JP6083966B2 - イオン交換能を有する粒状体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高い陽イオン交換容量および高い陰イオン交換容量を有する粒状体の製造方法に関する。
近年、大気浄化の目的では、硫化水素ガスなどの酸性ガスや、アンモニアガス、ガス状のアミン類などの塩基性ガスを同時に除去できることが必要であり、湖沼や河川の水質保全の目的ではアンモニウムイオンなどの陽イオンや、硝酸イオン、リン酸イオンなどの陰イオン、その両方のイオンを同時に除去できることが必要であり、そのような複合的な吸着能を有する吸着剤の開発が求められており、数多くの吸着剤やイオン交換体が提案されてきた(特許文献1〜3)。
特許文献1には、アルギン酸カルシウムゲルを担体とし、これに無機イオン交換体(但し、りんモリブデン酸アンモニウムを除く)を担持して得られるセシウム選択性複合イオン交換体からなることを特徴とするセシウム分離・回収剤が開示されている。しかしながら、他の陽イオンが混在する場合に、セシウムを選択的に吸着できる吸着剤であり、セシウム以外の陽イオンの吸着能が非常に低いものである。
特許文献2には、下記一般式(a)又は(b):
[M2+ 1−x3+ (OH)]x+[An− x/n・mHO]x− (a)
[AlLi(OH)]x+[An− x/n・mHO]x−(b)
(ここで、0.1≦x≦0.4、0<m、nは1から4の自然数、M2+はMg、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等に代表される2価の金属の少なくとも1種、M3+は、Al,Fe,Cr,Ga、In等に代表される3価の金属の少なくとも1種、An−は、OH、Cl、Br、CO 2−、NO 2−、SO 2−、Fe(CN) 4−、酒石酸イオンで表わされるn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。)
で表わされる不定比化合物である層状複水酸化物(A)とゼオライト(B)を含有することを特徴とする層状複水酸化物/ゼオライト複合体が開示されている。この複合体は、陽イオン交換性および陰イオン交換性を有し、陽イオンおよび陰イオンの両方に対して高い吸着性能を有する。しかしながら、イオン吸着能は高いものの、ゼオライトをコア材料に使用するためコストが高く、製造過程で強アルカリ液を使用するため廃液処理が必要であり、連続生産が困難である。
特許文献3には、層状複水酸化物の微粒子が非凝集状態で、又は層状複水酸化物が層剥離した状態で、ヒドロゲルの網目構造中に分散保持されていることを特徴とする、ゲル組成物が開示されている。しかしながら、陰イオン吸着能は有するものの陽イオン吸着能が低く、また陰イオン吸着体を生成させる際にアルカリ液を使用するため廃液処理が必要であり、連続生産が困難である。
また、アルギン酸ゲルの製造方法の部分のみ本願発明に類似する技術として、特許文献4がある。特許文献4には、0.1〜10重量%のアルギン酸塩溶液を多価陽イオン溶液に滴下してアルギン酸を架橋結合させて製造することを特徴とするビード形アルギン酸ゲル水処理剤が開示されている。しかしながら、陰イオン吸着剤が含有されていないため、陰イオン吸着能が低いものである。
特開2001‐164326号公報 特開2005‐263596号公報 特開2011‐174043号公報 特開平11‐70384号公報
本発明は、上記のような従来のイオン吸着剤およびその製造方法の有する問題点を解決し、アルカリ廃液処理が必要なく、連続生産性に優れ、優れた陽イオン交換能および優れた陰イオン交換能の両方を有する粒状体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、陽イオン交換性フィラー、陰イオン交換性フィラーおよび陽イオン交換能を有するフィラー分散剤をアルギン酸塩水溶液と混合して懸濁混合液を形成し、該懸濁混合液を多価金属イオン水溶液に滴下してゲル化粒子を形成するイオン交換能を有する粒状体の製造方法において、アルギン酸塩水溶液に対する、フィラー分散剤の配合量を特定範囲内に規定することによって、アルカリ廃液処理が必要なく、連続生産性に優れ、優れた陽イオン交換能および優れた陰イオン交換能の両方を有する粒状体の製造方法を提供し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、陽イオン交換性フィラー、陰イオン交換性フィラーおよび陽イオン交換能を有するフィラー分散剤をアルギン酸塩水溶液と混合して懸濁混合液を形成する工程、
