JP2013230185A - 火災防災装置及び帯電散布ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】指向性を持たせた帯電散布により、散布対象エリアにおいて、クーロン力を利用した高い消火消煙効果を得る。
【解決手段】火災時に、水系の消火剤を、配管を介して防護区間に設置された帯電散布ヘッド10に加圧供給し、帯電散布ヘッド10から噴射した消火剤を半円形乃至扇形状に偏向して薄膜流56を形成した後に粒子群流58に分裂分離して散布し、薄膜流56の分裂分離部P近傍に外部電界を印加して帯電する。帯電散布ヘッド10は、消火剤を外部空間の対象エリアに噴射するノズル部40、ノズル部40の内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部46、ノズル部40から放出した消火剤を半円形乃至扇形状に偏向して薄膜流56を形成した後に粒子群流58に分裂分離して散布するデフレクター42、及び薄膜流56の分裂分離部P近傍に半円形乃至扇形状に配置された誘導電極部48を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、水、海水、消火薬剤などを含有した水系の消火剤をヘッドから帯電散布する火災防災装置及び帯電散布ヘッドに関する。
従来、火災時において、帯電散布ヘッドから散布する消火剤粒子を帯電することにより、消火剤粒子と被消火物や煙粒子との間に働くクーロン力を利用し、燃焼物への立体的で高効率の濡らし効果や煙補足効果等を高めて、高い消火と消煙性能を得ることができることが知られている(特許文献1)。
図23は従来の帯電散布ヘッドを示している。図2において、帯電散布ヘッド800はポンプユニットからの配管に接続した立下り配管834の先端にヘッド本体836をねじ込み固定し、ヘッド本体836の先端内側には、絶縁部材841を介して、円筒状の水側電極部840を組み込んでいる。
水側電極部(消火剤側電極部)840に対しては、図示しない電圧印加部より引き出したアースケーブル850を、絶縁部材841を挿通して接続し、水側電極部840をアース側に接続している。
水側電極部840の図示下側には噴射ノズル838を設け、噴射ノズル838は水側電極部840側の内部に設けたノズル回転子838aと、先端側に設けたノズルヘッド838bで構成する。噴射ノズル838は、加圧供給された消火剤を立下り配管834から受け、ノズル回転子838aにより旋回流に変換した後にノズルヘッド838bから外部に噴射することにより消火剤を粒子群流に変換して散布する。
噴射ノズル838に対しては、固定部材843を介して、絶縁性材料を用いたカバー842がネジ止めにより固定し、カバー842の下側の開口部に、リング状誘導電極部8344を組み込んでストッパリングと共にネジ止め固定している。リング状誘導電極部844は、リング状本体の中央に噴射ノズル838からの消火剤噴射粒子を通過する開口を形成している。リング状誘導電極部844に対しては、外部に設けた電圧印加部からの電極印加ケーブル848を接続している。
帯電散布ヘッド800から消火剤を散布する際には、水側電極部840を0ボルトとなるアース側とし、リング状誘導電極部844に対し例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧(帯電電圧)を印加する。この電圧印加によって両電極間に外部電界が生じ、この外部電界の作用を受けて、噴射ノズル838から消火剤が粒子群流に変換される噴射過程を通じて、消火剤がこの外部電界の作用を受けて帯電し、帯電した粒子群流を外部対象領域(防護区画)に散布することができる。
特開2009−106405号公報
このような従来の帯電散布(噴霧)ヘッドによる消火剤の帯電散布によれば、例えば消火剤が水の場合に消火や消煙に要する水量を、非帯電の散布ヘッドによる必要散布水量と比較して大きく減少することができる。しかし、火災の規模が大きい場合などには、帯電散布ヘッドによる必要水量は、非帯電の散布ヘッドによる場合に比べ相当少水量となるものの、火災による発生熱量を所定以上吸収することができる最低限の総比熱と蒸発潜熱が得られる水量の散布は必要であり、水量が不足すると所望の効果を得ることができない。このように、火災規模が大きい時には、当然に水量の多い帯電散布ヘッドが必要となる。
しかし、図23に示した従来の帯電散布ヘッド800にあっては、ヘッド本体836のノズル回転子838aで水流に回転を与え遠心力を利用して噴射ノズル838から散布放射することで粒子群流に変換したフルコーン形の散布パターンを得ているが、このような従来の帯電散布にあっては、散布量の増加と共に単位水量当たりの帯電量が減少し、クーロン力による消火消煙効果を高める作用が小さくなってしまうという問題が、本願発明者の実験等によって確認されている。
図24は図23に示した従来の帯電散布ヘッド800に印加する帯電用電圧を定常的に+5KVとしたときの帯電散布水の単位散布量当たりの平均帯電量をファラディーケージ法で計測した比電荷で示しており、散布量が増すほど(ヘッドが大型になるほど)平均帯電量を示す比電荷は小さい結果となっている。
また、従来の水流に回転を与えて噴射ノズル838から遠心力を利用して散布放射する帯電散布ヘッド800では、消火剤の噴射角度(下向きの拡がり角度)はせいぜい90°程度であり、且つ飛距離も比較的短いことから、帯電消火剤を広範囲に散布することができないという問題もある。
また、従来の電界散布ヘッドにあっては、水平回りの360度となる全周方向に帯電消火剤を散布する無指向性の散布としているが、防護区画によっては、区画の壁際に電界散布ヘッドを設置せざるを得ない場合も予想され、このような場合には水平方向について所定の指向性をもった帯電散布を行うことが解決課題として残されている。
本発明は、散布量が増加しても十分な帯電量を確保してクーロン力を利用した高い消火消煙効果を奏すると共に所定の指向性を有する帯電散布を可能とする火災防災装置(設備)及び帯電散布(噴霧)ヘッドを提供することを目的とする。
(火災防災装置A)
本発明は、
水系の消火剤を、配管を介して供給する消火剤供給設備と、
防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給された消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
を備えた火災防災装置に於いて、
帯電散布ヘッドは、
消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
ノズルから出た消火剤を任意の方向に略半円形乃至扇形状に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置した誘導電極部と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、偏向散布部材は、ノズルから放出された消火剤を斜め下向き方向に略半円形乃至扇形状に広がる薄膜流に偏向するデフレクターであり、誘導電極部は、デフレクタ−により形成した薄膜流の分裂分離部近傍の上側に略半円形乃至扇形状に配置する。
また偏向散布部材は、ノズルから放出した消火剤を斜め下向き方向に略半円形乃至扇形状に広がる薄膜流に偏向するデフレクターであり、誘導電極部を、デフレクタ−により形成した薄膜流の分裂分離部近傍の下側に略半円形乃至扇形状に配置しても良い。
誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成している。この場合、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で電極を絶縁被覆して誘導電極部が形成していることが、より望ましい。
(帯電散布ヘッドA)
本発明は、防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電して散布する帯電散布ヘッドに於いて、
消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
ノズルから出た消火剤を任意の方向に略半円形乃至扇形状に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備えたことを特徴とする。
それ以外の特徴は、火災防災装置Aの場合と基本的に同じになる。
(火災防災装置B1)
本発明は、
水系の消火剤を、配管を介して供給する消火剤供給設備と、
防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
を備えた火災防災装置に於いて、
帯電散布ヘッドは、
消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
ノズルから出た消火剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、偏向散布部材は、ノズルから出た消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状をもつデフレクターである。
誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成している。この場合、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して誘導電極部が形成されていることが、より望ましい。
(消火剤の帯電散布ヘッドB1)
本発明は、防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電して散布する帯電散布ヘッドに於いて、
消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
ノズルから出た消火剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備えたことを特徴とする。
それ以外の構成は、火災防災装置B1の場合と基本的に同じになる。
(火災防災装置B2)
本発明の別の形態にあっては、
水系の消火剤を、配管を介して加圧供給する消火剤供給設備と、
防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
を備えた火災防災装置に於いて、
帯電散布ヘッドは、
消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
ノズルから出た消火剤の一部を、任意の方向に偏向して第1薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第1偏向散布部材と、
第1薄膜流の分裂分離部近傍に配置された第1誘導電極部と、
ノズルから出た消火剤の残りを、第1薄膜流の外側に位置して同方向に偏向する第2薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第2偏向散布部材と、
第2薄膜流の分裂分離部近傍に配置した第2誘導電極部と、
を備え、2重円錐状に粒子群流を散布することを特徴とする。
ここで、ノズルは中心ノズル穴とその後方周囲にリング状ノズル穴を同軸に形成し、
第1偏向散布部材は、ノズルの中心ノズル穴から放出した消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有する第1デフレクターであり、
第2偏向散布部材は、ノズルのリング状ノズル穴から放出した消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有する第2デフレクターである。
