JP6075076B2 - 主軸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械に使用される主軸装置に関する。
特許文献1には、主軸の前側(工具側)に配置された前側転がり軸受と前側ハウジングとの間に中間ハウジングを介装し、減衰性を付加した静圧軸受で中間ハウジングを支承して加工中の主軸のびびり振動を抑制する主軸装置が開示されている。また、特許文献2には、主軸の前側(工具側)に配置された玉軸受に対し空気静圧軸受を併設して加工中の主軸のびびり振動を抑制する主軸装置が開示されている。また、特許文献3には、主軸の前側(工具側)に複数のラジアル磁気軸受および複数のラジアル変位センサを設け、ラジアル変位センサで検出した径方向の変位に基づいてラジアル磁気軸受の電磁石を制御し、主軸の共振を抑制する主軸装置が開示されている。
特開平6−6008号公報 特開2004−106091号公報 特開2008−229806号公報
しかし、主軸の動剛性を高めたとしても、回転工具の種類によっては、びびり振動を適切に抑制できない場合があることが分かった。例えば、細長い回転工具、すなわちL/D(=工具突き出し長さ/工具直径)が大きな回転工具の場合には、主軸系の動剛性を高めたとしても、びびり振動を十分に抑制することができないことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、より確実にびびり振動を抑制することができる主軸装置を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を重ね、L/Dの大きな回転工具において、主軸系の動剛性(軸受による動剛性に相当)を高めた場合には、却ってびびり振動が大きくなることを見出した。そして、本発明者は、回転工具自身の動剛性とびびり振動との関係に基づいて、本発明を発明するに至った。
(請求項1)本手段に係る主軸装置は、主軸台と、主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、主軸に保持される回転工具と、回転工具自身の動剛性に応じて主軸台に対する主軸の動剛性を調整する調整機構とを備える。
主軸装置は、主軸台に対して主軸を回転可能に支持する軸受を備え、調整機構は、軸受による動剛性を調整することにより、主軸台に対する主軸の動剛性を調整する。
また、調整機構は、回転工具自身の動剛性が低いほど軸受による動剛性を低くする。
(請求項)また、主軸装置は、主軸台に対して主軸の軸方向に移動することにより主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体を備え、軸受は、軸方向移動体に対して主軸を回転可能に支持し、調整機構は、回転工具自身の動剛性および軸方向移動体の突き出し量に応じて、軸受による動剛性を調整するとよい。
(請求項3)本手段に係る主軸装置は、主軸台と、前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、前記主軸に保持される回転工具と、前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、前記主軸台に対して前記主軸を回転可能に支持する軸受と、を備える。
前記主軸装置は、前記主軸台に対して前記主軸の軸方向に移動することにより前記主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体を備える。前記軸受は、前記軸方向移動体に対して前記主軸を回転可能に支持する。前記調整機構は、前記軸受による動剛性を調整することにより、前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する。前記調整機構は、前記回転工具自身の動剛性および前記軸方向移動体の前記突き出し量に応じて、前記軸受による動剛性を調整する。
(請求項)また、調整機構は、軸方向移動体の突き出し量が長いほど軸受による動剛性を高くするとよい。
(請求項5)また、主軸装置は、主軸の軸方向に配列された複数の軸受を備え、調整機構は、複数の軸受の中で最も回転工具側に配置される軸受による動剛性を調整するとよい。
(請求項)また、本手段に係る他の主軸装置は、主軸台と、前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、前記主軸に保持される回転工具と、前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、主軸台に対して主軸の軸方向に移動することにより主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体を備え、調整機構は、突き出し量を調整することにより、主軸台に対する主軸の動剛性を調整する。
