JP6084705B2 - 自動車用バンパー - Google Patents

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Description

本発明は、連続繊維を少なくとも車幅方向および上下方向に配向した繊維強化樹脂製のバンパービームを備え、前記バンパービームの車幅方向両端部を一対のバンパービームエクステンションに支持した自動車用バンパーに関する。
繊維強化樹脂製のバンパービームを、車幅方向中央部が車幅方向両端部に対して前方に向けて突出するように弧状に湾曲させたものが、下記特許文献1、2、3により公知である。
また繊維強化樹脂製のバンパービームが、前方に向けて凹状に湾曲する車幅方向中央部と、車幅方向中央部の車幅方向両側に接続されて前方に向けて凸状に湾曲する一対の車幅方向外側部とを備えるものが、下記特許文献4により公知である。
また前方あるいは後方に向けて開放するU字状断面あるいはW字状断面を有する繊維強化樹脂製のバンパービームにおいて、前後方向の衝突荷重が入力したときにバンパービームが口開き変形するのを防止することで、バンパービームの強度を高めて衝突エネルギーの吸収性能の向上を図るものが種々提案されている。
例えば、下記特許文献1には、前方に向けて開放するW字状断面のバンパービームの内部に縦方向および横方向に延びる多数のリブを形成するとともに、バンパーフェイスの内面をバンパービームの前端に溶融樹脂で結合したものが提案されている。
また下記特許文献2には、熱可塑性樹脂と連続繊維を含む樹脂シートとを重ねてプレス成形することで後方に向けて開放するW字状断面のバンパービームを構成し、W字状断面の上下の端部に熱可塑性樹脂あるいは連続繊維を含む樹脂シートを追加して局部的に板厚を増加させたものが提案されている。
また下記特許文献3には、連続繊維を含む樹脂シートと不連続繊維を含む樹脂シートとを重ね合わせてプレス成形することで前方に向けて開放するU字状断面のバンパービームを構成し、その内部に不連続繊維を含む樹脂シートよりなる縦リブおよび横リブを形成したものが提案されている。
また下記特許文献5には、前方に向けて開放するU字状断面のバンパービームの内部に縦方向に延びる多数のリブを形成するとともに、その後端の縦壁部に車幅方向に延びる多数ビ−ドを形成したものが提案されている。
日本特開平3−224850号公報 日本特表2000−515828号公報 国際出願公開WO2013094515号公報 日本特開2009−184550号公報 日本特開平3−227750号公報
ところで、上記特許文献1、2、3に記載されたバンパービームは車幅方向中央部が前方に最も突出しているため、他車両と前面衝突した際にバンパービームの車幅方向中央部の1点に集中的に衝突荷重が入力することになる。その結果、バンパービームの中央部に大きな曲げモーメントが作用するだけでなく、車体に支持されるバンパービームの車幅方向両端部と衝突荷重が入力する車幅方向中央部との距離が大きくなることで、バンパービームの広い領域に捩じり荷重(剪断荷重)が作用して容易に破壊してしまい、充分なエネルギー吸収性能を発揮できなくなる可能性がある。
また上記特許文献4に記載されたバンパービームは、前方に向けて凸状に湾曲する一対の車幅方向外側部の先端の当接面部に衝突荷重が入力するが、二つの当接面部がクラッシュカンを介してフロントサイドフレームの前端に支持されているため、衝突荷重は真っ直ぐにクラッシュカンからフロントサイドフレームに伝達されてバンパービームに曲げモーメントが作用せず、バンパービームの曲げ変形によるエネルギー吸収効果が期待できないという問題がある。
また上記特許文献1、3及び5に記載されたものは、衝突荷重の入力時にバンパービームが口開き変形するのを防止するためには縦方向のリブを車幅方向に短い間隔で多数形成する必要があり、繊維強化樹脂が連続繊維層を有する場合には成形が困難であるばかりか、重量が増加してバンパービームを繊維強化樹脂製としたメリットを活かすことができないという問題があった。
また上記特許文献2に記載されたものは、W字状断面を有するバンパービームの底壁が前方を向いているため、衝突荷重の入力によりバンパービームが後方に湾曲したとき、バンパービームの後面に作用する引張荷重を車幅方向に延びる底壁の連続繊維層で支持することができず、曲げ荷重に対するバンパービームの強度が著しく低下するという問題があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、重量の増加を最小限に抑え、軽量であって衝突時のエネルギー吸収効果に優れ、口開き変形を防止して曲げ強度を高めたバンパービームを備える自動車用バンパーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、連続繊維を少なくとも車幅方向および上下方向に配向した繊維強化樹脂製のバンパービームを備え、前記バンパービームの車幅方向両端部を一対の衝撃吸収部材に支持した自動車用バンパーであって、前記バンパービームは、車幅方向中央部において前後方向外側に向けて凹状に湾曲する中央湾曲部と、前記中央湾曲部の車幅方向両側において前後方向外側に向けて凸状に湾曲する一対の左右湾曲部とからなり、前記左右湾曲部は、車幅方向外側に位置して前記衝撃吸収部材に接続される衝撃吸収部材接続部と、車幅方向内側に位置して前記バンパービームのうちで前後方向外側に最も突出する荷重入力部とを備え、前記バンパービームはW字状断面あるいはU字状断面を有し、少なくとも前記中央湾曲部および前記荷重入力部の範囲に、その上端および下端を前後方向内側に折り返した折り返し部を形成し、前記衝撃吸収部材接続部は少なくとも車幅方向内側の締結点および車幅方向外側の締結点で前記衝撃吸収部材の本体部に締結され、前記折り返し部の車幅方向外端は前記車幅方向内側の締結点の近傍を終端とすることを第1の特徴とする自動車用バンパーが提案される。
