以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[実施形態1]
図1および図2は本発明の実施形態1を示したものであり、図1は内視鏡1に装着された内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図、図2は内視鏡1に装着された内視鏡用冷却装置の構成を示す断面図である。
内視鏡1は、観察対象に挿入される細長の挿入部2を備えている。この挿入部2の先端部には、観察対象の光学像を結像するための対物光学系や、この対物光学系により結像された光学像を光電変換して撮像信号を出力する撮像素子などを含む、観察対象を観察するための観察系3が配設されている。ここに、本実施形態の内視鏡1は例えば側視型内視鏡として構成されていて(ただし、直視型内視鏡等であっても勿論構わない)、観察系3は、挿入部2の挿入方向に対して交差する側視方向を観察可能となるように構成されている。
なお図示はしないが、挿入部2の基端部には操作部が設けられ、操作部にはカメラコントロールユニットを介して表示装置が接続され、観察対象を観察することができるように構成されている。
内視鏡用冷却装置は、耐熱シース11と、コンプレッサ12と、電磁弁13と、コントローラ14と、を備えている。
耐熱シース11は、内視鏡1の挿入部2の少なくとも先端部の外周側に装着され、コンプレッサ12から供給される冷却用流体が流れる冷却用流路を挿入部2との間に形成し、冷却用流路に冷却用流体を流通させて挿入部2の先端部を冷却することにより、内視鏡1を高温環境から保護するためのものである。この耐熱シース11は、先端部に、透明な観察窓11aと透明な照明窓11bとを備えている。ここに観察窓11aは、観察系3から観察対象が観察可能となるようにするとともに、冷却用流体が耐熱シース11の外部に漏れることがないようにするものとなっている。さらに、耐熱シース11の基端側には、循環冷却用の流入継手31および流出継手32が設けられている。
コンプレッサ12は、耐熱シース11の流入継手31に接続されて、耐熱シース11内の空間に冷却用流体、本実施形態においては冷却用空気(ただし、冷却用流体が空気に限らないことは勿論である)を供給する冷却用流体源である。なお、流入継手31から供給された冷却用空気は、耐熱シース11内を流通(循環)した後に、耐熱シース11の流出継手32から外部に排出される(従って、流体循環式(本実施形態では特に空気循環式)の耐熱シース11となっている)。これにより、内視鏡1(の少なくとも観察系3を含む先端部)が冷却される。また、コンプレッサ12からは、電磁弁13へも空気が供給されるようになっている。なお、コンプレッサ12から流入継手31へ供給する空気の供給量と電磁弁13へ供給する空気の供給量との割合は、内視鏡1や耐熱シース11、あるいは観察対象が何であるか、さらにあるいは観察対象内の環境温度等に応じて、適切な比率となるように調節される。
電磁弁13は、耐熱シース11に設けられた噴射用継手33に接続されている。この噴射用継手33は、電磁弁13を介してコンプレッサ12へ接続され、耐熱シース11に設けられた噴射用流体(この噴射用流体も空気に限定されるものではないが、以下では主として空気である場合を想定して説明する)を流通させるための噴射用管路25bを介して、観察窓11aの近傍に配設された流体噴射部たるノズル25c(従って、ノズル25cは噴射用管路25bに連通するように耐熱シース11に設けられている)へ噴射用流体である空気を供給するようになっている。これにより、ノズル25cから観察窓11aに対して空気が噴射され、観察窓11aに付着する水滴やゴミなどが払拭されて除去される。従って、コンプレッサ12は、冷却用流体を供給する冷却用流体源であるだけでなく、さらに噴射用流体を供給する噴射用流体源も兼ねたもの(すなわち同一の流体源)となっている。そして、冷却用流体と噴射用流体とは、本実施形態においては何れも空気、つまり同一種類の流体となる。
ここにノズル25cは、例えば、観察窓11aにおけるガラス面(後述する第2外筒27の表面)と平行な方向に空気を噴射するように構成されていて、観察窓11aの外表面全体から水滴やゴミなどを効率的に除去することができるようになっている。そして、冷却用空気の一部を噴射用空気として利用する本実施形態の構造においては、冷却用流体と噴射用流体とは略同一温度(基本的には同一温度)の流体となる。従って、観察窓11aにおけるガラス面の内部の温度と、ガラス面の外面に噴射される噴射用空気の温度とが同一となるために、ガラス面の内外温度差を小さくすることができ、結露を効率的に除去することができる。
コントローラ14は、制御部であって、コンプレッサ12を制御して冷却用空気を耐熱シース11内へ供給させるとともに、電磁弁13を制御して観察窓11aの水滴等を払拭させる。
ここに、コントローラ14は、内視鏡1が高温環境下にある場合には冷却用空気の循環を常に行わせる。この制御に際しては、内視鏡1の先端部の温度もしくは耐熱シース11の内部の温度等を温度センサ等により検出して、検出した温度に応じて、冷却用空気の流量や流速を制御すると良い。
これに対して、電磁弁13を制御しての観察窓11aの払拭は、例えば、観察窓11aを介した観察対象の視認性が低下したときに手動で、あるいは一定の時間間隔毎に(間欠的に)自動で、さらにあるいは、これら手動制御と自動制御とを適宜組み合わせることにより、行っても良い。
例えば自動制御によりノズル25cへの空気の供給を一定時間毎に行う場合には、時間間隔を観察対象内の環境の温度や湿度、あるいは埃等の密度に応じて変化させても良い。具体的には、ノズル25cへの空気供給の時間間隔を、環境温度が高くなるほど短くする、環境湿度が高くなるほど短くする、環境内の埃等の密度が高くなるほど短くする、あるいはこれらを任意に組み合わせる、等である。このときの時間間隔を観察対象内の環境に応じて自動的に(適応的に)設定するためには、耐熱シース11の外面近傍の温度/湿度/埃を検出するための温度センサ/湿度センサ/埃センサを少なくとも一つ配設し、何れかのセンサの検出結果に応じて、コントローラ14が制御を行うようにすれば良い。
また、観察窓11aへ向けて噴射する流体は、観察対象の内部状態をあまり変化させない流体であることが好ましいために、本実施形態においては空気を用いている(ただし、空気に限定されるものではなく、観察対象の内部状態への影響が少なければその他の流体を用いても構わない)。そして、観察窓11aへ噴射する流体は、本実施形態ではコンプレッサ12から供給される冷却用流体を兼用しているために、耐熱シース11内の冷却にも空気を用いている。しかし、噴射用流体の供給源と冷却用流体の供給源とを独立して設けるようにしても構わない。冷却用流体は観察対象の内部へ漏れることはないために、この場合には冷却用流体として、他の気体や水などの液体を用いても構わない。そして、噴射用と冷却用の流体供給源を独立して設ける場合には、冷却用流体に影響を全く及ぼすことなく、任意のタイミングで所望に噴射を行うことが可能となる。
さらに、観察対象の内部状態をあまり変化させないものとして冷却用流体を内視鏡の使用環境温度上限近くまで加温して使用することも考えられる。例えば、圧縮容器の管路にヒータを設けたり、シース内の温度をモニタリングする場合、コントローラ14で流体を適当な値に調節して、シース内温度を内視鏡の使用温度の上限に設定するようにしても良い。
