JP6083650B2 - ギヤポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、ギヤポンプに関し、さらに詳しくは、ギヤ軸の偏心を抑制して低粘度流体であっても必要十分な吐出圧及び吐出量を確保して圧送することができるギヤポンプに関する。
従来のギヤポンプとして、例えば、図12(a)(b)に示すように、ケーシング102と、ケーシング102に形成されたギヤ室107a、107bの側方に配されるサイドプレート103a、103bと、ギヤ室107a、107b内に互いに噛み合うように収容されるとともにサイドプレート103a、103bに形成された支持孔111a、111b内にギヤ軸105a、105bが支持される一対のギヤ104a、104bと、を備えるギヤポンプ101が一般に知られている。このギヤポンプ101では、一対のギヤ104a、104bが所定方向Ra、Rbに回転することで流体を吸込口108側から吐出口109側に圧送する。
ここで、上記従来のギヤポンプ101において、ギヤ軸105a、105bには吸込方向Sに対してギヤ104a、104bの回転方向Ra、Rbに所定角度θa、θb(例えば、約45度)で傾斜して力Fa、Fbがかかることが知られている(図12(b)参照)。よって、上記従来のギヤポンプ101では、ギヤ軸105a、105bにかかる力Fa、Fbによりギヤ軸105a、105bが偏心して異音や振動が生じてしまう恐れがある。特に、低粘度流体(例えば、船舶用ボイラの燃料等としての灯油、軽油等)を圧送する場合、ギヤ軸105a、105bの偏心が大きくなり易く、必要十分な吐出圧及び吐出量を確保して圧送することができない。
さらに、上記従来のギヤポンプ101では、一対のギヤ104a、104bとしてヘリカルギヤを採用すると、ギヤ軸105a、105bに大きなスラスト力がかかりギヤ軸105a、105bが軸方向にずれて、やはり低粘度流体を必要十分な吐出圧力及び吐出量を確保して圧送することができない。
なお、従来のギヤポンプとして、ギヤ軸を支持する軸受の吐出口側に流体通路を軸方向に沿って形成することで、ギヤ軸を効果的に冷却するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記特許文献1のギヤポンプでは、高粘度溶液を対象としているとともに、縦断面でみて軸受の吐出口側に流体通路を形成しているので、この技術を利用しても、低粘度流体を対象とするギヤポンプでギヤ軸の偏心を効果的に抑制できない。
特開平11−50973号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ギヤ軸の偏心を抑制して低粘度流体であっても必要十分な吐出圧及び吐出量を確保して圧送することができるギヤポンプを提供することを目的とする。また、本発明は、上記目的に加えて、ギヤ軸にかかるスラスト力を受けてギヤ軸の軸方向へのずれを抑制することができるギヤポンプを提供することを他の目的とする。
上記問題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ケーシングと、前記ケーシングに形成されたギヤ室の側方に配されるサイドプレートと、前記ギヤ室内に互いに噛み合うように収容されるとともに前記サイドプレートに形成された支持孔内にギヤ軸が支持される一対のギヤと、を備え、前記一対のギヤが所定方向に回転することで流体を吸込口側から吐出口側に圧送するギヤポンプであって、前記ケーシングの前記ギヤ室には、前記吐出口側に連なる流体溜り溝が軸方向に沿って形成されており、前記流体溜り溝は、前記ギヤ室を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口側に位置するとともに、その溝幅の中心と前記ギヤ室に収容された前記ギヤの軸心とを結ぶ直線が流体の吸込方向に対して前記ギヤの回転方向に所定角度で傾斜するように配されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載において