JP6074895B2 - 粉体充填システム及び粉体充填方法 - Google Patents
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Description
<<実施形態の全体構成>>
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施形態にについて説明する。まず、図1を用いて、本実施形態の全体構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る粉体充填システムを示す模式図である。本実施形態の粉体充填システム1は、図1に示すように、粉体から粗大粒子を篩い分ける篩装置100と、篩装置100で篩い分けられた粉体を粉体収容器400に充填する粉体充填装置200と、篩装置100に粉体を供給する粉体供給装置300と、制御装置500とを備える。本実施形態において、制御装置500と、篩装置100、粉体充填装置200、および、粉体供給装置300の各装置とは、バスライン530によって接続されている。制御装置500から出力されたパルス信号を、バスライン530を介して篩装置100、粉体充填装置200、および、粉体供給装置300の各装置に伝送することで、各装置の動作を開始させたり、停止させたりすることができる。
粉体供給装置300としては、例えば、空気輸送装置、粉体輸送用ポンプやホッパー等が用いられる。粉体供給装置300から供給された粉体は、ホースを介して篩装置100に供給される。なお、粉体充填システム1が粉体供給装置300を備えていない場合には、人の手により篩装置100に粉体を供給することもできる。
続いて、図2乃至図11を用いて粉体充填システム1に備えられた篩装置100について説明する。なお、図2は、篩装置を示す斜視図である。図3は、図2の篩装置の平面図である。図4は、図3の篩装置のA−A断面を示す断面図である。図5は、図4の篩装置のB−B断面を上面から見た上面図である。図6は、図5の篩装置におけるブレードのC−C断面の断面形状の具体例を示した断面図である。図7は、図5の篩装置におけるブレードのD−D断面の断面形状の具体例を示した断面図である。図8は、ブレードを3枚有する回転体の正面図である。図9は、図8の回転体の平面図である。図10は、ブレードを4枚有する回転体の正面図である。図11は、図10の回転体の平面図である。
フレーム121の形状としては、例えば、円筒状、円錐台形状、角筒状、角錐台形状、ホッパー形状、などが挙げられる。フレーム121の大きさとしては、特に制限はなく、粉体充填システム1の設置面方向の大きさが、粉体充填装置200の設置面積を超えないことが好ましい。フレームの設置面方向の大きさが、粉体充填装置200の設置面積を超えた場合には、粉体充填システム1が大型化してしまい、粉体充填システム1の持ち運びが困難になる場合がある。フレーム121の材質としては、例えばステンレススチール、アルミニウム、鉄等の金属、ABS、FRP、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂などが挙げられる。フレーム121の構造としては、単一部材で形成されていてもよいし、二以上の部材で形成されていてもよい。フレーム121は、フィルター122と反対側の端部が開放されていても、粉体の飛散を防止するために密閉されていてもよい。
フィルター122としては、篩装置100に供給された粉体に含まれる粗大粒子を篩い分けできるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。適用可能なフィルター122の形態としては、例えば、直交網目状、斜交網目状、蛇行網目状、亀甲状等の網目の形態、不織布のような三次元に隙間を構成する形態、或いは、多孔質材料、中空糸のように実質的に粗粒が通過不可能な形態等が挙げられる。これらの中でも、網目によるフィルター122を用いることが、篩別効率が良好である点で好ましい。
本実施形態において、回転体130は、フィルター122と交差する回転軸Zを中心にフィルター122に近接して回転可能に設けられたブレード131と、この回転軸Zに設けられ、ブレード131が取り付けられるシャフト132とを有する。本実施形態の篩装置100のフレーム121の内部を上から見ると、ブレード131は、図5の矢印E方向又は逆矢印方向にフィルター122の上部の近傍を、シャフト132を中心に回転可能に構成されている。これにより、ブレード131は、フレーム121内に供給された粉体を攪拌し流動化させる。
本実施形態において、ブレード131の材質、構造、大きさ、形状等については、特に制限はなく、フレーム121の大きさ、形状、構造等に応じて適宜選択される。ブレード131の材質としては、ステンレススチール、アルミニウム、鉄等の金属、ABS、FRP、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂などが挙げられる。これらの中でも、強度からいうと材質は金属が好ましい。また、粉体を扱うため、防爆という観点から帯電防止剤、静電気防止剤を含有できる樹脂が好ましい。ブレード131は、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