第1誘導電極部及び第2誘導電極部の各電極を絶縁被覆して形成している。この場合、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で電極を絶縁被覆して第1誘導電極部及び第2誘導電極部が形成されていることが、より望ましい。
(消火剤の帯電散布ヘッドB2)
本発明の別の形態にあっては、
防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電して散布する帯電散布ヘッドに於いて、
消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
ノズルから出た消火剤の一部を、任意の方向に偏向して第1薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第1偏向散布部材と、
第1薄膜流の分裂分離部近傍に配置した第1誘導電極部と、
ノズルから出た消火剤の残りを、第1薄膜流の外側に位置して同方向に偏向する第2薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第2偏向散布部材と、
第2薄膜流の分裂分離部近傍に配置した第2誘導電極部と、
を備え、2重円錐状に粒子群流を散布しることを特徴とする。
それ以外の特徴は、火災防災装置B2の場合と基本的に同じになる。
(火災防災装置C)
本発明は、
水系の消火剤を、配管を介して供給する消火剤供給設備と、
防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
を備えた火災防災装置に於いて、
帯電散布ヘッドは、
消火剤を対象空間に放出するノズルと、
ノズルの内部に配置されて消火剤に対し電気的に導通する消火剤側電極部と、
ノズルから放出した消火剤を、螺旋状に偏向して薄膜流を形成した後に分裂分離して粒子群流に変換し散布する偏向散布部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備えたことを特徴とする。
ここで、偏向散布部材は、先端を頂点側として円錐螺旋状に変化する偏向面を形成したデフレクターであり、ノズルから放出された消火剤を先端に向かうにつれて偏向角が狭まる螺旋状の薄膜流に拡散偏向する。
誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成している。この場合、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で電極を絶縁被覆して誘導電極部が形成していることが、より望ましい。
(帯電散布ヘッドC)
本発明は、防護区画に設置され、消火剤供給設備により供給された消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電させて散布する帯電散布ヘッドに於いて、
帯電散布ヘッドは、
消火剤を対象空間に放出するノズルと、
ノズルの内部に配置して消火剤に対し電気的に導通する消火剤側電極部と、
ノズルから放出した消火剤を、螺旋状に偏向して薄膜流を形成した後に分裂分離して粒子群流に変換し散布する偏向散布部材と、
薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
を備えたことを特徴とする。
それ以外の構成は、火災防災装置Cの場合と基本的に同じになる。
(火災防災装置A及び帯電散布ヘッドAによる効果)
本発明によれば、防護区画の壁際などに帯電散布ヘッドを設置するような場合、帯電散布ヘッドのノズルから噴出した消火剤を偏向散布部材となるデフレクターによって任意の所定方向に略半円形乃至は扇形状に広がる薄膜流を形成し、薄膜流が粒子群流に変換される分裂分離部近傍に誘導電極を配置して外部電界を印加し帯電することで、散布量が多いヘッドでありながら、所定方向に広がる指向性を持った帯電量の大きな帯電散布を行うことができる。
また、ノズルから噴射した消火剤を任意の所定方向の薄膜流に偏向する偏向散布部材形状の設定により、任意の指向角をもつ帯電散布が容易に実現でき、散水量の増加と相俟って十分な飛距離が得られ、必要とする広範囲に帯電消火剤を散布して、クーロン力を利用した高い消火消煙効果を得ることができる。
(火災防災装置B1,B2と帯電噴霧ヘッドB1,B2による効果)
本発明によれば、帯電散布ヘッドのノズルから噴出した消火剤を偏向散布部材となるデフレクターによって任意の所定方向に広がる薄膜流を形成し、薄膜流が粒子群流に変換される分裂分離部近傍に誘導電極を配置して外部電界を印加し帯電することで、散布量が多いヘッドでありながら、帯電量の大きな帯電散布を行うことができる。
また、ノズルから噴射した消火剤を任意の所定方向の薄膜流に偏向する偏向散布部材の偏向形状の設定により、従来に比べ広角の帯電散布が容易に実現でき、散水量の増加と相俟って十分な飛距離が得られ、広範囲に帯電消火剤を散布してクーロン力を利用した高い消火消煙効果を得ることができる。
また本発明の他の形態によれば、帯電散布ヘッドのノズルから噴出した消火剤を偏向散布部材となる2段階に同軸配置したデフレクターによってそれぞれ任意の所定方向に広がる薄膜流を形成し、各薄膜流が粒子群流に変換される分裂分離部近傍に誘導電極をそれぞれ配置して外部電界を印加し帯電させることで、二重円錐状(ダブルコーン状)となる粒子群流を散布し、広範囲に帯電量の大きな帯電散布を行うことができる。
(火災防災装置Cと帯電散布ヘッドCによる効果)
本発明によれば、帯電散布ヘッドのノズルから噴出した消火剤を偏向散布部材となるデフレクターによって螺旋状に偏向して薄膜流を形成し、薄膜流の分裂分離部近傍に誘導電極を配置して外部電界を印加し帯電することで、散布量が多いヘッドでありながら、帯電量の大きな帯電散布を行うことができる。
また、ノズルから噴射した消火剤を螺旋状に広がる薄膜流に偏向する偏向散布部材の偏向形状の設定により、ノズルから放出した消火剤をノズル放出直後は広角に拡散偏向し、先端に向かうにつれて偏向角が狭まる螺旋状の薄膜流に拡散偏向することで、従来に比べ広角の帯電散布が容易に実現でき、散水量の増加と相俟って十分な飛距離が得られ、更に広範囲に帯電消火剤を散布してクーロン力を利用した高い消火消煙効果を得ることができる。
(誘導電極部の絶縁被覆による効果)
また、水粒子を帯電させるための誘導電極部の電極を絶縁被覆する絶縁材として、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯を用いることにより、絶縁被覆していない電極によって生成した帯電水粒子と比較して、同等あるいはそれ以上の比電荷の帯電消火剤粒子(帯電水粒子)を生成することが可能になる。
本発明による火災防災設備の実施形態を示した説明図 図1の防護エリアAを取り出して示した説明図 本発明による帯電散布ヘッドの実施形態を示した説明図 図3の帯電散布ヘッドに設けたノズル部を取り出して示した説明図 本実施形態による散布量と比電荷の関係を従来ヘッドと対比して示したグラフ図 本実施形態の帯電散布ヘッドに供給する印加電圧を示したタイムチャート図 本発明による帯電散布ヘッドの他の実施形態を示した説明図 本発明による帯電散布ヘッドの第2実施形態を示した断面図 図8の帯電散布ヘッドを下側から見た説明図 図1の防護エリアAを取り出して示した説明図 本発明による帯電散布ヘッドの第2実施形態の変形例を示した断面図 図11の帯電散布ヘッドを天井設置状態に於ける下側から見た説明図 本発明による帯電散布ヘッドの第3実施形態を示した断面図 図13の帯電散布ヘッドの天井設置状態を下側(床側)から見て示した説明図 噴霧冷房設備としての用途を示した説明図 噴霧防塵設備としての用途を示した説明図 農薬噴霧兼植物育成設備としての用途を示した説明図 薬液噴霧設備としての用途を示した説明図 ポータブル型ノズル装置を備えた噴霧冷房設備としての用途を示した説明図 ポータブル型帯電噴霧ヘッドの実施形態を示した断面図 背負型の動力噴霧機としての用途を示した説明図 動力噴霧台車としての用途を示した説明図 従来の帯電散布ヘッドを示した断面図 従来の帯電散布ヘッドによる散布量と比電荷の関係を示したグラフ図
[火災防災装置の構成]
図1は本発明による火災防災装置(火災防災設備)の実施形態を示した説明図である。図1において、建物内の例えばコンピュータルームなどの防護エリアA及びBの壁際に近い天井側には、本実施形態による帯電散布ヘッド10を設置し、これら帯電散布ヘッド10から、それぞれの防護エリアに対し所定の指向性を有する消火剤散布を行うようにしている。
消火剤貯留・供給設備として機能する水源14に対し設置されたポンプユニット12から手動弁(仕切弁)13を介して配管16を接続し、配管16は分岐後に調圧弁30及び自動開閉弁32を介して、防護エリアA,Bのそれぞれに設置した帯電散布ヘッド10に接続している。水源14は水、海水、或いはその他水系の消火剤を貯留している。
防護エリアA,Bのそれぞれには、帯電散布ヘッド10からの消火剤散布を制御する入力信号源となる専用火災検出器18を設置している。また防護エリアA,Bのそれぞれに対しては連動制御中継装置20を設け、信号線に専用火災検出器18を接続している。連動制御中継装置20には更に帯電散布ヘッド10からの散布制御を手動操作で行うための手動操作箱22を接続している。
連動制御中継装置20に対しては、このように専用火災検出器18及び手動操作箱22からの信号線を接続すると共に、帯電散布ヘッド10に帯電駆動電圧を印加制御するための信号線、及び自動開閉弁32を開閉制御するための信号線を引き出している。
更に防護エリアAには自動火災報知設備の火災感知器26を設置し、自動火災報知設備の受信機28から引き出した感知器回線に接続している。なお、防護エリアBについては自動火災報知設備の火災感知器26を設けていないが、必要に応じて設けてもよいことはもちろんである。
防護エリアA,Bに対応して設置した連動制御中継装置20は、一方でシステム監視制御盤24に信号線接続している。システム監視制御盤24には自動火災報知設備の受信機28も接続している。更にシステム監視制御盤24はポンプユニット12を信号線接続し、ポンプユニット12のポンプ起動停止を制御するようになっている。
図2は図1の防護エリアAを取り出して示した説明図である。防護エリアAの壁際に近い天井側には帯電散布ヘッド10を、防護エリアの中央側を帯電散布方向として指向設定して設置している。帯電散布ヘッド10を接続した天井側配管(図3の立下がり配管34)は、図1に示したポンプユニット12からの配管16に、調圧弁30及び自動開閉弁32を介して接続している。
また帯電散布ヘッド10の近傍上部には電圧印加部15を設置し、後の説明で明らかにするように、帯電散布ヘッド10に所定の電圧を印加して、帯電散布ヘッド10から噴射放出する消火剤を帯電して散布できるようにしている。また防護エリアAの天井側には専用火災検出器18を設置し、併せて自動火災報知設備の火災感知器26も接続している。なお、電圧印加部15は帯電散布ヘッド10と一体に設けてもよい。
[帯電散布ヘッドの第1実施形態の構成]
図3は図1及び図2に示した帯電散布ヘッド10の第1実施形態であり、図3(A)に縦断面を示し、図3(B)には帯電散布ヘッド10を天井設置状態で下側(床側)から見た平面を示している。
図3において、帯電散布ヘッド10は上下に分割した金属製のボディ36,38をボルト37で連結固定しており、ポンプユニット12からの配管16に接続した立下り配管34の先端にボディ36をねじ込み固定している。ボディ36,38の内部流路には円筒状の消火剤側電極部46を組み込んでいる。
消火剤側電極部46に対しては、図2に示したように、外部近傍に設置している電圧印加部15から引き出したアースケーブル54を接続している。このアースケーブル54の接続で、消火剤側電極部46を接地する。下部に配置したボディ38の内部流路先端には消火剤側電極部46に続いて絶縁性のスペーサ44を介しノズル部40を配置する。
