JP6069626B2 - 発電の際の電力及び排ガスを利用する半田付け装置及び半田付け方法 - Google Patents

発電の際の電力及び排ガスを利用する半田付け装置及び半田付け方法 Download PDF

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Description

本発明は、配線基板上の配線に対して、電子部品を電気的に接続させるための半田付け技術に関する。
従来、量産工程での半田付け技術は、フロー(Flow)方式とリフロー(Reflow)方式とに大別される。このうち、近年の表面実装技術(Surface Mount Technology)の進展に伴い、リフロー方式が、半田付け技術の主流となっている。この方式では、表面実装型の電子部品を用いた高密度実装が可能となる。
このリフロー方式の半田付け装置として、例えば特許文献1には、電子部品を搭載した配線基板を、コンベアで加熱炉内に搬送し、配線基板上に塗布されたクリーム半田を溶融させて半田付けを行うリフロー半田付け装置が開示されている。本装置では、クリーム半田が、炉内のヒータによって加熱・溶融された後、硬化を開始する際に、酸化されて品質(特に濡れ性)を低下させないように、加熱炉内に窒素ガスが供給される。その際、この窒素ガスの酸素濃度を自動調整することによって、炉内の酸素濃度を所望値に維持する。
また、特許文献2は、クリーム半田(配線基板)の加熱を、電気ヒータではなく、ラジアントチューブヒータを用いて行う技術を開示している。本技術では、このような加熱方法を採用することによって、リフロー半田付け装置における電力消費を抑え、ランニングコストの低減を図っている。
さらに、特許文献2の技術では、炉内に供給するガスとして、窒素ガスの代わりに、ラジアントチューブヒータから排出される排気ガスを利用する。これにより、高価な窒素ガスを使用せずに済み、ランニングコストが低減されるとしている。さらに、コスト面からの制約でクリーム半田の硬化直前にのみ使用していた窒素ガスに代わって、排ガスを、クリーム半田の加熱時にも供給する。これにより、クリーム半田の品質向上を図っている。
また、特許文献3には、燃焼ガスを燃焼させて炉内の酸素を希薄にした状態で、余熱又は半田溶融を行うリフロー装置が開示されている。本装置では、管状トラップの中に冷却触媒又は冷却水を流し、トラップの外側に結露した炉内の水分を除去する。これにより、クリーム半田の品質向上を図っている。さらに、特許文献3は、マグネシウム等の酸化しやすい金属の粉末又は糸状切断物等を燃焼させ、炉内の酸素濃度を低減させる技術も開示している。
また、特許文献4には、リフロー半田付け装置内の空気を燃焼装置に吸引して可燃ガスを燃焼させ、この燃焼後の排気ガスを、リフロー半田付け装置に還流させて装置内に満たす技術が開示されている。これにより、高価な窒素ガス等を使用することなく装置内の酸素濃度を低下させた上で、電子部品を搭載した配線基板を加熱して半田付けを行う。
特開2005−246476号公報 特開2008−42070号公報 特開平5−50285号公報 特開平5−161962号公報
しかしながら、以上に述べたような従来技術をもってしても尚、半田の十分に良好な品質(濡れ性等)を確保しつつ、半田付け装置のランニングコストを十分に抑えることは非常に困難であった。
実際、リフロー半田付け装置におけるエネルギー消費の大半は、加熱炉内の電気ヒータでの電力消費となる。例えば、クリーム半田の半田成分として鉛フリー半田を使用する場合、配線基板を例えば240℃前後にまで加熱せねばならない。その結果、装置の電力消費は、例えば30〜50kVA、又はそれ以上に達する。このように、装置の電力消費が増大することは、ランニングコストを低減し、更には環境問題及び電力事情等に配慮すべき観点からすると、非常に好ましくない。
また、炉内に供給する不活性ガスとして窒素ガスを用いる場合、高価な窒素ガスボンベが必要となり、ランニングコストが増大する。また、窒素生成装置を導入してランニングコストの低減を図ることも考えられるが、多額の初期投資が必要となってしまう。
