JP6077857B2 - β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸塩(HMB)の改善された投与方法 - Google Patents

β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸塩(HMB)の改善された投与方法 Download PDF

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Description

(関連出願)
[0001]本出願は、2009年12月18日に出願した米国特許出願第61/287,857号の優先権を主張し、その全文は参照により本明細書に組み込まれる。
[0002]本発明は基本的には、より効率的でより有効なβ−ヒドロキシ−β−メチル酪酸塩(HMB)の送達系に関し、より具体的には、等量のカルシウム塩形態のHMB(CaHMB)を投与するよりも、より効率的でより有効なHMBの投与方法をもたらすHMB遊離酸の投与に関する。
[0003]HMBが様々な応用環境で有用なことが分かっている。具体的には、米国特許第5,360,613号(Nissen)では、HMBが総コレステロール及び低比重リポプロテインコレステロールの血液レベルを減少させるのに有用であることが記載されている。米国特許第5,348,979号(Nissenら)では、HMBがヒトの窒素保持の促進に有効であることが記載されている。米国特許第5,028,440号(Nissen)は、動物の赤身を増加させるためのHMBの有効性を議論している。米国特許第4,992,470号(Nissen)ではまた、HMBが哺乳動物の免疫反応の増強に有効であると記載されている。米国特許第6,031,000号(Nissenら)では、疾患に関連する衰弱を治療するためのHMBと少なくとも1つのアミノ酸の使用が記載されている。米国特許第6,103,764では、筋肉量の実質的な増加を伴わずに、HMBが動物の筋肉の有酸素容量を高めることが記載されている。加えて米国特許第6,291,525号では、ヒトが心の状態を認知することの改善にHMBが有用であることが記載されている。
[0004]HMBが、癌性悪質液及びAIDSに関連した衰弱での除脂肪筋肉量の維持及び増加に好ましい効果をもつことが示されてきた。加えてHMBの使用は、筋肉損傷及び、筋肉の痛みや強度損失を引き起こす運動によって生じる炎症性反応に好ましい効果をもたらし、また、HMBの使用により、炎症を引き起こすサイトカインの増加が見られる。
[0005]これまでに、HMBを単独で又はその他のアミノ酸と併用してサプリメントとして摂取することが、若い運動選手の筋肉の強度及び機能の復元に有効であることが観察されてきた。さらに、HMBを2種類のアミノ酸、すなわちアルギニン及びリシンと併用することが、高齢者の筋肉量の増加に有効であることも観察されてきた。
[0006]HMBはアミノ酸であるロイシンの活性代謝産物である。タンパク質分解を抑制するためのHMBの使用は、ロイシンがタンパク質を節約する特性をもつことが観察されたことに由来する(文献18;文献24)。必須アミノ酸であるロイシンを、タンパク質合成又はα−ケト酸へのトランスアミノ化のいずれかに用いることができる(α−ケトイソカプロン酸、KIC)(文献24)。ある経路でHMBは、ロイシンのトランスアミノ化産物であるα−ケトイソカプロン酸の酸化により、肝臓で生成される。この経路では、およそ5%のロイシンが酸化される(文献28)。HMBはロイシンよりも優れた筋肉量及び筋肉強度の増強効果をもつ。HMBの最適効果は1日当たり3.0グラム、又は1日当たり体重1キログラムにつき0.038グラムで達成することができるが、ロイシンの最適効果には1日当たり30.0グラム以上が必要である(文献29)。
[0007]一旦生成又は摂取されたHMBは2つの運命をもつと考えられている。第一の運命は単純に尿中に排出されることである。HMBの摂取後、尿中のHMB濃度は上昇し、HMBのおよそ20〜50%が尿として失われる(文献26;文献52)。他方の運命は、HMBのHMB−CoAへの活性化に関わる(文献4;文献6;文献16;文献17;文献20;文献35;文献36;文献41;文献43;文献54)。一旦HMB−CoAへと変換されると、次の代謝、すなわちHMB−CoAのMC−CoAへの脱水又はHMB−CoAのHMG−CoAへの直接的な変換が起こる可能性があり(文献42)、これにより細胞内でのコレステロール合成の基質が供給される。いくつかの研究から、HMBがコレステロールの合成経路に組み入れられること(文献2−4;文献16)及び損傷を受けた細胞膜の再生に用いられる新しい細胞膜用のコレステロール源になる可能性があること(文献29)が分かっている。ヒトでの研究から、血漿CPK(クレアチンホスホキナーゼ)の上昇によって測定される激しい運動後の筋肉損傷が、HMBを補うことで減少することが分かってきた。HMBを毎日継続して使用することにより、その保護効果が少なくとも3週間現れることが示された(文献14;文献22;文献23)。
[0008]単離したラットの筋肉を用いた生体外での研究は、HMBが筋肉のタンパク質分解(文献32)、特にストレスを受けている間のタンパク質分解の強力な阻害剤であることを示している。これらの発見はヒトでも確認された。例えば、HMBは負荷をかけて行う筋力トレーニングを行っている対象での筋肉のタンパク質分解を阻害する(文献26)。この結果は多くの研究で一致している(文献14;文献22;文献33;文献46;文献53)(文献9−11;文献47;文献48;文献48)。C2C12筋肉細胞では、HMBは実験的に誘導した異化作用を弱める(例えば)。
[0009]HMBがタンパク質分解を減少させ、タンパク質合成を上昇させる分子機構が報告されている(文献10;文献44)。MAC16悪液質誘導性腫瘍に罹患しているマウスでは、HMBはユビキチン−プロテアソーム経路の重要な活性化因子を下方制御することによりタンパク質分解を弱める(文献47)。さらにHMBは、タンパク質分解誘導因子(PIF)の活性化を弱め、そしてマウス筋管でのユビキチン−プロテアソーム経路に関わる遺伝子発現を増加させることによりタンパク質分解を減少させる(文献48)。PIFはマウス筋管でのタンパク質合成を50%阻害し、そしてHMBはタンパク質合成でのこの低下を弱める(文献9)。Eleyらは、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)に及ぼす作用を介した真核生物翻訳開始因子2(eIF2)のリン酸化の下方制御及びラパマイシン/70−kDaリボソームS6キナーゼ(mTOR/p70s6k)経路の哺乳類標的の亢進を含む数多くの方法により、HMBがタンパク質合成を増加させることを示した。最終的に起こる結果は、4E−結合タンパク質(4E−BP1)のリン酸化の上昇及び活性型eIF4G−eIF4E複合体の増加である。これらの機序の多くがロイシンとHMBで共通するが、タンパク質合成の刺激についてはHMBがより強力であると考えられている(文献9)。