また本発明によれば、前記第1の特徴に加えて、前記衝撃吸収部材は、前記バンパービームの車幅方向外端を前後方向外側から係止する係止壁を備えることを特徴とする第の特徴とする自動車用バンパーが提案される。
また本発明によれば、前記第または第2の特徴に加えて、前記衝撃吸収部材接続部は前後方向および上下方向に延びる少なくとも1枚の縦リブを備え、前記折り返し部の車幅方向外端は前記縦リブの位置を超えて車幅方向外側に延びることを第の特徴とする自動車用バンパーが提案される。
また本発明によれば、前記第〜第の何れか1つの特徴に加えて、前記衝撃吸収部材は前記バンパービームの変形中心よりも車幅方向内側に延長されて前記衝撃吸収部材接続部に接続される延長部を備え、前後方向に見たときに前記延長部は前記折り返し部の前後方向内側にオーバーラップすることを第の特徴とする自動車用バンパーが提案される。
また本発明によれば、前記第〜第の何れか1つの特徴に加えて、前記バンパービームは、前後方向外側に位置する不連続繊維を含む不連続繊維強化樹脂シートと、前後方向内側に位置する連続繊維を含む連続繊維強化樹脂シートとを積層して構成されることを第の特徴とする自動車用バンパーが提案される。
また本発明によれば、前記第〜第の何れか1つの特徴に加えて、前記バンパービームはフロントバンパービームであって、フロントバンパーフェイスの空気導入口とラジエータの間に前記バンパービームを配置したことを第の特徴とする自動車用バンパーが提案される。
尚、実施の形態のバンパービームエクステンション12は本発明の衝撃吸収部材に対応し、実施の形態の上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hは本発明の折り返し部に対応し、実施の形態のリベット35は本発明の締結点に対応し、実施の形態のバンパービームエクステンション接続部B1は本発明の衝撃吸収部材接続部に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、自動車用バンパーは、連続繊維を少なくとも車幅方向および上下方向に配向した繊維強化樹脂製のバンパービームを備え、バンパービームの車幅方向両端部を一対のバンパービームエクステンションに支持して構成される。
バンパービームは、車幅方向中央部において前後方向外側に向けて凹状に湾曲する中央湾曲部と、中央湾曲部の車幅方向両側において前後方向外側に向けて凸状に湾曲する一対の左右湾曲部とからなり、左右湾曲部は、車幅方向外側に位置してバンパービームエクステンションに接続されるバンパービームエクステンション接続部と、車幅方向内側に位置してバンパービームのうちで前後方向外側に最も突出する荷重入力部とを備えるので、前後方向の衝突荷重を左右一対の荷重入力部で受けることができる。
これにより、車幅方向に配向された中央湾曲部の連続繊維に引張荷重を作用させて衝突エネルギーの吸収効率を高めることができるだけでなく、荷重が入力する荷重入力部からバンパービームエクステンション接続部までの距離を小さくして衝突荷重によりバンパービームに作用する曲げモーメントを低減し、バンパービームの必要強度を低減して軽量化を図ることができる。
また湾曲方向が切り換わる一対の左右湾曲部および中央湾曲部を備えるバンパービームを鋼板のプレス加工やアルミニウム合金の押し出し加工で製造するのは困難であるが、それを繊維強化樹脂製とすることで製造が容易になる。
また、自動車用バンパーは、前後方向外側に向けて開放するW字状断面あるいはU字状断面を有する繊維強化樹脂製のバンパービームの車幅方向両端部を一対のバンパービームエクステンションに支持される。バンパービームは、車幅方向中央部において前後方向外側に向けて凹状に湾曲する中央湾曲部と、中央湾曲部の車幅方向両側において前後方向外側に向けて凸状に湾曲する一対の左右湾曲部とからなり、左右湾曲部は、車幅方向外側に位置してバンパービームエクステンションに接続されるバンパービームエクステンション接続部と、車幅方向内側に位置してバンパービームのうちで前後方向外側に最も突出する荷重入力部とを備えるので、前後方向の衝突荷重を左右一対の荷重入力部で受けることで、荷重が入力する荷重入力部からバンパービームエクステンション接続部までの距離を小さくして衝突荷重によりバンパービームに作用する曲げモーメントを小さくし、バンパービームの必要強度を低減して軽量化を図ることができる。