これらの問題を解決すべく、特許文献2の技術では、電気ヒータの代わりにラジアントチューブヒータを用いて、加熱及び不活性ガスの供給を行っている。しかしながら、このラジアントチューブヒータ自体が相当の電力を消費する。また、ラジアントチューブヒータから排出される排気ガス中には、窒素ガス及び二酸化炭素ガスの他に水蒸気を含んでいる。この水蒸気の除去について同文献では何ら対策が講じられていない。
また、特許文献3の技術でも、ヒータ及びファンを用いて熱風を生成し循環させるのに多大な電力が消費される。さらに、管状トラップの中に冷却触媒又は冷却水を流すためにも電力を消費してしまう。その上、管状トラップに接触せずに通り抜ける燃焼ガス量も多く、炉内の水分除去は限定的である。
また、特許文献4の技術でも、予備加熱ヒータ及び半田付けヒータによる発熱に多大な電力が消費される。さらに、リフロー半田付け装置内の空気を燃焼装置に吸引した上で排気ガスとして装置に還流させるので、半田付け時の雰囲気を清浄な状態に維持するのが困難である。即ち、クリーム半田の溶融時に発生するフラックス成分からなるガスが、この還流によって装置運転時間の経過と共に装置内に充満し、半田付け時の雰囲気を汚染する恐れがある。
尚、リフロー半田付け装置を用いた配線基板製造工程では、停電時における多数の不良品の発生も大きな問題となっている。即ち、相当に大きな外部(商用)電力を必要とするリフロー半田付け装置は、停電時には停止せざるを得ない。その結果、装置内に工程仕掛かり中の配線基板が多数滞留してしまう。この事態を回避するためには、無停電電源装置等の設置が必要となり、多額の初期投資を強いてしまう。このような問題も、以上に述べたような従来技術で解決されるものではない。
また、以上では、リフロー半田付け装置における課題について説明したが、フロー方式を用いて半田付けを行うフロー半田付け装置においても、同様の課題の解決が求められている。即ち、半田の良好な品質を確保しつつ、装置のランニングコストを更に低減することが望まれている。
特に、フロー半田付け装置については、半田槽内の半田全体を溶融した状態で維持させるのに多大な電力が消費されるが、その際のランニングコストを如何に抑制するかが重要となる。また、配線基板におけるフラックスを塗布した半田面の予備加熱を如何に行うか、さらには、配線基板に半田が塗布された後における半田の酸化を防止するための雰囲気を如何に形成するかも課題となる。
そこで、本発明は、半田付けに必要な高温環境及び良好な不活性ガス雰囲気を、装置のランニングコストを抑えつつ実現可能な半田付け装置及び半田付け方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、被加熱対象物に半田付け対象物を半田付けする半田付け装置であって、
供給された燃料を用いて電力を生成し、排ガスを排出する発電部と、
当該排ガスの少なくとも一部を、不活性ガスとして、当該被加熱対象物の周囲に供給する不活性ガス供給部と、
発電部から供給される電力を含む電力によって発熱して、当該排ガスを当該被加熱対象物の周囲に供給する前に加熱し、少なくとも、当該加熱対象物の周囲に供給された当該排ガスを介して当該被加熱対象物を加熱するヒータ部と
を備えている半田付け装置が提供される。
この本発明の半田付け装置では、半田付けに必要となる良好な不活性ガス雰囲気及び高温環境が、燃料を供給された発電部からの電力及び排ガスによって実現する。その結果、装置のランニングコストが抑制可能となる。
また、本発明の半田付け装置の一実施形態として、発電部は、供給された燃料を燃焼させて動力を生成し、排ガスを排出する内燃機関と、当該動力を用いて電力を生成する発電機とを備えていることも好ましい。
ここで、この実施形態において、本装置は、内燃機関より排出される当該排ガスから水蒸気分又は水分を除去し又は低減させる水蒸気除去部を更に備えていることも好ましい。また、内燃機関より排出される当該排ガスから二酸化炭素ガス分を除去し又は低減させる炭酸ガス除去部を更に備えていることも好ましい。