[00010]HMBはまた、リポ多糖(LPS)、腫瘍壊死因子−α/インターフェロン−γ(TNF−α/IFN−γ)、及びアンギオテンシンII(AngII)のようなその他の異化因子の作用に介在する共通な経路を弱めることにより、タンパク質合成を増加させることができる(文献10;文献11)。HMBはカスパーゼ−3と−8の活性化を弱めることにより、それに続くPKRの活性化の抑制とp38分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(p38MAPK)を下方制御することによる活性酸素種(ROS)の形成を介して作用する。ROS形成が増加すると、ユビキチン−プロテアソーム経路を介したタンパク質分解が誘導されることが知られている。HMBは、PKRの自己リン酸化とそれに続くeIF2αのリン酸化、そして部分的にはmTOR経路の活性化を介してこの抑制を達成する。
[00011]最近の報告では、HMBがロイシンのように、C2C12筋管でのmTORcl非依存性PI3Kシグナル伝達を刺激するかどうかが試験された(文献19)。HMBは、AKTSer473(±129%)、S6K1Thr389(±50%)及び4EBP1Thr65/70(±51%)のリン酸化を刺激した。HMBはロイシンよりも高い有効性で、例えばS6K1Thr389をそれぞれ±50%対±17%で、同化シグナル伝達を刺激した。予想通り、HMBをラパマイシン(mTORcl阻害剤)と共にインキュベートするとmTORclシグナル伝達の上昇が弱まったが、AKTのリン酸化は弱まらなかった(±188%)。一方、LY290042(PI3K阻害剤)と共にインキュベートすると、HMB誘導性のAKT及びmTORclシグナル伝達の両方の上昇が停止し、このことはHMBがPI3Kに依存した方法でmTORclにシグナルを伝達していることを示唆している。これらのデータは、HMBが、ロイシンの代謝産物であるにも関わらず、ロイシンが用いる機構とは異なる機構を介してmTORclにシグナルを伝達することを示唆している。
[00012]数多くの研究により、HMBの有効量が、CaHMBとして、1日当たり3.0グラムであることを示されてきた(1日当たり体重1キログラムにつき約38mg)。栄養補助食品としては、HMBカルシウム塩の一水和物が用いられてきた。この実験式はCa(HMB)−HOである。この用量は、負荷をかけて行う筋力トレーニングによって得られる筋肉量及び強度を増加させ、さらに過剰な運動による筋肉損傷を最小限に抑える(文献14;文献26;文献30;文献33)。HMBの安全性についての試験では、健康な若年成人又は高齢者では副作用は見られなかった(文献15;文献25)。HMBをL−アルギニン及びL−グルタミンと併用してAIDS及び癌患者に補った場合にも安全であることが分かっている(文献38)。
[00013]ヒトでの試験でもまた、1日当たり3.0グラムのCaHMBをアミノ酸と共に栄養補助食品として使用すると、癌及びAIDSのような様々な条件での筋肉量の減少が抑制されることが示された(文献5;文献12)。除脂肪体重及び筋肉強度を向上させるために、ウェイトトレーニングと併用してHMBを補給した場合のメタ分析から、HMBが、運動と併用した場合に除脂肪体重及び筋肉強度を向上させるたった2つの栄養補助食品の内の1つであることが分かった(文献30)。高齢者で1年間にわたって行ったより最近の研究により、HMBと、アミノ酸であるアルギニン及びリシンを併用すると、運動しないでも除脂肪体重が増加することが分かった。
[00014]運動するとロイシン酸化が増大するため、筋肉損傷の最適な予防とその後の回復には、運動中及び運動直後に最適レベルのHMBを摂取することが必要だと考えられる。さらに、損傷が起こっている間には炎症過程が刺激されるが、炎症を放置しておくとこれは有害となり、その結果治癒が遅れる。慢性炎症及び炎症性サイトカインが、心血管疾患及びII型糖尿病、並びに喘息、自己免疫疾患、炎症性腸疾患、慢性閉塞性肺疾患及び関節リウマチの根底にある主要な原因であることが分かってきた。
[00015]ヒトでの試験により、負荷をかけて行う筋肉トレーニングが、早ければ運動後1〜2時間から筋肉のタンパク質合成に良い効果を及ぼし、それが最大48時間続くことが示された(文献8;文献34)。複数の試験から、運動後のタンパク質合成を最大に刺激するため及びタンパク質分解を鈍化させるためには栄養素を摂取するタイミングが重要であることもまた示された(文献40)。栄養素を送達するのに最も適した時間は、運動後2時間以内と考えられる。Dreyerら(文献7)は、運動後の回復の1時間以内にロイシンを豊富に含む栄養溶液を摂取すると、mTORシグナル伝達経路及び筋肉のタンパク質合成が有意に増強されることを示した。
[00016]CaHMBの解離曲線は酢酸カルシウムのものと同様であり(文献49)、与えられた用量により、60〜120分の間にHMBは最高血漿濃度に達する。一般的な1グラム用量の場合には、最高血漿濃度到達時間は2時間であった(文献52)。従って、最大の利益を得るためには、CaHMBを運動の前に摂取する必要がある。
[00017]従って、HMBが筋肉に及ぼす効果には、HMBを投与するタイミングとHMBの血中濃度が重要である。HMBをより早くより効率的に送達できる系が必要とされている。
米国特許第5,360,613号(Nissen) 米国特許第5,348,979号(Nissenら) 米国特許第5,028,440号(Nissen) 米国特許第4,992,470号(Nissen) 米国特許第6,031,000号(Nissenら) 米国特許第6,103,764号 米国特許第6,291,525号
[00018]本発明では、HMBを遊離酸の形で投与する(「HMB酸」)。HMB遊離酸の投与は組織に対するHMBの効果を向上させるため、CaHMBを投与するよりも、より迅速でより効率的な組織へのHMBの供給方法を提供する。基質を用いた遊離酸型HMBの経口摂取又は舌下投与はHMBの直接的で迅速な吸収をもたらし、HMBの組織に対する効果を高める、より良い送達方法を提示している。
[00019]一実施例では、ゲルのような可溶性基質に溶解した中和したHMBを用いて、遊離酸型HMBを直接送達する。有効量の遊離酸型HMBを経口経路又は舌下経路でヒトに投与する。
本発明は、下記の態様を包含する。
(1) β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMB酸を約0.5グラム〜約30グラム含み、該組成物の効果が等量のHMB組成物のカルシウム塩を投与するよりも高くなる、上記組成物。
