JP6080329B2 - 液剤噴霧装置及び帯電噴霧ヘッド - Google Patents
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Description
本発明は、水、海水、薬液剤などを含有した水系の液剤をヘッドから帯電噴霧する液剤噴霧装置及び帯電噴霧ヘッドに関する。
従来、人が通過するオープンスペースや各種用途空間に適用できる冷房設備として、噴霧ヘッドに冷却用水を加圧供給して微噴霧水を噴射し、微噴霧水の気化熱により空間を冷却する噴霧冷房設備が知られている(特許文献1)。
このような噴霧冷房設備にあっては、噴霧ヘッドから噴射された微噴霧水が空間中で蒸発する際に蒸発潜熱を奪うことで空気の温度を下げ、多少の微噴霧水が直接人の皮膚に当って皮膚上で瞬間的に蒸発して気化熱を奪うことで清涼感を与えることが想定されている。
また帯電噴霧ヘッドを使用して噴霧水に帯電させることにより、クーロン力により人の皮膚に対する付着量を増加させ、清涼感を高めるようにしている(特許文献2)。特に、帯電噴霧ヘッドからの噴霧水をマイナス帯電させることで、いわゆる自然の滝で発生していると言われているレナード効果と同様の状態を作り出すことができ、清涼感を増加させることができる。
図16は従来の帯電噴霧ヘッドを示している。図16において、帯電噴霧ヘッド200はポンプユニットからの配管に接続した立下り配管234の先端にヘッド本体236をねじ込み固定し、ヘッド本体236の先端内側には、絶縁部材241を介して、円筒状の水側電極部(液剤側電極部)240が組み込まれている。
水側電極部240に対しては、図示しない電圧印加部より引き出されたアースケーブル250が絶縁部材243を挿通して接続され、水側電極部240をアース側に落としている。
水側電極部240の下側には噴射ノズル238が設けられ、水側電極部240側の内部に設けたノズル回転子238aと、先端側に設けたノズルヘッド238bで構成される。噴射ノズル238は、加圧供給された液剤を立下り配管234から受け、ノズル回転子238aにより旋回流に変換した後にノズルヘッド238bから外部に噴射することにより液剤を粒子群流に変換して噴霧する。
噴射ノズル238に対しては、固定部材243を介して、絶縁性材料を用いたカバー242がビス止めにより固定され、カバー242の下側の開口部に、リング状誘導電極部244を組み込んでストッパリングのネジ止めにより固定している。リング状誘導電極部244は、リング状本体の中央に噴射ノズル238からの噴射粒子を通過させる開口を形成している。リング状誘導電極部244に対しては、電圧印加部からの電極印加ケーブル248が接続されている。
帯電噴霧ヘッド200から水を噴霧する際には、水側電極部240を0ボルトとなるアース側とし、リング状誘導電極部244に対し例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧(帯電電圧)を印加する。この電圧印加によって両電極間に外部電界が生じ、この外部電界の作用を受けて、噴射ノズル238から液剤が粒子群流に変換される噴射過程を通じて、消火剤がこの外部電極の作用を受けて帯電され、帯電され、帯電された粒子群流を外部対象領域(防護区画)に噴霧することができる。
一方、農薬噴霧の分野においても、農薬の噴霧は風の影響を受け易く、また作物への付着効率が極めて低いという課題を解決する方法として静電農薬噴霧方法が提案されており、農薬粒子に帯電させることで作物への付着効率を改善するようにしている(特許文献3)。
また植物育成の分野においても、温室などの育成区画に、水のクラスターを分裂させてマイナス帯電した微細な水滴を形成して供給し、育成区画の空気をマイナス帯電させ、レナード効果により、植物の生育に好影響を与えるようにしている(特許文献4)。
更に空気調和装置の分野においても、マイナスの電荷をもったナノサイズの液滴を形成して空調区画の空気中に放出することで、空気中に浮遊している埃を凝集して床に降下させ、空気を清浄化するようにしている(特許文献5)。
このように水系の液剤をヘッドから帯電噴霧する方法は様々な分野で活用されている。
このような従来の帯電噴霧ヘッドによる液剤の帯電噴霧によれば、例えば液剤が水の場合に例えば噴霧冷房に要する水量は、非帯電の噴霧ヘッドによる必要水量と比較して大きく減少させることができる。しかし、噴霧冷房を行う規模が大きい場合などには、帯電噴霧ヘッドによる必要水量は、非帯電の噴霧ヘッドによる場合に比べ相当少水量となるものの、発生熱量を所定以上吸収することができる最低限の総比熱と蒸発潜熱が得られる水量の噴霧は必要であり、水量が不足すると所望の冷房効果を得ることができない。このように、噴霧冷房を行う規模が大きい時には、当然に水量の多い帯電噴霧ヘッドが必要となる。
しかし、図16に示した従来の帯電噴霧ヘッド200にあっては、ヘッド本体236のノズル回転子238aで水流に回転を与え遠心力を利用して噴射ノズル238から噴霧放射することで粒子群流に変換したフルコーン形の噴霧パターンを得ているが、このような従来の帯電噴霧にあっては、噴霧量の増加と共に単位水量当たりの帯電量が減少し、クーロン力による消火消煙効果を高める作用が小さくなってしまうという問題が、本願発明者の実験等によって確認されている。
図17は図16に示した従来の帯電噴霧ヘッド200に印加する帯電用電圧を+5KVとしたときの帯電噴霧水の単位噴霧量当たりの平均帯電量をファラディーケージ法で計測した比電荷で示しており、噴霧量が増すほど(ヘッドが大型になるほど)平均帯電量を示す比電荷は小さい結果となっている。
また、従来の水流に回転を与えて噴射ノズル238から遠心力を利用して噴霧放射する帯電噴霧ヘッド200では、液剤の噴射角度(拡がり角度)はせいぜい90°程度であり、且つ飛距離も比較的短いことから、帯電液剤を広範囲に噴霧することができないという問題もある。
このような問題は、農薬の帯電噴霧、植物育成のための帯電噴霧、及び空調のための帯電噴霧において図16に示す帯電噴霧ヘッドを使用した場合、対象区画の規模が大きくなると同様に生ずる。
本発明は、噴霧量が増加しても十分な帯電量を確保してクーロン力を利用した付着等の帯電噴霧効果を奏する液剤噴霧装置及び帯電噴霧ヘッドを提供することを目的とする。
また本発明は、帯電量の大きな液剤を広範囲に、均一的に噴霧する液剤噴霧装置及び帯電噴霧ヘッドを提供することを目的とする。
(液剤噴霧装置)
本発明は、
水系の液剤を、配管を介して供給する液剤供給設備と、
噴霧区画に設置され、液剤供給設備により供給された液剤の噴射粒子に帯電させて噴霧する帯電噴霧ヘッドと、
帯電噴霧ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
を備えた液剤噴霧装置に於いて、
帯電噴霧ヘッドは、
液剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置されて液剤に接触する液剤側電極部と、
ノズルから出た液剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離させて噴霧する偏向噴霧部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備え、
液剤側電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズルと電気的に絶縁され、
偏向噴霧部材は、液剤側電極部に絶縁部材を介して接続されて、液剤側電極部と電気的に絶縁され、
