実施形態の電池1は、例えば複数の電池1を組み合わせた組電池として電気自動車等に搭載され、外部端子6,7を介して電極群4に充電した電力をモータ等の車載装置に供給し、あるいは、外部端子6,7を介して電気自動車の発電装置から供給される電力を電極群4に充電する。
本実施形態の電池1の電池容器2は、電池容器2の側面2c,2dの上端平面2bが電池蓋5の外周側面5aの下端平面5c1よりも大きくされている。これにより、電池容器2の上端平面2bの外縁に位置する電池容器2の側面2c,2dが、電池蓋5の下端平面5c1の外縁に位置する電池蓋5の外周側面5aよりも外側に位置している。そのため、複数の電池1によって組電池を構成した時に、電池蓋5の外周側面5aが電池容器2の側面2c,2dよりも外側に張り出すことが防止され、周辺の部材と干渉することが防止される。また、電池容器2の上端平面2b上において、電池蓋5の外周側面5aと電池容器2の側面2c,2dとの間に、溶接部Wを形成するためのスペースとして、溶接可能部分2b1を形成することができる。これにより、溶接部Wを形成する際の溶融金属の量が増加した場合であっても、溶接部Wと電池容器2の側面2c,2dとの間に間隔d1を開けることが容易になると共に、溶接部Wと電池蓋5の外周側面5aの上端5a1との間に間隔d2を開けることが容易になる。
また、本実施形態の電池1は、電池容器2の上端平面2bの溶接可能部分2b1と電池蓋5の外周側面5aとで形成される全周が、溶接可能部分2b1の外周端部の非溶融部2b2と電池蓋5の外周側面5aの上方端部の非溶融部5a2とを残して溶接されて、溶接部Wが形成されている。これにより、非溶融部5a2の近傍で溶融した金属を、その粘性或いは表面張力によって非溶融部5a2の近傍に保持し、溶融した金属が外側或いは下方に移動することを抑制することができる。さらに、電池容器2の溶接可能部分2b1の外周端部が非溶融部2b2とされることで、非溶融部2b2の近傍で溶融した金属を、その粘性或いは表面張力によって非溶融部2b2の内側に保持し、溶融した金属が非溶融部2b2を超えて外側に流れ出ることを防止することができる。これにより、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dよりも内側に形成され、側面2c,2dよりも外側に突出することが防止される。したがって、複数の電池1により組電池を構成する際に、溶接部Wが他の部材と干渉することを防止して電池1を適正に配置することができ、組電池を小型化することが可能になる。
また、溶接部Wを形成する際には、主に電池蓋5の外周側面5aの一部を溶融させるが、電池蓋5の外周側面5aの上方端部を非溶融部5a2として残すことで、溶接時に溶融される金属量を必要最小限に留めることができる。したがって、電池蓋5が非溶融部5a2を有さない場合と比較して、電池容器2の厚さ方向における溶接部Wの寸法w1、及び、電池蓋5の厚さ方向における溶接部Wの寸法w2を小さくすることができる。これにより、溶接部Wと電池容器2の側面2c,2dとの間に間隔d1を開けて、溶接可能部分2b1の外周端部を非溶融部2b2として残すことが容易になる。また、溶接部Wが電池蓋5の外周側面5aの上端5a1に達することがなく、電池蓋5の上面よりも上方に突出することがない。そのため、電池蓋5の上面を基準面として電池1を配置して、電池1の部品の組み付けを行ったり、複数の電池1からなる組電池を製作したりすることが可能になる。
また、本実施形態の電池1は、電池蓋5が電池容器2の上方開口部2aに内嵌合する凸部5bを有している。そのため、例えば電池蓋5において凸部5bから外周側面5aまでの寸法Lを、例えば電池容器2の厚さTすなわち上端平面2bの幅よりも小さくすることで、電池蓋5が電池容器2の上方開口部2aに内嵌合した時に、電池蓋5の外周側面5aを電池容器2の側面2c,2dよりも内側に位置させることができる。また、凸部5bと電池容器2の内周面2fとの間の間隙Gによって、溶接時における電池蓋5又は電池容器2の熱膨張による影響を緩和し、電池蓋5又は電池容器2の寸法精度を向上させ、或いは溶接部Wにおける残留応力を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の電池1によれば、電池容器2に電池蓋5を溶接した場合でも、電池1の溶接部Wが電池1に隣接する部材と干渉することを防止して、複数の電池1を適正に配置することができ、コンパクトな組電池を提供することが可能になる。