、前記サイドプレートの前記支持孔には、前記吐出口側に連なる流体溜り溝が軸方向に沿って形成されており、前記流体溜り溝は、前記支持孔を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口側に位置するとともに、その溝幅の中心と前記支持孔の中心とを結ぶ直線が流体の吸込方向に対して前記ギヤの回転方向に所定角度で傾斜するように配されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載において、前記ギヤ軸を軸支する軸受部を備え、前記軸受部は、前記ギヤ軸に取り付けられるアダプタと、その内周面が前記アダプタの外周面に接触して前記アダプタに取り付けられるベアリングと、を備え、前記アダプタの外周面及び前記ベアリングの内周面のそれぞれがテーパ状に形成されていることを要旨とする。
本発明のギヤポンプによると、ケーシングのギヤ室には、吐出口側に連なる流体溜り溝が軸方向に沿って形成されており、流体溜り溝は、ギヤ室を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口側に位置するとともに、その溝幅の中心とギヤ室に収容されたギヤの軸心とを結ぶ直線が流体の吸込方向に対してギヤの回転方向に所定角度で傾斜するように配されている。これにより、吐出口側の流体がケーシングの流体溜り溝内に送られ、その流体溜り溝内に溜められる流体圧力によりギヤ軸にかかる力がバランスされてギヤ軸の偏心が抑制される。その結果、低粘度流体であっても必要十分な吐出圧及び吐出量を確保して圧送することができる。
また、サイドプレートの支持孔には、吐出口側に連なる流体溜り溝が軸方向に沿って形成されており、流体溜り溝は、支持孔を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口側に位置するとともに、その溝幅の中心と支持孔の中心とを結ぶ直線が流体の吸込方向に対してギヤの回転方向に所定角度で傾斜するように配されている場合は、吐出口側の流体がサイドプレートの流体溜り溝内に送られ、その流体溜り溝内に溜められる流体圧力によりギヤ軸にかかる力がバランスされてギヤ軸の偏心が抑制される。その結果、低粘度流体であっても必要十分な吐出圧及び吐出量を確保して圧送することができる。
さらに、前記ギヤ軸を軸支する軸受部を備え、前記軸受部は、前記ギヤ軸に取り付けられるアダプタと、その内周面が前記アダプタの外周面に接触して前記アダプタに取り付けられるベアリングと、を備え、前記アダプタの外周面及び前記ベアリングの内周面のそれぞれが、テーパ状に形成されている場合は、アダプタの外周面に対してベアリングの内周面がくさび効果で強固に係止する。よって、ギヤ軸にかかるスラスト力が効果的に受けられてギヤ軸の軸方向へのずれが抑制される。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係るギヤポンプの縦断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 実施例に係るサイドプレートの平面図である。 図4のV−V線断面図である。 上記サイドプレートの斜視図である。 実施例に係るケーシングの平面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 上記ケーシングの斜視図である。 図1の要部拡大図である。 実施例に係る軸受部の分解斜視図である。 従来のギヤポンプを説明するための説明図であり、(a)は縦断面図を示し、(b)は(a)のb−b線断面図を示す。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
<ギヤポンプ>