しかも少なくとも中央湾曲部および荷重入力部の範囲に、その上端および下端を前後方向内側に折り返した折り返し部を形成したので、衝突荷重によりバンパービームが口開き変形するのを特別の補強リブ等を設けることなく防止し、口開き変形した部分の車幅方向両側に応力が集中して亀裂や破壊が発生するのを防止することができる。
た、バンパービームエクステンション接続部は少なくとも車幅方向内側の締結点および車幅方向外側の締結点でバンパービームエクステンションの本体部に締結されるので、前後方向の衝突荷重が入力したときにバンパービームの車幅方向外側の締結点によりバンパービームエクステンションからバンパービームに前後方向内向きの反力を作用させることで、バンパービームに作用する曲げモーメントの最大値を低減して局部的な破壊を防止することができる。その際に、折り返し部の車幅方向外端は車幅方向内側の締結点の近傍を終端とするので、折り返し部が形成されないバンパービームの車幅方向外端部の剛性を低下させることで、車幅方向外側の締結点からバンパービームエクステンションに作用する前後方向外向きの荷重が過大になるのを防止し、バンパービームエクステンションの前後方向の圧壊が阻害されるのを回避することができる。
また本発明の第の特徴によれば、バンパービームエクステンションは、バンパービームの車幅方向外端を前後方向外側から係止する係止壁を備えるので、車幅方向外側の締結点の強度を高めずとも、係止壁によりバンパービームエクステンションからバンパービームに前後方向内向きの反力を作用させることで、バンパービームに作用する曲げモーメントの最大値を低減して局部的な破壊を防止することができる。
また本発明の第の特徴によれば、バンパービームエクステンション接続部は前後方向および上下方向に延びる少なくとも1枚の縦リブを備え、折り返し部の車幅方向外端は縦リブの位置を超えて車幅方向外側に延びるので、衝突荷重がバンパービームに入力したときに、バンパービームの口開き変形を縦リブにより一層確実に防止し、衝突荷重をバンパービームからバンパービームエクステンションに一層確実に伝達して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
また本発明の第の特徴によれば、バンパービームエクステンションはバンパービームの変形中心よりも車幅方向内側に延長されてバンパービームエクステンション接続部に接続される延長部を備えるので、前面衝突の衝突荷重が入力したときにバンパービームの変形中心の位置を車幅方向内側に移動させ、バンパービームに作用する曲げモーメントの最大値を低下させることで、バンパービームを軽量化しながら局部的な破壊を防止することができる。しかも前後方向に見たときに延長部は折り返し部の前後方向内側にオーバーラップするので、衝突荷重をバンパービームからバンパービームエクステンションの延長部に効率的に伝達し、延長部を破壊して衝突エネルギーを吸収することができる。
また本発明の第の特徴によれば、バンパービームは、前後方向外側に位置する不連続繊維を含む不連続繊維強化樹脂シートと、前後方向内側に位置する連続繊維を含む連続繊維強化樹脂シートとを積層して構成されるので、前面衝突の衝突荷重でバンパービームが車幅方向内側に湾曲するように変形したときに、前後方向外側に位置する圧縮荷重に強い不連続繊維強化樹脂シートに圧縮荷重を作用させ、前後方向内側に位置する引張荷重に強い連続繊維強化樹脂シートに引張荷重を作用させることで、バンパービームのエネルギー吸収性能を高めることができる。しかも成形性の高い不連続繊維強化樹脂シートにより、複雑な形状の折り返し部を容易に成形することができる。
また本発明の第の特徴によれば、バンパーフェイスの空気導入口とラジエータの間にバンパービームを配置したので、バンパーフェイスの空気導入口を通過した飛び石等をバンパービームで遮ってラジエータの損傷を防止することができる。
図1はバンパービームおよびバンパービームエクステンションの斜視図である。(参考形態) 図2は図1の2方向矢視図である。(参考形態) 図3は図2の3−3線拡大断面図である。(参考形態) 図4は図3の4−4線拡大断面図である。(参考形態) 図5はバンパービームを成形する金型の断面図である。(参考形態) 図6は衝突荷重の入力時の作用説明図である。(参考形態) 図7はバンパービームおよびバンパービームエクステンションの斜視図である。(実施の形態) 図8は図7の8方向矢視図である。(実施の形態) 図9は図8の要部拡大図である。(実施の形態) 図10は図9の10−10線拡大断面図である。(実施の形態) 図11は図9の11−11線拡大断面図である。(実施の形態) 図12は図9の12−12線拡大断面図である。(実施の形態) 図13は図9の13−13線拡大断面図である。(実施の形態) 図14はバンパービームを成形する金型の断面図である。(実施の形態) 図15は衝突荷重によりバンパービームに作用する曲げモーメントの説明図である。(実施の形態)
11 バンパービーム
12 バンパービームエクステンション(衝撃吸収部材)
14U 上ビーム部
14L 下ビーム部
14g 上部折り返し部(折り返し部)
14h 下部折り返し部(折り返し部)
14i 第1縦リブ
14j 第2縦リブ
14j′ 縦リブ
14k 端壁
