JP6079682B2 - 加工工具 - Google Patents

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Description

本発明は、マシニングセンタ等の加工機の主軸に着脱可能に取り付けられ、主軸の回転によって先端に設けられた刃具を回転させてワークの溝削り等の加工を行う加工工具に関し、特に、加工動作時の振動を防止する技術に関する。
従来、マシニングセンタ等の加工機の主軸に着脱可能に取り付けられ、主軸により刃具を回転させてワークの溝削り等の加工を行う加工工具がある。このような加工工具は、切削によってびびり振動を生じる場合があり、その場合、加工精度が低下することがある。このような振動を低減させる様々な工夫がなされており、その一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示の旋削工具は、マシニングセンタの主軸に着脱可能に取り付けられる円柱状のホルダ本体を有し、その先端に切刃が形成されたヘッドが固定されている。ホルダ本体には、先端に開口する中空部が形成されており、この中空部に動吸振器が収容されている。この動吸振器は、ホルダ本体の中空部に収容された粘性流体と円柱状のウェイトを有している。ウェイトには、ホルダ本体の先端側に開口する穴が形成されており、この穴に棒状の支持体が挿入されている。この支持体は、ウェイトよりもヘッド側に突出していている。ホルダ本体の支持体突出部分に対応する箇所には、一対のボルト挿通孔が周方向に180度間隔で貫通形成されており、この一対のボルト挿通孔がホルダ本体の軸方向に等間隔で複数組形成されている。
そして、各組のボルト挿通孔に挿通されたボルトによって支持体のヘッド側端部が拘束され、ウェイトが振り子状に振動することにより、旋削工具の振動が抑制される。このウェイトの振り子状の振動の固有振動数は、支持体を拘束するボルトの本数を増減させて支持体の支持長さを変更することにより、調整される。
特開平6−23605号公報
ところで、仕様の異なる加工機に、比較的長い加工工具を装着して加工作業を行う場合、基端側の加工機によって加工工具の固有振動数の周波数が異なる。そのため、加工工具に設けられた動吸振器の固有振動数を加工機に合わせて微調整する必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示の動吸振器では、ボルトによって支持体が拘束される箇所が離散的であり、また、ホルダ本体に取り付けることができるボルトの本数にも限度がある。そのため、動吸振器の固有振動数を微調整することは困難である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、取り付け先の加工機の仕様に応じて動吸振器の固有振動数の微調整が可能な加工工具を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、加工工具の中空部に収容された振動体の一端を支持し、この支持体よりも弾性率の高い支持体における振動体を支持する部分の長さを微調整できるようにしたものである。
具体的には、本発明は、加工機の主軸に取り付けられて該主軸の回転によって先端の刃先部が回転すると共に、切削による外力を起因として起こるびびり振動を抑制する動吸振器が内蔵された加工工具を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、上記主軸に着脱自在に取り付けられ、先端に上記刃先部が設けられた長尺状の工具本体を備え、該工具本体には、該工具本体の長手方向に延びる中空部と、該工具本体の先端に開口し、かつ該工具本体の基端側に延びて上記中空部と連通する連通孔と、が形成され、上記動吸振器は、上記中空部に収容された該中空部よりも細い棒状の振動体と、上記中空部に収容され、上記振動体を取り囲む筒状の振動減衰体と、上記連通孔に螺合すると共に、一部が上記中空部に突出して上記振動体の一端を支持する上記振動体よりも弾性率の高い柱状の支持体と、上記連通孔の開口から挿入され、上記支持体に係合して上記支持体の軸周りの回転を規制する規制部材と、を有することを特徴とする。
