JP6072972B1 - 吸収パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】着用中に身体にフィットし易い、おむつの内側に装着する吸収パッドを提供する。【解決手段】おむつの内側に装着する吸収パッド10は、表面シート20と、裏面シート22と、吸収体30と、おむつに係止する係止部90と、を有する。吸収体30は、周縁領域Pと、周縁領域Pに囲まれた中央領域Cと、を有する。中央領域Cは、第1中央域C1と、長手方向Lにおける第1中央域C1の前後に配置された第2中央域C2と、を有する。第2中央域C2は、第1中央域C1及び周縁領域Pよりも低い剛性を有する。吸収体30は、中央領域Cに対して幅方向Wに隣接する周縁領域Pと中央領域Cとの境界で、長手方向Lに沿って延びる一対の低坪量領域42と、中央領域Cに吸収体30の幅方向Wの中央で長手方向Lに延びた第1圧搾溝40と、を有する。係止部90は、長手方向Lにおいて第1圧搾溝40が形成された領域を避けて設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、おむつの内側に装着する吸収パッドに関する。
特許文献1は、液体を吸収する吸収体を備えた使い捨ておむつを開示している。この使い捨ておむつの吸収体は、長手方向に延びる中央エンボス領域と、中央エンボス領域の両側に、中央エンボス領域との間に間隔を設けて形成された2つのサイドエンボス領域と、を有する。また、この使い捨ておむつは、吸収体よりも非肌面側に複数の弾性部材が設けられている。このような使い捨ておむつでは、着用時に、中央エンボス領域と各サイドエンボス領域との間の領域が屈曲し易くなる。これにより、使い捨ておむつは、特許文献1の図4に示すように、幅方向に略M字形に変形する。
特開2003−180744号公報
現在、おむつの内側に装着する吸収パッドが開発されている。このような吸収パッドは、液体の漏れを防止する観点から、着用者の身体にフィットするように変形することが好ましい。
特許文献1は、おむつの内側に装着する吸収パッドではなく、使い捨ておむつに関する発明を開示するのみであるが、使い捨ておむつの吸収体を幅方向に略M字形に変形し易くする構造を提供している。しかしながら、特許文献1は、使い捨ておむつの長手方向における変形については考慮されていない。また、特許文献1に記載の使い捨ておむつでは、吸収体よりも非肌面側に設けられた複数の弾性部材の収縮作用により、吸収体が長手方向に縮む。これにより、吸収体がたくれ、吸収体表面に凹凸ができ易くなり、吸収体と着用者の肌との間に隙間ができ易くなることがある。さらに、着用者が一度脚を閉じた後に脚を広げたとしても、弾性部材の収縮作用のせいで、吸収体が潰れた状態で維持され易く、元の形状に戻り難い。これにより、着用者が脚を広げたときに、使い捨ておむつが着用者の身体にフィットし難くなることがある。
上記のように、使い捨ておむつが着用者の身体にフィットしない場合、使い捨ておむつから液体が漏れ易くなることがある。したがって、長手方向においても着用中に身体にフィットし易い吸収パッドが望まれる。
一態様に係る吸収パッドは、おむつの内側に装着する吸収パッドに関する。吸収パッドは、長手方向と、前記長手方向に直交する幅方向と、表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられ、吸収材料からなる吸収コアを含む吸収体と、前記裏面シートの非肌面側に、前記おむつに係止する係止部と、を有し、前記吸収体は、周縁領域と、前記周縁領域に囲まれた中央領域と、を有し、前記中央領域は、第1中央域と、前記長手方向における前記第1中央域の前後に配置された第2中央域と、を有し、前記第2中央域は、前記第1中央域及び前記周縁領域よりも低い剛性を有し、前記吸収体は、前記中央領域に対して前記幅方向に隣接する前記周縁領域と前記中央領域との境界で前記長手方向に沿って延び、前記第中央領域及び前記周縁領域の吸収材料よりも低い坪量の一対の低坪量領域と、前記中央領域に、前記吸収体の前記幅方向の中央で前記長手方向に延びた第1圧搾溝と、を有し、前記係止部は、前記長手方向において前記第1圧搾溝が形成された領域を避けて設けられている。
上記態様によれば、着用中に身体にフィットし易い吸収パッドを提供することができる。
図1は、一実施形態に係る吸収パッドの平面図である。 図2は、図1のF2−F2線に沿った吸収パッドの断面図である。 図3は、一実施形態に係る吸収体の平面図である。 図4は、図3とは反対側から見た吸収体の平面図である。 図5は、横方向外側から内側へ弱い力が加えられた状態時における吸収パッドの一変形状態を示す幅方向に沿った模式的断面図である。 図6は、横方向外側から内側へ強い力が加えられた状態における吸収パッドの別の形状状態を示す幅方向に沿った模式的断面図である。 図7は、横方向外側から内側へ強い力が加えられた状態における吸収パッドの一変形状態を示す長手方向に沿った模式的断面図である。 図8は、吸収パッドを装着するおむつの一例を示す斜視図である。 図9は、展開したおむつに装着した吸収パッドを示す平面図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
おむつの内側に装着する吸収パッドであって、
長手方向と、
前記長手方向に直交する幅方向と、
表面シートと、
裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられ、吸収材料からなる吸収コアを含む吸収体と、
前記裏面シートの非肌面側に、前記おむつに係止する係止部と、を有し、
前記吸収体は、周縁領域と、前記周縁領域に囲まれた中央領域と、を有し、
前記中央領域は、第1中央域と、前記長手方向における前記第1中央域の前後に配置された第2中央域と、を有し、
前記第2中央域は、前記第1中央域及び前記周縁領域よりも低い剛性を有し、
