JP6078547B2 - アンモニアから水素を製造する方法 - Google Patents

アンモニアから水素を製造する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6078547B2
JP6078547B2 JP2014536323A JP2014536323A JP6078547B2 JP 6078547 B2 JP6078547 B2 JP 6078547B2 JP 2014536323 A JP2014536323 A JP 2014536323A JP 2014536323 A JP2014536323 A JP 2014536323A JP 6078547 B2 JP6078547 B2 JP 6078547B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
ammonia
reactor
hydrogen
containing compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014536323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015502310A (ja
Inventor
アイ エフ デイビッド、ウィリアム
アイ エフ デイビッド、ウィリアム
オーウェン−ジョーンズ、マーティン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Science and Technology Facilities Council
Original Assignee
Science and Technology Facilities Council
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB201118211A external-priority patent/GB201118211D0/en
Priority claimed from GBGB1208922.3A external-priority patent/GB201208922D0/en
Application filed by Science and Technology Facilities Council filed Critical Science and Technology Facilities Council
Publication of JP2015502310A publication Critical patent/JP2015502310A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6078547B2 publication Critical patent/JP6078547B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/02Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
    • C01B3/06Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents
    • C01B3/08Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by reaction of inorganic compounds containing electro-positively bound hydrogen, e.g. water, acids, bases, ammonia, with inorganic reducing agents with metals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/24Stationary reactors without moving elements inside
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/24Stationary reactors without moving elements inside
    • B01J19/245Stationary reactors without moving elements inside placed in series
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B21/00Nitrogen; Compounds thereof
    • C01B21/082Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals
    • C01B21/087Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals containing one or more hydrogen atoms
    • C01B21/092Compounds containing nitrogen and non-metals and optionally metals containing one or more hydrogen atoms containing also one or more metal atoms
    • C01B21/0923Metal imides or amides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B3/00Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
    • C01B3/02Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen
    • C01B3/04Production of hydrogen or of gaseous mixtures containing a substantial proportion of hydrogen by decomposition of inorganic compounds, e.g. ammonia
    • C01B3/047Decomposition of ammonia
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/24Stationary reactors without moving elements inside
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、アンモニアから水素を製造する方法に関し、特に、燃料電池および/または原動機に用いるためにアンモニアから水素を製造する方法に関する。該方法は現場である車両内で実行することができる。本発明はまた、アンモニアから水素を製造するための装置にも関する。
石油、石炭、およびガスからのエネルギ供給の将来についての正確な時間尺度は不確かであり、熱心に議論されているが、エネルギ源として化石燃料を頼りにすることは支持できない。化石燃料は現在、それらの形成速度の百万倍を超える速度で消費されている。また、大気中に放出される二酸化炭素の量は、かなりの人為的構成部分を有することも明らかである。
輸送は主要なエネルギ部門の1つであり、エネルギ供給をほぼ完全に化石燃料に依存している。石油およびディーゼルから液化石油(LPG)へ、かつさらに圧縮天然ガス(CNG)への移行はCO2の排出を低下させるであろうと認識されている。今世紀の前半に内燃機関に取って代わる2つの主要技術は、バッテリおよび燃料電池である。輸送の化石燃料システム一辺倒からの脱却はすでに始まっており、ガソリン/ディーゼル‐バッテリハイブリッドは現在、自動車市場の小さいが増大しつつある構成要素を形成している。
水素の貯蔵は、水素燃料電池電気自動車の大量生産に向けた動きおよび低炭素経済に向けた動きにおける主要な科学技術的課題の1つである。貯蔵は軽量かつコンパクトであるだけでなく、安全、安価、長期的でもあり、かつ理想的には迅速に補給可能でもなければならないなど、複数の基準を満たさなければならない。
改善された固体水素貯蔵材料の探究中に重要な問題が生じてきた。例えば、容易な可逆性は多くの錯体水素化物の研究にとって大きな課題である一方、多孔質構造における物理吸着は依然として極低温に制限されている。固体水素貯蔵には非常に大きな研究努力が注がれてきたが、自動車メーカにとっては、従来の金属水素化物と組み合わせた高圧ガス貯蔵が依然として現在の中期的候補と受け止められている。
水素の現場生成は燃料電池での使用が考慮されてきた。水素は例えばメタノールおよび/またはメタンから形成される。しかし、メタノールおよび/またはメタンからの水素形成は、必然的に二酸化炭素および/または一酸化炭素の排出を導く。メタノールおよび/またはメタンからの水素形成には、他にも、二次水槽の必要性および改質触媒のコーキングのような、関連する不都合がある。
本発明の目的の1つは、燃料電池もしくは原動機で使用するための先行技術の水素貯蔵および水素製造の問題を克服しもしくはそれに対処すること、または商業的に有用なその代替手段を少なくとも提供することである。代替的かつ/または追加の目的は、公知の方法より製造が安価でありかつ/またはより効果的な、燃料電池または原動機用の水素製造方法および装置を提供することである。
本発明の第1態様では、アンモニアから水素を製造する方法であって、
(i)燃料源としてアンモニアを提供するステップと、