誘導電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズル及び噴射粒子と電気的に絶縁されたことを特徴とする。
本発明は、
水系の液剤を、配管を介して供給する液剤供給設備と、
噴霧区画に設置され、液剤供給設備により供給された液剤の噴射粒子に帯電させて噴霧する帯電噴霧ヘッドと、
帯電噴霧ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
を備えた液剤噴霧装置に於いて、
帯電噴霧ヘッドは、
液剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置されて液剤に接触する液剤側電極部と、
ノズルから出た液剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離させて噴霧する偏向噴霧部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備え、
液剤側電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズルと電気的に絶縁され、
偏向噴霧部材は、液剤側電極部に絶縁部材を介して接続されて、液剤側電極部と電気的に絶縁され、
誘導電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズル及び噴射粒子と電気的に絶縁されたことを特徴とする。
ここで、偏向噴霧部材は、ノズルから放出された液剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有するデフレクターである。
噴霧区画は、帯電された液剤の噴射粒子群により冷房する噴霧冷房区画、帯電された液剤の噴射粒子群により塵埃を除去する噴霧防塵区画、帯電された液剤の噴射粒子群により植物育成環境を生成する植物育成区画、及び、帯電された消毒薬剤を含む液剤の噴射粒子群により植物を消毒する農薬噴霧区画の少なくとも何れか1区画を備える。
液剤供給設備の配管に設けたホース接続口に、帯電噴霧ヘッド、電圧印加部及び電圧印加部に電源を供給する電池を備えた可搬自在なノズル装置を、ホースを介して接続し、電圧印加部及び電池をノズル装置に設けた把持部内に隣接して配置する。
移動可能な架台又は台車に、水系の液剤を供給する液剤供給設備を搭載し、液剤供給設備に設けたホース接続口に、帯電噴霧ヘッド、電圧印加部及び電圧印加部に電源を供給する電池を備えた可搬自在なノズル装置を、ホースを介して接続し、電圧印加部及び電池をノズル装置に設けた把持部内に隣接して配置する。
ノズル装置の把持部に、電圧印加部から帯電噴霧ヘッドに印加する帯電電圧をオン、オフするスイッチを備える。
(帯電噴霧ヘッド)
本発明は、
噴霧区画に設置され、液剤供給設備により供給された水系の液剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電させて噴霧する帯電噴霧ヘッドに於いて、
液剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置されて液剤に接触する液剤側電極部と、
ノズルから出た液剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離させて噴霧する偏向噴霧部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備え、
液剤側電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズルと電気的に絶縁され、
偏向噴霧部材は、液剤側電極部に絶縁部材を介して接続されて、液剤側電極部と電気的に絶縁され、
誘導電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズル及び噴射粒子と電気的に絶縁されたことを特徴とする。
(帯電噴霧ヘッド)
本発明は、
噴霧区画に設置され、液剤供給設備により供給された水系の液剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電させて噴霧する帯電噴霧ヘッドに於いて、
液剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置されて液剤に接触する液剤側電極部と、
ノズルから出た液剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離させて噴霧する偏向噴霧部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備え、
液剤側電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズルと電気的に絶縁され、
偏向噴霧部材は、液剤側電極部に絶縁部材を介して接続されて、液剤側電極部と電気的に絶縁され、
誘導電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料によりノズル及び噴射粒子と電気的に絶縁されたことを特徴とする。
ここで、偏向噴霧部材は、ノズルから放出された液剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有するデフレクターである。
本発明によれば、帯電噴霧ヘッドのノズルから噴出した水系の液剤を偏向噴霧部材となるデフレクターによって任意の所定方向に広がる薄膜流を形成し、薄膜流が粒子群流に変換される分裂分離部近傍に誘導電極を配置して外部電界を印加し帯電させることで、噴霧量が多いヘッドでありながら、帯電量の大きな帯電噴霧を行うことができる。
また、ノズルから噴射した液剤を任意の所定方向の薄膜流に偏向する偏向噴霧部材の偏向形状の設定により、従来に比べ広角の帯電噴霧が容易に実現でき、散水量の増加と相俟って十分な飛距離が得られ、広範囲に帯電液剤を噴霧してクーロン力を利用した高い付着などの帯電噴霧効果を得ることができる。
また本発明の他の形態によれば、帯電噴霧ヘッドのノズルから噴出した液剤を偏向噴霧部材となる2段階に同軸配置したデフレクターによってそれぞれ任意の所定方向に広がる薄膜流を形成し、各薄膜流が粒子群流に変換される分裂分離部近傍に誘導電極をそれぞれ配置して外部電界を印加し帯電させることで、二重円錐状(ダブルコーン状)となる粒子群流を噴霧し、広範囲に帯電量の大きな帯電噴霧を行うことができる。
図1は噴霧冷房装置(噴霧冷房設備)として設けた本発明による液剤噴霧装置(液剤噴霧設備)の実施形態を示した説明図である。図1において、噴霧冷房区画A及びBは人が通過するオープンスペース等の冷房対象空間であり、噴霧冷房区画24a及び24bの上方位置、例えば人の通行に妨げとならない高さの位置に、本実施形態による帯電噴霧ヘッド10が設置されており、これらの帯電噴霧ヘッド24a,24bから、それぞれ噴霧区画に対し冷房用水散布を行うようにしている。
帯電噴霧ヘッド10に対しては、冷房用水供給設備として設置されたポンプユニット12の吐出側から手動弁(仕切弁)14及び遠隔開閉弁22cを介して配管16が接続され、配管16は分岐後に遠隔開閉弁22a,22bを介して、噴霧冷房区画24a,24bのそれぞれに設置した帯電噴霧ヘッド10に接続している。
噴霧冷房区画24a,24bのそれぞれには環境センサ18aが設置され、システム制御盤20aに信号線により接続されている。環境センサ18aは噴霧冷房区画24a,24bにおける気温、湿度、降雨、風速などを計測してシステム制御盤20aに送信する。
