JP6070625B2 - せん断加工方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板のせん断加工方法および装置に関する。
本明細書におけるせん断加工とは、広義のせん断加工を意味しており、工具を用いて、金属板を塑性変形(せん断変形)させて、材料の破壊までもっていき、所望の形状・寸法に材料を切断する加工方法をいい、プレス機械を用いて行う打抜き加工を含む。
せん断加工部あるいは打抜き加工部の疲労強度を向上させる方法として、特許文献1には自動車ホイールディスクの風孔縁周辺を冷間圧延する方法が開示されている。
しかしながら、この方法は打抜き孔加工と冷間圧延加工の2工程を必要とするために生産性が低下してしまう。
また、特許文献2には板材のせん断加工ばり部にコイニング加工する方法が開示されている。
しかしながら、この方法も打抜き孔加工とコイニング加工の2工程を必要とするために生産性が低下してしまう。
このように、特許文献1,2は共にせん断加工部等の疲労強度を向上させるための加工(冷間圧延、コイニング加工)をせん断加工とは別工程で行っているため、生産性が劣るという問題があり、この問題を解決するものとして、特許文献3には、被加工材の打抜き面に対して10〜40°の範囲で傾斜させた傾斜付ダイス切刃と凸型の段付ポンチ切刃により打抜き加工とコイニング加工を同一工程で行う方法が開示されている。
特開昭64−1602号公報 特開平6−57325号公報 特開平2−147129号公報
しかしながら、特許文献3に開示された方法は、傾斜付ダイス切刃を用いており、ダイス面が傾斜している。そのため、通常、パンチで打抜く前に被加工材を安定させる目的で行われる板押さえとダイスで被加工材を押さえる工程を適用できず、不安定な打抜き加工となってしまうという問題があった。
また、ダイス面の切刃部分は被加工材のせん断に用いられるとともに、せん断加工後に引き続き段付ポンチと協働して行われるコイニング加工の際に切刃エッジ部に高荷重が付与されるため、工具寿命の低減が避けられないという問題もあった。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、生産性を低下させることなく、安定的に加工が可能で、工具寿命が短くなることなく、せん断加工部の疲労強度を高めることができるせん断加工方法および装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るせん断加工方法は、被加工材をパンチとダイによりせん断加工する方法であって、前記パンチと前記ダイで前記被加工材をせん断加工することと、前記被加工材の表面であって前記せん断加工により得られたせん断縁から所定の距離だけ離れた部位に半球状または円筒状の凹みせん断縁の周方向に複数個生じさせる圧縮加工することを、1回のせん断加工工程で行うことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、被加工材の板厚tとの関係で、前記凹み部の縁までの距離L、前記凹み部の深さH及び前記凹み部の直径φを、それぞれL=0.28t〜1.2t、H=0.13t〜0.35t及びφ=0.9t〜3.5tに設定したことを特徴とするものである。
)また、上記(1)又は)に記載のものにおいて、前記せん断加工を、前記ダイと板押えによって前記被加工材を押えて行うことを特徴とするものである。
)本発明に係るせん断加工装置は、被加工材をせん断加工する切り刃を有するパンチと、ダイとを有し、前記被加工材をせん断加工するせん断加工装置であって、
前記パンチが、前記パンチにおける前記切り刃の外側に、前記被加工材の表面であって前記せん断加工により得られたせん断縁から所定の距離だけ離れた部位に前記ダイと協働して前記被加工材に半球状または円筒状の凹みせん断縁の周方向に複数個生じさせる圧縮加工部を有していることを特徴とするものである。