(2) 該組成物によって生じる高くなる効果が、窒素保持の向上、タンパク質節約の向上、除脂肪体重の増加、筋肉機能の向上、筋肉性能の向上、ストレスに曝された筋肉での筋肉損傷の低減、傷つけられた筋肉での筋肉損傷の低減、ヒトの免疫反応の向上、疾患に関連する衰弱の減少、ヒトの脂質プロファイルの向上、及びヒトの心の状態の改善から成る群より選択される、(1)に記載の組成物。
(3) 該HMB酸をゲルとして投与する、(1)に記載の組成物。
(4) 舌下に投与するための、(1)に記載の組成物。
(5) 嚥下するための、(1)に記載の組成物。
(6) 24時間当たり1回投与するための、(1)に記載の組成物。
(7) β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMB酸を約0.5グラム〜約30グラム含み、HMBの効果が等量のHMB組成物のカルシウム塩を投与するよりも少なくとも10%上昇する、上記組成物。
(8) 該組成物によってもたらされる効果の向上が、窒素保持の向上、タンパク質節約の向上、除脂肪体重の増加、筋肉機能の向上、筋肉性能の向上、ストレスに曝された筋肉での筋肉損傷の低減、傷つけられた筋肉での筋肉損傷の低減、ヒトの免疫反応の向上、疾患に関連する衰弱の減少、ヒトの脂質プロファイルの向上、及びヒトの心の状態の改善から成る群より選択される、(7)に記載の組成物。
(9) β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMB酸を約0.5グラム〜約30グラム含み、HMBの血漿濃度が等量のHMB組成物のカルシウム塩を投与するよりも大幅に上昇する、上記組成物。
(10) β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMB酸を約0.5グラム〜約30グラム含み、HMBの最大血漿濃度到達時間が、等量のHMB組成物のカルシウム塩を投与するよりも短縮される、上記組成物。
(11) β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMB酸を含み、HMBの効果を向上させる上記組成物。
(12) HMB酸によってもたらされるHMBの効果の向上が、窒素保持の向上、タンパク質節約の向上、除脂肪体重の増加、筋肉機能の向上、筋肉性能の向上、ストレスに曝された筋肉での筋肉損傷の低減、傷つけられた筋肉での筋肉損傷の低減、ヒトの免疫反応の向上、疾患に関連する衰弱の減少、ヒトの脂質プロファイルの向上、及びヒトの心の状態の改善から成る群より選択される、(11)に記載の組成物。
(13) HMB酸によってもたらされるHMBの効果の向上が、HMBの血漿濃度の大幅な上昇及びHMBの最大血漿濃度到達時間の短縮から成る群より選択される、(11)記載の組成物。
(14) β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMB酸を基準として、体重1キログラムにつき24時間当たりの量が、0.01〜0.02グラムの範囲のHMBを含み、該組成物の効果が等量のHMB組成物のカルシウム塩を投与するよりも向上する、上記組成物。
(15) 組織によるβ−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)の利用を向上させる組成物であって、HMB酸を約0.5グラム〜約30グラム含み、組織によるHMBの利用が向上する結果、等量のカルシウム塩HMB組成物を投与するよりも代謝効果の改善が生じる、上記組成物。
[00020]図1は、一連の激しい運動を行った後のCPK及びLDHの血漿レベルを示している。 [00021]図2は、一連の激しい運動を行った後の筋肉強度及び主観的な痛みを示している。 [00022]図3は、実験的な実施例1で見られたHMBの血漿濃度を示している。 [00023]図4は、HMBの最高血漿濃度及び最高濃度到達時間を示している。 [00024]図5はHMBの血漿濃度を示している。 [00025]図6は、HMBの最高血漿濃度及び最高濃度到達時間を示している。 [00026]図7は、尿に排出されたHMB用量をパーセンテージで示している。 [00027]図8は本発明の治療計画を示している。 [00028]図9は並外れて激しい一連の運動を行った後のCPKの変化を示している。
[00029]本発明は、HMBのヒトへの送達方法であり、具体的には、遊離酸型HMBの投与が、CaHMBを含むその他の形態のHMBを投与するよりもHMBの効果の上昇をもたらすようになる、HMB酸のヒトへの投与方法である。HMB酸を使用することで、ヒト組織へのHMBの効果が向上する。HMB酸を投与すると、その他の形態のHMBを投与するよりも、筋肉損傷とそれに付随する炎症反応に対する保護効果が有意に上昇する。さらに遊離酸型HMBの投与はまた、悪液質及び衰弱状態での筋肉の保存にも効果があり、また、心血管疾患などの数多くの疾患を引き起こす可能性のある慢性炎症を含む炎症の鈍化に作用する。遊離酸型HMBがCaHMBよりも筋肉損傷を低下させるという予想外の驚くべき発見は、遊離酸型HMBが損傷によって生じる炎症反応もまた減少させる可能性があることを示している。HMB遊離酸の投与は、栄養又は医薬用補助食品として広く応用されており、多くの人々に影響を与える可能性がある。
[00030]本発明では、HMBをその遊離酸型としてヒトに投与する。遊離酸型HMBには、基質又はゲルなどの担体が付随してもよい。好ましい態様では、遊離酸型HMBを経口又は舌下で投与するが、HMBを投与するいかなる手段も適切である。HMB酸は市販されている。
[00031]HMBの酸型は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸、又はβ−ヒドロキシ−イソ吉草酸と呼ばれており、また、「HMB酸」と呼ぶことができる。構造式は(CHC(OH)CHCOOHであり、その分子は以下の通りである。
[00032]本発明では、有効量のHMB酸をヒトへ投与する。有効量は、24時間当たり体重1キログラムにつき、約0.01グラム〜約0.2グラムの範囲のHMB酸となる。HMB酸を、1日当たり約0.5グラム〜約30グラムであるHMB酸の有効量でヒトに投与してもよい。有効量のHMB酸は等量のCaHMBを投与するよりも、HMBの血漿濃度の大幅な上昇及び/又はHMBの最高血漿濃度到達時間の短縮を生じる。HMB酸の投与による効果の向上は、等量のCaHMBを投与するよりも10%、20%、30%、50%、75%、100%、200%、400%、500%又はそれ以上になるだろう。HMB酸とその他の形態のHMBの比較は、当業者に知られているHMBの標準的な指標を用いて、HMBの効果又は効率に基づいて行われるだろう。