(請求項)また、本手段に係る他の主軸装置は、主軸台と、前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、前記主軸に保持される回転工具と、前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構とを備え、調整機構は、回転工具自身の動剛性が低いほど突き出し量を長くする。
(請求項)また、本手段に係る他の主軸装置は、主軸台と、前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、前記主軸に保持される回転工具と、前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、主軸台に対して主軸の軸方向に移動することにより主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体と、軸方向移動体に対して主軸を回転可能に支持する軸受と、を備え、調整機構は、軸受による動剛性を調整することおよび突き出し量を調整することにより、主軸台に対する主軸の動剛性を調整する。
(請求項)また、本手段に係る他の主軸装置は、主軸台と、前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、前記主軸に保持される回転工具と、前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構とを備え、調整機構は、回転工具自身の動剛性が低いほど、回転工具を含み主軸台に対して片持ち梁として振動する部位の動剛性を高くするように、主軸台に対する主軸の動剛性を調整する。
(請求項10)また、片持ち梁として振動する部位は、回転工具と、主軸のうち回転工具側の一部分としてもよい。
(請求項11)また、主軸装置は、主軸台に対して主軸の軸方向に移動することにより主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体を備え、片持ち梁として振動する部位は、回転工具、軸方向移動体および主軸のうち、主軸台から突き出す部位としてもよい。
(請求項1)回転工具自身の動剛性とびびり振動との関係から、回転工具自身の動剛性が異なれば、びびり振動の発生状態が変化することが分かった。そこで、本手段に係る主軸装置のように、回転工具自身の動剛性に応じて主軸台に対する主軸の動剛性を調整することで、どの種類の回転工具を適用したとしても、びびり振動を確実に抑制できる。
受による動剛性を変化させると、主軸の動剛性が変化する。この関係を利用して、回転工具自身の動剛性に応じて、軸受による動剛性を調整している。これにより、びびり振動を確実に抑制できる。
転工具自身の動剛性が低いほど軸受による動剛性を低くすることで、回転工具自身の振動によるびびり振動への影響を小さくすることができる。その結果、主軸装置全体として、びびり振動を抑制することができる。このことは、回転工具自身の動剛性が低いほど、回転工具を含み主軸台に対して片持ち梁として振動する部位の動剛性を高くするように、主軸台に対する主軸の動剛性を調整することに相当する。ここで、当該振動する部位は、回転工具と、主軸のうち回転工具側の一部分とを含む。
(請求項2,3)主軸が軸方向移動体に回転可能に支持される場合には、主軸台からの軸方向移動体の突き出し量に応じて、びびり振動の発生態様が変化することが分かった。そして、本発明者は、軸受による動剛性と軸方向移動体の突き出し量とびびり振動との関係を見出した。そこで、軸方向移動体の突き出し量に応じて軸受による動剛性を調整することで、軸方向移動体の突き出し量を変化させたときにびびり振動を確実に抑制できる。
(請求項)ここで、軸方向移動体の突き出し量が長いほど、主軸台に対する主軸の動剛性が低くなる。そこで、軸方向移動体の突き出し量が長いほど、軸受による動剛性を高くすることで、主軸台に対する主軸の動剛性の低下を抑制することができる。つまり、びびり振動を抑制できる。
(請求項5)複数の軸受のうち最も回転工具側に配置される軸受を調整することで、効果的にびびり振動を抑制できる。すなわち、当該軸受の動剛性の僅かな調整により、びびり振動を抑制できる。
(請求項)主軸台からの軸方向移動体の突き出し量を変化させると、主軸の動剛性が変化する。この関係を利用して、回転工具自身の動剛性に応じて、主軸台からの軸方向移動体の突き出し量を調整している。これにより、びびり振動を確実に抑制できる。
(請求項)主軸台に対する主軸の動剛性を高くすると、回転工具自身の振動がびびり振動に対して影響を与える。特に、回転工具の動剛性が低い場合には、主軸台からの軸方向移動体の突き出し量を短くすると、回転工具自身の振動がびびり振動に対して大きな影響を与える。そこで、回転工具自身の動剛性が低いほど突き出し量を長くすることで、回転工具自身の振動によるびびり振動への影響を小さくすることができる。その結果、主軸装置全体として、びびり振動を抑制することができる。