また、本発明の半田付け装置の他の実施形態として、本半田付け装置は、
当該被加熱対象物を搬送する搬送部と、
搬送部による当該被加熱対象物の搬送範囲内における当該排ガスによる加熱領域の前後に設置された、不活性ガス供給部から放出された当該排ガスを排気するための排気部と
を更に備えていることも好ましい。
さらに、本発明の半田付け装置によれば、ヒータ部は、半田含有物が付され且つ当該半田付け対象物が配置された当該被加熱対象物を少なくとも当該排ガスを介して加熱することによって、当該半田含有物を溶融させることも好ましい。尚、この半田付け装置には、リフロー方式を用いたリフロー半田付け装置が対応する。
また、このリフロー半田付け装置の一実施形態として、ヒータ部に、発電部からの電力以外に外部電力が供給されており、本装置は、
当該被加熱対象物を搬送する搬送部と、
外部電力の停電時に、付された半田含有物を溶融させない所定温度以下の温度にある当該被加熱対象物を、発電部からの電力を用いて搬送部を駆動させることにより、当該排ガスによる加熱領域の外に退避させる制御部と
を更に有しており、
この制御部は、所定温度を超える温度にある当該被加熱対象物に対して、発電部からの電力を用いてヒータ部及び搬送部を駆動させることにより、半田付け工程を完了させる
ことも好ましい。
さらに、本発明の半田付け装置によれば、当該被加熱対象物を搬送する搬送部と、
発電部から供給される電力を含む電力によって半田を溶融した状態に維持する半田槽と
を備えており、
搬送部は、当該被加熱対象物の少なくとも一部が半田槽内の溶融した半田に浸って当該溶融した半田が当該被加熱対象物に付されるように、当該被加熱対象物を搬送する
ことも好ましい。尚、この半田付け装置には、フロー方式を用いたフロー半田付け装置が対応する。
また、本発明の半田付け装置は、発電部による電力生成の際に発生する熱を用いて、当該被加熱対象物の周囲に供給される当該排ガスを加熱する排ガス加熱部を更に備えていることも好ましい。これにより、装置のランニングコストがより低減可能となる。
本発明によれば、さらに、被加熱対象物上に半田付け対象物を配置し、
燃料を用いて電力を生成するとともに、排ガスを排出し、
燃料を用いて生成された当該電力を含む電力により熱を発生させて、排出された当該排ガスの少なくとも一部を、当該被加熱対象物の周囲に供給する前に加熱し、
当該半田付け対象物が配置された当該被加熱対象物の周囲に、加熱された当該排ガスを不活性ガスとして供給し、
供給された当該排ガスによって当該被加熱対象物を加熱する
ことを特徴とする半田付け方法が提供される。
本発明の半田付け装置及び半田付け方法によれば、半田付けに必要な高温環境及び良好な不活性ガス雰囲気を、装置のランニングコストを抑えつつ実現することができる。
本発明によるリフロー半田付け装置の構成・作用を説明するための概略図である。 本発明によるリフロー半田付け装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明によるリフロー半田付け装置の他の実施形態を示す概略図である。 本発明によるリフロー半田付け方法の一実施形態を概略的に示すフローチャートである。 本発明の半田付け装置における停電時の対応方法の一実施形態を示す概略図である。 本発明によるフロー半田付け装置の構成・作用を説明するための概略図である。 本発明によるフロー半田付け装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明によるフロー半田付け方法の一実施形態を概略的に示すフローチャートである。
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の参照番号を用いて示される。また、図面中の構成要素内及び構成要素間の寸法比は、図面の見易さのため、それぞれ任意となっている。
(リフロー半田付け装置)
図1は、本発明によるリフロー半田付け装置の構成・作用を説明するための概略図である。
図1によれば、本発明によるリフロー半田付け装置は、発電ユニット(10、20)と、半田付けユニット(11)とを備えている。発電ユニット(10、20)は、供給された「燃料」から、