シャフト132は、フレーム121内の回転軸Zに設けられ、一端が駆動部140に取り付けられ、他端がブレード131に取り付けられている。駆動部140の駆動によってブレード131及びシャフト132が回転軸Zを中心に回転する。シャフト132の大きさ、形状、構造、材質等については、特に制限はなく、フレーム121の大きさ、形状、構造等に応じて適宜選択することができる。シャフト132の材質としては、ステンレススチール、アルミニウム、鉄等の金属、ABS、FRP、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂などが挙げられる。シャフト132は、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。シャフト132の形状としては、例えば、棒状、角柱状、などが挙げられる。
本実施形態において駆動部140は、駆動手段の一例としてのブレード駆動用モータ141とベアリング142とを有している。ブレード駆動用モータ141は、ブレード131を含む回転体130を回転駆動させる。ブレード駆動用モータ141の動作は、PLC(programmable logic controller)、コンピュータ等の制御手段によって制御される。ベアリング142は、回転体130を正確に回転させるためにシャフト132を支持する手段である。粉体の進入による故障を避けるため、ベアリング142はフレーム121の外側に設けられている。シャフト132とフレーム121との間の隙間を通過して駆動部140に粉体が進入する可能性がある場合には、粉体の進入を防止する機構を設けることもできる。このような機構としては、例えば、ベアリング142とフレーム121の間にエアーを吹き込み、シャフト132とフレーム121の隙間からエアーを吹き出すことで粉体の進入を防ぐもの(エアーシール)や、駆動部140内へ粉体を進入させないためのエアー吹き出し口が挙げられる。
続いて、図12を用いて粉体充填システム1に備えられた粉体充填装置200について説明する。図12は、粉体充填装置を示す模式図である。図12に示す粉体充填装置200は、粉体充填装置本体210と、気体導入手段220と、粉体充填手段230と、計測部240とを有する。
続いて、図13、及び図14を用いて制御装置500について説明する。なお、図13は、制御装置のハードウェア構成図である。図14は、制御装置の機能ブロック図である。
粉体充填システム1に用いられる粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。粉体の具体例としては、トナー、合成樹脂粉末及び粒体、粉末コンパウンド等の合成樹脂又はその配合物粉粒体;デンプン、木粉等の有機天然物粉体;米,豆,小麦等の穀物もしくはその粉末;炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ゼオライト、ハイドロキシアパタイト、フェライト、硫化亜鉛、硫化マグネシウム等の無機化合物粉体;鉄粉、銅粉、ニッケル合金粉等の金属粉;カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ等の無機顔料;フタロシアニンブルー、インジゴ等の有機顔料、染料等が挙げられる。本実施形態の篩装置100は、粉体から粗大粒子、ゴミ等の異物を低ストレスで効率よく篩い分けることができるので、例えば、トナー、化粧品原料、医薬品原料、食品原料、化学薬品原料などの篩い分けに好適である。
上記のトナーの製造方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、湿式法により調製されたものが好ましい。湿式法とは、トナー母粒子の製造工程において、水等の分散媒等を用いる静電荷像現像用トナーの製造方法である。湿式法としては、以下の方法が例示される。
(b)重合開始剤、乳化剤等を含有する水性媒体中に重合性単量体を乳化させ、攪拌下に重合性単量体を重合させて得られた重合体一次粒子の分散液に、着色剤等を添加して前記重合体一次粒子を凝集、熟成させてトナー母粒子を製造する乳化重合凝集法
(c)あらかじめ溶媒に溶解、分散したポリマー、着色剤等の溶解分散液(トナー組成の溶解分散液)を水系媒体中に分散し、これを加熱又は減圧等によって溶媒を除去することにより、水系媒体に分散されたトナー母粒子を製造する溶解懸濁法
(1)少なくとも結着樹脂、及び着色剤からなる混合物
(2)少なくとも結着樹脂、着色剤、及び帯電制御剤からなる混合物
(3)少なくとも結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、及びワックスからなる混合物
(4)少なくとも結着樹脂、磁性剤、帯電制御剤、及びワックスからなる混合物
次に、図1、及び図15乃至図19を参照して、粉体充填システム1の動作について説明する。図15および図19は、粉体充填システムの処理を示した処理フロー図である。図16は、図2の篩装置に粉体を供給した状態を示す概略図である。図17及び図18は、図2の篩装置で粉体の篩い分けを行っている状態を示す概略図である。
まず、充填停止時の粉体充填システム1の動作・処理について説明する。ディスプレイ510の操作パネルによって充填開始の要求が受け付けられると、駆動制御部561は、粉体充填装置本体用秤241の計測結果、すなわち粉体収容手段212に収容された粉体の重量が、第1の閾値よりも小さいか判断する(ステップS11)。なお、第1の閾値は、粉体収容手段212の容量に基づいて設定されNVRAM204に記憶されている。本実施形態においては、粉体収容手段212に収容された粉体の量が第1の閾値より小さい場合に粉体充填装置200の充填時の安定性が低下する。粉体収容手段212に収容された粉体の重量が、第1の閾値よりも小さくないと判断された場合には(ステップS11のNO)、粉体収容手段212は十分な量の粉体を収容しているので、篩装置100は、粉体充填装置200への粉体の供給を開始しない。
