JP2016063386A - 通信装置、並びにアンテナの位置及び向きの設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アンテナの位置及び向きを良好な受信感度が得られる位置及び向きに設定できる通信装置を提供する。
【解決手段】 テレビ会議装置10は、無線通信用のアンテナ70と、該アンテナ70の位置及び向きの少なくとも一方を変更するためのアンテナ駆動装置72と、該アンテナ駆動装置72を制御可能であり、アンテナ70の受信感度(RSSI値)を取得し、該受信感度に基づいてアンテナ70の位置及び向きを設定するコントローラC1を含む制御装置24と、を備えている。この場合、アンテナ70の位置及び向きを良好な受信感度が得られる位置及び向きに設定できる
【選択図】図2
【解決手段】 テレビ会議装置10は、無線通信用のアンテナ70と、該アンテナ70の位置及び向きの少なくとも一方を変更するためのアンテナ駆動装置72と、該アンテナ駆動装置72を制御可能であり、アンテナ70の受信感度(RSSI値)を取得し、該受信感度に基づいてアンテナ70の位置及び向きを設定するコントローラC1を含む制御装置24と、を備えている。この場合、アンテナ70の位置及び向きを良好な受信感度が得られる位置及び向きに設定できる
【選択図】図2
Description
本発明は、通信装置、並びにアンテナの位置及び向きの設定方法に係り、更に詳しくは、無線通信用のアンテナを備える通信装置、並びに前記アンテナの位置及び向きの設定方法に関する。
従来、無線通信用のアンテナを備える通信装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に開示されている通信装置は、アンテナの位置及び向きを良好な受信感度が得られる位置及び向きに設定することができなかった。
本発明は、無線通信用のアンテナと、前記アンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更するための駆動装置と、前記駆動装置を制御可能であり、前記アンテナの受信感度を取得し、該受信感度に基づいて前記アンテナの位置及び向きを設定する制御装置と、を備える通信装置である。
これによれば、アンテナの位置及び向きを良好な受信感度が得られる位置及び向きに設定できる。
以下、一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る通信装置としてのテレビ会議装置の不使用状態における上面図(平面図)が示されている。テレビ会議装置10は、不使用状態において、全体として、薄い略直方体形状(略平板状)の外形を有している。図1では、テレビ会議装置10は、例えば机、テーブルなどの上面(載置面)上に水平面に平行に載置されている。以下、テレビ会議装置の長手方向をX軸方向、水平面内でX軸方向に直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に直交する方向(鉛直方向)をZ軸方向として説明する。
テレビ会議装置10は、一例として、図1及び図2に示されるように、筐体25、アンテナ70、アンテナ駆動装置72、カメラ16を含む画像入力ユニット19、スピーカ18、マイク20、制御装置24などを備えている。
筐体25は、一例として、薄型の箱形中空部材(略直方体形状の部材)から成る。筐体25は、図1に示されるように、平面視で、例えばほぼA4版サイズの矩形の外形を有し、その厚さが、概ね一定(例えば15mm〜45mm)となっている。
また、一例として、筐体25の上壁の−Y側の端部近傍には、X軸方向のほぼ全域に亘って延び、X軸方向を長手方向とする平面視矩形の+Z側及び−X側に開口する凹部31が形成されている。
また、一例として、筐体25の上壁は、凹部31の+Y側に、複数の操作部材が設けられた操作パネル部25aを有する。操作パネル部25a及び複数の操作部材については、後述する。
また、一例として、筐体25の+Y側の側壁(前壁)のX軸方向中間部には、後述するメインボード12に実装される、例えばUSBフラッシュメモリ等の記録メディアMや外部機器との間の入出力用の2つのUSB端子49、及び通信用のLAN端子51が嵌め込まれている(図8参照)。
また、一例として、筐体25の−Y側の側壁(後壁)には、後述するメインボード12に実装される画像出力端子、通信用のLAN端子などが嵌め込まれている。また、筐体25の−X側の側壁には、電源ジャック60が嵌め込まれている(図8参照)。
図1に戻り、操作パネル部25aには、そのX軸方向中央に、−Y側から+Y側にかけて、上述した複数の操作部材としての電源ボタン35、回線ボタン37及び決定ボタン39が、この順に、一列に並べて配置されている。
電源ボタン35は、テレビ会議装置10に対する電源のON/OFFを切り換えるために用いられる操作部材である。
また、操作パネル部25aにおける電源ボタン35に隣接する箇所(電源ボタン35の−X側近傍)には、電源のON/OFFに応じて点灯/消灯する小型の確認用ランプ42が取り付けられている。
回線ボタン37は、インターネットを介して双方向通信中の相手側とのインターネット回線を切断するために用いられる操作部材である。
決定ボタン39は、例えばプロジェクタP(図11参照)によりスクリーンS上に表示されるメニュー画面内においてカーソル40が操作されることにより選択された項目を決定するための操作部材である。決定ボタン39の詳細は、後述する。なお、カーソル40は、決定ボタン39の周囲に配置されている。
また、操作パネル部25aにおけるカーソル40の+X側には、操作部材としてのメニューボタン45が配置されている。メニューボタン45は、例えばスクリーンS上にメニュー画面を呼び出すために用いられる操作部材である。
また、操作パネル部25aにおけるカーソル40の−X側には、一対のボリュームボタン62a、62bが配置されている。
一対のボリュームボタン62a、62bは、スピーカ18の音量を調整するための操作部材である。一対のボリュームボタン62a、62bのうち、+X側のボリュームボタン62bを押圧することで、上記音量を下げることができ、−X側のボリュームボタン62aを押圧することで、上記音量を上げることができる。
また、操作パネル部25aにおけるカーソル40の+X側には、マイクミュートボタン64が配置されている。
マイクミュートボタン64は、マイク20のON/OFFを切り替えるための操作部材である。なお、マイク20がONとは、マイク20により音声が入力される状態を意味し、マイク20がOFFとは、マイク20により音声が入力されない状態を意味する。
また、操作パネル部25aにおけるマイクミュートボタン64の+X側近傍には、マイク20のON/OFF状態に応じて点灯/消灯が切り替わる小型の確認用ランプ65が設けられている。
また、操作パネル部25aにおける確認用ランプ65の+X側には、アンテナ70の受信状態を表示するための受信状態インジケータ90が設けられている。
アンテナ70及びアンテナ駆動装置72は、一例として、筐体25内における操作パネル部25aの−Z側に配置されている。すなわち、アンテナ70及びアンテナ駆動装置72は、筐体25に収容されている。
アンテナ70は、例えばインターネット回線に接続されたアクセスポイントとなる無線LAN親機に対する無線通信用のアンテナとして機能する。この場合、テレビ会議装置10は、無線LAN子機としても機能する。
アンテナ70としては、例えば板金アンテナ、基板上に金属パターンが形成されたアンテナチップなど無線通信用のアンテナとして機能するものであれば良い。なお、アンテナ70は、筐体25内に収容される都合上、通信に必要な電磁界を形成可能かつ小型なものであることが好ましい。
アンテナ駆動装置72は、図3(A)〜図5に示されるように、アンテナ70をX軸周りに回転可能に保持する第1ステッピングモータ74と、該第1ステッピングモータ74を固定部材75を介してX軸方向に移動可能に保持する、ラック&ピニオン機構76a及び第2ステッピングモータ76bを含む移動装置76とを有する。
詳述すると、第1ステッピングモータ74では、アンテナ70が取り付けられたシャフト(回転軸)がX軸に平行になるようにステータ(固定子)が固定部材75に固定されている。固定部材75は、ラック&ピニオン機構76aのラックに固定されている。
ラック&ピニオン機構76aでは、ラックが長手方向がX軸方向を向くようにX軸方向に移動可能にガイド機構に支持され、ピニオンギヤが第2ステッピングモータ76bのシャフト(回転軸)に取り付けられている。
第2ステッピングモータ76bでは、シャフト(回転軸)がY軸に平行になるようにステータ(固定子)が支持部材を介して筐体25に固定されている。
そこで、第1ステッピングモータ74のロータ(回転子)を回転駆動することで、アンテナ70をX軸周りに回転させることができ、アンテナ70の向き(X軸周りの位置(回転角))を変えることができる。なお、アンテナ70の回転角を変えると、アンテナ70が発生する電磁界は、形状がほとんど変化せず、向きが変化する。