このことは、回転工具自身の動剛性が低いほど、回転工具を含み主軸台に対して片持ち梁として振動する部位の動剛性を高くするように、主軸台に対する主軸の動剛性を調整することに相当する。ここで、当該振動する部位は、回転工具、軸方向移動体および主軸のうち、主軸台から突き出す部位である。
(請求項)軸受による動剛性を変化させると、主軸の動剛性が変化する。また、主軸台からの軸方向移動体の突き出し量を変化させると、主軸の動剛性が変化する。これらの関係を利用して、回転工具自身の動剛性に応じて、軸受による動剛性および突き出し量を調整している。これにより、びびり振動を確実に抑制できる。
(請求項)回転工具自身の動剛性が低い場合であっても、片持ち梁として振動する部位全体の動剛性が高ければ、主軸台に対する回転工具の動剛性は高くなる。つまり、びびり振動を抑制できる。
(請求項10)片持ち梁として振動する部位を、回転工具と、主軸のうち回転工具側の一部分とすることで、容易に、当該振動する部位の動剛性を高くすることができる。
(請求項11)片持ち梁として振動する部位を、主軸台から突き出す部位とすることで、確実に主軸の動剛性を調整できる。
本発明の第一実施形態における主軸装置の軸方向断面図である。 図1の全ての軸受の動剛性を同程度とした場合における主軸装置の模式図である。 図2に対して第一軸受の動剛性を低くした場合における主軸装置の模式図である。 図2,3の主軸装置における周波数特性を示し、縦軸にコンプライアンス、すなわち付与する力に対する回転工具の先端の変位量を示す。図2の場合を実線で示し、図3の場合を破線で示す。 2種類の回転工具について、主軸台に対する主軸の動剛性と、主軸に対する回転工具の動剛性との関係を示す。 第一実施形態における主軸の動剛性の調整処理を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態における工作機械である。 図7における主軸装置の軸方向断面図であって、クイル(軸方向移動体)を後側に位置させた状態を示す。 図7における主軸装置の軸方向断面図であって、クイルを前側に位置させた状態を示す。 第二実施形態における主軸の動剛性の調整処理を示すフローチャートである。 図8の場合における主軸装置の模式図である。 図9の場合における主軸装置の模式図である。 本発明の第三実施形態における主軸装置であって、クイルを後側に位置させた状態を示す。 図13に対して、クイルを前側に位置させた状態を示す。 第三実施形態における主軸の動剛性の調整処理を示すフローチャートである。 第四実施形態における主軸の動剛性の調整処理を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態の主軸装置について説明する。第一実施形態には、工具自身の動剛性に応じて、第一軸受の予圧を調整する場合を説明する。第二実施形態には、工具自身の動剛性とクイル位置に応じて、第一軸受の予圧を調整する場合を説明する。第三実施形態には、工具自身の動剛性に応じて、クイル位置を調整する場合を説明する。第四実施形態には、工具自身の動剛性に応じて、第一軸受の予圧およびクイル位置を調整することを説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態の主軸装置は、例えば、横型マシニングセンタの主軸装置に適用される。主軸装置について、図1を参照して説明する。図1に示すように、主軸装置は、主軸台10と、主軸20と、複数の軸受31〜34と、回転工具40と、モータ(図示せず)と、予圧調整機構50とを備える。
主軸台10は、例えば、横型マシニングセンタのサドル(コラムに対して上下に移動可能な部材)に相当する。この主軸台10には、中空部が形成され、中空部に主軸20が挿通される。主軸20は、先端側(図1の左側)に回転工具40(以下、工具と称する)を保持する。複数の軸受31〜34は、主軸台10に対して主軸20を回転可能に支持し、軸方向に配列される。従って、主軸20は、軸受31〜34によって、主軸台10に対して回転可能に支持される。モータは、主軸台10に対して主軸20を回転させる。
予圧調整機構50は、主軸台10に対する主軸20の動剛性を調整する装置である。本実施形態においては、予圧調整機構50は、複数の軸受31〜34のうち最も工具40側に配置される第一軸受31による動剛性を調整する。より具体的には、予圧調整機構50は、第一軸受31の予圧を調整することによって、主軸20の動剛性を調整する。
ここで、図2および図3を参照して、第一軸受31の予圧を変化させた状態において、主軸台10に対して片持ち梁として振動する部位A,Bについて説明する。図2および図3において、軸受31〜34を三角形として示し、軸受31〜34による動剛性の大きさを三角形の大きさにて示す。すなわち、三角形の大きさが大きいほど、軸受31〜34による動剛性が高いことを意味する。