該懸濁混合液を多価金属イオン水溶液に滴下してゲル化粒子を形成する工程、および
該ゲル化粒子を水洗して、乾燥する工程
を含み、
該アルギン酸塩水溶液100質量部に対して、該フィラー分散剤1〜15質量部を含有することを特徴とする、陽イオン交換能および陰イオン交換能を有する粒状体の製造方法に関するものである。
本発明を好適に実施するために、
上記陽イオン交換性フィラーがゼオライトであり、上記フィラー分散剤がベントナイトであり、上記陰イオン交換性フィラーがハイドロタルサイトであり、上記アルギン酸塩水溶液がアルギン酸ナトリウム水溶液であり、多価金属イオン水溶液が塩化カルシウム水溶液であり;
上記アルギン酸塩水溶液100質量部に対して、上記陽イオン交換性フィラー5〜40質量部および上記陰イオン交換性フィラー5〜40質量部を含有する;
ことが望ましい。
本発明によれば、陽イオン交換性フィラー、陰イオン交換性フィラーおよび陽イオン交換能を有するフィラー分散剤をアルギン酸塩水溶液と混合して懸濁混合液を形成し、該懸濁混合液を多価金属イオン水溶液に滴下してゲル化粒子を形成するイオン交換能を有する粒状体の製造方法において、アルギン酸塩水溶液に対する、フィラー分散剤の配合量を特定範囲内に規定することによって、アルカリ廃液処理が必要なく、連続生産性に優れ、優れた陽イオン交換能および優れた陰イオン交換能の両方を有する粒状体の製造方法を提供することができる。
モンモリロナイトなどの層状粘土鉱物の、水に分散させた状態とカードハウス構造を形成してゲル化した状態を示す概略模式図である。 図1の破線の円内を拡大した概略模式図である。
本発明の上記イオン交換能を有する粒状体は、陽イオン交換性フィラー、陰イオン交換性フィラーおよび陽イオン交換能を有するフィラー分散剤、並びにアルギン酸塩水溶液を含有することを要件とする。
本発明の粒状体の製造方法に用いられる陽イオン交換性フィラーの例としては、ゼオライト、モンモリロナイトなどのスメクタイト系鉱物、雲母系鉱物、バーミキュライト、腐植、陽イオン交換樹脂などが挙げられ、上記陽イオン交換樹脂としては、弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂などが挙げられる。
上記陽イオン交換性フィラーの配合量は、アルギン酸塩水溶液100質量部に対して、5〜40質量部、好ましくは7〜40質量部、より好ましくは7〜30質量部であることが望ましい。上記陽イオン交換性フィラーの配合量が、5質量部未満では十分なイオン交換性を発現することができず、40質量部を超えるとアルギン酸ゲル粒子の生成が困難になってしまう。
本発明の粒状体の製造方法に用いられる陽イオン交換能を有するフィラー分散剤の例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、スチブンサイト等の膨潤する機能を有するスメクタイト系粘土鉱物や、それらを含有するものが挙げられ、上記粘土鉱物としてモンモリロナイトを主成分とするベントナイトが好ましい。
モンモリロナイトなどの粘土鉱物は何層にも重なった状態で安定化しており、その端部は正電荷、側部は負電荷を帯びているため、図1に示すように、水に分散させると層同士が静電気的結合を起こし、図1の破線の円内および図2に示すようなカードハウス構造を形成する。カードハウス構造を形成しようとする力が抵抗となり、フィラー分散剤分散液には粘性が生じ、また、カードハウス構造内部にフィラーが保持されるので懸濁液状になると考えられる。また、フィラー分散剤自体がイオン交換能を有しているので、混合しても得られる粒状体全体の陽イオン交換容量CECが低下することがない。
上記フィラー分散剤の配合量は、アルギン酸塩水溶液100質量部に対して、1〜15質量部、好ましくは2〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部であることが望ましい。上記フィラー分散剤の配合量が、1質量部未満では懸濁液を形成することができず、アルギン酸塩水溶液に混合したフィラーがすぐに沈殿してしまい、陽イオン交換性フィラーや陰イオン交換性フィラーの濃度がばらついたり、連続的な滴下ができなくなったりし、15質量部を超えるとペースト化して流動性がなくなってしまい、連続的な滴下ができなくなってしまう。