耐熱シース11の構成について、図2を参照してさらに説明する。
耐熱シース11は、円筒状をなす内筒21と、先端側が閉蓋された円筒状をなす外筒25と、挿入部固定口金29と、を備えており、内部には、上述した透明な照明窓11bから照明光を観察対象へ照射するためのライトガイド6が配設されている。ここにライトガイド6は、例えば、光ファイバを束ねたファイババンドルとして構成されている。
内筒21は、第1内筒22と、この第1内筒22の内周側に配設された第2内筒23と、を備えており、これら第1内筒22および第2内筒23は例えば金属等の材質により形成されている。
第1内筒22の基端側となる内筒21の基端部21aは、耐熱シース11の先端側よりも大径となっていて、上述した流入継手31が配設され、さらにライトガイド6を挿通するライトガイドケーブル6aがシース側継手6cを介して延出されている。このライトガイドケーブル6aの基端側には、図1に示すようにライトガイドコネクタ6bが設けられていて、図示しない光源装置へ接続され、照明光が供給されるようになっている。なお、シース側継手6cの内部には弾性材で形成されたOリング等の封止材6dが配設されていて、耐熱シース11の内部とライトガイドケーブル6aの内部との間を気密に保持している。
第2内筒23は、内視鏡1の挿入部2の先端部が挿入されるものであり、挿入部2の先端部の外径よりも幾らか径の大きい内径となっている。この第2内筒23の基端側には流体用開口23dが形成されていて、この流体用開口23dに流入継手31内の孔31aが連通している。
また、第1,第2内筒22,23の先端側には、観察系3に対応する位置に観察用開口22a,23aが、ライトガイド6の先端に対応する位置にライトガイド挿通開口22b,23bがそれぞれ穿設されている。さらに、第2内筒23の先端側には、ライトガイドケーブル6aから外筒25内へ挿通され、第1内筒22と第2内筒23の間をさらに挿通されたライトガイド6を通過させるための孔23cが穿設されている。そして、孔23cを通過したライトガイド6は、先端をライトガイド挿通開口22b,23bに挿通される。
次に、外筒25は、基端部25aと、この基端部25aの先端側に配設され、例えば金属等の材質により形成された第1外筒26と、この第1外筒26の内周側に配設され、例えばガラス等の透明な材質で形成された第2外筒27と、を備えている。ここに外筒25の基端部25aは、内筒21の基端部21aと同様に、耐熱シース11の先端側よりも大径となっている。そして、基端部25aと、第1外筒26および第2外筒27とは、ワッシャ25d、弾性材で形成されたOリング等の封止材25e、リング部材25fを介して気密となるように接続されている。
外筒25の基端部25aには、上述した流出継手32と、上述した噴射用継手33とが配設されている。
第1外筒26の先端側には、観察系3に対応する位置に観察用開口26aが、ライトガイド6の先端に対応する位置にライトガイド挿通開口26bが、それぞれ穿設されている。
こうして、透明な第2外筒27を挟んだ観察用開口22a,23aおよび観察用開口26aにより観察窓11aが構成され、同様に、透明な第2外筒27を挟んだライトガイド挿通開口22b,23bおよびライトガイド挿通開口26bにより照明窓11bが構成されている。従って、観察窓11aを介して観察系3により観察対象の観察が行われ、照明窓11bを介してライトガイド6により観察対象への照明光の照射が行われる。
そして、上述した内筒21と外筒25とは、ワッシャ21bおよび弾性材で形成されたOリング等の封止材21cを介して気密となるように接続されている。
さらに、挿入部固定口金29は、ワッシャ29aおよび弾性材で形成されたOリング等の封止材29bを介して、内視鏡1と耐熱シース11との間の空間を気密に保持するようになっている。すなわち、挿入部固定口金29は、内筒21の基端部21aに対して例えばねじにより螺合して軸方向位置を変化させ得るように構成されている。そして、挿入部固定口金29を螺合して軸方向先端側へ移動させることにより、ワッシャ29aを介して封止材29bが圧縮され変形し、内視鏡1の外周に対して押圧され、気密を保つようになっている。
上述したような構成において、流入継手31から導入された冷却用空気は、流体用開口23dを介して、冷却用流路として機能する内視鏡1と第2内筒23との間の空間へ供給され、さらに、観察用開口22a,23aや内筒21の先端と外筒25の先端内面との間を介して、第1内筒22と第2外筒27との間の空間へ供給され、その後に流出継手32内の孔32aを介して外部へ排出されるようになっている。このような流体の流れにより、内視鏡1の挿入部2の先端部を冷却することが可能となっている。
そして、電磁弁13を開いたときに噴射用継手33から導入される噴射用空気は、第2外筒27と第1外筒26との間に設けられた噴射用管路25bを介して、観察窓11aを臨むノズル25cから噴射され、観察窓11aに付着する水滴やゴミなどが除去される。ここに噴射用管路25bは、第2外筒27と第1外筒26との間に専用の管路を埋め込む構成であっても良いし、第2外筒27と第1外筒26との少なくとも一方に溝部を形成して噴射用管路25bとして利用する構成であっても構わない。
このような実施形態1によれば、観察窓11aへ流体を噴射するようにしたために、観察窓11aに付着した水滴や埃等を除去することができ、検査効率の低下を防ぐことができる。
そして、観察窓11aへの流体の噴射を、観察窓11aを介した観察対象の視認性が低下したとき、あるいは一定の時間間隔毎に間欠的に行うようにしたために、観察窓11aへの流体の噴射を常に行う場合に比して、観察対象の内部環境に与える影響を低く抑制することができる。特に、観察対象の視認性が低下したときのみに観察窓11aへの流体噴射を行うようにすれば、観察対象の内部環境に与える影響を極力抑制することができる。また、観察窓11aへ流体を噴射する一定の時間間隔を、環境温度や環境湿度、埃等の密度に応じて変化させる場合には、観察対象の内部環境に与える影響を低減しながら、効果的な噴射が可能となる。
さらに、観察窓11aの内部を循環させる冷却用空気と同じ温度の噴射用空気を用いているために、観察窓11a内外の温度差を小さくして、結露を効果的に抑制することができる。
また、ノズル25cを、観察窓11aのガラス面と平行な方向に空気を噴射するように構成したために、噴射される空気が特定箇所に集中することなくガラス面にもれなく当たり、水滴やゴミなどをガラス面から効率的に除去することが可能となる。
こうして、流体循環式の耐熱シースを用いて内視鏡を冷却しながら検査を行う際の、結露が発生する等の課題を解決して、より効率的な検査を行うことが可能となる。
[実施形態2]
図3は本発明の実施形態2を示したものであり、耐熱シース11Aとジャケット41とを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図である。
この実施形態2において、上述の実施形態1と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
まず、本実施形態の内視鏡1は、上述した実施形態1とほぼ同様である。
