JP6084397B2 - 焼結用無機粒子含有ペーストおよび塗布形成物 - Google Patents
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ここで、本発明において、変性ウレア化合物溶液とは、イソシアネート単量体あるいはこれらのアダクト体と有機アミンとの反応物をいう。
(式中、Mは、水酸基で置換されたフェニル基または下記一般式(II)で表される構造を表す。)
(式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
印刷ないし塗布の方法は特に限定されず、公知の方法によることができる。印刷方法としては、インクジェット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷等が挙げられる。これら印刷方法により印刷することで、下地層の特殊な処理を必要とせずに、高精細な回路を形成することができる。
乾燥工程は、熱風循環式乾燥炉などを用いた公知の方法によることができる。
焼成工程は、含まれる無機粒子の種類によっても異なりうるが、好ましくは300〜1000℃、より好ましくは500〜900℃である。また、焼成は有酸素下、大気中、無酸素下などの条件を、無機粒子の特性に合わせて適宜選択することができる。例えば、大気中で焼成すると酸化しやすい金属を用いる場合は、無酸素下で焼成を行うことが好ましい。
チキソ比=
[剪断速度10s−1での粘度値]/[剪断速度100s−1での粘度値]
無機粒子は、基板上に電極や電気配線、誘電体層、蛍光体層などを形成するために用いられるものであればいずれでもよく、用途に応じて適宜選択される。無機粒子として例えば、金属、金属酸化物、ガラス、蛍光体の粒子が挙げられる。また、金属粒子を使用する場合に、結着材としてガラス粒子を添加してもよい。
金属酸化物としては上記金属の酸化物の他、ITO(Indium Tin Oxide)、酸化インジウムなどを用いることができる。
上記金属粒子、金属酸化物粒子の、レーザー回折・散乱法で測定した平均粒径(D50)は、好ましくは、0.01〜50μm、より好ましくは、0.1〜15μmである。
金属粒子、金属酸化物粒子の配合量は、ペーストの不揮発成分(乾燥工程でペースト中から揮発せず膜に残存する成分)を基準として、70〜99.9質量%であることが好ましい。70質量%未満であると焼成後の金属粒子または金属酸化物粒子の焼結が起き難くなるため好ましくない。一方、99.9質量%を超えると、良好な印刷性を得ることが困難となる。
本発明において、イソボルニル基を有する化合物は、溶剤として用いられる。イソボルニル基を有することで、その立体構造故に高粘度となり、無機粒子を分散させつつ好適な印刷適性を保持することができると考えられる。イソボルニル基を有する化合物としては分子量が300以下であるものが好ましい。また、焼結処理により揮発するものであることが好ましく、沸点が150〜350℃の範囲であるものが好ましい。イソボルニル基を有する化合物としては、例えば、1−イソボルニル−3,3−ジメチル−2−メチレンノルボルナン、(メタ)アクリル酸イソボルニル、5‐イソボルニル‐2‐メトキシフェノール、イソボルニルシクロヘキサノール、イソボルニルフェノール、5‐[2‐(イソボルニルオキシ)エチル]シクロペンタジエンが挙げられる。
(式中、Mは、水酸基で置換されたフェニル基または下記一般式(II)で表される構造を表す。)
(式中、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
本発明の無機粒子含有ペーストは、揺変剤として、変性ウレア化合物溶液(イソシアネート単量体あるいはこれらのアダクト体と有機アミンとの反応物)を含む。
この変性ウレア化合物溶液によれば、主にペースト中で三次元構造を形成し、擬塑性およびチクソトロピー性を付与させるものと考えられる。
このような変性ウレア化合物溶液としては、BYK−410、BYK−411、BYK−420、官報公示整理番号 化審法7−885にかかる物質等が挙げられる。
変性ウレア化合物溶液の配合量は、組成物全体を基準として、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜1.5質量%がさらに好ましい。0.01質量%未満であると、ダレ抑止効果が得られないことがあり好ましくない。一方、5質量%を超えると、ペーストとしての流動性を損うことがあるため好ましくない。
本発明の無機粒子含有ペーストは、アモルファスシリカを含有することが好ましい。アモルファスシリカは非晶質のシリカであり、合成品、天然品のいずれであってもよいが好ましくは合成品である。また、沈降法、ゲル法等によって製造される湿式シリカ、燃焼法、アーク法等によって製造される乾式シリカのいずれであってもよい。アモルファスシリカとしては親水性、疎水性のいずれでもよいが、塗膜のダレ発生防止効果が大きいことから親水性のものが好ましい。アモルファスシリカの具体例としては、日本アエロジル社製のAEROSIL(アエロジル 登録商標)50、130、200、200V、200CF、200FAD、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、日本シリカ工業社製のNipsil(登録商標)AQ、AQ-S、VN3、LP、L300、N-300A、ER-R、ER、RS-150、 ES、NS、NS-T、NS-P、NS-KR、NS-K、NA、KQ、KM、DS、信越化学社製のKMPX-100K、日本触媒社製シーホスターKE-P10、KE-E10等が挙げられる。アモルファスシリカは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも一次粒子径が5〜50nmのものが好ましく、5〜20nmのものがより好ましい。また、比表面積は50〜500m2/gのものが好ましい。
アモルファスシリカの配合量は、組成物全体を基準として、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。0.01質量%未満であると、ダレ抑止効果が得られないことがあり好ましくない。一方、20質量%を超えると、ペーストとしての流動性を損うことがあるため好ましくない。
