以下、一実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1(A)には、一実施形態に係る通信装置の一例としてのテレビ会議装置100の基準形態における平面図が示されている。このテレビ会議装置100は、複数の拠点(例えば4拠点)間でのネットワーク、例えばインターネット(通信網)を介した音声データ及び画像データの送受信によるテレビ会議(情報共有)に用いられる。図1(B)には、テレビ会議装置100の基準形態における正面図が示されている。
テレビ会議装置100は、図1(A)及び図1(B)に示されるように、基準形態では、全体として、例えばA4版サイズの略矩形平板状の外形(例えば厚さが20mm〜40mm程度)を有している。
このように、テレビ会議装置100は、基準形態において、薄型コンパクトになるように設計されている。
以下では、テレビ会議装置100の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のいずれにも直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
テレビ会議装置100は、一例として、装置本体10と、該装置本体10に着脱可能に設けられた、マイク20及びスピーカ18を含む音声入出力ユニット17と、を備えている。
装置本体10は、一例として、筐体11と、制御装置24(図2参照)と、カメラ16を有する画像入力ユニット19とを含む。テレビ会議装置100が基準形態のとき、音声入出力ユニット17は、装置本体10に装着されている。
筐体11は、一例として、平面視矩形の薄型の箱形部材から成り、上壁(+Z側の壁)に、複数の操作部材が設けられた操作パネル部11aを有している。操作パネル部11a及び複数の操作部材については、後に説明する。
制御装置24は、筐体11内に収容されており、画像データ及び音声データをエンコード処理またはデコード処理をして、インターネットを介した画像信号及び音声信号の送受信を制御する。
この制御装置24は、一例として、図2に示されるように、制御用基板としてのメインボード62、音声処理用及び操作用基板としてのサブボード63などを含む。
メインボード62には、一例として、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)104、HDD(Hard Disk Drive)106(もしくはストレージまたは記録デバイス)、データ入出力I/F(Inter face)108、ネットワークI/F110、画像入力I/F112、画像出力I/F114及び表示制御部140の各構成要素が実装されている。CPU101、ROM102、RAM104、HDD106、データ入出力I/F108、ネットワークI/F110、画像入力I/F112及び表示制御部140は、アドレスバス、データバス等のバスライン116を介して、双方向通信可能に接続されている。なお、上述した画像データは、動画または間欠画像(一定時間間隔の静止画像)のデータである。
CPU101は、所定のプログラム(テレビ会議装置用プログラム)に基づいてテレビ会議装置100全体の動作を制御する。なお、テレビ会議装置用プログラムに従ったCPU101の命令による、ネットワーク(例えばインターネット)を介した音声及び画像の双方向通信にかかる一連の動作は後述する。
ROM102は、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムが記憶されている。RAM104は、CPU101のワークエリアとして使用される。
HDD106は、上記テレビ会議装置用プログラム、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。なお、HDDに限らず、例えばSSD(Solid State Drive)等を用いてもよい。上記テレビ会議装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、例えば記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記テレビ会議装置用プログラムは、HDD106ではなく、ROM102に記憶されるようにしてもよい。HDD106は、CPU101の制御にしたがってHDD106に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
データ入出力I/F108は、後述する複数のUSB端子に接続された例えばフラッシュメモリ等の記録メディアMに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するとともに、USB端子に接続された例えばPC(パーソナルコンピュータ)からのデータの他拠点のテレビ会議装置への送信を制御する。
記録メディアMは、複数のUSB端子のうちの一のUSB端子に着脱自在となっている。なお、例えば記録メディアMがSDメモリ、コンパクトフラッシュ(登録商標)などUSB端子に直接に着脱できないものであれば、USB端子にメモリ読書ドライブを着脱させるように構成しても良いし、別途に、テレビ会議装置100に予めメモリ読書ドライブを設けていても良い。また、記録メディアMとしては、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリに限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
ネットワークI/F110は、メインボード62に実装されているLAN端子(例えばイーサネット(登録商標)端子)を含み、インターネットを介したデータ(画像データ及び音声データ)の入出力(送受信)を行う。すなわち、ネットワークI/F110は、画像データ及び音声データを送受信する送受信手段として機能する。なお、ネットワークI/F110としては、有線のLAN端子に接続可能なように設けても良いし、また、無線のLANに接続できる無線LANのネットワークI/Fであっても良い。