ノズル部40は図4A(A)〜(C)に取り出して示すように、上部を大径とし下部を小径とした段付き円筒体であり、上部に流入口43を開口し、下部側に切り欠き部47を設け、この一部としてデフレクター42を一体に形成しており、円筒内部でデフレクター42に向けてノズル穴(ノズル開口)41を開口している。なお、図4(C)は図4(A)のノズル穴開口位置の下側から見た断面を示している。
本実施形態において、デフレクター42はノズル穴41の開口部背後に略垂直方向の垂直デフレクター面42aを形成し、垂直デフレクター面42aに続いて水平方向に対し下向きに傾斜角αをもつ傾斜デフレクター面42bを図示の如く形成しており、ノズル穴41から噴出した消火剤をデフレクター42に当てることで、水平方向については略半円形乃至は扇形状に広がる指向角θをもち、垂直方向については斜め下向きに傾斜角αとなる薄膜流56(図3(A))に変換して放射する。
デフレクター42の垂直デフレクター面42aは、図4(C)に矢印で示す指向方向中心60に対し概ね左右90度(deg)となるθ=180度の水平回りの指向角を設定している。
ここで、水平回りの指向角θは、必要に応じて指向方向中心60に対し左右90度以下の任意の角度をもつように形成することで、θ=180度以下となる所定の指向角をもたせることもできる。例えば指向角θを小さくしたい場合には例えば図4(D)に示すように、デフレクター42の垂直デフレクター面42aの指向方向中心60に対する角度θを180度以下の所定角度とすれば良い。
また、指向角θを180度以上としても良く、この場合には指向方向中心60に対する角度は左右90度以上となり、薄膜流は背後に広がるようになる。また、垂直デフレクタ−面42aを凹状または凸状に湾曲することで指向調整を行っても良い。さらに、必要に応じ指向角を左右非対称としてもよい。
再び図3を参照するに、デフレクター42により偏向形成した薄膜流56は、分裂分離部P付近から薄膜流56が分裂分離して粒子群流58となって放射され、防護エリアに指向性をもって散布される。
デフレクター42により偏向した薄膜流56の上側に沿ってボディ38の下端から扇形に広がる枠構造のフレーム50が一体に形成し、薄膜流56の分裂分離部Pの近傍となるフレーム50の先端側に、図3(B)に示す半円リング状の誘導電極部48を下向きに、薄膜流56に対向するように配置している。
誘導電極部48は、導電性を持つ金属材料で作られた電極と、この電極を絶縁材で絶縁被覆して形成したものである。また、誘導電極部48は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス(アルミナセラミックス)、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材に用いて形成されている。この場合、誘導電極部48の絶縁材としては、耐熱性、耐火性にも優れるセラミックス或いはガラス琺瑯を用いるのが、より好ましい。
フレーム50の先端下側に配置した誘導電極部48に対しては、図2に示した電圧印加部15から引き出された電圧印加ケーブル52を接続している。
なお図3では、前記誘導電極部48を例えば薄膜流56の分裂分離部Pの上流方向に10mm以下、下流方向に30mm以下、また薄膜流56の表面から20mm以下となる領域内に配置している。
ここで、本実施形態の帯電散布ヘッド10に使用している消火剤側電極部46としては、導電性を有する金属以外に、導電性を有する樹脂、繊維束、ゴム等であってもよく、更にこれらを組合せた複合体であってもよい。
帯電散布ヘッド10から消火剤を散布する場合には、図2に示した電圧印加部15が図1に示す連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、消火剤側電極部46を基準電位(アース)側とし、誘導電極部48に対し例えば数KVから十数KV程度の直流状(定常)印加電圧、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。発明者の実験によれば、印加電圧は20KVを超えない範囲とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
このように消火剤側電極部46と誘導電極部48との間に例えば数KVとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって外部電界が生じ、この作用により、ノズル部40から噴射放出した消火剤をデフレクター42に沿って下向きで略半円形乃至は扇形状に広がる指向性をもった薄膜流56に変換し、薄膜流56を分裂分離部P付近から分裂分離を始めて粒子郡流58に変換する過程を通じて、消火剤粒子を帯電し、帯電した噴射粒子を外部の防護エリア対象領域に散布することができる。
なお、ノズル部40から噴射した消火剤をデフレクター42で偏向する場合、剥離や飛散等により消火剤の一部が誘導電極部48に接触する場合があるが、誘導電極部48は絶縁材で被覆されているため、消火剤が接触して短絡や電荷の中和が問題になることなく、消火剤を帯電することができる。
図5はある条件における散布量と比電荷の関係を、デフレクターを設けた本実施形態による帯電散布ヘッドとデフレクターを設けない従来の帯電散布ヘッドの場合とで対比した例を模式的に示したグラフ図である。
図5において、特性Bは従来の帯電散布ヘッドの特性であり、所定帯電電圧を定常印加した場合である。従来の特性Bでは、単位時間当りの散布量の増加に対し、帯電量を示す比電荷が大きく減少しているが、これに対し本実施形態の帯電散布ヘッド10にあっては、例えば特性Aのように、散布量の増加に対して比電荷の減少が少ない。図5の例では、本実施形態のノズルの、散布量7[リットル/min]における比電荷(特性Aのa点)は、従来ノズルの散布量1.5[リットル/min]における比電荷(特性Bのb点)に相当するレベルとなっている。
このように、本実施形態の帯電散布ヘッド10によれば、従来の帯電散布ヘッドにおける散布量増加に伴い単位水量当りの帯電量が大きく減少してしまうという問題を解決し、高効率で帯電することができるので、散布量の多い帯電散布ヘッドでありながら、高効率で、帯電量の大きな散布を所定方向に指向性を持たせて行うことができる。特に、帯電散布ノズルを壁面付近に設置するような場合に、壁面側への散布を抑制しつつ所望の対象領域に向けては高効率の散布を実現することができる。
また、デフレクター42によりノズル部40から噴射した消火剤を、薄膜流56を経て粒子群流58に変換して散布するので、従来の帯電散布ヘッドに比べ、任意の指向角をもった帯電散布が容易に実現でき、帯電ロスを抑えつつ散水量を増加することができるため十分な飛距離が得られ、任意の指向方向に任意の指向角で帯電消火剤を散布して高い消火消煙効果を得ることができる。
[火災防災装置の監視動作]
次に図1の実施形態における火災防災装置の監視動作を説明する。いま、防護エリアAにおいて火災Fが発生したとすると、例えば専用火災検出器18が火災を検出して連動制御中継装置20を介しシステム監視制御盤24に火災検出信号を送る。
システム監視制御盤24は防護エリアAに設置している専用火災検出器18からの火災検出信号を受信するとポンプユニット12を起動し、水源14から消火用水を汲み上げてポンプユニット12により加圧し、配管16に供給する。
また専用火災検出器18からの火災検出信号を受信したシステム監視制御盤24は、防護エリアAに対応して設けている連動制御中継装置20に対し帯電散布ヘッド10の起動信号を出力する。この起動信号を受けて、連動制御中継装置20は自動開閉弁32を開放動作し、これによって調圧弁30により調圧した一定圧力の水系消火剤を、開放した自動開閉弁32を介して帯電散布ヘッド10に供給し、図2に取り出して示すように、帯電散布ヘッド10から防護エリアAに噴射粒子(群)として所定の指向方向と指向角を持って散布することになる。
このとき連動制御中継装置20は、図2に示す帯電散布ヘッド10に設けている電圧印加部15に対し起動信号を送り、この起動信号を受けて電圧印加部15は、帯電散布ヘッド10に対し例えば数KVとなる直流状、交流又はパルス状となる印加電圧を供給する。
このため図3に示した帯電散布ヘッド10にあっては、ノズル部40から加圧された水系の消火剤を噴射してデフレクター42により偏向形成した薄膜流56を粒子群流58に変換して散布する際に、フレーム50の内側に設けた扇形に広がるリング状の誘導電極部48側に例えば消火剤側電極部46の基準電位(アース)に対し数KVの電圧を所定パターンで印加し、この電圧印加により生じた外部電界を、分裂分離部P付近で消火剤に印加することにより帯電して散布することができる。
図2に示すように、壁際に設置している帯電散布ヘッド10から火災Fが発生している防護エリアAに向けて噴射した消火剤粒子は帯電しているため、帯電によるクーロン力により火災Fの燃焼源に効率良く付着する。また回り込み効果により燃焼剤のあらゆる面への付着が起こり、従来のように非帯電の水粒子を散布した場合に比べ、燃焼剤に対する濡らし効果が大幅に増大し、高い消火能力が発揮される。
また、燃焼に伴い発生する煙(火災煙)に対しても同様にして消火剤が付着して落下するため、高い消煙効果が得られる。つまり、このような本実施形態における消煙効果は、従来のような非帯電消火剤粒子の散布による消煙効果が消火剤粒子と煙粒子との確率的な衝突による捕捉作用であることに対し、本実施形態にあっては、帯電散布している消火剤粒子のクーロン力により、反対極性の帯電状態にある煙粒子を捕集し、これによって煙拡散抑制効果を含む高い消煙効果を発揮する。
更に図3の帯電散布ヘッド10にあっては、例えば消火剤側電極部46を0ボルトとし、誘導電極部48に対しプラスの電圧を直流的或いはパルス的に印加したような場合には、散布する水粒子はマイナスの電荷のみに帯電することとなる。
このようにマイナスの電荷のみに同極性帯電した消火剤粒子を散布した場合には、空間中で消火剤粒子間に斥力が働き、これによって消火剤粒子が衝突会合して成長落下する確率が小さくなり、空間中に滞留する消火剤粒子の密度が高くなるため、高い消煙消火能力を発揮する。即ち、消火剤粒子同士を同極性に帯電することで、粒子間に働く斥力により対流粒子密度を低下させることなく散布することができ、高い消煙消火能力を発揮する。
このような本実施形態における消煙効果は、従来のような非帯電水粒子の散布による消煙効果が水粒子と煙粒子との確率的な衝突による捕捉作用であることに対し、本実施形態にあっては、帯電散布している水粒子のクーロン力により、同じく帯電状態にある煙粒子を捕集し、これによって大幅な消煙効果を発揮する。
なお、帯電の極性は、散布対象によって適宜選択することができ、単純には、例えば散布対象の極性が概ねプラスである場合には、消火剤粒子をマイナスの極性に帯電するといった制御を行う。
また、本実施形態の帯電噴霧ヘッド10においては、誘導電極部48が電極を絶縁材で絶縁被覆して形成されているため、誘導電極部48に水が接触して短絡や電荷の中和が生じるようなことがなく、安全を確保し、好適に帯電消火剤粒子(帯電水粒子)の生成が行なえる。
さらに、表1は、散布水量を1L/minとし、誘導電極部48で印加する印加電圧を+5kVとし、絶縁被覆を設けずに誘導電極部48を形成したケースと、各種絶縁材で絶縁被覆して誘導電極部48を形成したケースで、帯電消火剤粒子の比電荷を計測した結果を示している。この結果から、絶縁材としてポリアミド合成樹脂(ナイロン:登録商標)、ポリエチレン樹脂を用いると、絶縁被覆を設けずに形成したケースと比較し、大幅に比電荷が小さくなることが確認された。