続いて、篩装置100から粉体充填装置200への粉体の供給を停止する場合の処理について説明する。供給制御部562は、計測部240の粉体充填装置本体用秤241の計測結果、すなわち粉体収容手段212に収容された粉体の重量が、第2の閾値よりも大きいか判断する(ステップS21)。なお、第2の閾値は、予めNVRAM204に記憶されている。本実施形態においては、第2の閾値は第1の閾値より大きい値であって、粉体収容手段212に収容された粉体の量が第2の閾値を越えると、粉体収容手段212による充填の効率が低下する。粉体収容手段212に収容された粉体の重量が、第2の閾値よりも大きくないと判断された場合には(ステップS21のNO)、粉体収容手段212には、篩装置100は、粉体充填装置200への粉体の供給を継続する。この場合ステップS21の判断は、粉体収容手段212に収容された粉体の重量が第2の閾値よりも大きくなるまで、定期的に実行される。
以下、図20を用いて、本発明の第2の実施形態に係る粉体充填システムについて第1の実施形態に係る粉体充填システムと異なる点を説明する。図20は、本発明の第2の実施形態に係る篩装置を示す断面図である。なお、図20において、第1の実施形態に係る粉体充填システムの篩装置と共通する構成については、同じ符号を用いて示し、詳細な説明を省略する。
フレーム121には、フレーム121内に収容されフィルター122に堆積した粉体が所定量を超える場合に、所定量を超える粉体をフレーム121内から排出する排出部121bが設けられている。フィルター122を通過する粉体の量より供給部121aから供給される粉体の量が過多の場合、フィルター122に堆積する粉体の量が増え続ける。本実施形態では、排出部121bを設けることで、所定量を超える過剰な粉体が外部に排出されるため、篩装置100の長時間連続運転が可能となり、効率よく大容量の粉体の篩分けを行うことができる。
以上、各実施形態の篩装置(100,101)について詳細に説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても差支えない。例えば、上記の各実施形態では、シャフト132に1段のブレード131が設けられていたが、必要に応じてシャフト132に高さの異なる位置に2段のブレード131が設けられても構わない。
上記実施形態の粉体充填システム1は、フィルター122と交差する回転軸Zを中心にフィルター122に近接して回転可能に設けられたブレード131を有する篩装置100を備える。篩装置100のブレード131を回転させると、粉体Pが流動化し、流動化した粉体Pfが自重により落下するときに、小粒径の粉体Psが低ストレスな状態で効率良くフィルター122を通過する。篩装置100は、同程度の効率の超音波篩装置と比較して小型化されるので、篩装置100を粉体充填システム1に組み込んだ場合でも、持ち運びの容易性が維持されるという効果を奏する。
i.篩装置100を粉体充填装置200上に設置することができるので、スペースの効率が良く、粉体充填システム1ごとの持ち運びも可能となる。
ii.ブレード131の回転を停止するとブレードの回転方向に発生していた渦V(図17参照)が直ちに消滅する。このため、ブレード131の停止後に粉体充填装置200への粉体の供給を直ちに停止できるため、正確に粉体を供給することが可能となる。
iii.摩擦熱による粉体の凝集を抑制できるため、低融点の粉体を用いた場合にも品質が確保される。
iv.ブレード131の回転により篩い分け処理する機構を用いたため、振動による騒音が少ない。
v.開始・停止時に大きな振動が発生しないので、篩装置100と粉体充填装置200との接続部に防振構造を必要としない。
vi.粉体充填システム1の全体が小型化されるため、高所作業の必要がなく、メンテナンス性に優れる。
実施例1では、図2の篩装置100と図12の粉体充填装置200とを備えた粉体充填システム1を用いた。実施例1の篩装置100は、供給部121aが設けられたフレーム121と、フレーム121の粉体排出側に設けられたフィルター122と、少なくともブレード131を有する回転体130とを有している。
−トナー篩装置の作製−
篩装置100のフレーム121の材質がアクリル樹脂製、フレーム121の大きさが135mm×135mm×186mm、フレーム121の内容積が2,661mLであり、フィルター122の材質がポリエステル製、目開き48μm、開口率34%であり、ブレード131の材質がステンレス製,厚み3.0mm、D1=5.0mm、D2=17.5mmでである以外は実施例1と同様にして、実施例2の粉体充填システム1を作製した。
−トナー篩装置の作製−
篩装置100のフレーム121の材質がSUS製、フレーム121の大きさが100mm×100mm×186mm、フレーム121の内容積が1,460mLであり、フィルター122の材質がステンレス製、目開き43μm、開口率34.7%、#350であり、ブレード131の材質がステンレス製,厚み3.0mm,D1=2.0mm,D2=10.0mmである以外は実施例1と同様にして、実施例3の粉体充填システム1を作製した。
−トナー篩装置の作製−
篩装置100のフレーム121の材質がアクリル樹脂製、フレーム121の大きさが135mm×135mm×300mm、フレーム121の内容積が4,292mLであり、フィルター122の材質がポリエステル製,目開き37μm,開口率26%であり、ブレード131の材質がナイロン製,厚み1.5mm,D1=2.0mm,D2=2.5mmである以外は、実施例1と同様にして、実施例4のトナー篩装置を作製した。