画像入力I/F112は、カメラ16から出力される被写体の画像信号を所定の画像データとして取り込む。
表示制御部140は、一般に、グラフィックカード、グラフィックデバイスとも呼ばれ、画像描画のためのレンダリング処理を施す。
画像出力I/F114は、表示制御部140でレンダリング処理が施された画像データを上記モニタ装置のディスプレイで表示可能な画像信号に変換して該ディスプレイに出力する。この結果、上記ディスプレイの表示面には、該画像データに対応する画像が表示される。
また、画像出力I/F114は、他の拠点のテレビ会議装置100の宛先や画質調整、出力信号の選択などの操作用アイコン等のメニュー画面、インターネットを介して受信されたデータのうちエンコードされた画像データ、及びカメラ16により取り込まれた画像データを、例えばメインボード62に実装されている画像出力端子に接続される例えばモニタ装置、テレビ、プロジェクタなどが受け入れ可能な所定のアナログまたはデジタルの画像信号に変換して出力するようになっている。なお、エンコードされた画像データを所定のコーデックを用いてデコードするのはCPU101による。この所定の画像信号としては、アナログRGB信号(VGA)、コンポーネントビデオ信号、HDMI(High―Definition Multimedia Interface)信号、DVI(Digital Video Interactive)信号が挙げられる。
サブボード63には、一例として、前述した複数の操作ボタンに対応する複数の操作端子118、本体側I/F120、音声制御部122、着脱判定部123、距離情報算出部124、感度設定部126、音量設定部128及びフラッシュメモリ130の各構成要素が実装されている。複数の操作端子118、音声制御部122、着脱判定部123、距離情報算出部124、感度設定部126、音量設定部128及びフラッシュメモリ130は、バスライン116を介して、互いに双方向通信可能に接続され、かつメインボード62に実装されバスライン116を介して接続された上記各構成要素と双方向通信可能に接続されている。
本体側I/F120は、音声入出力ユニット17と、有線又は無線で双方向通信可能に接続される。ここでは、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されているとき、音声入出力ユニット17と本体側I/F120が有線接続され、音声入出力ユニット17が筐体11から取り外されているとき、音声入出力ユニット17と本体側I/F120が無線接続される。この無線接続の規格としては、例えばWiFi、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。なお、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されたときに、音声入出力ユニット17の一対の端子と本体側I/F120の一対の端子とが接触し、音声入出力ユニット17が筐体11から取り外されたときに、音声入出力ユニット17の一対の端子と本体側I/F120の一対の端子とが離間する。このときの端子間電圧の変化によって、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されているか否かが検出され、その検出結果に応じて、本体側I/F120と音声入出力ユニット17との通信状態が切り換えられるようになっている。本体側I/F120と音声入出力ユニット17とが無線接続されているとき、本体側I/F120での音声入出力ユニット17からの電波の受信感度がCPU101に送られる。
本体側I/F120は、マイク20により入力された音声を所定の音声データとして取り込んで、その音声データを音声制御部122を介してネットワークI/F110に送るとともに、ネットワークI/F110で受信され音声制御部122を介した他の拠点の音声データをスピーカ18で再生可能な音声信号に変換する。
音声制御部122は、後述する一対のボリュームボタン62a、62bが操作されるのに伴いスピーカ18から出力される音の音量を調整し、後述するマイクミュートボタン64が押し下げられる(ON/OFFされる)のに伴いマイク20による音の入力/非入力を切り替える。また、音声制御部122は、他の拠点のテレビ会議装置100との双方向通信時に、スピーカ18から出力された音がマイク20で入力され、該他の拠点のテレビ会議装置100との間で音波のループを形成して発生するエコー、ハウリングを抑制するエコーキャンセル処理機能を有するとともに、例えば室内の空調の作動音などのマイク20で入力されたノイズを低減させるノイズキャンセル処理機能を有する。
着脱判定部123は、本体側I/F120と音声入出力ユニット17の接続状態(通信状態)に応じて、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されているか否かを判定し、その判定結果をCPU101に出力する。具体的には、着脱判定部123は、本体側I/F120及び音声入出力ユニット17が有線接続されているときに、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されていると判定し、本体側I/F120及び音声入出力ユニット17が無線接続されているときに、音声入出力ユニット17が筐体11から取り外されていると判定する。