)また、上記()に記載のものにおいて、前記圧縮加工部は、前記パンチに対して相対移動可能に設けられ、圧縮加工強度及び/又は加工深さが調整可能になっていることを特徴とするものである。
)また、上記()又は()に記載のものにおいて、被加工材の板厚tとの関係で、前記凹み部の縁までの距離L、前記凹み部の深さH及び前記凹み部の直径φが、それぞれL=0.28t〜1.2t、H=0.13t〜0.35t及びφ=0.9t〜3.5tになるように前記圧縮加工部の位置が設定されていることを特徴とするものである。
)また、上記()乃至()のいずれかに記載のものにおいて、せん断加工を行う際に、前記ダイと協働して前記被加工材を押える板押えを備えていることを特徴とするものである。
)また、上記()に記載のものにおいて、前記板押えは、前記パンチに付加されるせん断加工力によって作動し、被加工材を押える押え力が所定の圧力になるように調整する押え力調整部を備えていることを特徴とするものである。
本発明においては、パンチとダイで被加工材をせん断加工することと、前記被加工材の表面であって前記せん断加工により得られたせん断縁から所定の距離だけ離れた部位に凹みを生じさせる圧縮加工することを、1回のせん断加工工程で行うようにしたので、生産性を低下させることなくせん断部およびその近傍の疲労強度を高めることができるようになった。
本発明の一実施の形態に係るせん断加工装置の立断面図である。 図1のA−A断面から上方を見た図である。 本発明の一実施の形態に係るせん断加工装置のパンチの要部の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るせん断加工装置によって加工された被加工材の平面図である。 図4のB−B矢視断面図のせん断縁近傍を一部拡大して図示したものである。 本発明の一実施の形態に係るせん断加工方法の説明図である。 本発明の一実施の形態に係るせん断加工装置のパンチの他の態様の説明図である(その1)。 本発明の一実施の形態に係るせん断加工装置のパンチの他の態様の説明図である(その2)。 本発明の実施例における実験結果のグラフである(その1)。 本発明の実施例における実験結果のグラフである(その2)。 本発明の実施例における実験結果のグラフである(その3)。
本発明の一実施の形態に係るせん断加工装置1は、被加工材をせん断加工するパンチ切り刃3aを有するパンチ3と、ダイ5と、せん断加工を行う際に、ダイ5と協働して被加工材を押える板押え7とを有している。
以下、各構成を詳細に説明する。
<パンチ>
パンチ3は、全体形状が円柱体からなり、一端にダイ5と協働して被加工材11をせん断加工(打ち抜き加工)するパンチ切刃3aを有し、このパンチ切刃3aの外側に被加工材11を圧縮加工する圧縮加工部3bが設けられている。
また、パンチ3の他端側には、端部に向かって拡径するテーパ部3cが形成されている。
圧縮加工部3bは、図1に示すように、下方に向かって突出する半球状の凸部からなり、パンチ切刃3aの外側に例えば、周方向に等間隔で複数形成されている。本例では、図1、図2に示すように、圧縮加工部3bが、パンチ3の直径方向に2つ設けられている。
圧縮加工部3bの高さは、パンチ切刃3aの高さよりも低くなっており、せん断加工の際に、パンチ切刃3aが被加工材11に当接した後に被加工材11に当接するようになっている。
圧縮加工部3bが被加工材11に当接することで、図4、図5に示すように、パンチ3によって打ち抜き加工された後の被加工材11における打ち抜き穴11aの周縁近傍に、圧縮加工部3bによる凹み部11bが形成される。なお、打ち抜き穴11aのせん断端面の付近でせん断端面と被加工材11の表面との境界をせん断縁11cという。
凹み部11bが形成されることで、当該部位に圧縮の残留応力が生ずると共に加工硬化が生じ、せん断加工部(打ち抜き加工部)の疲労強度を高めることができる。