第1の発明によれば、動吸振器のバネマスモデルにおいて、振動体が質点に相当し、この振動体よりも弾性率の高い支持体のうち中空部に突出している部分がバネに相当し、振動減衰体がダンパに相当する。そして、この動吸振器の固有振動数を調整する際には、連通孔から規制部材を外した状態で連通孔の開口から棒状の調整具を差し込み、支持体に係合させる。次いで、調整具によって支持体をその中心線周りに回転させて、支持体の中空部に突出する部分の長さを調整する。これにより、動吸振器のバネ部分の長さが調整されるため、その固有振動数を調整することができる。
また、第1の発明によれば、支持体が連通孔に螺合しているため、支持体の中空部への突出長さが支持体の回転に変換される。したがって、支持体の中空部への突出長さを微調整することができる。よって、加工機の仕様に合わせて動吸振器の固有振動数を容易に微調整することができる。その結果、加工工具の加工送り速度を増速させることが可能となり、加工時間を短縮させることができる。
さらに、第1の発明によれば、規制部材によって支持体の回転が規制されるため、該支持体の中空部への突出長さを保持し、動吸振器の固有振動数を保持することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記規制部材は、上記刃先部と一体に設けられていることを特徴とする。
第2の発明によれば、規制部材の工具本体へのセットと同時に刃先部をセットすることができる。また、規制部材と刃先部が一体となっているため、部品点数を抑制して構成を簡素化することができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記振動体は、超硬合金材で構成されており、上記支持体は、鋼材で構成されて、上記振動体が接合されていることを特徴とする。
第3の発明によれば、振動体が超硬合金材で構成されているため、質量及び剛性を有する振動体をコンパクトにすることができる。また、支持体が超硬合金材よりも弾性率の高い鋼材で構成されているため、支持体にバネ機能を付与することができる。さらに、鋼材は超硬合金材よりも硬度が低いため、支持体に連通孔に螺合させるためのネジ部を容易に形成することができる。
以上、本発明によれば、取り付け先の加工機の仕様に応じて動吸振器の固有振動数の微調整が可能な加工工具を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る加工工具を示す全体斜視図である。 実施形態1に係る加工工具の縦断面図である。 図2のIII部拡大図である。 実施形態1に係る加工工具のバネマスモデルを示す図である。 実施形態1に係る加工工具と動吸振器が内蔵されていない従来の加工工具との性能評価試験の結果の一例を示す図である。 実施形態1に係る加工工具と従来の加工工具の振動の周波数解析結果を示す図であって、(a)は従来の加工工具の試験結果の一例を示す図であり、(b)は実施形態1に係る加工工具の試験結果を示す図である。 本発明の実施形態1の変形例に係る加工工具の図2相当図である。 本発明の実施形態2に係る加工工具を示す全体斜視図である。 実施形態2に係る加工工具を示す縦断面図である。 本発明の実施形態3に係る加工工具を示す全体斜視図である。 実施形態3に係る加工工具を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本実施形態に係る加工工具1を示す全体斜視図である。該加工工具1は、図示しないマシニングセンタ(加工機)の主軸に取り付けられて、該主軸の回転によって先端部に設けられたサイドカッター5を回転することにより、例えば自動車のミッションケース等を切削加工するものである。
上記加工工具1は、上記マシニングセンタの主軸に取り付けられる長尺状の工具ホルダ7(工具本体)を有し、該工具ホルダ7の先端部には、複数(本実施形態では4つ)の切刃9(刃先部)を備えた上記サイドカッター5が取り付けられている。なお、以下では、上記加工工具1の先端側及び基端側をそれぞれ「先端側」及び「基端側」とする。
図2は、加工工具1の縦断面図である。上記工具ホルダ7は、金属製であって、略円柱状をなし、基端部には、上記マシニングセンタの主軸に取り付けられる取付部11が設けられている。上記工具ホルダ7の中間部7bは、先端側に向かって縮径し、先端部7aは、基端部7cよりも小径となっている。該工具ホルダ7には、上記サイドカッター5を取り付けるための取付穴13が形成されている。該取付穴13は、上記工具ホルダ7の先端に開口し、この先端から該工具ホルダ7の中間部まで延びている。上記取付穴13の閉塞端近傍には、比較的小径のエア抜き孔15が上記工具ホルダ7の径方向に貫通形成され、栓17によって閉塞されている。