本実施形態は、耐熱シース11Aの外周側にジャケット41を装着する構成であって、ジャケット41に観察窓11aへの空気の噴射機能を備えさせたもの(エア噴射ジャケットとして構成されたもの)となっている。従って、本実施形態の耐熱シース11Aには、噴射用継手33、噴射用管路25b、およびノズル25cは設けられていない。
また、耐熱シース11Aは、耐熱シース11の先端側よりも大径となっているのは外筒25の基端部25aのみであって、内筒21は基端側まで外筒25の内部に配設される構成となっている。そして、流入継手31、流出継手32、およびライトガイド6のシース側継手6cは、基端部25aに設けられている。
一方、ジャケット41は、筒状をなすジャケット本体42と、耐熱シース固定リング43と、を備えている。
ジャケット本体42は、先端側に窓用開口42aが形成されていて、窓用開口42aに観察窓11aを対応させる位置に耐熱シース11を取り付けることにより、窓用開口42aおよび観察窓11aを介して内視鏡1の観察系3による観察が可能となっている。
ジャケット本体42の先端側には耐熱シース11の先端部(具体的には照明窓11bを含む先端部)を突出させる開口42dが形成されている。
また、ジャケット本体42の基端側には、このジャケット41を観察対象に取り付けるための取付口金42eが設けられており、例えば、この取付口金42eに形成されたねじ42fを観察対象に螺合することにより観察対象へのジャケット41の取り付けが行われる。
そして、本実施形態においては、噴射用継手33は取付口金42eに配設されている。この噴射用継手33には、上述した実施形態1と同様に、電磁弁13を介したコンプレッサ12、あるいは冷却用流体源とは独立して設けられた噴射用流体源が接続されている。また、この噴射用継手33には、ジャケット本体42に設けられた噴射用管路42b(この噴射用管路42bは、噴射用流体源から供給される噴射用流体を流通させるものである)が接続されており、この噴射用管路42bは窓用開口42aにおいて流体噴射部であるノズル42cとなっている。このノズル42cは、上述した実施形態1のノズル25cと同様に、観察窓11aへ空気を噴射して、観察窓11aに付着する水滴やゴミなどを除去するためのものである。
耐熱シース固定リング43は、耐熱シース11Aにおける挿入部固定口金29と同様の構造を備え、封止材やワッシャ(図20に示す封止材59bおよびワッシャ59a参照)を用いて耐熱シース11Aを気密に固定するものである。そして、耐熱シース11Aをジャケット41に挿通し、観察窓11aが窓用開口42aに対応する位置となり、かつ照明窓11bが開口42dよりも先端側に突出して観察対象を照明可能な位置となったところで、耐熱シース固定リング43を回動させて耐熱シース11Aを気密に固定するようになっている。
このような実施形態2によっても、上述した実施形態1とほぼ同様の効果を奏することができる。また、ノズル42cから空気を噴射しているときには、観察窓11aに対してエアカーテンのような役割を果たし、結露し難くすることができる。
[実施形態3]
図4は本発明の実施形態3を示したものであり、耐熱シース11Aとジャケット41Aとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図である。
この実施形態3において、上述の実施形態1,2と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の内視鏡1および耐熱シース11Aは、上述した実施形態2とほぼ同様である。
次に、本実施形態のジャケット41Aは、実施形態2のジャケット41よりも軸方向の長さがやや短く、先端の開口42dから観察窓11aが先端側に突出する長さとなっている。従って本実施形態のジャケット41Aには、窓用開口42aは設けられていない。
そして、ジャケット本体42の内周面側の、耐熱シース11Aとの間の噴射用管路上には、噴射用流体を加熱するためのヒータ44が設けられている。このヒータ44には、電源16から電力が供給されるようになっている。また、噴射用継手33へは、噴射用流体源としてのコンプレッサ15から流体(具体的には空気など)が供給されるようになっている。
噴射用継手33から供給された空気は、ヒータ44が配置された部分を通過して、観察窓11aへ到達する。
従って、コンプレッサ15を駆動して空気を噴射用継手33へ供給しながら、電源16からヒータ44へ電力を供給すると、ヒータ44を通過した空気は温度が上昇する。一般に、温度が上昇すると飽和蒸気圧は急速に上昇するために、暖められた空気の湿度は温度の上昇に応じて急速に低くなる。こうして、観察窓11aには乾燥した熱風が送り込まれることになる。
なお、これらコンプレッサ15および電源16は、流入継手31へ冷却用流体を供給するためのコンプレッサ12(図1等参照)と共に、図1に示したコントローラ14により制御されるようになっている。従って、本実施形態は、冷却用流体源と噴射用流体源とを独立して設けた構成である。
このような実施形態3によれば、乾燥した熱風を観察窓11aに当てることによっても、上述した実施形態1,2とほぼ同様の効果を奏することができる。すなわち、空気が熱風であるために観察窓11aに結露した水滴に対して蒸発のエネルギーを与えることができ、熱風が乾燥しているために蒸発した水分を空気中に保持して搬送することができる。従って、効率的な水滴の除去が可能となる。
また、ヒータ44が観察窓11aの近傍に設けられているために、観察窓11aへの結露を低減しあるいは防止することも可能となる。
そして、観察対象内の高温環境に対して送り込まれるのが熱風であるために、観察対象内の環境に対して与える温度の影響を低減することができる。
[実施形態4]
図5は本発明の実施形態4を示したものであり、耐熱シース11Aとジャケット41Bとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す断面図である。
この実施形態4において、上述の実施形態1〜3と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、上述した実施形態3をやや異ならせたものとなっている。
すなわち、本実施形態のジャケット41Bは、上述した実施形態3のジャケット41Aとほぼ同様に構成されているが、ジャケット本体42Bは、先端の開口42dを有さず先端が閉蓋された構成となっていて、観察窓11aによる観察を妨げることのないように、ガラス等の透明な材質により形成されている。
このような構成により、噴射用継手33から供給されヒータ44により暖められた乾燥した熱風は、拡散することなく観察窓11aに到達し、より効率的に水滴の除去等を行うことが可能となっている。
また、このような密閉型の構成であるために、乾燥した熱風はジャケット本体42Bと耐熱シース11Aとの間を循環した後に、図示はしないが観察対象内または外部へ排出されるか、またはコンプレッサ15を循環式に構成して循環させることになる。
このような実施形態4によれば、上述した実施形態3とほぼ同様の効果を奏するとともに、ジャケット本体42Bを密閉式としたために、観察窓11aへの乾燥した熱風の送気をより効率的に行うことができる。
そして、ジャケット本体42Bの内部は、ジャケット本体42Bの外部(つまり観察対象の内部)と同様に高温であるために温度差が小さくなり、ジャケット本体42B自体の結露を防止することができる。また、観察窓11aの外部は、観察窓11aの内部よりも高温ではあるが乾燥しているために、結露を生じ難くすることができる。