システム制御盤20aには更に遠隔開閉弁22a〜22dが信号線により接続され、遠隔的に開閉制御できる。システム制御盤20は噴霧冷房設備の停止中は、遠隔開閉弁22a〜22cを閉鎖状態とし、遠隔制御弁22dを開放としている。
またシステム制御盤20aは噴霧冷房の起動時には、ドレン側の遠隔制御弁22dを閉制御すると共に、遠隔制御弁22a〜22cを開制御すると共にポンプユニット12を起動して帯電噴霧ヘッド10に冷房用水を加圧供給する。
図2は図1の噴霧冷房区画24aを取り出して示した説明図である。噴霧冷房区画24aの高所には帯電噴霧ヘッド10が設置されている。帯電噴霧ヘッド10に対しては、図1に示したポンプユニット12からの配管16が遠隔開閉弁22aを介して接続されている。
また帯電噴霧ヘッド10の上部には電圧印加部15が設置されており、後の説明で明らかにするように、帯電噴霧ヘッド10に所定の電圧を印加して、帯電噴霧ヘッド10から噴射する噴霧水を帯電させて噴霧できるようにしている。
図3は図1及び図2に示した帯電噴霧ヘッド10の実施形態であり、その縦断面を示している。また図4には、帯電噴霧ヘッド10を天井設置状態で下側(床側)から見た説明図を示す。
図3及び図4において、帯電噴霧ヘッド10は上下に分割した金属製のボディ36,38をボルト37で連結固定しており、ポンプユニット12からの配管16に接続した立下り配管34の先端にボディ36をねじ込み固定している。ボディ36,38の内部流路には円筒状の水側電極部(液剤側電極部)46が組み込まれている。水側電極部46は導電性を持つ金属材料で作られ、更に絶縁材料で被覆されており、金属製のボディ36,38に対し電気的に絶縁されている。
水側電極部46に対しては、図2に示したように、上部に設置している電圧印加部15から引き出されたアースケーブル54が接続されている。このアースケーブル54の接続で、水側電極部46を接地するようにしている。
下部に配置したボディ38の内部流路の先端には絶縁性のスペーサ43を介してノズル部40が形成される。ノズル部40の噴射側には偏向噴霧部として機能するデフレクター42が配置される。デフレクター42はボディ38内の水側電極部46に続いて絶縁部材43を介して組込み固定したデフレクター支持部44から延在したロッド45の先端に設けられ、ノズル部40前方(図示下方)の空間に対向配置されている。
本実施形態において、デフレクター42は所定の頂角θをもった円錐状板体であり、ノズル部40から出た液剤を円錐状面に沿って偏向し、薄膜流56に変換して放射(噴霧)する。デフレクター42により形成された薄膜流56は、分裂分離部P付近から分裂分離して粒子群流58となって放射され、模式的に図示した噴霧パターン60のように噴霧される。
ボディ38には下部に開口した筒状のフレーム50がボルト37により組付け固定されている。フレーム50はその開口端を分裂分離部Pよりも下部、即ち噴霧空間側に位置させており、更に分裂分離部Pの近傍となる内周面に円環状の誘導電極部48を配置している。
誘導電極部48は導電性の部材で形成されると共に絶縁材料で被覆されており、金属製のフレーム50及び噴霧される液剤に対し電気的に絶縁されている。
フレーム50の下部内周側に配置した誘導電極部48に対しては、図2に示した電圧印加部15から引き出された電圧印加ケーブル52が接続されている。
なお図3では、誘導電極部48を例えば薄膜流56の分裂分離部Pの上流方向に10mm以下、下流方向に30mm以下、また薄膜流56の表面から20mm以下となる領域内に配置している。
ここで、本実施形態の帯電噴霧ヘッド10に使用している水側電極部46及び誘導電極部48としては、導電性を有する金属以外に、導電性を有する樹脂、繊維束、ゴム等であってもよく、更にこれらを組合せた複合体であってもよい。
帯電噴霧ヘッド10から液剤を噴霧する際には、図2に示した電圧印加部15が図1に示す連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、水側電極部46をアース側とし、誘導電極部48に対し例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。発明者の実験によれば、印加電圧は20KVを超えない範囲とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
このように水側電極部46と誘導電極部48との間に例えば数KVとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって外部電界が生じ、ノズル部40から噴射した液剤がデフレクター42の円錐状面に沿った薄膜流56となり、薄膜流56が分裂分離部P付近から分裂分離を始めて粒子群流58に変換される噴射過程を通じて噴射粒子が帯電され、帯電された噴射粒子を外部に噴霧することができる。
なお、ノズル部40から噴射した液剤をデフレクター42で偏向する場合、剥離や飛散等により液剤の一部が誘導電極部48に接触する場合があるが、誘導電極部48は絶縁材料で被覆されているため、液剤が接触して短絡や電荷の中和が生じることなく、液剤に帯電させることができる。
図5はある条件における噴霧量と比電荷の関係を、デフレクターを設けた本実施形態による帯電噴霧ヘッドとデフレクターを設けない従来ヘッドの場合とで対比した例を模式的に示したグラフ図である。
図5において、特性Bは従来の帯電噴霧ヘッドの特性であり、定常的な帯電電圧を引火した場合である。単位時間当りの噴霧量の増加に対し、帯電量を示す比電荷が大きく減少しているが、これに対し本実施形態の帯電噴霧ヘッド10にあっては、例えば特性Aのように、噴霧量の増加に対して比電荷の減少が少ない。図5の例では、本実施形態のノズルの、噴霧量7[リットル/min]における比電荷(特性Aのa点)は、従来ノズルの噴霧量1.5[リットル/min]における比電荷(特性Bのb点)に相当するレベルとなっている。
このように、本実施形態の帯電噴霧ヘッド10によれば、従来の帯電噴霧ヘッドにおける噴霧量増加に伴い単位水量当りの帯電量が大きく減少してしまうという問題を解決し、高効率で帯電させることができるので、噴霧量の多い帯電噴霧ヘッドでありながら、帯電量の大きな噴霧を行うことができる。
また、ノズル部40から噴射した液剤をデフレクター42により薄膜流56を経て粒子群流58に変換して噴霧するので、デフレクター42の頂角θを適宜設定することにより、従来の帯電噴霧ヘッドに比べ広角の帯電噴霧が容易に実現でき、帯電ロスを抑えつつ散水量を増加させることができるため十分な飛距離が得られ、広範囲に帯電液剤を噴霧して付着効率などの高い帯電噴霧効果を得ることができる。
次に図1の実施形態における監視動作を説明する。システム制御盤20は例えばタイマにより設定した冷房起動時間への到達を判別すると、ドレン側の遠隔開閉弁22dを閉制御すると共に遠隔開閉弁22a〜22cを開制御すると共にポンプユニット12を起動し、水源から冷房用水をくみ上げて汲み上げて加圧し、冷房用水を配管16に供給する。
システム監視盤20による起動はタイマによる時間設定以外に、管理者による手動操作、噴霧冷房区画24a,24bに設置している環境センサ18からの気温、湿度、降雨、風速などの計測データから所定の起動条件が得られた場合の自動起動などであっても良い。