(ii)アンモニアを反応器内に導入し、アンモニアの少なくとも一部を金属および/または金属含有化合物と反応させて、少なくとも1つの中間体および任意選択的に水素を形成するステップと、
(iii)ステップ(ii)で生成された中間体の少なくとも一部を分解して水素を形成し、かつ金属および/または金属含有化合物を再生するステップと、
(iv)ステップ(iii)で形成された水素の少なくとも一部を除去するステップと、
(v)再生された金属および/または再生された金属含有化合物をさらなるアンモニアと反応させるステップと、
を含む方法を提供する。
本発明の第2態様では、アンモニアから水素を製造するための装置であって、
金属および/または金属含有化合物が入っている反応器と、
燃料としてのアンモニアが入っている燃料源タンクと、
燃料を反応器内に導入するためにタンクを反応器に接続する管路と、
金属および/または金属含有化合物とアンモニアの反応によって反応器で形成された中間体の分解を発生させるために反応器にエネルギを投入するように構成され、反応器に連結されたエネルギ源と、
水素を反応器から取り出すための反応器からの水素出口と、
を備えた装置を提供する。
次に、本発明についてさらに説明する。以下の節では、本発明の様々な態様をより詳細に記載する。そのように記載する各態様は、そうでないことが明確に指摘されない限り、単数または複数の他の態様と組み合わせてよい。特に、好適または有利であると指摘されたいずれかの特徴は、好適または有利であると指摘された単数または複数のいずれかの他の特徴と組み合わせてよい。
本開示の要素またはその好適な実施形態を紹介するときに、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said(前記)」は、要素が1つ以上存在することを意味するものである。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」は包括的であり、列挙された要素以外に追加の要素も存在してよいことを意味するものである。
本書に記載する方法および装置は、燃料源として、特に水素源として、好ましくは気体状態および/または液体状態であるアンモニアを使用する。アンモニアは、水素貯蔵材料として使用するのに有利な複数の属性を有する。アンモニアは、その分子構造に基づいて17.65wt%という高い水素貯蔵容量を有する。それは温和な条件下で液化することができる。室温におけるアンモニアの蒸気圧は9.2バールであり、その物理的性質はプロパンに類似している。しかし、今まで、幾つかの事情が、商業規模の車両での水素製造におけるその使用の成功を阻んできた。これらの事情は、どちらも事実でありかつ認識されている安全性及び毒性の問題を含む。さらに、アンモニアから水素を放出するために、かなりのエネルギ投入が必要である。したがって、今まで、水素の製造でアンモニアを燃料源として利用するための商業的に有用な方法および/または装置は存在しなかった。
しかし、本発明者らは、アンモニアが金属および/または金属含有化合物と反応して少なくとも1つの中間体および任意選択的に水素を形成することを含む、アンモニアから水素を製造する方法を開発した。中間体は次いで分解されて水素を形成し、かつ金属および/または金属含有化合物を再生する。再生された金属および/または金属含有化合物は次いで、さらなるアンモニアと反応する。このようにして、金属および/または金属含有化合物はプロセスを再循環することができ、さらなるアンモニアを水素に変換させることを可能にする。好ましくは、金属および/または金属含有化合物は、アンモニアと反応して中間体を形成する反応体であり、単純に触媒として作用するわけではない。
好ましくは、形成された中間体は、安定した分離可能な中間体である。1つの実施形態では、中間体はそれが形成された第1反応器内で分解され、それは第2反応器に移送されない。代替的実施形態では、中間体は、中間体の有意の分解を生じることなく、第1反応器から第2反応器へ移送することができる。本書で使用する場合、「有意の分解を生じることなく」とは、中間体を第1反応器から第2反応器へ移送する間に、好ましくは、中間体の組成が大きく変化しないか、あるいは変化しないことを意味する。好ましくは、移送される中間体の総重量に基づいて、中間体の5重量パーセント未満または1重量パーセント未満が移送中に分解する。
好ましくは、中間体はアンモニア‐金属配位錯体、または金属および/または金属含有化合物の表面に吸着したアンモニアではない。好ましくは、形成される中間体は化合物であり、好ましくはイオン性または共有結合性化合物である。上に概説した通り、好ましくは、金属および/または金属含有化合物は、アンモニアと反応して中間体を形成する反応体であり、それは単に触媒として作用するわけではない。
好ましくは、本発明の中間体は熱力学的に有利なプロセスを介して形成される。例えば、
NH3+M=中間体+yH2
好ましくは、形成される中間体は金属アミドであり、yは形成される中間体の性質によって異なる。MがNaであり、NaNH2が形成される場合、ΔH=−77.9kJ/mol-1であり、ΔS=−101.9Jmol-1-1である。
このシステムの1つの利点は、中間化合物の形成が熱力学的に自発的であることである。さらに、中間化合物の分解は、反応体金属および/または金属含有化合物Mを形成する。中間体の形成のエンタルピを使用して、H2を形成する中間体の分解を促進することができる。中間体がNaNH2である場合、分解は0.5N2、H2、およびNa、または0.5N2、0.5H2、およびNaHを形成する。
中間体(好ましくは金属アミド)の形成で発生した水素を利用すると、例えばPEM燃料電池では、好ましくは120〜240kJ/molが発生する。このエネルギは、好ましくはナトリウムアミドである中間体の分解を誘発するのに充分である。そのようなシステムの「正味の」水素エネルギの発生(総水素エネルギから物質の分解に必要な水素エネルギを差し引いたものと定義される)はしたがって、〜11.7wt%の水素という使用可能な水素貯蔵容量に相当する、1.0H2/mol中間体(好ましくは金属アミド、最も好ましくはナトリウムアミド)(またはNH31モル当たり1.0H2/mol)である。完全なシステムの場合、20kgの補助反応器および貯蔵容器の重量ならびに54.5kgの液体アンモニアを収容する80Lアンモニアタンクを推定して、使用可能な水素貯蔵容量は8.6wt%である(補助反応器および容器が30kgの場合、システム密度は7.6wt%H2であり、40kgでは6.8wt%、50kgでは6.1wt%である)。これは、今まで提案されてきた全ての固体水素貯蔵システムよりかなり優れており、正味水素密度は言うまでもなく、総水素密度を考慮した場合にも、今までの圧倒的大部分は、これらのシステム水素密度を超えない。記載する本発明のさらなる利点は、液体または気体アンモニアが迅速かつ容易に補給されることである。
最も好ましくは、中間体は金属アミドである。好ましくは、金属アミドは安定しており、かつ反応器から分離可能である。しかし、形成された金属アミドは非常に過渡的であり、所与の反応条件で分解するまで1秒の数分の1、数秒、数分以上しか存在しない。
好ましくは、形成された金属アミドは、陽イオンがそれぞれM+、M2+、M3+、およびM4+であるときに化学式MNH2、M(NH22、M(NH23、またはM(NH24の第一アミドである。好ましくは、金属アミドは、イミドを形成する反応器の反応条件下では分解しない。好ましくは、金属アミド は窒素ガスおよび水素ガスおよび金属Mに分解し、あるいはそのように分解させることができる。
好ましくは、ステップ(ii)で形成された中間体の分解は、追加水素の不在下で起きる。「追加水素」とは、アンモニアと金属および/または金属含有化合物との反応中あるいは前記反応によって形成された中間体の分解中に発生したものではない水素を意味する。
好ましくは、本書に記載する方法は現場である車両内で実行される。好ましくは、それはハイブリッド自動車で実行される。
有利なことに、本発明は、当業界で現在使用されているより低い温度で、好ましくは時間の経過により汚染することのない、好ましくはより安価な活性化剤で、アンモニアを熱分解する方法に関する。1つの実施形態では、本発明は、使用地点で水素が提供されるようにした方法に関する。代替的に、かつ/または加えて、水素は使用場所とは離れた位置で製造してもよく、任意選択的に、前記水素は分散ネットワークに導入してもよい。
用語「分散ネットワーク」とは、少なくとも1つの分散発電所または分散エネルギ資源システムに接続された電力網を指す。分散発電所および/または分散エネルギ資源システムは、3kWから10,000kWの範囲の電力を発電し、従来の電力システムの代わりおよび/または強化をもたらすために使用される、小規模発電施設であってよい。
本書に記載する方法はさらに、取り出された水素の少なくとも一部を輸送および/または貯蔵手段に導入することを含んでよい。貯蔵手段は、いずれかの適切な容器、例えばボンベを含んでよい。輸送手段は、例えば所望の最終地点に水素を送達するための管またはネットワークを含んでよい。
好ましくは、本書に記載する方法は、熱電用途、補助発電機電力、消費者用電気製品、ならびに大規模高需要電力使用者を含む任意の用途のために、燃料電池および/または原動機および/または燃焼機関、好ましくはアンモニア内燃機関と共に実行される。好ましくは、該方法は、化学産業、半導体産業、石油化学産業、石油産業、エネルギ産業、または水素ガスを利用または必要とするプロセスであって、水素がアンモニアとして貯蔵され、必要に応じて水素に変換されるプロセスにおける用途を含め、水素を必要とする用途のために、アンモニアから供給源で水素を提供する手段を提供する。