15 連続繊維強化樹脂シート
16 不連続繊維強化樹脂シート
33a 本体部
33d 延長部
33g 係止壁
35 リベット(締結点)
36 バンパーフェイス(フロントバンパーフェイス)
36a 空気導入口
37 ラジエータ
A 中央湾曲部
B 左右湾曲部
B1 バンパービームエクステンション接続部(衝撃吸収部材接続部)
B2 荷重入力部
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態および参考形態を説明する。尚、本明細書において前後方向、左右方向(車幅方向)および上下方向とは、運転席に着座した乗員を基準として定義される。
参考形態
先ず、図1〜図6に基づいて本発明の参考形態を説明する。
図1〜図3に示すように、自動車の車体前部に繊維強化樹脂製のバンパービーム11が車幅方向に配置されており、バンパービーム11の車幅方向両端部が繊維強化樹脂製の左右一対のバンパービームエクステンション12,12の前端に支持され、バンパービームエクステンション12,12の後端が左右一対の金属製のフロントサイドフレーム13,13の前端に支持される。
バンパービーム11は、前方に向けて開放するU字状断面の上ビーム部14Uおよび下ビーム部14Lを上下に結合したW字状断面の部材であり、上ビーム部14Uおよび下ビーム部14Lは、後端に位置する底壁14aと、底壁14aの上端から前方に延びる上壁14bと、底壁14aの下端から前方に延びる下壁14cと、上ビーム部14Uの上壁14bの前端から上方に延びる上部フランジ14dと、下ビーム部14Lの下壁14cの前端から下方に延びる下部フランジ14eと、上ビーム部14Uの下壁14cおよび下ビーム部14Lの上壁14bを上下方向に接続する中間フランジ14fとを備える。
バンパービーム11は、車幅方向中央の所定範囲において前方に向けて凹状に湾曲する中央湾曲部Aと、中央湾曲部Aの車幅方向両側において前方に向けて凸状に湾曲する一対の左右湾曲部B,Bとからなり、左右湾曲部Bは、車幅方向外側に位置してバンパービームエクステンション12に接続されるバンパービームエクステンション接続部B1と、車幅方向内側に位置してバンパービーム11のうちで前方に最も突出する荷重入力部B2とを備える。
バンパービーム11の中央湾曲部Aの上ビーム部14Uおよび下ビーム部14Lの車幅方向中央部は、それぞれ上壁14b、底壁14aおよび下壁14cを接続するように上下方向かつ前後方向に延びる2枚の第1縦リブ14i,14iを備える。
またバンパービームエクステンション接続部B1の上ビーム部14Uおよび下ビーム部14Lの車幅方向中間部は、それぞれ上壁14b、底壁14aおよび下壁14cを接続するように上下方向かつ前後方向に延びる2枚の第2縦リブ14j,14jを備えるとともに、上ビーム部14Uおよび下ビーム部14Lの車幅方向外端部は、それぞれ上壁14b、底壁14aおよび下壁14cを接続するように上下方向かつ前後方向に延びる1枚の端壁14kを備える。尚、バンパービーム11の車幅方向内側の第2縦リブ14j…から端壁14k…までの間には、上部フランジ14dおよび下部フランジ14eは形成されていない(図1参照)。
バンパービーム11は、後面側に位置する連続繊維強化樹脂シート15と、前面側に位置する不連続繊維強化樹脂シート16とを2層に積層して構成される。連続繊維強化樹脂シート15は、車幅方向に配向したガラス連続繊維と、それと直交する上下方向あるいは前後方向に配向したガラス連続繊維とよりなる織布を熱可塑性樹脂(例えば、ナイロン)で固めたものであり、不連続繊維強化樹脂シート16は、ランダムに配向されて相互に絡み合うガラス不連続繊維を熱可塑性樹脂(例えば、ナイロン)で固めたものである。
図5に示すように、バンパービーム11をプレス成形する金型21は、連続繊維強化樹脂シート15の後面を成形する凹状のキャビティ22a,22aを有する雌型22と、不連続繊維強化樹脂シート16の前面を成形する凸状のコア23a,23aを有する雄型23とからなり、コア23a,23aには第1縦リブ14i,14i、第2縦リブ14j…および端壁14k…を成形するための溝23b…が形成される。金型21を型開きした状態で、雌型22のキャビティ22a,22aおよび雄型23のコア23a,23a間に、連続繊維プリプレグ15′と不連続繊維プリプレグ16′とが予備加熱した状態で配置される。
プリプレグは、カーボンファイバー、グラスファイバー、アラミドファイバー等の連続繊維よりなる平織や綾織などの織布やUD(連続繊維を一方向に引き揃えたシート)、あるいは不連続繊維のマットを補強材とし、それに半硬化の熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂やポリエステル樹脂等)、あるいは熱可塑性樹脂(ナイロン6やポリプロピレン等の)を含浸させたもので、金型の形状になじむ柔軟性を有している。熱硬化性樹脂の場合、複数枚のプリプレグを積層状態で金型内に挿入して圧力を加えながら例えば130°C程度に加熱すると、熱硬化性樹脂が硬化して繊維強化樹脂製品が得られる。本参考形態の可塑性樹脂の場合、予備加熱した複数枚のプリプレグを積層状態で金型内に挿入して加圧成形し、その後冷却すると繊維強化樹脂製品が得られる。