「電力」と、「排ガス」と、「熱」と
を生成し、これらを半田付けユニット(11)に供給する。
発電ユニット(10、20)は、「燃料」を用いて発電を行う発電部(100、200)と、当該発電部から発生する反応熱を受け取る熱交換部(101、201)とを備えている。ここで、「電力」及び「排ガス」は発電部(100、200)から、「熱」は熱交換部(101、201)から出力される。
半田付けユニット(11)は、不活性ガス供給部(110)と、排ガス加熱部(111)と、ヒータ部(112)とを備えている。排ガス加熱部(111)は、供給された「排ガス」を、供給された「熱」を用いて加熱する。不活性ガス供給部(110)は、「排ガス」の少なくとも一部を、不活性ガスとして配線基板(30)の周囲に供給する。ヒータ部(112)は、供給された「電力」を受け取って発熱し、不活性ガス供給部(110)から放出された「排ガス」を更に加熱する。
被加熱対象物である配線基板(30)上には、半田含有物であるクリーム半田(32)が塗布されている。さらに、このクリーム半田(32)上に、半田付け対象物である電子部品(31)が配置されている。
この配線基板(30)は、加熱された高温の「排ガス」によって形成された、不活性ガス雰囲気であって高温の環境(不活性ガス・高温環境)中に投入される。その結果、塗布されたクリーム半田(32)(の半田分)は、溶融し、その後、配線基板(30)が高温環境から離脱するにつれて硬化する。これにより、配線基板(30)に対する電子部品(31)の半田付け工程が完了する。
このように、半田付けに必要な高温環境が、「燃料」を供給された発電部(100、200)からの「電力」によって実現する。また、発電部(100、200)から排出される「排ガス」も当初から相当に高温であり、さらに熱交換部(101、201)から出力される「熱」によって更に高温化している。従って、「排ガス」を半田付けに必要な温度にまで加熱するのに必要な「電力」量も、十分に抑制可能である。その結果、装置のランニングコストが低減可能となる。
また、「排ガス」は、いわゆる燃焼作用によって生成されたものであり、大部分が不活性成分である。この「排ガス」を、高価な窒素ガスの代わりに不活性ガスとして利用することによって、窒素ガス供給設備における準備・供給体制維持のための多大なコストが発生しない。その結果、装置のランニングコストが更に低減可能となる。
以上、本発明によれば、半田付けに必要な高温環境及び良好な不活性ガス雰囲気を、装置のランニングコストを抑えつつ実現することができる。
尚、本リフロー半田付け装置において、熱交換部(101、201)及び排ガス加熱部(111)を設けず、「熱」の供給を行わないことも可能である。この場合でも、上記効果が奏功される。しかしながら、熱交換部(101、201)における熱交換流体(熱交換媒体)の温度等の条件にもよるが、熱交換部(101、201)及び排ガス加熱部(111)を用いて「熱」を有効利用することによって、装置のランニングコストがより低減可能となる。
また、排ガス加熱部(111)を不活性ガス供給部(110)の外部に配置し、不活性ガス供給部(110)から放出された「排ガス」を、この排ガス加熱部(111)で加熱することも可能である。また、ヒータ部(112)を、不活性ガス供給部(110)の内部に配置して、不活性ガス供給部(110)内の「排ガス」を、このヒータ部(112)で加熱することも可能である。
さらに、半田付けユニット(11)に対して、発電ユニット(10、20)からの電力だけでなく、外部(商用)電力を併せて供給し、給電に幅を持たせることも可能である。
図2は、本発明によるリフロー半田付け装置の一実施形態を示す概略図である。
(発電ユニット10:内燃機関)