第一軸受31の予圧を高くした場合、すなわち他の軸受32〜34の予圧と同程度とした場合は、図2に示すようになる。図2において、片持ち梁として振動する部位は、破線Aにて囲む部位となる。破線Aにて囲む部位は、第一軸受31よりも工具40側に位置する部位である。つまり、破線Aにて囲む部位は、工具40を含み、主軸20をほとんど含まない。
第一軸受31の予圧を他の軸受32〜34より低くした場合は、図3に示すようになる。図3において、片持ち梁として振動する部位は、破線Bにて囲む部位となる。破線Bにて囲む部位は、第二軸受32よりも工具40側に位置する部位である。つまり、破線Bにて囲む部位は、工具40と、主軸20のうち工具側40の一部分とを含む。図2と比較すると、破線Bにて囲む部位は、破線Aにて囲む部位よりも、主軸20の部分を多く含んでいる。
従って、第一軸受31の予圧を低くすることで、片持ち梁として振動する部位の動剛性を高くすることができる。特に、軸受31〜34のうち最も工具40側の第一軸受31の予圧を調整することで、僅かな調整であっても、片持ち梁として振動する部位の動剛性を大きく変更することができる。
次に、図4を参照して、工具40の先端部位において、周波数に対するコンプライアンスについて説明する。図2に示す主軸装置の場合、すなわち第一軸受31の予圧を高くした場合には、図4の実線にて示すようになる。また、図3に示す主軸装置の場合、すなわち第一軸受31の予圧を低くした場合には、図4の破線にて示すようになる。
ここで、図4において、複数の共振点が存在する。図4のCにて囲む共振周波数帯は、主として工具40自身の動剛性の影響を受ける周波数帯である。図4のDにて囲む共振周波数帯は、主として主軸20の動剛性の影響を受ける周波数帯である。ここで、本実施形態においては、工具40のL/Dを非常に大きくしており、工具40の動剛性は非常に低い。このような場合には、Cで囲む部位のコンプライアンスが、他の周波数帯(例えば、Dで囲む部位)に比べて大きくなっている。
そして、図4のCにて囲む共振周波数帯において、破線にて示す場合のコンプライアンスが、実線に比べて小さくなっている。つまり、図3に示すように、第一軸受31の予圧を低くすることによって、片持ち梁として振動する部位(図3のB)に主軸20の一部分を含ませることとなり、図4のCにて囲む共振周波数帯においては、当該部位の動剛性を高くしたことに起因すると考えられる。
これに対して、図4のDにて囲む共振周波数帯において、破線にて示す場合のコンプライアンスが、実線に比べて大きくなっている。これは、図3に示すように、第一軸受31の予圧を低くすることによって、軸受31〜34による動剛性を低くすることに起因すると考えられる。
また、図5を参照して、主軸台10に対する主軸20の動剛性と、主軸台10に対する工具40の動剛性との関係について説明する。ここで、図5において、前者(横軸)の動剛性は、主軸台10に対して主軸20を1μm移動させるために必要な力で示し、後者(縦軸)の動剛性は、主軸台10に対して工具40を1μm移動させるために必要な力で示す。なお、後者の動剛性は、工具40自身の動剛性とは異なる。
図5において、黒丸印は、工具40自身の動剛性が相対的に高く、白抜き三角印は、工具40自身の動剛性が相対的に低い。つまり、黒丸印の工具40は、L/Dが小さく、白抜き三角印の工具40は、L/Dが大きい。どちらの工具40においても、主軸20の動剛性が低くなるほど、工具40の動剛性が高くなる関係を有する。つまり、第一軸受31の予圧を低くすることによって、主軸20の動剛性が低くなるが、工具40の動剛性が高くなることが分かる。
そして、図5から分かるように、工具40自身の動剛性が異なれば、主軸台10に対する工具40の動剛性が異なる。主軸台10に対する工具40の動剛性は、びびり振動に相関がある。つまり、工具40自身の動剛性が異なれば、びびり振動の発生状態が変化する。
例えば、図5において、びびり振動の発生を抑制するためには、主軸台10に対する工具40の動剛性を0.2にすれば良いとする。この場合、黒丸印の工具40では、主軸台10に対する主軸20の動剛性を120程度にするとよく、白抜き三角印の工具40では、主軸台10に対する主軸20の動剛性を50程度にするとよい。つまり、主軸台10に対する主軸20の動剛性が120または50になるように、第一軸受31の予圧をそれぞれ調整すればよい。このように、工具40自身の動剛性に応じて、主軸台10に対する主軸20の動剛性を調整することで、びびり振動を確実に抑制できることが分かる。