距離情報算出部124は、着脱判定部123で、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されていないと判定されたときに、CPU101からの指令に応じて、本体側I/F120での音声入出力ユニット17からの電波の受信感度に基づいて、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離L(例えば両者の中心間距離)を算出し、その算出結果をCPU101に送る。ここで、本体側I/F120の受信感度は、距離Lが長くなるほど低くなる。ここでは、距離Lを正確に算出するために、予め受信感度と距離Lとの対応関係を示すデータを取得し、フラッシュメモリ130に保存している。
感度設定部126は、距離情報算出部124での算出結果に応じて、マイク20の感度の設定値を音声入出力ユニット17のマイク20に送る。マイクの感度の設定値は、予め例えばフラッシュメモリ130に格納されている。
音量設定部128は、距離情報算出部124での算出結果に応じて、スピーカ18の音量の設定値を音声入出力ユニット17のスピーカ18に送る。スピーカ18の音量の設定値は、予め例えばフラッシュメモリ130に格納されている。
操作パネル部11aには、一例として、5つの開口がX軸方向に並べて形成されている。これら5つの開口のうち、中央の開口には、2つの操作部材が嵌め込まれており、その他の4つの開口には、4つの操作部材が個別に嵌め込まれている。これら6つの操作部材は、一例として、−X側から+X側にかけて順に、電源ボタン48、切断ボタン56、カーソル52及び決定ボタン54、メニューボタン50、ビュー切換ボタン58となっている。
電源ボタン48は、テレビ会議装置100に対する電源のON/OFFを行うための操作部材である。
切断ボタン56は、通信相手のテレビ会議装置100とのインターネット回線を切断するための操作部材である。
カーソル52は、後述するモニタ装置のディスプレイに表示されるメニュー画面内に表示された項目を選択するための操作部材である。すなわち、カーソル52を操作することで、メニュー画面内の項目を選択できるようになっている。
決定ボタン54は、メニュー画面内において選択された項目を決定するための操作部材である。メニュー画面内において選択及び決定される項目としては、例えば、他の拠点のテレビ会議装置100の宛先などが挙げられる。
メニューボタン50は、上記モニタ装置のディスプレイにメニュー画面を呼び出すための操作部材である。
ビュー切換ボタン58は、カメラ16によって取り込まれた画像のうち、他の拠点に送信する画像を切り換えるための操作部材である。すなわち、例えばある拠点に複数のユーザ(会議参加者)がいる場合に、ビュー切換ボタン58を押すことで、複数のユーザの少なくとも1人が選択的に表示された複数の画像のうち、いずれかを他の拠点に送信することができる。
また、操作パネル部11aの+X側の端部には、音声入出力ユニット17を着脱するための、ロック解除ボタン30aを含むロック装置30が設けられている。
また、操作パネル部11aの−X側の端部には、画像入力ユニット19を筐体11に係止するための、係止解除ボタン32aを含む係止装置32が設けられている。
画像入力ユニット19は、図1(A)、図1(B)及び図3(B)を総合すると分かるように、カメラ16に加えて、該カメラ16を一端部に保持する細長い扁平の中空部材から成るアーム34を有している。アーム34の他端部は、X軸方向を軸方向とするトルクヒンジ36を介して筐体11に接続されている。
すなわち、アーム34は、筐体11の−X側の端部に形成された切り欠き11b内に収容される収容位置(図3(A)参照)と、切り欠き11b内から突出する突出位置(図3(B)参照)との間で筐体11に対してX軸周りに回動可能となっている。なお、トルクヒンジ36には、アーム34を収容位置から突出位置に向けて付勢する弾性部材(例えばねじりコイルばね)が設けられている。
また、アーム34は、収容位置に位置するとき、上述した係止装置32によって筐体11に機械的に係止されている。このとき、係止解除ボタン32aを押すことで、アーム34の筐体11に対する係止が解除され、上記弾性部材の作用により、アーム34がポップアップする。そこで、アーム34を掴んで所望の位置まで回動させることができる。回動されたアーム34から手を離すと、トルクヒンジ36の作用により、アーム34は、その位置でホールドされる。
カメラ16は、アーム34が収容位置に位置するときに撮影レンズ16aが遮蔽され、かつアーム34が突出位置に位置するときに撮影レンズ16aが露出するようにアーム34の一端部内に設けられている。
カメラ16は、撮影レンズ16aを介して被写体としての対象物(例えば、ユーザ、書画等)の画像を取り込み、取り込まれた画像を画像信号(電気信号)に変換して画像入力I/F112に出力する(図2参照)。カメラ16の撮像素子としては、例えばCCD、CMOSなどが用いられている。
撮影レンズ16aとしては、一例として、水平な一軸方向の視野角が例えば120°で、該一軸方向に直交する方向の視野角が例えば100°の広角レンズが用いられている。なお、撮影レンズ16aの視野角は、適宜変更可能である。
音声入出力ユニット17は、図4に示されるように、一例として、マイク20及びスピーカ18に加えて、本体側I/F120との間で有線又は無線で双方向通信可能なユニット側I/F40(図2参照)、バッテリー(蓄電池)、これらを収容するハウジング38などを含む。音声入出力ユニット17は、マイクスピーカとも呼ばれる。
ユニット側I/F40は、音声入出力ユニット17が装置本体10に装着されているとき、本体側I/F120と有線接続され、音声入出力ユニット17が装置本体10から取り外されているとき、本体側I/F120と無線接続される。ユニット側I/F40が本体側I/F120と有線接続されているときには、外部電源からマイク20及びスピーカ18に電力が供給される。また、ユニット側I/F40が本体側I/F120と無線接続されているときには、バッテリーからマイク20及びスピーカ18に電力が供給されるようになっている。なお、音声入出力ユニット17は、バッテリーに代えて、乾電池を有していても良い。