前記吸収体は、
前記中央領域に対して前記幅方向に隣接する前記周縁領域と前記中央領域との境界で前記長手方向に沿って延び、前記第中央領域及び前記周縁領域の吸収材料よりも低い坪量の一対の低坪量領域と、
前記中央領域に、前記吸収体の前記幅方向の中央で前記長手方向に延びた第1圧搾溝と、を有し、
前記係止部は、前記長手方向において前記第1圧搾溝が形成された領域を避けて設けられている、吸収パッド。
一対の低坪量領域は比較的薄い領域であるため、吸収パッドは、幅方向W外側から内側へ力を受けたときに、低坪量領域を基点に変形し易い。さらに、幅方向の中央で長手方向に延びた第1圧搾溝とその周りとの剛性差によって、吸収パッドの中央領域が、着用者の肌に向けて突出するように変形しやすい。したがって、一対の低坪量領域と第1圧搾溝によって、吸収体は、幅方向に沿った断面において、W字形に変形する(図5及び図6)。具体的には、非肌面側から施された第1圧搾溝が、幅方向W外側から内側へ力を受けたときに、肌面側へ突出することになる。この変形に伴い、一対の低坪量領域は、非肌面側に凸になるように変形する。その結果、吸収パッドは、図5及び図6に示すようなW字形に変形する。これにより、着用中に、吸収パッドが着用者の体にフィットし易くなる。
また、吸収パッドは、長手方向における第1中央域の前後に、第1中央域よりも剛性の低い第2中央域を有する。第2中央域は、第1中央域及び周縁領域よりも剛性が低い。したがって、長手方向における第2中央域の境界で、2カ所の剛性差が存在する。この2カ所の剛性差により、2カ所の曲がり基点が生じる。第2中央域の、第1中央域側の境界は、凸になっている領域(第1中央域)から周縁領域と同じ厚みになろうと斜めに傾斜する(図7)。さらに、第2中央域の、周縁領域側の境界は、周縁領域に繋がるような曲がり基点を形成し、身体に沿いやすいように変形する。これらによって、吸収パッドは、幅方向の中央部で、長手方向においても略W字形に変形し、身体の丸みに沿いやすくなっている。したがって、吸収パッドは、全体的に身体にフィットし易く、これにより液体の漏れを抑制することができる。
また、本実施形態では、身体により当たり易い領域、すなわち、股間部に当たり易い第1中央域と、腹又は背に当たり易い周縁領域とが、比較的剛性の高い領域となっている。着用者の身体に当たり易い領域の剛性を高くすることで、長時間使用しても、吸収体がよれ難くなっている。
さらに、吸収パッドは、裏面シートの非肌面側に、おむつに係止する係止部を有する。係止部は、長手方向Lにおいて第1圧搾溝が形成された領域を避けて設けられている。これにより、第1圧搾溝が形成された領域と、第1圧搾溝が形成された領域の幅方向W外側の領域とは、おむつに直接係止されない。したがって、係止部が吸収パッドの変形を阻害することを防止し、その結果、吸収パッドの体へのフィット性の低下を抑制することができる。
さらに、吸収パッドは、吸収体よりも非肌面側に、吸収パッドを収縮させる作用を有する弾性部材を有していないことが好ましい。これにより、吸収体及び吸収パッドが長手方向に縮みすぎることを抑制し、吸収体のたくれ、吸収体表面の凹凸、吸収体と着用者の肌との間の隙間を抑制することができる。また、着用者が一度脚を閉じた後に脚を広げたとしても、弾性部材の収縮作用が働かないため、吸収体が元の形状に戻り難い。これにより、着用者が脚を広げたときに、吸収パッドが着用者の身体にフィットし易くなり、その結果、液体の漏れを抑制することができる。
一実施形態によれば、前記第1圧搾溝は、前記第1中央域内に設けられており、前記長手方向において前記第1中央域の境界に達していない。図7に示すように、第1圧搾溝が設けられた領域は、幅方向の外側から内側へかかる力によって、立ち上がった状態になる。長手方向において第1圧搾溝の端部から第1中央域の端部までの領域は、第1圧搾溝の部分よりも剛性が低いため、立ち上がった領域から落ち込んだ領域へ移行する領域となり易い(図7)。このように、第1圧搾溝が長手方向において第1中央域の境界に達していないため、長手方向において、第1圧搾溝により立ち上がった領域の端部を凹ませるように変形し易くなる。
一実施形態によれば、前記低坪量領域は、実質的に前記吸収材料を含まない領域であってよい。これにより、低坪量領域とそのまわりの領域との間の厚みの差が大きくなり、低坪量領域に折り基点が生じ易い。したがって、幅方向の外側から内側へ力がかかったときに、吸収パッド及び吸収体が低坪量領域のところでより変形し易くなり、吸収パッドがより着用者の体によりフィットし易くなる(図5及び図6参照)。
一実施形態によれば、前記係止部は前記周縁領域に設けられていてよい。係止部が比較的剛性の高い周縁領域に設けられているため、係止部をおむつに押し当て易い。これにより、吸収パッドをおむつに固定し易くなる。
一実施形態によれば、前記周縁領域及び前記第1中央域において前記吸収体に格子状に形成された第2圧搾溝を有する。第2圧搾溝によって、周縁領域及び第1中央域の剛性を第2中央域の剛性よりも高めることができる。また、第2圧搾溝が格子状に形成されていることで、第2圧搾溝が曲がり基点となり、着用者の動作に合わせて吸収パッドが変形し易くなる。これにより、動作中もフィットし易い吸収パッドを提供することができる。
一実施形態によれば、前記第2圧搾溝は、前記長手方向から傾斜した方向に連続的に延びている。長手方向から傾斜した方向に連続的に延びる格子状の第2圧搾溝によって、斜め方向に沿った曲がり基点が生じる。これにより、着用者の脚の動きによって吸収体がねじれたとしても、吸収パッドが身体に追従しやすくなる。その結果、着用者の動作中にも吸収パッドを身体にフィットさせ易くすることができる。
一実施形態によれば、前記第2圧搾溝は、前記吸収体の非肌面側のみに形成されている。これにより、吸収体の肌面側の一面がなるべく平坦になり、着用者に心地よい吸収パッドを提供することができる。