[00033]実施例では、HMB酸は可溶性のゲルとして投与されるが、本発明はHMB酸を含む可溶性のゲル又は基質の使用には限定されない。固体、錠剤、カプセル、及び経口静脈注射用溶液のような液体などの任意の薬学上許容可能な形態のHMB酸が本発明の範囲に含まれるが、HMB酸の形態はこれらには限定されない。HMB酸を、様々なデンプン及び食塩水を含むがこれらには限定されない任意の薬学上許容可能な担体を用いて投与することができる。好ましい態様では、有効量のHMB酸を1日に2回又は3回の用量で投与するが、当然のことながら、有効量のHMB酸を単回用量で1日1回投与することも本発明の範囲内であり、1日当たりのHMBの投与回数が何回になっても同様に本発明の範囲内である。
[00034]HMB酸の送達は、最も一般的にはHMB酸を含むゲルのような可溶性基質の送達は、CaHMBを含む塩としてのHMBの投与又はエステル若しくはラクトンなどのその他の形態のHMB投与よりも、HMBの同化作用を有意に上昇させ、CPKを顕著に減少させる。一態様では、HMB酸ゲルの投与は、等量のCaHMBを投与した場合と比較して、HMBが約1/4の時間で2倍の最高血漿濃度に達し、かつ、等量のCaHMBと比較して、血漿クリアランスで測定した送達の効率が25%向上した。
[00035]この送達方法は応用範囲が広い。HMBの既知の使用方法又は有効性には、窒素保持及びタンパク質の節約の向上、除脂肪体重の増加、筋肉機能及び/又は筋肉の性能の向上、ストレス又は損傷に曝された筋肉での筋肉損傷の低減、ストレス又は損傷に曝された後の筋肉の炎症反応の低下、ストレス又は損傷後の体の免疫反応の向上、衰弱(癌、慢性肺疾患、年齢、慢性腎臓疾患、長期入院又はAIDSに伴う衰弱)に関連した疾患の治療、低比重リポ蛋白(LDL)から高比重リポ蛋白(HDL)へなどの脂質プロファイルの向上、並びにヒトの心の状態の改善が含まれるがこれらには限定されない。より有効でより効果的なHMBの投与方法は、これら既知のHMBの使用で、幅広い用途に用いられる。
[00036]HMB酸の使用については既に述べられているが、遊離酸形態のHMBは、先行技術で提案されているHMBのカルシウム塩やその他の塩と等価であると考えられていた。HMB酸とHMB塩の効果の差についてはこれまでには試験されていなかった。
[00037]これまでは、遊離酸形態のHMBについての詳細な試験及び商業利用の両方に対して数多くの障害があり、また、差がないと考えられていたことから、HMBの商業的供給源としてはカルシウム塩が採用された。最近まで、包装、具体的には栄養補助食品の流通には、粉末形態の栄養素が取扱いに適していた。そのため、HMBのカルシウム塩が広く受け入れられた。HMB酸は液体であるため、配送、又は製品に組み込むことが非常に難しい。
[00038]その他のカルシウム塩とは異なり、この分子のカルシウム成分とHMB成分は非常に容易に解離することが分かっており、このことが遊離酸型HMBとHMBカルシウム塩との間に生理学的な差がないだろうという仮説を指示した。
[00039]加えて、HMBカルシウム塩の形成及び結晶化は、製造過程の最終的な精製段階として用いられてきた。特に、結晶化に使用が制限された化合物は3,3−ジメチルアクリル酸であった。この化合物は遮るのが難しい異臭を生じる。現在のHMBの製造過程では、高純度HMB遊離酸の製造が可能になり、HMB遊離酸の経口摂取が可能となった。現在では、経口摂取に十分な純度の商業的な供給源があるだけでなく、HMB酸を経口摂取するには緩衝化する必要があり、この過程はこれまでHMBの使用を阻害していた上述の要因により近年にやっと決定された(文献19)〜(文献49)。
[00040]カルシウム塩中のカルシウムとHMBの結合は緩やかで(文献49)、これまでは、HMBを遊離酸として又はカルシウム塩としてのいずれで経口投与しても違いはないだろうと考えられていた(文献19)。実施例1で示したように、HMB酸の経口投与によって達成される血漿濃度に驚くべき違いがあるだけではなく、血漿クリアランスも25%上昇し、このことは、筋肉量と機能に対する効果の向上を伴う組織によるHMB消費の増加を示している。遊離酸型のHMBは、モル等量を与えた場合、HMBのカルシウム塩と比較してHMBの血漿レベルを約4分の1の時間で2倍にする。実施例2では、筋肉に激しい運動をさせた場合、CaHMBよりも遊離酸型で投与したHMBがより保護的であり、筋肉に対する効果の向上がはっきりと示されている。
[00041]CaHMBはpHが中性から酸性の水溶液に可溶性であり、容易に解離することか知られていることから、当業者は、外観上の短い時間のずれはこの解離工程によるものだと予測していた。ゼラチンカプセルに入れて投与したCaHMBの消化管での溶解時間は10〜15分の範囲である。そのため当業者は、HMBをCaHMBとして又はHMB酸としてのどちらで投与してもHMBの吸収と最高血漿濃度は同様になると予測していたが、記載された差についてはわずかな遅れだった。しかしながらこれらの予測とは対照的に、2つの形態の間では、ピーク血漿に有意な差が認められた。ある例での最高血漿時間の差は90分であり、これは、カプセルの溶解とCaHMBの解離によって説明されるよりも数倍長い。
[00042]当業者はまた、ほぼ同量の栄養素であるHMBが消化管中に放出され、CaHMBの曲線が時間軸に沿ってさらにシフトしたことから、血漿ピークと曲線下面積も同様であると予測していた。HMB酸を投与したときの予想外の結果は血漿中のHMBのピークレベルが2倍であることである。
[00043]さらなる予想外の結果は、血漿中でのHMBの高いクリアランス(利用)である。腎臓にその栄養素に関する保持機構がない限り、多くの栄養素は類似した血漿及び尿プロファイルをもつ。今のところHMBに関するものは知られていないため、当業者は、HMBの最高血漿濃度が2倍になれば、より高いパーセンテージ用量のHMBが尿に排出されるだろうと考えていただろう。繰り返すと、これは観察されず、そのことは予期しなかった発見である。このことは、より高いクリアランス率と共に、HMBの組織による利用が増加したことを示しており、繰り返しになるが、これは驚くべき発見だった。
[00044]実験的実施例で、特に実施例2で示したように、HMB酸は運動後の筋肉損傷を最小限にする点でCaHMBよりもより早く効果を表す。この2番目の実施例は、実施例1の発見からは直接予測できなかった有効性を示している。
[00045]本発明の方法を、以下の実験的実施例により、さらに説明する。
実験
実施例1:HMB酸ゲルとカプセル形態のCaHMBの吸収の比較
材料及び方法
[00046](ヒト対象) 試験1では、大学生の年齢の、4人の男性及び4人の女性を対象として試験した。試験2では、大学生の年齢の、別の4人の男性及び4人の女性を試験した。両試験のプロトコールはアイオワ州立大学(Iowa State University)IRBで認可され、そして各対象は試験に参加するためのインフォームドコンセントを提出した。治療の特性により、患者だけでなく研究者らに対しても盲検でなくてもよい。