[実施形態5]
図6は本発明の実施形態5を示したものであり、ジャケット41Cの構成を示す斜視図である。
この実施形態5において、上述の実施形態1〜4と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の内視鏡1や耐熱シース11Aは上述した実施形態2〜4と同様であるために、図6にはジャケット41Cのみを図示して説明を行う。
ジャケット41Cは、基本的には、図3に示したジャケット41と同様の構成を備えているが、先端の開口42dは設けられておらず、窓用開口42aは観察窓11aだけでなくさらに、照明窓11bにも対応するように大きめに設けられている。そして、ジャケット41Cは、挿入軸方向に移動可能なシャッタガラス45を設けたものとなっている。
すなわち、例えば取付口金42eのねじ42fとジャケット本体42の周面と間の段差面から、1本以上の、例えば3本(3〜6本程度であることが好ましい)の中空ロッド45bが延設されており、この中空ロッド45bの先端には連結部45aを介して円筒形状をなす透明なシャッタガラス45が取り付けられている。
中空ロッド45bは、内部の空洞が噴射用継手33に接続されていて、噴射用継手33から供給される流体を先端側へ導くようになっている。
また、取付口金42eの基端側にはシャッタ操作リング45cが設けられている。このシャッタ操作リング45cには、中空ロッド45bの基端側が接続されている。そして、シャッタ操作リング45cを軸方向に操作すると、中空ロッド45bが軸方向に移動し、ひいては中空ロッド45bの先端に連結部45aを介して取り付けられているシャッタガラス45が軸方向にスライドして観察窓11aを覆う遮蔽位置と観察窓11aから退避した退避位置とを移動するようになっている。
また、シャッタガラス45の先端方向への移動は、ジャケット本体42の先端側外周に設けられたフランジ状のストッパ42gにより規制されるようになっている。
そして、シャッタ操作リング45cを軸方向の先端側に操作してシャッタガラス45がストッパ42gに突き当たる位置まで移動させると、シャッタガラス45が窓用開口42aを覆う遮蔽位置となる。
この状態で噴射用継手33から噴射用空気を供給すると、連結部45aを挿通された中空ロッド45bの先端開口から、シャッタガラス45とジャケット本体42との間の空間へ向かって空気が噴射される。これにより、窓用開口42a、ひいては観察窓11a(および照明窓11b)への噴射が行われる。このとき、シャッタガラス45が設けられているために、噴射される空気は観察窓11a(および照明窓11b)に平行に流れ易くなり、水滴を容易に除去することができる。
また、シャッタ操作リング45cを上述とは逆に軸方向の基端側に操作すると、シャッタガラス45が退避位置に移動される。
このような実施形態5によれば、上述した実施形態1〜4とほぼ同様の効果を奏するとともに、シャッタガラス45を遮蔽位置に移動した状態で空気を噴射することにより、空気が観察窓11aに平行に流れ易くなり、水滴やゴミ等を除去する性能を向上することができる。
また、照明窓11bに付着した水滴も除去することができるために、照明性能の低下も抑制することができる。
さらに、シャッタガラス45を透明としているために、観察窓11aの外周側にシャッタガラス45を配置した状態で通常の観察をそのまま行うことができる。このような運用を行う場合には、観察窓11aとシャッタガラス45との間に空気層が形成されることになるために、より結露し難くすることができる。
こうして、検査効率をより向上することができる。
[実施形態6]
図7は本発明の実施形態6を示したものであり、ジャケット41Dの構成を示す斜視図である。
この実施形態6において、上述の実施形態1〜5と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の内視鏡1や耐熱シース11Aは上述した実施形態2〜4と同様であるために、図7にはジャケット41Dのみを図示して説明を行う。
本実施形態は、上述した実施形態5をやや異ならせて、中空ロッド45bおよびシャッタ操作リング45cによりシャッタガラス45を移動させる構成に代えて、ジャバラ45dによりシャッタガラス45を移動させる構成としたものである。
すなわち、ジャケット41Dにおける取付口金42eのねじ42fには、ジャバラ45dが接続されていて、ジャバラ45dの先端にシャッタガラス45が取り付けられている。このジャバラ45dは、通常時には弾性力により短縮した状態となるように構成されている。一方、ジャバラ45dは、延長時に、先端のシャッタガラス45が窓用開口42aに対応する位置となる長さに構成されている。
また、噴射用継手33から供給される噴射用空気は、ジャバラ45dの内周側へ供給されるようになっている。
シャッタガラス45の内周面には、窓用開口42a(ひいては観察窓11a)に対応する部分が切り欠かれたCリング45eが設けられていて、このCリング45eの内周面がジャケット本体42の外周面と摺動するようになっている。
このような構成において、通常時には、ジャバラ45dは短縮した状態となっているために、シャッタガラス45は窓用開口42aから退避した退避位置にある。
一方、噴射用継手33からCリング45eへ向けて噴射用空気を供給すると、空気はジャバラ45d内に充満し、Cリング45eに突き当たる。この空気の噴射力によりCリング45eは先端方向へ押圧され、弾性力に抗してジャバラ45dが延長される。そして、ジャバラ45dが最大に延長されたところで、シャッタガラス45が窓用開口42aの外周側を覆う遮蔽位置となる。このときには、噴射用継手33から供給された空気は、Cリング45eの挿入軸方向に沿って切り欠かれた切欠部分を通過して観察対象内へ排出される。これにより、噴出用空気は窓用開口42a、ひいては観察窓11aの部分を集中して通過することになり、水滴や埃等の除去をより強力に行うことができる。
その後、噴射用継手33からの空気の供給を停止すると、ジャバラ45dは弾性力によって通常時の短縮した状態へ復帰し、シャッタガラス45は退避位置となる。
このような実施形態6によれば、上述した実施形態5とほぼ同様の効果を奏するとともに、噴射用空気の圧力によりジャバラ45dを伸縮させてシャッタガラス45を移動させるようにしたために、上述した実施形態5のようなシャッタ操作リング45cの軸方向移動が不要となり、操作が簡便となる利点がある。また、Cリング45eを用いて空気の通過部分を規制しているために、噴射空気の流速を高めて水滴や埃等の除去能力を向上することができる。
[実施形態7]
図8および図9は本発明の実施形態7を示したものであり、図8は耐熱シース11Aとジャケット41Eとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図、図9はジャケット41Eに設けられた噴射供給管路46および噴射吸引管路47の構成を示す断面図である。
この実施形態7において、上述の実施形態1〜6と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、観察窓11aへ向けて流体を噴射するだけでなく、さらに噴射した流体をできる限り吸引して回収するようにしたものである。