参考形態では、連続繊維プリプレグ15′の補強材は、ガラス連続繊維を相互に直交する方向に配向した織布であり、不連続繊維プリプレグ16′の補強材は、ランダム配向した繊維長が30mm程度の長繊維からなるガラス不連続繊維の不織布である。
従って、雌型22および雄型23を型締めすると、連続繊維プリプレグ15′が雌型22のキャビティ22a,22aと雄型23のコア23a,23aとによってプレスされ、W字状断面を有するバンパービーム18の後面が成形される。このとき、不連続繊維プリプレグ16′は容易に変形可能であるため、連続繊維プリプレグ15′と雄型23のコア23a,23aとによって挟まれた不連続繊維プリプレグ16′は、連続繊維プリプレグ15′の前面に沿って薄い膜状に積層されるとともに、コア23a,23aの溝23b…内に流入して第1縦リブ14i,14i、第2縦リブ14j…および端壁14k…を同時に成形する。そして金型21から取り出したバンパービーム11の外周にはみ出した余剰部分を切断することで、バンパービーム11を完成する。
次に、上記構成を備えた本発明の参考形態の作用を説明する。
自車のバンパービームが他車のバンパービームに前面衝突したような場合、図6(B)に示すように、単純に前方に凸に湾曲している従来のバンパービームは、そのバンパービームの車幅方向中央の1点に衝突荷重Fが集中的に入力するため、バンパービームの曲げモーメント図から明らかなように、バンパービーム11の車幅方向中央部に大きな曲げモーメントが作用し、バンパービームがバンパービームエクステンションに固定された部分(バンパービームエクステンション接続部B1,B1の車幅方向内端)と衝突荷重Fの入力点との間の領域がS字状に湾曲するように捩じり(剪断)変形してしまい、W字状断面のバンパービームが口開きして容易に破壊する可能性がある。
それに対し、図6(A)および図2に示すように、本参考形態のバンパービーム11は前方に向けて凹状に湾曲する中央湾曲部Aを備えるため、中央湾曲部Aの車幅方向両側の一対の荷重入力部B2,B2の先端が他車のバンパービームに衝突し、一対の荷重入力部B2,B2の先端の2点に衝突荷重Fが集中的に入力する。その結果、バンパービーム11に作用する曲げモーメントの最大値が低減するだけでなく、中央湾曲部Aを含む一対の荷重入力部B2,B2の先端(荷重Fの入力点)に挟まれた領域に引張荷重が作用し、バンパービームエクステンション接続部B1,B1に圧縮荷重が作用し、バンパービームエクステンション接続部B1,B1と荷重入力部B2,B2の先端とに挟まれた狭い領域だけが捩じり(剪断)変形することになり、捩じり変形によるバンパービーム11の口開きが抑制されて破壊強度が高められる。
また湾曲方向が切り換わる一対の左右湾曲部B,Bおよび中央湾曲部Aを一体に備えるバンパービーム11を鋼板のプレス加工やアルミニウム合金の押し出し加工で製造しようとすると、材料に皺、割れ、板厚の不均一等の不具合が発生する問題があるが、バンパービーム11を繊維強化樹脂製とすることで、上記問題が解消されて製造が容易になる。
またバンパービーム11に前方からの衝突荷重が入力すると、左右の曲げ中心間のバンパービーム11が後方に湾曲するように変形するため(図2の鎖線参照)、バンパービーム11の後面側に引張荷重が作用し、バンパービーム11の前面側に圧縮荷重が作用する(図3参照)。
参考形態によれば、引張荷重が作用するバンパービーム11の後面側が引張荷重に強い連続繊維強化樹脂シート15で構成されており、その連続繊維強化樹脂シート15の相互に直交する方向に配向された連続繊維のうち、特に車幅方向に配向された連続繊維が引張荷重に抵抗することで、バンパービーム11の軽量化を図りながら曲げ変形に対する強度を高めて衝突エネルギーの吸収性能を向上させることができる。
また本参考形態によれば、圧縮荷重が作用するバンパービーム11の前面側が圧縮荷重に強い不連続繊維強化樹脂シート16で構成されており、ランダムに配向されて絡み合った不連続繊維が圧縮荷重に抵抗することで、バンパービーム11の軽量化を図りながら曲げ変形に対する強度を高めて衝突エネルギーの吸収性能をより一層向上させることができる。
またバンパービーム11は不連続繊維強化樹脂シート16を圧縮成形して構成された第1縦リブ14i,14i、第2縦リブ14j…および端壁14k…を備えるので、衝突荷重が入力したときにW字状断面のバンパービーム11が口開き変形するのを防止して断面形状を維持し、曲げ応力や剪断応力に対する強度を高めることができる。
しかもバンパービーム11を圧縮成形するときに、前側に向かって凹に湾曲する中央湾曲部Aは連続繊維強化樹脂シート15が引張側になって不連続繊維強化樹脂シート16が圧縮側になるため、引張側の連続繊維強化樹脂シート15の連続繊維の張力が高まって第1縦リブ14i,14iに臨む部分に弛みが生じることが防止され、バンパービーム11の車幅方向の引張荷重に対する強度を確保することができる(図4参照)。
またバンパービーム11の断面は前方に向けて開放する上ビーム部14Uおよび下ビーム部14Lを有するW字状であるため、バンパービーム11の上下方向寸法に対して前後方向寸法を小さくし、バンパービーム11を装着した車体の前後方向寸法を小型化しながら、車高の異なる他車両との上下方向のすれ違い衝突にも効果的に対応することができる。