[00047](治療) 両試験群の対象に、同じ処置を行った。3種類の治療を無作為な順番で各対象に行い、治療と治療の間には少なくとも1週間の休薬期間を設けた。治療はMetabolic Technologies, Inc.(MTI、エームズ、アイオワ)により供給され、食品等級の成分を用いて準備された。1グラムのCaHMB又は等価なゲル形態の遊離酸型HMBを対象に投与した。CaHMBカプセルは、市場向けのサプリメント製造業者から入手した(Optimum Nutrition、オーロラ、イリノイ)、HMB酸ゲルはMTI研究所で準備した。簡単に説明すると、炭酸カリウム(KCO)でHMB酸のpHを4.5に調整し、その後香料及び甘味料を添加した。1.0gのCaHMBカプセルを355mLの水(およそ12オンス)と共に摂取した。遊離酸ゲルの用量は0.80gであり、カプセル中のCaHMBに含まれる遊離酸と等価であった。遊離酸ゲルによる治療は、嚥下する(FASW)か、又は舌下で15秒間保持し、その後嚥下する(FASL)のいずれかとした。FASWは、3mlのシリンジに入れた全用量を口腔内に排出する工程、嚥下する工程、そしてその後355mLの水を飲む工程を含む。FASL対象には、舌下に全用量を入れ、そしてその用量を15秒間維持するための説明を行った。彼らはその後、口をすすぎ、そして335mLの水を飲んだ。
[00048](試験1の計画) 試験1の対象は、一晩絶食した翌朝、研究所に出向いた。サプリメント治療のうちの1種を摂取する前に、可撓性の滅菌ポリエチレン製カテーテルを無菌的手技により前腕の静脈に挿入し、摂取前の血液試料を採取した。その後血液試料を、治療を摂取した後、0、2、5、10、15、25、35、45、60、90、120及び180分に採取した。血漿を分離し、試料をHMB濃度の解析用に−70℃で凍結保存した。加えて、摂取前試料の一部と180分での血液試料を、グルコース、尿酸、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、塩素、二酸化炭素、リン酸、タンパク質、アルブミン、グロブリン、アルブミン:グロブリン比、総ビリルビン、直接ビリルビン、アルカリホスファターゼ、乳酸塩脱水素酵素、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ(GGT)、鉄結合能(TIBC)、非飽和鉄結合能(UIBC)、鉄、鉄飽和、総コレステロール、トリグリセリド、高比重リポ蛋白(HDL)、低比重リポ蛋白(LDL)、及びコレステロール比の測定に用いた(LabCorp、カンザスシティー、ミズーリ)。治療の前及び治療期間の180分後に、完全血球算定(CBC)もまた行った。対象らはまた、実験の間に彼らが経験する可能性のある何らかの身体症状(悪心、頭痛などのような)について、簡単なアンケートに答えた。
[00049](試験2の計画) 試験1に以下のような修正を加えて試験2を行った。試験2では、1440分(24時間)でのHMBの血漿レベルを測定し、また、この期間でのHMBの尿中排泄を測定するために、全尿を回収した。180分の血液試料を採取した後、対象は研究所を離れることを許可され、そして血液試料をさらに採取するために、サプリメント摂取後360、720、及び1440分に研究所に戻るように説明された。試験1と同様に、対象はそれぞれ、治療の間に少なくとも1週間の休薬期間をはさんで、それぞれの治療を摂取した。血漿及びHMBの尿での濃度を解析するために、試料はここでも−70℃で凍結保存した。試験1で既に行ったのと同じ測定を、ここでも摂取前、180分後及び1440分後の血液試料について試験した。対象は180分での血液採取の後に統一した昼食が提供され、摂取後およそ240分にこれを食べるように説明を受けた。720分の血液採取の後、対象は午後10時までに通常の夕食を食べるように説明を受けた。対象は翌朝、絶食した1440分での血液試料について研究所に報告した。尿回収容器が提供され、対象は実験の24時間の実験期間の間に排出された全ての尿を回収した。回収されなかった尿は、冷蔵庫で保存した。尿容積を測定し、全尿回収の試料を取って、HMBについて分析するまで−70℃で凍結保存した。
[00050](HMB解析) これまでに記載されているように(文献27)、血漿及び尿HMBをガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)で分析した。
[00051](計算及び統計) 基準より上の面積を合計する台形法により(文献51)、それぞれの対象について、曲線下面積を計算した。試験2では血漿HMBの半減期を計算した。以下の式を用いた。
k=(In(Cpeak−In(Ctrough))/Tinterval
1/2=0.693/k
[00052]各対象の最高血漿濃度をCpeakに用いた。720分での血漿濃度が基準と有意な差がなかったため、トラフ濃度、すなわちCtroughは720分で測定した濃度である。TpeakはCpeakが測定された時間であり、TintervalはTpeakからCtrough(720分)時点までの時間である。細胞外液分画は体重の20%と仮定し、以下の式3を用いて計算した(文献1)。その後、HMBの血漿クリアランスを、式4に示したように、細胞外液分画であるVと排泄定数であるKelとを乗算することにより計算した{Thalhammer, 1998 9588/同上}。
=体重(0.20)
クリアランス=V(Kel)(50)
[00053]データを、SAS中のProc GLMを用いて、クロスオーバー法により解析した(文献45)。各時点で測定した血漿HMBについては、反復測定多項式モデルを用いた。このモデルには、対象、順序、並びに必要に応じて、治療の相互作用による治療の主要効果及び時間を含めた。その他の指標についてもまた、対象、順序、治療の主要効果及び治療の主要効果について報告されたp値を含むProc GLMを使用した。p<0.05の場合に統計的な有意差があると見なし、0.05<p<0.10の場合に傾向があると見なした。
[00054]結果
[00055]試験結果を図1〜7に示す。図1は、一連の激しい運動を行った後のCPK及びLDHの血漿レベルを示している。図2は、一連の激しい運動を行った後の筋肉強度及び主観的な痛みを示している。図3は、試験1での血漿HMBレベルを示している。値は平均±SEMであり、n=男性4人と女性4人である。遊離酸での治療対CaHMBカプセルについて、=p、0.05、+=p、0.001、+p、0.0001である。図4は、試験1での、CaHMB、HMB酸ゲルの嚥下(FASW)、又はHMB酸ゲルを舌下で維持し、その後嚥下する(FASL)のいずれかを単回投与した後の、最高血漿HMB濃度と、最高濃度到達時間を示している。**=p、0.0002。図5は、試験2の血漿HMBレベルを示している。値は平均±SEMであり、n=男性4人と女性4人である。=p、0.05、+=p、0.01、++p、0.0001。図6は、試験2で、CaHMB、HMB酸ゲルの嚥下(FASW)、又はHMB酸ゲルを舌下で維持し、その後嚥下する(FASL)のいずれかを単回投与した後の、最高血漿HMB濃度と、最高濃度到達時間を示している。**は、濃度についてはp<0.0002であり、時間についてはp<0.0001である。図7は、摂取後24時間で、尿中に排出されたHMBの量の割合と、保持された量の相対的な割合を示している。=p<0.002。