本発明の上記粒状体の製造方法に用いられる陰イオン交換性フィラーの例としては、ハイドロタルサイト、マナセアイト、パイロオーライト、シェーグレン石、緑青などの主骨格として複水酸化物を有する天然の層状複水酸化物、合成ハイドロタルサイトおよびハイドロタルサイト様物質、アロフェン、イモゴライト、カオリンなどの粘土鉱物、陰イオン交換樹脂などが挙げられ、上記陰イオン交換樹脂として弱酸性陰イオン交換樹脂、強酸性陰イオン交換樹脂などが挙げられる。
上記陰イオン交換性フィラーの配合量は、アルギン酸塩水溶液100質量部に対して、5〜40質量部、好ましくは7〜40質量部、より好ましくは7〜30質量部であることが望ましい。上記陽イオン交換性フィラーの配合量が、5質量部未満では十分なイオン交換性を発現することができず、40質量部を超えるとアルギン酸ゲル粒子の生成が困難になってしまう。
本発明の上記粒状体の製造方法に用いられるアルギン酸塩水溶液の例としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどが挙げられる。また、上記アルギン酸塩水溶液の濃度としては、0.1〜5%、好ましくは0.2〜5%、より好ましくは0.5〜3%が望ましい。上記アルギン酸塩水溶液の濃度が0.1%未満ではアルギン酸ゲルが生成されにくく、5%を超えると粘度が高くなり過ぎて上記フィラー混合時の撹拌や、混合液の滴下が難しくなる。
本発明の上記粒状体の製造方法においては、上記アルギン酸塩水溶液中に上記陽イオン交換性フィラーおよび陰イオン交換性フィラーを分散させる際に、上記陽イオン交換能を有するフィラー分散剤を、上記フィラーの沈殿防止剤、即ち、相分離防止剤として用いることによって、懸濁混合液を得ることができ、上記陽イオン交換性フィラーや陰イオン交換性フィラーの濃度がばらついたり、連続的な滴下ができなくなったりするのを防止することができるのである。
本発明の上記粒状体の製造方法においては、上記のようにして得られた懸濁混合液を多価金属イオン水溶液に滴下してゲル化粒子を形成する工程、および
該ゲル化粒子を水洗して、乾燥する工程
を含むことを要件とする。
本発明の上記粒状体の製造方法に用いられる多価金属イオン水溶液の例としては、基本的にアルギン酸塩と反応してゲル化が起きる2価以上の金属塩水溶液であれば特に限定されないが、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化ニッケル、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化コバルトなどの多価金属の塩化物水溶液、硝酸カルシウム、硝酸バリウム、硝酸アルミニウム、硝酸鉄、硝酸銅、硝酸コバルトなどの多価金属の硝酸塩水溶液、乳酸カルシウム、乳酸バリウム、乳酸アルミニウム、乳酸亜鉛などの多価金属の乳酸塩水溶液、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸コバルトなどの多価金属の硫酸塩水溶液などが挙げられる。また、上記多価金属イオン水溶液の濃度としては、1〜20%、好ましくは2〜10%、より好ましくは5〜10%が望ましい。上記多価金属イオン水溶液の濃度が1%未満ではアルギン酸ゲルが生成されにくく、20%を超えると金属塩の溶解に時間がかかり、過剰の材料を使用することになり、経済的ではない。
上記アルギン酸塩、例えばアルギン酸ナトリウムは、アルギン酸のカルボキシル基がNaイオンと結合した形の中性塩であり、アルギン酸は水不溶性であるが、水溶性である。上記アルギン酸ナトリウムの水溶液に、多価金属イオン、例えばCaイオンを加えると、イオン架橋が起こってゲル化する。アルギン酸塩と多価金属イオンとの上記性質はよく知られており、これを利用して、上記アルギン酸ナトリウムは、増粘剤、ゲル化剤、安定剤などの物性改良剤として幅広く使用されている、
上記のようにして得られる本発明の上記粒状体は、粒径0.2〜6mm、好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは1〜5mmを有する。上記粒状体の粒径が0.2mmよりも小さくなると、上記粒状体同士の孔隙が小さくなってしまい、孔隙内に保水された水分が毛管力により、強く保持されるため、植物が孔隙内の水分を吸収しにくくなったり、排水性が低下し、根の空気中の酸素の吸収が困難になったりしてしまう。また、上記粒状体の粒径が6mmを超えると、上記粒状体同士の孔隙が大きくなってしまい、植物が吸収し易い水量が低下してしまい、長期間流下せずに植物が利用できる水分が少なくなってしまったり、植物の横倒れ防止などの支承性が低下したりしてしまう。