ハウジング38は、一例として、細長い扁平の中空部材から成る。ハウジング38は、筐体11の+X側の端部に着脱可能となっている(図1(A)及び図4参照)。詳述すると、ハウジング38の−X側の端部(筐体11の+X側の端部との合わせ部分)には、上述したロック装置30と機械的に接続可能な接続部が設けられている。
すなわち、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されているとき、上記接続部とロック装置30とが機械的に接続されている。そこで、ロック解除ボタン30aを押すと、上記接続部とロック装置30との接続が解除され、音声入出力ユニット17が筐体11から外れる。逆に、例えば筐体11から外れた音声入出力ユニット17の−X側の端部を筐体11の+X側の端部に+X側から押し付けると、接続部とロック装置30とが機械的に接続され、音声入出力ユニット17が筐体11に装着される。
ハウジング38内の+Y側の端には、スピーカ18が、音声出力方向が概ね+Z方向となるように配置されている。
ここでは、スピーカ18として、例えばフルレンジタイプの丸型のものが採用されているが、その他のものでも良い。スピーカ18は、ユニット側I/F40に結線されており、該本体側I/F120から送信されユニット側I/F40で受信された音声信号を音声として出力する(図2参照)。
ハウジング38の+Z側の壁の、スピーカ18に対応する部分には、スピーカ18から出力された音声を外部に放出するための、複数の小さな貫通孔から成る音声放出口68が形成されている。
また、ハウジング38内の−Y側の端には、マイク20が、音声入力方向が概ね−Z方向となるように配置されている。このように、マイク20とスピーカ18は、ハウジング38内で極力離れた位置に配置されており、エコー、ハウリングの発生が抑制されている。
ここでは、マイク20として、例えば小型の無指向性のものが採用されているが、指向性を有するものを用いても良い。マイク20は、ユニット側I/F40に結線されており、入力した音声を音声信号に変換してユニット側I/F40を介して本体側I/F120に送信する(図2参照)。
また、ハウジング38の+Z側の壁の、マイク20に対応する部分には、マイク20により入力される音声を取り込むための、少なくとも1つ(例えば3つ)の小さな貫通孔から成る音声取込口70が形成されている。
また、ハウジング38の+Z側の面のY軸方向中央部には、X軸方向に並ぶ2つの開口が形成され、該2つの開口には、一対のボリュームボタン62a、62bが個別に嵌め込まれている。また、ハウジング38の+Z側の面の一対のボリュームボタン62a、62bの−Y側には、1つの開口が形成され、該開口には、マイクミュートボタン64が嵌め込まれている。
一対のボリュームボタン62a、62bは、スピーカ18から出力される音の音量を調整するための操作部材である。一対のボリュームボタン62a、62bのうち、−X側のボリュームボタン62aを押圧することで、上記音量を上げることができ、+X側のボリュームボタン62bを押圧することで、上記音量を下げることができる。
マイクミュートボタン64は、マイク20のON/OFFを切り替えるための操作部材である。なお、マイク20がONとは、マイク20を介して音声が入力される状態を意味し、マイク20がOFFとは、マイク20を介して音声が入力されない状態を意味する。
以上のように構成されるテレビ会議装置100を用いるテレビ会議の一例を、以下に説明する。ここでは、テレビ会議は、例えば4拠点間で、各拠点に配置されたテレビ会議装置100を用いて行われる(図5参照)。各拠点のユーザ(会議参加者)の人数は、例えば3人とされている。
各拠点の3人のユーザは、図6に示されるように、例えば一室内に配置されたテーブルT1の+X側、+Y側、−Y側にそれぞれテーブルT1側を向いた状態で着座する。テーブルT1の上面における+X側かつ+Y側の隅部には、基準形態のテレビ会議装置100が載置され、テーブルT1の上面における−X側かつ+Y側の隅部には、モニタ装置が載置されている。なお、テレビ会議装置100に対する電気及び通信に関する配線の接続(例えば、LAN端子とインターネットに接続される端子との結線、モニタ装置と画像出力端子との結線、電源ボタンに対応する端子(例えば電源ジャック)と外部電源との結線など)は、予め行われている。なお、ここで言う配線の接続は、電気又は通信に限られない。また、配線の接続を行わず、無線で接続しても良い。
先ず、例えばテレビ会議装置100に最も近い+X側のユーザ(以下では、操作担当のユーザと称する)は、係止解除ボタン32aを押して、アーム34をポップアップさせ、該アーム34を手動で例えば90°回動させる(図3(B)参照)。この結果、撮影レンズ16aの撮影視野内に、着座した3人のユーザが入る(図6参照)。
次いで、操作担当のユーザは、電源ボタン48を押してテレビ会議装置100を起動させる。このとき、モニタ装置のディスプレイにメニュー画面が表示される。このメニュー画面は、各種調整、会議の開始(双方向通信の開始)等の各項目がアイコンと文字情報で表示される。そこで、ユーザは、カーソル52を操作して、上記メニュー画面上の会議の開始に関する項目を選択し、決定ボタン54を押して、会議の開始を決定する。
会議の開始が決定されると、一拠点のモニタ装置のメニュー画面に3つの他拠点の宛先リストが表示され、一拠点のユーザは、カーソル52を操作して、上記宛先リストからテレビ会議(双方向通信)を行いたい他拠点を選択して、決定ボタン54を押して決定する。ここでは、3つの他拠点が選択され、決定される。この結果、一拠点のテレビ会議装置100から3つの他拠点のテレビ会議装置100へ双方向通信の要求が送信される。