[00056](対象の特徴) 表1は試験1及び2の対象の特徴を示している。各試験で同数の男性及び女性を対象とし、そして3回の治療期間を通じて、各試験群の体重を一定に維持した。全ての対象は、各試験で全3回の試験プロトコールを完了した。治療による、悪心のような治療摂取後の副作用は、いずれの試験でも報告されなかった。
[00057](試験1の結果:表2〜4) 表2は、最高血漿濃度(Cpeak)及び最高血漿濃度到達時間(Tpeak)を説明している。カプセルで摂取したCaHMBの最高血漿HMB濃度は131±10nmol/mLであったが、遊離酸ゲルのFASW又はFASL送達のいずれかで摂取したHMBの濃度は有意に上昇し(259±24及び231±21nmol/mL、それぞれ、p<0.0001)かつ、血漿HMBレベルのピークが、カプセルによるCaHMBでは121.9±15.6時間であったのと比較して早くなった(33.1±4.6及び36.3±1.3分、それぞれ)(p<0.0001)。180分では、全ての送達方法について血漿HMBはまだ基準よりも高く、かつ、治療による3群間の差は無かった。3種類の治療後の血漿HMB濃度の曲線下面積(AUC)もまた、表2に示す。ゲル形態のHMBの投与による曲線下面積(AUC)は、FASWとFASLのそれぞれで、97%と91%大きくなった(p<0.0001)。ここでは、FASW又はFASLによって送達したHMB酸ゲルの間に差は無かった。
[00058]表3は、試験1での血液化学を示している。測定したいずれの時点または差について、主効果である治療の違いに有意な差は無かった。表4は、試験1で測定した血液学を示している。測定期間にわたって、FASW群ではリンパ球の絶対数が非常に大幅に減少した(p<0.04)。このことは主に、試験開始時点でFASW群が有していたリンパ球の数がより多い傾向にあったことによる(p<0.09)。試験終了時ではリンパ球数に有意差はなく、平均は全て、リンパ球数の正常な限度内にあった。
[00059](試験2の結果:表2、5〜7) 24時間の血漿HMBを観察し、この同じ期間の間の尿中排泄を測定するために、試験2を実施した。試験1と同様に、遊離酸ゲル中に加えたHMBをFASW及びFASLの両方で与えた場合、CaHMBカプセルよりも、血漿HMBの迅速な上昇と有意な増加が認められた。180分では、全ての治療の血漿HMB濃度は同程度であった(およそ110nmol/mL)。360分と720分では、カプセルによるCaHMBによって維持された血漿HMB濃度が僅かに高かった(p<0.05)。
[00060]表5には、最高血漿HMB濃度(Cpeak)、最高血漿HMB濃度到達時間(Tpeak)、及び血漿HMB半減期を挙げている。カプセルによるCaHMBの血漿HMB濃度は、135.0±17.0分で131.2±6.0nmol/mLのピークに達するが、FASW及びFASLでのHMBの血漿ピークは、より短い時間(p<0.0001)でより高くなり(p<0.0003)、FASW及びFASLのそれぞれについて、41.9±5.8分で238.6±16.0nmol/mL、また38.8±2.6分で247.6±19.8nmol/mLであった。
[00061]表5に示したように、カプセルによるCaHMBの血漿半減期は3.17±0.22時間であった。HMBのFASWとHMBのFASLの半減期はそれぞれ、2.50±0.13時間と2.51±0.14時間であった(p<0.004)。試験2で測定した曲線下面積及び尿中HMBも表5に示す。24時間にわたって遊離酸ゲルとして投与したHMBのAUCは、FASWとFASLのそれぞれで15.4%と14.3%であり、カプセル中に入れて投与したCaHMBよりも有意に大きかった(p<0.001)。最高血漿HMB及びAUCが有意に上昇したにもかかわらず、HMBの尿中排泄は遊離酸ゲル治療によって有意に上昇せず、HMBの尿中排泄では、CaHMB、FASW及びFASLのそれぞれで、14.7±2.0%、17.8±2.9%、及び17.2±2.5%が開始時用量から失われた。HMBクリアランスは、CaHMB形態と比較して、遊離酸ゲルではおよそ25%上昇した(P<0.003)。
[00062]試験2の間に測定した血液化学を表6に、試験2で測定した血液学を表7に示す。24時間内に変化した指標の統計分析では、測定したいずれの化学的又は血液学的な値においても、統計的に有意な変化(p<0.05)は見られなかった。塩素では差がある傾向が強く認められた(p<0.06)。期間中、FASLはFASWと比較して大幅な上昇を示したが、FASWもFASLもCaHMBに対しては有意な差を示さなかった。ナトリウムでも一定の傾向が見られ、測定期間中、FASWはFASW又はCaHMBと比較して大幅な上昇を示した(p<0.07)。塩素及びナトリウムの期間中の平均値は正常な値の範囲内であった。
[00063]考察
[00064]本試験から、遊離酸ゲル形態のHMBの経口又は舌下投与が、硬ゼラチンカプセル中に入れカルシウム塩として投与したHMB(CaHMB)と比較して、血漿HMBのより迅速な上昇と上昇の維持をもたらすことは明かである。HMBの遊離酸ゲルの投与は、血漿中HMBの半減期又は尿中排泄の大きな変化を伴うことなく、血漿HMBのAUCを有意に上昇させた(平均+14.8%)。合わせてこれは、HMBのクリアランス及び組織による利用を有意に上昇させ、組織による利用はCaHMB形態の利用よりも25%高かった。このデータは、HMBをこの形態で送達することによる効果の向上を示している。
[00065]この試験からの発見はCaHMB送達の血漿動力学に関連しており、Vukovichら(文献52)によってこれまでに報告されているものと一致する。CaHMBの送達方法に大きな違いがあるにも関わらず(Vukovichらは250mgのカプセル4錠を用いたのに対し、本試験では1グラムのカプセルを用いた)、最高血漿濃度、最高濃度到達時間及び血漿半減期に関するデータは一致している。興味深いことにゲル形態にした遊離酸としてのHMBの送達では、血漿濃度がCaHMBの経口投与のおよそ2倍に達したにもかかわらず、最高濃度到達時間が短縮されたが(遊離酸形態の利用ではほぼ90分短縮された)、半減期は同様であった。複数の研究により、運動中の栄養補助食品としてのHMBの利用が支持されてきた。HMBが筋タンパク及び膜の分解を低減させることが示され(文献22;文献23;文献26)、並びにタンパク質合成を増強させることが示されてきた(文献10)。そのため、運動中の血漿HMB濃度を高くすること及びこれまでの報告(文献26;文献29;文献52)と同程度又はそれ以上にHMBを保持することが有用であると考えられる。この点で、CaHMBの経口投与は、非常に負荷の強い任意の一連の運動を行う少なくとも2時間前に投与する必要があるが、HMB遊離酸ゲルは運動を行う前に投与してもよく、ほぼ即効性である。