実施の形態
次に、図7〜図15に基づいて本発明の実施の形態を説明する。前述の参考形態に対応する部材は同じ符号を用いて表示し、詳細な説明は省略し、同様に得られる作用についても記載を省略する。本実施の形態の縦リブ14j′,14j′は参考形態の第2縦リブ14j,14jに対応する。
図7〜図10に示すように、参考形態と同様に、自動車の車体前部に繊維強化樹脂製のバンパービーム11が車幅方向に配置され、左右一対のバンパービームエクステンション12,12と、左右一対の金属製のフロントサイドフレーム13,13が備えられる。
バンパービーム11は、参考形態と同様に、前方に向けて開放するU字状断面の上ビーム部14Uおよび下ビーム部14Lを上下に結合したW字状断面の部材であり、底壁14aと、上壁14bと、下壁14cと、上部フランジ14dと、下部フランジ14eと、中間フランジ14fとを備え、さらに上部フランジ14dの上端を後方に折り返した上部折り返し部14gと、下部フランジ14eの下端を後方に折り返した下部折り返し部14hとを備える。
尚、バンパービーム11の車幅方向内側の縦リブ14j′…から端壁14k…までの間には、上部フランジ14d、下部フランジ14e、上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hは形成されていない(図7参照)。
バンパービーム11は、参考形態と同様に、後面側に位置する連続繊維強化樹脂シート15と、前面側に位置する不連続繊維強化樹脂シート16とを2層に積層して構成される。雌型22および雄型23を型締めするとき、不連続繊維プリプレグ16′は容易に変形可能であるため、連続繊維プリプレグ15′と雄型23のコア23a,23aとによって挟まれた不連続繊維プリプレグ16′は、連続繊維プリプレグ15′の前面に沿って薄い膜状に積層されるとともに、コア23a,23aの溝23b…内に流入して縦リブ14j′…および端壁14k…を成形し、かつ上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hを同時に成形する。そして金型21から取り出したバンパービーム11の外周にはみ出した余剰部分を切断することで、バンパービーム11を完成する。このように、成形性の高い不連続繊維強化樹脂シート16により、複雑な断面形状のバンパービーム11を容易に成形することができる。
図7〜図9および図11〜図13に示すように、バンパービームエクステンション12は上下対称な形状を有する上部部材33Uおよび下部部材33Lを備え、上部部材33Uおよび下部部材33Lのコ字状断面を有する本体部33a,33aを、それらの車幅方向外端に形成した側部フランジ33b,33bおよび車幅方向内端に形成した側部フランジ33c,33cで重ね合わせてリベット34…で一体に結合することで、前後方向に貫通するボックス状の閉断面に構成される。
また車幅方向内側の側部フランジ33c,33cの前端から車幅方向内側に向けて三角形状の延長部33d,33dが張り出しており、本体部33a,33aの前端から延長部33d,33dの前端に跨がるようにバンパービーム取付部33e,33eが形成される。上部部材33Uのバンパービーム取付部33eは、本体部33aから上方に立ち上がった後に前方に延び、前方に延びる部分がバンパービーム11の上ビーム部14Uの上壁14bの上面に重ね合わされ、4本のリベット35…で固定される。同様に下部部材33Lのバンパービーム取付部33eは、本体部33aから下方に立ち下がった後に前方に延び、前方に延びる部分がバンパービーム11の下ビーム部14Lの下壁14cの下面に重ね合わされ、4本のリベット35…で固定される。そして本体部33aの前側に連なるバンパービーム取付部33e,33eの車幅方向外端に、バンパービーム11の車幅方向外端を前方から覆う係止壁33g,33gが形成される。
図10に示すように、バンパービーム11の前面はバンパーフェイス36で覆われており、バンパーフェイス36に形成された空気導入口36aから導入された冷却風がバンパービーム11の後方に配置されたラジエータ37と熱交換する。バンパービーム11はバンパーフェイス36の空気導入口36aとラジエータ37との間に配置される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
自車のバンパービームが他車のバンパービームに前面衝突したような場合、図8および図15(A)に示すように、本実施の形態のバンパービーム11は前方に向けて凹状に湾曲する中央湾曲部Aを備えるため、中央湾曲部Aの車幅方向両側の一対の荷重入力部B2,B2の先端が他車のバンパービームに衝突し、一対の荷重入力部B2,B2の先端の2点に衝突荷重Fが集中的に入力する。その結果、バンパービーム11に作用する曲げモーメントの最大値が低減するだけでなく、中央湾曲部Aを含む一対の荷重入力部B2,B2の先端(荷重Fの入力点)に挟まれた領域に引張荷重が作用し、バンパービームエクステンション接続部B1,B1に圧縮荷重が作用し、バンパービームエクステンション接続部B1,B1と荷重入力部B2,B2の先端とに挟まれた狭い領域だけが捩じり(剪断)変形することになり、捩じり変形によるバンパービーム11の口開きが抑制されて破壊強度が高められる。