一実施形態によれば、前記第2圧搾溝は、少なくとも前記係止部が設けられた領域において前記長手方向に沿って延びている。係止部自体は、剛性が一定であるため、係止部自体に曲げ基点になり易い部分がない。しかしながら、係止部と重複する領域に形成された第2圧搾溝は曲げ基点になり易く、これにより係止部が設けられた領域が着用者の身体に沿って曲がり易くなっている。したがって、係止部の剛性が比較的高くても、係止部が設けられた領域において、着用者の身体に沿って吸収パッドをフィットさせ易くなる。
一実施形態によれば、前記第2圧搾溝は、互いに交差する斜め方向に連続的に延びた溝を有し、前記溝の交点が、前記低坪量領域からずれて配置されている。これにより、低坪量領域の境界に溝の交点が位置する場合と比較すると、低坪量領域の境界に位置する溝の縁の数が約2倍に増える。これにより、低坪量領域と、周縁領域又は中央領域との間の剛性差が高まり、低坪量領域の縁がより曲がり基点となり易い。
一実施形態によれば、前記係止部は、前記幅方向において、前記吸収パッドの中心から前記一対の低坪量領域の外側まで延びている。吸収パッドに幅方向の外側から内側へ力がかかったとき、一対の低坪量領域及び第1圧搾溝の変形により、吸収パッドは、股下のところで幅方向に縮むように変形する。吸収パッドの股下の領域のこの変形と着用者の脚の動きとにより、吸収パッドの長手方向における前側及び後側の領域が丸まるように変形することがある。本実施形態では、係止部が一対の低坪量領域の外側まで延びているので、吸収パッドの長手方向における前側及び後側の領域を幅方向に広い領域でしっかりとおむつに固定することができる。これにより、吸収パッドを、着用者の腹及び背の領域にフィットさせ易くすることができる。
一実施形態によれば、前記第2中央域は、平面視において、前記長手方向において前記第1中央域から離れる方に凸状の形状を有する。図7に示すように第1中央域が立ち上がった状態(着用状態)において、第1中央域よりも剛性の低い第2中央域が平面視において長手方向に凸状に湾曲していることで、第2領域よりも前側及び後側の領域が長手方向に沿った中心軸まわりに回転するような変形をし易くなる。これにより、着用中に、着用者の身体に沿って吸収パッドをフィットさせ易くなる。
一実施形態によれば、前記幅方向における前記低坪量領域の幅は、前記周縁領域における前記吸収体の厚みよりも大きい。これにより、装着時に吸収パッドが幅方向外側から内側へ強い力を受けたとき、吸収体30の周縁領域が中央領域の吸収コアの下に入り込む(図6参照)。したがって、吸収パッドの全幅が小さくなりながら、中央領域の吸収体が体にフィットするように変形し得る。低坪量領域の幅が周縁領域における吸収体の厚みよりも大きいため、吸収パッドがこのように変形しても、吸収パッド全体の厚みが大きくなりすぎない。その結果、着用者の違和感を軽減することができる。
また、吸収パッドが幅方向Wの外側から内側へ強い力を受けたとき、吸収体の周縁領域が中央領域の吸収コアの下により入り込み易くする観点から、幅方向Wにおける低坪量領域の幅は、周縁領域における吸収体の厚みと、中央領域における吸収体の厚みとの合計値よりも大きいことが好ましい。
一実施形態によれば、前記低坪量領域よりも前記長手方向の外側において、前記周縁領域と前記中央領域との境界は、前記長手方向の外側に向かうにつれて前記幅方向の内側に直線状に傾斜している。このように、周縁領域の境界が曲線状になっているよりも直線状になっている方が、周縁領域の境界が折り基点になり易く、吸収パッドの中央領域が着用者の体にフィットするように変形し易くなる。また、周縁領域の境界で吸収パッドがきれいに折れ曲がるため、着用者の違和感を軽減することができる。
一実施形態によれば、前記幅方向における前記吸収パッドの幅は、前記おむつの股下域に配置された吸収体の幅方向における最小幅よりも大きい。これにより、吸収パッドがおむつに装着されたとき、吸収パッドの幅方向W外側の両端部が、股下域において、おむつの吸収体の幅方向Wの外側へはみ出す。着用者の両脚の間に挟まれることによって着用者の脚から幅方向Wの内側へ横から受けた力は、おむつの股下域に配置された吸収体よりも先に吸収パッドに伝わる。そのため、吸収パッドの変形が促進され、吸収パッドが体にフィットするので、吸収パッドとおむつを重ねて着用していても着用者に違和感を与えにくい。
また、股下域において、おむつの吸収体よりも幅が広い領域まで吸収パッドが存在することになるので、液体がおむつ1にまで漏れ難くなる。これにより、おむつを交換することなく、吸収パッドのみを何度も交換すればよいという利点がある。
一実施形態によれば、前記吸収パッドは、前記幅方向における前記表面シートの外側部を覆うサイドシートと、前記サイドシートに取り付けられた伸縮性の弾性部材と、を有し、前記弾性部材の伸縮率は2.0〜2.5倍の範囲である。弾性部材の収縮作用により、サイドシートが立ち上がり、液体の横漏れを抑制することができる。また、弾性部材の伸縮率が2.0〜2.5倍と比較的低いため、吸収体及び吸収パッド全体が長手方向に縮む量を抑制することができる。このように、吸収体及び吸収パッド全体が長手方向に縮みすぎることを防止することで、吸収体がたくれ、吸収体表面の凹凸、吸収体と着用者の肌との間に隙間をより抑制することができる。
以下、図面を参照して、一実施形態に係る吸収パッドの詳細について説明する。本発明の吸収パッドは、例えば、使い捨ておむつの内側に装着する吸収パッドに関する。使い捨ておむつは、大人用のおむつであってよい。
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)吸収パッドの構成
図1は、一実施形態に係る吸収パッドの平面図である。図1は、伸長させた状態の吸収パッドを示している。図2は、図1のF2−F2線に沿った吸収パッドの断面図である。図3は、着用者の肌に対向する肌面側から見た、吸収パッドに備えられた吸収体の平面図である。図4は、図3とは反対側から見た吸収体の平面図である。
