JP6076992B2 - 架空線用テンションバランサ - Google Patents
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Description
(構成)
図1には、架空線用テンションバランサ100が示されている。架空線用テンションバランサ100は、同軸配置された3つの円筒部材を備えている。まず、架空線用テンションバランサ100は、一番外側の円筒状の部材である外筒101を備えている。外筒101の外側には、図示しない柱からの支持用の吊り下げ部材が接続される吊り下げ部材取り付け部102が設けられている。外筒101の軸方向における一方(図の右側)の端部内側には、円環形状のばね接触部103が設けられている。ばね接触部103は、軸中心の方向に突出した凸条が円環状に配置された構造を有している。これは、他のばね接触部についても同じである。外筒101の内側には、中間の円筒状の部材である中筒104が同軸状に収められている。中筒104は、略円筒形状を有している。
図5には、外筒101、外側コイルばね105、中筒104、内側コイルばね109、内筒108を軸方向で分離し、並べた状態が示されている。図1に示す架空線用テンションバランサ100の組み立ては、以下のようにして行う。まず、外筒101の内側に外側コイルばね105を収納する。この際、ばね接触部103に外側コイルばね105の一端(図の右端)を接触させる。次に、外側コイルばね105の内側に中筒104を挿入し、外側コイルばね105の他端(図の左側)をばね接触部106に接触させる。次に、内側コイルばね109を中筒104の内側に挿入し、内側コイルばね109の一端(図の右端)をばね接触部107に接触させる。最後に内筒108を内側コイルばね109の内側に差し込み、ばね接触部110に内側コイルばね109の他端(図の左端)を接触させる。
図1の状態において、柱取り付け部120が図示しないコンクリート柱等に固定され、架空線取り付け部112に図示しない架空線が取り付けられた状態を考える。この状態において、図示しない架空線により架空線取り付け部112が図1の右の方向に引かれ、内筒108が図の右の方向に引かれると、外側コイルばね105,内側コイルばね109が縮み、中筒104と内筒108とが、図の右の方向に移動する。この状態が図6に示されている。
以上述べたように、内筒108の内側には、止め板113が設けられ、止め板113には、止め板113に対して回転できない状態で、且つ、長尺プレート115が貫通した状態で相対的に移動可能な開口部114が設けられている。長尺プレート115は、先端が折り曲げられたL字形状の2つの長尺プレート片116,117により構成され、この折り曲げられた部分が引っ掛かり部115aとなり、長尺プレート115からの止め板113の脱落が抑止されている。ここで、2つの長尺プレート片116,117を個別に止め板113に係合可能であるので、製造が簡素化される。
(構成)
本実施形態は、第1の実施形態における長尺プレート115を伸縮する構造とした例である。長尺プレート以外の部分は、第1の実施形態と同じであるので、以下、長尺プレートを伸縮する構造とした点について主に説明する。図7には、架空線用テンションバランサ200を上方向から見た断面図が示されている。図7には、(A)〜(C)にゆくに従って、内筒108が図の右の方向に引っ張られストロークが長くなってゆく過程が段階的に示されている。
伸縮プレート130の組み立てについて説明する。まず、図4に示すのと同様な方法により、長尺プレート片150と160を開口部114に通す。次いで、長尺プレート片150と160の間に長尺プレート140を挟んだ状態で、ボルト孔151、長孔141およびボルト孔161にボルト170を通し、ボルト170にナット171を締結する。こうして、伸縮プレート130が組み立てられ、また架空線用テンションバランサ200に伸縮プレート130の組み付けが行われる。架空線用テンションバランサ200に係るその他の組み立て作業は、図1の架空線用テンションバランサ100の場合と同じである。
図7(A)の状態において、柱取り付け部120が図示しないコンクリート柱等に固定され、架空線取り付け部112に図示しない架空線が取り付けられた状態を考える。この状態において、図示しない架空線により架空線取り付け部112が図7の右の方向に引かれ、内筒108が図の右の方向に引かれると、外側コイルばね105,内側コイルばね109が縮み、中筒104と内筒108とが、図の右の方向に移動する。
架空線用テンションバランサ200は、伸縮プレート130が伸びるので、内筒108の回り止め、および抜け止めの機能を維持しつつ、内筒108を引き出す距離を稼ぐことができる。つまり、ロングストロークに対応した架空用線テンションバランサが得られる。
(構成)