−トナー篩装置の作製−
実施例5では、図20の第2の実施形態の篩装置101を用いた。実施例5の篩装置101は、フレーム121に排出部121bが形成されている点を除き、実施例1の篩装置100と同様の構成である。
−トナーの作製−
ポリエステル樹脂(重量平均分子量:9,000、酸価:33mgKOH/g)82質量部、Ti−Fe着色剤(Ti含有量:14質量%、BET比表面積:17m2/g)13質量部、荷電制御剤(スピロンブラックTR−H、保土谷化学社製)2質量部、及び低分子ポリプロピレン(重量平均分子量:6,00)3質量部を、2軸エクストルーダーを用いて混練し、粉砕、分級して、重量平均粒径5.5μmとした後ヘンシェルミキサーを用い、酸化チタン微粒子(MT−150AI、テイカ社製)1.0質量部とシリカ微粉末(R972、クラリアントジャパン社製)1.5質量部を混合した。以上により、実験例1のトナーを調製した。得られたトナーの個数平均粒径は6.0μm、5μm以下のトナー粒子の割合は70個数%であった。トナーの飽和磁化σsは4.1emu/gであった。
スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体100質量部、カーボンブラック8質量部、及びサリチル酸亜鉛8質量部を配合し、配合した物を熱ロールミルで熔融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いで、エアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。得られた微粉末を分級して、平均粒径が100μmであり、50μm以下の粒径のものを含んでいない異物を作製した。
上記の異物50gに、上記製造した実験例1のトナーを添加し、全質量が1,000gになるようにして粉体を得た。
得られた粉体を、実施例1の篩装置を用いて篩い分けを行った。なお、ブレード131は、2,000rpmの回転数にて回転させた。その後、粉体充填装置200のバルブ222を開放して内部の圧力が10Kpa〜20Kpaとなるよう圧縮空気を空気ヘッダ225内に導入した。これにより、粉体収容手段212内の粉体を、流動化し、粉体充填手段230によって外部との圧力差によりメスシリンダに充填した。以下のようにして、篩分け前・篩分け後(充填後)でのトナー中の異物の割合、トナーの個数平均粒径を測定した。結果を表1に示す。
篩前のトナー中の異物A(g/100g):トナー中に配合した異物割合を、試料調製の配合割合より算術にて求めた。
篩前のフィルター上の異物及びトナー質量B(g):ブランクとして用いるフィルターと、各実施例にて用いるフィルター122の質量を測定し、その差より篩前のフィルター122上の異物及びトナー質量を求めた。
篩後のトナー質量C(g):フィルター122を通過した試料の質量を測定した。
篩後のフィルター上の異物及びトナー質量D(g):ブランクとして用いるフィルターと、各実施例にて用いたフィルター122の質量を測定し、その差より篩後のフィルター122上の異物及びトナー質量D(g)を求めた。
篩後のトナー中の異物E(g/C(g)中):篩後のフィルター122上の異物及びトナー質量D(g)を篩後のトナー質量C(g)で除した値を篩後のトナー中の異物E(g/C(g)中)とした。
電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL添加した。ここで、電解液としては、1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON−II(コールター社製)を使用した。更に、測定試料2mg〜20mgを電解水溶液に添加した。試料を懸濁させた電解水溶液について、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。分散処理した電解水溶液について、コールターカウンターTA−II又はコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。更に、得られた分布から、トナーの個数平均粒径を求めた。
−有機樹脂微粒子分散液(1)の調製−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業社製)14質量部、スチレン137質量部、アクリル酸ブチル55質量部、メタクリル酸83質量部、n−ドデシルメルカプタン(「チオカルコール20」;花王社製)8質量部、及び過硫酸アンモニウム1.2質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌して、白色の乳濁液を得た。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温して4時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加し、71℃にて6時間熟成して、ビニル樹脂粒子(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(有機樹脂微粒子分散液(1))を調製した。得られた有機樹脂微粒子分散液(1)の固形分濃度は30質量%であった。有機樹脂微粒子分散液(1)に含まれる有機樹脂微粒子の一部を乾燥して樹脂分を単離し、該樹脂分のガラス転移温度(Tg)を測定したところ、90℃であり、重量平均分子量(Mw)を測定したところ、8,000であった。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、イソフタル酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて5時間反応させた。次いで、この反応液を10mmHg〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸44質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、未変性ポリエステル(1)を合成した。得られた未変性ポリエステル(1)は、THF可溶分の重量平均分子量(Mw)が3,200、ガラス転移温度(Tg)が42℃、酸価が21mgKOH/gであった。