凹み部11bの位置、深さ、大きさは疲労強度向上と密接に関連しているので、この点について以下、説明する。
被加工材11の凹み部11b近傍の断面を示した図5において、被加工材11の板厚をt(mm)、せん断縁から凹み部11bの縁までの距離をL(mm)、凹み部11bの深さをH(mm)、凹み部11bの直径をφ(mm)で表している。
距離L、深さH、直径φは板厚tとの関係で以下のような範囲とすることが望ましい。
距離Lは、0.28t〜1.20t(0.28≦L/t≦1.20)の範囲とすることが望ましい。この理由は次の通りである。
距離Lが0.28tより短いと、圧縮塑性加工によるせん断縁側への被加工材11の材料塑性流動が大きく、せん断縁がパンチ切刃3aを押す力が大きくなり過ぎてパンチ切刃3aの寿命が短くなる。逆に、距離Lが1.20tより長いと、せん断加工部の疲労強度を向上させる十分な効果が得られない。
深さHは、0.13t〜0.35t(0.13≦H/t≦0.35)の範囲とすることが望ましい。この理由は、深さHが0.13tより浅いと、加工硬化量や残留応力が小さすぎて、十分な効果が得られず、逆に、深さHが0.35tより深いと凹み部11b周辺の盛り上がりが過大となり効果が得られにくいためである。
直径φは、0.9t〜3.5t(0.9≦φ/t≦3.5)の範囲とすることが望ましい。これは、直径φが0.9tより小さいと、加圧面積が小さすぎるため、加工硬化量や残留応力が十分でなく、疲労強度を向上させる十分な効果が得られず、逆に直径φより大きいと加圧面積が広すぎて成形荷重を大きくしなければならずパンチ3が損傷するためである。
凹み部11bの位置、深さ、大きさを上記の範囲に設定することによる効果は後述の実施例で実証している。
なお、凹み部11bの位置、深さ、大きさを上記のような範囲にするために、圧縮加工部3bの位置、形状等を適宜設定すればよい。
圧縮加工部3bの先端形状は半球状のものに限られず、例えば矩形状、円筒形状、かまぼこ形状などであってもよい。
<ダイ>
ダイ5は、パンチ3のパンチ切刃3aに対応するダイ切刃5aを有している。
ダイ5の被加工材11が載置される面は平坦であるため板押え7を用いることができ、安定的に打ち抜き加工することができる。
また、ダイ切刃5aはせん断加工のみに使用され、圧縮残留応力の付与には関係しないので、特許文献3に示されたもののように、ダイ切刃5aに負荷が集中することがなく工具寿命が短くなることもない。
<板押え>
板押え7は、ダイ5と協働して被加工材11をせん断加工する際に押圧して、加工の際に生じる跳ね上がりを防止するためのものである。
板押え7は、図1、図2に示すように、全体形状が円筒体からなり、その内側にパンチ3が挿入されるようになっている。
板押え7は、被加工材11を押圧する押圧部8と、成形荷重を利用して押圧部8を被加工材11に一定の力で押し付ける押え力調整部9を備えている。
押え力調整部9は、押圧部8の上端部に設けられたリング板形状からなる押圧リング13と、押圧リング13上に設置された複数のバネ15と、バネ15の上端部に設置された円筒体からなる荷重受け部17とを有している。
荷重受け部17の内周面は、パンチ3のテーパ部3cに当接する傾斜面17aになっており、パンチ3に付加された成形荷重をテーパ部3cを介して受けるようになっている。
上記構成を有する板押え7においては、パンチ3に成形荷重が付与されると、パンチ3のテーパ部3cによって荷重受け部17が押し下げられ、バネ15と押圧リング13を介して押圧部8を被加工材11に一定の力で押し付けることができる。
以上のように構成された本実施の形態に係るせん断加工装置1を用いたせん断加工方法を、せん断加工装置1の動作と共に説明する。
被加工材11を板押え7の押圧部8とダイ5で挟んだ後(図6(a)参照)、パンチ3をダイ5に近づく方向に移動させる。このとき、被加工材11はバネ15の付勢力による所定の押圧力で押圧部8によって押圧されて安定的に保持される(図6(a)参照)。