好ましくは、本書に記載する方法は、全国高圧送電線網に接続されないまたは切断されたシステムに電力を提供するために水素を燃料電池に送達することを含め、街灯、信号機、バックアップ電源、および家電機器などの家庭用の熱電供給のような、地方および/または隔離された用途を含め、任意の用途のために、燃料電池または原動機または燃焼機関、好ましくはアンモニア内燃機関と共に実行される。1つの実施形態では、バックアップ電源は病院またはデータセンタ用である。適切な家電機器はボイラ、オーブン、冷蔵庫、洗濯機、食洗機、照明、およびコンピュータを含む。
好ましくは本書に記載する方法は、水素供給が不可欠であり、かつ/または工業地におけるアンモニアへの送達およびアンモニアの貯蔵が可能であり、その後、アンモニアから水素への変換または部分変換を行って高い水素容量を現場で確保することができる場所で、大量の水素の連続発生をもたらすことができる。
好ましくは、本書に記載する方法はさらに、取り出された水素および/または部分的に変換されたアンモニアを燃料電池または原動機または燃焼機関、好ましくはアンモニア内燃機関に導入するステップを含む。任意選択的に、取り出された水素は、存在するアンモニアを除去するためにフィルタに通される。フィルタは、1族、2族、および/もしくは遷移金属ハロゲン化物、ならびに/または1族、2族、および/もしくは遷移金属水素化ホウ素化物、ならびに/または固体アンモニア/水素フィルタを含むことができる。任意選択的に、水素およびアンモニアは、物理的分離方法によって、例えば温度および/または圧力を変えることによって分離することができる。適切な材料は、操作温度、質量、フィルタ容量、および/または効率に応じて選択しかつ調整することができる。任意選択的に、取り出された水素は、反応器を循環してアンモニア変換速度を高め、直列または並列の追加反応器を通過してアンモニア変換および/または水素純度を高め、かつ/または燃焼、燃料電池、原動機、化学的またはその他の目的のために(上記参照)特に所望されるアンモニア:水素比率を達成することができる。
本発明で製造された水素は、いずれかの適切な燃料電池、例えばPEM(プロトン交換膜)燃料電池、または当業界で公知の他の燃料電池で使用することができる。部分的に変換されたアンモニアは、燃料電池または原動機または燃焼機関、好ましくはアンモニア内燃機関で使用することができる。
本書に記載する方法はさらに、取り出された水素を燃焼するステップを含むことができる。例えば、取り出された水素は、適切に改変された内燃機関内で直接燃焼するか、あるいはアンモニア内燃機関でアンモニアと共に利用することができる。
アンモニアは燃料源として提供される。アンモニアは気体および/または液体状態で提供することができる。液体および気体アンモニアを貯蔵するための適切な条件は当業界で公知である。典型的にはアンモニアは無水である。アンモニアは圧力下で、極低温で、かつ/またはソリッドステートストア(solid state store)で貯蔵することができる。アンモニアは、液体として、例えば加圧液体として、または気体、例えば高圧ガスとして、遠隔タンクに貯蔵し、かつ反応器内へ移送することができる。加圧ガスとして貯蔵する場合、アンモニアは0.1から10MPaで貯蔵することが好ましい。
アンモニアは、注入、ポンピング、噴射、および/または機械的手段によって反応器内に導入することができる。好ましくは、アンモニアは噴射手段によって導入される。アンモニアは溶融金属M内に直接導入され、かつ/または溶融金属M中にバブリングされる。好ましくは、アンモニアは加熱気体として導入される。
好ましくは、アンモニアは、−30℃から800℃、より好ましくは100℃から700℃、または200℃から600℃、好ましくは350℃から500℃、または150℃から500℃、より好ましくは220℃から450℃、最も好ましくは250℃から450℃の範囲の温度で、反応器に導入される。中間体を形成する反応および同中間体の分解の速度論は温度によって影響される。アンモニアを例えば350℃または500℃を超える高温で導入することにより、中間体の反応および分解の速度論に影響する、流入ガスによる反応の冷却が防止される。
好ましくは、アンモニアは、0.01から100Mpaの範囲、より好ましくは0.1から100Mpaの範囲、より好ましくは0.1から50Mpa、または1から50Mpaの範囲、さらにより好ましくは5から30Mpaまたは0.1から30Mpaの範囲、最も好ましくは10から20Mpaの範囲の圧力で、反応器に導入される。中間体を形成する反応および同中間体の分解の速度論は、圧力によって影響される。例えば10MPa超または20Mpa超の高圧でアンモニアを導入することにより、反応および分解の速度を増加または低減することができる。
反応器が動作中の間(すなわち、アンモニアの少なくとも一部を金属および/または金属含有化合物と反応させて、少なくとも1つの中間体および任意選択的に水素を形成するために反応器が使用されている間)、アンモニアを連続的に反応器内に導入することができる。アンモニアは、連続、半連続、またはバッチプロセスで反応器に導入することができる。反応器内に導入されるアンモニアの量を制御し、かつ/または反応器に存在するアンモニアの量を分析するために、弁および/または制御手段を使用することができる。制御手段は、体積流量または質量流量制御器を備えることができる。流出ガス中のアンモニアは色変化フィルタにより、分光学的に、電子的に、質量分析法により、または(フィルタの)質量変化により決定することができる。固定体積/質量付加のための弁は市販されている。
好ましくは、反応器は、用途および要求されるアンモニアの変換速度に応じて、0.01cm3から10,000リットルの範囲の容積を有する。アンモニア変換または可変組成の混合アンモニア/水素ガスから純粋水素を提供するために、同様の容積または異なる容積の複数の反応器を直列または並列に使用することができる。好ましくは、反応器は、特に車両用の場合、0.01から10,000cm3、より好ましくは0.1cm3から1,000cm3、より好ましくは1cm3から200cm3または10cm3から300cm3の範囲、最も好ましくは10cm3から100cm3、または20cm3から100cm3の範囲の容積を有する。
本書に記載する方法は好ましくは、アンモニア燃料源を補給するステップをさらに含む。アンモニア燃料源は遠隔タンクに維持することができ、そこから反応器内に導入することができる。遠隔タンクは好ましくは、アンモニアを反応器に導入するために、反応器への管路を有する。アンモニアを燃料源として使用する1つの利点は、補給を迅速に(燃料タンクに石油またはディーゼルを補給するのと同様の速度で)実行することができることである。アンモニアを燃料源として使用することにより、車上補給を行うことが可能になる。さらに、今日、石油および/またはディーゼルが提供されるのと同様の方法で、燃料補給所でアンモニアを提供することができる。これは、代替エネルギ源を補給する他の公知の方法に勝る多くの利点を有する。例えば、電池の充電は時間がかかり、かつ車両とは別個の専用機器を必要とする。これは消費者にとっては明らかに不都合である。したがって、本発明の方法/装置は改善された消費者受容性を有する。
金属および/または金属含有化合物は、1族金属、2族金属、遷移金属、p‐ブロック金属、ランタニド金属、合金、およびそれらの2つ以上の混合物を含み、あるいはそれらから成る群から選択することができる。
金属および/または金属含有化合物は、1族金属、2族金属、遷移金属、p‐ブロック金属、ランタニド金属、合金、およびそれらの2つ以上の混合物または組合せの1つ以上を含むことができる。
1族金属は、Na、Li、K、Rb、Cs、合金、およびそれらの2つ以上の混合物から成る群から選択することができる。好ましくは、1族金属はNaである。ナトリウムは、アンモニアと反応してナトリウムアミドが形成されるので、特に好ましい。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ナトリウムアミドは分解してイミドを形成することはなく、代わりに窒素ガス、水素ガス、およびナトリウム金属に分解するか、あるいは窒素ガス、水素ガス、および水素化ナトリウムに分解すると考えられる。
1族金属はNa、Li、K、Rb、およびCsの1つ以上を含むことができる。1つ以上の金属は、金属、合金、イオン、それらの2つ以上の混合物または組合せの形で存在することができる。
2族金属は、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、合金、およびそれらの2つ以上の混合物から成る群から選択することができる。好ましくは、2族金属はMgである。
2族金属は、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaの1つ以上を含むことができる。1つ以上の金属は、金属、合金、イオン、それらの2つ以上の混合物または組合せの形で存在することができる。
遷移金属は、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、合金、およびそれらの2つ以上の混合物から成る群から選択することができる。好ましくは、遷移金属はHgまたはAgである。
遷移金属は、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、およびHgの1つ以上を含むことができる。1つ以上の金属は、金属、合金、イオン、それらの2つ以上の混合物または組合わせの形で存在することができる。
ランタニド金属は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、合金、およびそれらの2つ以上の混合物から成る群から選択することができる。好ましくは、ランタニド金属はEuまたはLuである。