(電池の製造方法)
次に、本実施形態の電池1の製造方法について説明する。まず、電池容器2の側面2c,2dの上端平面2bを、電池蓋5の外周側面5aの下端平面5c1よりも大きくして、電池容器2の上端平面2bに溶接可能部分2b1を形成する。すなわち、電池1の平面視において、電池容器2の側面2c,2dにより規定される電池容器2の外形寸法が、電池蓋5の外周側面5aにより規定される電池蓋5の外形寸法よりも大きくなるように、電池容器2及び電池蓋5の外形寸法を規定する。例えば、電池蓋5に前述の凸部5bとフランジ部5cを形成し、電池容器2の上方開口部2aに凸部5bが内嵌合したときに、外周側面5aが電池容器2の側面2c,2dの内側でかつ上端平面2b上に位置するように、電池容器2及び電池蓋5の外形寸法を規定する。
次に、電池蓋5に、正極外部端子6、負極外部端子7、注液口8及びガス排出弁9等を設け、正極外部端子6及び負極外部端子7にそれぞれ接続板10及び11を接続する。また、正負の電極である正極板と負極板とを間に絶縁体であるセパレータを介在させて積層し、捲回軸周りに捲回することで電極群4を製造し、電極群4の捲回軸方向の一端と他端の集電箔が露出した未塗工部に接続板10及び11を接続する。その後、電池容器2の内周面2fと電極群4との間に絶縁シート3を介在させた状態で電極群4を電池容器2内に収容配置する。同時に、電池容器2の上方開口部2aに電池蓋5の凸部5bを内嵌合させ、電池蓋5の外周側面5aの下端平面5c1を電池容器2の側面2c,2dの上端平面2bに当接させて、電池容器2の上方開口部2aを塞ぐ。これにより、電池容器2と電池蓋5は、図6(a)に示す状態となる。
次に、電池蓋5の外周側面5aに対して傾斜した高エネルギービームEBを、電池蓋5の斜め上方から、電池蓋5の外周側面5aの一部に照射する。高エネルギービームEBとしては、例えばレーザービームや電子ビームを用いることができる。レーザービームとしては、例えばCOレーザーやYAGレーザーを用いることができる。また、高エネルギービームEBの照射位置は、電池蓋5の外周側面5aの下端部近傍とすることができる。このとき、電池容器2の溶融量を可能な限り少なくするために、高エネルギービームEBが電池容器2に直接照射されないように調整することが好ましい。
そして、電池容器2の側面2c,2dの上端平面2bの溶接可能部分2b1と電池蓋5の外周側面5aとで形成される全周を、溶接可能部分2b1の外周端部(非溶融部2b2)と電池蓋5の外周側面5aの上方端部(非溶融部5a2)とを残して溶接し、溶接部Wを形成する。この際、溶接部Wが、電池蓋5の外周側面5aの上端5a1に対して電池蓋5の厚さ方向に間隔d2を開けて形成されると共に、電池容器2の側面2c,2dに対して電池容器2の厚さ方向に間隔d1を開けて形成されるように、高エネルギービームEBの照射範囲、強度、照射時間等を設定する。本実施形態では、電池蓋5の外周側面5aの下端部に高エネルギービームEBを照射することで、主に電池蓋5が溶融されると共に、電池容器2の上端平面2bの一部も溶融される。そして、図6(b)に示すように、電池容器2の溶接可能部分2b1の外周端部である非溶融部2b2と、電池蓋5の外周側面5aの上方端部である非溶融部5a2とを残して、溶接部Wが形成される。これにより、電池容器2の上方開口部2aの全周に亘って、電池容器2の側面2c(2d)よりも内側でかつ電池蓋5の外周側面5aの上端5a1よりも下方に溶接部Wが形成される。
溶接部Wが形成されることで、電池蓋5により電池容器2の上方開口部2aが溶接封止される。その後、電池蓋5の注液口8から電池容器2内に電解液を注入し、注液栓によって注液口8を封止する。以上により、本実施形態の電池1が完成する。
本実施形態の電池1の製造方法においては、前述のように電池蓋5の外周側面5aに対して傾斜した高エネルギービームEBを、電池蓋5の上方から、少なくとも電池蓋5の外周側面5aの一部に照射している。これにより、電池容器2の溶接可能部分2b1の外周端部である非溶融部2b2と、電池蓋5の外周側面5aの上方端部である非溶融部5a2とを残して、電池容器2の溶接可能部分2b1と電池蓋5の外周側面5aとを全周に亘って溶接して溶接部Wを形成することができる。