吸収パッド10は、長手方向L及び幅方向Wを有する。長手方向Lは、着用者の前側(腹側)から後側(背側)に延びる方向、又は着用者の後側から前側に延びる方向である。幅方向Wは、長手方向Lと直交する方向である。以下、使用時に着用者の肌に面する側を、「肌面側」と呼ぶことがある。また、使用時に着用者の肌とは反対に向けられる側を、「非肌面側」と呼ぶことがある。
吸収パッド10は、表面シート20、裏面シート22及び吸収体30を有する。表面シート20は、吸収パッド10の着用時に、着用者の肌に面する。表面シート20は吸収体30を覆っている。表面シート20は、液透過性のシートから構成されていてよい。
裏面シート22は、吸収パッド10の着用時に、着用者の肌とは反対側へ向けられ、使い捨ておむつに面する。裏面シート22は、液不透過性のシートから構成されていてよい。
吸収パッド10は、サイドシート50及び弾性部材52を有していてもよい。サイドシート50は、裏面シート22の非肌面側から、吸収パッド10の幅方向Wの外側縁を通って、表面シート20側へ延びている。幅方向Wにおけるサイドシート50の内側部は、表面シート20側で折り返されている。これにより、サイドシート50は弾性部材52を包んでいる。弾性部材52は、長手方向Lに伸長した状態でサイドシート50に取り付けられる。弾性部材52は外力が働いていない状態で収縮した状態になり、これによって、サイドシート50の表面シート20側に、起立性のギャザーが構成される。この起立性のギャザーによって液体の横漏れを抑制することができる。
弾性部材52は、幅方向Wの中心を挟んで両側に少なくとも1本ずつ設けられている。図2に示すように、弾性部材52は、幅方向Wの中心を挟んで両側に1本ずつ設けられていることが好ましい。これにより、弾性部材52の収縮力が強くなり過ぎることを抑制することができる。
弾性部材52の伸張率は、2.0倍〜2.5倍の範囲であることが好ましい。このように弾性部材52の伸縮率が比較的低いため、吸収体30及び吸収パッド10全体が長手方向Lに縮む量を抑制することができる。このように、吸収体30及び吸収パッド10全体が長手方向Lに縮みすぎることを防止することで、吸収体30がたくれ、吸収体30表面の凹凸、吸収体30と着用者の肌との間に隙間をより抑制することができる。
本明細書では、弾性部材の「伸長率」は、以下のように定義される。
伸長率=(伸長状態の弾性部材の長さ)÷(自然状態の弾性部材の長さ)
なお、本明細書において、かかる伸長率は、例えば、次のように測定されるものとする。第1に、吸収パッド10の起立性のギャザーの配置領域を切り出す。切り出した後の起立性のギャザーのサンプルの伸長率を測定し、弾性部材52の伸長率を計測する。
切り出した各サンプルについて、20℃±2℃、相対湿度60%±5%RHの雰囲気下において60分間放置し、伸縮方向に沿ってサンプルの長さを測定する。この長さを、「自然状態のレッグ伸縮部の長さ」とする。
第2に、かかる状態(すなわち、自然状態)における所望領域の伸縮方向における長さ、及び、自然状態から弾性部材による皺がサイドシート上に目視にて確認できない状態まで延伸した時の所望領域の伸縮方向における長さを測定する。この長さを、「伸長状態における弾性部材の長さ」とする。
これら測定結果を用い、上述の式にて算出することで伸長率が測定される。
吸収パッド10は、図2に示すように、吸収体30よりも非肌面側に、吸収パッド10を収縮させる作用を有する弾性部材を有していないことが好ましい。これにより、吸収体30及び吸収パッド10が長手方向Lに縮みすぎることを抑制し、吸収体30のたくれ、吸収体30表面の凹凸、吸収体30と着用者の肌との間の隙間を抑制することができる。また、着用者が一度脚を閉じた後に脚を広げたとしても、弾性部材52の収縮作用が働かないため、吸収体30が元の形状に戻り難い。これにより、着用者が脚を広げたときに、吸収パッド10が着用者の身体にフィットし易くなり、その結果、液体の漏れを抑制することができる。
吸収体30は、表面シート20と裏面シート22との間に設けられる。吸収体30は、吸収材料からなる吸収コア32を含む。吸収コア32を構成する吸収材料は、例えば、親水性繊維、パルプ及び高吸水性高分子(SAP)から形成できる。吸収体30は、吸収コア32を包むコアラップ34を有する。コアラップ34は、例えば不織布又はティッシュシートから構成することができる。
吸収コア32は単層構造であることが好ましい。言い換えると、吸収パッド10を伸長させた状態及び吸収パッド10の自然状態において、各領域の吸収コア32は、厚み方向において互いに重なることなく配置されている。これにより、吸収体30の厚みを抑制することができる。特に、吸収パッド10は、使用時におむつに装着されるため、履き心地の観点からできるだけ薄いことが好ましい。また、吸収コア32が複数の吸収層を有していると、幅方向W外側から力を受けたときに、吸収体30の変形にともなって吸収層どうしの間に隙間が生じてしまうことがある。したがって、吸収体の形状を安定的に維持するという観点からも、吸収コア32は単層であることが好ましい。
吸収体30は、中央領域C及び周縁領域Pを有する。中央領域Cは、吸収体30の中心を含み、吸収体30の縁を含まない領域である。吸収パッドの着用時に、中央領域Cは着用者の股下に位置する。周縁領域Pは、中央領域Cを取り囲む領域であり、吸収体30の縁を含んでいる。
中央領域Cは、第1中央域C1と、長手方向Lにおける第1中央域C1の前後に配置された第2中央域C2と、を有する。第2中央域C2は、第1中央域C1及び周縁領域Pよりも低い剛性を有する。