上記取付穴13は、円形をなし、基端側に向かって徐々に縮径しており、該先端近傍の大径部13aと、該大径部13aの基端側に形成され、内周面に雌ネジが形成された中径部13bと、該中径部13bの基端側に形成された小径部13cと、によって構成され、該小径部13cが上記エア抜き孔15と連通している。
上記サイドカッター5は、図1に示すように、略正八角形状のサイドカッター本体19と、このサイドカッター本体19の中央部から基端側に延びる略円筒状のボス21と、を有している。
上記サイドカッター本体19の外周端には、上記切刃9が固定される切刃取付部19aが周方向に90度間隔で4つ形成されている。該各切刃取付部19aは、上記サイドカッター本体19の一辺から外側に突出するように該サイドカッター本体19と一体に形成されており、上記加工工具1を先端側から見て時計回り側の端部に上記切刃9が固定されている。このように、上記サイドカッター本体19、ボス21及び工具ホルダ7は、先端に上記切刃9が設けられた長尺状の工具本体を構成している。
上記ボス21は、略円筒状をなしている。該ボス21は、上記工具ホルダ7の取付穴13に螺合して該工具ホルダ7に固定されるカッター固定部21aと、該カッター固定部21aから先端側に延びて上記サイドカッター本体19に繋がり、該サイドカッター本体19を支持する本体支持部21bと、を有している。
上記カッター固定部21aは、外周面に雄ネジが形成されており、上記工具ホルダ7の取付穴13の大径部13aを挿通して、該取付穴13の中径部13bに螺合している。一方、上記本体支持部21bと上記工具ホルダ7との間には、スペーサ22が配設されており、該本体支持部21bは、基端側端部が上記カッター固定部21aよりも大径であって上記スペーサ22の先端側の面に当接し、この基端側端部から先端側に向かって縮径している。
図3は、図2のIII部拡大図である。上記サイドカッター5には、上記カッター固定部21a及び上記本体支持部21bの基端側半部分を貫通する貫通孔23と、上記サイドカッター本体19の先端側の面に開口し、かつ該サイドカッター本体19及び本体支持部21bの先端側半部分を貫通して上記貫通孔23に連通する連通孔25と、が形成されている。該貫通孔23は、その基端側にある上記工具ホルダ7の取付穴13の小径部13cと略同一径であり、該取付穴13の中径部13b及び小径部13cと連通している。したがって、これら貫通孔23及び取付穴13は、上記工具本体の長手方向に延びる中空部を構成している。一方、上記連通孔25は、上記貫通孔23よりも小径、即ち上記取付穴13の小径部13cよりも小径であって、その内周面には、雌ネジが形成されている。
上記加工工具1には、切削加工時のびびり振動を抑制する動吸振器27が内蔵されている。
上記動吸振器27は、上記サイドカッター5の貫通孔23及び上記工具ホルダ7の取付穴13に収容された長尺且つ円柱状の振動体29を有し、この振動体29の基端側端部は、例えばシリコンゴムからなる円筒状の減衰ゴム31(振動減衰体)によって取り囲まれている一方、先端側端は、上記連通孔25に螺合する円柱状の支持体33に固定支持されている。
上記振動体29は、超硬合金材からなり、その基端側端部を除く部分は、上記サイドカッター5の連通孔25と略同一径、即ち、上記工具ホルダ7の取付穴13の小径部13cよりも小径である。したがって、上記振動体29の当該部分は、その径方向に振動可能となっている。
また、上記振動体29の基端側端部は、残部よりも小径となっている。この基端側端部は、上記減衰ゴム31の内径と略同一であり、また、この減衰ゴム31の外径は、上記工具ホルダ7の取付穴13の小径部13cと略同一径である。したがって、上記振動体29の基端側端部と上記小径部13cの内周面との間の隙間が上記減衰ゴム31によって埋められている。よって、上記振動体29の基端側端部は、その径方向に殆ど振動しない。
以上により、上記振動体29は、その両端部が固定されると共に、その中間部が径方向に振動可能となっている。
上記支持体33は、超硬合金材よりも弾性率の高い鋼材からなり、その径は、上記振動体29の基端側端部を除く部分の径と略同一である。つまり、該支持体33は、上記サイドカッター5の連通孔25と略同一径である。