まず、本実施形態の内視鏡1や耐熱シース11Aは上述した実施形態2〜4と同様である。
次に、ジャケット41Eは、図8に示すように、ジャケット本体42の外周側に噴射用管路として噴射供給管路46と噴射吸引管路47とを設けたものとなっている。ここに、噴射吸引管路47は、後述する流体噴射部である噴射ノズル46aから観察窓11aに対して噴射された噴射用流体を吸引するためのものである。なお、本実施形態のジャケット本体42は、上述した実施形態2のジャケット本体42よりもやや長めに形成されていて、窓用開口42aのさらに先端側に照明用開口42hが設けられている。
噴射供給管路46と噴射吸引管路47は、例えば取付口金42eのねじ42fの先端面から先端側へ延出されている。
噴射供給管路46の先端には噴射ノズル46aが設けられていて、この噴射ノズル46aは、図9に示すように、ジャケット41Eの軸中心へ向かう方向(内側中心方向)に、挿入軸に対して角度θだけ傾けて配設されている。これにより、噴射ノズル46aのノズル開口46bは、窓用開口42aの内周側に位置する観察窓11aの方向を向いて開口していることになる。
また、窓用開口42aと照明用開口42hとの間の外周側には噴射吸引管路47に接続される吸引ノズル47aが設けられていて、窓用開口42aを挟んで(ひいては観察窓11aを挟んで)噴射ノズル46aのノズル開口46bと対向するように、ノズル開口47bが設けられている。この吸引ノズル47aは、挿入軸と平行な方向の吸引を行うように設けられており、噴射ノズル46aよりも若干外側に位置している。
噴射供給管路46は、取付口金42eの基端側から延出され、噴射用継手46cを介してコンプレッサ15に接続されている。
また、噴射吸引管路47は、取付口金42eの基端側から延出され、吸引用継手47cを介して真空ポンプ等で構成される吸引ポンプ17に接続されている。この吸引ポンプ17も、コンプレッサ15と同様に、図1に示したコントローラ14により制御されるようになっている。
このような構成において、コントローラ14は、コンプレッサ15を動作させるときには、同時に吸引ポンプ17も動作させるように制御する。
これにより、噴射ノズル46aから空気を噴射すると、観察窓11aに付着した水滴が吹き飛ばされ、噴射された空気および吹き飛ばされた水滴がほぼもれなく吸引ノズル47aから吸い込まれる。
このような実施形態7によれば、上述した実施形態1〜6とほぼ同様の効果を奏するとともに、噴射された空気および吹き飛ばされた水滴を回収するようにしたために、観察対象の内部環境へ与える影響をできるかぎり軽減することができる。
さらに、観察窓11aの方向を向くように噴射ノズル46aを傾けて配設したために、観察窓11aに付着した水滴をより効率的に吹き飛ばすことが可能となる。
[実施形態8]
図10および図11は本発明の実施形態8を示したものであり、図10は耐熱シース11Aとジャケット41Fとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図、図11はジャケット41Fと耐熱シース11Aとの間に構成される噴射供給管路46Fおよび噴射吸引管路47Fの様子を示す断面図である。
この実施形態8において、上述の実施形態1〜7と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、上述した実施形態7と同様に、流体を観察窓11aへ向けて噴射し、かつ噴射した流体を回収するものであるが、噴射供給/吸引管路をジャケット41Fに予め設けるのではなく、ジャケット41Fに耐熱シース11Aを挿入したときに噴射用管路としての噴射供給管路46Fおよび噴射吸引管路47Fが構成されるようにしたものとなっている。
すなわち、ジャケット41Fは、内周面側に内周へ向かってレール状に突出する2本のシール部材48が設けられている。これら2本のシール部材48は、噴射用継手46cの内周側の開口と窓用開口42aとを挟み込むようにして、挿入軸方向に平行に設けられている。また、吸引用継手47cは、シール部材48を隔てて噴射用継手46cとは異なる側に内周側の開口が位置するように配設されている。さらに、2本のシール部材48は、先端側が例えば窓用開口42aの先端側に到達する程度の挿入軸方向長さとなるように構成されている。
そして、耐熱シース11Aをジャケット41Fに挿入する際に、観察窓11aが窓用開口42aに対応する位置となるように配置する。なお、2本のシール部材48の挿入軸中心方向への高さは、ジャケット41Fに挿入された耐熱シース11Aの外周面がシール部材48に気密に当接する高さに構成されている。
これにより、耐熱シース11Aがジャケット41Fに挿入されることで、図11に示すように、噴射供給管路46Fおよび噴射吸引管路47Fが構成される。なお、ジャケット41F内に突起等で構成される図示しないスペーサを設けて、耐熱シース11Aがジャケット41Fと同軸に挿入されるようにすると良い(図11参照)。
このような構成において、コントローラ14がコンプレッサ15および吸引ポンプ17を動作させると、空気が、噴射供給管路46Fを通って観察窓11aに噴射され、さらに吸引されて噴射吸引管路47Fを介して回収されるのは、上述した実施形態7とほぼ同様である。
このような実施形態8によれば、ジャケット41Fに耐熱シース11Aを組み合わせたときに噴射供給管路46Fおよび噴射吸引管路47Fが構成されるようにすることによっても、上述した実施形態7とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態9]
図12および図13は本発明の実施形態9を示したものであり、耐熱シース11Aが挿入されているジャケット41Gの構成を示す斜視図、図13はジャケット41Gおよび耐熱シース11Aの挿入軸に垂直な断面図である。
この実施形態9において、上述の実施形態1〜8と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、ジャケット41Gを2重筒構造として、加熱した空気を循環させる構成となっている。
まず、ジャケット41Gのジャケット本体42は、外周側のジャケット外筒42G1と、内周側のジャケット内筒42G2と、の2重筒構造となっている。ジャケット外筒42G1およびジャケット内筒42G2には、窓用開口42aを構成する開口が各設けられている。
ジャケット外筒42G1の基端側の取付口金42eには噴射用継手46cが設けられ、ジャケット内筒42G2の基端側の大径部42iには吸引用継手47cが設けられている。
そして、図13に示すように、ジャケット外筒42G1とジャケット内筒42G2との間は噴射用管路としての噴射供給管路46Gを構成し、ジャケット内筒42G2と耐熱シース11Aとの間は噴射用管路としての噴射吸引管路47Gを構成する。
また、噴射用継手46cは供給/吸引両用のコンプレッサ15Aの供給管路に、吸引用継手47cはコンプレッサ15Aの吸引管路に、それぞれ接続されている。さらに、コンプレッサ15Aには、流体を貯蔵するタンク51と、このタンク51から供給される流体を加熱するためのヒータ52と、が設けられている。
このような構成において、タンク51内に貯蔵されている流体は、ヒータ52により加熱された後に、コンプレッサ15Aから噴射用継手46cを介して噴射供給管路46Gへ供給され、窓用開口42a、ひいては観察窓11aへ噴射された後に、噴射吸引管路47Gを介して回収され、吸引用継手47cを介してコンプレッサ15Aからタンク51内へ戻される。