ここで、本明細書において、剛性値は、ガーレ剛軟度によって測定された値をサンプル片の長さで割った値として規定される。ガーレ剛軟度の測定には、No.311ガーレー式柔軟度試験機(安田精機製作所社製)を使用する。本試験機は、JIS−L1096に準拠している。本試験機は、サンプル片の柔軟度(曲げ反発性)を測定する試験機である。まず、サンプル片を可動アームのチャックに取り付け、左右に規定の速さで回転させて、サンプル片下端が振子から離れた時の目盛を読み取り、剛軟度S(mN)を以下の式に基づいて算出する。
S=R×(D1W1+D2W2+D3W3)×(L−12.7)2/b×3.375×10−5
ここで、Rは目盛板の読みであり、D1,D2,D3は振子支点からおもり取付位置までの距離(25.4mm(1in.),50.8mm(2in.),101.6mm(4in.))であり、W1,W2,W3はD1,D2,D3の孔に取り付けたおもりの質量(g)であり、Lはサンプル片の長さ(mm)であり、bはサンプル片の幅(mm)である。
本明細書において、サンプル片は、吸収パッド10の吸収体を、長手方向38mm、幅方向17.5mmの直方体に切り出したものを採用する。この場合、サンプル片の長さLは38mmであり、サンプル片の幅bは17.5mmである。こうして、サンプル片の長さ38mmあたりのガーレ剛軟度(mN)が測定される。なお、サンプル片の長さ方向としては、例えば、吸収パッド10の長手方向(製造時の搬送方向(MD方向))が挙げられるが、これに限定されるものではない。
周縁領域Pにおける吸収体30の剛性を高めるため、周縁領域Pにおける吸収体30に、第2圧搾溝46が形成されていることが好ましい。第2圧搾溝46は、周縁領域Pにおいて全体的に設けられていてよい。本実施形態では、第2圧搾溝46は、吸収体30の非肌面側に格子状に形成されている。より具体的には、第2圧搾溝46は、第1の方向と、第1の方向に交差する第2の方向と、に沿って、直線状に形成されていてよい。第1の方向及び第2の方向は、長手方向Lに対して傾斜した方向である。
第2圧搾溝46によって、周縁領域P及び第1中央域C1の剛性を第2中央域C2の剛性よりも高めることができる。また、第2圧搾溝46が格子状に形成されていることで、第2圧搾溝46が曲がり基点となり、着用者の動作に合わせて吸収パッドが変形し易くなる。これにより、動作中もフィットし易い吸収パッドを提供することができる。
第2圧搾溝46は、長手方向Lから傾斜した方向に連続的に延びていることが好ましい。長手方向Lから傾斜した方向に連続的に延びる格子状の第2圧搾溝46によって、斜め方向に沿った曲がり基点が生じる。これにより、着用者の脚の動きによって吸収体がねじれたとしても、吸収パッドが身体に追従しやすくなる。その結果、着用者の動作中にも吸収パッドをより身体にフィットさせ易くすることができる。
第2圧搾溝46は、吸収体30の非肌面側に施されている。これにより、吸収体30の肌面側の一面がなるべく平坦になり、着用者に心地よい吸収パッドを提供することができる。また、より心地よい吸収パッドを提供するため、吸収体30の肌面側には、圧搾溝が施されていないことが好ましい。
第2圧搾溝46は、少なくとも後述する係止部90が設けられた領域において長手方向Lに沿って延びていることが好ましい。係止部90自体は、剛性が一定であるため、係止部90自体に曲げ基点になり易い部分がない。しかしながら、係止部90と重複する領域に形成された第2圧搾溝46は曲げ基点になり易く、これにより係止部90が設けられた領域が着用者の身体に沿って曲がり易くなっている。したがって、係止部90の剛性が比較的高くても、係止部90が設けられた領域において、着用者の身体に沿って吸収パッドをフィットさせ易くなる。
第2圧搾溝46は、互いに交差する斜め方向に連続的に延びた複数の溝を有し、これらの溝の交点が低坪量領域42からずれて配置されていてよい。これにより、低坪量領域42の境界に溝の交点が位置する場合(図4に示す場合)と比較すると、低坪量領域42の境界に位置する溝の縁の数が約2倍に増える。これにより、低坪量領域42と、周縁領域P又は中央領域Cとの間の剛性差が高くなり、低坪量領域Pの縁がより曲がり基点となり易い。
後述する低坪量領域42よりも長手方向Lの外側において、周縁領域Pと中央領域Cとの境界は、長手方向Lの外側に向かうにつれて幅方向Wの内側に直線状に傾斜していることが好ましい。ここで、周縁領域Pと中央領域Cとの境界は、第2圧搾溝46により規定されている。周縁領域Pの境界が曲線状になっているよりも直線状になっている方が、周縁領域Pの境界44bが折り基点になり易く、吸収パッド10の中央領域Cが着用者の体にフィットするように変形し易くなる。また、周縁領域Pの境界44bで吸収パッド10がきれいに折れ曲がるため、着用者の違和感を軽減することができる。
吸収体30は、第1圧搾溝40及び一対の低坪量領域42を有する。第1圧搾溝40は、中央領域Cにおいて、吸収体30の非肌面側に施されている。第1圧搾溝40は、幅方向Wの中央で、長手方向Lに延びている。長手方向Lにおける第1圧搾溝40の長さは、長手方向Lにおける一対の低坪量領域42の長さより短くてよい。
一対の低坪量領域42は、長手方向Lに沿って延びている。一対の低坪量領域42は、中央領域Cに対して幅方向Wに隣接する周縁領域Pと中央領域Cとの境界に設けられている。
低坪量領域42は、中央領域C及び周縁領域Pにおける吸収コア32の坪量(目付)よりも低い坪量の吸収コアからなる領域、又は実質的に吸収コアを含まない領域によって定義される。低坪量領域42は、0〜200g/mの坪量の吸収コアを含む領域であってよい。低坪量領域42は、好ましくは150g/m以下、より好ましくは100g/m以下の坪量の吸収コアを含む領域である。
低坪量領域42は、吸収パッド10の剛性が変化する境目となる。したがって、低坪量領域42は、吸収パッド10が変形し易い領域に相当する。