上記支持体33の基端側端面には、凹部33aが形成されており、この凹部33aに上記振動体29の先端側端がろう付けにて接合されている。一方、上記支持体33の先端側端面には、ネジ穴33bが形成されており、該ネジ穴33bには、上記連通孔25の開口(先端側の開口)から挿入されるネジ35(規制部材)が螺合される。該ネジ35は、その軸部35bが上記ネジ穴33bに螺合すると共に、その頭部35aが上記連通孔25の開口端に当接している。
さらに、上記支持体33の外周面には雄ネジが形成されており、該支持体33は上記連通孔25に螺合している。したがって、該支持体33を軸周りに回転させることにより、該支持体33は、上記加工工具1の長手方向に進退移動し、該支持体33の上記貫通孔23への突出長さを調整することができる。
上記支持体33に形成された雄ネジのピッチは、該支持体33のネジ穴33bに形成された雌ネジのピッチよりも大きく設定されている。したがって、上記ネジ35を上記連通孔25の開口から挿入して、軸部35bを上記支持体33のネジ穴33bに螺合させる際に、該ネジ35の回転によって上記支持体33が共回りするのを防止することができる。そして、上記ネジ35が上記支持体33のネジ穴33bに螺合することにより、該支持体33が軸周りに回転するのを規制することができる。よって、上記ネジ35は、上記支持体33の軸周りの回転を規制する規制部材を構成している。
ここで、上記加工工具1のバネマスモデルは、図4に示すようになる。すなわち、上記工具ホルダ7及びサイドカッター5が全体として質点(m1とする)に相当すると共に、この質点を上記加工機の主軸に対して支持するバネ(k1とする)及びダンパ(c1とする)に相当する。そして、切削加工時には、上記工具ホルダ7及びサイドカッター5の全体が上記加工機の主軸に対して、k1/m1の共振周波数で上記加工工具1の径方向に共振する。この共振周波数は、上記加工工具1が取り付けられる上記加工機の仕様によっても変化する。
この共振を抑制する上記動吸振器27の支持体33における上記貫通孔23に突出する部分は、質量m2の上記振動体29を上記サイドカッター5に対して支持するバネに相当し、そのバネ定数をk2とすると、上記共振を抑制するためには、基本的には、k2/m2の値をk1/m1と略同じになるようにすればよい。このようなk2/m2の値が得られるように、上記振動体29及び支持体33のそれぞれの長さ及び径を設定する。切削加工時には、上記振動体29が上記工具ホルダ7及びサイドカッター5の振動とは逆位相で振動することにより、これら工具ホルダ7及びサイドカッター5の振動を抑制する。
そして、上記共振周波数は上記の如く上記加工機の仕様によって変化するため、この仕様の変化に応じて上記動吸振器27の固有振動数を設定する必要がある。この設定は、上記加工工具1から上記ネジ35を取り外した状態で、上記連通孔25に調整具を差し込み、上記支持体33をその軸周りに回転させ、該支持体33を基端側に進出させ又は先端側に後退させることにより、該支持体33の上記貫通孔23への突出長さを調整して設定する。このとき、上記支持体33の上記貫通孔23への突出長さは、該支持体33の回転に変換されるため、該支持体33の突出長さの微調整が可能となる。
−加工工具の防振性能評価試験−
本発明者らは、加工工具1の防振性能評価試験を行った。この試験は、加工機の主軸に取り付けられた加工工具1の切刃9の1つに加速度センサをセットし、サイドカッター5のボス21に外部から衝撃を加えて、加速度センサの検出信号を処理することによって行った。
図5は、本実施形態に係る加工工具1と動吸振器27が内蔵されていない従来の加工工具との性能評価試験の結果の一例を示す図であって、縦軸は加速度(m・s−2/N)を示し、横軸は周波数(Hz)を示しており、そして、実線は本実施形態に係る加工工具1の試験結果を示し、破線は従来の加工工具の試験結果を示す。
図5から分かるように、従来の加工工具では、約450Hzの共振周波数において最も大きなピークを示している。これに対し、本実施形態に係る加工工具1では、約450Hzの共振が約1/4に抑制され、また、約440Hzにおけるピークはサイドカッター5単体の共振を示しており、この共振ピークは、従来の加工工具の最大ピークの50%未満に抑制されている。