図2(A)によれば、リフロー半田付け装置1は、発電ユニット10と、半田付けユニット11とを備えている。このうち、発電ユニット10は、発電部100と、熱交換部101とを備えており、供給された燃料を用いて電力を生成し、排ガスを排出する。また、発電部100は、内燃機関100aと、発電機100bとを備えている。このうち、内燃機関100aは、都市ガス又はLPG(Liquefied Petroleum Gas)等の炭化水素ガス等の燃料を燃焼させて、動力を発生させるガス燃焼エンジンであってもよく、ガソリン又は軽油等の燃料を燃焼させて動力を発生させるエンジンであってもよい。また、発電機100bは、内燃機関100aから伝達された動力を用いて電磁誘導により交流(又は直流)電力を生成する。発電機100bは、更に、生成した電力を半田付けユニット11の各部に適した形態の電力に制御する制御回路部を備えていることも好ましい。
尚、発電ユニット10として、例えば、ガスコージェネレーションシステムであるエコウィル(登録商標)の発電ユニットを利用することも可能である。さらに、例えば、特開2011−21562号公報又は特開平8−4586号公報に開示されているコージェネレーション装置を利用することもできる。
リフロー半田付け装置1は、更に、送風機12と、水蒸気除去部13と、排ガス供給管14と、熱交換配管15とを備えている。送風機12は、例えばファンであり、発電部100から放出された排ガスを水蒸気除去部13に強制的に送り込む。送風機12の駆動は、発電ユニット10で生成された電力によってもよい。
水蒸気除去部13は、排ガスに水中を通過させ、排ガス中の水蒸気分(水分)を除去する。この通過処理によって、排ガス中に存在する(煤を含む)排ガス微粒子も除去・低減される。これにより、水蒸気分(水分)による配線基板及び電子部品に対する悪影響の懸念が解消される。さらに、水の代わりに水酸化カルシウム(Ca(OH))溶液を用い、排ガスに水酸化カルシウム溶液中を通過させることによって、排ガス中の水蒸気分(水分)だけではなく、二酸化炭素(CO)ガス分も除去可能となる。即ち、水蒸気除去部13を炭酸ガス除去部としても機能させることができる。尚、当然に、二酸化炭素ガス分の除去方法として、他の方式の二酸化炭素除去装置を使用することも可能である。
因みに、一実施例として、主成分をメタン(CH)とする都市ガスを、ガス燃焼エンジンである内燃機関100aで燃焼させた際の排ガスの成分は、約71.5重量%の窒素ガスと、約19.0重量%の水蒸気と、約9.5重量%の二酸化炭素ガスとであった。次いで、この排ガスを、水を蓄えた水蒸気除去部13で処理した結果、その成分は、約88.3重量%の窒素ガスと、11.7重量%の二酸化炭素ガスとに変化し、水蒸気分が概ね完全に除去された。尚、排ガス中には、その他の成分として、極微量のアルゴン(Ar)、一酸化炭素ガス(CO)、及び窒化ガス(NO)も検出された。これらの微量ガスを、特定の除去装置を用いて除去することも可能である。
ここで、排ガスは、当初100℃を大幅に超えた温度を有するが、水(水酸化カルシウム溶液)中を通過することによって、少なくとも部分的に100℃以下となる。これにより、排ガスに含まれる水蒸気が水中に取り込まれる。また、その結果、水(水酸化カルシウム溶液)の温度も100℃近くに上昇するので、水蒸気除去部13から取り出される排ガスも、100℃に近い高温を維持する。この高温の排ガスは、その後、排ガス供給管14を介して、後述する不活性ガス供給部110に供給される。
尚、クリーム半田の半田成分として、鉛(Pb)フリー半田を使用する場合、その成分元素となり得るスズ(Sn)、銅(Cu)及び銀(Ag)はそれぞれ、水蒸気と反応しない。従って、配線基板及び電子部品に対する水蒸気(水)による弊害が生じない場合には、水蒸気除去部13を使用せず、水蒸気分を含んだ排ガスを不活性ガスとして使用することも可能である。
以上に述べたように、本実施形態においては、高価な窒素ガスの代わりに、発電部100からの排ガス、又は当該排ガスを適宜処理したガスを、不活性ガスとして利用する。従って、窒素ガス供給設備における準備・供給体制維持のための多大なコストが発生しない。その結果、装置のランニングコストを抑制しつつ、半田付けに必要となる良好な不活性ガス雰囲気を提供することができる。
