JP6080694B2 - 真空バルブ - Google Patents

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Description

この発明は、風車形接点を組み込んだ真空バルブに関するもので、電流遮断時のアークによるアークシールドの損傷を抑制し、遮断寿命及び遮断後の耐電圧性能を向上させるものである。
従来の真空バルブは、アルミナセラミックス等から形成された絶縁円筒を真空容器とし、絶縁円筒の両端に生成されたメタライズ層に容器内を高真空で気密保持すべく、金属フランジが、真空ロウ付けによって固着されている。絶縁円筒両端に固着された金属フランジにはそれぞれ固定側電極棒、可動側電極棒が同軸上に対向して取り付けられており、各電極棒の対向面にはそれぞれ固定側接点と可動側接点が固着されている。また、可動側接点が気密を保持しながら絶縁容器軸心上を動作できるよう可動側電極棒と金属フランジ間にベローズが設けられるが、電流遮断時に発生したアークによってベローズが汚損されることを防ぐために設けられた傘状のベローズカバーが可動側電極棒に固着されており、ベローズ自体は接点側がベローズカバーもしくはベローズカバーと可動側電極棒にロウ付接合され、接点の反対側には可動側フランジに取り付けられている。また、絶縁容器内部にはアークシールドが対向する接点を囲繞するように設けられており、絶縁容器の内沿面が電流遮断時に発生するアークによって汚損されることを防いでいる。可動側はその開閉の過程において軸心上で円滑に動作するために軸受け機能を有するガイドが可動側端部に取り付けられている(特許文献1)。
前述の接点の種類に風車形接点がある。風車形接点には図1に示すように、中心部から周縁部に向けて渦巻状の溝1が切り込まれ、複数個(図1では4個)の円弧部2を形成している。真空バルブにおいて閉極して電流が通電されている場合、固定側接点と可動側接点における円弧部2が互いに接触している。電流を遮断する場合には固定側接点と可動側接点を開極させることによって、固定側接点と可動側接点の円弧部2上の任意点にアーク3が発生する。風車形接点に通電された電流Ixは図1のように中心から円弧部2の形状に沿って流れ、さらにアーク3を介して対向する風車形接点の円弧部2に流れていく。この際に、電流Ixによって図1には図示しない磁束密度Bxが発生する。アーク3はこの磁束密度Bxに比例した駆動力Fxを受け、円弧部2上を左回りに高速で回転移動する。アーク3が風車形接点上を高速で回転移動することで電流ゼロ点を迎えるまで、アークによる局部的な熱の集中を防止し、接点の損傷を軽減させることができ、遮断性能を向上させることができる。
特公平6−24090号公報
風車形接点を組み込んだ真空バルブにおいては、駆動力Fxにより接点上でアークを高速で回転移動させ、電流ゼロ点を迎えるまで接点の損傷を軽減させて遮断性能を向上させているが、真空バルブを遮断器に組み込んだ後は、外部導体からの磁界により駆動力Fxに反する向きに電磁力が発生し、アークの移動が停滞する箇所が発生する。アークシールドでは、アークの熱により損傷を受けるが、アークの移動が停滞する箇所では、それ以外の箇所と比較して損傷が増大し、遮断性能及び遮断後の耐電圧性能が低下してしまう。電流遮断時のアークによるアークシールドの損傷を抑制し、風車形接点を組み込んだ真空バルブの遮断性能を向上させることが本発明における課題である。
この発明による真空バルブは、互いに対向する端部を真空容器内に配設される対をなす電極棒の対向面にそれぞれ固着され接離自在である風車形接点、前記絶縁筒内に前記風車形接点を囲繞するように設けられたアークシールドを備えた真空バルブにおいて、前記アークシールドには周方向の一部に厚みを増大した箇所が設けられるとともに、前記アークシールドの厚みが増大している箇所を、前記風車形接点上において外部からの電磁力によりアークの移動が停滞する箇所と同じ周方向位置に配置するようにしたものである。
この発明によれば、アークシールドの厚みを持たせて熱容量が増大した箇所をアークが停滞する箇所と同じ周方向位置に配置させることで、アークの熱によるアークシールドの損傷が軽減され、遮断寿命及び遮断後の耐電圧性能の向上に繋がる。