これに対して、図10(a)に示すように、電池容器2の真上から電池蓋5の周縁部に電池容器2の側面2c(2d)に対して平行に高エネルギービームEBを照射した場合には、電池蓋5の外周側面5aの全体が溶融される。そのため、溶融した金属が電池蓋5の外周側面5aで保持されず、溶融した金属が外側及び下方へ流れやすくなる。加えて、溶融される金属の体積が増加し、電池蓋5の外周側面5aと電池容器2の側面2c(2d)との間のスペースに対して溶融金属の体積が過大になりやすい。このように、電池蓋5の外周側面5aにおいて溶融金属が外側及び下方へ流れやすくなり、或いは前記のスペースに対して溶融金属の体積が過大になると、溶融金属が電池容器2の側面2c,2dの外側に流れ出し、或いは溶融金属が表面張力により電池容器2の側面2c(2d)の外側に膨出した状態で凝固し、溶接部Wが電池容器2の側面2c(2d)よりも外側に突出して形成されることがある。高エネルギービームEBの出力や照射時間の調整またはフランジ部5cの板厚の調整により、溶融金属の量の調整は可能と考えられるが、溶融金属の量が少なくなり過ぎると、電池容器2と電池蓋5の溶接強度の低下や、電池容器2と電池蓋5との間の気密性の低下が懸念される。
そこで、本実施形態の電池1の製造方法においては、前述のように、電池蓋5の外周側面5aに対して傾斜した高エネルギービームEBを、電池蓋5の上方から電池蓋5の外周側面5aの一部に照射している。これにより、例えば電池蓋5の外周側面5aの下端部を選択的に溶融させ、電池蓋5の外周側面5aの上方端部を非溶融部5a2として残存させることができる。したがって、電池容器2と電池蓋5との溶接時に溶融する金属の量を必要最小限に留めることができ、電池容器2の上端平面2bの溶接可能部分2b1の外周端部を非溶融部2b2として、溶接部Wが電池容器2の側面2c(2d)よりも外側に突出することを防止することができる。また、溶接部Wが電池蓋5の外周側面5aの上端5a1から突出することも防止できる。加えて、電池蓋5を選択的に溶融させることで、電池容器2が溶融して上方開口部2aの内側に溶融金属が入り込むことを防止できる。
また、本実施形態の電池1の製造方法においては、高エネルギービームEBを電池蓋5の一部に照射している。例えばレーザービームや電子ビームは、例えば1012W/mに及ぶ高いパワー密度を有しており、材料全体を大きく加熱することなく表面近傍のみを急熱及び急冷、溶融、もしくは蒸発させることができる。すなわち、電池蓋5と電池容器2との溶接に高エネルギービームEBを用いることで、電池蓋5及び電池容器2の溶融量を必要最小限にして、溶接部Wの大きさ、例えば寸法w1及びw2を必要最小限にすることができる。また、高エネルギービームEBを用いることで、溶接幅に対して溶け込み深さの深い溶接が可能となり、溶接部Wの近傍における溶接変形、ひずみ及び熱影響の少ない精密な溶接が可能となる。また、高エネルギービームEBを用いることで、溶接部Wにおいて熱的表面改質を行うことも可能である。
なお、電池容器2と電池蓋5との溶接に電子ビームを用いる場合には、溶接を真空中で行う必要があるが、電子ビームはレーザービームと比較して制御しやすく、比較的肉厚の厚い材料の溶接に適している。一方、電池容器2と電池蓋5との溶接にレーザービームを用いる場合には、真空中の溶接を必要しない利点があり、比較的肉厚の薄い材料の溶接に適している。
以上説明したように、本実施形態の電池1の製造方法によれば、電池容器2と電池蓋5を溶接した場合に、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dよりも外側に突出することを防止することが可能になる。したがって、電池1の溶接部Wが電池1の周囲の他の部材と干渉することが防止され、複数の電池1を適切に配置することでき、コンパクトな組電池を構成可能な電池1を製造することが可能になる。
[実施形態2]