また、第2ステッピングモータ76bのロータ(回転子)を回転駆動することで、アンテナ70及び第1ステッピングモータ74をX軸方向に一体的に移動させることができ、アンテナ70のX軸方向の位置を変えることができる。なお、アンテナ70の位置を変えると、アンテナ70が発生する電磁界は、向きがほとんど変化せず、形状が変化する。
そして、第1及び第2ステッピングモータ74、76bをパルス制御することで、アンテナ70の位置と向き(姿勢)を高精度に制御することができる。アンテナ70の位置及び向きの少なくとも一方を変更すると、アンテナ70と、アクセスポイントである無線LAN親機との位置関係が変わり、アンテナ70の受信感度が変化する。
具体的には、アンテナの目標回転角、目標位置、速度、加減速レートなどの動作パラメータに応じたパルス数、周波数のパルス列を各ステッピングモータに出力することで、所望のステップ動作を得ることができる。
ステッピングモータは、高精度な位置決めが可能なモータであり、入力パルスに同期して、一体化されたロータ及びシャフトをステップ状に一定角度ずつ回転できる(図6参照)。
また、ステッピングモータでは、入力パルスのパルス幅に応じて、一体化されたロータ及びシャフトが正確に回転するため、回転量の検出が必要の無い高精度な位置決めが可能である。ステッピングモータの回転速度は入力パルスの周波数に正確に比例する。そこで、入力パルスのパルス数で回転量を指定でき、パルス周波数で回転速度を指定できる。
ここで、各ステッピングモータの構造について簡単に説明する。ステッピングモータは、一例として図7(A)及び図7(B)に示されるように、回転軸としてのシャフト、該シャフトを回転可能に支持する2つのボールベアリング、シャフトに同軸に固定された2つのロータ1、2、シャフトにおける2つのロータ1、2間の位置に固定されたマグネット、2つのボールベアリングを保持し、2つのロータの周囲に配置されたステータなどを含む。2つのロータ1、2で構成されるロータ部では、一例として、小歯数が50個、小歯ピッチが7.2°とされている。
制御装置24は、筐体25内における操作パネル部25aの−Z側に配置され、音声データ及び画像データをエンコード処理またはデコード処理をして、通信網としてのネットワーク、例えばインターネットを介した音声及び画像の双方向通信を制御する。なお、上記画像データは、動画または間欠画像(一定時間間隔の静止画像)のデータである。
制御装置24は、一例として、図2に示されるように、制御用基板としてのメインボード12、音声処理用及び操作用基板としてのサブボード13などを含む。
メインボード12には、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)104、フラッシュメモリ105、HDD(Hard Disk Drive)106、データ入出力I/F108、有線LANI/F(Interface)109、無線LANI/F110、画像入力I/F112、HDMI(登録商標)入力部113、画像出力I/F114、コントローラC1(マイクロコンピュータ)の各構成要素が、アドレスバス、データバス等のバスライン116を介して、双方向通信可能に接続された状態で実装されている。
CPU101は、所定のプログラム(テレビ会議装置用プログラム)に基づいてテレビ会議装置10全体の動作を制御する。なお、テレビ会議装置用プログラムに従ったCPU101の命令による、インターネットを介した音声及び画像の双方向通信にかかる一連の動作は後述する。
ROM102には、IPL(Initial Program Loader)等のCPU101の駆動に用いられるプログラムが記憶されている。
RAM104は、CPU101のワークエリアとして使用される。
フラッシュメモリ105には、後に詳述するように、コントローラC1によって取得された、アンテナ70の受信感度を表す指標であるRSSI(Received Signal Strength Indication)値(単位dBm(デシベルミリ))が格納される。
HDD106は、上記テレビ会議装置用プログラム、画像データ、音声データ等の各種データが記憶される。なお、HDDに限らず、例えばSSD(Solid State Drive)等を用いてもよい。上記テレビ会議装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、例えば記録メディア等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、上記テレビ会議装置用プログラムは、HDD106ではなく、ROM102に記憶されるようにしてもよい。HDD106は、CPU101の制御にしたがってHDD106に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
データ入出力I/F108は、前述したUSB端子49を含み、例えばUSBフラッシュメモリ等の記録メディアMに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。記録メディアMは、USB端子49に着脱自在となっている。なお、記録メディアMは、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリに限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
有線LANI/F109は、前述したLAN端子51(例えばイーサネット(登録商標)端子)を含み、LANケーブルを介してネットワーク例えば、インターネットに接続され、該インターネットを介した他のテレビ会議装置との間のデータ(画像データ及び音声データ)の入出力を行う。上記イーサネット端子の規格としては、例えば10Base−T、100BaseTX、1000BaseTが挙げられる。
無線LANI/F110は、アクセスポイントとしての無線LAN親機を介してネットワーク例えば、インターネットに接続され、該インターネットを介した他のテレビ会議装置との間のデータ(画像データ及び音声データ)の入出力を行う。無線LANI/F110としては、例えばIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n等に対応する無線LANI/Fが挙げられる。無線LANI/F110は同軸ケーブルを介してアンテナ70に接続されており、テレビ会議装置10は無線LAN親機と無線通信可能となっている。
画像入力I/F112は、カメラ16から出力される画像信号を所定の画像データとして取り込む。なお、カメラ16を含む画像入力ユニット19の詳細は後述する。
HDMI(登録商標)入力部113は、筐体25に設けられたHDMI端子を含み、HDMI規格の外付け機器が有線又は無線で接続される。例えば、HDMI入力部113にHDMI規格の高性能の光学ズームカメラやパソコン等のHDMI出力端子が接続されたときには、カメラ16と画像入力I/F112との接続は無効化され、該光学ズームカメラや該HDMI出力端子とHDMI入力部113との接続が有効となる。
画像出力I/F114は、前述した画像出力端子を含み、テレビ会議を行う相手方の会議装置の宛先や画質調整、出力信号の選択などの操作用アイコン等のメニュー画面、通信網を介して受信されたデータのうちエンコードされた画像データ、及びカメラ16により入力された画像データを、画像出力端子に接続される例えばモニタ装置、テレビ、プロジェクタP(図11参照)などの表示装置が受け入れ可能な所定のアナログまたはデジタルの画像信号に変換して出力するようになっている。なお、エンコードされた画像データを所定のコーデックを用いてデコードするのはCPU101による。この所定の画像信号としては、アナログRGB信号(VGA)、コンポーネントビデオ信号、HDMI(High―Definition Multimedia Interface)信号、DVI(Digital Video Interactive)信号が挙げられる。
コントローラC1については、後述する。
サブボード13には、一例として、複数の操作部材それぞれに個別に対応する複数の操作端子、音声入出力I/F120、音声制御部123の各構成要素が実装されている。上記複数の操作端子、音声入出力I/F120、音声制御部123は、バスライン116を介して、互いに双方向通信可能に接続され、かつメインボード12に実装された上記各構成要素と双方向通信可能に接続されている。
音声入出力I/F120は、マイク20により入力された音声を音声データとして取り込んで、該音声データを、音声制御部123を介して有線LANI/F109又は無線LANI/F110に送るとともに、有線LANI/F109又は無線LANI/F110で受信され、音声制御部123を介した他の拠点の音声データをスピーカ18で再生可能な音声信号に変換する。