パンチ切刃3aが被加工材11に当接し、被加工材11が打ち抜き加工されて打ち抜き穴11aが形成される(図6(b)参照)。
パンチ切刃3aが被加工材11に当接した直後に、圧縮加工部3bが被加工材11における打ち抜き穴11aの近傍に当接して圧縮加工を行い、被加工材11の表面に凹み部11bが形成される(図4及び図6(c)参照)。
以上のように、本実施の形態においては、せん断加工の加工工程において、せん断加工部(打ち抜き加工部)の疲労強度を高めるための圧縮加工が行われ加工効率に優れている。
また、上述したように、ダイ5の被加工材11が載置される面を平坦にすることができ、板押え7を用いることができ、安定的に打ち抜き加工を行うことができる。
なお、上記の説明では、図1〜図3に示すように、圧縮加工部3bはパンチ3に一体的に形成されているものを例に挙げて説明したが、パンチ3の構造はこのようなものに限られず、例えば、図7又は図8に示すような構造としてもよい。なお、図7及び図8において、図1〜図3と同様のものには同一の符号を付している。
図7のパンチ3の構造は、圧縮加工部3bをパンチ3とは別体にしてパンチ3に対して相対移動可能に設けるとともに、パンチ3と圧縮加工部3bの間に付勢手段19(例えばバネ)を設けて、圧縮加工荷重を付勢手段19の付勢力によって制御可能にしたものである。このような構成にすれば、パンチ3のせん断加工荷重に拘わらず、圧縮加工荷重は付勢手段19の付勢力によって制御されるので、圧縮加工を考慮することなくせん断加工を行うことができ、せん断加工を効率よく行うことができる。
なお、付勢手段19はバネに限られたものではなく、ガス圧や油圧などを用いてもよい。
図8のパンチ3の構造は、圧縮加工部3bをパンチ3とは別体にすると共に、上下方向にスライド可能パンチ3に設置したものである。
圧縮加工部3bは、常時はパンチ3に対して下方にスライドした状態にあり、この状態では、図8に示すように、圧縮加工部3bの上端面とパンチ3との間に隙間Sが形成されている。
打ち抜き加工の際には、圧縮加工部3bの先端が被加工材11の表面に当接した後、圧縮加工部3bがパンチ3内に隙間Sの分だけ移動した後、圧縮加工が開始される。このような構造にすることで、隙間Sにスペーサを入れる等することで、形成する凹み部11bの深さHや直径φを容易に調整することができる。
また、上記の実施の形態では、凹み部11bを設ける位置として、打ち抜き穴11aの周囲に2箇所の場合を例示したが、本発明はこれに限られるものではなく、凹み部11bは打ち抜き穴11aの周縁部に全周に亘って所定間隔で設けるようにしてもよいし、あるいは繰り返し応力が作用する方向が予め判っている場合には、繰り返し応力が作用する方向(位置)に凹み部11bを設けるようにすればよい。
本発明のせん断加工方法による作用効果について確認するための実験を行ったので、その結果について以下に説明する。
実験は、図1に示すせん断加工装置1を用いて、パンチ3の圧縮加工部3bを変更して試験片をせん断加工し、せん断加工後の試験片について疲労試験を行い、その結果を評価するというものである。
圧縮加工部3bは、形成される凹み部11bについて距離L、深さH及び直径φ(図5参照)が変わるように、位置や高さ等を設定した。
試験片の大きさは90mm×30mmとし、板厚が1.4mm、2.3mm、2.9mmの1180MPa級冷延鋼板からそれぞれ採取した。
本発明例1〜3は、板厚tと凹み部11bまでの距離Lの関係を確認するためのものであり、試験片の板厚t=1.4mm、距離Lを0.4mm、1.0mm、1.6mmとし、いずれもL/t=0.28〜1.20の範囲内とした。その他の条件は共通であり、深さH=0.20mm、直径φ=2.0mm、凹み形状を半球(曲率半径2.5mm)とした。