システム制御盤20はポンプユニット20の起動による冷房用水の加圧供給と共に、図2に示す帯電噴霧ヘッド10の近傍に設けている電圧印加部15に対し起動信号を送り、この起動信号を受けて電圧印加部15は、帯電噴霧ヘッド10に対し例えば数キロボルトとなる直流印加電圧を供給する。
このため図3に示した帯電噴霧ヘッド10にあっては、ノズル部40から噴射された冷房用水をデフレクター42により偏向して薄膜流56を形成した後に粒子群流58に分裂分離して噴霧する際に、アースケーブル54が接続された水側電極部46を基準電位(アース)として、電圧印加ケーブル52が接続された誘導電極部48側に例えば数キロボルトの電圧が所定パターンで印加され、この電圧印加により生じた外部電界を誘導電極部44を通過する分裂分離を始めた粒子群流58に印加し、噴射粒子に帯電させて噴霧することができる。
図2に取り出して示すように、帯電噴霧ヘッド10から噴霧冷房区画24aに向けて噴霧された水粒子は、このようにして水粒子が帯電しているため、帯電によるクーロン力により、区画内を通過する人の皮膚に効率良く付着し、皮膚に付着して蒸発する際に気化熱を奪うことで高い清涼感が得られる。
更に図3の帯電噴霧ヘッド10にあっては、例えば水側電極部40を0ボルトとし、リング状誘導電極部44に対しプラスの直流電圧を印加した場合には、噴霧される水粒子はマイナスの電荷のみに帯電している。このようにマイナスの電荷のみに帯電した水粒子を噴霧した場合には、空間中で帯電した水粒子間には斥力が働き、これによって水粒子が衝突会合して成長落下する確率が小さくなり、空間中に滞留する水粒子の密度が高くなり、噴霧水混じりの見かけ上の空気の比重が帯電させないときより増加し、上方へと散逸する傾向を抑制することで、冷房効果が増加する。
更に、帯電噴霧ヘッド10からの噴霧水をマイナス帯電させることで、いわゆる自然の滝で発生していると言われているレナード効果と同様の状態を作り出すことができ、清涼感を増加させることができる。
図6は本実施形態の電圧印加部15から帯電噴霧ヘッド10に加える印加電圧を示したタイムチャートである。
図6(A)は+Vの直流電圧を印加する場合であり、この場合には、マイナスに帯電した水粒子が連続的に噴霧される。
図6(B)は−Vの直流電圧を印加する場合であり、この場合には、プラスに帯電した水粒子が連続的に噴霧される。
図6(C)は±Vの交流電圧を印加する場合であり、この場合には、プラスの半サイクルの期間に交流電圧の変化に応じてマイナスに帯電した水粒子が噴霧され、マイナスの半サイクルの期間に交流電圧の変化に応じてプラスに帯電した水粒子が交互に噴霧される。
図6(D)は+Vのパルス状電圧を所定のインターバルを空けて繰り返し印加する場合であり、この場合には、マイナスに帯電した水粒子が間欠的に噴霧され、電圧を印加していない期間には、帯電していない水粒子の噴霧となる。
図6(E)は−Vのパルス状電圧を所定のインターバルを空けて繰り返し印加する場合であり、この場合には、プラスに帯電した水粒子が間欠的に噴霧され、電圧を印加していない期間には、帯電していない水粒子の噴霧となる。
図6(F)は±Vのパルス状電圧を所定のインターバルを空けて交互に繰り返し印加する場合であり、この場合には、マイナスに帯電した水粒子とプラスに帯電した水粒子がインターバルを空けて交互に噴霧され、電圧を印加していない期間には、帯電していない水粒子の噴霧となる。このようなインターバルを設けずに±Vのパルス状電圧を交互に繰り返し印加しても良い。
図6(C)〜(F)に例示した印加電圧パターンにおける印加周期や転極周期は適宜に定めることができ、また図6(A)〜(F)の各パターンのうち福奇数を組み合わせたパターンと擦ること等もできる。
図6に例示した各パターンの印加電圧を帯電噴霧ヘッド10に供給する電圧印加部15としては、制御入力付きの市販の昇圧ユニットを利用することができる。市販の昇圧ユニットには、例えば入力にDC0〜20ボルトを加えると出力にDC〜20キロボルトを出力するものがあり、このような昇圧ユニットが利用できる。
図7は本発明による帯電噴霧ヘッドの他の実施形態であり、その縦断面を示している。また図8には、図7の帯電噴霧ヘッドを天井設置状態で下側(床側)から見た説明図を示す。本実施形態の帯電噴霧ヘッドは広範囲に噴霧するために2重円錐状(ダブルコーン状)に液剤粒子群流を帯電噴霧するようにしたことを特徴とする。
図7及び図8において、帯電噴霧ヘッド10は上下に分割した金属製のボディ36,38をボルト37で連結固定しており、ポンプユニット12からの配管16に接続した立下り配管34の先端にボディ36をねじ込み固定している。ボディ36,38の内部流路には円筒状の水側(液剤側)電極部46が組み込まれている。水側電極部46は導電性を持つ金属材料で作られ、更に絶縁材料で被覆されており、金属製のボディ36,38に対し電気的に絶縁されている。また水側電極部46の下側には絶縁性のスペーサ43が配置される。
水側電極部46に対しては、図2に示したように、上部に設置している電圧印加部15から引き出されたアースケーブル54が接続されている。このアースケーブル54の接続で、水側電極部46を接地するようにしている。
下部に配置したボディ38の内部流路の先端にはノズル部70が形成される。本実施形態のノズル部70は、図7に示す如く、中心位置に配置したデフレクター支持部44−1から延在したロッド45の先端側の空間に第1偏向噴霧部材として第1デフレクター42−1を配置し、また、同軸に配置したデフレクター支持部44−2に円筒基部をねじ込み支持して第1デフレクター42−1の後方となる先端側の空間に第2噴霧偏向部材として第2デフレクター42−2を配置している。なお。43は絶縁部材である。
第2デフレクター42−2は中央にノズル穴を開口形成し、先端外周側を外側に向けて円錐状に広げた形状であり、中央のノズル穴にはロッド45は挿通されるようになるが、この挿通部に於けるノズル穴とロッド45との隙間によって、第1デフレクター42−1に向けて液剤を放出する第1ノズル部40−1を形成している。
またノズル部70のノズル開口と、このノズル開口に挿通して第2デフレクター40−2を支持している円筒基部との間にはリング状の隙間(リング状ノズル穴)が形成され、このリング状の隙間が第2デフレクター42−2に向けて液剤を放出する第2ノズル部40−2を形成している。
本実施形態において、第1デフレクター42−1は所定の頂角θ1をもった円錐状体であり、第1ノズル部40−1から射出された液剤を円錐状面に沿って偏向し、薄膜流56−1に変換して放射する。第1デフレクター42−1により形成された薄膜流56−1は、分裂分離部P1付近から分裂分離して第1粒子群流58−1となって放射され、模式的に図示した噴霧パターン60−1のように噴霧される。
また第2デフレクター42−2は、第1デフレクター40−1の頂角θ1より大きな所定の頂角θ2をもった円錐状体を円筒基部の先端に図示の如く形成しており、リング状の隙間をもつ第2ノズル部40−2から射出された液剤を円錐状面に沿って広角に偏向し、薄膜流56−2に変換して放射する。第2デフレクター42−2により形成された薄膜流56−2は、分裂分離部P2付近から分裂分離して第2粒子群流58−2となって放射され、模式的に図示した噴霧パターン60−2のように、第1デフレクター40−1による噴霧パターン60−2の外側を覆うように広角に噴霧され、これによって2重円錐状(ダブルコーン状)の広域を均一的にカバーする噴霧パターンを形成する。