これに対し、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、アルミナセラミックス、ガラス琺瑯を絶縁材として用いると、絶縁被覆を設けずに形成したケースと同等、あるいはそれ以上の比電荷で帯電消火剤粒子を生成することが確認された。このことから、本実施形態の帯電散布ヘッド10においては、このようなポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、アルミナセラミックス、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材として用いて誘導電極部48を形成することで、短絡や電荷の中和を防止しつつ、好適に帯電消火剤粒子の生成が行える。
Figure 2013230185
[帯電散布ヘッド10の印加電圧パターン]
図6は本実施形態の電圧印加部15から帯電散布ヘッド10に加える印加電圧パターンを例示したタイムチャートであり、それぞれ時刻t1から以下のように電圧印加している。
図6(A)は+Vの直流状(定常)電圧を印加する場合であり、この場合には、マイナスに帯電した消火剤粒子を連続的に散布する。
図6(B)は−Vの直流状(定常)電圧を印加する場合であり、この場合には、プラスに帯電した消火剤粒子を連続的に散布する。
図6(C)は±Vの交流状電圧を印加する場合であり、この場合には、プラスの半サイクルの期間に交流電圧の変化に応じてマイナスに帯電した消火剤粒子を散布し、マイナスの半サイクルの期間に交流電圧の変化に応じてプラスに帯電した消火剤粒子を交互に散布する。
図6(D)は+Vのパルス状電圧を所定のインターバルを空けて繰り返し印加する場合であり、この場合には、マイナスに帯電した消火剤粒子を間欠的に散布し、電圧を印加していない期間には、帯電していない消火剤粒子の散布となる。
図6(E)は−Vのパルス状電圧を所定のインターバルを空けて繰り返し印加する場合であり、この場合には、プラスに帯電した消火剤粒子を間欠的に散布し、電圧を印加していない期間には、帯電していない消火剤粒子の散布となる。
図6(F)は±Vのパルス状電圧を所定のインターバルを空けて交互に繰り返し印加する場合であり、この場合には、マイナスに帯電した消火剤粒子とプラスに帯電した消火剤粒子をインターバルを空けて交互に散布し、電圧を印加していない期間には、帯電していない消火剤粒子の散布となる。このようなインターバルを設けずに±Vのパルス状電圧を交互に繰り返し印加しても良い。
図6(C)〜(F)に例示した印加電圧パターンにおける印加周期や転極周期は適宜に定めることができ、また図6(A)〜(F)の各パターンのうち複数を組み合わせたパターンとすること等もできる。
図6に例示した各パターンの印加電圧を帯電散布ヘッド10に供給する電圧印加部15としては、制御入力付きの市販の昇圧ユニットを利用することができる。市販の昇圧ユニットには、例えば入力にDC0〜20ボルトを加えると出力にDC〜20キロボルトを出力するものがあり、このような昇圧ユニットが利用できる。
[第1実施形態の変形例]
図7は図1及び図2に示した帯電散布ヘッド10の第1実施形態の変形例であり、図7(A)に縦断面を示し、図7(B)には帯電散布ヘッド10を天井設置状態で下側(床側)から見た平面を示しており、本実施形態は誘導電極をデフレクターにより形成した薄膜流の下側に配置したことを特徴とする。
本実施形態にあっては、デフレクター42により偏向形成した薄膜流56の下側に沿ってボディ38の下端から扇形に広がる枠構造のフレーム50を図示の如く一体に形成し、薄膜流56の分裂分離部Pの近傍となるフレーム50の先端側に半円リング状の誘導電極部48を上向きに、薄膜流56或いは分離分裂部Pに対向するように配置している。それ以外の構成及び機能は図3の実施形態と同じになる。
このようにデフレクター42により偏向した薄膜流56の分裂分離部Pの下側に誘導電極48を配置した場合にも、図3の実施形態と同様、ノズル部40から噴射した消火剤がデフレクター42に沿って下向きで扇形に広がる指向性をもった薄膜流56に変換し、薄膜流56が分裂分離部P付近から分裂分離を始めて粒子郡流58に変換する過程を通じて、誘導電極部48に対する電圧印加により生じた外部電界の作用で消火剤粒子を帯電し、帯電した消火剤粒子を、指向性をもって散布することができる。
なお、上記の実施形態にあっては、ノズル部40にデフレクター42を一体に形成しているが、別々の部材として配置しても良いし、デフレクター42を別部材とした場合には、フレーム50側に配置しても良い。
[帯電散布ヘッドの第2実施形態]
図8は図1の防護エリアAを取り出して示して本発明の第2実施形態となる帯電散布ヘッド100の配置を示した説明図である。防護エリアAの天井側には第2実施形態の帯電散布ヘッド100を設置している。帯電散布ヘッド100を接続した天井側配管は、図1に示したポンプユニット12からの配管16に、調圧弁30及び自動開閉弁32を介して接続している。
また帯電散布ヘッド100の上部には電圧印加部15を設置し、帯電散布ヘッド100に所定の電圧を印加して、帯電散布ヘッド10から噴射する消火剤を帯電して散布できるようにしている。また防護エリアAの天井側には専用火災検出器18を設置し、併せて自動火災報知設備の火災感知器26も接続している。
図9は本発明による帯電散布ヘッドの第2実施形態であり、その縦断面を示している。また図10には、図9の帯電散布ヘッドを天井設置状態で下側(床側)から見た説明図を示す。
図9及び図10において、帯電散布ヘッド100は上下に分割した金属製のボディ136,138をボルト137で連結固定しており、図8に示したポンプユニットからの配管16に接続した立下り配管134の先端にボディ136をねじ込み固定している。ボディ136,138の内部流路には円筒状の消火剤側電極部146を組み込んでいる。
消火剤側電極部146に対しては、図8に示したように、外部近傍に設置している電圧印加部15から引き出されたアースケーブル154を接続している。このアースケーブル154の接続で、消火剤側電極部146を接地する。
下部に配置したボディ138の内部流路先端にはノズル部140を形成する。ノズル部140の噴射側には偏向散布部として機能するデフレクター142を配置する。デフレクター142は、ボディ138内の消火剤側電極部146に続いて絶縁性のスペーサ143を介して組込み固定したデフレクター支持部144から延在したロッド145の先端に設け、ノズル部140前方(図示下方)の空間に対向配置している。
本実施形態において、デフレクター142は所定の頂角θをもった円錐状板体であり、ノズル部140から出た消火剤を円錐状面に沿って偏向し、薄膜流156に変換して放射する。デフレクター142により形成した薄膜流156は、分裂分離部P付近から薄膜流156が分裂分離して粒子群流158となって放射され、模式的に図示した散布パターン160のように散布される。
ボディ138には下部に開口した筒状のフレーム150がボルト137により組付け固定されている。フレーム150はその開口端を分裂分離部Pよりも下部、即ち散布空間側に位置させており、更に分裂分離部Pの近傍となる内周面に円環状の誘導電極部148を配置している。
消火剤側電極部148は、導電性を持つ金属材料で作られた電極と、電極を絶縁材で絶縁被覆して形成したものである。また、誘導電極部148は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス(アルミナセラミックス)、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材に用いて形成している。この場合、誘導電極部148の絶縁材としては、耐熱性、耐火性にも優れるセラミックス或いはガラス琺瑯を用いるのが、より好ましい。
フレーム50の下部内周側に配置した誘導電極部148に対しては、図8に示した電圧印加部15から引き出された電圧印加ケーブル152を接続している。
なお図9では、前記誘導電極部48を例えば薄膜流156の分裂分離部Pの上流方向に10mm以下、下流方向に30mm以下、また薄膜流156の表面から20mm以下となる領域内に配置している。
帯電散布ヘッド10から消火剤を散布する場合には、図8に示した電圧印加部15が図1に示す連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、消火剤側電極部146を基準電位(アース)側とし、誘導電極部148に対し例えば数KVから十数KV程度の直流状(定常)印加電圧、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。発明者の実験によれば、印加電圧は20KVを超えない範囲とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
このように消火剤側電極部146と誘導電極部148との間に例えば数KVとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって外部電界が生じ、この作用により、ノズル部140から噴射放出した消火剤がデフレクター42の円錐状面に沿った薄膜流156となり、薄膜流156を分裂分離部P付近から分裂分離を始めて粒子群流158に変換する噴射過程を通じて噴射粒子を帯電し、帯電した噴射粒子を外部の防護エリア対象領域に散布することができる。
なお、ノズル部140から噴射した消火剤をデフレクター142で偏向する場合、剥離や飛散等により消火剤の一部が誘導電極部148に接触する場合があるが、誘導電極部148は絶縁材料で被覆しているため、消火剤が接触して短絡や電荷の中和が問題になることなく、消火剤に帯電することができる。
また本実施形態の帯電散布ヘッド100は、散布量と比電荷のあいだに図5に示した特性Aが得られ、散布量増加に伴い単位水量当りの帯電量が大きく減少してしまうという問題を解決し、高効率で帯電することができるので、散布量の多い帯電散布ヘッドでありながら、帯電量の大きな散布を行うことができる。
また、デフレクター142によりノズル部140から噴射した消火剤を、薄膜流156を経て粒子群流158に変換して散布するので、デフレクター142の頂角θを適宜設定することにより、従来の帯電散布ヘッドに比べ広角の帯電散布が容易に実現でき、帯電ロスを抑えつつ散水量を増加させることができるため十分な飛距離が得られ、広範囲に帯電消火剤を散布して高い消火消煙効果を得ることができる。
また、本実施形態の帯電噴霧ヘッド100においては、誘導電極部148が電極を絶縁材で絶縁被覆して形成されているため、誘導電極部148に水が接触して短絡や電荷の中和が生じるようなことがなく、安全を確保し、好適に帯電消火剤粒子(帯電水粒子)の生成が行なえる。
さらに、表1に示したように、本実施形態の帯電散布ヘッド100においては、このようなポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、アルミナセラミックス、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材として用いて誘導電極部148を形成することで、短絡や電荷の中和を防止しつつ、好適に帯電消火剤粒子の生成が行える。
[帯電散布ヘッドの第2実施形態の変形例]
図11は本発明による帯電散布ヘッドの第2実施形態の変形例であり、その縦断面を示している。また図12には、図11の帯電散布ヘッドを天井設置状態で下側(床側)から見た説明図を示す。本実施形態の帯電散布ヘッドは広範囲に散布するために2重円錐状(ダブルコーン状)に消火剤粒子群流を帯電散布するようにしたことを特徴とする。