低坪量領域42は実質的に吸収材料を含まない領域であってもよい。すなわち、低坪量領域42は、吸収コア32の坪量が零の領域を含む概念である。ここで、実質的に吸収コアを含まない領域は、吸収コア32を構成する吸収材料を設計上含まない領域を意味している。言い換えると、実質的に吸収コアを含まない領域は、製造時に微量の吸収材料が混入した領域を含む概念であり、低坪量領域42に隣接する第2中央域C2の坪量の5%以下の吸収材料を含んでいてもよい概念として定義される。
低坪量領域42は実質的に吸収材料を含まない領域である場合、低坪量領域42とそのまわりの領域との間の厚みの差が大きくなり、低坪量領域42が曲がり基点になり易い。したがって、幅方向Wの外側から内側へ力がかかったときに、後述するように、吸収パッド10及び吸収体30が低坪量領域42のところでより変形し易くなる(図5及び図6参照)。したがって、吸収パッド10がより着用者の体にフィットし易くなる。さらに、低坪量領域42は実質的に吸収材料を含まない領域である場合、折り目が付きやすいので、一度折れ曲がった形状を保持しやすく、図5及び図6に示すような変形をし易くなる。
また、低坪量領域42が実質的に吸収材料を含まない領域である場合、吸収コア32を包むコアラップ34の肌面側の部分が、低坪量領域42において、吸収コア32を包むコアラップ34の非肌面側の部分と接合されていることが好ましい。これにより、コアラップ34は、吸収コア32(吸収材料)をしっかりと包むことができるので、吸収体の変形(よれ)を抑制することができる。
幅方向Wにおける低坪量領域42の幅W1は、周縁領域Pにおける吸収体30の厚みT2よりも大きいことが好ましい。幅方向Wにおける低坪量領域42の幅は、好ましくは10〜25mm、より好ましくは15mmである。
一対の低坪量領域42間の距離W2は、長手方向Lの中心位置で幅方向Wにおける周縁領域Pの幅の合計(W3+W3)よりも短いことが好ましい。これにより、装着時に吸収パッド10に幅方向W外側から弱い力がかかったとき、吸収パッド10は、図5に示すように、幅方向Wに沿った断面で略W字形に変形する。吸収パッド10が略W字形に変形したときに、周縁領域Pの高さが十分に高くなるため、吸収パッド10の幅方向W外側からの液体の漏れをより防止することができる。一対の低坪量領域42間の距離は、例えば45〜65mmであってよい。
なお、本明細書で説明した「長さ」、「幅」及び「距離」は、吸収パッド10を皺がなくなるまで伸張させた状態で測定した数値である。
吸収コア32は、好ましくは、低坪量領域42が設けられた長手方向Lの範囲内において、幅方向Wにおける吸収パッド10の縁まで延びている。吸収コア32が存在する領域は、吸収パッド10のなかで比較的剛性が高い領域である。すなわち、比較的剛性の高い領域が、吸収パッド10の幅方向Wの縁部まで延びている。これにより、吸収パッド10の幅方向Wの縁部から幅方向内側へ向いた力が加えられたとき、その力が効率的に、一対の低坪量領域42や中央領域Cに伝わる。これにより、吸収パッド10は、後述するように、使用時に着用者の体にフィットするようにより変形し易くなる。
なお、本実施形態において、吸収コア32は、少なくとも低坪量領域42が設けられた長手方向Lの範囲内において、長手方向Lに沿った直線状の外形線を有している。
吸収パッド10は、裏面シート22の非肌面側に、おむつに係止する係止部90を有していてもよい。図1では、係止部90が点線によって透視的に示されている。係止部90は、好ましくは、長手方向Lにおいて第1圧搾溝40が形成された領域を避けて設けられている。これにより、第1圧搾溝40が形成された領域と、第1圧搾溝40が形成された領域の幅方向W外側の領域とは、おむつに直接係止されない。したがって、係止部90が、比較的変形し易い第1圧搾溝40の領域の変形を阻害することを防止し、その結果、吸収パッド10の体へのフィット性の低下を抑制することができる。
係止部90は周縁領域Pに設けられていてよい。係止部90が比較的剛性の高い周縁領域Pに設けられているため、係止部90をおむつに押し当て易い。これにより、吸収パッドをおむつに固定し易くなる。
係止部90は、幅方向Wにおいて、吸収パッド10の中心から一対の低坪量領域42の外側まで延びている。吸収パッドに幅方向Wの外側から内側へ力がかかったとき、一対の低坪量領域42及び第1圧搾溝40の変形により、吸収パッドは、股下のところで幅方向Wに縮むように変形する。吸収パッドの股下の領域の変形と着用者の脚の動きとより、吸収パッドの長手方向における前側及び後側の領域が丸まるように変形することがある。本実施形態では、係止部90が一対の低坪量領域42の外側まで延びているので、吸収パッドの長手方向Lにおける前側及び後側の領域を幅方向に広い領域でしっかりとおむつに固定することができる。これにより、吸収パッドを、着用者の腹及び背の領域にフィットさせ易くすることができる。
表面シート20及び吸収体30は、図2のように吸収パッド10の中央部分、例えば少なくとも長手方向Lに沿って中央領域Cが存在する範囲において、幅方向Wの外側端部まで延在している。これにより、吸収体30の厚みを薄くしても、吸収パッド10の幅方向Wの外側端部まで拡散した尿等の液体を吸収することができるので、吸収パッド10から液体が漏れにくい。また、表面シート20及び吸収体30が幅方向Wの外側端部まで延在しているので、吸収パッド10の幅方向Wの外側端部まで比較的高い剛性が維持され、その結果、吸収パッド10の横から受ける力が中央領域Cに伝わりやすい。
(2)着用中の吸収パッド
次に、図5、図6及び図7を参照し、着用中の吸収パッド10の形状の例について説明する。図5は、吸収パッドが幅方向Wにおける外側から内側へ弱い力を受けたときの吸収パッドの変形を示している。図6は、吸収パッドが幅方向Wにおける外側から内側へ強い力を受けたときの吸収パッドの変形を示している。図5及び図6は、吸収パッドの幅方向に沿った断面を示している。図7は、吸収パッドの長手方向に沿った断面を示している。なお、図7では、図の簡略化のため、第2圧搾溝46は示されていない。
