JP6074127B2 - 面ファスナ用の複合材要素 - Google Patents

Description

本発明は、繊維材料製キャリアと、このキャリア上に積層された、係合用のフック(Kletthaken)の係りのための繊維材料製機能層とからなる、面ファスナ用複合材要素、特にオムツ用ファスナのための複合材要素に関する。

面ファスナは周知である。これらは、本質的に、係合用のフックを有する（雄の）ファスナ部分と、係合用フックが係り付く（雌の）部分からなる。この種のファスナは、コスト的に有利に製造することができ、簡単に扱うことができ、その上、すり減ることなく、繰り返し開け閉めすることができる。そのため、中でも、オムツにこのような面ファスナが具備されている。これの代わりに使用される貼り付け型のファスナとは対照的に、面ファスナは、例えばべビーオイルやスキンクリームと接触する場合にも、なおも閉めることができるという利点をオムツに与える。

雌のファスナ部分、特にオムツ用面ファスナの雌ファスナ部分を構成する複合材要素が、例えば欧州特許第１５７９７７９Ｂ１号明細書（特許文献１）に開示されている。これは、係合用フックの係留のためのループを表面に有する繊維材料がキャリアフィルムの上に載せられた複合材要素である。通常、このタイプの複合材要素は、必要な係合用フックを有する適当なファスナテープでのオムツの止着が行われ得るように、オムツの腰回り部に配置される。そこに記載の複合材要素は、心地よい柔らかさと、それ故、皮膚に優しい触感を有する。しかしキャリアフィルムのせいで、面ファスナのこのファスナ部分は可呼吸ではない。

欧州特許第１５７９７７９Ｂ１号明細書

それ故、本発明は、外観、触感及び機能的な性質を損なうことなく、呼吸活性が向上されたオムツ用ファスナのための複合材要素を提供するという課題に基づく。

上記の課題は、繊維材料製キャリアと繊維材料製機能層とが互いに接着されて、通気性の複合体を形成する、請求項１に従う複合材要素によって解決される。この際、接着剤は、全面に接着剤が塗布された接着剤枠と、この接着剤枠内に、接着面と接着剤無しの領域とが規則的に配置されてなる接着構造とを有するパターンでキャリア上に塗布される。更に、前記接着剤枠は、該複合材要素の縁を形成する。この際、接着もしくは積層は、反応性ＰＵＲ接着剤またはホットメルト接着剤を用いて行うことができる。

複合体が接着剤の無い領域を有するように互いに接着される、二つの専ら繊維材料製で、それ故それぞれ通気性の層の組み合わせは、全体として同様に通気性である。それによって、該積層複合体は可呼吸性となり、オムツの雌のファスナ要素として使用するのに特に適している。（雄の）ファスナテープの係合用フックの係留のための機能は、機能層と繊維材料製キャリアとの部分的な面での接着によって、係合用フックが機能層中に深く係り付くことができるという点で有利に働く。本発明の複合材要素の縁領域の全面的な接着は、ファスナを開く際に、繊維材料が縁側で剥がれるかまたは引きちぎれることを防ぐ。このようにして、ファスナの良好な耐久性が達成され、そうして、ファスナを頻繁に利用することができる。更に、ファスナテープの係合用フックは、該複合材要素の接着された縁領域において比較的弱く係るため、ファスナの解放時に材料に負荷される応力が比較的小さい。またこれは、本発明の複合材要素が、頻繁に使用された際にもほつれることがなく、そしてそれの機能性が縁領域においても保持されることにも寄与する。

本発明の複合材要素の可能な形態の一つでは、繊維材料製キャリアは、スパンボンド不織布からなることができ、このスパンボンド不織布は、好ましくは１０〜５０ｇ／ｍ²の単位面積重量を有する。それによって、該複合材要素の重さを軽くすることができる。このような特性はオムツ製品において重要である。というのも、これらは、大概の場合において、大量個数を購入、廃棄しなければならないからである。この際、重量はできるだけ軽いほど利点が大きい。スパンボンド不織布は、不透明、白色または有色であることができる。

更に、前記繊維材料製キャリアは、ポリオレフィン（例えばＰＰ； ＰＥ）、ポリオレフィンコポリマー、ポリアミド（ＰＡ）またはポリエステル（例えばＰＥＴ）製の繊維からなることができる。このタイプの繊維材料の触感的性質は、柔らかく肌に優しい印象を該ファスナのユーザーに残す。それ故、本発明による該複合材要素の通気性に関連して、該オムツ用ファスナ部分は、肌との接触の際に殆ど不快に感じることはない。

本発明の複合材要素の好ましい態様の一つでは、繊維材料製機能層は、経編布(Kettwirkware）からなる。この経編布は、編成方法によって、繊維経糸（textile Kettenstraenge）と、係合用フックが係り付くのに非常に適したループが形成されたものである。それ故、該ファスナを閉める際には、非常に多数の係合用フックをループ等に係らせることができ、それによって、該ファスナは簡単に開けることができなくなる。経編布の代わりに、該機能層は、織物または不織布からなることもでき、それによって積層複合体全体が、ソフトな手触りとなり、皮膚を傷つけることがなくなる。不織布は、例えば、ＰＡ、ＰＥＴまたはＰＰから作ることができる。ソフトな構成要素を有するオムツは、一般に、快適で及び着け心地が良く感じる。