ランタニド金属は、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuの1つ以上を含むことができる。1つ以上の金属は金属、合金、イオン、それらの2つ以上の混合物または組合せの形で存在することができる。
好ましくは、金属含有化合物は、金属水素化物、金属窒化物、金属イミド、およびそれらの2つ以上の混合物または組合せから成る群から選択される。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、これらの化合物は、アンモニアと動的に反応して中間体アミドを形成するので、好ましい。
好ましくは、金属含有化合物は、金属水素化物、金属窒化物、金属イミド、およびそれらの2つ以上の混合物または組合せの1つ以上を含むことができる。
金属および/または金属含有化合物は、反応器への導入前に貯蔵かつ/または固体、液体、または分散状態で提供することができる。金属および/または金属含有化合物は溶媒、例えば液体アンモニアに分散することができる。代替的に、かつ/または加えて、金属および/または金属含有化合物は、固体ホスト(例えばメソ細孔性固体)に分散して貯蔵かつ/または提供することができる。
金属および/または金属含有化合物は反応条件下で溶融することができる。
好ましくは、金属および/または金属含有化合物は、1gから10kg、より好ましくは10gから8kg、または50gから7kg、最も好ましくは100gから2kgの量が存在する。好ましくは、金属は10kg以下、より好ましくは8kg以下の量が存在する。
少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属および/または金属含有化合物との反応は、触媒の不在下で発生することができる。例えば、少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属および/または金属含有化合物との反応は、反応器内に存在する反応条件下で自発的に発生することができる。
好ましくは、少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属および/または金属含有化合物との反応は、触媒の存在下で実行される。
触媒は、1つ以上の遷移金属、ランタニド金属、およびそれらの混合物を含むことができる。
好ましくは、触媒は、遷移金属カロゲナイド、ランタニド金属カロゲナイド、遷移金属ハロゲン化物、ランタニド金属ハロゲン化物、遷移金属プニクタイド、ランタニド金属プニクタイド、遷移金属テトレル、ランタニド金属テトレル、およびそれらの2つ以上の混合物から成る群から選択される。
触媒は、液体金属および/または金属含有化合物に溶解かつ/または分散するか、金属および/または金属含有化合物の有無に関わらずホスト媒質中に分散するか、任意選択的にスラリ、エマルジョン、または他の混合物としてアンモニアの液体に溶解かつ/または分散することができる。触媒は遠隔タンクに貯蔵し、反応器内に導入することができる。遠隔タンクは、触媒を反応器内に導入するために、反応器への管路を有することが好ましい。触媒は、注入、ポンピング、噴射、および/または機械的手段によって反応器内に導入することができる。代替的に、かつ/または加えて、触媒は反応器内に提供することができる。
好ましくは、触媒は、金属および/または金属含有化合物に対する触媒の質量比が1:1,000,000から1:2の範囲、より好ましくは1:100,000から1:10,000の範囲内になるように、反応器内に導入される。
好ましくは、触媒は、1μgから10gの量、より好ましくは500μgから8gの量、より好ましくは1mgから7gの量、最も好ましくは2mgから6gの量が存在する。
好ましくは、少なくとも一部のアンモニアは、金属および/または金属含有化合物に対するアンモニアのモル比が1:1から1:2の範囲、より好ましくは1:1.1から1:1.9の範囲、より好ましくは1:1.2から1:1.8の範囲、より好ましくは1:1.3から1:1.7の範囲、最も好ましくは1:1.4から1:1.6の範囲になるように、反応器内に導入される。
反応器内の金属および/または金属含有化合物に対するアンモニアのモル比は、1:1.5とすることができる。好ましくは、少なくとも一部のアンモニアは、上流のアンモニア損失を最小化するために過剰な金属および/または金属含有化合物が存在するように、反応器内に導入される。
少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属および/または金属含有化合物との反応は、−30℃から800℃の範囲の温度で実行することができる。好ましくは、少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属および/または金属含有化合物との反応は、100℃から800℃、または150℃から600℃、または200℃から600℃の範囲の温度で実行することができる。最も好ましくは、少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属および/または金属含有化合物との反応は、150℃から500℃、より好ましくは220℃から450℃、または250℃から450℃、または350℃から500℃の範囲の温度で実行される。
好ましくは、少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属との反応は、0.01から100MPa、または0.01から50MPa、または0.1から50MPa、または1から50MPaの範囲の圧力で実行される。より好ましくは、少なくとも1つの中間体を形成する、少なくとも一部のアンモニアと金属との反応は、0.1から30MPa、または5から30MPaの範囲、最も好ましくは0.1から20MPa、または10から20MPaの範囲の圧力で実行される。
本書に記載する方法はまた、金属および/もしくは金属含有化合物ならびに/またはその前駆体を反応器内に導入するステップをも含むことができる。
上に概説した通り、本書に記載する方法では、金属および/または金属含有化合物はアンモニアと反応して、少なくとも1つの中間体および任意選択的に水素を形成する。次いで中間体は分解して水素を形成し、かつ金属および/または金属含有化合物を再生する。再生された金属および/または金属含有化合物は次いで、さらなるアンモニアと反応する。このようにして、金属および/または金属含有化合物はプロセスを再循環し、さらなるアンモニアを水素に変換させることを可能にする。
金属および/もしくは金属含有化合物ならびに/またはその前駆体は、遠隔タンクに貯蔵し、かつ反応器に移送することができる。代替的に、かつ/または加えて、金属および/または金属含有化合物は反応器内に維持することができる。
金属および/もしくは金属含有化合物ならびに/またはその前駆体はポンピング(好ましくは電動)、揮発/還流、噴射によって反応器内に導入することができ、あるいは機械的に導入される。好ましくは、金属および/または金属含有化合物は電磁ポンピングによって導入される。この方法はアンモニアに最もクリーンな反応性表面を有利に提示すると考えられる。
金属および/もしくは金属含有化合物ならびに/またはその前駆体は、固体、液体、または分散した形で、好ましくは−240℃から800℃の温度で、より好ましくは0℃から800℃の温度で、より好ましくは100℃から700℃の温度で、より好ましくは150℃から600℃、または200℃から600℃の温度で、最も好ましくは150℃から500℃、または220℃から450℃、または250℃から450℃、または350℃から500℃の温度で、反応器に導入することができる。
本書に記載する方法はさらに、アンモニアと金属および/または金属含有化合物の反応によって形成された水素を反応器から取り出すステップをさらに含むことができる。
好ましくは、ステップ(i)で形成された中間体は安定した分離可能な中間体である。中間体は、それが形成された第1反応器から、それが分解される第2反応器へ移送することができる。好ましくは、中間体の分解は吸熱性であり、したがって分解を開始するにはエネルギが必要である。
好ましくは、ステップ(ii)で形成された中間体の少なくとも一部は、電気化学的、熱的、マイクロ波、機械的、衝撃、燃焼、デトネーション、および/または超音波手段によって、より好ましくは熱的手段によって、分解されて水素を形成し、かつ金属および/または金属含有化合物の少なくとも一部を再生する。例えばステップ(ii)で形成された中間体がナトリウムアミド(NaNH2)である場合、アミドは230℃で溶融され、したがって230℃以上の温度で第2チャンバへ圧送することができる。より好ましくは、ステップ(ii)で形成された中間体がナトリウムアミド(NaNH2)である場合、アミドは250℃で溶融され、したがって250℃以上の温度で第2チャンバへ圧送することができる。
中間体の分解から形成された水素は好ましくは、燃料電池および/または原動機へ移送される。任意選択的に、取り出された水素は、存在するアンモニアを除去するためにフィルタに通すことができる。フィルタは上記の通りとすることができる。
中間体が金属アミドである場合、分解反応は例えば次の通りであると考えられる。
Figure 0006078547
他の原子価電位および/または混合原子価が可能である。金属(M)は、各々が同一または異なる原子価を有し、反応が化学量論的に平衡する、1つ以上の金属を含むことができることを、当業者は理解されるであろう。
好ましくは、該方法はさらに、第1反応器で形成された中間体の少なくとも一部を第2反応器へ移送するステップを含む。1つの実施形態では、第1反応器で形成された中間体は、第2、第3、および/または後続の反応器へ移送することができ、そこに中間体を分解前に貯蔵することができる。