音声制御部123は、他のテレビ会議装置との双方向通信時に、スピーカ18から出力された音がマイク20で入力され、該他のテレビ会議装置との間で音波のループを形成して発生するエコー、ハウリングを抑制するエコーキャンセル処理機能を有するとともに、例えば室内の空調の作動音などのマイク20で入力されたノイズを低減させるノイズキャンセル処理機能を有する。
また、音声制御部123は、一対のボリュームボタン62a、62bが操作されるのに伴いスピーカ18から出力される音の音量を調整し、後述するマイクミュートボタン64が押し下げられる(ON/OFFされる)のに伴いマイク20による音の入力/非入力を切り替える。
コントローラC1は、CPU101の指示の下、アンテナ駆動装置72を制御可能であり、前述したRSSI値(アンテナ70の受信感度)を取得し、取得されたRSSI値に基づいて、アンテナ70の位置及び向きを設定する。
詳述すると、コントローラC1は、第1及び第2ステッピングモータ74、76bを制御してアンテナ70の位置及び向きを変更する変更部と、該変更部による変更前後でのRSSI値を取得する取得部と、アンテナ70の位置及び向きを取得部で取得された複数のRSSI値のうち最高のRSSI値になる位置及び向きに設定する設定部と、を含む。
画像入力ユニット19は、図8及び図9から分かるように、カメラ16に加えて、カメラ16が収容されるカメラハウジング63と、該カメラハウジング63を二軸のトルクヒンジを介して一端部に保持する細長い扁平の中空部材から成るアーム34を有している。アーム34の他端部は、該アーム34の短手方向(Y軸方向)を軸方向とする一軸のトルクヒンジを介して筐体25に接続されている。
以上のように構成される画像入力ユニット19は、筐体25の−Y側の端部に形成された凹部31内に収容される収容位置(図1参照)と、凹部31内から突出する突出位置(図8及び図9参照)との間で筐体25に対してY軸周りに回動可能となっている。なお、一軸のトルクヒンジには、画像入力ユニット19を収容位置から突出位置に向けて付勢する弾性部材(例えばねじりコイルばね)が設けられている。
ここで、操作パネル部25aの−Y側の端部のX軸方向中央には、画像入力ユニット19を筐体25に係止するための、係止解除ボタン32aを含む係止装置が設けられている。
すなわち、画像入力ユニット19は、収容位置(図1参照)に位置するとき、上記係止装置によって筐体25に機械的に係止されている。このとき、係止解除ボタン32aが押し下げられると、画像入力ユニット19の筐体25に対する係止が解除され、上記弾性部材の作用により、画像入力ユニット19がポップアップする(図8参照)。そこで、画像入力ユニット19を掴んでY軸周りに所望の角度回動させることができる。回動された画像入力ユニット19から手を離すと、一軸のトルクヒンジの作用により、画像入力ユニット19は、その位置でホールドされる。
また、画像入力ユニット19では、カメラハウジング63は、二軸のトルクヒンジの作用により、アーム34に対して該アーム34の長手方向に平行な軸周り及び該軸に直交する軸周りに独立に回動可能となっている。回動されたカメラハウジング63から手を離すと、二軸のトルクヒンジの作用により、カメラハウジング63は、その位置でホールドされる。
カメラ16は、撮影レンズ16aを介して被写体としての対象物(例えばユーザ、書画等)の画像を取り込み、取り込まれた画像を画像信号(電気信号)に変換して画像入力I/F112に出力する(図2参照)。カメラ16の撮像素子としては、例えばCCD、CMOSなどが用いられている。
撮影レンズ16aとしては、一例として、水平な一軸方向の視野角が例えば120°で、該一軸方向に直交する方向の視野角が例えば100°の広角レンズが用いられている。なお、撮影レンズ16aの視野角は、適宜変更可能である。
スピーカ18は、一例として、フルレンジタイプのものであり、音声出力方向が概ね+Z方向になるように筐体25内の−X側かつ+Y側の隅部に配置されている(図1参照)。スピーカ18は、有線LANI/F109又は無線LANI/F110、音声制御部123、音声入出力I/F120を介して送られてくる他の拠点の音声データを音声に変換して出力する。
操作パネル部25aにおけるスピーカ18の+Z側には、スピーカ18から出力された音声を放出するための複数の貫通孔から成る音声放出口17が設けられている。
マイク20は、一例として、単一指向性のものであり、音声入力方向が概ね−Y方向になるように、筐体25の+Y側の側壁の内側面の−X側の端部に設けられている(図1参照)。このように、マイク20の音声入力方向は、スピーカ18の音声出力方向と概ね直交するため、スピーカ18から出力された音声が該マイクにより入力され難く、エコー、ハウリングを効果的に抑制できる。マイク20は、音声を入力し、該音声を、音声入出力I/F120に出力する。なお、マイク20は、無指向性のものであっても良い。
筐体25の+Y側の側壁におけるマイク20に対応する位置に該マイク20により入力される音声を取り込むための、複数(例えば3つ)の貫通孔から成る音声取込口77が形成されている。
以下に、複数のテレビ会議装置10を含む会議システム100について説明する。この会議システム100は、図10に示されるように、インターネットに接続された末端の複数(例えば2つ)のルータR1と、該複数のルータR1それぞれに接続された複数のルータR2とを有する通信網としてのLAN(Local Area Network)と、複数のルータR2それぞれに接続された複数(例えば3つ)のテレビ会議装置10及び中継装置4と、インターネットに接続された通信管理装置5と、各テレビ会議装置10に接続されたプロジェクタPとを含む。
中継装置4は、所定の制御プログラムに従って、各種機能を実現させるコンピュータであり、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタし、その伝送速度に適した解像度の画像データを設定するようになっている。すなわち、この中継装置4は、通信網の状態、テレビ会議装置10の処理状況などの影響により、双方向通信時のテレビ会議装置10同士において、画像データと音声データとにずれ(遅延)が生じていないかを常時検知し、音声データと画像データとにずれが生じている場合、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データの中から、そのずれが生じているテレビ会議装置10に対し、最も適した解像度を選択し、相手側のテレビ会議装置10に送信するようになっている。これにより、通信網の品質が悪化した場合でも、途切れずに動画像の通信が可能になっている。
また、この中継装置4は、画像データと音声データとのずれを解消するために、上述した解像度の変更の他、フレームレートの変更、両者のバランスを重視した解像度及びフレームレートの変更が可能になっている。このように中継装置4は、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタし、ずれ検知、解像度の指定など、動画像および音声の転送にかかわる管理を行なっている。
通信管理装置5は、所定の制御プログラムに従って、全てのテレビ会議装置10を管理するコンピュータであり、全てのテレビ会議装置10の現在の動作状況(双方向通信中、通信待機中、非通電状態など)の把握、テレビ会議装置10のデバイス認証、デバイス認証されたテレビ会議装置10への宛先リストの付与、中継装置4の選定、テレビ会議装置10同士の双方向通信に対する課金など、テレビ会議装置10と中継装置4とを一元的に管理する。
以上のように構成される会議システム100を用いるテレビ会議の一例を、以下に説明する。このテレビ会議は、例えば12拠点間で、各拠点に配置されたテレビ会議装置10を用いて行われる(図11参照)。各拠点のユーザ(会議参加者)の人数は、例えば3人とされている。
各拠点の3人のユーザは、図11に示されるように、例えば一室内に配置されたテーブルTの+X側、+Y側、−X側にそれぞれテーブルT側を向いた状態で着座する。テーブルTの上面における−Y側の端部には、テレビ会議装置10が、当初、画像入力ユニット19が収容位置に位置した状態で載置されている。また、テーブルTの−Y側には、短焦点型のプロジェクタPが設置され、プロジェクタPの−Y側かつ+Z側の斜め上方にはスクリーンSが張設されている。なお、テレビ会議装置10に対する電気及び通信に関する配線の接続(例えば、プロジェクタPと画像出力端子との結線、電源ジャック60と外部電源との結線など)は、予め行われている。
また、各拠点には、ルータR2と例えば光ケーブル等を介して有線接続された無線LAN親機が設置されている。そこで、各拠点のテレビ会議装置10は、該拠点に設置された無線LAN親機と無線通信を行う。すなわち、テレビ会議装置10は、無線LAN親機をアクセスポイントとして、ルータR2と通信を行う。なお、図10では、テレビ会議装置10の有線LANI/F109とルータR2とが有線接続されている状態が示されているが、ここでは、無線LANI/F110とルータR2とが有線接続され、テレビ会議装置10とルータR2とが無線LAN親機を介して無線接続される。