本実施形態に係るギヤポンプは、ケーシング(2)と、ケーシングに形成されたギヤ室(7a、7b)の側方に配されるサイドプレート(3a、3b)と、ギヤ室内に互いに噛み合うように収容されるとともにサイドプレートに形成された支持孔(11a、11b)内にギヤ軸(5a、5b)が支持される一対のギヤ(4a、4b)と、を備え、一対のギヤが所定方向(Ra、Rb)に回転することで流体を吸込口(8)側から吐出口(9)側に圧送するギヤポンプ(1)である(例えば、図1〜図3等参照)。そして、上記サイドプレート(3a、3b)の支持孔(11a、11b)には、吐出口(9)側に連なる流体溜り溝(15a、15b)が軸方向に沿って形成されており、流体溜り溝は、支持孔を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口(8)側に位置するとともに、その溝幅の中心と支持孔の中心とを結ぶ直線が流体の吸込方向(S)に対してギヤの回転方向(Ra、Rb)に所定角度(θ1a、θ1b)で傾斜するように配されている(例えば、図3〜図6等参照)。
なお、上記所定角度(θ1a、θ1b)としては、例えば、20〜70度(好ましくは30〜60度)を挙げることができる(例えば、図3等参照)。また、上記流体溜り溝(15a、15b)の形状、大きさ、個数等は、流体の吐出圧や吐出量等に応じて適宜選択することができる。この流体溜り溝の溝幅(W1)としては、例えば、1〜30mm(好ましくは1〜10mm)を挙げることができる(例えば、図4等参照)。また、流体溜り溝の長さ(L1)としては、例えば、10〜50mm(好ましくは20〜50mm)を挙げることができる(例えば、図5等参照)。
上述の形態の場合、例えば、上記サイドプレート(3a、3b)の支持孔(11a、11b)の軸方向のギヤ(4a、4b)近傍の一端側には、吐出口(9)側に連なる連絡溝(16)が円周方向に沿って形成されており、上記流体溜り溝(15a、15b)は、その一端側が連絡溝に接続され、その他端側が閉鎖されていることができる(例えば、図6等参照)。
本実施形態に係るギヤポンプとしては、例えば、上記ケーシング(2)のギヤ室(7a、7b)には、吐出口(9)側に連なる流体溜り溝(21a、21b)が軸方向に沿って形成されており、流体溜り溝は、ギヤ室を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口(8)側に位置するとともに、その溝幅の中心とギヤ室に収容されたギヤ(4a、4b)の軸心とを結ぶ直線が流体の吸込方向(S)に対してギヤの回転方向(Ra、Rb)に所定角度(θ2a、θ2b)で傾斜するように配されている形態(例えば、図2及び図7〜図9等参照)を挙げることができる。
なお、上記所定角度(θ2a、θ2b)としては、例えば、20〜70度(好ましくは30〜60度)を挙げることができる(例えば、図2等参照)。また、上記流体溜り溝(21a、21b)の形状、大きさ、個数等は、流体の吐出圧や吐出量等に応じて適宜選択することができる。この流体溜り溝の溝幅(W2)としては、例えば、1〜30mm(好ましくは1〜10mm)を挙げることができる(例えば、図7等参照)。また、流体溜り溝の長さ(L2)としては、例えば、10〜50mm(好ましくは20〜50mm)を挙げることができる(例えば、図8等参照)。
上述の形態の場合、例えば、上記ケーシング(2)のギヤ室(7a、7b)の軸方向の両端側には、吐出口(9)側に連なる連絡溝(22)が円周方向に沿って形成されており、上記流体溜り溝(21a、21b)は、その両端側のそれぞれが連絡溝に接続されていることができる(例えば、図9等参照)。
本実施形態に係るギヤポンプとしては、例えば、上記ギヤ軸(5a)を軸支する軸受部(6)を備え、軸受部は、ギヤ軸に取り付けられるアダプタ(25)と、その内周面がアダプタの外周面に接触してアダプタに取り付けられるベアリング(26)と、を備え、アダプタの外周面及びベアリングの内周面のそれぞれはテーパ状に形成されている形態(例えば、図10及び図11等参照)を挙げることができる。
本実施形態に係るギヤポンプとしては、例えば、上記サイドプレート(3a、3b)の少なくとも支持孔(11a、11b)の表面にはフッ素樹脂層が形成されている形態を挙げることができる。
<他のギヤポンプ>