また、熱交換部101は、内燃機関100aで発生した熱(反応熱)を、内燃機関100aの冷却系を介して受け取り、更に熱交換配管15内に充填された熱交換流体に移送する。熱交換配管15は、この熱交換流体を循環させ、後述する排ガス加熱部111に熱を伝達させる。尚、この熱交換流体の循環は、発電ユニット10で生成された電力によってもよい。
尚、熱交換部101、熱交換配管15、及び排ガス加熱部111を設けずに、内燃機関100aで発生した熱による排ガスの加熱を行わないことも可能である。この場合、排ガスは、後述するヒータ部112によって必要温度にまで加熱される。
(半田付けユニット11)
同じく図2(A)によれば、半田付けユニット11は、不活性ガス供給部110と、排ガス加熱部111と、ヒータ部112と、排気部113と、搬送部114と、温度センサ115とを備えている。ここで、特に、不活性ガス供給部110、排ガス加熱部111及びヒータ部112は、搬送部114(配線基板30)を間に挟んで、上下(又は左右)それぞれに設けられることも好ましい。これにより、より効率的に配線基板30を加熱し、クリーム半田を溶融することが可能となる。
不活性ガス供給部110は、排ガス供給管14を介して供給された高温の排ガスを、搬送部114で搬送された(クリーム半田が塗布され電子部品が配置された)配線基板30の周囲に供給する。排ガス加熱部111は、不活性ガス供給部110の内部に仕込まれており、不活性ガス供給部110内の高温の排ガスを加熱する。具体的には、熱交換流体によってもたらされた熱を、排ガス加熱部111の外表面に接触した排ガスに移送させ、排ガスを更に高温化させる。
ヒータ部112は、例えば電熱ヒータであり、発電機100bで生成された電力を含む電力によって発熱する。即ち、ヒータ部112の発熱のための電力を、発電機100bで生成された分で全て賄うことも好ましく、外部(商用)電力も併せて賄うことも可能である。ヒータ部112は、不活性ガス供給部110の放出口から放出されてヒータ部112に接触しながら通過する排ガスを、クリーム半田溶融に必要な温度にまで加熱する。
この際、排ガスは既に排ガス加熱部111により加熱されて高温化している。従って、排ガスを加熱するために必要となるヒータ部112への電力は、さほど大きな量とならずに済む。例えば、排ガス加熱部111によって排ガスが150℃にまで加熱されている場合、ヒータ部112による半田付け工程に必要な温度、例えば240℃、への加熱は、90℃の温度上昇分で済むことになる。
従って、排ガスを必要温度にまで加熱するのに必要な電力量も、十分に抑制可能である。その結果、装置の(「燃料」代を含む)ランニングコストが大幅に低減される。また、半田付けユニット11の立ち上げに要する時間も、供給時の排ガス温度が十分に高くなっているので、大幅に短縮される。さらに、半田付けユニット11への初期投入電力も低減可能となる。
さらに、図2(A)に示すように、不活性ガス供給部110の放出口はそれぞれ、互いに仕切り板で仕切られた温度設定ゾーンの各々に向けて開口している。また、ヒータ部112は、各温度設定ゾーン内に設置されており、放出口から放出された排ガスを加熱して、各温度設定ゾーン内の排ガス温度を個別に上昇させる。その結果、ヒータ部112毎に供給する電力を制御し、ヒータ部112による排ガスの加熱を温度設定ゾーン毎に制御することによって、配線基板30が搬送部114に搬送されるにつれて経験する温度分布を、所望のプロファイルに制御することが可能となる。尚、ヒータ部112毎の供給電力制御は、温度センサ115による温度分布の測定結果を踏まえて行われる。
ここで、排ガスによる不活性ガス雰囲気を、クリーム半田の硬化直前からではなく、それより前となるクリーム半田の溶融開始時から配線基板30に提供することができる。これにより、半田の品質、特に濡れ性、を向上させることも可能となる。
搬送部114は、例えばベルトコンベアであり、クリーム半田が塗布され電子部品が配置された配線基板30を、高温の排ガスが形成する不活性ガス・高温環境(不活性ガス雰囲気且つ高温環境)内に搬入し、塗布されたクリーム半田を溶融させる。また、クリーム半田が溶融した所定の段階で、配線基板30を、この不活性ガス・高温環境の外に搬出し、クリーム半田(の半田分)を硬化させ、半田付け工程を完了させる。