先ず、ユーザは、係止解除ボタン32aを押して、画像入力ユニット19をポップアップさせ、該画像入力ユニット19を手動でY軸周りに例えば90°回動させるとともに、カメラハウジング63をアーム34に対してZ軸周りに例えば90°回動させる。この結果、撮影レンズ16aの撮影視野内に、着座した3人のユーザが入る(図11参照)。
次いで、ユーザは、電源ボタン35を押してテレビ会議装置10を起動させる。テレビ会議装置10が起動されると、制御装置24は、アンテナ70の位置及び向きを設定するための制御を行う。この制御については、後に詳述する。以下では、制御装置24によるアンテナ70の位置及び向きの設定が終了し、アンテナ70の受信感度が良好(テレビ会議に支障が出ない程度)になっていることを前提に説明を進める。
テレビ会議装置10が起動されると、プロジェクタPによってスクリーンSにメニュー画面が表示される。このメニュー画面は、各種調整、会議の開始(双方向通信の開始)等の各項目がアイコンと文字情報で表示される。そこで、ユーザは、カーソル40を操作して、上記メニュー画面上の会議の開始に関する項目を選択し、決定ボタン39を押して、会議の開始を決定する。
会議の開始が決定されると、一のテレビ会議装置10は、その旨の信号を、通信網(無線LAN、インターネット)介して、通信管理装置5に送信する。このとき、通信管理装置5は、一のテレビ会議装置10に対しデバイス認証を行い、その認証後、一のテレビ会議装置10に、該一のテレビ会議装置10以外の複数の他のテレビ会議装置10(通信管理装置5に登録されているテレビ会議装置10)の現在の動作状況を示した宛先リストを送信する。このとき、一のテレビ会議装置10は、この宛先リストを、プロジェクタPを介してスクリーンS上に表示させる。この宛先リストは、直感的な操作が可能なアイコン表示と文字情報とからなり、適宜、更新される。
ここで、ユーザは、カーソル40を操作して、上記宛先リストからテレビ会議(双方向通信)を行いたい他の拠点のテレビ会議装置10を選択して、決定ボタン39を押して決定する。
このようにして、宛先リスト中の非通電状態でない複数の他のテレビ会議装置10の中から、双方向通信を行ないたい他の拠点のテレビ会議装置10が選択、決定されると、通信管理装置5は、複数の中継装置4の中から最適な中継装置4を選択する。通常は、一のテレビ会議装置10と物理的に近い中継装置4が選択されるが、その中継装置4に何らかの不具合がある場合、他の中継装置4が選択される。例えば、図10に示されるように、一のテレビ会議装置10のIPアドレスが(1.2.1.5)の場合、IPアドレスが(1.2.1.2)の中継装置4が選択されるが、その中継装置4がダウンしているときは、IPアドレスが(1.2.2.2)の中継装置4が選択される。なお、IPアドレスは、説明の便宜上、個々のテレビ会議装置10に割り振られた固有のIPアドレスである(図10では、IPアドレスが括弧内の4つの数字で表されている。例えば通信管理装置5は(1.1.1.2))。
通信管理装置5により中継装置4が選択されると、即座に、その中継装置4を介して、IPアドレスに基づいて他のテレビ会議装置10へ双方向通信の要求が送信される。他のテレビ会議装置10では、その双方向通信の要求が着信すると、その要求の容認及び拒否それぞれに関する項目を、プロジェクタPを介してスクリーンS上に映し出されたメニュー画面上に表示する。
そこで、他の拠点のユーザは、他のテレビ会議装置10のカーソル40及び決定ボタン39を操作することにより、上記容認及び拒否それぞれに関する項目のうちのいずれかを選択、決定する。そして、容認に関する項目が選択・決定されると、一及び他のテレビ会議装置10間の双方向通信が開始される。
このとき、中継装置4は、上述したように、通信網の品質(伝送速度)を常時モニタしており、通信網の品質が悪化した場合、現在の解像度より一段下げた解像度の画像データに切り替えた中継、または、フレームレートを下げた中継、または、両者を下げた中継を行なう。通信管理装置5は、テレビ会議装置10同士の双方向通信の開始と共に、そのテレビ会議装置10同士の特定、通信時間の計測など、本実施の形態にかかる会議システム100の使用に対する課金のための処理が実行される。
複数の拠点のテレビ会議装置10間で双方向通信が開始されると、各拠点のテレビ会議装置10のカメラ16で取り込まれた該拠点の3人のユーザの画像がインターネットを介して他の拠点のテレビ会議装置10に送信され、該テレビ会議装置10に接続されたプロジェクタPによってスクリーンSに表示される。
また、各拠点のテレビ会議装置10のマイク20により入力された該拠点のユーザの音声が、インターネットを介して他の拠点のテレビ会議装置10に送信され、該テレビ会議装置10のスピーカ18から出力される。
このようにして、複数拠点間での画像データ及び音声データの双方向通信(送受信)によるテレビ会議が行われる。
ここで、コントローラC1によるアンテナ70の位置及び向きの制御について、図12を参照して説明する。図12のフローチャートは、コントローラC1によって実行される処理アルゴリズムに基づいている。この制御は、テレビ会議装置10が起動されCPU101からコントローラC1に制御開始信号が出力されたときに開始される。
最初のステップS1では、無線LAN親機(アクセスポイント)と無線接続されているか否かを判断する。ここでの判断は、ルータR2に有線接続された無線LAN親機からの電波を無線LANI/F110が受信している場合に肯定され、受信していない場合に否定される。ステップS1での判断が肯定されると、ステップS2に移行する。一方、ステップS1での判断が否定されると、再び同じ判断を行う。
ステップS2では、nに1をセットする。
次のステップS3では、アンテナ70の位置をPnにセットする(図3(A〜図4(B)参照))。Pnは、アンテナ70のX軸方向の位置(cm単位)を表す。具体的には、必要に応じて第2ステッピングモータ76bを制御し、アンテナ70をPnに位置させる。ここでは、1≦n≦4、P1=0cm、P2=5cm)、P3=10cm、P4=15cmとされている(表1参照)。なお、各Pnの値、nの最大値は、適宜変更可能である。当初、アンテナ70の位置は初期位置である位置P1に設定され、アンテナ70は移動範囲の+X側の端に位置している(図3(A)参照)。
次のステップS4では、mに1をセットする。
次のステップS5では、アンテナ70の回転角をθmにセットする(図5参照)。θmは、アンテナ70のX軸周りの回転角(°)を表す。具体的には、必要に応じて第1ステッピングモータ74を制御し、アンテナ70の回転角をθmにする。ここでは、1≦m≦8、θ1=0°、θ2=45°、θ3=90°、θ4=135°、θ5=180°、θ6=225°、θ7=270°、θ8=315°とされている(図5、表1参照)。なお、各θmの値、mの最大値は、適宜変更可能である。当初、アンテナ70の回転角は、初期回転角である回転角θ1に設定され、アンテナ70は+Y方向(水平方向)を向いている(図5参照)。
次のステップS6では、アンテナ70の位置Pn、回転角θm、並びに位置Pn及び回転角θmでのRSSI値(単位dBm(デシベルミリ))を取得し、フラッシュメモリ105にテーブル化した状態で保存する。
次のステップS7では、mがM(ここでは8)未満であるか否かを判断する。ステップS7での判断が肯定されると、ステップS8に移行する。一方、ステップS7での判断が否定されると、ステップS9に移行する。
ステップS8では、mをインクリメントする。ステップS8が実行されると、ステップS5に戻る。
ステップS9では、nがN(ここでは4)未満であるか否かを判断する。
ステップS9での判断が肯定されると、ステップS10に移行する。一方、ステップS9での判断が否定されると、ステップS11に移行する。
ステップS9での判断が肯定されると、ステップS10に移行する。一方、ステップS9での判断が否定されると、ステップS11に移行する。
ステップS10では、nをインクリメントする。ステップS10が実行されると、ステップS3に戻る。
ステップS11では、フラッシュメモリ105に保存されたテーブルを参照して、RSSI値が最高となるアンテナ70の位置Pk及びθiを取得する。ここでは、Pk=10cm、θi=90°である(表1参照)。
次のステップS12では、アンテナ70の位置をPkにセット(設定)する。具体的には、必要に応じて第2ステッピングモータ74を制御してアンテナ70をPkに位置させる。
次のステップS13では、アンテナ70の回転角をθiにセット(設定)する。具体的には、必要に応じて第1ステッピングモータ76を制御してアンテナ70の回転角をθiにする。なお、ステップS12、S13の順序は、逆でも良い。