本実施形態に係る他のギヤポンプは、ケーシング(2)と、ケーシングに形成されたギヤ室(7a、7b)の側方に配されるサイドプレート(3a、3b)と、ギヤ室内に互いに噛み合うように収容されるとともにサイドプレートに形成された支持孔(11a、11b)内にギヤ軸(5a、5b)が支持される一対のギヤ(4a、4b)と、を備え、一対のギヤが所定方向(Ra、Rb)に回転することで流体を吸込口(8)側から吐出口(9)側に圧送するギヤポンプ(1)である(例えば、図1〜図3等参照)。そして、上記ケーシング(2)のギヤ室(7a、7b)には、吐出口(9)側に連なる流体溜り溝(21a、21b)が軸方向に沿って形成されており、流体溜り溝は、ギヤ室を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口(8)側に位置するとともに、その溝幅の中心とギヤ室に収容されたギヤ(4a、4b)の軸心とを結ぶ直線が流体の吸込方向(S)に対してギヤの回転方向(Ra、Rb)に所定角度(θ2a、θ2b)で傾斜するように配されている(例えば、図2及び図7〜図9等参照)。なお、本実施形態に係る他のギヤポンプとしては、例えば、上述のギヤポンプの各構成を適用したものを挙げることができる。
なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。なお、本実施例では、本発明に係る「ギヤポンプ」として、低粘度流体(例えば、船舶用ボイラの燃料等としての灯油、軽油等)を圧送するギヤポンプを例示する。
(1)ギヤポンプの構成
本実施例に係るギヤポンプ1は、図1〜図3に示すように、ケーシング2、サイドプレート3a、3b、一対のギヤ4a、4b及び軸受部6を備えている。このケーシング2には、互いに連なるギヤ室7a、7bが形成されている。このギヤ室7aには、駆動側のギヤ4aが収容され、ギヤ室7bには、従動側のギヤ4bが収容されている。また、ケーシング2には、各ギヤ室7a、7bに連なる吸込口8及び吐出口9が形成されている(図2参照)。
上記サイドプレート3a、3bは、ケーシング2のギヤ室7a、7bの両側方に配されている。これら各サイドプレート3a、3bは、ケーシング2のギヤ室7a、7bに連なる取付孔10a、10b内に挿入され、その挿入端面によりギヤ室7a、7bの側面を形成している(図1参照)。また、各サイドプレート3a、3bには、ギヤ4a、4bのギヤ軸5a、5bを支持する支持孔11a、11bが形成されている。
なお、本実施例では、一対のギヤ4a、4bとしてヘリカルギヤを採用する。また、サイドプレート3a、3bとして、支持孔11a、11bを含む全表面にフッ素樹脂層をコーティングしてなり、全体として筒状に形成されたものを採用する。また、ケーシング2の一方の側方には、図1に示すように、各ギヤ軸5a、5b及びサイドプレート3a、3bの側方を覆うサイドカバー12が取り付けられている。さらに、ケーシング2の他方の側方には、ギヤ軸5b及びサイドプレート3bの側方を覆うサイドカバー13が取り付けられている。
上記サイドプレート3a、3bの支持孔11a、11bには、図3に示すように、吐出口9側に連なる流体溜り溝15a、15bが軸方向に沿って形成されている。この流体溜り溝15a、15bは、支持孔11a、11bを縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口8側に位置するとともに、その溝幅の中心と支持孔11a、11bの中心とを結ぶ直線が流体の吸込方向Sに対してギヤの回転方向Ra、Rbに所定角度θ1a、θ1b(例えば、約45度)で傾斜するように配されている。言い替えれば、支持孔11a、11bの中心を通る吸込方向Sに沿う直線と吸込方向Sに略直交する直線とで支持孔11a、11bを4つの領域に区画した場合に、流体溜り溝15a、15bは、その横幅の中心が4つの領域のうちの吸込口8側であり且つ他方の支持孔11a、11bと反対側(離反側)となる1つの領域に位置するように配されている。