また、本発明者らは、加工工具を加工機の主軸にセットし、切削加工を行った状態での振動を測定した。図6は、本実施形態に係る加工工具1と従来の加工工具の振動の周波数解析結果の一例を示す図であって、(a)は従来の加工工具の試験結果を示し、(b)は実施形態に係る加工工具1の試験結果を示している。図6(a)及び(b)の縦軸は加速度(ms−2)を示し、横軸は周波数(Hz)を示している。なお、実施形態に係る加工工具1における加工送り速度では、従来の加工工具における加工送り速度の2倍に設定した。つまり、実施形態に係る加工工具1の試験条件は、従来の加工工具よりも過酷であった。
図6から分かるように、従来の加工工具では、周波数約500Hzの振動が約0.9m・s−2と最も大きかった。これに対し、実施形態に係る加工工具1では、周波数約400Hz〜600Hzの間の振動が発生し、その大きさは、最も大きなもので約0.002m・s−2であった。つまり、実施形態に係る加工工具では、上記の如く試験条件が従来の加工工具よりも過酷であったにも拘わらず、その振動を約0.2%に抑制した。したがって、実施形態に係る加工工具1は、動吸振器27を具備していない従来の加工工具よりも顕著な振動抑制効果を示した。
−発明の実施形態の効果−
上記実施形態によれば、動吸振器27のバネマスモデルにおいて、振動体29が質点に相当し、この振動体29よりも弾性率の高い材質で構成される支持体33の貫通孔23に突出する部分がバネに相当し、減衰ゴム31がダンパに相当する。そして、この動吸振器27の固有振動数を調整する際には、ネジ35を外した状態で連通孔25の開口から調整具を差し込み、支持体33に係合させる。次いで、調整具によって支持体33を軸周りに回転させて、支持体33の貫通孔23に突出する部分の長さを調整する。これにより、動吸振器27のバネ部分の長さが調整されるため、その固有振動数を微調整することができる。
さらに、上記実施形態によれば、支持体33が連通孔25に螺合しているため、支持体33の貫通孔23への突出長さが支持体33の回転に変換される。したがって、支持体33の貫通孔23への突出長さを微調整することができる。よって、加工機の仕様に合わせて動吸振器27の固有振動数を容易に微調整することができる。その結果、加工工具1の加工送り速度を増速させることが可能となり、加工時間を短縮することができる。
さらにまた、上記実施形態によれば、ネジ35によって支持体33の回転が規制されるため、該支持体33の貫通孔23への突出長さを保持し、動吸振器27の固有振動数を保持することができる。
また、上記実施形態によれば、振動体29が超硬合金材で構成されているため、質量及び剛性を有する振動体29をコンパクトにすることができる。また、支持体33が超硬合金材よりも弾性率の高い鋼材で構成されているため、支持体33にバネ機能を付与することができる。さらに、鋼材は超硬合金材よりも硬度が低いため、支持体33の外周面に雄ネジを容易に形成することができる。
(発明の実施形態1の変形例)
図7は、本発明の実施形態1の変形例に係る加工工具の一部を示す縦断面図である。該加工工具では、ネジ36の軸部36bが上記実施形態1に係るネジ35の軸部35bよりも長く設定され、上記支持体33が両軸部35b,36bの長さの差分だけ上記貫通孔23に突出している点で、上記実施形態1と異なる。したがって、本変形例に係る動吸振器27のバネ定数は、上記実施形態1に係る動吸振器27のバネ定数と異なる。その結果、本変形例に係る動吸振器27の固有振動数を、上記実施形態に係る動吸振器27の固有振動数とは異ならせることが可能となる。
《発明の実施形態2》
図8及び図9は、それぞれ本発明の実施形態2に係る加工工具2を示す全体斜視図及び縦断面図である。上記加工工具2は、上記サイドカッター5の代わりにボールエンドミル37が取り付けられている点で上記実施形態1に係る加工工具1と異なる。その他の構成は、該加工工具1と略同一であるため、ここでは、それらの説明を省略する。
上記ボールエンドミル37は、金型の切削加工等に用いられる工具である。該ボールエンドミル37は、上記サイドカッター5のボス21と略同一形状のボス39(工具本体)と、該本体部39に形成された連通孔25の開口から挿通されて上記支持体33のネジ穴33bと螺合する上記ネジ35と、を備えている。該ネジ35の頭部35aの先端側の面には、半球状の切刃取付部41が一体に設けられ、該切刃取付部41に切刃43(刃先部)が取り付けられている。