各他拠点のテレビ会議装置100では、その双方向通信の要求が着信すると、その要求の容認及び拒否それぞれに関する項目を、モニタ装置のメニュー画面上に表示する。
そこで、各他拠点のユーザは、該他拠点のテレビ会議装置100のカーソル52及び決定ボタン54を操作することにより、上記容認及び拒否それぞれに関する項目のうちのいずれかを選択、決定する。ここでは、容認に関する項目が選択、決定され、この結果、4個のテレビ会議装置100は、インターネットを介して互いに双方向通信可能に接続される。
4個のテレビ会議装置100間で双方向通信が開始されると、各拠点のテレビ会議装置100のカメラ16で取り込まれた該拠点の3人のユーザの画像がインターネットを介して他の3拠点のテレビ会議装置100に送信され、該テレビ会議装置100に接続されたモニタ装置のディスプレイに表示される。
また、各拠点のテレビ会議装置100のマイク20で取り込まれた該拠点のユーザの音声が、インターネットを介して他の3拠点のテレビ会議装置100に送信され、該テレビ会議装置100のスピーカ18から出力される。
このようにして、4拠点間での画像データ及び音声データの双方向通信(送受信)によるテレビ会議が行われる。
ここで、各拠点において、カメラ16を含む装置本体10は、カメラ16の撮影視野内に3人のユーザ全員が入る位置に配置されている。ここでは、装置本体10は、テーブルT1の上面における+X側かつ+Y側の隅部に載置されている。
この場合、音声入出力ユニット17が装置本体10に装着されていると、テレビ会議装置100に比較的近い位置に着座する操作担当(+X側)のユーザは、自分の音声がマイク20で取り込まれ易く、スピーカ18から出力される他の拠点のユーザの音声を聞き取り易い。
一方、テレビ会議装置100から離れた位置に着座する−Y側のユーザ、−X側のユーザは、自分の音声がマイク20で取り込まれ難く、スピーカ18から出力される他の拠点のユーザの音声を聞き取り難い。
そこで、例えば操作担当のユーザは、音声入出力ユニット17を装置本体10から取り外し、例えばテーブルT1の上面における3人のユーザの中央、すなわち3人のユーザからの距離が概ね等しくなる位置に位置させる(図7参照)。
この結果、各ユーザは、自分の音声がマイク20で取り込まれ易くなり、スピーカ18から出力される他の拠点のユーザの音声を聞き取り易くなる。
ところで、図7において、音声入出力ユニット17と各ユーザとの距離D1(例えば20cm〜70cm)は、例えばテーブルT1の大きさ、形状等によって変わる。すなわち、距離D1は、ユーザ間の距離が長いほど、長くなる。そして、ユーザ間の距離が長いほど、3人のユーザ全員をカメラ16の撮影視野に入れるために、装置本体10と音声入出力ユニット17との距離L1を長くする必要がある。
結果として、距離D1が長いほど、距離L1を長くする必要がある。ここでは、L1は、例えば30cm〜70cmとされている。
そして、マイク20の感度は、距離D1に応じた適正な範囲(適正範囲)がある。すなわち、マイク20の感度が適正範囲よりも高い場合には、他の拠点に耳障りな音声及びノイズ(雑音)が送られたり、マイク20がスピーカ18からの音声を拾ってエコー、ハウリングが発生し易くなる。また、マイク20の感度が適正範囲よりも低い場合には、自分の音声を他の拠点のユーザが聞き取り難くなる。
また、スピーカ18の音量にも、距離D1に応じた適正な範囲(適正範囲)がある。すなわち、スピーカ18の音量が適正範囲よりも高い場合には、他の拠点の耳障りな音声やノイズがスピーカ18から出力されたり、スピーカ18からの音声をマイク20が拾ってエコー、ハウリングが発生し易くなる。また、スピーカ18の音量が適正範囲よりも低い場合には、他の拠点のユーザの声を聞き取り難くなる。
結果として、マイク20の感度及びスピーカの音量は、適正範囲に調整されることが望まれる。
そして、距離D1が長いほど、すなわち距離L1が長いほど、マイク20の感度及びスピーカ18の音量は、高くなることが望ましい。
そこで、制御装置24は、以下に説明するような、音声入出力ユニット17の制御を行う。この制御は、図8のフローチャートに示される手順で行われる。このフローチャートは、CPU101の処理アルゴリズムに対応している。但し、この制御は、例えばユーザによって、モニタ装置のディスプレイに表示されるメニュー画面上で、マイク20の感度及びスピーカ18の音量に関する自動設定モードが選択されているときに行われる。自動設定モードが選択されていないときは、マイク20の感度及びスピーカ18の音量の調整を、ユーザ自らが手動で行うことになる。
最初のステップS1では、音声入出力ユニット17が筐体11に装着されているか否かが判断される。この判断が肯定されると、ステップS17に移行する。一方、ステップS1での判断が否定されると、ステップS3に移行する。
ステップS3では、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離情報が算出可能であるか否かが判断される。ここでは、CPU101は、本体側I/F120での音声入出力ユニット17からの電波の受信感度が著しく低い場合には、上記距離情報を算出可能でないと判断し、それ以外の場合には、上記距離情報を算出可能であると判断する。なお、例えば音声入出力ユニット17と本体側I/F120との間に大きな障害物があると、上記受信感度が著しく低くなる。ステップS3での判断が肯定されると、ステップS5に移行する。一方、ステップS3での判断が否定されると、ステップS7に移行する。