より具体的には、工具40自身の動剛性が低いほど、主軸台10に対する主軸20の動剛性(本実施形態においては軸受31〜34による動剛性)を低くすることで、工具40自身の振動によるびびり振動への影響を小さくできる。その結果、主軸装置全体として、びびり振動を抑制できる。このことを換言すると、以下のようになる。すなわち、工具40自身の動剛性が低いほど、主軸台10に対して片持ち梁として振動する部位(図2のA、図3のB)の動剛性を高くするように、主軸20の動剛性を調整することで、びびり振動を抑制できる。
次に、図6を参照して、予圧調整機構50による調整処理について説明する。まず、現在使用されている工具40自身の動剛性を取得する(S1)。例えば、マシニングセンタであれば、工具40が交換されるため、現在主軸20に装着されている工具40自身の動剛性を取得する。工具40自身の動剛性は、予めデータベースに記憶されている情報を参照することができる。また、工具40自身の動剛性には、工具40の形状、材質などにより、算出することもできる。
続いて、工具40自身の動剛性に基づいて、主軸台10に対する主軸20の適正な動剛性を算出する(S2)。図5を用いて説明したように、工具40自身の動剛性に応じて、主軸台10に対する主軸20の動剛性と工具40の動剛性との関係が異なる。そこで、図5の関係から、所望の主軸台10に対する工具40の動剛性を得るために必要な、主軸20の動剛性を算出する。例えば、図5の黒丸印の工具40において、工具40の動剛性として0.2を得るためには、主軸20の適正な動剛性は120であることが分かる。
続いて、主軸20の適正な動剛性となるように、第一軸受31の予圧を調整する(S3)。例えば、上記の例のように、主軸20の適正な動剛性が120となるように、第一軸受31の予圧を調整する。その結果、確実にびびり振動を抑制できる。特に、軸受31〜34のうち最も工具40側の第一軸受31の予圧を調整することで、効果的にびびり振動を抑制できる。すなわち、第一軸受31の動剛性の僅かな調整により、びびり振動を抑制できる。
主軸20に装着される工具40を交換すると、交換された工具40に応じて、第一軸受31の予圧を調整する。つまり、どの種類の工具40を適用したとしても、その工具40に応じて第一軸受31の予圧を調整することで、びびり振動を抑制する。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態の主軸装置について説明する。主軸装置は、横中ぐり装置の主軸装置に適用する。横中ぐり装置は、図7〜図9を参照して説明する。横中ぐり装置は、ベッド110上に主軸台120が固定され、主軸台120に対して水平方向にクイル130が軸方向に移動する。クイル130の中には、主軸150が、軸受141〜144によってクイル130に対して回転可能に支持されている。主軸150の端には工具160が保持されている。一方、ベッド110上には、工具160に対向する位置に、工作物170が固定されている。なお、本実施形態においては、軸方向移動体としてクイル130を用いる例をあげるが、ラムを適用することもできる。
予圧調整機構180は、第一軸受141の予圧を調整する。クイル位置調整機構190は、クイル130の軸方向位置を調整する。なお、クイル130に対して主軸150を回転するモータ、主軸台120に対してクイル130を軸方向移動するモータは、図示しない。図8には、クイル130が後側に位置する状態を示し、図9には、クイル130が前側に位置する状態を示す。
次に、図10を参照して、予圧調整機構180およびクイル位置調整機構190による調整処理について説明する。まず、現在使用されている工具160自身の動剛性を取得する(S11)。クイル位置調整機構190によって移動されたクイル130の軸方向位置を取得する(S12)。続いて、工具160自身の動剛性およびクイル130の軸方向位置に基づいて、クイル130に対する主軸150の適正な動剛性を算出する(S13)。続いて、主軸150の適正な動剛性となるように、第一軸受141の予圧を調整する(S14)。
ここで、主軸150の適正な動剛性を得るための、クイル130の軸方向位置と第一軸受141の予圧との関係について、図11および図12を参照して説明する。図11には、クイル130が後側に位置する場合の主軸装置の模式図を示す。クイル130が後側に位置する場合には、第一軸受141の予圧を低くする。ただし、工具160自身の動剛性に応じて、第一軸受141の予圧を調整するが、このことは第一実施形態と同様である。
図11の場合に第一軸受141の予圧を低くする理由について説明する。図11においては、クイル130の主軸台120の端面からの突き出し量は短い。そのため、クイル130自身は、主軸台120に対して片持ち梁として振動する部位にはならない。そこで、そこで、第一軸受141の予圧を低くすることで、第二軸受142より工具160側の部位を、主軸台120に対して片持ち梁として振動する部位(図11の破線Eで囲む部位)とさせる。そうすることで、工具40自身の動剛性が低い場合であっても、片持ち梁として振動する部位E全体で見た場合には、当該部位Eの動剛性を高くすることができる。