このような実施形態9によれば、上述した実施形態1〜8とほぼ同様の効果を奏するとともに、ジャケット41Gを加熱して観察対象内の高温環境との温度差を小さくするようにしているために、観察窓11aに結露し難くすることができる。
さらに、ジャケット41Gと耐熱シース11Aとの間で流体を噴射する構造であるために、観察窓11aに結露した場合には水滴を効率的に除去することができる。
[実施形態10]
図14は本発明の実施形態10を示したものであり、耐熱シース11Aとジャケット41Hとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図である。
この実施形態10において、上述の実施形態1〜9と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の耐熱シース11Aは、外部から空気を供給するのに代えて、観察対象内部の空気を観察窓11aに対して送風するようにしたものとなっている。
耐熱シース11Aの先端部の外周側には、駆動源であるモータ53と、このモータ53によって挿入軸周りに回動されるファン54と、が設けられている。
モータ53は、例えば、永久磁石と電磁石とを含んで構成される一般的なモータである。また、ファン54は、例えば、円環状をなし、周面に複数のフィンが配列された構成となっている。
モータ53から基端側に延設される駆動信号線53aは、例えば取付口金42eの基端側を介して外部へ延出され、モータ駆動制御部18に接続されている。このモータ駆動制御部18は、図1に示したコントローラ14により制御されるようになっている。
このような構成において、モータ53によりファン54を回動することで、観察窓11aへ観察対象内部の空気が送気され、観察窓11aに付着した水滴やゴミを除去することができる。
このような実施形態10によれば、上述した実施形態1〜9とほぼ同様の効果を奏するとともに、外部から観察対象内部へ流体を送り込むことがないために、観察対象内部の環境にほとんど変化を与えることがない利点がある。また、外部から送気を行うためのコンプレッサや噴射用管路を設ける必要がないために、構造が比較的簡単となる。
[実施形態11]
図15は本発明の実施形態11を示したものであり、ジャケット41Iの構成を示す斜視図である。
この実施形態11において、上述の実施形態1〜10と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のジャケット41Iは、上述した実施形態2のジャケット41と類似した構成となっているが、先端側が閉蓋された構成となっていて、照明窓11bに対応する位置に照明用開口42hが形成されている。
そして、窓用開口42aの内周側辺縁にはパッキン42a1が、照明用開口42hの内周側辺縁にはパッキン42h1が、それぞれ形成されている。
また、本実施形態のノズル42cは、矩形状をなす窓用開口42aの角部に、対角側の角部を向くように開口されており、噴射用管路42bを介して噴射用継手33に接続されている。
このような構成のジャケット41Iに耐熱シース11Aを挿入すると、パッキン42a1およびパッキン42h1が耐熱シース11Aの外筒25の外周面に当接して、観察窓11aおよび照明窓11bの周囲のジャケット41Iと耐熱シース11Aとの空隙を封止するようになっている。なお、パッキン42a1およびパッキン42h1は、別部材として構成しても良いし、単一の部材として構成しても構わない。
そして、この状態でノズル42cから流体を噴射することにより、ノズル42cに対向する窓用開口42aの角部へ向けて流体が観察窓11aの表面上を移動する。そして、パッキン42a1が設けられているために、観察窓11aの周縁に到達した流体は、一部が外部へ流出し、他の一部が観察窓11aの表面側へ再び反射される。従って、観察窓11aの表面を流れる流体の量が増加することになる。
このような実施形態11によれば、上述した実施形態1〜10とほぼ同様の効果を奏するとともに、パッキン42a1を設けたことにより観察窓11aの表面を流れる流体の量が増加するために、より効率的に水滴やゴミを除去することができる。
さらに、ノズル42cを矩形状をなす窓用開口42aの一辺の例えば中央部に設ける場合には、流体の噴射角度範囲をなるべく180°に広げる必要があるのに対し、本実施形態の構成では流体の噴射角度範囲を90°程度とすることができるために、単位時間当たりの流量が同一であっても、より流速を高めることが可能となり、水滴やゴミの除去能力が向上する。
[実施形態12]
図16は本発明の実施形態12を示したものであり、ジャケット本体42または耐熱シースの外筒25の先端部分の構成を示す斜視図である。
この実施形態12において、上述の実施形態1〜11と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
ジャケット本体42の窓用開口42a内に透明窓が設けられている場合にはジャケット本体42が、窓用開口42aに透明窓がない場合には耐熱シースが、この図16に示すように構成されている。
すなわち、窓用開口42a(または観察窓11a)内には、例えば棒状をなすワイパ56がヒンジ56aを介して回動可能に設けられている。このワイパ56は、窓用開口42a(または観察窓11a)に当接する側は、耐熱性ゴムにより形成されている。さらにワイパ56は、バネ56bにより、通常時には窓用開口42aの基端側辺縁(ノズル42cまたはノズル25cの開口を塞ぐ位置)に付勢されている。
そして、噴射用管路42bを介してノズル42cから(または噴射用管路25bを介してノズル25cから)流体を噴射すると、噴射用流体の噴射力(流体圧力)によりワイパ56がバネ56bの付勢力に抗して回動する。従って、噴射と噴射停止とを交互に繰り返すことにより、ワイパ56が窓用開口42a内の透明窓(または観察窓11a)を拭き取るワイプ動作を行う。
なお、上述ではワイパ56の移動を回動により行ったが、勿論これは一例であり、平行移動等を行うタイプのワイパであっても構わない。
このような実施形態12によれば、ワイパ56を移動させることによっても水滴やゴミを除去することができ、上述した実施形態1〜11とほぼ同様の効果を奏することができる。
また、ワイパ56の移動を、流体を噴射するときの圧力により行っているために、別途の駆動源が不要となる利点がある。
そして、ワイパ56は棒状をなしているために、ワイプ動作を行っている最中であっても、観察窓11a全体がワイパ56により覆われることはなく、観察系3による観察に与える影響を比較的小さく抑制することができる。
[実施形態13]
図17は本発明の実施形態13を示したものであり、ジャケット本体42の先端部分の構成を示す斜視図である。
この実施形態13において、上述の実施形態1〜12と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
窓用開口42aの基端側には収納スペース42kが設けられていて、この収納スペース42k内には透明なガラス板57が収納されている。ガラス板57は、ジャケット本体42の周面に沿った曲面状をなし、窓用開口42aを覆い得る形状に形成されている。
このガラス板57の基端側には引張バネ57aが取り付けられていて、ガラス板57を基端側へ引張するようになっている。