以下のようにして、分散粒子が分散されてなる水中油滴型分散液を調製した。
−トナー材料の溶解乃至分散液の調製−
−−マスターバッチ(MB)の調製−−
水1,200質量部、前記着色剤としてのカーボンブラック(「Printex35」、デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び前記未変性ポリエステル(1)1,200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。この該混合物を二本ロールで150℃にて30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、カルナバワックス110質量部、CCA(「サリチル酸金属錯体E−84」、オリエント化学工業社製)22質量部、及び酢酸エチル743質量部を仕込み、攪拌下80℃まで昇温して、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、反応容器中に、前記マスターバッチ500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。得られた原料溶解液1,875質量部を反応容器に移し、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして、前記カーボンブラック及び前記カルナバワックスの分散を行った。次いで、該分散液に前記未変性ポリエステル(1)の65質量%、酢酸エチル溶液3039質量部を添加した。上記同様の条件のビーズミルで1パスし、分散させ、有機溶剤相を調製した。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物685質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸281質量部、無水トリメリット酸24質量部、及びジブチルチンオキサイド3質量部を仕込み、常圧下、230℃で10時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下で8時間反応させて中間体ポリエステルを得た。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,200、重量平均分子量(Mw)が9,400、ガラス転移温度(Tg)が53℃、酸価が0.4mgKOH/g、水酸基価が55mgKOH/gであった。次に、冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル414質量部、イソホロンジイソシアネート86質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃にて8時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部、及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は418であった。反応容器中に、前記有機溶剤相749質量部、上記のプレポリマー115質量部、及びケチミン化合物2.9質量部、及び三級アミン化合物(「U−CAT660M」、サンアプロ株式会社製)3.5質量部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて7.5m/sにて1分間混合してトナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
水990質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」、三洋化成工業社製)45質量部、及び酢酸エチル90質量部を、混合撹拌して、乳白色の液体(水系媒体相)を得た。
前記トナー材料の溶解乃至分散液中に前記水系媒体相1,200質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)で、周速15m/sにて20分間混合し、水中油滴型分散液(乳化スラリー)を調製した。得られた水中油滴型分散液(乳化スラリー)中の分散粒子の粒径(Mv)を、粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、0.40μmであった。
−分散粒子の粒径制御−