図4〜図6に示すように、上記サイドプレート3a、3bの支持孔11a、11bの軸方向のギヤ4a、4b近傍の一端側には、吐出口9側に連なる半環状の連絡溝16が円周方向に沿って形成されている。そして、上記流体溜り溝15a、15bは、その一端側が連絡溝16に接続され、その他端側が閉鎖されている。また、サイドプレート3a、3bのギヤ4a、4b近傍の一端側には、吐出口9側に連なる切欠部17が形成されている。また、サイドプレート3a、3bには、一端側が切欠部17に開口し、他端側が連絡溝16に連なる細孔18が形成されている。この細孔18の最大径は流体溜り溝15a、15bの溝幅W1より小さな値(例えば、1.6mm)とされている。さらに、サイドプレート3a、3bには、支持孔11a、11bの軸方向に貫通する流体循環用の孔19が形成されている。なお、上記流体溜り溝15a、15bは、その溝幅W1が約5mmとされ、その長さL1が約30mmとされている。
上記ケーシング2のギヤ室7a、7bには、図2に示すように、吐出口9側に連なる流体溜り溝21a、21bが軸方向に沿って形成されている。この流体溜り溝21a、21bは、ギヤ室7a、7bを縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口8側に位置するとともに、その溝幅の中心とギヤ室7a、7bに収容されたギヤ4a、4bの軸心とを結ぶ直線が流体の吸込方向Sに対してギヤの回転方向Ra、Rbに所定角度θ2a、θ2b(例えば、約45度)で傾斜するように配されている。言い替えれば、ギヤ室7a、7bに収容されるギヤ軸5a、5bの軸心を通る吸込方向Sに沿う直線と吸込方向Sに略直交する直線とでギヤ室7a、7bを4つの領域に区画した場合に、流体溜り溝21a、21bは、その横幅の中心が4つの領域のうちの吸込口8側であり且つ他方のギヤ室7a、7bと反対側(離反側)となる1つの領域に位置するように配されている。
図7〜図9に示すように、上記ケーシング2のギヤ室7a、7bの軸方向の両端側には、吐出口9側に連なる半環状の連絡溝22が円周方向に沿って形成されている。そして、上記流体溜り溝21a、21bは、その両端側のそれぞれが連絡溝22に接続されている。なお、上記流体溜り溝21a、21bは、その溝幅W2が約7mmとされ、その長さL2が約40mmとされている。
上記軸受部6は、図10及び図11に示すように、駆動側のギヤ軸5aを軸支する。この軸受部6は、ギヤ軸5aに取り付けられるアダプタ25と、その内周面がアダプタ25の外周面に接触してアダプタ25に取り付けられるベアリング26と、を備えている。
上記アダプタ25は、その外周面がテーパ状に形成されたテーパ筒部25aと、このテーパ筒部25aの軸方向の一端側に連なり外周面にネジが形成されたネジ筒部25bと、を備えている。また、アダプタ25には、軸方向の全長にわたってスリット25cが形成されており、縦断面略C字状に形成されている。また、ベアリング26は、外輪26a、内輪26b及びボール26cを備える自動調芯玉軸受である。この内輪26bの内周面は、アダプタ25の外周面に係止するテーパ状に形成されている。そして、ギヤ軸5aに挿入されたアダプタ25の外周面にベアリング26の内周面を接触させた状態で、アダプタ25のネジ筒部25bに締付ナット27を螺合することで、アダプタ25の外周面とベアリング26の内周面とがくさび効果で強固に係止する。
なお、上記ギヤ軸5aの外周側には、図1に示すように、サイドプレート3aと軸受部6との間にメカニカルシール部31が取り付けられている。また、上記サイドカバー13の一端側には、筒状のハウジングケース32が取り付けられている。このハウジングケース32の一端側にベアリング固定用のカバー33を取り付けることで、ハウジングケース32とカバー33との間でベアリング26の外輪26aが挟持される。また、カバー33の内周側とギヤ軸5aの外周面との間にはオイルシール34が配されている。
(2)ギヤポンプの作用