この発明における真空バルブの風車型接点の構造を示す概略図。 この発明における実施の形態1に関わる真空バルブの構成を示す概略断面図。 図2に示す真空バルブにおけるアークシールドを形成する板材形状を示す概略図。 図2に示す真空バルブにおけるアークシールドの構造を示す概略図。 真空バルブを遮断器に組み込んだ状態を示す概略図。 この発明における実施の形態1に関わるアークシールドと接点の半径方向の位置関係を示す図5のVI−VI方向に見た概略図。 この発明の図6においてアークの駆動方向を説明する図。 この発明における実施の形態2に関わるアークシールドを形成する板材形状を示す概略図。 この発明における実施の形態2に関わるアークシールドを示す概略図。 この発明における実施の形態2に関わるアークシールドと接点の半径方向の位置関係を示す概略図。 この発明における実施の形態3に関わる真空バルブの構成を示す概略断面図。 この発明における実施の形態3に関わるアークシールドを形成する板材形状を示す概略図。 図11に示す真空バルブにおけるアークシールドを示す概略図。 この発明における実施の形態3に関わる図13とは異なるアークシールドを形成する板材形状を示す概略図。 この発明における実施の形態3に関わる図13とは異なるアークシールドを示す概略図。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本発明は真空容器内に接離自在に取り付けられた固定側電極と可動側電極を擁する真空バルブに関わる。
実施の形態1.
この発明における実施の形態1を図1から図7までについて説明する。
この発明の実施の形態1を示す図2の真空バルブ概略断面図において、真空バルブは、アルミナセラミック等の絶縁物を材質とする円筒状の絶縁筒4に対し、その両端には容器を形成し、かつ容器内部を高真空で気密保持すべく、ステンレス鋼等の金属を材質とする固定側フランジ5と可動側フランジ6が取り付けられ、これら固定側フランジ5と可動側フランジ6は絶縁筒4の両端に形成されたメタライズ層7に真空ロウ付けによって絶縁筒4と同軸上に固着されている。絶縁筒4の一端に固着された固定側フランジ5には固定側電極棒8が固着され、可動側フランジ6には可動側電極棒9がベローズ10を介して取り付けられている。ベローズ10の一端と可動側フランジ6は固着されており、ベローズ10の他端と可動側電極棒9は電流遮断時に発生するアークによるベローズ10の汚損防止を目的として設けたベローズカバー11を介して固着されている。
固定側電極棒8と可動側電極棒9の対向面には風車形の固定側接点12および可動側接点13がそれぞれ固着されている。これら固定側接点12および可動側接点13の裏側には補強板14が設けられており、固定側接点12と可動側接点13の機械的強度を補う役割をしている。可動側接点13は固着している可動側電極棒9がベローズ10を介して可動側フランジ6に取り付けられているため、気密を保持したまま絶縁筒4の軸心上で、固定側接点12と接離自在となっている。
ここで、固定側電極棒8と可動側電極棒9の対向面にそれぞれ固着され互いに接離自在とされる風車形の固定側接点12および可動側接点13における互いの接触面はそれぞれ図1に示すような平面形状を有している。
それぞれ全体として円盤状の形状をなし互いに円形状平面を対向する風車形の各接点12,13には、中心部から周縁部に向けて渦巻状に周方向へ湾曲して外径方向へ伸びるように切り込まれた複数の溝1と、溝1によって区切られた複数の弧状部2とが形成されている。真空バルブの開放動作時における接点12,13の開離過程においてアーク3が発生し、接点12,13の接触面部分に電流Ixが流通しているものとすると、電流Ixによる磁束とアーク3の通電電流との電磁作用によりアーク3は駆動力Fxを受け、弧状部2の外周先端部分へ駆動されて回転移動し消弧されるものである。
絶縁筒4の内沿面には電流遮断時に電極間で発生するアークによる絶縁筒内沿面の汚損防止を目的としたアークシールド15が対向配置された固定側接点12と可動側接点13を囲繞するように設けられている。ガイド16は熱可塑性合成樹脂等から製作されており、真空ロウ付による真空封止後、可動側フランジ6に取り付けられている。可動側電極棒9とガイド16が摺動部となることにより、ガイド16に軸受け機能を持たせている。