次に、本発明の電池の実施形態2について説明する。図7(a)及び(b)は、本発明の実施形態2の電池1Aを示す拡大断面図であり、前述の実施形態1の電池1の図6(a)及び(b)に相当する図である。本実施形態の電池1Aは、電池蓋5が外周側面5aの全周に亘って凹部5dを有している点で、実施形態1の電池1と異なっている。本実施形態の電池1Aのその他の部分は、前述の実施形態1の電池1と同一であるので、図1から図5を援用し、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電池1Aは、電池蓋5の外周側面5aに凹部5dを有している。凹部5dは、外周側面5aから電池容器2の内側に窪むように形成され、下端が開放されることで凹部5d内に電池容器2の上端平面2bの溶接可能部分2b1を露出させている。凹部5dは、電池容器2に近づくほど、より内側に傾斜する傾斜面5a3を有している。凹部5dは、電池容器2の上端平面2bの溶接可能部分2b1と共に、電池蓋5の外周側面5aと電池容器2の上端平面2bとの間に、断面視で三角形或いは楔形の空間を形成している。実施形態1と同様に、高エネルギービームEBを、電池蓋5の外周側面5aの下端部に位置する凹部5dの傾斜面5a3に対して斜め上方から照射することで、凹部5dと電池容器2の上端平面2bの溶接可能部分2b1との間に、図7(b)に示す溶接部Wが形成される。より詳細には、溶接部Wは、凹部5dの傾斜面5a3と電池容器2の溶接可能部分2b1との間に形成される。溶接部Wは、その少なくとも一部が凹部5dに収容されるように凹部5dに形成され、実施形態1と同様に、電池容器2の側面2c(2d)との間に間隔を有して側面2c(2d)よりも内側に形成される。また、溶接部Wは、電池蓋5の外周側面5aの上端5a1との間にも間隔を有して上端5a1よりも下方に形成されている。また、溶接部Wは、凹部5dの傾斜面5a3及び電池容器2の溶接可能部分2b1上に形成されている。
本実施形態の電池1Aによれば、実施形態1の電池1と同様の効果が得られるだけでなく、電池容器2と電池蓋5との溶接時に溶融される金属の量が増加した場合であっても、溶融した金属を凹部5dに収容して溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dの外側に突出することをより効果的に防止できる。また、電池蓋5の凹部5dが電池容器2の内側に窪んでいることから、電池蓋5が凹部5dを有さない場合と比較して、溶接時の電池蓋5の溶け込み深さを浅くした場合でも、溶接部Wを電池容器2の側面2c,2dよりも内側に形成することが容易になる。
また、本実施形態の電池1Aは、電池蓋5の凹部5dが傾斜面5a3を有することで、電池蓋5と電池容器2との溶接において開先溶接の効果が得られる。すなわち、実施形態1の隅肉溶接と比較して電池蓋5と電池容器2の溶接強度が向上するため、溶接時に溶融させる金属量を減少させた場合でも、必要な溶接強度を維持することが可能になる。したがって、電池蓋5と電池容器2の溶接時に、溶接強度を維持しつつ溶融させる金属量を減少させ、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dの外側に突出することをより効果的に防止できる。また、溶接時に溶融した金属がその粘性或いは表面張力によって電池蓋5の傾斜面5a3と電池容器の溶接可能部分2b1との間に保持されることで、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dの外側に突出することをより効果的に防止できる。
本実施形態の電池1Aにおいては、電池蓋5の外周側面5aの一部である傾斜面5a3が電池容器2の側面2c,2dよりも内側に位置し、凹部5d内に溶接部Wを収容することが可能である。そのため、電池蓋5の外周側面5aの他の一部、例えば非溶融部5a2を、電池容器2の側面2c,2dと面一に形成してもよい。換言すると、図7(a)及び(b)に示す電池容器2の一方の側面2d(2c)と平行な断面視において、電池容器2の他方の側面2c(2d)と電池蓋5の外周側面5aの一部とが、上下に一直線に並ぶように、電池蓋5を形成してもよい。
[実施形態3]