ボディ38には下側に開口した筒状のフレーム50がボルト37により組付け固定されている。フレーム50はその開口端を第2デフレクター42−2で偏向形成された薄膜流56−2の分裂分離部P2よりも下部、即ち噴霧空間側に位置させており、更に分裂分離部P2の近傍となる内周面に円環状の第2誘導電極部48−2を配置している。
またフレーム50の下方にはホルダアーム72によりリング状のフレーム74が支持されている。フレーム74はその下側の開口端を第1デフレクター40−1で偏向された薄膜流56−1の分裂分離部P1よりも下部、即ち噴霧空間側に位置させており、更に分裂分離部P1の近傍となる内周面に円環状の第1誘導電極部48−1を配置している。
第1誘導電極部48−1及び第2誘導電極48−2は導電性の部材で形成されると共に絶縁材料で被覆されており、金属製のフレーム50,74及び噴霧される液剤に対し電気的に絶縁されている。
フレーム50,74に配置した第1誘導電極部48−1及び第2誘導電極48−2に対しては、図2に示した電圧印加部15から引き出された電圧印加ケーブル52が接続されている。
また第1誘導電極部48−1及び第2誘導電極48−2は、例えば薄膜流56−1,56−2の分裂分離部P1,P2の上流方向に10mm以下、下流方向に30mm以下、また薄膜流56−1,56−2の表面から20mm以下となる領域内に配置している。
ここで、本実施形態の帯電噴霧ヘッド10に使用している水側電極部46、第1誘導電極部48−1及び第2誘導電極部48−2としては、導電性を有する金属以外に、導電性を有する樹脂、繊維束、ゴム等であってもよく、更にこれらを組合せた複合体であってもよい。
図7、図8の帯電噴霧ヘッド10から液剤を噴霧する場合には、図2に示した電圧印加部15が図1に示すシステム制御盤20aからの制御信号により動作し、水側電極部46をアース側とし、第1誘導電極部48−1及び第2誘導電極48−2に対し例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。発明者の実験によれば、印加電圧は20KVを超えない範囲とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
このように水側電極部46と第1誘導電極部48−1及び第2誘導電極部48−2の間に例えば水側電極部46の基準電位(アース)に対し数KVとなる電圧が所定パターンで印加され、この電圧印加によって外部電界が生じ、第1ノズル部40−1及び第2ノズル部40−2から噴射した液剤が第1デフレクター42−1及び第2デフレクター42−2の円錐状面に沿った薄膜流56−1,56−2となり、薄膜流56−1.56−2が分裂分離部P1,P2付近から分裂分離を始めて第1粒子群流58−1及び第2粒子群流58−2に変換される噴射過程を通じて液剤の噴射粒子が帯電され、帯電された噴射粒子を外部に広域を均一的にカバーする2重円錐状(ダブルコーン状)のパターンとして帯電噴霧することができる。
図9は本発明による噴霧防塵設備の実施形態を示した説明図である。図9において、噴霧防塵区画24cは塵埃が発生する作業施設等であり、噴霧防塵区画24cの上方位置、例えば作業に妨げとならない高さの位置に、本実施形態による帯電噴霧ヘッド10が設置されている。
帯電噴霧ヘッド10に対しては、液剤供給設備として設置された水源水槽11からの水を加圧供給するポンプユニット12の吐出側から手動弁(仕切弁)14及び遠隔開閉弁22cを介して配管16が接続され、配管16は遠隔開閉弁22aを介して、噴霧防塵区画24cに設置した帯電噴霧ヘッド10に接続している。帯電噴霧ヘッド10は図3又は図7の実施形態に示したものを使用する。
噴霧防塵区画24cには環境センサ18bが設置され、システム制御盤20bに信号線により接続されている。環境センサ18bは噴霧防塵区画24cにおける塵埃濃度などを計測してシステム制御盤20bに送信する。
システム制御盤20bには更に遠隔開閉弁22a,22c,22dが信号線により接続され、遠隔的に開閉制御できる。システム制御盤20bは噴霧防塵設備の停止中は、遠隔開閉弁22a,22cを閉鎖状態とし、遠隔制御弁22dを開放としている。
またシステム制御盤20aは噴霧防塵設備の起動時には、ドレン側の遠隔制御弁22dを閉制御すると共に、遠隔制御弁22a,22cを開制御すると共にポンプユニット12を起動して水源水槽11からの水を帯電噴霧ヘッド10に加圧供給して噴霧防護区画24aに帯電噴霧させる。
帯電噴霧ヘッド10から噴霧防塵区画24cに帯電した水(液剤)粒子を帯電噴霧すると、帯電噴霧している水粒子のクーロン力により、同じく帯電状態にある塵埃粒子を捕集して床面に速やかに降下させ、これによって大幅な防塵作用が発揮される。
図10は本発明による農薬噴霧兼植物育成設備の実施形態を示した説明図である。図10において、農薬噴霧兼植物育成区画24dは植物を育成する温室等の施設等であり、農薬噴霧兼植物育成区画24dの上方位置、例えば作業に妨げとならない高さの位置に、本実施形態による帯電噴霧ヘッド10が設置されている。帯電噴霧ヘッド10は図3又は図7の実施形態に示したものを使用する。
ポンプユニット12の吸込み側は遠隔開閉弁22e,22fを介して農薬タンク26と水源水槽11に接続され、農薬タンク26からの農薬または水源水槽11からの水をポンプユニット12から加圧供給する。ポンプユニット12の吐出側は手動弁(仕切弁)14及び遠隔開閉弁22cを介して配管16に接続され、配管16は遠隔開閉弁22aを介して、農薬噴霧兼植物育成区画24dに設置した帯電噴霧ヘッド10に接続している。
農薬噴霧兼植物育成区画24dには環境センサ18cが設置され、システム制御盤20bに信号線により接続されている。環境センサ18bは農薬噴霧兼植物育成区画24dにおける温度、湿度などを計測してシステム制御盤20cに送信する。
システム制御盤20cには更に遠隔開閉弁22a,22c〜22fが信号線により接続され、遠隔的に開閉制御できる。システム制御盤20cは設備の停止中は、遠隔開閉弁22a,22c,22e,22fを閉鎖状態とし、遠隔制御弁22dを開放としている。
農薬噴霧を行う場合、システム制御盤20aはドレン側の遠隔制御弁22dを閉制御すると共に、遠隔制御弁22eは閉状態としたまま、遠隔制御弁22a,22c,22fを開制御すると共にポンプユニット12を起動して農薬タンク26からの農薬液剤を帯電噴霧ヘッド10に加圧供給して農薬噴霧兼植物育成区画24dに帯電噴霧させる。
帯電噴霧ヘッド10から農薬噴霧兼植物育成区画24dに農薬液剤粒子を噴霧すると、農薬液剤粒子は帯電しているため、帯電によるクーロン力により育成中の植物に効率良く付着する。また回り込み効果により植物の葉の裏面といったあらゆる面への付着が起こり、従来のように非帯電の水粒子を噴霧した場合に比べ、燃焼剤に対する付着効果が大幅に増大し、高い付着効率が得られる。
また農薬噴霧を行っていない場合は植物育成制御を行っており、システム制御盤20aはドレン側の遠隔制御弁22dを閉制御すると共に、遠隔制御弁22a,22c,22eを開制御すると共にポンプユニット12を起動して水源水槽11からの水を帯電噴霧ヘッド10に加圧供給して農薬噴霧兼植物育成区画24dに帯電噴霧させる。
帯電噴霧ヘッド10から農薬噴霧兼植物育成区画24dに農薬液剤粒子を噴霧すると、農薬液剤粒子はマイナスに帯電しているため、いわゆる自然の滝で発生していると言われているレナード効果と同様の状態を作り出すことができ、植物の育成に好影響を及ぼすことができる。