本発明の無機粒子含有ペーストは、ダレ発生防止に効果があることより、アクリル樹脂を含むことが好ましい。アクリル樹脂としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸、およびメタクリル酸エステル類からなる群から選ばれる1種以上のモノマーの重合体、共重合体が挙げられる。また、これら(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルと、エチレン性不飽和結合を有する他のモノマーとの共重合体であってもよい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でもメチルメタクリレートが好ましい。アクリル樹脂の市販品としては、三菱レイヨン社製のダイヤナール LR−155、ダイヤナール LR−016、ダイヤナール LR−177、LR−981、積水化学工業社製エスレックASシリーズ、DIC社製アクリディックシリーズ等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、重量平均分子量10000〜300000が好適である。重量平均分子量が10000未満であると印刷後の乾燥工程で塗膜のダレを抑制する効果が乏しくなる。一方、重量平均分子量が300000を超えると、ペーストの粘度が高くなりすぎ印刷し難くなることがある。より好ましくは13000〜120000の範囲である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)にて測定した標準ポリスチレン換算の値である。
アクリル樹脂の配合割合は、組成物全体を基準として、0.01〜15質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.1〜7質量%がさらに好ましい。0.01質量%未満であると印刷後の乾燥工程において塗膜のダレを抑制する効果が乏しくなる、塗膜強度が低下しハンドリング時に傷が付くなどの不具合が生じやすくなる。一方、15質量%を超えると焼成時の残炭(未燃焼成分の残存)が生じやすくなり、良好な焼成物が得られない場合がある。
本発明の無機粒子含有ペーストは、さらに粘度調整や印刷適性の向上を目的に、イソボルニル基を有する化合物に加えてそれ以外の溶剤を含むことが好ましい。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。その中でも、アルコール類、および石油系溶剤の少なくとも何れか1種を含むことが特に好ましい。アルコール類の中では、単環式モノテルペンアルコール化合物がさらに好ましく、テルピネオール類(ターピネオール類とも称する)が最も好ましい。アルコール類の具体例としてはターピネオールC(日本テルペン化学社製)等が挙げられ、石油系溶剤の具体例としてはカクタスファインSF−02(ジャパンエナジー社製)等が挙げられる。
本発明の無機粒子含有ペーストには、本発明の効果を損なわない限り、電極や電気配線、誘電体層、蛍光体層、無機物層の形成に用いられる無機粒子含有ペーストに一般に配合される成分を配合することができる。そのような成分としては、バインダー、上記以外の溶剤、着色剤、消泡剤、レベリング剤、表面張力低下剤、希釈剤、可塑化剤、フィラー、カップリング剤、安定剤、酸化防止剤、分散剤等が挙げられる。
表1に示す配合割合(質量比)で各成分を配合して3本ロールミルにて練肉することで、実施例1〜8、比較例1〜2のガラスペースト組成物を得た。なお、粘度は約200dPa・s(東機産業社製コーンプレート型粘度計、5回転値)に調整した。
※2… ターピネオールC (日本テルペン化学社製)
※3…カクタスファインSF−02 (石油系溶剤、ジャパンエナジー社製)
※4…BYK―D410(ビッグケミー・ジャパン社製)
※5…アエロジルR974(日本アエロジル社製)
※6…アエロジル♯200 (日本アエロジル社製)
※7…エスレックAS M−3210(積水化学工業社製、不揮発分45%)
※8…PbO 60%、B2O3 20%、SiO215%、Al2O3 5%の組成を有し、熱膨張係数α300=70×10−7/℃、ガラス転移点445℃の性質のものを、粉砕して平均粒径1.6μmとしたもの
得られたガラスペーストを、シリンジにて一定量(0.05mL)計り取り、ガラス板に垂らした。次いで、ラックにガラス板を垂直に立てかけて、熱風循環式乾燥炉にて80℃で3分間乾燥した。
乾燥後、ダレの長さ(量)を測定した。結果は表2の通りである。
これに対し、変性ウレア化合物の代わりに、脂肪酸アミドであるステアリン酸アミドを用いた比較例2では、逆にダレ量が増加する結果となった。
表3に示す配合割合(質量比)で各成分を配合して3本ロールミルにて練肉することで、イソボルニルシクロヘキサノールを含まないガラスペースト組成物を得た(参考例1)。参考例1にかかるガラスペースト組成物と、上記比較例1にかかるガラスペースト組成物それぞれについて、東機産業社製コーンプレート型粘度計(5回転値)により各温度における粘度を測定した。結果を下記表4および図1に示す。
Claims (5)
- 無機粒子、
イソボルニル基を有する化合物、および、
変性ウレア化合物溶液からなる揺変剤、
を含有することを特徴とする300〜1000℃の焼結用無機粒子含有ペースト。 - さらに、アクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載の300〜1000℃の焼結用無機粒子含有ペースト。
- 前記イソボルニル基を有する化合物の分子量が300以下であることを特徴とする請求項1または2記載の300〜1000℃の焼結用無機粒子含有ペースト。
- 請求項1〜4のいずれか一項記載の300〜1000℃の焼結用無機粒子含有ペーストを用いてなることを特徴とする塗布形成物。
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