図11及び図12において、帯電散布ヘッド100は上下に分割した金属製のボディ136,138をボルト137で連結固定しており、図8のポンプユニットからの配管16に接続した立下り配管134の先端にボディ136をねじ込み固定している。ボディ136,138の内部流路には円筒状の消火剤側電極部146を組み込んでいる。消火剤側電極部146は導電性を持つ金属材料で作り、更に絶縁材料で被覆しており、金属製のボディ136,138に対し電気的に絶縁している。また消火剤側電極部146の下側には絶縁性のスペーサ143を配置する。
消火剤側電極部146に対しては、図8に示したように、外部近傍に設置している電圧印加部15から引き出されたアースケーブル154が接続されている。このアースケーブル154の接続で、消火剤側電極部146を接地するようにしている。
下部に配置したボディ138の内部流路の先端にはノズル部170を形成する。本実施形態のノズル部170は、図11に示す如く、中心位置に配置したデフレクター支持部144−1から延在したロッド145の先端側の空間に第1偏向散布部材として第1デフレクター142−1を配置し、また、同軸に配置したデフレクター支持部144−2に円筒基部をねじ込み支持して第1デフレクター142−1の後方となる先端側の空間に第2散布偏向部材として第2デフレクター142−2を配置している。
第2デフレクター142−2は中央にノズル穴を開口形成し、先端外周側を外側に向けて円錐状に広げた形状であり、中央のノズル穴にはロッド142−1を挿通するようになるが、この挿通部に於けるノズル穴とロッド142−1との隙間によって、第1デフレクター142−1に向けて消火剤を放出する第1ノズル部140−1を形成している。
またノズル部170のノズル開口と、このノズル開口に挿通して第2デフレクター140−2を支持している円筒基部との間にはリング状の隙間(リング状ノズル穴)を形成し、このリング状の隙間が第2デフレクター142−2に向けて消火剤を放出する第2ノズル部140−2を形成している。
本実施形態において、第1デフレクター142−1は所定の頂角θ1をもった円錐状体であり、第1ノズル部140−1から射出した消火剤を円錐状面に沿って偏向し、薄膜流156−1に変換して放射する。第1デフレクター142−1により形成した薄膜流156−1は、分裂分離部P1付近から分裂分離して第1粒子群流158−1となって放射され、模式的に図示した散布パターン160−1のように散布される。
また第2デフレクター142−2は、第1デフレクター140−1の頂角θ1より大きな所定の頂角θ2をもった円錐状体を円筒基部の先端に図示の如く形成しており、リング状の隙間をもつ第2ノズル部140−2から射出した消火剤を円錐状面に沿って広角に偏向し、薄膜流156−2に変換して放射する。第2デフレクター142−2により形成した薄膜流156−2は、分裂分離部P2付近から分裂分離して第2粒子群流158−2となって放射され、模式的に図示した散布パターン160−2のように、第1デフレクター140−1による散布パターン160−2の外側を覆うように広角に散布され、これによって2重円錐状(ダブルコーン状)の広域を均一的にカバーする散布パターンを形成する。
ボディ138には下側に開口した筒状のフレーム150をボルト137により組付け固定している。フレーム150はその開口端を第2デフレクター142−2で偏向形成した薄膜流156−2の分裂分離部P2よりも下部、即ち散布空間側に位置しており、更に分裂分離部P2の近傍となる内周面に円環状の第2誘導電極部148−2を配置している。
またフレーム150の下方にはホルダアーム172によりリング状のフレーム174を支持している。フレーム174は、その下側の開口端を第1デフレクター140−1で偏向した薄膜流156−1の分裂分離部P1よりも下部、即ち散布空間側に位置しており、更に分裂分離部P1の近傍となる内周面に円環状の第1誘導電極部148−1を配置している。
第1誘導電極部148−1及び第2誘導電極148−2は導電性を持つ金属材料で作られた電極と、電極を絶縁材で絶縁被覆して形成したものである。また、第1誘導電極部148−1及び第2誘導電極148−2は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス(アルミナセラミックス)、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材に用いて形成している。この場合、第1誘導電極部148−1及び第2誘導電極148−2の絶縁材としては、耐熱性、耐火性にも優れるセラミックス或いはガラス琺瑯を用いるのが、より好ましい。
フレーム150,174に配置した第1誘導電極部148−1及び第2誘導電極418−2に対しては、図8に示した電圧印加部15から引き出された電圧印加ケーブル152を接続している。
また第1誘導電極部148−1及び第2誘導電極148−2は、例えば薄膜流156−1,156−2の分裂分離部P1,P2の上流方向に10mm以下、下流方向に30mm以下、また薄膜流156−1,156−2の表面から20mm以下となる領域内に配置している。
図11、図12の帯電散布ヘッド100から消火剤を散布する場合には、図8に示した電圧印加部15を図1に示した連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、消火剤側電極部146をアース側とし、第1誘導電極部148−1及び第2誘導電極148−2に対し例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。発明者の実験によれば、印加電圧は20KVを超えない範囲とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
このように消火剤側電極部146と第1誘導電極部148−1及び第2誘導電極部148−2の間に例えば消火剤側電極46の基準電位(アース)に対し数KVとなる電圧を所定パターンで印加すると、この電圧印加によって外部電界が生じ、第1ノズル部140−1及び第2ノズル部140−2から噴射した消火剤が第1デフレクター142−1及び第2デフレクター142−2の円錐状面に沿った薄膜流156−1,156−2となり、薄膜流156−1.156−2を分裂分離部P1,P2付近から分裂分離を始めて第1粒子群流158−1及び第2粒子群流158−2に変換する過程を通じて消火剤の噴射粒子を帯電し、帯電した噴射粒子を外部に広域を均一的にカバーする2重円錐状(ダブルコーン状)のパターンとして帯電散布することができる。
また本実施形態の帯電散布ヘッド100は、散布量と比電荷のあいだに図5に示した特性Aが得られ、散布量増加に伴い単位水量当りの帯電量が大きく減少してしまうという問題を解決し、高効率で帯電することができるので、散布量の多い帯電散布ヘッドでありながら、帯電量の大きな散布を行うことができる。
また、本実施形態の帯電噴霧ヘッド100は、第1誘導電極部148−1と第2誘導電極部148−2がそれぞれ電極を絶縁材で絶縁被覆して形成しているため、第1誘導電極部148−1と第2誘導電極部148−2に水が接触して短絡や電荷の中和が生じるようなことがなく、安全を確保し、好適に帯電消火剤粒子(帯電水粒子)の生成が行なえる。
さらに、表1に示したように、本実施形態の帯電散布ヘッド100においては、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、アルミナセラミックス、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材として用いて第1誘導電極部148−1と第2誘導電極部148−2を形成することで、短絡や電荷の中和を防止しつつ、好適に帯電消火剤粒子の生成が行える。
なお、本実施形態で使用する帯電散布ヘッド100としては、デフレクター142や412−1、142−2の頂角を適宜調整することで、防護区画の広さに適合した散布パターンを確保することができる。
また、上記の実施形態にあっては、誘導電極部148、148−1、148−2として環状電極を使用しているが、それぞれの形状は任意で、例えばデフレクター142、142−1、142−2で生成した薄膜流56、56−1、56−2の流れ方向に略平行な電極面をもつ環状電極を使用してもよい。このように誘導電極部148、148−1、148−2として薄膜流の流れ方向に略平行な環状電極を使用した場合には、電極面内各部と薄膜流表面との距離が均一となり、帯電効率を高めると共に安定した帯電を得ることができる。
[帯電散布ヘッドの第3実施形態]
図13は本発明による帯電散布ヘッドの第3実施形態であり、その縦断面を示している。また図14には、図13の帯電散布ヘッドを天井設置状態で下側(床側)から見た説明図を示す。
図13及び図14において、帯電散布ヘッド200は上下に分割した金属製のボディ236,238をボルト237で連結固定しており、図8に示したと同様に、ポンプユニットからの配管16に接続した立下り配管234の先端にボディ236をねじ込み固定している。ボディ236,238の内部流路には円筒状の消火剤側電極部246を絶縁性のスペーサ244を介して組み込んでいる。消火剤側電極部246は導電性を持つ金属材料で作られ、更に絶縁材料を被覆しており、金属製のボディ236,238に対し電気的に絶縁している。
消火剤側電極部246に対しては、図8に示したように、外部近傍に設置している電圧印加部15から引き出されたアースケーブル254を接続している。このアースケーブル254の接続で、消火剤側電極部246を接地する。
下部に配置したボディ238の内部流路先端には絶縁性のスペーサ244を介してノズル部240を形成する。ノズル部240はノズル穴(ノズル開口)241を形成すると共にノズル穴241からの消火剤の噴出側に偏向散布部材として機能するデフレクター242を一体に設けている。
デフレクター242は、図示の如く先端側を頂点とする略円錐螺旋状(ヘリカル状)に形成し、この螺旋に沿って偏向面を形成しており、ノズル穴241から噴出された消火剤を偏向面に沿って偏向し、その結果、螺旋状に拡散する薄膜流250に変換して放射(散布)する。ここで、デフレクタ−242は、その偏向作用による消火剤薄膜流250の放射面傾きが、ノズル穴側からデフレクター242の先端側に向かうにつれて増加するように形成している(図示参照)。
このためデフレクター242により拡散偏向した薄膜流250は、ノズル穴241の直後では広角に放射され、先端に向かうにつれて放射角が小さくなり、これによってデフレクター42から防護区画の広い範囲に向けて均一的に消火剤を散布することができる。
デフレクター242により螺旋状に拡散偏向した薄膜流250は、分裂分離部P付近から分裂分離して粒子化し、粒子群流252となって放射され、模式的に示した散布パターン260のように広範囲を均一的にカバーするように散布される。
ボディ238の下部には図14にも示すように電極支持部245を帯電散布ヘッド200の側方に向かって張り出すように設けており、電極支持部245に固定支持した誘導電極部248を帯電散布ノズル200の散布空間側に位置している。誘導電極部248は電極支持部245を起点に、先端側を頂点として略円錐螺旋状(円錐ヘリカル状)に電極を形成しており、この電極はデフレクター242から螺旋状に拡散偏向した薄膜流250が分裂分離して粒子群流252となる各分離分裂点Pの近傍となるように配置している。
また螺旋状の誘導電極部248はデフレクター242に設けた螺旋状の偏向面に対し、略同じ位相関係となるように配置している。
更に消火剤側電極部248は、導電性を持つ金属材料の電極と、電極を絶縁材で絶縁被覆して形成したものである。また、誘導電極部248は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス(アルミナセラミックス)、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材に用いて形成している。この場合、誘導電極部248の絶縁材としては、耐熱性、耐火性にも優れるセラミックス或いはガラス琺瑯を用いるのが、より好ましい。