これに対して、図12に示すように、クイル130が前側に位置している場合には、クイル130の突き出し量が長くなる。突き出し量が長いほど、主軸台120に対する主軸150の動剛性が低くなる。そして、クイル130の突き出し部分が、主軸台120に対して片持ち梁として振動する部位Fとなる。そうすると、第一軸受141の予圧を低くしてしまうと、片持ち梁として振動する部位Fの動剛性がさらに低下する。そこで、クイル130の突き出し量が長い場合には、第一軸受141の予圧を高くする。これにより、片持ち梁として振動する部位Fの動剛性を適正にすることができる。
このように、工具40自身の動剛性およびクイル130の位置に応じて、第一軸受141の予圧を調整することで、主軸台120に対して片持ち梁として振動する部位の動剛性を適正値とすることができる。つまり、クイル130の突き出し量が長いほど第一軸受141の予圧を高くすることで、主軸台120に対する主軸150の動剛性の低下を抑制できる。その結果、びびり振動を確実に抑制できる。
<第三実施形態>
第三実施形態の主軸装置は、第二実施形態の横中ぐり装置の構成にさらに、工作物170の支持体が主軸150の軸方向に移動可能である場合とする。図13および図14に示すように、クイル130の突き出し量に応じて、主軸台120に対して片持ち梁として振動する部位G,Hの動剛性が異なることは、第二実施形態にて説明したとおりである。ここで、片持ち梁として振動する部位G,Hは、主軸台120から突き出す部位である。
そこで、本実施形態においては、工具160自身の動剛性に応じて、クイル130の軸方向位置を調整して、クイル130の突き出し量を変化させることにより、片持ち梁として振動する部位G,Hの動剛性を適正値にすることとする。
この場合の調整処理について図15を参照して説明する。まず、工具160自身の動剛性を取得する(S21)。続いて、工具160の動剛性に基づいて、主軸台120に対する主軸150の適正な動剛性を算出する(S22)。続いて、主軸150の適正な動剛性となるように、クイル130の軸方向位置を調整する(S23)。具体的には、工具160自身の動剛性が低いほど、クイル130の突き出し量を長くする。
本実施形態においても、どの種類の工具160を適用したとしても、びびり振動を抑制することができる。ただし、主軸台120に対してクイル130を軸方向移動することにより、工作物170に対して工具160を相対移動させることはできない。そこで、工作物170の支持体をベッド110に対して移動させることで、工具160により工作物170を加工する。
<第四実施形態>
次に、第四実施形態の主軸装置について説明する。本実施形態においては、第三実施形態と同様の構成を適用する。本実施形態における調整処理について、図16を参照して説明する。
まず、工具160自身の動剛性を取得する(S31)。続いて、工具160の動剛性に基づいて、主軸台120に対する主軸150の適正な動剛性を算出する(S32)。続いて、主軸150の適正な動剛性となるように、第一軸受141(図8に示す)の予圧を調整すると共に、クイル130の軸方向位置を調整する(S33)。具体的には、工具160自身の動剛性が低いほど、第一軸受141の予圧を低くすると共に、クイル130の突き出し量を長くする。この場合、第一軸受141の予圧の調整と、クイル130の突き出し量の調整は、それぞれの状態に応じた優先度を決めておき、当該優先度に基づいて行うとよい。本実施形態においても、どの種類の工具160を適用したとしても、びびり振動を抑制することができる。
10,120:主軸台、 20,150:主軸、 31:第一軸受、 31−34,141−144:軸受、 40,160:回転工具、 50,180:予圧調整機構、 110:ベッド、 130:クイル(軸方向移動体)、 170:工作物、 190:クイル位置調整機構、 A,B,E,F,G,H:主軸台に対して片持ち梁として振動する部位

Claims (11)

  1. 主軸台と、
    前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、
    前記主軸に保持される回転工具と、
    前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、
    前記主軸台に対して前記主軸を回転可能に支持する軸受と、
    を備え
    前記調整機構は、前記軸受による動剛性を調整することにより、前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整し、
    前記調整機構は、前記回転工具自身の動剛性が低いほど前記軸受による動剛性を低くする、主軸装置。
  2. 前記主軸装置は、前記主軸台に対して前記主軸の軸方向に移動することにより前記主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体を備え、