[00066]遊離酸形態のHMBの送達はまた、HMBの有意に高い保持にも関連した。遊離酸ゲル形態を投与するとAUCが有意に増大したが、尿中排泄は有意に増加せず、このことはCaHMB形態と比較して、HMBの保持及び組織による利用がより多くなったことを示していると考えられる。血漿クリアランスを基にした、保持されたHMBの量は、HMB酸ゲルではCaHMBと比較して25%高かった。Vukovichらによるこれまでの試験では、3グラムのCaHMBの経口送達によって生じる最高血漿濃度は、1グラム用量で達成されるものよりも3倍高いことが分かった(52)。Nissenらは、1日当たり1.5グラム又は3グラムいずれかのCaHMBを、1日2回、経口投与した場合の用量依存反応を示した。彼らは、CaHMBの最適用量は3.0グラムであり、筋肉損傷の指示物質であるクレアチンキナーゼ(CK)とタンパク質分解の指示物質である3−メチルヒスチンの放出を減少させることを示した(文献26)。同様の発見は、1日当たり6グラムの投与が1日当たり3グラムよりもより有益であることをも示したGallagherによって報告された(文献14)。総合すると上記試験は、筋肉に有用なHMBを運動中により多く摂取することの有効性を示している。
[00067]遊離酸ゲルによるHMBの送達は、カプセルに入れたCaHMBの投与と比較して、HMBの血中濃度ピークをより早く、かつ、より高くし、そして濃度を同程度に維持する。この形態の送達は、CaHMBの経口投与について現在及びこれまでに分かっているもの(文献15;文献25)と同程度に安全である。
実施例2
[00068]この実施例では、一連の激しい運動を行った後の筋肉損傷におよぼすHMB酸ゲルの投与の効果を、カルシウムHMBの効果と比較した。実施例1に示したように、HMB遊離酸を投与すると、CaHMBと比較して、HMBの最高血漿濃度とHMBのクリアランス率が上昇した(文献13)。この実施例は、一連の激しい運動の前後に遊離酸ゲルとして投与したHMBのより迅速な反応が、HMBをカルシウムHMB塩として投与するよりも、筋肉損傷に対してより保護的であること示している。
[00069]HMB及び運動が、筋肉損傷マーカー及び炎症性因子に及ぼす効果。負荷をかけて行う運動又は最大限の運動のような激しい運動は、筋肉細胞からのクレアチンホスホキナーゼ(CPK)の漏出を増加させる(文献21;文献31)。ヒトでの試験から、血漿CPKの上昇によって測定した運動後の筋肉損傷が、カルシウムHMBの補給によって低下することが分かってきた(文献14;文献22;文献26;文献33)。登り坂と下り坂を含む大学のクロスカントリーのコースを継続して20km走った後の筋肉損傷についての試験から、持続したカルシウムHMBの投与が血漿CPKの上昇の抑制に、走行後4日間にわたって有効であることもまた分かった(文献23)。Nissenらは(文献26)、CPKの減少におけるカルシウムHMBの量的効果(1日当たり3.0グラムが1日当たり1.5グラムよりも有効である)と、その結果の尿中3−メチルヒスチジン(3−MH)の有意な減少を示し、ここで、3−メチルヒスチジンは、よく確立された筋原繊維のタンパク質分解の指示物質である(文献39)。Gallagherらは、負荷をかけて行う運動を行っている大学生の男性37人に、1日当たり3.0(体重1kg当たり38mg)及び6.0グラム(体重1kg当たり76mg)のカルシウムHMBに相当するHMBを補給した。両用量とも、除脂肪体重及び強度増加に同様の効果を示したが、より高い用量の方がCPKの漏出を最小限に抑える点で有意な改善をもたらし、このことは、運動後の筋肉損傷の有意な回復を示唆している。これらの観察は、より高い血漿HMB濃度が運動後の筋肉損傷に対してより保護的である可能性を示している。
[00070]実施例1で示したように、遊離酸としてのHMB(ゲルに加えた)はカルシウムHMBより早く吸収され、その結果HMBの血漿濃度が上昇し、そして筋肉よってより早く利用される。
(方法)
[00071]対象: アイオワ州立大学ヘルスアンドヒューマンパフォーマンス研究室(Iowa State University Health and Human Performance Laboratory)で試験を実施した。この試験はアイオワ州立大学の施設内治験審査委員会(Iowa State University Institutional Review Board)で認可され、ClinicalTrials.gov(NCTOl 150526)に登録された。アイオワ州立大学の共同体と周辺地域から、年齢が20才から36才の間の、12人の男性と13人の女性に試験に参加してもらった。
[00072](治療) 実験計画を図8に示す。5種類の治療を以下のように投与した。
・治療1: 偽薬。この群は、各回の投与で偽薬カプセルと偽薬のシリンジ投与を受けた。
・治療2: CaHMB、運動前。この群は、一連の激しい運動の30分前に、CaHMBカプセルと偽薬のシリンジ投与を受けた。試験期間中の残りの投与では、偽薬カプセル1錠と、偽薬のシリンジ投与1回を受けた。
・治療3: HMB酸ゲル、運動前。この群は、一連の激しい運動の30分前に、偽薬カプセルとHMB酸ゲルのシリンジ投与を受けた。試験期間中の残りの投与では、偽薬カプセル1錠と、偽薬のシリンジ投与1回を受けた。
・治療4: CaHMB、運動前後。この群は、試験期間中の全ての投与時間に、CaHMBカプセルと偽薬のシリンジ投与を受けた。
・治療5: HMB酸ゲル、運動前後。この群は、試験期間中の全ての投与時間に、HMB酸ゲルのシリンジ投与と偽薬カプセル1錠を受けた。
[00073]研究者と対象の両方に対して治療を隠すために、対象は各投与でカプセルとシリンジ投与を受けた。カプセルには1グラムの乳酸カルシウム(偽薬)又は1グラムのβ−ヒドロキシ−β−メチル酪酸カルシウム(CaHMB)のいずれかが含まれていた。シリンジ投与は、味及び外観が同じようになるように処方され、かつ、0.8グラムのコーンシロップ(偽薬)又は0.8グラムのβ−ヒドロキシ−β−メチル酪酸遊離酸、すなわちカプセルの用量と同量のHMBになる、のいずれかを含んだ。3種類の1日用量は、合計して同量のHMB用量を提供した(カプセルに入れた、カルシウムHMBとして2.4g又はシリンジに入れたHMB遊離酸として2.4g)。