このとき、バンパービームエクステンション12はバンパービーム11の変形中心よりも車幅方向内側に延長されてバンパービームエクステンション接続部B1に接続される延長部33d,33dを備えるので、前面衝突の衝突荷重が入力したときにバンパービーム11の変形中心の位置を車幅方向内側に移動させ、バンパービーム11に作用する曲げモーメントの最大値を低下させることで、バンパービーム11を軽量化しながら局部的な破壊を防止することができる。しかも前後方向に見たときにバンパービームエクステンション12の延長部33d,33dはバンパービーム11の上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hにオーバーラップするので、衝突荷重をバンパービーム11からバンパービームエクステンション12の延長部33d,33dに効率的に伝達し、延長部33d,33dを座屈変形させて衝突エネルギーを吸収することができる。
またバンパービーム11の中央湾曲部Aおよび荷重入力部B2,B2の範囲に、その上端および下端を前後方向内側に折り返した上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hを形成したので、特別の補強リブ等を設けることなく、衝突荷重によりバンパービーム11が口開き変形するのを防止し、口開き変形した部分の車幅方向両側に応力が集中して亀裂や破壊が発生するのを防止することができる。
図15(A)に示すように、バンパービーム11の左右の荷重入力部B2,B2の先端に衝突荷重Fが入力したとき、左右の荷重入力部B2,B2の先端間に作用する曲げモーメントは一定の最大値となり、そこから車幅方向外側に向かって次第に減少することでバンパービームエクステンション接続部B1の変形中心において最小値となる。
バンパービームエクステンション12のバンパービーム取付部33e,33eをバンパービーム11のバンパービームエクステンション接続部B1に固定する上下各4本のリベット35…のうち、上下各3本のリベット35…が本体部33a,33aの前方に位置している。これら3本のリベット35…のうち、最も車幅方向内側に位置するリベット35(車幅方向内側の締結点)の近傍が前記変形中心となり、最も車幅方向外側に位置するリベット35(車幅方向外側の締結点)の近傍に前記係止壁33gが形成される。
図15(A)に示すように、仮に、バンパービーム11の車幅方向外端部がバンパービームエクステンション12に固定されていないとすると、バンパービーム11の変形中心において曲げモーメントがゼロになり、荷重の入力点において曲げモーメントが最大値となる。
しかしながら、実際にはバンパービーム11の車幅方向外端部がバンパービームエクステンション12にリベット35で固定され、かつ係止壁33gでバンパービームエクステンション12の前端に係止されているため、衝突荷重の入力時に変形中心を支点として前方に移動しようとするバンパービーム11の車幅方向外端部が、バンパービームエクステンション12から後向きの荷重fを受けることになる。この荷重fにより、図15(B)に示すように、バンパービーム11に逆向きの曲げモーメント(バンパービーム11を前方に凸に変形させる曲げモーメント)が作用することで、荷重の入力点に作用する曲げモーメントの最大値が低減し、これにより荷重の入力点におけるバンパービーム11の局部的な破壊を防止することができる。
このとき、バンパービーム11の車幅方向外端部をリベット35だけでバンパービームエクステンション12に固定すると、その部分に荷重が集中して破断する可能性があるが、前記リベット35を補助するように係止壁33gでバンパービームエクステンション12およびバンパービーム11を固定することで、バンパービーム11の車幅方向外端部の破断を防止することができる。
ところで、バンパービームエクステンション12は、バンパービーム11から後向きの圧縮荷重を受けて圧壊することで衝突エネルギーを吸収するが、衝突荷重の入力時に変形中心を支点として前方に移動しようとするバンパービーム11の車幅方向外端部に引っ張られ、バンパービームエクステンション12の車幅方向外端部に前向きの荷重f′が作用する(図15(B)参照)。この荷重f′はバンパービームエクステンション12の圧壊を抑制する方向に作用するため、その大きさが過大になるとバンパービームエクステンション12の安定した圧壊が阻害されてエネルギー吸収性能が低下する可能性がある。
しかしながら、本実施の形態によれば、バンパービーム11の車幅方向内側の締結点であるリベット35よりも車幅方向外側には上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hが形成されていないため、変形中心の車幅方向外側でバンパービーム11の強度を敢えて低下させ、バンパービームエクステンション12の車幅方向外端部で前向きの荷重f′が過大になるのを防止することで、バンパービームエクステンション12の安定した圧壊を可能にすることができる。