次に、本発明の電池の実施形態3について説明する。図8(a)及び(b)は、本発明の実施形態3の電池1Bを示す拡大断面図であり、前述の実施形態1の電池の図6(a)及び(b)に相当する図である。本実施形態の電池1Bは、電池蓋5の外周側面5aに形成された凹部5eの形状が、前述の実施形態2の電池1Aと異なっている。本実施形態の電池1Bのその他の部分は、前述の実施形態2の電池1Aと同一であるので、図1から図5を援用し、実施形態2の電池1Aと同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電池1Bは、実施形態2の電池1Aと同様に、電池蓋5の外周側面5aに電池容器2の内側に向けて窪む下端が解放された凹部5eが形成されている。凹部5eは、電池容器2の上端平面2bに沿う上壁面5a4と、電池容器2の側面2c(2d)に沿う側壁面5a5とを有している。凹部5eは、電池容器2の溶接可能部分2b1と共に、電池蓋5の外周側面5aと電池容器2の上端平面2bとの間に、矩形の溝状の空間を形成している。本実施形態において、側壁面5a5は電池容器2の側面2c(2d)と平行であり、上壁面5a4は電池容器2の上端平面2bと平行である。
実施形態1及び2と同様に、高エネルギービームEBを電池蓋5の外周側面5aの下端部に位置する凹部5eの側壁面5a5に斜め上方から照射することで、凹部5eの側壁面5a5と電池容器2の溶接可能部分2b1との間に、図8(b)に示す溶接部Wが形成される。本実施形態では、溶接部Wは、凹部5eの側壁面5a5だけでなく上壁面5a4に達して、上壁面5a4及び側壁面5a5と、電池容器2の溶接可能部分2b1との間に形成されている。溶接部Wは、その少なくとも一部が凹部5eに収容されるように凹部5eに形成され、実施形態1及び2と同様に電池容器2の側面2c(2d)との間に間隔を有して側面2c(2d)よりも内側に形成される。また、溶接部Wは、電池蓋5の外周側面5aの上端5a1との間にも間隔を有して上端5a1よりも下方に形成されている。
本実施形態の電池1Bによれば、実施形態2の電池1Aと同様の効果が得られるだけでなく、実施形態2の電池1Aと比較して、電池蓋5の凹部5eの容積を増加させることができる。したがって、電池容器2と電池蓋5との溶接時に溶融される金属の量が増加した場合であっても、溶融した金属を凹部5eに収容して溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dよりも外側に突出することをより効果的に防止できる。
また、本実施形態の電池1Bは、電池蓋5の凹部5eが上壁面5a4及び側壁面5a5を有することで、電池蓋5と電池容器2との溶接時に電池蓋5が溶融金属と接触する面積が増加する。すなわち、隅肉溶接と比較して電池蓋5と電池容器2の溶接強度が向上するため、溶接時に溶融させる金属の量を減少させた場合でも、溶接強度を維持することが可能になる。したがって、電池蓋5と電池容器2の溶接時に、溶接強度を維持しつつ溶融させる金属量を減少させ、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dよりも外側に突出することをより効果的に防止できる。また、溶接時に溶融した金属がその粘性或いは表面張力によって電池蓋5の上壁面5a4及び側壁面5a5と電池容器2の溶接可能部分2b1との間に保持されることで、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dよりも外側に突出することをより効果的に防止できる。
なお、本実施形態の電池1Bにおいても、電池蓋5の外周側面5aの一部である上壁面5a4及び側壁面5a5が電池容器2の側面2c,2dよりも内側に位置しているので、電池蓋5の外周側面5aの他の一部、例えば非溶融部5a2を、電池容器2の側面2c,2dと面一に形成することができる。
[実施形態4]