次に、上記構成のギヤポンプ1の作用について説明する。図2に示すように、駆動モータ(図示省略)によりギヤ軸5aを回転駆動させると、一対のギヤ4a、4bが互いに噛み合って所定方向Ra、Rbに回転することで流体を吸込口8側から吐出口9側に圧送する。このとき、吐出口9側の流体が吸込口8側の流体より圧力が高くなっており、ギヤ軸5a、5bには吸込方向Sに対してギヤ4a、4bの回転方向Ra、Rbに所定角度(例えば、約45度)で傾斜して力Fa、Fbがかかる。また、図3に示すように、ケーシング2の吐出口9側の流体は、サイドプレート3a、3bの切欠部17、細孔18及び連絡溝16を通って流体溜り溝15a、15b内に送られる。さらに、図2に示すように、ケーシング2の連絡溝22を通って流体溜り溝21a、21b内に送られる。そして、これら流体溜り溝内15a、15b、21a、21bに溜められる流体圧力によりギヤ軸5a、5bにかかる力Fa、Fbがバランスされる。
(3)実施例の効果
以上より、本実施例のギヤポンプ1によると、サイドプレート3a、3bの支持孔11a、11bには、吐出口9側に連なる流体溜り溝15a、15bが軸方向に沿って形成されており、流体溜り溝15a、15bは、支持孔11a、11bを縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口8側に位置するとともに、その溝幅の中心と支持孔11a、11bの中心とを結ぶ直線が流体の吸込方向Sに対してギヤの回転方向Ra、Rbに所定角度θ1a、θ1bで傾斜するように配されている。これにより、吐出口9側の流体がサイドプレート3a、3bの流体溜り溝15a、15b内に送られ、その流体溜り溝15a、15b内に溜められる流体圧力によりギヤ軸5a、5bにかかる力Fa、Fbがバランスされてギヤ軸5a、5bの偏心が抑制される。その結果、低粘度流体であっても必要十分な吐出圧及び吐出量を確保して圧送することができる。
また、本実施例では、サイドプレート3a、3bの支持孔11a、11bの軸方向のギヤ4a、4b近傍の一端側には、吐出口9側に連なる連絡溝16が円周方向に沿って形成されており、上記流体溜り溝15a、15bは、その一端側が連絡溝16に接続され、その他端側が閉鎖されている。これにより、サイドプレート3a、3bの流体溜り溝15a、15b内に流体を効果的に溜めることができる。
また、本実施例では、ケーシング2のギヤ室7a、7bには、吐出口9側に連なる流体溜り溝21a、21bが軸方向に沿って形成されており、流体溜り溝21a、21bは、ギヤ室7a、7bを縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口8側に位置するとともに、その溝幅の中心とギヤ室7a、7bに収容されたギヤ4a、4bの軸心とを結ぶ直線が流体の吸込方向Sに対してギヤの回転方向Ra、Rbに所定角度θ2a、θ2bで傾斜するように配されている。これにより、吐出口9側の流体がケーシング2の流体溜り溝21a、21b内に送られ、その流体溜り溝21a、21b内に溜められる流体圧力によりギヤ軸5a、5bにかかる力Fa、Fbがバランスされてギヤ軸5a、5bの偏心がより確実に抑制される。
また、本実施例では、ケーシング2のギヤ室7a、7bの軸方向の両端側には、吐出口9側に連なる連絡溝22が円周方向に沿って形成されており、流体溜り溝21a、21bは、その両端側のそれぞれが連絡溝22に接続されている。これにより、ケーシング2の流体溜り溝21a、21b内に流体を効果的に溜めることができる。
さらに、本実施例では、ギヤ軸5aを軸支する軸受部6を備え、軸受部6は、ギヤ軸5aに取り付けられるアダプタ25と、その内周面がアダプタ25の外周面に接触してアダプタ25に取り付けられるベアリング26と、を備え、アダプタ25の外周面及びベアリング26の内周面のそれぞれがテーパ状に形成されている。これにより、アダプタ25の外周面に対してベアリング26の内周面がくさび効果で強固に係止する。よって、ギヤ軸5aにかかるスラスト力が効果的に受けられてギヤ軸5aの軸方向へのずれが抑制される。