上記のようにして得られる本発明の上記粒状体は、優れた陽イオン交換能および優れた陰イオン交換能の両方を有するものであり、また上記粒状体の製造方法から明らかなように、アルカリ廃液処理が必要なく、連続生産性に優れるものであることがわかる。従って、本発明の上記粒状体は、酸性ガスおよび塩基性ガスなどを除去する大気浄化用の吸着剤や、陰イオン、陽イオンや、その両方のイオンを同時に除去することができる湖沼や河川の水質保全用の吸着剤としての用途に使用することができる。
また、植物の成長には、K、Ca2+、Mg2+等の陽イオンが必要で、これらの養分を保持する能力がないと、例えば化学肥料などで初期に供給した養分がそのまま水分とともに流下してしまい、植物が利用することができなくなってしまう。天然の土壌中にはこれらの吸着能力が備わっているが、高分子材料などを使用する場合には、これらの能力を人工的に付加する必要がある。また、植物の成長には、窒素は必須の元素であるが、種類によっては陽イオンでのアンモニア態窒素として吸収できず、陰イオンでの硝酸態窒素としてしか吸収できないものがあり、陽イオン吸着能力の他に陰イオン吸着能力も必要となる。土壌中では、NH として陽イオン交換体に吸着した窒素態も、土壌中の硝化菌などの微生物によりNO に変換されるため、陰イオン吸着能力について小さくてもよいが、硝化菌が存在しない人工土壌では、NO を直接吸着することが必要になり、大きな陰イオン吸着能力が必要となってくる。従って、本発明の上記粒状体は、優れた陽イオン交換能および優れた陰イオン交換能の両方を有するものであるので、人工土壌である植物育成用粒状体としても用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜5および比較例1〜16)
(1)混合液の作製
以下の表1〜4に示した配合の材料を、家庭用ミキサー(三洋電機(株)製の「SM−L57」)を用いて3分間撹拌して、混合液を作製した。得られた混合液を、撹拌後1時間静置し、混合液の状態を目視にて観察し、その結果を同表に示す。
Figure 0006083966
Figure 0006083966
Figure 0006083966
Figure 0006083966
(注1)株式会社エコウエル製人工ゼオライト「琉球ライト600」
(注2)カサネン工業株式会社製ベントナイト「関西ベントナイト」
(注3)和光純薬工業株式会社製試薬のハイドロタルサイト
(注4)旭化成株式会社製の結晶性セルロース「セオラス」
(注5)昭和ケミカル株式会社製カオリンクレー「NK300」
(注6)HESS PUMICE PRODUCT社製シリカ「NCS‐3」
(注7)和光純薬工業株式会社製試薬のアルギン酸ナトリウム
(2)イオン交換能を有する粒状体の作製
上記のようにして得られた混合液の内、ペースト状になったものや沈殿(相分離)を形成したものは、それぞれ、次の工程で滴下できなかったり、相分離を起こして均一な混合液を滴下できなかったりしたため、懸濁液となったもののみについて、メスピペットを用いて、多価金属イオン水溶液としての5%の塩化カルシウム水溶液中へ滴下した。
滴下した液滴が粒子状にゲル化した後、ゲル化した粒子を回収し、水洗し、55℃の乾燥機中で24時間して、粒状体を作製した。得られた粒状体について、陽イオン交換能としてNH 吸着量、陰イオン交換能としてNO 吸着量を測定し、また植物生育性としてラディッシュ生育性を評価し、それらの結果を後記の表5〜6に示す。試験方法および評価方法は以下の通りとした。
(試験方法および評価方法)
(1)NH 吸着量
風乾させた試料2mLを50mLのファルコンチューブに入れ、1M酢酸アンモニウム溶液20mLを加え、30秒間振とう後、60分間静置し、吸引ろ過し、80%エタノール10mLにて洗浄を2回行い、瀘液は捨てる。1M塩化カリウム溶液30mLを加え、60分間振とう後、遠心分離(室温、12000rpm、2分間)した後、上清を分離し、インドフェノール法を用いて、吸着したNH 濃度を求める。NH の濃度は富士平工業株式会社製土壌・作物体総合分析装置「SFP−3」により測定した。
(2)NO 吸着量
風乾させた試料2mLを50mLのファルコンチューブに入れ、0.05M硝酸カルシウム溶液20mLを加え、60分間撹拌後、遠心分離(室温、10000rpm、1分間)した後、上清を分離し、アルカリ還元・ジアゾ色素法を用いて、吸着したNO 濃度を求める。NO の濃度は富士平工業株式会社製土壌・作物体総合分析装置「SFP−3」により測定した。