吸収パッド10は、使用中に、着用者の両脚によって挟まれ、幅方向Wにおける外側から内側に向かう力を受ける。吸収パッド10が幅方向Wに弱い力を受けた場合、周辺領域Pの幅方向Wにおける外側部分が上方に上がりつつ、周辺領域Pが中央領域Cへ向けて移動しようとする(図5参照)。第1中央域C1は、周辺領域Pによって押されることで、着用者の肌に向けて凸状に変形する。このとき、第1中央域Cの非肌面側に第1圧搾溝40が形成されているため、吸収体30は着用者の肌に向けて凸状に変形し易い。
一対の低坪量領域42は比較的薄い領域であるため、吸収パッド10は、幅方向W外側から内側へ力を受けたときに、低坪量領域42を基点に変形し易い。したがって、一対の低坪量領域42と第1圧搾溝40によって、吸収体は、幅方向に沿った断面において、W字形に変形する(図5及び図6)。具体的には、非肌面側から施された第1圧搾溝40が、幅方向W外側から内側へ力を受けたときに、肌面側へ突出することになる。この変形に伴い、一対の低坪量領域42は、非肌面側に凸になるように変形する。その結果、吸収パッドは、図5及び図6に示すようなW字形に変形する。これにより、着用中に、吸収パッドが着用者の体にフィットし易くなる。
また、吸収パッドは、長手方向における第1中央域の前後に、第1中央域C1よりも剛性の低い第2中央域C2を有する。第2中央域C2は、第1中央域C1及び周縁領域Pよりも剛性が低い。したがって、長手方向における第2中央域C2の境界で、2カ所の剛性差が存在する。この2カ所の剛性差により、2カ所の曲がり基点が生じる。第2中央域C2の、第1中央域C1側の境界は、凸になっている領域(第1中央域C1)から周縁領域Pと同じ厚みになろうと斜めに傾斜する(図7)。さらに、第2中央域C2の、周縁領域P側の境界は、周縁領域Pに繋がるような曲がり基点を形成し、身体に沿いやすいように変形する。これらによって、吸収パッドは、幅方向の中央部で、長手方向においても略W字形に変形し、身体の丸みに沿いやすくなっている。したがって、吸収パッドは、全体的に身体にフィットし易く、これにより液体の漏れを抑制することができる。
第1圧搾溝40は、第1中央域C1内に設けられており、長手方向Lにおいて第1中央域C1の境界に達していないことが好ましい。前述したように、図7に示すように、第1圧搾溝40が設けられた領域は、幅方向Wの外側から内側へかかる力によって、立ち上がった状態になる。長手方向Lにおいて第1圧搾溝40の端部から第1中央域C1の端部までの領域C1aは、第1圧搾溝40の部分よりも剛性が低いため、立ち上がった領域から落ち込んだ領域へ移行する領域となり易い(図7)。このように、第1圧搾溝40が長手方向Lにおいて第1中央域C1の境界に達していないため、長手方向Lにおいて、第1圧搾溝40により立ち上がった領域の端部を凹ませるように変形し易くなる。
装着時に吸収パッド10が幅方向W外側から内側へ強い力を受けたとき、吸収体30の周縁領域Pは、比較的剛性が高いためその形状を維持しながら中央領域Cの吸収コア32の下に入り込み易い(図6参照)。したがって、吸収パッド10の全幅が小さくなりながら、中央領域Cの吸収体30が体にフィットするように変形し得る。低坪量領域42の幅W1が周縁領域Pにおける吸収体30の厚みT2よりも大きいため、吸収パッド10がこのように変形しても、吸収パッド10全体の厚みが大きくなりすぎないという利点がある。
また、吸収パッド10が幅方向Wの外側から内側へ強い力を受けたとき、吸収体30の周縁領域Pが中央領域Cの吸収コア32の下により入り込み易くする観点から、幅方向Wにおける低坪量領域42の幅W1は、周縁領域Pにおける吸収体30の厚みT2と、中央領域Cにおける吸収体30の厚みT1との合計値よりも大きいことが好ましい。
また、第2中央域C1は、平面視において、長手方向Lにおいて第1中央域C1から離れる方に凸状の形状を有することが好ましい(図4参照)。図7に示すように第1中央域C1が立ち上がった状態(着用状態)において、第1中央域C1よりも剛性の低い第2中央域C2が平面視において長手方向に凸状に湾曲していることで、第2領域よりも前側及び後側の領域が長手方向に沿った中心軸まわりに回転するような変形をし易くなる。これにより、着用中に、着用者の身体に沿って吸収パッドをフィットさせ易くなる。
(3)吸収パッドが装着される使い捨ておむつ
図8は、吸収パッドを装着するおむつの一例を示す斜視図である。図9は、展開したおむつに装着した吸収パッドを示す平面図である。図9は、伸長させた状態の吸収パッド及びおむつを示している。使い捨ておむつは、例えば大人用のおむつであってよい。
使い捨ておむつ1は、一例としてパンツタイプの構造を有していてよい。使い捨ておむつ1は、着用者の胴回りに当てられる胴回り領域と、着用者の股下に当てられる股下域と、を有する。前胴回り領域の幅方向W外側に位置する胴回り縁部4,4’が、後胴回り領域S2の横方向Wの外側に位置する後胴回り縁部6,6’とそれぞれ接合されることによって、使い捨ておむつ1がパンツ型に形成される。使い捨ておむつ1は、パンツ型に形成された状態で、着用者の脚回りを囲む一対の脚回り開口部9を有する。股下域は、一対の脚回り開口部9間の領域である。
使い捨ておむつ1は、吸収性本体1Aを含む。吸収性本体1Aは、表面シート、裏面シート、及び表面シートと裏面シートとの間の吸収体130を含んでいてよい。吸収体130は、少なくとも股下域に設けられている。吸収体130は、粉砕パルプや高吸収性ポリマーなどの混合粉体で形成されていてよい。
上述した吸収パッド10は、使い捨ておむつ1の股下域に装着される。着用者が排泄を行った後、吸収パッド10のみを取り換えることができる。これにより、使い捨ておむつを長期に使用することができる。