好ましくは、金属および/または金属含有化合物とアンモニアの反応は不活性雰囲気で実行される。不活性雰囲気は窒素、アルゴン、および/またはヘリウムを含むことができる。
好ましくは、形成された中間体の分解は不活性雰囲気で実行される。不活性雰囲気は窒素、アルゴン、および/またはヘリウムを含むことができる。
本書に記載する方法および/または装置は、1つ以上の反応器を含むことができ、中間体の形成および中間体の分解は同一反応器で実行される。代替的に、かつ/または加えて、本書に記載する方法および/または装置は、1つ以上の第1反応器および1つ以上の第2反応器を含むことができ、中間体は1つ以上の第1反応器で形成され、1つ以上の第2反応器へ移送され、そこで分解される。
上に概説した通り、ステップ(iii)は、好ましくは第1反応器から分離された第2反応器で実行することができる。
本書に記載する方法はさらに、再生された金属および/または再生された金属含有化合物の少なくとも一部を第2反応器から第1反応器へ移送するステップを含むことができる。
本発明の1つの実施形態では、アンモニアから水素を製造するための装置であって、
金属および/または金属含有化合物を収容する反応器と、
アンモニアを燃料として収容する燃料源タンクと、
燃料を反応器内に導入するためにタンクを反応器に接続する管路と、
金属および/または金属含有化合物とアンモニアの反応によって反応器内で形成された中間体の分解を発生させるために反応器にエネルギを投入するように構成され、反応器に連結されたエネルギ源と、
水素を反応器から取り出すための反応器からの水素出口と、
を備えた装置を提供する。
装置はさらに、燃料電池または原動機に接続された水素出口を備えることができる。
上述した装置はさらに、以下を備えることができる。
*第1反応器および第2反応器を含む反応器。(例えば、反応器は第1反応器ユニットおよび第2反応器ユニットを含むことができる。)
*第1反応器で形成された中間体を第2反応器へ移送するために第1および第2反応器を接続する第2管路。
*燃料を反応器内に導入するためにタンクを反応器に接続する管路は、アンモニアを第1反応器内に導入することができるように、第1反応器に接続される。
*第1反応器内で金属および/または金属含有化合物とアンモニアの反応によって形成された中間体、好ましくは金属アミドの分解を生じるためにエネルギを反応器に投入するように構成されたエネルギ源は、第2反応器に連結される。
*水素を反応器から取り出すために、水素出口は第2反応器に接続される。
装置はさらに、中間体の分解から再生された金属および/または金属含有化合物を第1反応器へ移送するために、第2反応器から第1反応器への再循環管路を備える。
好ましくは、一方または両方の水素出口は燃料電池または原動機に接続される。
記載した方法および装置で概説したステップは、任意の適切な順序で実行することができることは理解されるであろう。
本発明は、以下に概説する多くの利点を有する。
アンモニアと反応して中間体を形成する金属および/または金属含有化合物は、中間体の分解により再形成され、こうしてそれをプロセスで再利用することができる。
好ましくは、中間体は、アンモニアと金属および/または金属含有化合物との発熱反応で形成される。これは、反応自体が熱をもたらすので、起動時間(すなわちシステムが動作温度に達するまでの時間)が低く維持されることを意味する。さらに、この反応は、燃料電池で電気エネルギを生成するために使用される水素(好ましくは0.5〜1.0H2分子)(金属および/または金属含有化合物の性質によって異なる)を放出することが好ましい。この電気エネルギは次いで、さらに中間体を加熱して分解させるために、または高速起動のための電気エネルギを車両に提供するために使用することができる。
好都合にも、提案するシステムは単純であり、2段階の反応に頼って水素および任意選択的に窒素を発生させる。
本書に記載するプロセスはエネルギ効率が高い。熱力学的計算は、事前に発生した0.5〜1.0H2が燃料電池に送られ、結果的に得られた電気エネルギが中間体を加熱するために使用される場合に、アンモニアと金属および/または金属含有化合物(好ましくはナトリウム)との反応、ならびに形成された中間体(好ましくはナトリウムアミド)のその後の分解が、熱的にほぼ中立であることを示す。
ナトリウム金属は、ルテニウムのような従来のアンモニア熱分解触媒と比較してコストがかなり低い、安価かつ豊富に存在する金属であるので、本発明ではナトリウム金属を使用することが有利である。
大部分の固体水素貯蔵システムは、錯体水素化物の大量貯蔵に依存する。記載するプロセスでは、水素貯蔵媒体は、制限質量の金属および/または金属含有化合物と反応するアンモニア(〜18wt%)であり、金属および/または金属含有化合物は分解プロセスの一部として再形成され、その後追加アンモニアと反応して水素を発生する。このプロセスは触媒プロセスではなく、金属および/または金属含有化合物が反応物質である2段階プロセスであることが好ましい。記載するプロセスでは、常時比較的小さい質量の金属および/または金属含有化合物ならびにアンモニアを組み合わせる必要があるだけなので、反応器の重量および容積を公知の反応器より低減することができる。1kgの金属および/または金属含有化合物(金属および/または金属含有化合物=Naの場合)が約740gのアンモニアと反応することのできる反応器は、65gのH2を提供するのに充分である。しかし、金属および/または金属含有化合物の再形成により、200gの金属および/または金属含有化合物で同じ反応を5回実行することによって、同量の水素を発生させることができる。そのような反応器は、1kgの反応器よりずっと小型かつ軽量とすることができる。実際、金属および/または金属含有化合物の質量が小さければ小さいほど、容易かつ高速でそれを循環させることができる。したがって、車両ベースシステムは、車両の燃料電池/パワートレインに必要な水素に相関する反応器の大きさおよび個数を有する。
次に、本発明のこれらおよび他の態様を添付の図に関連して説明する。
本発明に係るプロセスの略図である。 本発明のプロセスの実施形態を実行するための装置の略図である。この実施形態では、1つの反応器だけが水素製造に使用される。 本発明のプロセスの実施形態を実行するための装置の略図である。この実施形態では2つの反応器が水素の製造に使用される。第1反応器では、中間体、好ましくは金属アミドが形成される。次いで中間体は第2反応器に移送され、そこで中間体は分解されて水素を放出し、かつ金属および/または金属含有化合物を再生する。 本発明のプロセスを実行するための反応器の略図である。この実施形態では、1つの反応器だけが水素製造に使用される。 アンモニアが溶融ナトリウムを介して供給される反応器の代替的設計を示す。 本発明のプロセスの実施形態を実行するための反応器の略図である。これらの実施形態では、1つの反応器だけが水素製造に使用される。 本発明のプロセスの実施形態を実行するための反応器の略図である。これらの実施形態では、1つの反応器だけが水素製造に使用される。 250℃、アンモニア流量10sccmでアンモニアから窒素および水素への不完全な変換を示すグラフである。 アンモニアの流量を40sccmに増大すると窒素および水素の相対分圧が低下することを示すグラフである。 温度を450℃に上げたときに、アンモニアから窒素および水素への全変換が観察されることを示すグラフである。 温度を通して窒素および水素へのアンモニア変換率を制御することができることを示すグラフである。 本発明の実施形態を実行するための反応器の断面図である。これらの実施形態では、1つの反応器だけが水素製造に使用される。 本発明の実施形態を実行するための反応器の断面図である。これらの実施形態では、1つの反応器だけが水素製造に使用される。 本発明の実施形態を実行するための反応器の断面図である。これらの実施形態では、1つの反応器だけが水素製造に使用される。
上に概説した通り、図2は、本発明のプロセスの実施形態を実行するための装置の略図である。この実施形態では、水素の製造に1つの反応器だけが使用される。
装置は、金属および/または金属含有化合物(2)を収容する反応器(1)と、アンモニア(4)を燃料として収容する燃料源タンク(3)とを備える。管路(5)は、燃料を反応器(1)に導入するために、タンク(3)を反応器(1)に接続する。エネルギ源(6)は反応器(1)に連結され、金属および/または金属含有化合物(2)とアンモニア(4)の反応によって反応器(1)で形成された中間体の分解を生じるために、反応器(1)内にエネルギを投入するように構成される。装置はまた、水素を反応器(1)から取り出すための反応器(1)からの水素出口(7)をも備える。
任意選択的に、金属および/または金属含有化合物を反応器(1)内に導入するために、反応器(1)への追加管路を設けることができる。
上に概説した通り、図3は、本発明のプロセスの実施形態を実行するための装置の略図である。この実施形態では、水素の製造に2つの反応器が使用される。第1反応器(10)では、中間体、好ましくは金属アミドが形成される。次いで中間体は第2反応器(80)に移送され、そこで中間体は分解されて水素を放出し、かつ金属および/または金属含有化合物を再生する。