ステップS5では、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離情報が算出される。具体的には、距離情報算出部124によって、本体側I/F120での音声入出力ユニット17からの電波の受信感度に基づいて、上記距離情報が算出される。この場合、距離情報算出部124は、フラッシュメモリ130に格納された、電波の受信感度と上記距離情報との対応関係を示すデータを参照して、上記距離情報を算出する。ステップS5が実行されると、ステップS13に移行する。
ステップS7では、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離情報が算出不能であることをユーザに通知する。ここでは、例えばモニタ装置のディスプレイに例えば「距離情報算出不能」等の文字情報を表示して通知する。なお、これに代えて又は加えて、距離情報が算出不能であることを例えば音声で通知しても良い。ステップS7が実行されると、ステップS9に移行する。
ステップS9では、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離情報が設定されたか否かが判断される。距離情報の設定は、例えば、ユーザが、ディスプレイ14に表示されるメニュー画面内において距離情報設定に関する項目を開き、設定値を選択し、決定することで行われる。この際、ユーザは、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離を目測又は測定器具(例えばメジャー)を用いて測定し、目測又は測定した距離に対応する設定値を、カーソル52を操作して選択し、決定ボタン54を押して決定する。ステップS9での判断が肯定されると、ステップS13に移行する。一方、ステップS9での判断が否定されると、ステップS11に移行する。
ステップS11では、所定時間(例えば数十秒〜数分)が経過したか否かが判断される。ここでの判断が肯定されると、フローは、終了する。すなわち、距離情報が算出不能である旨の通知を行ってから上記所定時間が経過する前に、ユーザによって距離情報が設定されなかったときには、その後の処理が行われない。この場合、ユーザは、例えばメニュー画面のマイクの感度に関する項目を選択してマイク20の感度を調整し、一対のボリュームボタン62a、62bを操作してスピーカの音量を調整する。一方、ステップS11での判断が否定されると、フローは、ステップS9に戻る。なお、ステップS11では、例えば制御装置24に内蔵されたタイマで計時が行われる。
ステップS13では、算出又は設定された上記距離情報が閾値以上であるか否かが判断される。ここでは、閾値は、例えば50cmとされている。ステップS13での判断が肯定されると、ステップS15に移行する。一方、ステップS13での判断が否定されると、ステップS17に移行する。
ステップS15では、マイクの感度及びスピーカの音量それぞれが上記閾値に対応する基準値以上に設定される。すなわち、これらの基準値それぞれは、上記距離情報が上記閾値に等しいときに最適となるマイクの感度及びスピーカの音量を意味する。具体的には、感度設定部126から、基準値以上の適正な感度の設定値が本体側I/F120を介してマイク20に送られ、マイク20の感度がその設置値に設定される。また、音量設定部128から、基準値以上の適正な音量の設定値が本体側I/F120を介してスピーカ18に送られ、スピーカ18の音量がその設定値に設定される。なお、マイク20の感度の基準値及び設定値、スピーカ18の音量の基準値及び設定値は、シミュレーション(実験)によって予め取得され、例えばフラッシュメモリ130に格納されている。
上記シミュレーションでは、マイク20の感度の基準値及び設定値は、音声入出力ユニット17を装置本体10から離間させ、例えばユーザの音声をマイク20により入力し、入力された音量レベルを測定することで求めることができる。また、スピーカ18の音量の基準値及び設定値は、音声入出力ユニット17を装置本体10から離間させ、例えばフラッシュメモリ130に格納された試験音声をスピーカ18から出力し、その音量レベルを測定することで行うことができる。
ステップS17では、マイクの感度及びスピーカの音量それぞれが上記基準値未満に設定される。具体的には、感度設定部126から、基準値未満の適正な感度の設定値が本体側I/F120を介してマイク20に送られ、マイク20の感度がその設置値に設定される。また、音量設定部128から、基準値未満の適正な音量の設定値が本体側I/F120を介してスピーカ18に送られ、スピーカ18の音量がその設定値に設定される。なお、上記感度の設定値及び音量の設定値は、シミュレーションによって予め取得され、例えばフラッシュメモリ130に格納されている。
以上のようにして、マイク20の感度及びスピーカ18の音量が設定されるが、上記一連の制御は、自動設定モードが選択されている間は、繰り返し行われるため、例えばユーザが音声入出力ユニット17と装置本体10との距離を変えた場合であっても、マイク20の感度及びスピーカ18の音量は、その距離に応じた適正な値に設定される。
以上説明したように本実施形態のテレビ会議装置100は、インターネットを介した情報共有に用いられる通信装置であって、カメラ16を含み、該カメラ16の撮影視野内にユーザ(対象物)が入る位置に配置される装置本体10と、該装置本体10に着脱可能に設けられた、マイク20及びスピーカ18を有する音声入出力ユニット17と、を備え、装置本体10は、装置本体10と音声入出力ユニット17との距離情報を取得可能な、着脱判定部123及び距離情報算出部124を含む距離情報取得手段と、取得された前記距離情報に基づいて、マイク20の感度及びスピーカ18の音量を調整可能な、感度設定部126及び音量設定部128を含む調整手段と、を更に含む通信装置である。