またバンパービーム11のバンパービームエクステンション接続部B1は前後方向および上下方向に延びる縦リブ14j′,14j′を備え、上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hの車幅方向外端は縦リブ14j′,14j′の位置を超えて車幅方向外側に延びるので、衝突荷重がバンパービーム11に入力したときに、バンパービーム11の口開き変形を上部折り返し部14gおよび下部折り返し部14hだけでなく縦リブ14j′,14j′により一層確実に防止し、衝突荷重をバンパービーム11からバンパービームエクステンション12に一層確実に伝達して衝突エネルギーの吸収効果を高めることができる。
またバンパーフェイス36の空気導入口36aとラジエータ37の間にバンパービーム11を配置したので(図10参照)、空気導入口36aを通過した飛び石等をバンパービーム11で遮ってラジエータ37の損傷を防止することができる。
以上、本発明の実施の形態および参考形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態ではフロント側のバンパービーム11について説明したが、本発明はリヤ側のバンパービームに対しても適用することができる。フロント側のバンパービームの場合には,前後方向外側は前方に対応し、リヤ側のバンパービームの場合には,前後方向外側は後方に対応する。
また実施の形態のバンパービーム11は前後方向外側に向けて開放するW字状断面を有するが、本発明のバンパービーム11は前後方向外側に向けて開放するU字状(あるいはコ字状)断面を有するものであっても良い。またバンパービーム11の開放部を別の部材で塞いで閉断面にしても良い。
また実施の形態のバンパービームエクステンション12はフロントサイドフレームの前突で潰れて衝撃吸収する前端部や、リアサイドフレームの後突で潰れて衝撃吸収する後端部であっても良い。

Claims (6)

  1. 連続繊維を少なくとも車幅方向および上下方向に配向した繊維強化樹脂製のバンパービーム(11)を備え、前記バンパービーム(11)の車幅方向両端部を一対の衝撃吸収部材(12)に支持した自動車用バンパーであって、
    前記バンパービーム(11)は、車幅方向中央部において前後方向外側に向けて凹状に湾曲する中央湾曲部(A)と、前記中央湾曲部(A)の車幅方向両側において前後方向外側に向けて凸状に湾曲する一対の左右湾曲部(B)とからなり、前記左右湾曲部(B)は、車幅方向外側に位置して前記衝撃吸収部材(12)に接続される衝撃吸収部材接続部(B1)と、車幅方向内側に位置して前記バンパービーム(11)のうちで前後方向外側に最も突出する荷重入力部(B2)とを備え、
    前記バンパービーム(11)はW字状断面あるいはU字状断面を有し、少なくとも前記中央湾曲部(A)および前記荷重入力部(B2)の範囲に、その上端および下端を前後方向内側に折り返した折り返し部(14g,14h)を形成し、
    前記衝撃吸収部材接続部(B1)は少なくとも車幅方向内側の締結点(35)および車幅方向外側の締結点(35)で前記衝撃吸収部材(12)の本体部(33a)に締結され、前記折り返し部(14g,14h)の車幅方向外端は前記車幅方向内側の締結点(35)の近傍を終端とすることを特徴とする自動車用バンパー。
  2. 前記衝撃吸収部材(12)は、前記バンパービーム(11)の車幅方向外端を前後方向外側から係止する係止壁(33g)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用バンパー。
  3. 前記衝撃吸収部材接続部(B1)は前後方向および上下方向に延びる少なくとも1枚の縦リブ(14j′)を備え、前記折り返し部(14g,14h)の車幅方向外端は前記縦リブ(14j′)の位置を超えて車幅方向外側に延びることを特徴とする、請求項1または請求項に記載の自動車用バンパー。
  4. 前記衝撃吸収部材(12)は前記バンパービーム(11)の変形中心よりも車幅方向内側に延長されて前記衝撃吸収部材接続部(B1)に接続される延長部(33d)を備え、前後方向に見たときに前記延長部(33d)は前記折り返し部(14g,14h)の前後方向内側にオーバーラップすることを特徴とする、請求項1請求項の何れか1項に記載の自動車用バンパー。
  5. 前記バンパービーム(11)は、前後方向外側に位置する不連続繊維を含む不連続繊維強化樹脂シート(16)と、前後方向内側に位置する連続繊維を含む連続繊維強化樹脂シート(15)とを積層して構成されることを特徴とする、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の自動車用バンパー。
  6. 前記バンパービーム(11)はフロントバンパービームであって、フロントバンパーフェイス(36)の空気導入口(36a)とラジエータ(37)の間に前記バンパービーム(11)を配置したことを特徴とする、請求項1〜請求項の何れか1項に記載の自動車用バンパー。
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