前述のとおり、アークシールド15は固定側接点12と可動側接点13を囲繞するように設けられている。図4にこの発明の実施の形態1に関わるアークシールド15の構造を示す。本発明における実施の形態1に関わるアークシールド15は、例えばステンレス鋼等の金属の板材から作製される。板材の一端を図3に示すようにプレス加工等によりL字に折り曲げ、折曲部15aを形成する。そして、図3に示すような板材を円筒形状とすべく丸める際に、板材の他端と折曲部15aを図4に示すように重ね合わせて接続することによって、アークシールド15の一部に厚みを持たせて熱容量を増大させた重合部15bを形成する。
重合部15bは折曲部15aと他端とが接しているのみであるが、重合部15bの継ぎ目を溶接やロウ付等により完全に接合しても構わない。また、本実施の形態では、アークシールド15は円筒形状を成しているが、円筒形状形成後に筒の底部をしぼる等、形状を変更することが可能であることは言うまでもない。
次に、真空バルブ17が遮断器に組み込まれた場合を考える。図5は真空バルブ17を遮断器に組み込んだ状態を示す概略図であり、真空バルブ17の周囲には外部導体18が配置されている。外部導体18は真空バルブ17の電極棒8,9に接続され、真空バルブ17の上方に水平配置された外部導体18と、垂直方向に配置された真空バルブ17の電極棒8,9と、真空バルブ17の下方に水平配置された外部導体18とによって図5の右方向に開口するコ字状の通電経路を形成するものである。外部導体18には電流Iyが通電されるため、このコ字状の通電経路によって図示しない磁束密度Byが発生し、真空バルブ17内において電極棒8,9の対向面に固着された風車形接点12,13上で発生するアーク3は、外部導体18の導出方向(図7のB方向)とは反対の方向(図7のC方向)にこの磁束密度Byに比例した電磁力Fyを受ける。従って、風車形接点12,13の円弧部2を図7のD方向すなわち周回方向(図7においては反時計方向)に回転移動していたアーク3が外部導体18による電磁力Fy(図7のC方向)によって速やかに移動できない箇所19(図6参照)が発生する。これは、風車形接点12,13上を、周回方向(図7のD方向)に移動しているアークが、図7の上半分ではD方向の電磁力Fyによって運動が加速されるが、図7の下半分ではD方向の電磁力Fyによって運動が減速され、図7に示した範囲19においてアークの運動が停滞する。このため、外部導体18が図5に示すように真空バルブ17から右方向に水平配置されているものとすると、前述したコ字状の通電経路による磁束作用によってアーク3は図5における左方向に電磁力を受け、この電磁力が風車形接点12,13によるアーク回転駆動力に対抗する阻害駆動力となって、アーク3は停滞を余儀なくされるものである。このようにアーク3の移動が停滞する箇所では、アーク3による局部的な熱集中を引き起こし、アークシールド15を損傷させ遮断性能を低下させてしまう。そこで、本発明では図6に示すように、接点上においてアークの移動が停滞するアーク停滞箇所19とアークシールド15において厚みを持たせて熱容量を増大させた重合部15bとを半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させるようにしている。
アーク停滞箇所19と重合部15bとを半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させたことで、電流遮断時にアークが停滞しても、熱容量が増大した重合部15bで熱を吸収し、熱的なダメージを軽減させるため、遮断性能が向上する。アークによる熱的なダメージを軽減できることから、遮断寿命が延長される他、遮断後の耐電圧性能も向上する。アークシールド15の板厚の厚みはアーク停滞箇所19のように熱的損傷の大きい箇所を考慮し決定されるが、本実施の形態1のアークシールド15は熱的損傷の大きな箇所に限定して板厚を厚くし、熱容量を増大させることが可能であるため、アークシールド全体の板厚を厚くしたり、銅クロムのような熱伝導率の良好な材料に変更したりする必要が無くなる。従って、軽量化が図れるとともに、材料費の高騰を抑制し、低コスト化を実現できる。また、本実施の形態におけるアークシールド15は、プレス加工により容易に作成可能であるため、材料の加工費用も安価に抑えられる。