次のステップS14では、アンテナ70の位置及び向きの設定(調整)が終了したことをユーザに通知する。ここでは、コントローラC1の通知部が受信状態インジケータ90(図1参照)を例えば緑色に点灯し、ユーザにテレビ会議装置10の現在の設置位置において、最良の通信状態であることを通知する。
以上の説明から明らかなように、ステップS2〜ステップS10の一連の工程が行われることで、以下の表1がフラッシュメモリ105に格納される。
以上の説明から分かるように、本実施形態では、アンテナ70の位置及び向きの複数の組み合わせに対応する複数のRSSI値を取得し、アンテナ70の位置及び向きを、複数のRSSI値のうち最高のRSSI値が得られる位置及び向きに設定する。
以上説明した本実施形態のテレビ会議装置10は、無線通信用のアンテナ70と、該アンテナ70の位置及び向きの少なくとも一方を変更するためのアンテナ駆動装置72と、該アンテナ駆動装置72を制御可能であり、アンテナ70の受信感度を取得し、該受信感度に基づいてアンテナ70の位置及び向きを設定する、コントローラC1を含む制御装置24と、を備えている。
この場合、取得された受信感度に基づいて、必要に応じてアンテナ駆動装置72を制御し、アンテナ70の位置及び向きを設定できる。
結果として、テレビ会議装置10は、アンテナの位置及び向きを良好な受信感度が得られる位置及び向きに設定できる。すなわち、アンテナ70の位置及び向きを良好な受信感度が得られる位置及び向きに自動的に設定できる。
この場合、テレビ会議装置10では、任意の設置位置において、障害物の存在や周囲の電波環境の影響を受けても、良好な受信感度が得られるため、テレビ会議装置10の設置の自由度を向上できる。すなわち、テレビ会議装置10の位置によらず、該位置での良好な受信感度を得ることができる。
一方、固定式のアンテナを有する通信装置では、任意の設置位置において障害物存在や周囲の電波環境の影響を受けると、通信装置自体を移動せざるをえず、設置の自由度が低下していた。
また、手動式のアンテナを有するテレビ会議装置では、アンテナの位置及び向きの調整作業をユーザに強いることになり、使い勝手が悪く、不便であった。
ところで、例えば、図13に示される、ディスプレイとキーボードが折り畳み可能なノートパソコンでは、2つのアンテナ1、2をディスプレイ側に搭載することで、使用時に各アンテナの位置を高くでき、該アンテナのアクセスポイントに対する位置や向きによらず、比較的良好な受信感度を得ることができる。
しかしながら、アンテナが薄型の筐体に収容されるテレビ会議装置の場合、アンテナ位置を高くできないため、アクセスポイントに対する位置や向きによって良好な受信感度が得られず、通信不良となるおそれがある。
そこで、テレビ会議装置10では、筐体25内でアンテナの位置及び向き(姿勢)を変更可能であるため、アンテナの位置及び向きを、良好な受信感度が得られる位置及び向きに設定することができ、通信不良となるのを回避できる。
また、制御装置24は、アンテナ駆動装置72を制御してアンテナ70の位置及び向きの少なくとも一方を変更する変更部と、該変更部による変更前後でのRSSI値(アンテナ70の受信感度)を取得する取得部と、該取得部で取得された複数のRSSI値に基づいてアンテナ70の位置及び向きを設定する設定部とを含む。
この場合、アンテナ70の複数のRSSI値に対応する、位置及び向きの複数の組み合わせから所望の1つの組み合わせを選択できる。
また、上記設定部は、アンテナ70の位置及び向きを、複数の受信感度のうち最高の受信感度となる位置及び向きに設定するため、アクセスポイントである親機との通信状態を最適にすることができる。
また、制御装置24は、アンテナ70の位置及び向きの設定が終了したことを受信状態インジケータ90を介してユーザに通知する通知部を更に含むため、テレビ会議装置10の設置位置において、該設置位置での受信感度が良好であることをユーザに認識させ安心感を与えることができる。
なお、上記実施形態では、アンテナ70の位置及び回転角を、取得された複数のRSSI値のうち最高のRSSI値(最大値)となる位置及び回転角に設定しているが、これに限らず、要は、取得された複数のRSSI値のうち最低のRSSI値以外のRSSI値(好ましくは全RSSI値の平均値以上のRSSI値)となる位置及び回転角に設定すれば良い。
また、上記実施形態では、アンテナ70の位置及び回転角を取得されたRSSI値のうち最高のRSSI値(最大値)となる位置及び回転角に設定しているが、例えばテレビ会議装置10と無線LAN親機との位置関係によっては、該最大値が、通信状態が良好となる値(例えば−60dBm以上)に達しないことも想定される。なお、一般に、RSSI値は、−60dBm未満が弱電界とされ、−80dBmではほとんど受信できない状態である。
この場合、コントローラC1が、RSSI値の最大値と閾値(例えば−60dBm)とを比較し、該最大値が閾値未満であるときに、例えば受信状態インジケータ90を例えば赤色に点灯して、ユーザに「受信感度不良」を通知し、テレビ会議装置10の位置及び向きの少なくとも一方を変更するよう促しても良い。この際、受信感度(RSSI値)をモニタし、受信状態を受信状態インジケータ90を介してユーザにリアルタイムで通知することとしても良い。この場合、受信感度が良好になったときに受信状態インジケータ90を例えば青色に点灯してユーザに「受信感度良好」を通知することが好ましい。
なお、図12に示される制御に代えて、図14に示される変形例1の制御を行っても良い。以下に、図14のフローチャートに基づく制御を説明する。
変形例1では、コントローラC2は、アンテナ70の受信感度を取得する取得部と、該取得部で取得された受信感度が閾値(例えば−60dBm)以上であるか否かを判断する判断部と、該判断部での判断結果が肯定的である場合に、アンテナ70の位置及び回転角を上記閾値以上であると判断された前記受信感度となる位置及び向きに設定する設定部と、判断部での判断結果が否定的である場合に、アンテナ駆動装置72を制御してアンテナ70の位置及び回転角の少なくとも一方を変更するする変更部と、を含む。
図14のフローチャートは、コントローラC2によって実行される処理アルゴリズムに基づいている。この制御は、テレビ会議装置10が起動されCPU101からコントローラC2に制御開始信号が出力されたときに開始される。
最初のステップS21では、無線LAN親機と無線接続されているか否かを判断する。ここでの判断は、ルータR2に有線接続された無線LAN親機からの電波を無線LANI/F110が受信している場合に肯定され、受信していない場合に否定される。ステップS21での判断が肯定されると、ステップS22に移行する。一方、ステップS21での判断が否定されると、再び同じ判断を行う。
ステップS22では、nに1をセットする。
次のステップS23では、アンテナ70の位置をPnにセットする(図3(A)〜図4(B)参照)。Pnは、アンテナ70のX軸方向の位置(cm単位)を表す。具体的には、必要に応じて第2ステッピングモータ76bを制御し、アンテナ70をPnに位置させる。ここでは、1≦n≦4、P1=0cm、P2=5cm)、P3=10cm、P4=15cmとされている(表1参照)。なお、各Pnの値、nの最大値は、適宜変更可能である。当初、アンテナ70の位置は、初期位置である位置P1に設定され、アンテナ70は移動範囲の+X側の端に位置している(図3(A)参照)。
次のステップS24では、mに1をセットする。
次のステップS25では、アンテナ70の回転角をθmにセットする(図5参照)。θmは、アンテナ70のX軸周りの回転角(°)を表す。具体的には、必要に応じて第1ステッピングモータ74を制御し、アンテナ70の回転角をθmにする。ここでは、1≦m≦8、θ1=0°、θ2=45°、θ3=90°、θ4=135°、θ5=180°、θ6=225°、θ7=270°、θ8=315°とされている(表1参照)。なお、各θmの値、mの最大値は、適宜変更可能である。当初、アンテナ70の回転角は、初期回転角である回転角θ1に設定され、アンテナ70は+Y方向(水平方向)を向いている(図5参照)。
次のステップS26では、アンテナ70の位置Pn及び回転角θmでのRSSI値を取得する。
次のステップS27では、RSSI値が閾値(例えば−60dBm)以上であるか否かを判断する。ステップS27での判断が肯定されると、ステップS28に移行する。一方、ステップS27での判断が否定されると、ステップS29に移行する。なお、一般に、RSSI値は、−60dBm未満が弱電界とされ、−80dBmではほとんど受信できない状態である。
ステップS28では、「受信感度良好」をユーザに通知する。ここでは、コントローラC2の通知部が受信状態インジケータ90を青色に点灯して、受信状態が良好であることをユーザに通知する。この場合、ユーザは、良好な受信状態を得るためにテレビ会議装置の位置調整を行う必要がない。
ステップS29では、mがM(ここでは8)未満であるか否かが判断される。ステップS29での判断が肯定されると、ステップS30に移行する。一方、ステップS29での判断が否定されると、ステップS31に移行する。