パドル型攪拌装置を用い、前記水中油滴型分散液(乳化スラリー)を、周速0.7m/sにて攪拌し、前記有機樹脂微粒子分散液(1)を前記水中油滴型分散液固形分100質量部に対し4質量部添加し、次いで、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの20質量%溶液(「ネオゲンSC−A」、第一工業製薬社製)10質量部投入し、前記乳化スラリー中の分散粒子の粒径を制御し、該分散粒子の粒径を前記粒度分布測定装置(「nanotrac UPA−150EX」、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、5.2μmであった。
攪拌機、及び温度計をセットした反応容器中に、前記粒径制御後の乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した後、45℃にて4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
前記分散スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキに10質量%塩酸溶液100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数10.0m/sにて10分間)した後濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、実験例2のトナー母体粒子を得た。
得られた実験例2のトナー母体粒子100質量部に対し、外添剤としての疎水性シリカ1.5質量部と、疎水化酸化チタン0.5質量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合処理し、実験例2のトナーを製造した。得られたトナーの個数平均粒径(Dn)は、5.1μmであった。上述した異物50gに、上記製造した実験例2のトナーを添加し、全質量が1,000gになるようにして粉体を得た。得られた粉体を、実施例2の篩装置を用いて篩い分けを行った。なお、ブレード131は、3000rpmの回転数にて回転させた。その後、実験例1と同様にして、篩分け前後でのトナー中の異物の割合、トナーの個数平均粒径を測定した。結果を表1に示す。
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。これを加熱して、系内温度75℃まで昇温して5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[樹脂微粒子分散液1]を得た。得られた[樹脂微粒子分散液1]を粒度分布測定器(LA−920、堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、105nmであった。また、[樹脂微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃であり、重量平均分子量は150,000であった。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物66質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物535質量部、テレフタル酸231質量部、及びイソフタル酸41質量部を投入し、常圧窒素気流下、210℃で10時間縮合反応した。次いで、サリチル酸127質量部を投入し、210℃で5時間縮合反応を継続した。更に、0mmHg〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、[ポリエステル1]を得た。得られたポリエステル樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量は3,800、酸価19mgKOH/g、水酸基価55mgKOH/g、フェノール性水酸基の水酸基価50mgKOH/g、ガラス転移温度53℃であった。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物795質量部、イソフタル酸200質量部、テレフタル酸65質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、窒素気流のもと、210℃で8時間縮合反応した。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170質量部と2時間反応を行い、[プレポリマー1]を得た。得られたプレポリマーの重量平均分子量は5,000、平均官能基数は2.25であった。
攪拌棒、及び温度計の付いた反応槽中に、イソホロジアミン30質量部とメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃で5時間反応を行い[ケチミン化合物1]を得た。
ビーカー内に[プレポリマー1]33質量部、[ポリエステル1]132質量部、及び酢酸エチル80質量部を入れ、攪拌溶解した。次いで、別途、離型剤であるカルナバワックス15質量部、カーボンブラック20質量部、及び酢酸エチル120質量部をビーズミルに入れ、30分間分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分攪拌した後、ビーズミルで10分間分散処理し、[トナー材料油性分散液1]を得た。
ビーカー内にイオン交換水529.5質量部、[樹脂微粒子分散液1]70質量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液に上記[トナー材料油性分散液1]400質量部、及び[ケチミン化合物1]8.4質量部を加え、30分間攪拌を続けながら反応させた。続いて、冷却管を設置したフラスコに内容物を移し、湯浴を用いて熟成した。