本発明例4〜6は、板厚tと凹み部11bの深さHの関係を確認するためのものであり、試験片の板厚t=2.3mm、深さHを0.32mm、0.55mm、0.80mmとし、いずれもH/t=0.13〜0.35の範囲内とした。その他の条件は共通であり、距離L=0.8mm、直径φ=3.3mm、凹み形状は円筒(圧縮面形状φ3.3mm)とした。
本発明例7〜9は、板厚tと凹み部11bの直径φの関係を確認するためのものであり、試験片の板厚t=2.9mm、直径φを2.7mm、4.0mm、10.0mmとし、いずれもφ/t=0.9〜3.5の範囲内とした。その他の条件は共通であり、距離L=1.5mm、深さH=0.60mm、凹み形状は半球(曲率半径2.5mm)とした。
本発明例1〜3の比較例として、本発明例1〜3(板厚t=1.4mm)の場合よりも距離Lが短いものを比較例10(距離L=0.2mm、L/t=0.14)とし、逆に長いものを比較例11(距離L=2.0mm、L/t=1.43)とした。
本発明例4〜6の比較例として、本発明例4〜6(板厚t=2.3mm)の場合よりも深さHが浅いものを比較例12(深さH=0.20mm、H/t=0.09)とし、逆に深いものを比較例13(深さH=1.20mm、H/t=0.52)とした。
本発明例7〜9の比較例として、本発明例7〜9(板厚t=2.9mm)の場合よりも直径φが小さいものを比較例14(直径φ=2.0mm、φ/t=0.7)及び比較例15(直径φ=1.3mm、φ/t=0.4)とした。
上記各条件をまとめたものを表1に示す。
Figure 0006070625
上記条件で試験片をせん断加工したところ、比較例10については打ち抜き穴の端面に近すぎてパンチ3が損傷したため試験片が得られなかった。また、比較例14については、加圧面積が広すぎてパンチ3に過大な荷重がかかってパンチ3が損傷したため試験片が得られなかった。
その他の条件については、加工を行った試験片を複数作成して疲労試験を行った。疲労試験は、試験片に対し応力振幅が400MPa、450MPa、500MPaの繰返し荷重を付加して破断までの回数(寿命)を計測するというものである。疲労試験結果のグラフを図9〜図11に示す。
図9は本発明例1〜3及び比較例11についてのグラフ、図10は本発明例4〜6、比較例12及び比較例13についてのグラフ、図11は本発明例7〜9及び比較例15についてのグラフである。図9〜図11において、縦軸は応力振幅(MPa)を表し、横軸は寿命(サイクル)を表している。
<距離Lについて>
図9に示すように、比較例11は、応力振幅が400MPaの場合で40万サイクル、応力振幅が450MPaの場合で16万サイクル、応力振幅が500MPaの場合で10万サイクルであった。
これに対して、本発明例1〜3は、応力振幅が400MPaの場合で170万サイクル〜200万サイクル、応力振幅が450MPaの場合で40万サイクル〜60万サイクル、応力振幅が500MPaの場合で15万サイクル〜18万サイクルであり、疲労特性が大幅に向上している。
また、本発明例1〜3の中では、距離Lが発明例1、3の中間の値である発明例2の疲労強度が最も高くなっている。
このことから、L/tを0.28〜1.20の範囲内とすることが望ましいことが実証された。
<深さHについて>
図10に示すように、比較例12は、応力振幅が400MPaの場合で42万サイクル、応力振幅が450MPaの場合で15万サイクル、応力振幅が500MPaの場合で9万サイクルであった。また、比較例13は、応力振幅が400MPaの場合で30万サイクル、応力振幅が450MPaの場合で13万サイクル、応力振幅が500MPaの場合で9万5千サイクルであった。
これに対して、本発明例4〜6は、応力振幅が400MPaの場合で170万サイクル〜300万サイクル、応力振幅が450MPaの場合で40万サイクル〜80万サイクル、応力振幅が500MPaの場合で18万サイクル〜20万サイクルであり、疲労特性が大幅に向上している。