さらに、本実施例では、サイドプレート3a、3bの全表面にはフッ素樹脂層が形成されている。これにより、ギヤ軸5a、5bの損傷を抑制して効果的に支持できる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、サイドプレート3a、3bに流体溜り溝15a、15bを設けるとともに、ケーシング2に流体溜り溝21a、21bを設けてなるギヤポンプ1を例示したが、これに限定されず、例えば、サイドプレート3a、3bに流体溜り溝15a、15bを設けずに、ケーシング2に流体溜り溝21a、21bを設けてなるギヤポンプとしてもよい。参考例としては、例えば、サイドプレート3a、3bに流体溜り溝15a、15bを設けるとともに、ケーシング2に流体溜り溝21a、21bを設けないギヤポンプが挙げられる。
また、上記実施例では、軸受部6を備えるギヤポンプ1を例示したが、これに限定されず、例えば、軸受部6を備えないギヤポンプとしてもよい。また、上記実施例では、駆動側のギヤ軸5aを軸支する軸受部6を備えるギヤポンプ1を例示したが、これに限定されず、例えば、この軸受部6に替えて又は加えて、従動側のギヤ軸5bを軸支する軸受部を備えるギヤポンプとしてもよい。
また、上記実施例では、低粘度流体を圧送するギヤポンプ1を例示したが、これに限定されず、例えば、中粘度流体又は高粘度流体を圧送するギヤポンプとしてもよい。
また、上記実施例では、一対のギヤ4a、4bとしてヘリカルギヤを採用したが、これに限定されず、例えば、一対のギヤとしてダブルヘリカルギヤ、スパーギヤ等を採用してもよい。
さらに、上記実施例では、軸受部6のベアリング26として玉軸受を採用したが、これに限定されず、例えば、コロ軸受、ニードル軸受等を採用してもよい。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
流体を圧送する技術として広く利用される。特に、低粘度流体を圧送する技術として好適に利用される。
1;ギヤポンプ、2;ケーシング、3a,3b;サイドプレート、4a,4b;一対のギヤ、5a,5b;ギヤ軸、6;軸受部、7a,7b;ギヤ室、8;吸込口、9;吐出口、11a,11b;支持孔、15a,15b,21a,21b;流体溜り溝、25;アダプタ、26;ベアリング、Ra,Rb;ギヤの回転方向、S;流体の吸込方向、θ1a、θ1b、θ2a、θ2b;所定角度。

Claims (3)

  1. ケーシングと、前記ケーシングに形成されたギヤ室の側方に配されるサイドプレートと、前記ギヤ室内に互いに噛み合うように収容されるとともに前記サイドプレートに形成された支持孔内にギヤ軸が支持される一対のギヤと、を備え、前記一対のギヤが所定方向に回転することで流体を吸込口側から吐出口側に圧送するギヤポンプであって、
    前記ケーシングの前記ギヤ室には、前記吐出口側に連なる流体溜り溝が軸方向に沿って形成されており、前記流体溜り溝は、前記ギヤ室を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口側に位置するとともに、その溝幅の中心と前記ギヤ室に収容された前記ギヤの軸心とを結ぶ直線が流体の吸込方向に対して前記ギヤの回転方向に所定角度で傾斜するように配されていることを特徴とするギヤポンプ。
  2. 前記サイドプレートの前記支持孔には、前記吐出口側に連なる流体溜り溝が軸方向に沿って形成されており、前記流体溜り溝は、前記支持孔を縦断面でみたときに、その溝幅の中心が流体の吸込口側に位置するとともに、その溝幅の中心と前記支持孔の中心とを結ぶ直線が流体の吸込方向に対して前記ギヤの回転方向に所定角度で傾斜するように配されている請求項1記載のギヤポンプ。
  3. 前記ギヤ軸を軸支する軸受部を備え、前記軸受部は、前記ギヤ軸に取り付けられるアダプタと、その内周面が前記アダプタの外周面に接触して前記アダプタに取り付けられるベアリングと、を備え、前記アダプタの外周面及び前記ベアリングの内周面のそれぞれがテーパ状に形成されている請求項1又は2に記載のギヤポンプ。
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