熟成後の分散液から有機溶剤を除去した後、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子100質量部、及び帯電制御剤(オリエント化学社製、ボントロンE−84)0.25質量部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。
この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。更に、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5質量部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル実施し、実験例3のトナーを得た。得られた実験例3のトナーの個数平均粒径(Dn)は、5.5μmであった。
実験例3において、実施例3の篩装置を実施例4の篩装置に変え、ブレード131の回転数を1,500rpmから1,000rpmに変更した以外は、実験例3と同様にして、篩い分けを行った。その後、実験例1と同様にして、篩分け前後でのトナー中の異物の割合、トナーの個数平均粒径を測定した。結果を表1に示す。
100,101 篩装置
121 フレーム(筒状体の一例)
121a 供給部
121b 排出部
122 フィルター
123 メッシュホルダ
130 回転体
131 ブレード
132 シャフト
133 ハブ
140 駆動部
141 ブレード駆動用モータ(駆動手段の一例)
142 ベアリング
200 粉体充填装置
210 粉体充填装置本体
211 粉体投入口
212 粉体収容手段(収容手段の一例)
213 圧力開放弁
214 粉体流速調整弁
215 本体圧力計
220 気体導入手段
221 圧縮空気配管
222 バルブ
224 空気流量計
225 空気ヘッダ
226 通気手段
230 粉体充填手段(充填手段の一例)
231 粉体導出管
232 粉体輸送管
233 粉体充填ノズル
240 計測部
241 粉体充填装置本体用秤
242 粉体収容器用秤
300 粉体供給装置
400 粉体収容器
500 制御装置
561 駆動制御部(駆動制御手段の一例)
562 供給制御部
563 充填制御部
P 粉体
Pf 流動化した粉体
Ps 篩分けられた粉体
V 渦
Claims (7)
- 筒状体、前記筒状体の底部に設けられたフィルター、および、前記フィルターと交差する回転軸を中心に前記フィルターに近接して回転し、前記筒状体内に供給された粉体を攪拌するブレードを備えた篩装置と、
前記ブレードの回転に基づいて前記フィルターを通過した前記粉体を収容する収容手段、前記収容手段に収容された前記粉体に気体を導入して前記粉体を流動化させる気体導入手段、および、前記気体導入手段によって流動化された前記粉体を吐出させて所定の容器に充填する充填手段を備えた充填装置と、
前記ブレードを駆動する駆動手段と、
前記収容手段に収容された前記粉体の量を計測する計測手段と、
前記計測手段によって計測された前記粉体の量が第1の閾値よりも小さい場合に、前記ブレードの駆動を開始する制御を実行し、前記計測手段によって計測された前記粉体の量が第2の閾値よりも大きい場合に、前記ブレードの駆動を停止する制御を実行する駆動制御手段と、を有し、
前記ブレードの厚さは、前記回転軸を中心とする回転方向の前記ブレードの長さよりも小さい
ことを特徴とする粉体充填システム。 - 前記篩装置は、前記充填装置の上方に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の粉体充填システム。
- 前記篩装置は、前記充填装置の側方に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の粉体充填システム。
- 前記篩装置に前記粉体を供給する粉体供給装置を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粉体充填システム。
- 筒状体、前記筒状体の底部に設けられたフィルター、および、ブレードを備えた篩装置に粉体を供給する供給工程と、
前記フィルターと交差する回転軸を中心に前記フィルターに近接して前記ブレードを回転させることにより、前記篩装置に供給された前記粉体を攪拌する攪拌工程と
前記ブレードの回転に基づいて前記フィルターを通過した前記粉体を収容手段に収容させる収容工程と、
前記収容工程で収容された前記粉体に気体を導入して前記粉体を流動化させる気体導入工程と、
前記気体導入工程で流動化させた前記粉体を吐出させて所定の容器に充填する充填工程と、
前記ブレードを駆動する駆動工程と、
前記収容工程により収容された前記粉体の量を計測する計測工程と、
前記計測工程によって計測された前記粉体の量が第1の閾値よりも小さい場合に、前記ブレードの駆動を開始する制御を実行し、前記計測工程によって計測された前記粉体の量が第2の閾値よりも大きい場合に、前記ブレードの駆動を停止する制御を実行する駆動制御工程と、を有し、
前記ブレードの厚さは、前記回転軸を中心とする回転方向の前記ブレードの長さよりも小さい
ことを特徴とする粉体充填方法。 - 前記供給工程で前記粉体を供給する前に、前記ブレードを予め回転させることを特徴とする請求項5に記載の粉体充填方法。
- 前記粉体の充填を停止する際に、前記篩装置への前記粉体の供給を停止させた後に前記ブレードの回転を停止させることを特徴とする請求項5又は6に記載の粉体充填方法。
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