図3では、装置は、金属および/または金属含有化合物(20)を収容する第1反応器(10)と、第2反応器(80)とを備える。燃料としてアンモニア(40)を収容する燃料源タンク(30)は、アンモニア(40)と金属および/または金属含有化合物(20)の反応を生成して中間体、好ましくは金属アミドを形成するために、燃料を反応器(10)に導入するための管路(50)によって反応器(10)に接続される。装置は任意選択的に、水素を反応器(10) から取り出すための反応器(10)からの水素出口(70)を備える。第2管路(90)は、第1反応器(10)で形成された中間体を第2反応器(80)に移送するために、第1反応器(10)および第2反応器(80)を接続する。エネルギ源(100)は、金属および/または金属含有化合物(20)とアンモニア(40)の反応によって第1反応器(10)内で形成された中間体、好ましくは金属アミドの分解を発生させるために、反応器(80)にエネルギを投入するように構成される。反応器(80)から水素を取り出すために、少なくとも1つの水素出口(110)が第2反応器(80)に接続される。装置はさらに、中間体の分解から再生された金属および/または金属含有化合物を第1反応器(10)に移送するために、第2反応器(80)から第1反応器(10)への循環管路(120)を備える。
任意選択的に、金属および/または金属含有化合物を反応器内に導入するために、反応器(10)への追加管路を設けることができる。
任意選択的に、追加エネルギ源を第1反応器(10)に連結し、第1反応器(10)にエネルギを投入するように構成することができる。
図4は、本発明のプロセスの実施形態を実行するための反応器の略図を示す。 この実施形態では、水素の製造に1つだけの反応器が使用される。この実施形態では、ナトリウム(260)が反応器内に入れられる。アンモニアガスは管路(250)を介して導入される。低温窒素は管路(210)および/または(220)を介して導入することができる。例えば炉、加熱器、電磁ポンプ、および/または電気化学セルとすることのできるエネルギ源(270)は、エネルギを反応器に投入するように構成される。ナトリウム蒸気(240)は、アンモニアと反応する溶融ナトリウムから生成することができる。中間体が形成され、それは分解して窒素および水素(230)をもたらし、ナトリウムは再循環されて、さらなるアンモニアと反応する。水素は管路200を介して取り出される。取り出された水素は、水素および存在するアンモニアを検出するために質量分析機に移送することができる。
好ましくは、反応器は150℃から500℃、または220℃から500℃、または250℃から500℃の温度で動作する。
図5は反応器の代替的設計を示し、ここではアンモニアが溶融ナトリウムを通して供給される。そのような設計は、より高い中間体形成:NH3比が形成されるのを可能にし、かつ溶融ナトリウムの表面変色の問題を軽減または潜在的に排除するので、好ましい。それはまた、反応器の設計も簡素化する。好ましくは、アンモニア内管は、ナトリウムを高温ゾーン内で溶融状態に維持しながらしかもアンモニアを溶融ナトリウム中にバブリングさせるために、液体金属Mの液面より下に位置するスワンネック形または直管形アンモニア供給管路を有する。この実施形態では、ナトリウム(360)が反応器に入れられる。
アンモニアガスは管路(350)を介して導入される。低温窒素は管路(310)および/または(320)を介して導入することができる。例えば炉、加熱器、電磁ポンプ、および/または電気化学セルとすることのできるエネルギ源(370)は反応器にエネルギを投入するように構成される。中間体が形成され、それは分解して窒素および水素(330)をもたらし、ナトリウムは再循環されて、さらなるアンモニアと反応する。水素は管路300を介して取り出される。取り出された水素は、水素および存在するアンモニアを検出するために質量分析機に移送することができる。
好ましくは、反応器は150℃から500℃、または220℃から500℃、または250℃から500℃の温度で動作する。
図6の主要要素を以下に掲げる。
400:N2、H2、およびNH3を検出する質量分析機へ
405:高温アンモニアガス(炉温)入口
410:低温N2入口
415:316ステンレス
420:18.54g(20cm3)の溶融ナトリウム
425:RT(室温)ないし800℃、0.1MPaのNH3/N2
430:300mm
435:Cuガスケット
440:熱電対
445:ウェル
450:100mm
455:N2およびH2
460:外部管状炉
465:20mm
470:溶融ナトリウム
475:ナトリウム蒸気
図7の主要要素を以下に掲げる。
500:N2、H2、およびNH3を検出する質量分析機へ
505:高温アンモニアガス(炉温)入口
510:低温N2入口
515:316ステンレス
520:18.54g(20cm3)の溶融ナトリウム
525:RTないし800℃、0.1MPaのNH3/N2
530:300mm
535:Cuガスケット
540:熱電対
545:ウェル
550:100mm
555:N2およびH2
560:外部管状炉
565:20mm
570:溶融ナトリウム
575:ナトリウム蒸気
図12の主要要素を以下に掲げる。
600:熱電対筐体
605:100CFトップブランク
610:100CF炉容器フランジ
615:大炉管(長さ258.5mm)
620:長い熱電対ポケット(長さ280mm)
625:短い熱電対ポケット(長さ70mm)
630:炉台
635:パーカ突合せ溶接継手
640:パーカ突合せ溶接継手
645:トラップ容積を最小化する
650:面一係合でトラップ容積を最小化する
655:47.0mm
660:Φ95.0mm
665:250.0mm
図13の主要要素を以下に掲げる。
700:詳細AS DN100CFフランジ
705:詳細AS DN100CFフランジ
710:M8×55六角頭ボルト
715:上下高さ感知用に熱電対ポケット内に2つがオフ溶接。内径1.8mm
720:パーカ・ハニフィンZHBW2 6‐1/2突合せ溶接コネクタ
725:パーカ・ハニフィンZHBW2 4‐1/2突合せ溶接コネクタ、3オフ。
730:DN100 CF 銅ガスケット
735:250mm
740:Φ95mm
745:5mm
750:Φ152mm
755:47mm
760:20mm
765:反応器
図14の主要要素を以下に掲げる。
800: 反応器
上記の詳細説明は、説明および例証として提示したものであり、添付する特許請求の範囲を制限する意図はない。本書に示す現在の好適な実施形態の多くの変形が当業者には明らかになるであろうが、それらは添付する請求項およびそれらの均等物の範囲内に留まる。
以下の非限定実施例は、本発明をさらに例証する。
ステンレス鋼反応器(外径100mm、高さ300mm)に不活性(N2、Ar、またはHe)雰囲気で18.54g(液体の場合20cm3)の純粋ナトリウム金属を予め装填する。反応器を該雰囲気から隔離し、ガスハンドリングパネルに接続し、次いで0.6〜1kPaの圧力まで真空排気する。ナトリウムを300℃の100kPa流動(60sccm(毎分標準立法センチメートル))水素ガス中で洗浄し/予備反応させて、ナトリウム金属の表面における反応開始のためにナトリウム金属の表面を還元しかつ/またはNaHを形成するが、このステップは不可欠ではない。システムを水素で前処理した場合、装置は次いで、アンモニアの導入前に、再び0.6〜1kPaの圧力まで真空排気される。次いで反応器の下半分を500℃に加熱し、上半分は室温の高純度乾燥窒素緩衝ガス(100kPa)で連続的にフラッシングする。質量流量制御器によって制御される流量1cm3/秒(60sccm)の高純度乾燥アンモニアガス(H2O<1ppm)を500℃に加熱し、次いでナトリウム反応器内の溶融金属より上のナトリウムの揮発蒸気(反応器1)中に送達するか、または液体ナトリウムの液面より下に送達して液体ナトリウム中にバブリングさせる(反応器2)。アンモニアとナトリウムは反応し、その結果NaNH2が形成され、それは次いで分解し、化学反応式1、2、2a、および2bに従ってナトリウム金属(溶融タンクに還流される)、N2、およびH2を生成する。
Figure 0006078547
式2および2aは競合して発生することがあるが、反応温度(500℃)では、式2bにあるように、両方とも自発的に発生する。
2はアンモニアの流量の1.5倍の速度で発生し(したがって90sccm)、N2はアンモニアの流量と同じ速度で発生する(60sccm)。アンモニア供給原料が60sccmの流量で添加される限り、反応はこの速度で続く。H2およびN2生成の生成速度はアンモニアの添加速度に対し直線的に変化する。
多量の前駆物質(Na、NaH、NaNH2、またはそれらの何らかの組合せ)を不活性雰囲気下で反応器内に装填し、次いで反応器を密閉し、不活性ガス供給源に接続する。不活性ガス(典型的にはAr)を反応器に通流させ、反応器内および前駆体物質上の不活性雰囲気を維持する。前駆体物質を不活性雰囲気下で加熱して分解させ、反応のための純粋Na金属表面を形成する。代替的に、Na、NaH、およびNaNH2の適切な混合物を使用する場合、分解ステップは不要である。純粋Na表面が生成されたときに、流動する不活性雰囲気下で、または流動するNH3雰囲気下で、水素生成のための適切な温度に達するまで、試料を加熱する。この温度は100℃から800℃の間、好ましくは100℃から500℃の間であり、150℃から450℃の間であることが最適である。要求される水素の流量に応じて、1sccmから500sccmの間のArおよび/またはNH3の流量が適している。
反応はNaNH2の生成および分解に対応し、水素を発生する。水素の発生は窒素の発生後に始まり、それは、アンモニアの初期反応/分解で発生する水素が金属ナトリウムによって捕捉されることを示唆する。温度が頭打ち状態になると、窒素の発生速度も頭打ち状態になる。
温度が低下するにつれても、水素および窒素は発生し続けるが、温度が充分に低下すると、アンモニアの全部は変換されず、排気流中のアンモニアの濃度は増大する。
アンモニアの窒素および水素への変換または部分変換は、i)Na/NaH、NaNH2反応体の質量、ii)アンモニアの流量、およびiii)温度に依存する。