この場合、取得された距離情報に基づいて、マイク20の感度及びスピーカ18の音量が調整されるため、装置本体10と音声入出力ユニット17との距離によらず、マイク20により入力される音声の品質、及びスピーカ18から出力される音声の品質の双方を高めることができる。
すなわち、テレビ会議装置100では、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離に応じて、マイク20の感度及びスピーカ18の音量を適正な値に自動的に設定できる。
また、前記調整手段は、取得された前記距離情報が閾値以上のとき、マイク20の感度及びスピーカ18の音量それぞれを閾値に対応する基準値以上にし、取得された前記距離情報が前記閾値未満のとき、マイク20の感度及びスピーカ18の音量それぞれを基準値未満にする。
この場合、ユーザと音声入出力ユニット17との距離情報に関わらず、マイクによる入力される音声の品質、及びスピーカから出力される音声の品質の双方を高めることができる。また、制御が簡単である。
また、テレビ会議装置100は、音声入出力ユニット17との間で双方向通信可能な本体側I/F120を更に備え、音声入出力ユニット17及び本体側I/F120は、音声入出力ユニット17が装置本体10から取り外されているときに互いに無線接続されている。そして、距離情報算出部124は、音声入出力ユニット17が装置本体10から取り外されているときの前記距離情報を、本体側I/F120での音声入出力ユニット17からの電波の受信感度に基づいて算出する。
この場合、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離を計測するための専用の測距装置を設ける必要がなく、低コスト化を図ることができる。
また、テレビ会議装置100は、装置本体10と音声入出力ユニット17との距離情報を手動で設定するために用いられ、設定された距離情報を前記調整手段に出力する距離情報設定用手段を更に備えている。この場合、手動で設定した距離情報を調整手段に出力できるため、仮に距離情報算出部124で距離情報が算出できなくても、調整手段によるマイク20の感度調整、及びスピーカ18の音量調整を行うことができる。
また、テレビ会議装置100は、音声入出力ユニット17が装置本体10に装着された状態で例えばA4版程度の平板状の形態となるため、例えば装置に外付けマイクスピーカ、外付けマイク、外付けスピーカ等を装着する場合に比べて、持ち運びに便利であり、ポータブル性に優れる。
なお、上記実施形態では、一例として各拠点に3人のユーザがいる場合について説明したが、これに限らず、要は、各拠点に少なくとも1人のユーザがいれば良く、各拠点のユーザの人数は、互いに異なっていても良い。以下に、図9に示される、例えば一の拠点にユーザが7人いる場合について説明する。
図9に示されるように、テーブルT2は、図6及び図7に示されるテーブルT1よりも大きい。ここでは、カメラ16を含む装置本体10は、カメラ16の撮影視野内に7人のユーザ全員が入る位置である、テーブルT2の+X側かつ+Y側の隅部に配置されている。そこで、装置本体10から取り外された音声入出力ユニット17は、例えばテーブルT2の上面における7人のユーザの中央、すなわち+X側かつ最も+Y側のユーザ、−X側かつ最も+Y側のユーザ及びX軸方向中央のユーザから同じ距離D2(>D1)の位置に配置される(図10参照)。ここでは、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離L2は、例えば70cm〜180cm(>距離L1)である。D2は、例えば70cm〜150cmとされている。
この場合、上記実施形態と同様な制御を行っても良いが、例えば複数の閾値及び各閾値に対応する基準値に基づいて、テレビ会議装置を制御しても良い。具体的には、複数の閾値を、例えば、50cm、100cm、150cmm・・・というように、50cm刻みで設定し、各閾値に対応する適正な基準値を予めシミュレーションによって取得すれば良い。
この結果、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離によらず、マイク20により入力される音声の品質、及びスピーカ18から出力される音声の品質の双方をより一層高めることができる。
また、図11(A)に示される、例えば一の拠点にユーザが1人いる場合について説明する。
図11(A)に示されるように、テーブルT3は、図6及び図7に示されるテーブルT1よりも小さい。ここでは、カメラ16を含む装置本体10は、カメラ16の撮影視野内に1人のユーザが入る位置である、テーブルT3の+X側かつ+Y側の隅部に配置されている。そこで、テーブルT3の上面のスペースを確保することを優先する場合には、音声入出力ユニット17を装置本体10に装着した状態で用いても良い。一方、マイク20により入力される音声の品質、及びスピーカ18から出力される音声の品質の双方を高めることを優先する場合には、音声入出力ユニット17を装置本体10から取り外し、ユーザの近くに配置することが好ましい(図11(B)参照)。図11(B)では、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離L3は、例えば10cm〜30cm(<距離L1)とされている。
この場合、例えば、閾値の大きさを例えば20cmとし、その閾値に対応する適正な基準値を用いて音声入出力ユニット17を制御することで、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離によらず、マイク20により入力される音声の品質、及びスピーカ18から出力される音声の品質の双方を極力高めることができる。