ステップS30では、mをインクリメントする。ステップS30が実行されると、ステップS25に戻る。
ステップS31では、nがN(ここでは4)未満であるか否かを判断する。
ステップS31での判断が肯定されると、ステップS32に移行する。一方、ステップS31での判断が否定されると、ステップS33に移行する。
ステップS31での判断が肯定されると、ステップS32に移行する。一方、ステップS31での判断が否定されると、ステップS33に移行する。
ステップS32では、nをインクリメントする。ステップS32が実行されると、ステップS23に戻る。
ステップS33では、「受信感度不良」をユーザに通知する。ここでは、コントローラC2の通知部が受信状態インジケータ90を赤色に点灯し、受信状態が不良であることをユーザに通知し、注意を喚起する。
そこで、ユーザは、良好な受信感度を得るために、テレビ会議装置10を移動させる。この移動には、テレビ会議装置10をZ軸周りに回転させることも含まれる。
以上の説明から分かるように、変形例1では、アンテナ70を位置Pn、回転角θmにセットし、該位置Pn、回転角θmでのRSSI値が閾値以上となったときアンテナ70の位置及び回転角を該Pn、θmに設定する。このとき、アンテナ70の位置及び回転角は既にPn、θmになっているため、位置及び向きを変更する必要がない。このため、制御が簡単である。
また、変形例1では、コントローラC2は、判断部での判断結果が肯定的である場合に、その旨(受信感度良好)を、受信状態インジケータ90を介して通知する通知部を含む。
この場合、ユーザに対して通信状態が良好であることを認識させ安心感を与えることができる。
また、変形例1では、コントローラC2は、判断部での所定回目(ここでは32回目)の判断の判断結果が否定的である場合に、その旨(受信感度不良)を、受信状態インジケータ90を介して通知する通知部を含む。
この場合、ユーザに対してテレビ会議装置の移動を促すことができる。
また、上記変形例1では、RSSI値の閾値は、例えば弱電界と中電界との境界値である−60dBmに設定されているが、要は、−60dBm以上かつ0dBm以下(中電界〜強電界)に設定されることが好ましく、−60dBm以上かつ−20dBm以下に設定されることがより好ましく、−55dBm以上かつ−25dBm以下に設定されることがより好ましく、−50dBm以上かつ−30dBm以下に設定されることがより好ましい。
なお、RSSI値の閾値を−60dBmよりも大きく設定するほど、該閾値以上となる位置及び向きに設定されるアンテナ70のRSSI値(受信感度)には余裕があることになり、例えばアンテナ70が発生する電磁界に影響を及ぼす金属を含む物体(例えば電子機器や機械)がテレビ会議装置10の周辺に配置され、アンテナ70のRSSI値が低下しても、−60dBm以上のRSSI値を確保することが可能である。
また、上記実施形態及び変形例1では、各位置Pnに対して複数の回転角θmを取得している(アンテナ70を各位置に固定した状態で回転角を変更している)が、これに限らず、例えば、以下に説明する変形例2のように、1つの位置Pn(1≦n≦32)に対して1つの回転角θm(1≦θm≦8)を取得することとしても良い。ここでは、Pnは、cm単位で表記されている。
変形例2では、図15及び図16に示されるように、アンテナ駆動装置172は、アンテナ70がステータに取り付けられシャフト(回転軸)がY軸に平行になるように配置されたステッピングモータ80と、X軸方向に延びるラック及び該ラックに歯合するピニオンギヤを含むラック&ピニオン機構90とを有している。ピニオンギヤの中心孔には、ステッピングモータ80のシャフト(回転軸)が挿入され固定されている。ラックは、筐体25に支持部材を介して固定されている。そこで、ステッピングモータ80のロータ(回転子)を回転駆動すると、ステッピングモータ80及びアンテナ70が一体的にY軸周りに回転しながらX軸方向に移動する。すなわち、ステッピングモータ80のロータの回転によりアンテナ70の位置及び回転角が変わる。なお、ステッピングモータ80は、Xガイド機構によりX軸方向の移動をガイドされる。
以下に、変形例2におけるコントローラC1によるアンテナ70の位置及び回転角の制御方法について、図17を参照して説明する。図17のフローチャートは、コントローラC1によって実行される処理アルゴリズムに基づいている。この制御は、テレビ会議装置10が起動されCPU101からコントローラC1に制御開始信号が出力されたときに開始される。
最初のステップS41では、無線LAN親機と無線接続されているか否かを判断する。ここでの判断は、ルータR2に有線接続された無線LAN親機からの電波を無線LANI/F110が受信している場合に肯定され、受信していない場合に否定される。ステップS41での判断が肯定されると、ステップS42に移行する。一方、ステップS41での判断が否定されると、再び同じ判断を行う。
ステップS42では、nに1をセットする。
次のステップS43では、mに1をセットする。なお、ステップS42、S43の順序は、逆でも良い。
次のステップS44では、アンテナ70の位置、回転角をPn、θmにセットする(図15及び図16参照))。Pnは、アンテナ70のX軸方向の位置(cm単位)を表す。θmは、アンテナ70のX軸周りの回転角(°)を表す。具体的には、必要に応じてステッピングモータ80を制御し、アンテナ70の位置、回転角をPn、θmにする。ここでは、1≦n≦32、P1=0cm、P2=1cm、・・・、P31=30cm、P32=31cmとされている(表2参照)。また、1≦m≦8、θ1=0°、θ2=45°、θ3=90°、θ4=135°、θ5=180°、θ6=225°、θ7=270°、θ8=315°とされている(表2参照)。なお、各Pn、各θm、nの最大値、mの最大値は、適宜変更可能である。当初、アンテナ70の位置は初期位置である位置P1に設定され、アンテナ70は移動範囲の+X側の端に位置している(図15及び図16参照)。当初、アンテナ70の回転角は、初期回転角である回転角θ1に設定され、アンテナ70は+X方向(水平方向)を向いている(図15及び図16参照)。
次のステップS45では、アンテナ70の位置Pn、回転角θm、並びに位置Pn及び回転角θmでのRSSI値(単位dBm(デシベルミリ))を取得し、フラッシュメモリ105にテーブル化した状態で保存する。
次のステップS46では、mがM(ここでは8)未満であるか否かを判断する。ステップS46での判断が肯定されると、ステップS47に移行する。一方、ステップS46での判断が否定されると、ステップS48に移行する。
ステップS47では、mをインクリメントする。ステップS47が実行されると、ステップS49に移行する。
ステップS48では、mに1をセットする。ステップS48が実行されると、ステップS49に移行する。
ステップS49では、nがN(ここでは32)未満であるか否かを判断する。
ステップS49での判断が肯定されると、ステップS50に移行する。一方、ステップS49での判断が否定されると、ステップS51に移行する。
ステップS49での判断が肯定されると、ステップS50に移行する。一方、ステップS49での判断が否定されると、ステップS51に移行する。
ステップS50では、nをインクリメントする。ステップS50が実行されると、ステップS44に戻る。
ステップS51では、RSSI値が最高となるアンテナ70の位置Pk及びθiを取得する。ここでは、Pk(k=19)=18cm、θi(i=3)=90°である(表2参照)。
次のステップS52では、アンテナ70の位置、回転角をPk、θiに設定する。具体的には、必要に応じてステッピングモータ80を制御してアンテナ70の位置、回転角をPk、θiにする。
次のステップS53では、アンテナ70の位置及び向きの設定(調整)が終了したことをユーザに通知する。ここでは、コントローラC1の通知部が受信状態インジケータ90(図1参照)を例えば緑色に点灯し、ユーザにテレビ会議装置10の現在の設置位置において、最良の通信状態であることを通知する。
以上の説明から分かるように、ステップS42〜ステップS50の一連の工程が行われることで、以下の表2がフラッシュメモリ105に格納される。
以下に、変形例2におけるコントローラC2によるアンテナ70の位置及び回転角の制御方法について、図18を参照して説明する。図18のフローチャートは、コントローラC2によって実行される処理アルゴリズムに基づいている。この制御は、テレビ会議装置10が起動されCPU101からコントローラC2に制御開始信号が出力されたときに開始される。
最初のステップS61では、無線LAN親機と無線接続されているか否かを判断する。ここでの判断は、ルータR2に有線接続された無線LAN親機からの電波を無線LANI/F110が受信している場合に肯定され、受信していない場合に否定される。ステップS61での判断が肯定されると、ステップS62に移行する。一方、ステップS61での判断が否定されると、再び同じ判断を行う。