次いで反応器をアルゴンでフラッシングし、冷却させる。室温に達したら、反応器をアルゴン下で250℃から260℃の間まで加熱し、その温度になったら、10sccmのアンモニア流に曝露させる。アンモニアを(〜260℃に相応する温度で)導入するとすぐにN2の発生が観察され、その後まもなくN24が発生し、それに続いてH2が発生する。
図8は、250℃のアンモニア流量10sccmでのアンモニアの窒素および水素への不完全な変換を示す。
次いでこの流量が40sccmに上がると、アンモニアの濃度の増加と共に、窒素および水素の分圧の低下が観察される(図9、時間=0)。温度はわずかに増大し、水素シグナルだけが増加を示し、それは分解の速度に対するアミドの形成速度の増加を示唆する。
図9は、アンモニアの流量を40sccmに上げると、窒素および水素の相対分圧が低下することを示す。その後の温度の上昇は、分解の速度に対するアミドの形成速度を増大させ、したがって材料のアミドへの漸進的変換を引き起こす。
次いで温度を450℃に上げ、アンモニアの窒素および水素への全変換を観察する(図10)。この変換は、流量および温度を一定に維持する限り続く。
図11は温度の影響を示す。温度が低下すると、アミドの形成速度はアミドの分解速度より高くなり、水素の分圧が上昇する一方、窒素の分圧は低下する。アンモニア濃度も上昇し、それは2つのプロセスの相対速度およびアミドへの変換に利用可能なNa/NaHの量を示す。アンモニアの窒素および水素への変換は300℃未満でも続くが、流入するアンモニアの全部を変換するには不充分な変換速度である。温度が上がると、アミドの分解速度/アンモニアの変換速度はそれに応じて上昇する。
図8ないし図11は次のことを示す。
1)アンモニアは、例えば220℃〜450℃の温度範囲内で窒素および水素に変換される。
2)アンモニアの総変換効率は、反応体の質量、アンモニアの流量、反応器内の、かつアンモニア流量に対する、Na/NaH/NaNH2反応体の温度および位置によって変化すると考えられる。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、発熱性(Na/NaH+NH3→NaNH2+0.5/1.0H2)および吸熱性(NaNH2→Na+0.5N2+H2)のプロセスに予想される通り、温度はアンモニアの変換速度を制御する際の最も重要な変数であると考えられ、高い温度は吸熱性プロセスに有利であり、したがって変換速度を増大させる。いかなる段階でも、温度が高すぎてアミドの形成が妨げられることはない。
3)ひとたびプロセスが始まると、アンモニアが流れ続ける限り、アンモニアの変換は低減することなく続くことが好ましい。温度が変化すると、これらのプロセスの速度が変化する。システムのアンモニア変換能力が時間の関数として低下することはなさそうである。
4)システムは、ガスの変化によっても、そのアンモニア変換能力を損なうことなく、冷却および加熱することができる。

Claims (13)

  1. アンモニアから水素を製造する方法であって、
    (i)アンモニアを燃料源として提供するステップと、
    (ii)アンモニアを反応器内に導入し、アンモニアの少なくとも一部を金属および/または金属含有化合物と反応させて少なくとも1つの中間体、または、少なくとも1つの中間体および水素を形成するステップと、
    (iii)ステップ(ii)で生成された前記中間体の少なくとも一部を分解させて水素を形成し、かつ前記金属および/または前記金属含有化合物を再生するステップと、
    (iv)ステップ(iii)で形成された水素の少なくとも一部を水素出口を介して取り出すステップと、
    (v)前記再生された金属および/または前記再生された金属含有化合物をさらなるアンモニアと反応させるステップと、を含み、
    前記金属および/または金属含有化合物が、1族金属を含むか、あるいは1族金属から選択され、
    前記1族金属はNaであり、
    前記アンモニアの少なくとも一部と前記金属および/または前記金属含有化合物との反応を、220℃から800℃の範囲の温度および0.01から20MPaの範囲の圧力で行わせることにより、前記少なくとも1つの中間体を形成するようにし、
    前記金属および/または金属含有化合物に対するアンモニアのモル比が1:1から1:2の範囲になるように、前記少なくとも一部のアンモニアが前記反応器内に導入される、方法。
  2. 現場である車両内で実行される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記取り出された水素を燃料電池または原動機内に導入するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記取り出された水素を燃焼させるステップをさらに含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの中間体が安定した分離可能な中間体である、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの中間体が金属アミドである、請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記アンモニア燃料源を補給するステップをさらに含む、請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  8. アンモニアと前記金属および/または前記金属含有化合物との反応によって形成された水素を水素出口を介して前記反応器から取り出すステップをさらに含む、請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  9. ステップ(ii)で形成された前記中間体の少なくとも一部が、電気化学的、熱的、マイクロ波、機械的、衝撃、燃焼、デトネーション、および/または超音波手段によって分解されて水素を形成し、かつ前記金属および/または前記金属含有化合物の少なくとも一部を再生する、請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  10. 水素が使用地点でまたは分散ネットワークに提供される、請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の方法によりアンモニアから水素を製造するための装置であって、
    金属および/または金属含有化合物を収容する反応器と、
    アンモニアを燃料として収容する燃料源タンクと、
    前記燃料を前記反応器内に導入するために前記タンクを前記反応器に接続する管路と、
    前記金属および/または金属含有化合物とアンモニアの反応によって前記反応器内で形成された中間体の分解を発生させるために前記反応器を加熱するように構成され、前記反応器に連結された加熱源と、
    水素を前記反応器から取り出すための前記反応器からの水素出口と、を備えた装置。
  12. 前記水素出口が燃料電池または原動機に接続される、請求項11に記載の装置。
  13. 請求項11または12に記載の装置を備えた車両。
JP2014536323A 2011-10-21 2012-10-22 アンモニアから水素を製造する方法 Active JP6078547B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB201118211A GB201118211D0 (en) 2011-10-21 2011-10-21 A method of producing hydrogen
GB1118211.0 2011-10-21
GB1208922.3 2012-05-21
GBGB1208922.3A GB201208922D0 (en) 2012-05-21 2012-05-21 A method of producing hydrogen
PCT/GB2012/000808 WO2013057473A1 (en) 2011-10-21 2012-10-22 A method for producing hydrogen from ammonia

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015502310A JP2015502310A (ja) 2015-01-22
JP6078547B2 true JP6078547B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=47116085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014536323A Active JP6078547B2 (ja) 2011-10-21 2012-10-22 アンモニアから水素を製造する方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9670063B2 (ja)
EP (1) EP2768771B1 (ja)
JP (1) JP6078547B2 (ja)
CN (1) CN103987656B (ja)
CA (1) CA2851986A1 (ja)
WO (1) WO2013057473A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2518687A (en) * 2013-09-30 2015-04-01 Stfc Science & Technology A method of producing hydrogen
JP6253366B2 (ja) * 2013-11-22 2017-12-27 太平洋セメント株式会社 金属アミドの製造方法および製造装置
CN103977828B (zh) * 2013-12-10 2016-02-10 中国科学院大连化学物理研究所 用于氨合成及氨分解的催化剂