次に、本発明の電池の実施形態4について説明する。図9(a)及び(b)は、本発明の実施形態4の電池1Cを示す拡大断面図であり、前述の実施形態1の電池の図6(a)及び(b)に相当する図である。本実施形態の電池1Cは、電池蓋5の外周側面5aに形成された凹部5fの形状が、前述の実施形態2の電池1Aと異なっている。本実施形態の電池1Cのその他の部分は、前述の実施形態2の電池1Aと同一であるので、図1から図5を援用し、実施形態2の電池1Aと同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電池1Cは、実施形態2,3の電池1A,1Bと同様に、電池蓋5の外周側面5aに電池容器2の内側に向けて窪む下端が解放された凹部5fが形成されている。凹部5fは、電池容器2に近づくほどより内側に傾斜する傾斜面5a3と、傾斜面5a3の下端に隣接して電池容器2の側面2c(2d)に沿う側壁面5a5とを有している。凹部5fは、電池容器2の溶接可能部分2b1と共に、電池蓋5の外周側面5aと電池容器2の上端平面2bとの間に、台形状の溝状の空間を形成している。本実施形態において、側壁面5a5は電池容器2の側面2c(2d)と平行である。
実施形態1〜3と同様に、高エネルギービームEBを電池蓋5の外周側面5aの下端部に位置する凹部5fの側壁面5a5に斜め上方から照射することで、凹部5fの傾斜面5a3及び側壁面5a5と電池容器2の溶接可能部分2b1との間に、図9(b)に示す溶接部Wが形成される。溶接部Wは、その少なくとも一部が凹部5fに収容されるように凹部5fに形成され、実施形態1〜3と同様に、電池容器2の側面2c(2d)との間に間隔を有して側面2c(2d)よりも内側に形成される。また、溶接部Wは、電池蓋5の外周側面5aの上端5a1との間にも間隔を有して上端5a1よりも下方に形成されている。
本実施形態の電池1Cによれば、実施形態2,3の電池1A,1Bと同様の効果が得られるだけでなく、実施形態2,3の電池1A,1Bと比較して、電池蓋5の凹部5fの容積を増加させることができる。したがって、電池容器2と電池蓋5との溶接時に溶融される金属量が増加した場合であっても、溶融した金属を凹部5fに収容して溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dよりも外側に突出することをより効果的に防止できる。
また、本実施形態の電池1Cは、電池蓋5の凹部5fが傾斜面5a3及び側壁面5a5を有することで、電池蓋5と電池容器2との溶接時に電池蓋5が溶融金属と接触する面積が増加する。すなわち、隅肉溶接と比較して電池蓋5と電池容器2の溶接強度が向上するため、溶接時に溶融させる金属量を減少させた場合でも、溶接強度を維持することが可能になる。したがって、電池蓋5と電池容器2の溶接時に、必要な溶接強度を維持しつつ溶融させる金属量を減少させ、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dの外側に突出することをより効果的に防止できる。また、溶接時に溶融した金属がその粘性或いは表面張力によって電池蓋5の傾斜面5a3及び側壁面5a5と電池容器の上端平面2bとの間に保持されることで、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dの外側に突出することをより効果的に防止できる。
また、本実施形態の電池1Cは、電池蓋5の凹部5fが傾斜面5a3及び側壁面5a5を有することで、凹部5fの開口面積を増加させ、電池蓋5の外周側面5aの下端部に位置する側壁面5a5に斜め上方から高エネルギービームEBを照射しやすくなる。したがって、電池蓋5の凹部5fのより内側の部分を溶融させることが可能になり、溶接部Wが電池容器2の側面2c,2dよりも外側に突出することをより効果的に防止することができる。
なお、本実施形態の電池1Cにおいても、電池蓋5の外周側面5aの一部である傾斜面5a3及び側壁面5a5が電池容器2の側面2c,2dよりも内側に位置しているので、電池蓋5の外周側面5aの他の一部、例えば非溶融部5a2を、電池容器2の側面2c,2dと面一に形成することができる。
また、本実施形態では、凹部5fが傾斜面5a3の下端に隣接して電池容器2の側面2c(2d)に沿う側壁面5a5を有する場合について説明した。しかし、本実施形態の変形例として、電池蓋5の凹部は、側壁面5a5に代えて、或いは側壁面5a5と共に、傾斜面5a3の上端に隣接して電池容器2の上端平面2bに沿う上壁面を有していてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、電池容器の上端平面の溶接可能部分と電池蓋の外周側面とで形成される全周が、溶接可能部分の外周端部と電池蓋の外周側面の上方端部とを残して溶接される場合について説明した。しかし、溶接可能部分の外周端部と電池蓋の外周側面の上方端部とを残して溶接するのは、必ずしも電池容器の上端平面の全周ではなく、上端平面の一部のみであってもよい。例えば、電池を積層する方向に面する電池容器の側面上の上端平面、例えば幅の広い側面上の上端平面においてのみ、溶接可能部分の外周端部と電池蓋の外周側面の上方端部とを残して、上端平面の溶接可能部分と電池蓋の外周側面とを溶接して溶接部を形成してもよい。これにより、溶接部が幅の広い側面から積層方向に突出することを防止できる。