また、上記実施形態では、調整手段は、閾値及び該閾値に対応する基準値を用いてマイクの感度及びスピーカの音量を調整しているが、これに限られない。例えば、取得された距離情報が長いほど、マイクの感度及びスピーカの音量を高くしても良い。この場合、音声入出力ユニットと筐体との距離情報の変化に追従させて、マイクにより入力される音声の品質、及びスピーカ音量から出力される音声の品質の双方を高めることができる。
また、例えば自動設定モードが選択されていないときに、すなわちユーザがマイクの感度調整及びスピーカの音量調整を手動で行うときに、距離情報算出部で距離情報を算出しても良い。そして、テレビ会議装置は、算出された距離情報をユーザに通知する通知手段を更に備えていても良い。通知手段は、例えば、算出された距離情報を、モニタ装置のディスプレイにリアルタイムで表示する手段であっても良いし、音声によりリアルタイムでアナウンスする手段であっても良いし、これらの手段を併せたものであっても良い。
この場合、例えば、ユーザは、音声入出力ユニットと装置本体との正確な距離情報をリアルタイムで知ることができるため、マイクの感度及びスピーカの音量を、随時、該距離情報に応じた適正な値に手動で調整することができる。
また、上記実施形態では、距離情報設定用手段として、ディスプレイに表示されるメニュー画面上の選択項目が採用されているが、これに代えて、例えば、操作パネル部11a上に距離情報設定用手段としての、距離情報を選択又は入力可能な操作部材を設けても良い。この場合、操作部材が操作されたときの選択信号又は入力信号を調整手段に出力するようにすると良い。
また、上記実施形態では、音声入出力ユニットは、筐体の側面に装着されるようになっているが、これに限らず、例えば、筐体の上面に形成された凹部に嵌め込まれて装着されるようにしても良い。
また、上記実施形態では、距離情報取得手段は、着脱判定部を有しているが、有していなくも良い。この場合、例えば、音声入出力ユニットの筐体に対する着脱の判定をCPU101が行っても良い。
また、上記実施形態では、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離情報は、音声入出力ユニット17と本体側I/F120との間の電波の感度に基づいて、算出されているが、これに代えて、例えば、専用の測距装置(例えば光学的な測距機能を有する装置)を用いて計測することとしても良い。
また、上記実施形態では、音声入出力ユニット17が装置本体10から取り外されているとき、音声入出力ユニット17と本体側I/F120とが無線接続されるようになっているが、これに代えて、例えば、音声入出力ユニット17と本体側I/F120とが例えばUSBケーブルを介して接続されても良い。この場合、例えば、USBケーブルを筐体内に引き出し可能に収納し、その引き出し量を検出する検出手段を設けることで、音声入出力ユニット17と装置本体10との距離情報を取得することができる。なお、USBケーブルを用いる場合には、装置本体10から音声入出力ユニット17に電力を供給できるため、音声入出力ユニットは、バッテリーを有していなくても良い。この場合、音声入出力ユニットを軽量化できる。
また、上記実施形態では、音声入出力ユニット17と本体側I/F120との接続状態の変化、すなわち端子間電圧の変化によって音声入出力ユニット17が筐体11に装着されているか否かが検出されたが、これに限られない。例えば、音声入出力ユニット17が筐体11に対して着脱されるときに機械的に(例えばロック装置30の動作に伴って)オン・オフするスイッチ機構、音声入出力ユニット17の有無を検知する光センサ、超音波センサ等のセンサを筐体に設けても良い。
また、上記実施形態では、図8のフローチャートに基づく制御が行われているが、図8において、ステップS3での判断が否定されたときにフローを終了させても良い。すなわち、ステップS7、S9、S11を行わなくても良い。
また、上記実施形態では、音声入出力ユニット17は、3人のユーザの中央に配置されているが、これに限られない。例えば、ユーザが3人以上の場合には、音声入出力ユニット17は、ユーザ全員で囲まれる領域内に配置されていることが好ましく、その領域の中央に配置されることがより好ましい。また、ユーザが2人の場合には、音声入出力ユニット17は、2人のユーザから等距離の位置に配置されることが好ましく、2人のユーザで挟まれる領域の中央に配置されることがより好ましい。
また、上記実施形態では、カメラ16は、筐体11にアーム34を介して設けられているが、これに限らず、例えば筐体に直接的に設けられていても良い。
また、上記実施形態では、テレビ会議装置に接続される画像表示手段として、モニタ装置が用いられているが、これに限られない。例えば、プロジェクタ、テレビ、パソコン等を用いても良い。また、テレビ会議装置として、ディスプレイを一体に備えるものを採用しても良い。
また、上記実施形態では、テレビ会議装置100は、一室内で用いられているが、これに限定されない。テレビ会議装置100は、上述の如く、携帯性に優れるため、特定の会議室内に据え置かれる必要はなく、自由に持ち運びし、様々な場所で用いられることが期待できる。
また、上記実施形態では、本発明は、いわゆるポータブルタイプ(可搬型)のテレビ会議装置100に適用されたが、本発明は、いわゆる据え置き型のテレビ会議装置にも適用できる。
また、上記実施形態では、テレビ会議は、4拠点間で行われているが、これに限らず、要は、複数の拠点間で行われれば良い。この場合も、少なくとも1つの拠点にテレビ会議装置100を配置することが好ましい。
また、上記実施形態及び各変形例では、通信装置として、テレビ会議装置100が採用されているが、これに限られない。例えば、通信網としての電話回線を介して音声データの送受信のみを行う電話会議装置が採用されても良い。すなわち、本発明の通信装置は、複数の拠点間での画像及び音声の少なくとも一方の送受信による情報共有に用いられるコミュニケーションツールとして多様な態様で使用可能である。