接着面は、接着剤枠内において、特にストリップ状、格子状、点状またはセル状（zellenfoermig）の構造を形成し、この際、接着剤枠内の接着面の割合が、接着剤枠によって囲まれた面を基準にして１０〜７０％、好ましくは４０〜６０％となるようにすることができる。繊維材料に未接着の領域が形成されることにより、該積層複合体の通気性が高められると同時に、これは止着作用に有利に作用する。後者は、ファスナテープの係合用フックが、機能層の未接着繊維材料領域では、層の表側でだけではなく、層の内部及びそれの未接着部の下面でもループ等に接するということに関連がある。この際、この複合材料の全表面に対する接着された面の割合、並びに接着の形またはタイプは、材料の選択及び作用する脱着力に依存する。接着面の割合が７０％を超える場合は、例えば、１０〜２０ｇ／ｍ²の単位表面重量を有するポリプロピレン製のスパンボンド不織布−メルトブロー不織布−スパンボンド不織布複合体（ＳＭＳ）を機能繊維材料及びキャリア繊維材料として設けることができる。

以下に、本発明をもっぱら一実施例を示した図面に基づいてより詳しく説明する。

図１は、複合材要素の垂直断面図である。 図２は、幅の狭い側に平行に配置されたストライプ状の接着剤構造を有する複合材要素の上面図である。 図３は、対角線状に配置されたストライプ状の接着剤構造を有する複合材要素の上面図である。

図１から、面ファスナ用、特にオムツ用ファスナ用の複合材要素の垂直断面図を見て取れる。これは、繊維材料製キャリア１、及びこのキャリア１上に積層された、係合用フックの係り付きのための繊維材料製機能層２からなる。この際、繊維材料製キャリア層１と繊維材料製機能層２は互いに接着されており、そして通気性の複合体を形成している。ここで、接着剤３は、全面に接着剤が塗布された接着剤枠４と、この接着剤枠内に、接着面５と接着剤の無い領域６とが規則的に配置されてなる接着構造とを有するパターンでキャリア１上に塗布される。接着剤枠４は複合材要素の縁を形成する。繊維材料製キャリア１は、例えば、スパンボンド不織布からなることができ、このスパンボンド不織布は、好ましくは１０〜５０ｇ／ｍ²の単位面積重量を有する。繊維材料製キャリア１が、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリアミドまたはポリエステル製の繊維からなるようにすることもできる。繊維材料製機能層２は、例えば、経編布、織物または不織布からなることができる。この図から、機能層２が、未接着領域６において、上面だけでなく下面でも、ファスナテープの係合用フックと相互に作用できることが見て分かる。これらの箇所での繊維材料製機能層２の所与の柔軟性によって、この効果が増強される。なぜならば、例えば、係合用フックが、機能層の中央にある糸成分にも係り付くことができるからである。機能層２の過度の引き抜きまたはほつれは、機能層２が、積層複合体の全面を通して規則的な間隔で繊維材料製キャリア１としっかりと接着されていることによって避けられる。

図２には、本発明の複合材要素の一実施例の上面図を見ることができる。接着ストライプパターンは、接着面５がストライプ状構造を形成するように選択されている。接着剤の無い面６も同様にストライプを形成し、この際、図２のストライプは、該複合材要素の幅の狭い側に並行に配置されている。その平面には、周辺側に接着剤枠４が設けられている。この縁側枠４は、該面ファスナの取り外し時に繊維性材料が引きちぎることまたはほつれることを防ぐ。接着剤枠内での全接着面５の割合は、接着剤枠４によって包囲された面に基づいて１０〜７０％である。接着面の割合は、ファスナの取り外し時に付着テープによって積層複合体に伝わる力に依存する。接着面の割合は、接着剤枠によって包囲される面を基準にして多くの場合に４０〜６０％であるのが有利である。

接着剤の無い面６がより少ない複合材要素、すなわち接着面の割合がより大きい複合材要素が図３に示される。そのストライプパターンは、格子構造が生ずるように配置される。ストライプまたは格子の代わりに、例えば点状、セル状または波状の構造が生ずるように、他のパターンにすることもできる。該複合材要素の製造及び二次加工に関して、材料要素の所定の長さでの切断または適用を制御するマーク７を印刷することができる。このようなレジスタマーク（Rapportmarkierung）７の一例は、選択的に、可視の着色剤で印刷するか、または代替的にＵＶ光による照明下に始めて可視になる着色剤で印刷することができる。

Claims (4)

1. 繊維材料製キャリア（１）、及びこのキャリアの上に積層された、係合用フックの係り合いのための繊維材料製機能層（２）からなる、面ファスナのための複合材要素であって、繊維材料製キャリア（１）及び繊維材料製機能層（２）が互いに接着されており、そして通気性の複合材を形成し、
   接着剤（３）が、全面に接着剤が塗布された接着剤枠（４）と、この接着剤枠（４）の内部に接着面（５）と接着剤の無い領域（６）とが規則的に配置されてなる接着構造とを有するパターンで、キャリア（１）上に塗布されており、そして
   接着剤枠（４）が、該複合材要素の縁を形成しており、及び
   繊維材料製機能層（２）が、経編布からなり、及び
   接着剤枠（４）内部の接着面（５）の割合が、接着剤枠（４）によって包囲された面を基準にして４０〜６０％であり、
   繊維材料製キャリア（１）が、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、ポリアミドまたはポリエステル製の繊維からなり、及び
   オムツ用ファスナの雌要素のためのものである、
   前記複合材要素。
2. 繊維材料製キャリア（１）がスパンボンド不織布からなることを特徴とする、請求項１の複合材要素。
3. スパンボンド不織布が、１０〜５０ｇ／ｍ^２の単位面積重量を有することを特徴とする、請求項２の複合材要素。
4. 接着剤枠（４）の内部の接着面（５）が、ストライプ状、格子状、点状またはセル状構造を形成していることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一つの複合材要素。

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