なお、システム制御盤20cによる農薬噴霧と育成用水噴霧はタイマ制御などにより自動的に行うようにしても良い。また図10の実施形態は、農薬噴霧兼植物育成設備としているが、ポンプユニット12の吸込み側に農薬タンク26のみを設けた農薬噴霧設備またはポンプユニット12の吸込み側に水源水槽11のみを設けた植物育成設備としてもよい。更に、植物育成のための帯電噴霧は、植物育成のみならず植物の養成、発根、貯蔵等にもそのまま適用できる。
図11は本発明による液剤噴霧設備の他の実施形態を示した説明図であり、水に所望の薬液を混合して噴霧するようにしたことを特徴とする。
図11において、液剤噴霧区画24eは適宜の区画、例えば空調区画などであり、噴霧防塵区画24eの上方位置、例えば人の移動の妨げとならない高さの位置に、本実施形態による帯電噴霧ヘッド10が設置されている。帯電噴霧ヘッド10は図3又は図7の実施形態に示したものを使用する。
帯電噴霧ヘッド10に対しては、水源水槽11からの水を加圧供給するポンプユニット12が設置され、ポンプユニット12の吐出側に手動弁(仕切弁)14及び遠隔開閉弁22cを介して配管16が接続され、配管16には遠隔開閉弁22aを介して、液剤噴霧区画24eに設置した帯電噴霧ヘッド10を接続している。
手動弁14と遠隔開閉弁22cの間の配管16には混合器30が設けられ、混合器30には薬液タンク28が接続されている。薬液タンク28には適宜の薬液が貯留されており、配管16からの加圧水の導入により隔膜で仕切られたタンク内に貯留している薬液を混合器30に押出し、所定の混合割合となるようにポンプユニット12から加圧供給された水に混合して帯電噴霧ヘッド10に供給するようにしている。
混合器30により混合する薬剤タンク28の薬液としては例えば消臭剤とし、消臭剤を混合した液剤を帯電噴霧ヘッド10に供給して液剤噴霧区画24eに帯電噴霧することで、空気中に浮遊している匂いの原因となる粒子に吸着して消臭する防臭設備を構築する。
薬剤噴霧区画24eには環境センサ18dが設置され、システム制御盤20dに信号線により接続されている。環境センサ18dは薬液噴霧区画24dにおける例えばアンモニア濃度などを計測してシステム制御盤20dに送信する。
システム制御盤20dには更に遠隔開閉弁22a,22c,22dが信号線により接続され、遠隔的に開閉制御できる。システム制御盤20dは液剤噴霧設備の停止中は、遠隔開閉弁22a,22cを閉鎖状態とし、遠隔制御弁22dを開放としている。
またシステム制御盤20dは液剤噴霧設備の起動時には、ドレン側の遠隔制御弁22dを閉制御すると共に、遠隔制御弁22a,22cを開制御すると共にポンプユニット12を起動して水源水槽11からの水に混合器30で薬剤タンク28から供給された消臭剤などの薬剤を所定割合で混合し、帯電噴霧ヘッド10に加圧供給して液剤噴霧区画24dに帯電噴霧させる。
帯電噴霧ヘッド10から液剤噴霧区画24dに帯電した消臭剤入りの水粒子を噴霧すると、帯電している水粒子のクーロン力により、同じく帯電状態にあるアンモニアなどの粒子を捕集して床面に速やかに降下させ、これによって大幅な消臭作用が発揮される。また消臭剤と芳香剤を水に混合して帯電噴霧することで、消臭すると共に快適な匂いを生成して清浄感を高めることができる。
図12は、図2の噴霧冷房区画にハンディ型のノズル装置をホース接続して使用する本発明による液剤噴霧設備の他の実施形態を示した説明図である。
図12において、噴霧冷房区画24aの高所には帯電噴霧ヘッド10が設置され、帯電噴霧ヘッド10に対しては、図1に示したポンプユニット12からの配管16が遠隔開閉弁22aを介して接続されている。帯電噴霧ヘッド10の上部には電圧印加部15が設置されており、帯電噴霧ヘッド10に所定の電圧を印加して、帯電噴霧ヘッド10から噴射する噴霧水を帯電させて噴霧できるようにしている。
配管16は噴霧冷房区画24aの壁面下部まで立ち下げられ、そこに仕切弁75を介してホース接続口76を設けている。ホース接続口76にはホース78を介してノズル装置100が接続されている。ノズル装置100には帯電噴霧ヘッドと電圧印加装置が組み込まれており、ノズル装置100から噴射する冷房用の噴霧水を帯電させて噴霧できるようにしている。
図13は図12のノズル装置の実施形態を示した断面図である。図13において、ノズル装置100は、本体102の内部に配置した導電性の金属からなる筒本体114の先端側に帯電噴霧ヘッド10を設け、根元側にホース接続口106を設け、ホース接続口106には図12に示したように、仕切弁75を介してホース76が接続され、冷房用水が加圧供給され、帯電噴霧ヘッド10から帯電噴霧される。
本体102の先端に設けた帯電噴霧ヘッド10は、図3に示したと同様な構造であり、左右に分割した金属製のボディ36,38を備え、ボディ38は流入口36aを延在し、流入口36aを筒本体114の先端に挿入した状態でボルト37により連結固定している。ボディ36,38の内部流路には円筒状の水側電極部(液剤側電極部)46が組み込まれ、水側電極部46は導電性を持つ金属材料で作られ、更に絶縁材料で被覆されており、金属製のボディ36,38に対し電気的に絶縁されている。
ボディ38の内部流路の先端には絶縁性のスペーサ43を介してノズル部40が形成され、ノズル部40の噴射側にはデフレクター42が配置される。デフレクター42はデフレクター支持部44から延在したロッド45の先端に設けられ、ノズル部40前方の空間に対向配置されている。
ボディ38には前方に開口すると共に周囲に複数の吸気穴116を開口した筒状のフレーム50がボルト37により組付け固定されている。フレーム50は前方の開口端を噴霧空間側に位置させており、先端内周面に円環状の誘導電極部48を配置している。誘導電極部48は導電性の部材で形成されると共に絶縁材料で被覆されており、金属製のフレーム50及び噴霧される液剤に対し電気的に絶縁されている。
デフレクター42はノズル部40から出た液剤を円錐状面に沿って偏向し、薄膜流56に変換して放射(噴霧)する。デフレクター42により形成された薄膜流56は、誘導電極部48の付近から薄膜流56が分裂分離して粒子群流58となって噴霧される。
本体102に対しては握り部108を備えたフレーム110が一体に設けられ、フレーム110の握り部108側には噴射粒子を帯電して放射させるための電圧印加スイッチ124を設けている。本体102及びフレーム110は合成樹脂などの絶縁材料で作られている。
フレーム110の握り部108の内部には、電池118と電圧印加装置120が組み込まれている。電池118は電圧印加装置120に直流電源を供給する。電圧印加装置120は、誘導電極配線122により帯電噴霧ヘッド10に設けた誘導電極部48に接続し、また水側電極配線124により水側電極部46に接続している。更に、握り部108の指を掛ける位置に設けた電圧印加スイッチ112に配線接続している。
電圧印加装置120は、電圧印加スイッチ112をオン操作すると、水側電極部46をアース側とし、誘導電極部48に対し例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。このように水側電極部46と誘導電極部48との間に例えば数KVとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって外部電界が生じ、ノズル部40から噴射した液剤がデフレクター42の円錐状面に沿った薄膜流56となり、薄膜流56が誘導電極部48付近を通過する場合に分裂分離を始めて粒子群流58に変換される噴射過程を通じて噴射粒子が帯電され、帯電された噴射粒子を外部に噴霧することができる。