[00074](一連の激しい運動) 対象は、研究所に来所する前の3日間は、激しい運動を自制した。全ての対象について、一晩絶食した後に試験した。対象から絶食時血液試料を採取し、その時点で尿を回収した。その後、対象は彼らに割り当てられたサプリメントを消費し、30分後に一連の激しい運動を行った。この運動は、バイオデックスのレバーアームが、膝関節を完全に伸展した状態から90℃曲がるように動かすのに抵抗する、膝伸筋の50最大効果収縮からなる。これは、着席した状態で、重い物をゆっくりと下に移動させる運動と類似している。各収縮を約2秒間維持し、そして収縮と収縮の間は12秒間とした。このプロトコールを右脚について行い、その後左脚について行った。対象は1日あたり、さらに2回の治療の投与を受け(偽薬又はHMB)、これを昼食及び夕食の時に摂取するように説明された。続く4日間、対象は絶食した状態で毎朝に研究所に出向き、血液採取と尿の回収を行い、その後、朝用の彼らのサプリメントを摂取した。対象はここでも、1日当たり2回分の残りのサプリメントを受け取り、それらを昼食と夕食で摂取するように説明を受けた。
[00075](血清及び尿試料) 対象が試験のために研究所に出向いた時に毎朝、絶食時血液試料を浅前腕静脈から採取した。加えてこの時点で、中間尿試料を回収した。血清CPKを民間の試験所で解析した(Quest Diagnostics、マディソン、ニュージャージー)。尿中の3−メチルヒスチジン(3MH)は、既に出版されているGC/MS方法(9)により分析した。尿クレアチニンは、比色試験により分析した(Cayman Chemical Company、アナーバー、ミシガン)。尿中3MHのデータを、尿中クレアチニンに対して正規化し、3MH:クレアチニン比(μmol:mg)として表した。
[00076](統計) データを、ウィンドウズ用のStatistical Analysis System(リリース版9.1.3、SAS Institute、ケアリー、ノースカロライナ)に含まれている混合モデル法を用いて解析した。それぞれの変数の変化を、各測定時について解析した。モデルには、基線すなわち0値を共変数として含め、そして性別及び治療を主効果として含めた。解析の前に、CPKのデータをSAS中のランク法を用いて変換した。運動の前後にHMB酸ゲルを摂取した場合の平均を、その他の治療の平均と比較するために、コントラストを用いた。
[00077](結果) 対象の人口統計学を表8に示す。治療ごとの、対象の年齢、身長及び体重はほぼ同じであった。
[00078]治療は以下のとおりである。
(治療1): 偽薬カプセル及び偽薬のシリンジ投与
(治療2): 運動前にカルシウムHMBカプセルと偽薬のシリンジ投与、及び運動後に偽薬カプセルと偽薬のシリンジ投与
(治療3): 運動前に偽薬カプセルとHMB酸ゲルのシリンジ投与及び運動後に偽薬カプセルと偽薬のシリンジ投与
(治療4): 運動前後にカルシウムHMBカプセルと偽薬のシリンジ投与
(治療5): 運動前後に偽薬カプセルとHMB酸ゲルのシリンジ投与
治療を1日3回、朝の試験の30分前、その後、およそ正午と午後6時に投与した。
[00079]血清CPK及び尿中3MH
尿中クレアチニン比を表9に示す。基準値(0時間)と差は無かった。激しい運動によって血清CPKが4倍まで上昇したことは筋肉膜の損傷を示している。しかしながら、運動前と運動後の両方でHMB酸ゲルを投与すると(治療5)、この上昇は、運動後24時間では64%(P<0.03)、そして運動後48時間では86%(P<0.005)抑えられた。72時間まで継続すると、HMB酸ゲル治療を行ってもCPKの上昇はほとんど認められなかった。図9は、この試験の時間経過に伴うCPK値の上昇と減少を示している。表2でもまた、筋肉でのタンパク質分解の指標である、3MH:クレアチニン比に及ぼす治療の効果を示している。これらのデータは傾向を表しているだけではあるが、運動前後にHMB酸ゲルで治療すると、タンパク質分解が上昇せずに減少さえすることを示している。これは、タンパク質分解の減少が、筋内でのより適したタンパク質代謝及びタンパク質沈着をもたらしていることを示していると考えられる。
(考察)
[00080]実施例1での観察に基づき、HMB遊離酸を投与した場合、筋肉組織はかなり高い濃度の血清HMBに曝された。加えて実施例1では、HMB酸を投与した場合には、CaHMB投与と比較して、HMBの血清から筋肉及び組織へのクリアランスがかなり上昇したことが分かった。従って実施例2からは、筋肉による遊離酸形態のHMBのこの利用の増加が、カルシウム形態のHMBを投与した場合よりも、一連の激しい運動を行った後の筋肉組織に対してより保護的であることが分かった。
[00081]前述した詳細及び図面は、本発明の実例となる実施形態を含む。前述した実施形態及び本明細書に記載した方法は、当業者の能力、経験、及び資質によって異なってもよい。この方法を特定の順番で単に列挙することは、この方法の工程の順番にいかなる制限も構成しない。前述した説明及び図面は単に本発明を解説し、かつ、説明するものであり、本発明はそれらによって制限されない。この明細書に対面している当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、これに修正や変更を加えることができるだろう。本発明組成物の投与は、当業者によって認識される所望の効果を達成するのに十分な量で行われるだろう。
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Claims (7)

  1. β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMBの遊離酸を0.5グラム〜30グラム含み、筋肉機能の向上、筋肉性能の向上、ストレスに曝された筋肉での筋肉損傷の低減、傷つけられた筋肉での筋肉損傷の低減のために使用される、上記組成物。
  2. 該HMBの遊離酸をゲルとして投与する、請求項1に記載の組成物。
  3. 舌下に投与するための、請求項1に記載の組成物。
  4. 嚥下するための、請求項1に記載の組成物。
  5. 24時間当たり1回投与するための、請求項1に記載の組成物。
  6. β−ヒドロキシ−β−メチル酪酸(HMB)を投与するための組成物であって、HMBの遊離酸を含み、筋肉機能の向上、筋肉性能の向上、ストレスに曝された筋肉での筋肉損傷の低減、傷つけられた筋肉での筋肉損傷の低減のために使用される、上記組成物。
  7. 該HMBの遊離酸がゲルとして、舌下または嚥下によって投与される、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
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