一方、収納スペース42kの基端側には、噴射用管路42bに接続されるノズル42cが開口している。
このような構成において、噴射用管路42bを介してノズル42cから流体を噴射すると、流体の圧力によりガラス板57が引張バネ57aの付勢力に抗して先端側へ移動し、窓用開口42a内へ進行する。従って、噴射と噴射停止とを交互に繰り返すことにより、ガラス板57が観察窓11aのワイプ動作を行う。
また、ノズル42cからの流体の噴射を停止すれば、ガラス板57は引張バネ57aの付勢力により収納スペース42k内に再び退避する。
このような実施形態13によれば、上述した実施形態1〜12とほぼ同様の効果を奏するとともに、ガラス板57を往復運動させるワイプ動作によっても、上述した実施形態1〜12とほぼ同様に、水滴やゴミを除去することができる。
また、ガラス板57の移動を、流体を噴射するときの圧力により行っているために、別途の駆動源が不要となる利点がある。
そして、ガラス板57は透明であるために、ワイプ動作を行っている最中であっても、観察系3による観察にほとんど影響を与えることがなく、観察を継続して行うことができる。
[実施形態14]
図18から図20は本発明の実施形態14を示したものであり、図18は耐熱シース11Bが挿入されているジャケット41Lの構成を示す斜視図、図19はシール部材58の構成を示す斜視図、図20は内視鏡1に装着された内視鏡用冷却装置の構成を示す断面図である。
この実施形態14において、上述の実施形態1〜13と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の耐熱シース11Bは、実施形態1の図2に示した耐熱シース11から、噴射用継手33、噴射用管路25b、およびノズル25cを取り除いた構成となっている。
一方、ジャケット41Lは、ジャケット本体42の先端側が、観察窓11aの基端側に隣接するような長さに形成されている。そしてジャケット本体42の内周側には、図19に示すようなCリング状のシール部材58が配設されている。このシール部材58は、挿入軸方向に沿って切り欠かれた切欠58aを備えており、この切欠58aの周方向に沿った長さは、観察窓11aの周方向に沿った長さと略同一となるように形成されている。この切欠58aは、図20に示すように、ジャケット本体42の取付口金42eに設けられた噴射用継手33に連通している。
耐熱シース固定リング43は、上述したように、耐熱シース11Bを気密に固定するものである。すなわち、耐熱シース11Bをジャケット41に挿通して観察窓11aをジャケット本体42よりも先端側に突出させ、観察窓11aを切欠58aに対応する位置にしたところで、耐熱シース固定リング43を回動させることによりワッシャ59aを介して封止材59bが押圧され、耐熱シース11Bが気密に固定される。
そしてこの状態において、つまりジャケット41の内周側に耐熱シース11Bを挿入した状態において、ジャケット本体42と耐熱シース11Bとの間のCリング状のシール部材58の切欠58aにより噴射用管路が構成される。
その後、噴射用継手33から流体を供給すると、噴射用管路として機能する切欠58a部分を通って流体が観察窓11aに噴射され、観察窓11aに付着した水滴やゴミが除去される。
このような実施形態14によれば、Cリング状のシール部材58の切欠58aを噴射用管路として利用することによっても、上述した実施形態1〜13とほぼ同様の効果を奏することができる。
[実施形態15]
図21は本発明の実施形態15を示したものであり、耐熱シース11Bとジャケット41Mとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図である。
この実施形態15において、上述の実施形態1〜14と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のジャケット41Mは、上述した実施形態14のジャケット41Lとほぼ同様に構成されているが、ジャケット本体42の内周側に設けられたシール部材61はCリング状ではなくOリング状となっている。従って、ジャケット41Mに耐熱シース11Bを挿入すると、Oリングはジャケット41Mと耐熱シース11Bとの間を(下記に説明する観察窓11aの部分を除いて)気密に封止する。
また、耐熱シース11Bの観察窓11aは、上述した実施形態よりも挿入軸方向に長手となるように構成されている。具体的には、透明な材質で形成された第2外筒27の外周に配設された第1外筒26の観察用開口26aが挿入軸方向に長手の開口となっていて、観察系3による観察が可能となる位置まで耐熱シース11Bおよび内視鏡1をジャケット41Mに挿入したときに、観察用開口26aの基端側が噴射用継手33からの流体管路に連通する長さとなるように構成されている。
このような構成において、噴射用継手33を介して流体を供給すると、流体がシール部材61と第2外筒27との間の観察用開口26aに沿って噴射され、観察系3に対応する位置の観察窓11a部分に付着した水滴やゴミが除去される(このときには、観察系3に対応しない位置の観察窓11a部分についても同様に水滴やゴミが除去される)。
このような実施形態15によれば、観察窓11aを挿入軸方向に長く形成して噴射用継手33からの流体管路に連通させ噴射用管路として機能させるようにしても、上述した実施形態1〜14とほぼ同様の効果を奏することができる。そして、観察窓11a自体を噴射用管路として利用しているために、観察窓11aへの流体の噴射を確実に行うことができる。
[実施形態16]
図22は本発明の実施形態16を示したものであり、耐熱シース11Cとジャケット41Lとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図である。
この実施形態16において、上述の実施形態1〜15と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
まず、本実施形態における耐熱シース11Cは、上述した実施形態14の耐熱シース11Bとほぼ同様に構成されているが、さらに観察窓11aの先端側に大径部62が形成されたものとなっている。従って、大径部62は、観察窓11aを挟んで、Cリング状をなすシール部材58の噴射用管路として機能する切欠58aと対向する位置に配設されていることになる。
この大径部62は、矩形状をなす観察窓11aの先端側の辺から外周側へ突出するように設けられ、この図22に示す例においては、照明窓11bに対応する部分の開口を備え、照明窓11bを取り囲むように挿入軸周りの全周に設けられている。ただし、このような構成に限らず、観察窓11aと照明窓11bとの間から壁状に立設する構成であっても構わないし、周方向に設ける範囲も全周でなくても観察窓11aの先端側の辺を覆う範囲であれば構わない。
そして、噴射用継手33から流体を供給すると、切欠58aを通って流体が観察窓11aに噴射され、観察窓11aに付着した水滴やゴミが流体により吹き飛ばされるが、このときに大径部62により流体の流れが変化して、水滴やゴミは流体と共に観察窓11aに対して垂直方向(外径方向)に流されることになる。
このような実施形態16によれば、上述した実施形態1〜15とほぼ同様の効果を奏するとともに、水滴やゴミ等を観察窓11aに対して垂直方向に吹き飛ばすことができるために、除去された水滴やゴミが観察窓11aに再付着するのをより確実に防止することができる。