本実施の形態における真空バルブは、両端にメタライズ層を有し真空容器を構成する絶縁筒4の一端が封止される固定側フランジ5、前記絶縁筒4の他端が封止される可動側フランジ6、前記固定側フランジ5に固着された固定側電極棒8、前記可動側フランジ6に固着されるベローズ10、このベローズ10がベローズカバー11を介して保持する可動側電極棒9、前記固定側電極棒8と可動側電極棒9の対向面に固着され、前記絶縁筒4の軸心上で接離自在である風車形接点12,13、前記絶縁筒4内に前記風車形接点12,13部分を囲繞するように設けられたアークシールド15、及び前記可動側フランジ6に取り付けられ軸受機能を果たす熱可塑性樹脂からなるガイド16を備えた真空バルブにおいて、前記アークシールド15は、長方形の板材を巻き込み円筒形に丸めて一方の先端部と他方の先端部が所定幅にわたって重ね合わされ、かつ重ね合わされた箇所15bのみ板厚を厚くするとともに、前記アークシールドの厚みが増大している箇所15bを、風車形接点12,13上において外部からの電磁力によりアークの移動が停滞する箇所19と半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置したことを特徴とするものである。
この構成により、アークシールド15の厚みを持たせて熱容量が増大した箇所15bをアークが停滞する箇所19と半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させることで、アークの熱によるアークシールド15の損傷が軽減され、遮断寿命及び遮断後の耐電圧性能を向上することができる。
実施の形態2.
この発明における実施の形態2を図8から図10までについて説明する。
この発明における実施の形態2に係る真空バルブの構造は実施の形態1の図2に示す真空バルブ概略断面図において、アークシールド15の形状が、その実施例において異なるのみであり、それ以外の構造は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図9にこの発明の実施の形態2に関わるアークシールド15の構造を示す。本発明における実施の形態2に関わるアークシールド15は、実施の形態1と同様、ステンレス鋼等の金属の板材から作製される。図8に示すような所定の幅wを持つ長さxの長手の板材を長手方向に巻き込んで丸め円周寸法がxで軸方向寸法がwのアークシールド15を構成する円筒形状を形成するものである。そして、板材の一端を図7に示すようにプレス加工等により反対側に折り返して、折返部15cを形成している。そして、図8に示すような板材を円筒形状とすべく丸める際に、板材の他端と折返部15cを図9に示すように接続させ、アークシールド15を形成させている。本実施の形態2では折返部15cが厚みを持たせて熱容量を増大させた箇所となる。折返部15cは他端と接しているのみであり、溶接やロウ付等により接合されていないものであるが、その継ぎ目を溶接やロウ付等により完全に接合しても構わない。また、実施の形態1と同様に、円筒形状形成後に筒の底部をしぼる等、形状を変更することが可能であることは言うまでもない。
図10は本実施の形態2における真空バルブ中の接点とアークシールド15の配置を示している。本例においては、接点上においてアークの移動が停滞するアーク停滞箇所19と本実施の形態2のアークシールド15において厚みを持たせて熱容量を増大させた折返部15cとを半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させている。
アーク停滞箇所19と折返部15cとを半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させたことで、電流遮断時にアークが停滞しても、熱容量が増大した折返部15cで熱を吸収し、実施の形態1と同様、熱的なダメージを軽減させるため、遮断性能が向上する。アークによる熱的なダメージを軽減できることから、遮断寿命が延長される他、遮断後の耐電圧性能も向上する。
本実施の形態2においても、アークシールド15は熱的損傷の大きな箇所に限定して板厚を厚くし、熱容量を増大させることが可能であるため、アークシールド全体の板厚を厚くしたり、銅クロムのような熱伝導率の良好な材料に変更したりする必要が無くなり、軽量化が図れるとともに、材料費の高騰を抑制し、低コスト化を実現できる。また、本実施の形態2におけるアークシールドもプレス加工により容易に作成可能であるため、材料の加工費用も安価に抑えられる。
実施の形態3.