本実施形態は、係合部を有した長手形状の部材が弾性変形可能で、弾性変形およびその後の変形が元に戻る作用により、係合部の規制部への係合を行う構成に関する。図9には、長手形状の部材の一例である伸縮プレート200が示されている。伸縮プレート200は、長尺プレート210、長尺プレート片220,230を有している。長尺プレート210は、図8の長尺プレート140と基本的に同じ部材である。図示されていないが、長尺プレート210にも図8の長孔141と同様の長孔が形成されている。長尺プレート片220,230は、図8の長尺プレート片150,160において、折り曲げ部150a,160aの代わりに、爪部220a,230aを備えている。爪部220aは、先端が斜めに成形された斜面部220bと、段差部220cを備えた突起構造を有し、段差部分220cが、折り曲げ部150a,160aの場合と同様に、止め板113の開口部114の縁に引っ掛かり係合構造が得られる構造とされている。これは、爪部230aについても同様である。
図9(A)の状態から、止め板113の開口部114に向かって、長尺プレート片220,230の先端部分を押し込む。ここで、長尺プレート片220,230の右端が、長尺プレート210の右端よりも突出し、爪部220a,230aは、長尺プレート210の厚み分の寸法で離間しており、また、爪部220a,230aは、進む方向の両側が傾斜しているので、爪部220a,230aの先端が開口部114に接触すると、図9(B)に示すように長尺プレート片220,230が弾性変形して内側に撓む。ここで、図9(B)の状態において、爪部220a,230aが開口部114を通過できるように各部の寸法が調整されているので、更に長尺プレート片220,230の先端部分を開口部114に押し込むと、図9(B)の状態から、図9(C)の状態に移ることができる。そして、図9(C)の状態において、撓んだ長尺プレート片220,230が自身の弾性で元の形状に戻り、その撓みが解消される。ここで、L1>L2と設定されているので、図9(C)の状態において、爪部220a,230aの段差部分が開口部114の縁に引っ掛かり、長尺プレート片220,230に対して、止め板113が図の右の方向に動けなくなる。この状態において、長尺プレート210に対して、長尺プレート片220,230がスライドするので、第2の実施形態の場合と同様の機能を得ることができる。なお、回り止めの機能が得られる点は、第1の実施形態および第2の実施形態の場合と同じである。
止め板113の開口部114に伸縮プレート200を係合させるための作業が、止め板113の開口部114に伸縮プレート200を押し込むだけでよいので、作業の負担が軽減される。このため、製造コストを抑えることができる。
開口部114の形状は矩形に限定されず、図4に示す方法で長尺プレート115の引っ掛かり部115aを開口部115に通すことができ、且つ、引っ掛かり部115aが引っ掛かる形状であればよい。開口部114の形状の他の例としては、楕円形や六角形等が挙げられる。折り曲げ部116a,117aの折り曲げ角度は、90°に限定されず、折り曲げ部116a,117aが開口部114の縁に引っ掛かる角度であればよい。また、引っ掛かり部115aを例示した折り曲げ構造によって構成するのでなく、突起部や爪を設けることで開口部114の縁に引っ掛かるような構造とすることもできる。
Claims (5)
- 同軸配置された複数の筒部材を有し、
前記複数の筒部材の最も内側の筒部材の内側に延在した長手形状の部材と、
前記最も内側の筒部材の内側に設けられ、前記長手形状の部材がその長手方向に移動可能で、前記長手形状の部材の前記長手方向を軸とする回転を規制し、且つ、前記長手形状の部材を前記最も内側の筒部材から完全に引き抜くことができない状態で前記長手形状の部材と係合する規制部材と
を備え、
前記長手形状の部材は、複数の部材から構成されており、
前記複数の部材のそれぞれは前記規制部材に係合する係合部を備え、
前記複数の部材を、前記規制部材に個別に係合させることで、前記長手形状の部材の前記規制部材への係合が行われていることを特徴とする架空線用テンションバランサ。 - 前記複数の部材は、先端が折り曲げられたL字型の板状の第1の部材および第2の部材であることを特徴とする請求項1に記載の架空線用テンションバランサ。
- 前記長手形状の部材が前記規制部材に係合している状態において、前記長手形状の部材を前記複数の部材に分解し、前記複数の部材のぞれぞれの前記規制部材への係合を個別に解除できることを特徴とする請求項1または2に記載の架空線用テンションバランサ。
- 前記複数の部材が弾性変形することで前記係合が行われることを特徴とする請求項1に記載の架空線用テンションバランサ。
- 前記長手形状の部材は、伸縮が可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の架空線用テンションバランサ。
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