また誘導電極部248に対しては、図8に示した電圧印加部15から引き出した電圧印加ケーブル252を接続している。
なお図13では、螺旋状の誘導電極部248を例えば薄膜流250の螺旋状に連続分布する分裂分離部Pの上流方向に10mm以下、下流方向に30mm以下、また薄膜流50の表面から20mm以下となる領域内に配置している。
また、誘導電極部248は必ずしも図示の如く螺旋状に形成する必要は無く、デフレクター242により偏向して拡散放射する消火剤粒子を帯電させ得る形状のものであればよい。また、この目的を達成できる限り、誘導電極部248の寸法や配置についても任意に設定できる。
帯電散布ヘッド200から消火剤を散布する場合には、図8に示した電圧印加部15を図1に示した連動制御中継装置20からの制御信号により動作し、消火剤側電極部246を基準電位(アース)側とし、誘導電極部248に対し例えば数KVから十数KV程度の直流状(定常)印加電圧、交流又はパルス状となる印加電圧を印加する。発明者の実験によれば、印加電圧は20KVを超えない範囲とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
このように水側電極部246と誘導電極部248との間に例えば数KVとなる電圧が加えられると、この電圧印加によって外部電界が生じ、この作用により、ノズル部240から放出した消火剤がデフレクター242の螺旋状の偏向面に沿って拡散偏向された薄膜流250となり、薄膜流250が分裂分離部P付近から分裂分離を始めて粒子郡流258に変換される過程を通じて帯電され、散布パターン260として模式的に図示するように、帯電した噴射粒子をノズル部240の直下からは散布領域における帯電散布ヘッド200の側方側に向けて広角に、デフレクター242の先端側からは直下側に向けて狭域に散布することができ、全体として広い範囲に対して均一的に散布することができる。
また本実施形態の帯電散布ヘッド200は、散布量と比電荷とのあいだに図5に示した特性Aが得られ、散布量増加に伴い単位水量当りの帯電量が大きく減少してしまうという問題を解決し、高効率で帯電させることができるので、散布量の多い帯電散布ヘッドでありながら、帯電量の大きな散布を行うことができる。
また、本実施形態の帯電噴霧ヘッド200においては、誘導電極部248が電極を絶縁材で絶縁被覆して形成しているため、誘導電極部248に水が接触して短絡や電荷の中和が生じるようなことがなく、安全を確保し、好適に帯電消火剤粒子(帯電水粒子)の生成が行なえる。
さらに、表1に示したように、本実施形態の帯電散布ヘッド200においても、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、アルミナセラミックス、ガラス琺瑯の少なくとも1種を絶縁材として用いて誘導電極部248を形成することで、短絡や電荷の中和を防止しつつ、好適に帯電消火剤粒子の生成が行える。
[火災防災以外の用途]
本発明で火災防災に使用する帯電噴霧ヘッドは、火災防災装置以外の用途における帯電噴霧にも利用することができる。以下、噴霧冷房設備、噴霧防塵設備、農薬噴霧兼植物育成設備、薬液噴霧設備などの用途を例にとって説明する。またこれらの用途に使用する帯電散布ヘッドとしては、例えば図9及び図10の帯電噴霧ヘッド100を使用する場合を例にとる。勿論、図3及び図4に示した帯電噴霧ヘッド10または図13及び図14に示した帯電噴霧ヘッド200を使用しても良い。
[噴霧冷房設備]
図15は噴霧冷房設備としての用途を示した説明図である。図15において、噴霧冷房区画324a及び324bは人が通過するオープンスペース等の冷房対象空間であり、その上方位置、例えば人の通行に妨げとならない高さの位置に帯電噴霧ヘッド100を設置し、冷房用水散布を行うようにしている。
帯電噴霧ヘッド100に対しては、ポンプユニット312の吐出側から手動弁(仕切弁)314及び遠隔開閉弁322cを介して配管316を接続し、配管316は分岐後に遠隔開閉弁322a,322bを介して、噴霧冷房区画324a,324bのそれぞれに設置した帯電噴霧ヘッド100に接続している。
噴霧冷房区画324a,324bのそれぞれには環境センサ318a,318bを設置し、噴霧冷房区画324a,324bにおける気温、湿度、降雨、風速などを計測してシステム制御盤320に送信する。
システム制御盤320は、噴霧冷房を起動した場合、ドレン側の遠隔制御弁322dを閉制御すると共に、遠隔制御弁322a〜322cを開制御し、更にポンプユニット312を起動して帯電噴霧ヘッド100に冷房用水を加圧供給する。帯電噴霧ヘッド100の上部には電圧印加部315を設置し、帯電噴霧ヘッド100に所定の電圧を印加して、帯電噴霧ヘッド100から噴射する噴霧水を帯電させて噴霧する。
[噴霧防塵設備]
図16は噴霧防塵設備としての用途を示した説明図である。図16において、噴霧防塵区画424は塵埃が発生する作業施設等であり、その上方位置、例えば作業に妨げとならない高さの位置に帯電噴霧ヘッド100を設置している。
帯電噴霧ヘッド100に対しては、水源水槽411の水を加圧供給するポンプユニット412の吐出側から手動弁(仕切弁)414及び遠隔開閉弁422cを介して配管416を接続し、配管416は遠隔開閉弁422aを介して、噴霧防塵区画424に設置した帯電噴霧ヘッド100に接続している。
噴霧防塵区画424には環境センサ418を設置し、塵埃濃度などを計測してシステム制御盤420に送信する。
システム制御盤420は、噴霧防塵設備を起動した場合、ドレン側の遠隔制御弁422dを閉制御すると共に、遠隔制御弁422a,422cを開制御し、更にポンプユニット412を起動して水源水槽411からの水を帯電噴霧ヘッド100に加圧供給して噴霧防護区画424に帯電噴霧する。
帯電噴霧ヘッド100から噴霧防塵区画424に帯電した水粒子を帯電噴霧すると、帯電噴霧している水粒子のクーロン力により、同じく帯電状態にある塵埃粒子を捕集して床面に速やかに降下させ、これによって大幅な防塵作用が発揮される。
[農薬噴霧兼植物育成設備]
図17は農薬噴霧兼植物育成設備としての用途を示した説明図である。図17において、農薬噴霧兼植物育成区画524は植物を育成する温室等の施設等であり、農薬噴霧兼植物育成区画524の上方位置、例えば作業に妨げとならない高さの位置に帯電噴霧ヘッド100を設置している。
ポンプユニット512の吸込み側は遠隔開閉弁522e,522fを介して農薬タンク526と水源水槽511に接続し、農薬タンク526からの農薬または水源水槽511からの水をポンプユニット512から加圧供給する。ポンプユニット512の吐出側は手動弁(仕切弁)514及び遠隔開閉弁522cを介して配管516に接続し、配管516は遠隔開閉弁522aを介して、農薬噴霧兼植物育成区画524に設置した帯電噴霧ヘッド100に接続している。農薬噴霧兼植物育成区画524には環境センサ518が設置され、温度、湿度などを計測してシステム制御盤520に送信する。
農薬噴霧を行う場合、システム制御盤520は、ドレン側の遠隔制御弁522dを閉制御すると共に、遠隔制御弁522eは閉状態としたまま、遠隔制御弁522a,522c,522fを開制御し、更にポンプユニット512を起動して農薬タンク526からの農薬液剤を帯電噴霧ヘッド100に加圧供給して、農薬噴霧兼植物育成区画524に帯電噴霧する。
帯電噴霧ヘッド10から農薬噴霧兼植物育成区画24dに農薬液剤粒子を噴霧すると、農薬液剤粒子は帯電しているため、帯電によるクーロン力により育成中の植物に効率良く付着する。また回り込み効果により植物の葉の裏面といったあらゆる面への付着が起こり、従来のように非帯電の水粒子を噴霧した場合に比べ、燃焼剤に対する付着効果が大幅に増大し、高い付着効率が得られる。
また農薬噴霧を行っていない場合は植物育成制御を行っており、システム制御盤520はドレン側の遠隔制御弁522dを閉制御すると共に、遠隔制御弁522a,522c,522eを開制御し、更にポンプユニット512を起動して水源水槽511からの水を帯電噴霧ヘッド100に加圧供給して、農薬噴霧兼植物育成区画524に帯電噴霧する。
帯電噴霧ヘッド10から農薬噴霧兼植物育成区画524に水粒子を噴霧すると、水粒子はマイナスに帯電しているため、いわゆる自然の滝で発生していると言われているレナード効果と同様の状態を作り出すことができ、植物の育成に好影響を及ぼすことができる。
[薬液噴霧設備]
図18は薬液剤噴霧設備としての用途を示した説明図であり、水に所望の薬液を混合して噴霧するようにしたことを特徴とする。
図18において、液剤噴霧区画624は適宜の区画、例えば空調区画などであり、噴霧防塵区画624の上方位置、例えば人の移動の妨げとならない高さの位置に帯電噴霧ヘッド100を設置している。
帯電噴霧ヘッド100に対しては、水源水槽611からの水を加圧供給するポンプユニット612を設置し、ポンプユニット612の吐出側に手動弁(仕切弁6)14及び遠隔開閉弁622cを介して配管616を接続し、配管616には遠隔開閉弁622aを介して、液剤噴霧区画624に設置した帯電噴霧ヘッド100を接続している。
手動弁614と遠隔開閉弁622cの間の配管616には混合器630を設け、混合器630には薬液タンク628を接続している。薬液タンク628には適宜の薬液を貯留しており、配管616からの加圧水の導入により隔膜で仕切られたタンク内に貯留している薬液を混合器630に押出し、所定の混合割合となるようにポンプユニット612から加圧供給された水に混合して帯電噴霧ヘッド100に供給する。
混合器630により混合する薬剤タンク628の薬液としては例えば消臭剤とし、消臭剤を混合した液剤を帯電噴霧ヘッド100に供給して液剤噴霧区画624に帯電噴霧することで、空気中に浮遊している匂いの原因となる粒子に吸着して消臭する防臭設備を構築する。液剤噴霧区画624には環境センサ618わ設置し、例えばアンモニア濃度などを計測してシステム制御盤620に送信する。
システム制御盤620は、液剤噴霧設備を起動した場合、ドレン側の遠隔制御弁622dを閉制御すると共に、遠隔制御弁622a,622cを開制御し、更にポンプユニット612を起動して水源水槽611からの水に混合器630で薬剤タンク628から供給した消臭剤などの薬剤を所定割合で混合し、帯電噴霧ヘッド100に加圧供給して液剤噴霧区画624に帯電噴霧する。
帯電噴霧ヘッド100から液剤噴霧区画624に帯電した消臭剤入りの水粒子を噴霧すると、帯電している水粒子のクーロン力により、同じく帯電状態にあるアンモニアなどの粒子を捕集して床面に速やかに降下させ、これによって大幅な消臭作用が発揮される。また消臭剤と芳香剤を水に混合して帯電噴霧することで、消臭すると共に快適な匂いを生成して清浄感を高めることができる。
[ノズル装置を備えた噴霧冷房設備]
図19は、図15の噴霧冷房区画にポータブル型のノズル装置をホース接続して使用する用途を示した説明図である。
図19において、噴霧冷房区画324の高所には帯電噴霧ヘッド100を設置し、帯電噴霧ヘッド100に対しては、ポンプユニットからの配管316が遠隔開閉弁322aを介して接続している。帯電噴霧ヘッド100の上部には電圧印加部315を設置し、帯電噴霧ヘッド100に所定の電圧を印加して、帯電噴霧ヘッド100から噴射する噴霧水を帯電させて噴霧できるようにしている。
配管316は噴霧冷房区画324の壁面下部まで立ち下げ、そこに仕切弁375を介してホース接続口376を設けている。ホース接続口376にはホース378を介してノズル装置700を接続している。ノズル装置700には帯電噴霧ヘッドと電圧印加装置を組み込んでおり、ノズル装置700から噴射する冷房用の噴霧水を帯電して噴霧できるようにしている。