この発明における実施の形態3を図11から図15までについて説明する。
図11はこの発明の実施の形態3における真空バルブの構造を示す概略断面図である。この発明の実施の形態3における真空バルブの構造は実施の形態1において説明した真空バルブの構造において、アークシールド15の形状が、その実施例において異なるのみであり、それ以外の構造は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図13にこの発明の実施の形態3に関わるアークシールド15の構造を示す。本発明における実施の形態3に関わるアークシールド15は、ステンレス鋼等の金属の板材から作製される。図12に示すような所定の幅wを持つ長さxの長手の板材を長手方向に巻き込んで丸め円周寸法がxで軸方向寸法がwのアークシールド15を構成する円筒形状を形成するものであって、板材の一端の凸部をプレス加工等によりL字に折り曲げ、折曲部15aを形成し、板材のもう一端に四角形切り欠き形状に打ち抜かれた打抜部15dを設けている。そして、図12に示すような板材を円筒形状とすべく丸める際に、図12(c)に示す板材の一端部に設けた折曲部15aの打抜部接続位置に板材の打抜部15dを嵌合し接続させることで、板材の他端と折曲部15aが重ね合わされ、重合部15bを形成する。
ここで、重合部15bを形成する折曲部15aの幅方向の寸法を図12(d)で示すようにaとする。電流遮断時に発生するアークは真空バルブ17の接点12,13間において発生するため、真空バルブ17の開極時における風車形接点12,13の相互間隔で示される真空バルブ17の開極寸法をdとすると、折曲部15aの幅の寸法aはa>dとすることが望ましい。また、打抜部15dの幅方向の寸法をb、巻き込み方向の寸法をc、板厚をt、折曲部15aの曲げ半径寸法をRとした時、b=a、c=t+Rとすることが望ましい(但し、寸法公差は含まない)。本実施の形態3においては、実施の形態1と同様に、接点上におけるアーク停滞箇所19とアークシールド15における重合部15bとを半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させている。
本実施の形態3では、アークシールド15を図15のような形状としても良い。この場合、図12の板材形状とは異なり、板材の一端を図13に示すように、折曲部15aを形成するのではなく、反対側に折り返して折返部15cを形成する。そして図14に示すような長手の板材を長手方向に巻き込んで円筒形状とすべく丸める際に、図14(c)に示す打抜部接続位置に板材の打抜部15dを嵌合し接続させる。
ここで、折返部15cの幅方向の寸法を図14(d)で示すようにeとすると、真空バルブの開極寸法dとの関係をe>dとすることが望ましい。また、この場合の打抜部15dの幅方向の寸法をb、巻き込み方向の寸法をc、板厚をtとした時、b=e、c=tとすることが望ましい(但し、寸法公差は含まない)。本実施の形態3においては、実施の形態2と同様に、接点上におけるアーク停滞箇所19とアークシールド15における折返部15cとを半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させている。
本実施の形態3においても、継ぎ目部分を溶接やロウ付等により完全に接合しても構わない。また、円筒形状形成後に筒の底部をしぼる等、形状を変更することが可能であることは言うまでもない。
本実施の形態3においても、アーク停滞箇所19と重合部15bもしくは折返部15c等熱容量を増大させた箇所を半径方向において同じ角度位置、すなわち同じ周方向位置に配置させたことで、電流遮断時にアークが停滞しても、熱容量が増大した箇所で熱を吸収し、熱的なダメージを軽減させるため、遮断性能が向上する。アークによる熱的なダメージを軽減できることから、遮断寿命が延長される他、遮断後の耐電圧性能も向上する。
本実施の形態3においても、アークシールド15は熱的損傷の大きな箇所に限定して板厚を厚くし、熱容量を増大させることが可能であるため、アークシールド全体の板厚を厚くしたり、銅クロムのような熱伝導率の良好な材料に変更したりする必要が無くなり、材料費の高騰を抑制し、低コスト化を実現できる。