    前記軸受は、前記軸方向移動体に対して前記主軸を回転可能に支持し、
    前記調整機構は、前記回転工具自身の動剛性および前記軸方向移動体の前記突き出し量に応じて、前記軸受による動剛性を調整する、請求項の主軸装置。
  3. 主軸台と、
    前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、
    前記主軸に保持される回転工具と、
    前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、
    前記主軸台に対して前記主軸を回転可能に支持する軸受と、
    を備え
    前記主軸装置は、前記主軸台に対して前記主軸の軸方向に移動することにより前記主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体を備え、
    前記軸受は、前記軸方向移動体に対して前記主軸を回転可能に支持し、
    前記調整機構は、前記軸受による動剛性を調整することにより、前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整し、
    前記調整機構は、前記回転工具自身の動剛性および前記軸方向移動体の前記突き出し量に応じて、前記軸受による動剛性を調整する、主軸装置。
  4. 前記調整機構は、前記軸方向移動体の前記突き出し量が長いほど前記軸受による動剛性を高くする、請求項2または3の主軸装置。
  5. 前記主軸装置は、前記主軸の軸方向に配列された複数の前記軸受を備え、
    前記調整機構は、複数の軸受の中で最も前記回転工具側に配置される軸受による動剛性を調整する、請求項1〜4の何れか一項の主軸装置。
  6. 主軸台と、
    前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、
    前記主軸に保持される回転工具と、
    前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、
    前記主軸台に対して前記主軸の軸方向に移動することにより前記主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体と、
    を備え
    前記調整機構は、前記突き出し量を調整することにより、前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する、主軸装置。
  7. 前記調整機構は、前記回転工具自身の動剛性が低いほど前記突き出し量を長くする、請求項の主軸装置。
  8. 主軸台と、
    前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、
    前記主軸に保持される回転工具と、
    前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、
    前記主軸台に対して前記主軸の軸方向に移動することにより前記主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体と、
    前記軸方向移動体に対して前記主軸を回転可能に支持する軸受と、
    を備え
    前記調整機構は、前記軸受による動剛性を調整することおよび前記突き出し量を調整することにより、前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する、主軸装置。
  9. 主軸台と、
    前記主軸台に対して回転可能に支持される主軸と、
    前記主軸に保持される回転工具と、
    前記回転工具自身の動剛性に応じて前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する調整機構と、
    を備え
    前記調整機構は、前記回転工具自身の動剛性が低いほど、前記回転工具を含み前記主軸台に対して片持ち梁として振動する部位の動剛性を高くするように、前記主軸台に対する前記主軸の動剛性を調整する、主軸装置。
  10. 片持ち梁として振動する前記部位は、前記回転工具と、前記主軸のうち前記回転工具側の一部分とである、請求項の主軸装置。
  11. 前記主軸装置は、前記主軸台に対して前記主軸の軸方向に移動することにより前記主軸台からの突き出し量を変化可能な軸方向移動体を備え、
    片持ち梁として振動する前記部位は、前記回転工具、前記軸方向移動体および前記主軸のうち、前記主軸台から突き出す部位である、請求項の主軸装置。
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