なお、図13のノズル装置100は図3の帯電噴霧ヘッド10をノズル先端に設けた場合を例にとっているが、更に噴霧範囲を広範囲としたい場合には図7に示した構造の帯電噴霧ヘッド10を設ければ良い。
また図12に示したハンディ型のノズル装置100は、図9の噴霧防塵区間24c、図10の農薬噴霧兼植物育成区間24d、液剤噴霧区画24eについても同様に適用することができる。
図14は、背負型の動力噴霧機として使用する本発明による液剤噴霧装置の他の実施形態を示した説明図であり、図14(A)に背面を、図14(B)に側面を示している。
図14において、動力噴霧機130は背負いバンド136を装着した背当て部134の下部に架台132を配置し、背当て部134の上部にポリエチレン等で作られた蓋140を備えたタンク138を配置し、ここに噴霧する例えば冷房用水などの液剤を収納している。
架台132には駆動源となるエンジン142と、エンジン142により駆動されてタンク138の液剤を加圧供給するポンプ144が搭載され、ポンプ144のホース接続口148にホース150を介してノズル装置152を接続している。
ノズル装置152は本体154の付け根側にコック弁155を介してポンプ144からのホース150を接続し、本体154の先端に帯電噴霧ヘッド10を装着している。本体154の付け根側には握り部156が形成され、そこに電圧印加スイッチ158を設けている。ノズル装置152の詳細は図13の実施形態と同様な構造であり、本体154が前方に延在されて、その先端に帯電噴霧ヘッド10を装着している点で相違している。
このような動力噴霧機130として構成した本発明の液剤噴霧装置によれば、作業者が動力噴霧機130を装着して作業場所に出向き、エンジン142を始動してポンプ144からタンク138の液剤を加圧してノズル装置152に供給し、噴霧する場合にはノズル装置152に設けたコック弁155を開くことで、帯電噴霧ヘッド10に加圧液剤を供給して噴霧し、この場合に電圧印加スイッチ158をオン操作すると、帯電噴霧ヘッド10に例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧が印加され、帯電された噴射粒子を外部に噴霧することができる。
図15は、動力噴霧台車として使用する本発明による液剤噴霧装置の他の実施形態を示した説明図である。図15において、動力噴霧台車160は、車輪164により移動自在な台車162に、ポリエチレン等で作られた蓋170を備えたタンク168を搭載して例えば冷房用水などの液剤を収納している。
また台車162には駆動源となるエンジン172と、エンジン172により駆動されてタンク168の液剤を加圧供給するポンプ174が搭載され、ポンプ174のホース接続口178にホース180を介してノズル装置182を接続している。台車162は手押しハンドル165を持って作業者が手動で移動させる。
ノズル装置182は本体184の付け根側にコック弁185を介してポンプ174からのホース180を接続し、本体184の先端に帯電噴霧ヘッド10を装着している。本体184の付け根側には握り部186が形成され、そこに電圧印加スイッチ188を設けている。ノズル装置182の詳細は図13の実施形態と同様な構造であり、本体184が前方に延在されて、その先端に帯電噴霧ヘッド10を装着している点で相違している。
このような移動自在な動力噴霧台車160として構成した本発明の液剤噴霧装置によれば、作業者が台車162を押して作業場所に出向き、エンジン172を始動してポンプ174からタンク168の液剤を加圧してノズル装置182に供給し、噴霧する場合にはノズル装置182に設けたコック弁185を開くことで、帯電噴霧ヘッド10に加圧液剤を供給して噴霧し、この場合に電圧印加スイッチ188をオン操作すると、帯電噴霧ヘッド10に例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧が印加され、帯電された噴射粒子を外部に噴霧することができる。
ここで、図14および図15のノズル装置152,182は図3の帯電噴霧ヘッド10をノズル先端に設けた場合を例にとっているが、更に噴霧範囲を広範囲としたい場合には図7に示した構造の帯電噴霧ヘッド10を設ければ良い。
また図14の動力噴霧機130および図15の動力噴霧台車160は駆動源としてエンジン142を設けているが、駆動源としてバッテリーとモータを搭載してポンプを駆動するようにしても良い。また図14の背負い型の動力噴霧機130は駆動源として手動操作により空気を圧縮してタンクの液剤を加圧供給する蓄圧式の噴霧機としても良いし、必ずしも背負い型とせず、手持ちにより運搬可能なハンディ型の噴霧機としても良い。更に、図15の動力噴霧台車としてはエンジンやモータを駆動源とする自走式としても良い。
なお、本実施形態で使用する帯電噴霧ヘッド10としては、デフレクター42や42−1、42−2の頂角を適宜調整することで、防護区画の広さに適合した噴霧パターンを確保することができる。
また、上記の実施形態にあっては、誘導電極部48、48−1、48−2として環状電極を使用しているが、それぞれの形状は任意で、例えばデフレクター42、42−1、42−2で生成された薄膜流56、56−1、56−2の流れ方向に略平行な電極面をもつ環状電極を使用してもよい。このように誘導電極部48、48−1、48−2として薄膜流の流れ方向に略平行な環状電極を使用した場合には、電極面内各部と薄膜流表面との距離が均一となり、帯電効率を高めると共に安定した帯電を得ることができる。
また、帯電噴霧ヘッドへの印加電圧パターンを、水側電極部に対し誘導電極部側をプラスマイナス交互の印加電圧とするか、プラスのみの印加電圧とするか、あるいはマイナスのみの印加電圧とするか、また直流状の印加とするかパルス状の印加とするか、或いは、例えば正弦波状に変化する交流印加等とするかは、噴霧対象や噴霧対象領域、その他各種の条件、状況やその変化等に応じて適宜に定めることができる。
また、上記実施形態では基準電圧(電位)を例えばアース(接地)電圧として示したが、基準電圧はこれに限らず、電圧のプラスマイナスについてはこの基準電圧に対する高低を示す概念である。
また、誘導電極部やデフレクターの数は任意で、例えばそれぞれを3つ組み合わせたトリプルコーン型としてもよい。もちろん、ノズル部の数も任意である。
また、誘導電極部の数とデフレクターの数の組み合わせも任意で、例えば1つの誘導電極部に対して複数のデフレクターを設けるものであっても、複数の誘導電極部に対して1つのデフレクターを設けるものであってもよい。またこのように異なる数の誘導電極部とデフレクターの組み合わせからなるノズル部を複数備えたものであってもよい。
また、本発明の帯電噴霧ヘッドおよび帯電噴霧方法は、上記の実施形態に示した以外にも各種の利用が可能である。
また、誘導電極部やデフレクターは必ずしも円錐形状である必要は無く、例えば角錐状
としてもよい。
としてもよい。
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:帯電噴霧ヘッド
11:水源水槽
12:ポンプユニット
14:手動弁
15:電圧印加部
16:配管
18a〜18d:環境センサ
20a〜20d:システム制御盤
22a〜22f:遠隔開閉弁
24a,24b:噴霧空調区画
24c:噴霧防塵区画
24d:農薬噴霧兼植物育成区画
24e:液剤噴霧区画
26:農薬タンク
28:薬剤タンク
30:混合器
34:立下り配管
36,38:ボディ
40,70:ノズル部