また、前述の実施形態では、電池蓋と電池容器の溶接時に、少なくとも電池蓋の一部に高エネルギービームを照射する高エネルギービーム溶接について説明したが、電池蓋と電池容器との溶接は高エネルギービーム溶接に限られない。電池蓋と電池容器との溶接は、例えばアーク溶接等の一般的な溶接を用いてもよい。この場合、溶接棒を用いることもできる。
1,1A,1B,1C 電池
2 電池容器
2a 上方開口部
2b 上端平面
2b1 溶接可能部分
2b2 非溶融部(外周端部)
2c,2d 側面(外周側面)
4 電極群
5 電池蓋
5a 外周側面
5a1 上端
5a2 非溶融部(上方端部)
5a3 傾斜面
5a4 上壁面
5a5 側壁面
5c1 下端平面
5d,5e,5f 凹部
G 間隙
W 溶接部

Claims (5)

  1. 電極群と、該電極群を収容配置する電池容器と、該電池容器の上方開口部を溶接封止する電池蓋と、を備えた電池であって、
    前記電池容器の外周側面の上端平面を、前記電池蓋の外周側面の下端平面よりも大きくして、前記電池容器の前記上端平面に溶接可能部分を形成し、
    前記上端平面の前記溶接可能部分と前記電池蓋の前記外周側面とで形成される全周は、前記溶接可能部分の外周端部と前記電池蓋の前記外周側面の上方端部とを残して溶接されて溶接部を形成しており、
    前記電池蓋は、前記外周側面の上端と前記溶接部との間に、前記溶接時に溶融されない非溶融部を有し、
    前記電池蓋は、前記外周側面に前記電池容器の内側に窪んで下端が開放された凹部を有し、
    前記溶接部は、前記電池蓋の前記凹部と前記電池容器の前記溶接可能部分との間に形成されることを特徴とする電池。
  2. 前記凹部は、前記電池容器に近づくほどより内側に傾斜する傾斜面を有し、
    前記溶接部は、前記凹部の前記傾斜面と前記電池容器の前記溶接可能部分との間に形成されることを特徴とする請求項に記載の電池。
  3. 前記凹部は、前記傾斜面の上端に隣接して前記電池容器の前記上端平面に沿う上壁面と、前記傾斜面の下端に隣接して前記電池容器の前記側面に沿う側壁面の少なくとも一方を有し、
    前記溶接部は、前記凹部の前記上壁面と前記側壁面の少なくとも一方と、前記電池容器の前記溶接可能部分との間に形成されることを特徴とする請求項に記載の電池。
  4. 前記凹部は、前記電池容器の前記上端平面に沿う上壁面及び前記電池容器の前記側面に沿う側壁面を有し、
    前記溶接部は、前記凹部の前記側壁面及び前記上壁面と、前記電池容器の前記溶接可能部分との間に形成されることを特徴とする請求項に記載の電池。
  5. 電極群と、該電極群を収容配置する電池容器と、該電池容器の上方開口部を溶接封止する電池蓋と、を備えた電池の製造方法であって、
    前記電池容器の外周側面の上端平面を、前記電池蓋の外周側面の下端平面よりも大きくして、前記電池容器の前記上端平面に溶接可能部分を形成する工程と、
    前記外周側面に前記電池容器の内側に窪んで下端が開放された凹部を有する前記電池蓋を用い、前記電池蓋の前記外周側面に対して傾斜した高エネルギービームを前記電池蓋の上方から前記電池蓋の前記外周側面の一部に照射することで、前記上端平面の前記溶接可能部分と前記電池蓋の前記外周側面とで形成される全周を、前記溶接可能部分の外周端部と前記電池蓋の前記外周側面の上方端部とを残して溶接し、前記電池蓋の前記凹部と前記電池容器の前記溶接可能部分との間に溶接部を形成し、前記電池蓋の前記外周側面の上端と前記溶接部との間に前記溶接時に溶融されない非溶融部を形成する工程と、
    を有することを特徴とする電池の製造方法。
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