図20は図19のノズル装置の実施形態を示した断面図である。図20において、ノズル装置700は、本体702の内部に配置した導電性の金属からなる筒本体714の先端側に帯電噴霧ヘッド100を設け、根元側にホース接続口706を設け、ホース接続口706には図19に示したように、仕切弁375を介してホース376を接続して冷房用水の加圧供給を受け、帯電噴霧ヘッド100から帯電噴霧する。本体702の先端に設けた帯電噴霧ヘッド100は、図9に示したと同様な構造であることから、同じ番号を付してその説明は省略する。
本体702に対しては握り部708を備えたフレーム710を一体に設け、フレーム710の握り部718側には噴射粒子を帯電して放射するための電圧印加スイッチ724を設けている。
フレーム710の握り部708の内部には、電池718と電圧印加装置720を組み込んでいる。電池718は電圧印加装置720に直流電源を供給する。電圧印加装置720は、誘導電極配線722により帯電噴霧ヘッド100に設けた誘導電極部148に接続し、また水側電極配線724により水側電極部146に接続し、更に、握り部708の指を掛ける位置に設けた電圧印加スイッチ712に配線接続している。
電圧印加装置720は、電圧印加スイッチ712をオン操作すると、水側電極部146をアース側とし、誘導電極部148に対し例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧を印加し、帯電された噴射粒子を外部に噴霧する。
[背負型の動力噴霧機]
図21は、背負型の動力噴霧機としての用途を示した説明図であり、図21(A)に背面を、図21(B)に側面を示している。
図21において、動力噴霧機730は背負いバンド736を装着した背当て部734の下部に架台732を配置し、背当て部734の上部にポリエチレン等で作られた蓋740を備えたタンク738を配置し、ここに噴霧する例えば冷房用水などの液剤を収納している。
架台732には駆動源となるエンジン742と、エンジン742により駆動されてタンク738の液剤を加圧供給するポンプ744を搭載し、ポンプ744のホース接続口748にホース750を介してノズル装置752に接続している。
ノズル装置752は本体754の付け根側にコック弁755を介してポンプ744からのホース750を接続し、また本体754の先端に帯電噴霧ヘッド100を装着している。本体754の付け根側には握り部756を形成し、そこに電圧印加スイッチ758を設けている。ノズル装置752の詳細は図20のノズル装置700と同様な構造であり、本体754が前方に延在し、その先端に帯電噴霧ヘッド100を装着している点で相違している。
このような動力噴霧機730は、作業者が動力噴霧機730を装着して作業場所に出向き、エンジン742を始動してポンプ744からタンク738の液剤を加圧してノズル装置752に供給し、噴霧する場合にはノズル装置752に設けたコック弁755を開くことで、帯電噴霧ヘッド100に加圧液剤を供給して噴霧し、この場合に電圧印加スイッチ758をオン操作すると、帯電噴霧ヘッド100に例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧が印加され、帯電された噴射粒子を外部に噴霧する。
[動力噴霧台車]
図22は、動力噴霧台車としての用途を示した説明図である。図22において、動力噴霧台車760は、車輪764により移動自在な台車762に、ポリエチレン等で作られた蓋770を備えたタンク768を搭載して例えば冷房用水などの液剤を収納している。
また台車762には駆動源となるエンジン772と、エンジン772により駆動されてタンク768の液剤を加圧供給するポンプ774を搭載し、ポンプ774のホース接続口778にホース780を介してノズル装置782を接続している。台車762は手押しハンドル765を持って作業者が手動で移動する。
ノズル装置782は本体784の付け根側にコック弁785を介してポンプ774からのホース780を接続し、本体784の先端に帯電噴霧ヘッド100を装着している。本体784の付け根側には握り部786を形成し、そこに電圧印加スイッチ788を設けている。ノズル装置782の詳細は図20のノズル装置700と同様な構造であり、本体784を前方に延在し、その先端に帯電噴霧ヘッド100を装着している点で相違している。
このような移動自在な動力噴霧台車760によれば、作業者が台車762を押して作業場所に出向き、エンジン772を始動してポンプ774からタンク768の液剤を加圧してノズル装置782に供給し、噴霧する場合にはノズル装置782に設けたコック弁785を開くことで、帯電噴霧ヘッド100に加圧液剤を供給して噴霧し、この場合に電圧印加スイッチ788をオン操作すると、帯電噴霧ヘッド100に例えば数KVから十数KV程度の直流、交流又はパルス状となる印加電圧が印加され、帯電された噴射粒子を外部に噴霧する。
[本発明の変形例]
帯電散布ヘッドへの印加電圧パターンを、消火剤側電極部に対し誘導電極部側をプラスマイナス交互の印加電圧とするか、プラスのみの印加電圧とするか、あるいはマイナスのみの印加電圧とするかは、散布対象とする燃焼部材側の状況等に応じて適宜に定めることができる。もちろん、印加や転極の周期等も適宜定めることができる。
また、本実施形態の帯電噴霧ヘッドに使用している水側電極部としては、導電性を有する金属以外に、導電性を有する樹脂、繊維束、ゴム等であってもよく、更にこれらを組合せた複合体であってもよい。
また、本発明の帯電散布ヘッドおよび帯電散布方法は、消火や延焼防止のみ、或いは消煙のみを目的とした各種の利用も可能である。
また、本発明は、火災防災以外の用途で説明してように、消火に限定されず、適宜の散布区画に水系の散布剤を帯電散布する帯電散布装置(設備)、帯電散布ヘッド及び帯電散布装置の散布方法を含む。この場合には上記の実施形態における消火剤、消火剤側電極部を、散布剤、散布剤側電極部と読み替えれば良い。
また、本発明の帯電散布ヘッドにより帯電散布される消火剤は水或いは各種の水系消火剤等の散布剤が適用できる。
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:帯電散布ヘッド
12:ポンプユニット
13:手動弁
14:水源
15:電圧印加部
16:配管
18:専用火災検出器
20:連動制御中継装置
22:手動操作箱
24:システム監視制御盤
26:火災感知器
28:受信機
30:調圧弁
32:自動開閉弁
34,134,234:立下り配管
36,38,136,138,236,238:ボディ
40,140,240:ノズル部
41,141,241:ノズル穴
42,142,242:デフレクター
43,143,243:流入口
46,146,246:消火剤側電極部
48,148,248:誘導電極部
50,150,250:フレーム
52,152,252:電圧印加ケーブル
54,154,254:アースケーブル
56,156,256:薄膜流
58,158,258:粒子群流
140−1:第1ノズル部
140−2:第2ノズル部
142−1:第1デクレクター
142−2:第2デフレクター
148−1:第1誘導電極部
148−2:第2誘導電極部
P:分裂分離部

Claims (36)

  1. 水系の消火剤を、配管を介して供給する消火剤供給設備と、
    防護区画に設置し、前記消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
    前記帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えた火災防災装置に於いて、
    前記帯電散布ヘッドは、
    前記消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤を任意の方向に半円形乃至扇形状に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
    前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置した誘導電極部と、
    を備えたことを特徴とする火災防災装置。
  2. 請求項1記載の火災防災装置に於いて、
    前記偏向散布部材は、ノズルから放出した消火剤を斜め下向き方向に半円形乃至扇形状に広がる薄膜流に偏向するデフレクターであり、
    前記誘導電極部を、前記デフレクタ−により形成した前記薄膜流の分裂分離部近傍の上側に半円形乃至扇形状に配置したことを特徴とする火災防災装置。
  3. 請求項1記載の火災防災装置に於いて、
    前記偏向散布部材は、ノズルから放出した消火剤を斜め下向き方向に半円形乃至扇形状に広がる薄膜流に偏向するデフレクターであり、
    前記誘導電極部を、前記デフレクタ−により形成した前記薄膜流の分裂分離部近傍の下側に半円形乃至扇形状に配置したことを特徴とする火災防災装置。
  4. 請求項1記載の火災防災装置に於いて、前記誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする火災防災装置。
  5. 請求項4記載の火災防災装置において、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記誘導電極部か形成されていることを特徴とする火災防災装置。
  6. 防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電して散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    前記消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤を任意の方向に半円形乃至扇形状に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
    前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
    を備えたことを特徴とする帯電散布ヘッド。
  7. 請求項6記載の帯電散布ヘッドに於いて、
    前記偏向散布部材は、ノズルから放出した消火剤を斜め下向き方向に半円形乃至扇形状に広がる薄膜流に偏向するデフレクターであり、
    前記誘導電極部を、前記デフレクタ−により形成した前記薄膜流の分裂分離部近傍の上側に半円形乃至扇形状に配置したことを特徴とする帯電散布ヘッド。
  8. 請求項6記載の帯電散布ヘッドに於いて、
    前記偏向散布部材は、ノズルから放出した消火剤を斜め下向き方向に半円形乃至扇形状に広がる薄膜流に偏向するデフレクターであり、
    前記誘導電極部を、前記デフレクタ−により形成した前記薄膜流の分裂分離部近傍の下側に半円形乃至扇形状に配置したことを特徴とする帯電散布ヘッド。
  9. 請求項6記載の帯電散布ヘッドに於いて、前記誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  10. 請求項9記載の帯電散布ヘッドにおいて、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記誘導電極部が形成されていることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  11. 水系の消火剤を、配管を介して供給する消火剤供給設備と、
    防護区画に設置し、前記消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