[実施形態17]
図23は本発明の実施形態17を示したものであり、耐熱シース11Bとジャケット41Lとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図である。
この実施形態17において、上述の実施形態1〜16と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態のジャケット41Lは、上述した実施形態14のジャケット41Lと同様である。
また、本実施形態の耐熱シース11Bは、上述した実施形態14の耐熱シース11Bに対して、さらに矩形状をなす観察窓11aの四隅および四辺の8箇所に、観察窓11aの中心から周面に沿った外側へ向かうスリット63を形成したものとなっている。
このような実施形態16によれば、上述した実施形態1〜17とほぼ同様の効果を奏するとともに、水滴やゴミを流体により吹き飛ばす際に、観察窓11aが矩形状である場合には四隅に溜まり易い傾向があるが、本実施形態においては四隅にスリットを設けているために、四隅の水滴やゴミを吹き払うことが可能となる。また、観察窓11aの四辺にもスリットを設けているために、第1外筒26の厚みにより形成される観察窓11aの四辺の段差に溜まる可能性のある水滴やゴミも良好に吹き払うことができる。
[実施形態18]
図24は本発明の実施形態18を示したものであり、耐熱シース11Bとジャケット41Nとを備える内視鏡用冷却装置の構成を示す斜視図である。
この実施形態18において、上述の実施形態1〜17と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、ジャケット41Nが、多孔セラミックを介して流体を噴出するものとなっている。
すなわち、ジャケット本体42の内周側には多孔セラミック筒64が配設されており、この多孔セラミック筒64は、観察窓11aおよび窓用開口42aに対応する部分に窓用開口64aが、照明窓11bおよび照明用開口42hに対応する部分に照明用開口64bが、それぞれ穿設されている。
噴射用継手33からの流体管路は多孔セラミック筒64に接続されていて、多孔セラミック筒64に多数設けられている孔へ流体が導かれるようになっている。従って、多孔セラミック筒64に設けられている孔は、噴射用管路として機能するものとなっている。
そして、噴射用継手33から流体を供給すると、多孔セラミック筒64の孔を通って流体が観察窓11aに噴射され、観察窓11aに付着した水滴やゴミが流体により吹き飛ばされる。また本実施形態の構成では、照明用開口64bの孔を通って流体が照明窓11bにも噴射されるために、照明窓11bに付着した水滴やゴミも流体により吹き飛ばすことができる。
なお、噴射用継手33および多孔セラミック筒64の孔でなる管路を吸引管路として利用すれば、観察窓11a(および照明窓11b)に付着した水滴等の吸引を行うことも可能となる。
このような実施形態18によれば、上述した実施形態1〜17とほぼ同様の効果を奏するとともに、多孔セラミック筒64の孔を噴射用管路として用いているために、観察窓11aへの流体の噴射を、観察窓11aの全周囲からまんべんなく容易に行うことができ、効率的に水滴やゴミを除去することができる。
また、必要に応じて、観察窓11a等に付着した水滴等の吸引を行うことで、観察窓11aの辺縁に付着した水滴等を効率的に除去することが可能となる。
[実施形態19]
図25は本発明の実施形態19を示したものであり、内視鏡1に装着された内視鏡用冷却装置の構成を示す断面図である。
この実施形態19において、上述の実施形態1〜18と同様である部分については同一の符号を付すなどして説明を適宜省略し、主として異なる点についてのみ説明する。
本実施形態は、耐熱シース11D内に挿通されているライトガイド6の挿通管路を、噴射用の流体を流通させるための噴射用管路と兼用したものとなっている。
まず、本実施形態の内筒21は、図2等に示した構成(第1内筒22および第2内筒23で構成される2重筒の構成)とは異なり、単一の筒部材として構成されている。この内筒21には、観察窓11aに対応する部分に観察用開口21eが設けられている。
耐熱シース11Dの基端側には本体口金66が設けられていて、先端側から内筒21が取り付けられると共に、基端側から封止材29bおよびワッシャ29aを介して挿入部固定口金29が取り付けられている。この本体口金66に対して、流入継手31および流出継手32が取り付けられている。
また、外筒25が、第1外筒26および第2外筒27の2重筒構造となっているのは上述と同様である。ただし、第1外筒26と第2外筒27との間の周方向の一部には、挿入軸方向に沿った挿通管路65が設けられている。この挿通管路65は、観察対象へ照明光を照射するためのライトガイド6を、耐熱シース11Dの内部を挿通させて観察窓11aの近傍に至るように収納するものである。すなわち、第1外筒26に形成された観察用開口26aは、観察窓11a用に開口しているだけでなく、照明窓11bの開口も兼用するものとなっている。そして、ライトガイド6の先端は、観察用開口26aから外部に露呈し、照明光を照射するようになっている。ここに、ライトガイド6の先端方向は、観察系3の観察対象の方向を向くように(すなわち、挿入軸に垂直な外径方向よりもやや基端側へ傾くように)構成されている。
第2外筒27は、基端に外径方向へ突出するフランジ部27aを備えており、このフランジ部27aと第1外筒26の基端面との間にOリング等の封止材25eを装着した後に、外筒固定口金67を本体口金66に螺合することにより、外筒25と本体口金66とが気密に固定されている。
一方、ライトガイド6は、第1外筒26の側方からライトガイドケーブル6aを介して外部へ延出されている。このライトガイドケーブル6aの途中には外部流体噴射継手68が取り付けられており、ライトガイドケーブル6a内の空間に連通されている。この外部流体噴射継手68は、噴射用流体源としてのコンプレッサ15(図4等参照)へ接続されている。
このような構成において、流入継手31から導入された冷却用空気は、冷却用流路として機能する内視鏡1と内筒21との間の空間へ供給され、さらに、観察用開口21eを介して、内筒21と第2外筒27との間の空間へ供給され、その後に流出継手32を介して外部へ排出される。
また、外部流体噴射継手68から供給される噴射用流体は、ライトガイド6の挿通管路を噴射用管路として用いて流れ、観察用開口26aから噴射される。この流体の噴射により、観察用開口26aに露呈している観察窓11a(第2外筒27の表面)に付着している水滴やゴミ等が吹き払われる。
このような実施形態19によれば、ライトガイド6が挿通されている管路を噴射用管路として利用することによっても、上述した実施形態1〜18とほぼ同様の効果を奏することができる。また、ライトガイド6の先端が観察窓11a側にやや傾く構成は、観察視野の中央部に照明光が到達するようにできるだけでなく、流体を観察窓11aへ向けてより高い効率で噴射することも可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明の態様を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。