幅方向Wにおける吸収パッド10の幅W4は、おむつの股下域に配置された吸収体130の幅方向Wにおける最小幅W5よりも大きいことが好ましい。これにより、吸収パッド10がおむつに装着されたとき、吸収パッド10の幅方向W外側の両端部が、股下域において、おむつの吸収体130の幅方向Wの外側へはみ出す。着用者の両脚の間に挟まれることによって着用者の脚から幅方向Wの内側へ横から受けた力は、おむつの股下域に配置された吸収体130よりも先に吸収パッド10に伝わる。そのため、吸収パッド10の変形が促進され、吸収パッド10が体にフィットするので、吸収パッド10とおむつを重ねて着用していても着用者に違和感を与えにくい。
また、股下域において、おむつ1の吸収体130よりも幅が広い領域まで吸収パッド10が存在することになるので、液体がおむつ1にまで漏れ難くなる。これにより、おむつを交換することなく、吸収パッド10のみを何度も交換すればよいという利点がある。
使い捨ておむつ1の吸収体130には、圧搾部132が形成されていてよい。圧搾部132は、長手方向Lに沿って延びている。圧搾部132は、使い捨ておむつ1に、幅方向における外側から内側へ力がかかったときに、使い捨ておむつの変形の基点となり易い。
圧搾部132は、吸収パッド10の低坪量領域42に少なくとも部分的に重複していることが好ましい。すなわち、吸収パッド10の低坪量領域42における曲がり基点と、使い捨ておむつ1の圧搾部132における曲がり基点とが、ほぼ同じ位置に配置される。したがって、幅方向における外側から内側へ力がかかったときに、おむつ1と吸収パッド10の両方が、低坪量領域42のところで図5,6に示すように変形し易くなるという利点がある。
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
10 吸収パッド
20 表面シート
22 裏面シート
30 吸収体
32 吸収コア
40 第1圧搾溝
42 低坪量領域
46 第2圧搾溝
90 係止部
C 中央領域
C1 第1中央域
C2 第2中央域
P 周辺領域
L 長手方向
W 横方向

Claims (12)

  1. おむつの内側に装着する吸収パッドであって、
    長手方向と、
    前記長手方向に直交する幅方向と、
    表面シートと、
    裏面シートと、
    前記表面シートと前記裏面シートとの間に設けられ、吸収材料からなる吸収コアを含む吸収体と、
    前記裏面シートの非肌面側に、前記おむつに係止する係止部と、を有し、
    前記吸収体は、周縁領域と、前記周縁領域に囲まれた中央領域と、を有し、
    前記中央領域は、第1中央域と、前記長手方向における前記第1中央域の前後に配置された第2中央域と、を有し、
    前記第2中央域は、前記第1中央域及び前記周縁領域よりも低い剛性を有し、
    前記吸収体は、
    前記中央領域に対して前記幅方向に隣接する前記周縁領域と前記中央領域との境界で前記長手方向に沿って延び、前記第中央領域及び前記周縁領域の吸収材料よりも低い坪量の一対の低坪量領域と、
    前記中央領域に、前記吸収体の前記幅方向の中央で前記長手方向に延びた第1圧搾溝と、を有し、
    前記係止部は、前記長手方向において前記第1圧搾溝が形成された領域を避けて設けられており、
    前記第2中央域は、平面視において、前記長手方向において前記第1中央域から離れる方に凸状の形状を有し、
    前記幅方向における前記低坪量領域の幅は、前記周縁領域における前記吸収体の厚みよりも大き
    前記第1圧搾溝は、非肌面側から施されている、吸収パッド。
  2. 前記第1圧搾溝は、前記第1中央域内に設けられており、前記長手方向において前記第1中央域の境界に達していない、請求項1に記載の吸収パッド。
  3. 前記低坪量領域は、実質的に前記吸収材料を含まない領域である、請求項1又は2に記載の吸収パッド。
  4. 前記係止部は前記周縁領域に設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  5. 前記周縁領域及び前記第1中央域において前記吸収体に格子状に形成された第2圧搾溝を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  6. 前記第2圧搾溝は、前記長手方向から傾斜した方向に連続的に延びている、請求項5に記載の吸収パッド。
  7. 前記第2圧搾溝は、前記吸収体の非肌面側に施されている、請求項5又は6に記載の吸収パッド。
  8. 前記第2圧搾溝は、少なくとも前記係止部が設けられた領域において前記長手方向に沿って延びている、請求項5に記載の吸収パッド。
  9. 前記第2圧搾溝は、互いに交差する斜め方向に連続的に延びた溝を有し、
    前記溝の交点が、前記低坪量領域からずれて配置されている、請求項5から8のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  10. 前記係止部は、前記幅方向において、前記吸収パッドの中心から前記一対の低坪量領域の外側まで延びている、請求項1から9のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  11. 前記低坪量領域よりも前記長手方向の外側において、前記周縁領域と前記中央領域との境界は、前記長手方向の外側に向かうにつれて前記幅方向の内側に直線状に傾斜している、請求項1から10のいずれか1項に記載の吸収パッド。
  12. 前記幅方向における前記表面シートの外側部を覆うサイドシートと、
    前記サイドシートに取り付けられた伸縮性の弾性部材と、を有し、
    前記弾性部材の伸縮率は2.0〜2.5倍の範囲である、請求項1から11のいずれか1項に記載の吸収パッド。
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