このように、ネジ35に切刃43が一体に設けられているので、ネジ35を工具ホルダ7にセットするのと同時に切刃43を工具ホルダ7にセットすることができる。また、ネジ35と切刃43とが一体となっているため、部品点数を抑制して構成を簡素化することができる。
《発明の実施形態3》
図10及び図11は、それぞれ本発明の実施形態3に係る加工工具3を示す全体斜視図及び縦断面図である。上記加工工具3は、上記サイドカッター5やボールエンドミル37の代わりにスローアウェイエンドミル45が取り付けられている点で上記実施形態1,2に係る加工工具1,2と異なる。その他の構成は、該加工工具1,2と略同一であるため、ここでは、それらの説明を省略する。
上記スローアウェイエンドミル45は、金型や自動車部品の切削加工等に用いられる工具である。該スローアウェイエンドミル45は、一対の切刃47,47(刃先部)が周方向に180度間隔で設けられた円筒状のスローアウェイエンドミル本体49と、該スローアウェイエンドミル本体49から基端側に延びる上記サイドカッター7のボス21と略同一形状のボス51と、を有している。そして、加工工具3が加工機の主軸周りに回転することにより、一対の切刃47,47が主軸周りに回転し、金型等を切削加工する。このとき、加工工具3が切削によって振動するが、内蔵されている動吸振器27によってその振動が抑制される。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、振動体29が超硬合金材で構成されているが、これに限定されず、支持体33よりも弾性率の低い材料で構成されていればよい。ただし、振動体29のコンパクト化の観点から、振動体29は超硬合金材で構成されているのが好ましい。
また、上記実施形態では、支持体33の回転を規制する部材としてネジ35,36を用いているが、これに限定されず、支持体33の回転を規制可能な部材であればよい。
さらに、上記実施形態では、工具本体が工具ホルダ7及びサイドカッター本体19等の複数の部材で構成されているが、これに限定されず、単一の部材で構成されていてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、工具ホルダ7の先端に取り付けられる工具としてサイドカッター7,ボールエンドミル37及びスローアウェイエンドミル45を例示しているが、これに限定されず、他の工具でもよい。
以上説明したように、本発明に係る加工工具は、取り付け先の加工機の仕様に応じて動吸振器の固有振動数の微調整を可能とする用途に適用することができる。
1,2,3 加工工具
9,43,47 切刃(刃先部)
7 工具ホルダ(工具本体)
13 取付穴(中空部)
19 サイドカッター本体(工具本体)
21,39,51 ボス(工具本体)
23 貫通孔(中空部)
25 連通孔
27 動吸振器
29 振動体
31 減衰ゴム(振動減衰体)
33 支持体
35,36 ネジ(規制部材)

Claims (3)

  1. 加工機の主軸に取り付けられて該主軸の回転によって先端の刃先部が回転すると共に、切削による外力を起因として起こるびびり振動を抑制する動吸振器が内蔵された加工工具であって、
    上記主軸に着脱自在に取り付けられ、先端に上記刃先部が設けられた長尺状の工具本体を備え、
    該工具本体には、該工具本体の長手方向に延びる中空部と、該工具本体の先端に開口し、かつ該工具本体の基端側に延びて上記中空部と連通する連通孔と、が形成され、
    上記動吸振器は、
    上記中空部に収容された該中空部よりも細い棒状の振動体と、
    上記中空部に収容され、上記振動体を取り囲む筒状の振動減衰体と、
    上記連通孔に螺合すると共に、一部が上記中空部に突出して上記振動体の一端を支持する上記振動体よりも弾性率の高い柱状の支持体と、
    上記連通孔の開口から挿入され、上記支持体に係合して上記支持体の軸周りの回転を規制する規制部材と、を有することを特徴とする加工工具。
  2. 請求項1に記載の加工工具において、
    上記規制部材は、上記刃先部と一体に設けられていることを特徴とする加工工具。
  3. 請求項1又は2に記載の加工工具において、
    上記振動体は、超硬合金材で構成されており、
    上記支持体は、鋼材で構成されて、上記振動体が接合されていることを特徴とする加工工具。
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