JP6582011B2 (ja) * 2017-03-17 2019-09-25 澤藤電機株式会社 燃料電池システムを備えた輸送機器
KR102516703B1 (ko) * 2018-10-30 2023-03-31 삼성중공업 주식회사 부유식 수소공급장치
US11738332B2 (en) 2019-07-03 2023-08-29 Bettergy Corporation Metal alloy/oxide composite catalyst for ammonia decomposition
GB2589621A (en) 2019-12-05 2021-06-09 Res & Innovation Uk Method and system for producing hydrogen
US11724245B2 (en) 2021-08-13 2023-08-15 Amogy Inc. Integrated heat exchanger reactors for renewable fuel delivery systems
US20220389864A1 (en) 2021-05-14 2022-12-08 Amogy Inc. Systems and methods for processing ammonia
EP4352008A1 (en) 2021-06-11 2024-04-17 Amogy Inc. Systems and methods for processing ammonia
GB2608643A (en) * 2021-07-09 2023-01-11 Reaction Engines Ltd Thermally integrated ammonia fuelled engine
US11539063B1 (en) 2021-08-17 2022-12-27 Amogy Inc. Systems and methods for processing hydrogen
KR102598843B1 (ko) * 2021-09-29 2023-11-08 한국생산기술연구원 액체금속을 이용한 암모니아 분해 및 수소 생산 시스템
US11834334B1 (en) 2022-10-06 2023-12-05 Amogy Inc. Systems and methods of processing ammonia
US11866328B1 (en) 2022-10-21 2024-01-09 Amogy Inc. Systems and methods for processing ammonia
US11795055B1 (en) 2022-10-21 2023-10-24 Amogy Inc. Systems and methods for processing ammonia

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB191225891A (en) 1911-11-09 1913-10-13 Emil Heuer Improvements in or connected with Sliding Windows for Vehicles.
GB191125891A (en) * 1911-11-20 1912-11-14 George Beloe Ellis Improvements in the Manufacture of Alkali Amide.
US1646372A (en) * 1924-12-18 1927-10-18 Nat Aniline & Chem Co Inc Process of producing sodamide
US2163100A (en) * 1934-09-13 1939-06-20 Du Pont Production of finely divided sodamide
US4206191A (en) * 1978-02-13 1980-06-03 Lithium Corporation Of America Preparation of lithium amide
JP2003132926A (ja) * 2001-10-22 2003-05-09 Mitsubishi Electric Corp 燃料電池発電装置用改質器
WO2005005310A2 (en) * 2003-06-25 2005-01-20 General Motors Corporation Imede/amide hydrogen storage materials and methods
ITPG20060028A1 (it) * 2006-04-18 2006-07-18 Leonardo Valentini Apparecchiatura per la scissione termofisica catalitica dell'ammoniaca liquida nei costituenti azoto ed idrogeno allo stato gassoso
CN1944258A (zh) * 2006-10-24 2007-04-11 胥传习 氨基钠生产方法
US7640896B2 (en) * 2007-03-28 2010-01-05 Gm Global Technology Operations, Inc. Ammonia storage for on-vehicle engine
JP2009203129A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Toyota Motor Corp 水素供給装置及び燃料電池システム
JP5365037B2 (ja) 2008-03-18 2013-12-11 トヨタ自動車株式会社 水素生成装置、アンモニア燃焼内燃機関、及び燃料電池
JP2009272214A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよび車両
JP4807639B2 (ja) * 2009-03-18 2011-11-02 株式会社豊田中央研究所 水素化物複合体及び水素ガスの製造方法
JP5446352B2 (ja) 2009-03-18 2014-03-19 ダイキン工業株式会社 ヨウ素の精製方法ならびにヨウ素の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013057473A1 (en) 2013-04-25
CN103987656B (zh) 2016-09-21
CN103987656A (zh) 2014-08-13
US20150344302A1 (en) 2015-12-03
EP2768771A1 (en) 2014-08-27
EP2768771B1 (en) 2017-09-06
CA2851986A1 (en) 2013-04-25
US9670063B2 (en) 2017-06-06
JP2015502310A (ja) 2015-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6078547B2 (ja) アンモニアから水素を製造する方法
EP3052433B1 (en) A method of producing hydrogen
US20200165126A1 (en) Storing And Transporting Energy
US9506400B2 (en) Hydrogen generator, ammonia-burning internal combustion engine, and fuel cell
US8303676B1 (en) Conversion of C-O-H compounds into hydrogen for power or heat generation
CN107801405B (zh) 制备氢气的系统和相关的方法
US20040204503A1 (en) Method and apparatus for storage and transportation of hydrogen
KR101369891B1 (ko) 흡착흡장 연료전지시스템.
CN110835094A (zh) 甲醇水蒸气与氢混合气一体式超高压制氢系统及其方法
CN105189339B (zh) 用于制得金属氢化物浆料的方法和系统
CN110817799A (zh) 重整、分离一体式超高压制氢系统及其制氢方法
CN110817798A (zh) 甲醇水蒸气与氢混合气一体式中压制氢系统及其方法
JP2000340242A (ja) 燃料電池の排熱利用ヒートポンプ式水素精製装置
US20110064647A1 (en) Method for storage and transportation of hydrogen
Kudryavtsev THE NEW DEVICE FOR STORAGE AND GENERATION OF HYDROGEN.
RU2214569C1 (ru) Дизельная энергохолодильная система
CN110817795A (zh) 氢分离与水煤气重整一体式中压制氢系统及其方法
AU2011235957A1 (en) Storing and transporting energy

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150622

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160902

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6078547

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250