    前記帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えた火災防災装置に於いて、
    前記帯電散布ヘッドは、
    前記消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
    前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置した誘導電極部と、
    を備えたことを特徴とする火災防災装置。
  12. 請求項11記載の火災防災装置に於いて、前記偏向散布部材は、ノズルから放出した消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有するデフレクターであることを特徴とする火災防災装置。
  13. 請求項11記載の火災防災装置に於いて、前記誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする火災防災装置。
  14. 請求項13記載の火災防災装置において、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記誘導電極部が形成されていることを特徴とする火災防災装置。
  15. 防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電して散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    前記消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤を任意の方向に偏向して薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する偏向散布部材と、
    前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置した誘導電極部と、
    を備えたことを特徴とする帯電散布ヘッド。
  16. 請求項15記載の帯電散布ヘッドに於いて、前記偏向散布部材は、ノズルから放出した消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有するデフレクターであることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  17. 請求項15記載の帯電散布ヘッドに於いて、前記誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  18. 請求項17記載の帯電散布ヘッドにおいて、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記誘導電極部が形成されていることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  19. 水系の消火剤を、配管を介して供給する消火剤供給設備と、
    防護区画に設置し、前記消火剤供給設備により加圧供給した消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
    前記帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えた火災防災装置に於いて、
    前記帯電散布ヘッドは、
    前記消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤の一部を、任意の方向に偏向して第1薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第1偏向散布部材と、
    前記第1薄膜流の分裂分離部近傍に配置した第1誘導電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤の残りを、前記第1薄膜流の外側に位置して同方向に偏向する第2薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第2偏向散布部材と、
    前記第2薄膜流の分裂分離部近傍に配置した第2誘導電極部と、
    を備え、2重円錐状に粒子群流を散布することを特徴とする火災防災装置。
  20. 請求項19記載の火災防災装置に於いて、
    前記ノズルは中心ノズル穴とその後方周囲にリング状ノズル穴を同軸に形成し、
    前記第1偏向散布部材は、前記ノズルの中心ノズル穴から放出した消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有する第1デフレクターであり、
    前記第2偏向散布部材は、前記ノズルのリング状ノズル穴から放出した消火剤を円錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状を有する第2デフレクターである、
    ことを特徴とする火災防災装置。
  21. 請求項19記載の火災防災装置に於いて、前記第1誘導電極部及び第2誘導電極部の各電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする火災防災装置。
  22. 請求項21記載の火災防災装置において、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記第1誘導電極部及び第2誘導電極部が形成されていることを特徴とする火災防災装置。
  23. 防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給された消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電して散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    前記消火剤を外部空間に噴射するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置して消火剤に接触する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤の一部を、任意の方向に偏向して第1薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第1偏向散布部材と、
    前記第1薄膜流の分裂分離部近傍に配置した第1誘導電極部と、
    前記ノズルから出た消火剤の残りを、前記第1薄膜流の外側に位置して同方向に偏向する第2薄膜流を形成した後に粒子群流に分裂分離して散布する第2偏向散布部材と、
    前記第2薄膜流の分裂分離部近傍に配置された第2誘導電極部と、
    を備え、2重円錐状に粒子群流を散布することを特徴とする帯電散布ヘッド。
  24. 請求項23記載の帯電散布ヘッドに於いて、
    前記ノズルは中心ノズル穴とその後方周囲にリング状ノズル穴を同軸に形成し、
    前記第1偏向散布部材は、前記ノズルの中心ノズル穴から放出した消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有する第1デフレクターであり、
    前記第2偏向散布部材は、前記ノズルのリング状ノズル穴から放出した消火剤を円錐面状又は角錐面状の薄膜流に偏向する円錐形状又は角錐形状を有する第2デフレクターである、
    ことを特徴とする帯電散布ヘッド。
  25. 請求項23記載の帯電散布ヘッドに於いて、前記第1誘導電極部及び第2誘導電極部の各電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  26. 請求項25記載の帯電散布ヘッドにおいて、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記第1誘導電極部及び第2誘導電極部が形成されていることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  27. 水系の消火剤を、配管を介して供給する消火剤供給設備と、
    防護区画に設置し、前記消火剤供給設備により供給した消火剤の噴射粒子に帯電して散布する帯電散布ヘッドと、
    前記帯電散布ヘッドに帯電電圧を印加する電圧印加部と、
    を備えた火災防災装置に於いて、
    前記帯電散布ヘッドは、
    前記消火剤を対象空間に放出するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置して消火剤に対し電気的に導通する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから放出した消火剤を、螺旋状に偏向して薄膜流を形成した後に分裂分離して粒子群流に変換し散布する偏向散布部材と、
    前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置した誘導電極部と、
    を備えたことを特徴とする火災防災装置。
  28. 請求項27記載の火災防災装置に於いて、前記偏向散布部材は、先端を頂点側として円錐螺旋状に変化する偏向面を形成したデフレクターであり、前記ノズルから放出した消火剤を先端に向かうにつれて偏向角が狭まる螺旋状の薄膜流に拡散偏向することを特徴とする火災防災装置。
  29. 請求項27記載の火災防災装置に於いて、前記誘導電極部を螺旋状としたことを特徴とする火災防災装置。
  30. 請求項27記載の火災防災装置に於いて、前記誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする火災防災装置。
  31. 請求項30記載の火災防災装置において、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記誘導電極部が形成されていることを特徴とする火災防災装置。
  32. 防護区画に設置し、消火剤供給設備により供給された消火剤の噴射粒子に、電圧印加部からの帯電電圧の印加により帯電して散布する帯電散布ヘッドに於いて、
    前記消火剤を対象空間に放出するノズルと、
    前記ノズルの内部に配置されて消火剤に対し電気的に導通する消火剤側電極部と、
    前記ノズルから放出した消火剤を、螺旋状に偏向して薄膜流を形成した後に分裂分離して粒子群流に変換し散布する偏向散布部材と、
    前記薄膜流の分裂分離部近傍に配置された誘導電極部と、
    を備えたことを特徴とする帯電散布ヘッド。
  33. 請求項32記載の帯電散布ヘッドに於いて、前記偏向散布部材は、先端を頂点側として円錐螺旋状に変化する偏向面を形成したデフレクターであり、前記ノズルから放出した消火剤を先端に向かうにつれて偏向角が狭まる螺旋状の薄膜流に拡散偏向することを特徴とする帯電散布ヘッド。
  34. 請求項32記載の帯電散布ヘッドに於いて、前記誘導電極部を螺旋状としたことを特徴とする帯電散布ヘッド。
  35. 請求項32記載の帯電散布ヘッドに於いて、前記誘導電極部の電極を絶縁被覆して形成していることを特徴とする帯電散布ヘッド。
  36. 請求項35記載の帯電散布ヘッドにおいて、
    ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ウレタン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、セラミックス、琺瑯の少なくとも1種の絶縁材で前記電極を絶縁被覆して前記誘導電極部が形成されていることを特徴とする帯電散布ヘッド。
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