ステップS62では、nに1をセットする。
次のステップS63では、mに1をセットする。なお、ステップS62、S63の順序は、逆でも良い。
次のステップS64では、アンテナ70の位置、回転角をPn、θmにセットする(図15及び図16参照))。Pnは、アンテナ70のX軸方向の位置(cm単位)を表す。θmは、アンテナ70のX軸周りの回転角(°)で表す。具体的には、必要に応じてステッピングモータ80を制御し、アンテナ70の位置、回転角をPn、θmにする。ここでは、1≦n≦32、P1=0cm、P2=1cm、・・・、P31=30cm、P32=31cmとされている(表2参照)。また、1≦m≦8、θ1=0°、θ2=45°、θ3=90°、θ4=135°、θ5=180°、θ6=225°、θ7=270°、θ8=315°とされている(表2参照)。なお、各Pnの値、各θmの値、nの最大値、mの最大値は、適宜変更可能である。当初、アンテナ70の位置は初期位置である位置P1に設定され、アンテナ70は移動範囲の+X側の端に位置している(図15及び図16参照)。当初、アンテナ70の回転角は、初期回転角である回転角θ1に設定され、アンテナ70は+X方向(水平方向)を向いている(図15及び図16参照)。
次のステップS65では、アンテナ70の位置Pn及び回転角θmでのRSSI値を取得する。
次のステップS66では、RSSI値が閾値(例えば−60dBm)以上であるか否かを判断する。ステップS66での判断が肯定されると、ステップS67に移行する。一方、ステップS66での判断が否定されると、ステップS68に移行する。なお、一般に、RSSI値は、−60dBm未満が弱電界とされ、−80dBmではほとんど受信できない状態である。
ステップS67では、「受信感度良好」をユーザに通知する。ここでは、コントローラC2の通知部が受信状態インジケータ90を青色に点灯して、受信状態が良好であることをユーザに通知する。この場合、ユーザは、良好な受信状態が得られているため、テレビ会議装置の位置調整を行う必要がない。
ステップS68では、mがM(ここでは8)未満であるか否かを判断する。ステップS68での判断が肯定されると、ステップS69に移行する。一方、ステップS68での判断が否定されると、ステップS70に移行する。
ステップS69では、mをインクリメントする。ステップS69が実行されると、ステップS71に移行する。
ステップS70では、mに1をセットする。ステップS70が実行されると、ステップS71に移行する。
ステップS71では、nがN(ここでは32)未満であるか否かを判断する。ステップS71での判断が肯定されると、ステップS72に移行する。一方、ステップS71での判断が否定されると、ステップS73に移行する。
ステップS72では、nをインクリメントする。ステップS72が実行されると、ステップS64に戻る。
ステップS73では、「受信感度不良」をユーザに通知する。ここでは、コントローラC2の通知部が受信状態インジケータ90を赤色に点灯し、受信状態が不良であることをユーザに通知し、注意を喚起する。
そこで、ユーザは、良好な受信状態を得るために、テレビ会議装置10を移動させる。この移動には、テレビ会議装置10をZ軸周りに回転させることも含まれる。
なお、上記変形例2では、アンテナ70の位置及び回転角をアンテナ駆動装置172を用いて並行して変更しているが、これに代えて、アンテナ70の位置及び回転角をアンテナ駆動装置72を用いて並行して又は順次変更しても良い。
また、上記実施形態及び変形例1、2では、アンテナ70をX軸方向にのみ移動させる構成としているが、例えばY軸方向等のX軸方向以外の方向に移動させる構成や、例えば複数のステッピングモータ及び複数のラック&ピニオンを組み合わせた移動装置や平面モータ等を用いてXY平面に沿って移動(2次元移動)させる構成としても良い。また、筐体の高さ方向(Z軸方向)にアンテナ70を移動させるのに十分なスペースが有る場合には、Z軸方向に移動させるようにしても良い。
また、上記実施形態及び変形例1、2では、アンテナ70をX軸周りに回転させる構成としているが、例えば図19(A)及び図19(B)に示される変形例3、4のように、Y軸周り、Z軸周りに回転させる構成としても良い。また、X軸、Y軸及びZ軸以外の軸周りに回転させる構成としても良い。
また、上記実施形態及び変形例1〜4では、アンテナ70及び該アンテナ70を駆動するアンテナ駆動装置を1組設けているが、例えば図20に示される変形例5のように2組設けても良いし、3組以上設けても良い。また、アンテナ70を複数設ける場合には、一部のアンテナ70をアンテナ駆動装置により駆動可能とし、残りのアンテナ70を筐体25に対して固定しても良い。
また、上記実施形態及び変形例1〜5では、アンテナ70の位置及び向きを変更可能としているが、アンテナ70の向きのみを変更可能としても良い。この場合には、アンテナ70及びアンテナ駆動装置を1組設けても良いが、例えば図21(A)〜図21(D)にそれぞれ示される変形例6〜9のように複数組設けることがより好ましい。アンテナ70の回転方向(アンテナ70を回転させるステッピングモータの配置)も適宜変更可能である。
また、上記実施形態及び変形例1〜5では、アンテナ70の位置及び向きを変更可能としているが、例えば図22(A)及び図22(B)にそれぞれ示される変形例10、11のように、アンテナ70の位置のみを変更可能としても良い。この場合には、変形例10のようにアンテナ70及びアンテナ駆動装置を1組設けても良いが、変形例11のように複数(例えば2つ)のアンテナ70を1つのアンテナ駆動装置で移動させるようにしても良い。アンテナ70の移動方向(アンテナ70を移動させるステッピングモータの配置)も適宜変更可能である。
以上説明したように、アンテナ70及びアンテナ駆動装置の数、配置、構成等は、筐体内のレイアウト、スペース等に応じて適宜変更可能である。
また、コントローラによりアンテナ70の位置及び向きを設定後(例えばテレビ会議中に)、テレビ会議装置を故意又は不意に移動させた場合には、アンテナ70の受信感度(RSSI値)が変わってしまう。
そこで、アンテナ70の位置及び向きの再設定を命じる信号をCPUに送るための操作部材である再設定部材を操作パネル部25aに設けて、ユーザによる再設定部材の操作によってCPUがコントローラを介してアンテナ70の位置及び向きを再設定するようにしても良い。
また、制御装置は、テレビ会議装置の移動を検出する検出部を更に備えていても良い。そして、制御装置は、検出部がテレビ会議装置の移動を検出した場合、アンテナ70の位置及び回転角を再設定することとしても良い。この場合、テレビ会議装置を移動しても、アンテナ70の位置及び向きを、移動後の位置で受信感度が良好となる位置及び向きに設定できる。
具体的には、テレビ会議装置に該テレビ会議装置の移動を検出する加速度センサを設け、加速度センサの検出信号(移動有りの検出結果)をCPUに出力することとしても良い。この場合、コントローラによるアンテナ70の位置及び向きの設定後、テレビ会議装置が移動されると、加速度センサからCPUに検出信号が出力される。そこで、CPUは、アンテナ70の位置及び向きを再設定すべく、コントローラに制御開始信号を出力する。この結果、図12、図14、図17、図18のいずれかに示される一連の処理が再開される。
なお、加速度センサに代えて、テレビ会議装置が持ち上げられたときにCPUに検出信号を出力するスイッチ装置や光学センサ装置を筐体25に設けても良い。この場合、CPUがスイッチ装置や光学センサ装置からの検出信号を受けたときに、コントローラに制御開始信号を出力し、アンテナ70の位置及び向きの設定をすることとしても良い。
また、加速度センサに代えて、角度センサを筐体25に設け、テレビ会議装置の例えばX軸周り、Y軸周り、Z軸周り等の姿勢変化を検出し、CPUがその検出信号を受けたときに、コントローラに制御開始信号を出力し、アンテナ70の位置及び向きの設定をすることとしても良い。
また、テレビ会議装置の移動の有無によらず、テレビ会議装置の周囲の電波環境の変化(例えばアンテナ70の電磁界に影響する物体の設置)により、アンテナ70の受信感度が変わるおそれがある。そこで、例えばCPUが、アンテナ70の受信感度(RSSI値)を常時監視(モニタ)し、RSSI値が良好でなくなったときに(閾値未満になったときに)、コントローラを用いてアンテナ70の位置及び向きを再設定するようにしても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、テレビ会議装置10に接続される画像表示手段として、プロジェクタPが用いられているが、これに限られない。例えば、モニタ装置、テレビ、パソコン等を用いても良い。