また、本発明例4〜6の中では、深さHが発明例4、6の中間の値である発明例5の疲労強度が最も高くなっている。
このことから、H/tを0.13〜0.35の範囲内とすることが望ましいことが実証された。
<直径φについて>
図11に示すように、比較例15は、応力振幅が400MPaの場合で35万サイクル、応力振幅が450MPaの場合で16万5千サイクル、応力振幅が500MPaの場合で10万5千サイクルであった。
これに対して、本発明例7〜9は、応力振幅が400MPaの場合で165万サイクル〜280万サイクル、応力振幅が450MPaの場合で45万サイクル〜70万サイクル、応力振幅が500MPaの場合で15万サイクル〜19万サイクルであり、疲労特性が大幅に向上している。
また、本発明例7〜9の中では、直径φが発明例7、9の中間の値である発明例8の疲労強度が最も高くなっている。
このことから、φ/tを0.9〜3.5の範囲内とすることが望ましいことが実証された。
1 せん断加工装置
3 パンチ
3a パンチ切刃
3b 圧縮加工部
3c テーパ部
5 ダイ
5a ダイ切刃
7 板押え
8 押圧部
9 押え力調整部
11 被加工材
11a 打ち抜き穴
11b 凹み部
11c せん断縁
13 押圧リング
15 バネ
17 荷重受け部
17a 傾斜面
19 付勢手段

Claims (8)

  1. 被加工材をパンチとダイによりせん断加工する方法であって、前記パンチと前記ダイで前記被加工材をせん断加工することと、前記被加工材の表面であって前記せん断加工により得られたせん断縁から所定の距離だけ離れた部位に半球状または円筒状の凹みせん断縁の周方向に複数個生じさせる圧縮加工することを、1回のせん断加工工程で行うことを特徴とするせん断加工方法。
  2. 被加工材の板厚tとの関係で、前記凹み部の縁までの距離L、前記凹み部の深さH及び前記凹み部の直径φを、それぞれL=0.28t〜1.2t、H=0.13t〜0.35t及びφ=0.9t〜3.5tに設定したことを特徴とする請求項1記載のせん断加工方法。
  3. 前記せん断加工を、前記ダイと板押えによって前記被加工材を押えて行うことを特徴と
    する請求項1又は2に記載のせん断加工方法。
  4. 被加工材をせん断加工する切り刃を有するパンチと、ダイとを有し、前記被加工材をせん断加工するせん断加工装置であって、
    前記パンチが、前記パンチにおける前記切り刃の外側に、前記被加工材の表面であって前記せん断加工により得られたせん断縁から所定の距離だけ離れた部位に前記ダイと協働して前記被加工材に半球状または円筒状の凹みせん断縁の周方向に複数個生じさせる圧縮加工部を有していることを特徴とするせん断加工装置。
  5. 前記圧縮加工部は、前記パンチに対して相対移動可能に設けられ、圧縮加工強度及び/
    又は加工深さが調整可能になっていることを特徴とする請求項4記載のせん断加工装置。
  6. 被加工材の板厚tとの関係で、前記凹み部の縁までの距離L、前記凹み部の深さH及び前記凹み部の直径φが、それぞれL=0.28t〜1.2t、H=0.13t〜0.35t及びφ=0.9t〜3.5tになるように前記圧縮加工部の位置が設定されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のせん断加工装置。
  7. せん断加工を行う際に、前記ダイと協働して前記被加工材を押える板押えを備えている
    ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載のせん断加工装置。
  8. 前記板押えは、前記パンチに付加されるせん断加工力によって作動し、被加工材を押え
    る押え力が所定の圧力になるように調整する押え力調整部を備えていることを特徴とする
    請求項7記載のせん断加工装置。
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