(3)ラディッシュ生育性
容量300mLのポリエチレン製カップの底面に排水用の穴を開け、更に底に砂(粒径2〜5mm)を敷き詰め、上記カップの底面に水が溜まらないようにし、その上に粒状体200mLを入れ、ラディッシュの種1個を播種し、十分な水分を与え発芽させた後、5日間に1回の頻度で協和株式会社製の「ハイポニカ液肥(2液タイプ)」を500倍に希釈したもの30mLを養分として供給し、以下に示す評価基準によりラディッシュの生育性をN=3で評価した。
(評価基準)
○:露地栽培と同様に葉も実も生育し、生育良好
△:葉が大きくならず、実も肥大化しない
×:生育しない
(試験結果)
Figure 0006083966
Figure 0006083966
上記表5〜6の結果から明らかなように、陽イオン交換性フィラー、陰イオン交換性フィラーおよび陽イオン交換能を有するフィラー分散剤をアルギン酸塩水溶液と混合して懸濁混合液を形成し、上記懸濁混合液を多価金属イオン水溶液に滴下してゲル化粒子を形成する本発明の上記粒状体の製造方法により得られた上記粒状体である実施例1〜5は、陽イオン交換容量としてのNH 吸着量および陰イオン交換容量としてのNO 吸着量の両方ともが高い値を示し、植物育成性としてのラディッシュ育成性にも優れるものであった。
これに対して、フィラー分散剤を使用しない比較例1〜2および4〜5では混合液が沈殿し、また陽イオン交換性フィラーとして陽イオン交換能を有するフィラー分散剤として用いているベントナイト粉末のみを用いた比較例3では混合液がペースト状となってしまい、イオン交換能を有する粒状体を製造することができなかった。
フィラー分散剤の配合量が少ない比較例6は混合液が沈殿し、逆に多い比較例7は混合液が、ペースト状となってしまい、イオン交換能を有する粒状体を製造することができなかった。
比較例8〜11はフィラー分散剤としてセルロース粉末を使用したものであるが、陽イオン交換能を有していないため、混合液が懸濁液となっても、NH 吸着量が小さくなっている。それに加えて、比較例8では陰イオン交換性フィラーを使用していないのでNO 吸着量が非常に小さく、ラディッシュ育成性が非常に劣るものであった。比較例9では陽イオン交換性フィラーを使用していないのでNH 吸着量が小さくて、ラディッシュ育成性が非常に劣るものであった。比較例10は、陽イオン交換性フィラーおよび陰イオン交換性フィラーを使用しているものの、陽イオン交換能を有するフィラー分散剤を使用していないので、NH 吸着量が低く、ラディッシュ育成性が劣るものであった。比較例11は、フィラー分散剤としてのセルロース粉末の配合量が多すぎて混合液がペースト状となって、イオン交換能を有する粒状体を製造することができなかった。
陽イオン交換性フィラーを使用しない比較例12〜14は、混合液は懸濁液となったものの、陽イオン交換容量としてのNH 吸着量が低く、ラディッシュ育成性が劣るものであった。比較例14では、陽イオン交換能を有するフィラー分散剤を使用していないので、更にNH 吸着量が低く、ラディッシュ育成性が非常に劣るものであった。
比較例15〜16は、陽イオン交換能を有するフィラー分散剤を使用しているものの、陰イオン交換性フィラーを使用していないのでNO 吸着量が非常に小さく、ラディッシュ育成性が非常に劣るものであった。

Claims (1)

  1. 陽イオン交換性フィラー、陰イオン交換性フィラーおよび陽イオン交換能を有するフィラー分散剤をアルギン酸塩水溶液と混合して懸濁混合液を形成する工程、
    該懸濁混合液を多価金属イオン水溶液に滴下してゲル化粒子を形成する工程、および
    該ゲル化粒子を水洗して、乾燥する工程
    を含み、
    該アルギン酸塩水溶液100質量部に対して、該陽イオン交換性フィラー5〜40質量部、該陰イオン交換性フィラー5〜40質量部および該フィラー分散剤1〜15質量部を含有し、
    前記陽イオン交換性フィラーがゼオライトであり、前記フィラー分散剤がベントナイトであり、前記陰イオン交換性フィラーがハイドロタルサイトであり、前記アルギン酸塩水溶液がアルギン酸ナトリウム水溶液であり、多価金属イオン水溶液が塩化カルシウム水溶液であることを特徴とする、陽イオン交換能および陰イオン交換能を有する植物育成用粒状体の製造方法。
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