また、本実施の形態3においては、アークシールド15において板厚の厚みを厚くし、熱容量を増大させた箇所を接点間近辺により限定させているため、真空バルブの更なる軽量化が望める。また、本実施の形態3におけるアークシールド15もプレス加工により容易に作成可能であるため、材料の加工費用も安価に抑えられる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の一部または全部を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 溝部、 2 円弧部、 3 アーク、 4 絶縁筒、 5 固定側フランジ、 6 可動側フランジ、 7 メタライズ層、 8 固定側電極棒、 9 可動側電極棒、 10 ベローズ、 11 ベローズカバー、 12 固定側接点、 13 可動側接点、 14 補強板、 15 アークシールド、 15a 折曲部、 15b 重合部、 15c 折返部、 15d 打抜部、 16 ガイド、 17 真空バルブ、 18 外部導体、 19 アーク停滞箇所。

Claims (11)

  1. 互いに対向する端部を真空容器内に配設される対をなす電極棒の対向面にそれぞれ固着され接離自在である風車形接点、前記真空容器内に前記風車形接点を囲繞するように設けられたアークシールドを備えた真空バルブにおいて、前記アークシールドには周方向の一部に厚みを増大した箇所が設けられるとともに、前記アークシールドの厚みが増大している箇所を、前記風車形接点上において外部からの電磁力によりアークの移動が停滞する箇所と同じ周方向位置に配置したことを特徴とする真空バルブ。
  2. 前記アークシールドは、一端部に折り曲げにより段差部が形成された長手の板材を円筒形に丸めて、一端部の段差部と他端部の先端部が重ね合わされた箇所のみ板厚を厚くしたことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  3. 前記アークシールドは、長手の板材の一端部を反対側に折り返して折返部を形成し、前記板材を長手方向に丸めて円筒形状を成し、前記板材の他端部と前記折返部が接することで、前記アークシールドに厚みが増大している箇所を持たせたことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  4. 前記アークシールドは、所定の幅を持つ長手の板材の一端部に段差が生じるように折り曲げられた折曲部を形成し、前記板材の他端部を四角形切り欠き形状に打ち抜いて打抜部を形成し、前記板材を巻き込んで丸め円筒形状を成して、前記打抜部に前記折曲部を嵌合し前記板材の一端部に形成された前記折曲部と前記板材の他端部とが重ね合わされることで、アークシールドに厚みが増大している箇所を持たせたことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  5. 前記アークシールドにおいて、上記折曲部の幅方向の寸法をa、真空バルブの開極寸法をdとした時に、a>dが成り立つことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  6. 前記アークシールドにおいて、上記折曲部の幅の寸法をa、打抜部の幅方向の寸法をb、巻き込み方向の寸法をc、アークシールドを形成する板材の板厚をt、折曲部の曲げ半径寸法をRとした時、b=a、c=t+Rが成り立つことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  7. 前記アークシールドが、所定の幅を持つ長手の板材の一端の凸部を反対側に折り返して、折返部を形成し、前記板材の他端を四角形切り欠き形状に打ち抜いて打抜部を形成して、前記板材を長手方向に巻き込んで丸め円筒形状を成し前記折返部を前記打抜部に嵌合して、前記アークシールドに厚みが増大している箇所を持たせたことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  8. 前記アークシールドにおいて、前記折返部の幅の寸法をe、真空バルブの開極寸法をdとした時に、e>dが成り立つことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  9. 前記アークシールドにおいて、前記折返部の幅方向の寸法をe、打抜部の幅方向の寸法をb、巻き込み方向の寸法をc、アークシールドを形成する板材の板厚をtとした時、b=e、c=tが成り立つことを特徴とする請求項に記載の真空バルブ。
  10. 前記アークシールドにおいて、前記板材が丸められ円筒形状を成した継ぎ目を有するものであって、前記継ぎ目は前記板材の一端部と他端部とが接しているのみであることを特徴とする請求項2から請求項の何れかに記載の真空バルブ。
  11. 前記アークシールドにおいて、前記板材が丸められ円筒形状を成した継ぎ目を有するものであって、前記継ぎ目が溶接やロウ付等で接合されていることを特徴とする請求項から請求項の何れかに記載の真空バルブ。
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