42:デフレクター
42−1:第1デフレクター
42−2:第2デフレクター
43:絶縁部材
44,44−1,44−2:デフレクター支持部
45:ロッド
46:水側電極部
48:誘導電極部
48−1:第1誘導電極部
48−2:第2誘導電極部
50,74:フレーム
52:電圧印加ケーブル
54:アースケーブル
55:ケーブルホルダ
56,56−1,56−2:薄膜流
58:粒子群流
58−1:第1粒子群流
58−2:第2粒子群流
60:噴霧パターン
60−1:第1噴霧パターン
60−2:第2噴霧パターン
P,P1,P2:分裂分離部
75:仕切弁
76,106,148,178:ホース接続口
78,150,180:ホース
100,152,182:ノズル装置
102,154,184:本体
108,156,186:握り部
110:フレーム
112,158,188:電圧印加スイッチ
114:筒本体
116:吸気穴
118:電池
120:電圧印加装置
130:動力噴霧器
132:架台
134:背当て
136:背負いバンド
138,168:タンク
142,172:エンジン
144,174:ポンプ
160:動力噴霧台車
162:台車
164:車輪
165:手押しハンドル
11:水源水槽
12:ポンプユニット
14:手動弁
15:電圧印加部
16:配管
18a〜18d:環境センサ
20a〜20d:システム制御盤
22a〜22f:遠隔開閉弁
24a,24b:噴霧空調区画
24c:噴霧防塵区画
24d:農薬噴霧兼植物育成区画
24e:液剤噴霧区画
26:農薬タンク
28:薬剤タンク
30:混合器
34:立下り配管
36,38:ボディ
40,70:ノズル部
42:デフレクター
42−1:第1デフレクター
42−2:第2デフレクター
43:絶縁部材
44,44−1,44−2:デフレクター支持部
45:ロッド
46:水側電極部
48:誘導電極部
48−1:第1誘導電極部
48−2:第2誘導電極部
50,74:フレーム
52:電圧印加ケーブル
54:アースケーブル
55:ケーブルホルダ
56,56−1,56−2:薄膜流
58:粒子群流
58−1:第1粒子群流
58−2:第2粒子群流
60:噴霧パターン
60−1:第1噴霧パターン
60−2:第2噴霧パターン
P,P1,P2:分裂分離部
75:仕切弁
76,106,148,178:ホース接続口
78,150,180:ホース
100,152,182:ノズル装置
102,154,184:本体
108,156,186:握り部
110:フレーム
112,158,188:電圧印加スイッチ
114:筒本体
116:吸気穴
118:電池
120:電圧印加装置
130:動力噴霧器
132:架台
134:背当て
136:背負いバンド
138,168:タンク
142,172:エンジン
144,174:ポンプ
160:動力噴霧台車
162:台車
164:車輪
165:手押しハンドル
Claims (8)
- 水系の液剤を、配管を介して供給する液剤供給設備と、
噴霧区画に設置され、前記液剤供給設備により供給された液剤の噴射粒子に帯電させて噴霧する帯電噴霧ヘッドと、
前記帯電噴霧ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
を備えた液剤噴霧装置に於いて、
前記帯電噴霧ヘッドは、
前記液剤を外部空間に噴射するノズルと、
前記ノズルの内部に配置されて液剤に接触する液剤側電極部と、
前記ノズルから出た液剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離させて噴霧する偏向噴霧部材と、
前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備え、
前記液剤側電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料により前記ノズルと電気的に絶縁され、
前記偏向噴霧部材は、前記液剤側電極部に絶縁部材を介して接続されて、前記液剤側電極部と電気的に絶縁され、
前記誘導電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料により前記ノズル及び前記噴射粒子と電気的に絶縁されたことを特徴とする液剤噴霧装置。
- 請求項1記載の液剤噴霧装置に於いて、前記偏向噴霧部材は、ノズルから放出された液剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有するデフレクターであることを特徴とする液剤噴霧装置。
- 請求項1記載の液剤噴霧装置に於いて、前記噴霧区画は、帯電された液剤の噴射粒子群により冷房する噴霧冷房区画、帯電された液剤の噴射粒子群により塵埃を除去する噴霧防塵区画、帯電された液剤の噴射粒子群により植物育成環境を生成する植物育成区画、及び、帯電された消毒薬剤を含む液剤の噴射粒子群により植物を消毒する農薬噴霧区画の少なくとも何れか1区画を備えることを特徴とする液剤噴霧装置。
- 請求項1記載の液剤噴霧装置に於いて、前記液剤供給設備の配管に設けたホース接続口に、前記帯電噴霧ヘッド、前記電圧印加部及び前記電圧印加部に電源を供給する電池を備えた可搬自在なノズル装置を、ホースを介して接続し、前記電圧印加部及び電池を前記ノズル装置に設けた把持部内に隣接して配置したことを特徴とする液剤噴霧装置。
- 請求項1記載の液剤噴霧装置に於いて、移動可能な架台又は台車に、水系の液剤を供給する前記液剤供給設備を搭載し、前記液剤供給設備に設けたホース接続口に、前記帯電噴霧ヘッド、前記電圧印加部及び前記電圧印加部に電源を供給する電池を備えた可搬自在なノズル装置を、ホースを介して接続し、前記電圧印加部及び電池を前記ノズル装置に設けた把持部内に隣接して配置したことを特徴とする液剤噴霧装置。
- 請求項4又は5に記載の液剤噴霧装置に於いて、前記ノズル装置の把持部に、前記電圧印加部から前記帯電噴霧ヘッドに印加する帯電電圧をオン、オフするスイッチを備えたことを特徴とする液剤噴霧装置。
- 噴霧区画に設置され、液剤供給設備により供給された水系の液剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電させて噴霧する帯電噴霧ヘッドに於いて、
前記液剤を外部空間に噴射するノズルと、
前記ノズルの内部に配置されて液剤に接触する液剤側電極部と、
前記ノズルから出た液剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離させて噴霧する偏向噴霧部材と、
前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備え、
前記液剤側電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料により前記ノズルと電気的に絶縁され、
前記偏向噴霧部材は、前記液剤側電極部に絶縁部材を介して接続されて、前記液剤側電極部と電気的に絶縁され、
前記誘導電極部は、導電性を持つ材料で形成されると共に絶縁材料により前記ノズル及び前記噴射粒子と電気的に絶縁されたことを特徴とする帯電噴霧ヘッド。
- 請求項7記載の帯電噴霧ヘッドに於いて、前記偏向噴霧部材は、ノズルから放出された液剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有するデフレクターであることを特徴とする帯電噴霧ヘッド。
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