また、コントローラの通知部は、受信状態インジケータ90に代えて例えばスピーカ18を介して「アンテナ70の位置及び向きの設定終了」、「受信感度良好」、「受信感度不良」等を音により通知することとしても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、アンテナ70の位置及び向きを自動的に設定することとしているが、筐体25にアンテナ駆動装置に代えてアンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更するためのアンテナ操作機構を設け、該アンテナ操作機構をユーザに手動操作させることでアンテナの位置及び向きを変更することとしても良い。この場合、制御装置は、アンテナ70の受信状態をユーザに視覚的又は聴覚的に通知する通知部を有していることが好ましい。
また、上記実施形態及び各変形例では、テレビ会議は、12拠点間で行われているが、これに限らず、要は、複数の拠点間で行われれば良い。この場合も、少なくとも1つの拠点にテレビ会議装置10を配置することが好ましい。
また、上記実施形態及び各変形例のテレビ会議装置に用いる会議装置用プログラムを、パソコンを利用したソフトウェアベースのものと同等とすることで、中継装置4や通信管理装置5の不要な会議システムが構築可能(LANやWANのみを用いた会議システムも構築可能)となる。このように本実施の形態にかかるテレビ会議装置10は、上述した会議システム100の構築に用いることに限定されない。
また、上記実施形態及び各変形例では、テレビ会議装置10は、一室内で用いられているが、これに限定されない。テレビ会議装置10は、上述の如く、携帯性に優れるため、特定の会議室内に据え置かれる必要はなく、自由に持ち運びし、様々な場所で用いられることが期待できる。
また、アンテナ70の位置及び向きの設定制御は、コントローラに代えて、CPUが行っても良い。
また、アンテナ70の位置を変更するための移動装置は、ラック&ピニオン機構に代えて、送りねじ機構(ボールねじ機構)等の回転運動を直線運動に変換できる他の機構を用いても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、アンテナ70及びアンテナ駆動装置72は筐体25に収容されているが、アンテナ70及びアンテナ駆動装置72の少なくとも一方が筐体25に外付けされていても良い。
また、アンテナ駆動装置の駆動源は、ステッピングモータに限らず、他のモータ等であっても良い。
また、上記実施形態及び各変形例において、ユーザに通知する通知部は設けられていなくても良い。
また、上記実施形態及び各変形例では、いわゆるポータブルタイプ(可搬型)のテレビ会議装置10について説明したが、本発明は、いわゆる据え置き型のテレビ会議装置にも適用できる。
また、上記実施形態及び各変形例では、通信装置として、テレビ会議装置10が採用されているが、これに限られない。例えば、通信網としての電話回線を介して音声の送受信のみを行う電話会議装置を採用しても良い。すなわち、本発明の通信装置は、例えば複数の拠点間での画像及び音声の少なくとも一方の送受信による情報共有に用いられるコミュニケーションツールとして多様な態様で使用可能である。
また、本発明は、上述したテレビ会議装置や電話会議装置に限らず、要は、無線通信用のアンテナを有する通信装置全般に適用可能である。
10…テレビ会議装置(通信装置)、24…制御装置、70…アンテナ、72…アンテナ駆動装置(駆動装置)、74…第1ステッピングモータ(ステッピングモータ)、76b…第2ステッピングモータ(ステッピングモータ)、80…ステッピングモータ。
Claims (10)
- 無線通信用のアンテナと、
前記アンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更するための駆動装置と、
前記駆動装置を制御可能であり、前記アンテナの受信感度を取得し、該受信感度に基づいて前記アンテナの位置及び向きを設定する制御装置と、を備える通信装置。 - 前記制御装置は、
前記駆動装置を制御して前記アンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更する変更部と、
前記変更部による変更前後での前記受信感度を取得する取得部と、
前記取得部で取得された複数の前記受信感度に基づいて前記アンテナの位置及び向きを設定する設定部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記設定部は、前記アンテナの位置及び向きを、前記複数の受信感度のうち最低の受信感度以外の受信感度となる位置及び向きに設定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
- 前記最低の受信感度以外の受信感度は、前記複数の受信感度のうち最高の受信感度であることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
- 前記制御装置は、
前記受信感度を取得する取得部と、
前記取得部で取得された前記受信感度が閾値以上であるか否かを判断する判断部と、
前記判断部での判断結果が肯定的である場合に、前記アンテナの位置及び向きを前記閾値以上であると判断された前記受信感度となる位置及び向きに設定する設定部と、
前記判断部での判断結果が否定的である場合に、前記駆動装置を制御して前記アンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更するする変更部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記制御装置は、前記判断部での所定回目の判断の判断結果が否定的である場合に、その旨を通知する通知部を含むことを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
- 当該通信装置の移動を検出する検出部を更に備え、
前記制御装置は、前記検出部が移動を検出した場合、前記アンテナの位置及び向きを再設定することを特徴とする請求項1〜6いずれか一項に記載の通信装置。 - 前記駆動装置は、前記アンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更するためのステッピングモータを有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の通信装置。
- 無線通信用のアンテナを備える通信装置における前記アンテナの位置及び向きの設定方法であって、
前記アンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更し、かつ変更前後での前記アンテナの受信感度を取得する工程と、
取得された複数の前記受信感度に基づいて、前記アンテナの位置及び向きを設定する工程と、を含むアンテナの位置及び向きの設定方法。 - 無線通信用のアンテナを備える通信装置における前記アンテナの位置及び向きの設定方法であって、
前記アンテナの受信感度を取得する工程と、
前記受信感度が閾値以上である場合に、前記アンテナの位置及び向きを前記閾値以上の受信感度となる位置及び向きに設定し、前記取得する工程で取得された前記受信感度が閾値未満である場合に、前記アンテナの位置及び向きの少なくとも一方を変更し、該変更後での前記受信感度を取得する工程と、
前記変更後での受信感度が前記閾値以上である場合に、前記アンテナの位置及び向きを前記閾値以上の受信感度となる位置及び向きに設定する工程と、を含むアンテナの位置及び向きの設定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014189653A JP2016063386A (ja) | 2014-09-18 | 2014-09-18 | 通信装置、並びにアンテナの位置及び向きの設定方法 |
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Publications (1)
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ID=55796263
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JP (1) | JP2016063386A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017195587A1 (ja) * | 2016-05-11 | 2017-11-16 | コニカミノルタ株式会社 | 共同作業システム、通信制御方法及び通信制御プログラム |
JP2018123642A (ja) * | 2017-02-03 | 2018-08-09 | 株式会社熊平製作所 | 給電通信ユニット |
-
2014
- 2014-09-18 JP JP2014189653A patent/JP2016063386A/ja active Pending
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