排気部113は、配線基板30の搬送範囲内における排ガスによる加熱領域の前後に配置され、配線基板30(搬送部114)の周囲に供給された排ガス(不活性ガス)を吸気口から吸引し、外部に強制排気する。ここで、吸気口は、配線基板30が搬送部114によって不活性ガス・高温環境に搬入される入り口である搬入口付近と、不活性ガス・高温環境から搬出される出口である搬出口付近とに設けられる。排気部113内の吸気口付近は、陰圧に保たれるので、排気部113は、排ガスを常時吸引する。その結果、空気を汚染し得る排ガスが装置周囲の環境に漏出する事態が防止される。さらに、排気部113によって強制排気された排ガスは尚、相当の高温である。従って、熱交換機を用いてこの排ガスの熱を利用して、温風暖房等を行うことも可能となる。
(排ガス処理に係る変更態様)
図2(B)に、発電ユニット10から半田付けユニット11に供給される排ガスの処理に係る変更態様を示す。同図によれば、発電ユニット10から排出された排ガスは、送風機120によってフィルタ16に送り込まれる。フィルタ16は、排ガス中に存在する(煤を含む)排ガス微粒子等の固形物質を除去する。固形物質を除去された排ガスは、その後、送風機121によって不活性ガス供給部110に供給される。フィルタ16の前後の位置に送風機120及び121を設置することによって、フィルタ16で処理した排ガスを不活性ガス供給部110に送り込む流量を、内燃機関100aから排出される排ガスの流量に合わせることができる。
尚、本変更態様において、排ガスは、水中等を通過していないので、100℃を大幅に超える高温のまま、不活性ガス供給部110に供給される。その結果、ヒータ部112がこの排ガスをクリーム半田溶融に必要な温度にまで加熱するのに要する電力は、図2(A)の形態よりも更に低減する。これにより、装置のランニングコストを更に抑えることができる。
図3は、本発明によるリフロー半田付け装置の他の実施形態を示す概略図である。
(発電ユニット20:燃料電池)
図3(A)によれば、リフロー半田付け装置2は、発電ユニット20と、半田付けユニット11とを備えている。このうち、半田付けユニット11は、リフロー半田付け装置1(図2(A))の半田付けユニットと同様の構成を有しており、以下、説明されない。
発電ユニット20は、発電部である燃料電池部200と、熱交換部201とを備えており、供給された燃料を用いて電力を生成し、排ガス(オフガス)を排出する。排出された排ガスは、送風機22によって不活性ガス供給部110に送り込まれる。
尚、発電ユニット20として、例えば、燃料電池コージェネレーションシステムであるエネファーム(登録商標)の燃料電池ユニットを利用することも可能である。さらに、例えば、特開2001−180911号公報に開示されている燃料電池発電システムを利用することもできる。
熱交換部201は、燃料電池部(発電部)200で発生した熱(反応熱)を受け取って、更に熱交換配管25内に充填された熱交換流体に移送する。熱交換配管25は、この熱交換流体を循環させ、排ガス加熱部111に熱を伝達させる。尚、この熱交換流体の循環は、発電ユニット20で生成された電力によってもよい。
尚、熱交換部201、熱交換配管25、及び排ガス加熱部111を設けずに、燃料電池部200で発生した熱による排ガス(オフガス)の加熱を行わないことも可能である。この場合、排ガスは、ヒータ部112によって必要温度にまで加熱される。
図3(B)に、燃料電池部200の構成を示す。同図によれば、燃料電池部200は、水素生成改質部200aと、CO変性除去部200bと、電池反応部200cと、脱酸素部200dと、インバータ200eとを備えている。
水素生成改質部200aは、都市ガス又はLPG等の炭化水素ガスを取り入れて、この炭化水素ガスと水蒸気とを混合し、この混合ガスから水蒸気改質反応によって水素(H)を主成分とする水素含有ガスを生成する。CO変性除去部200bは、CO変性触媒等を用いて、生成された水素含有ガスに含まれる一酸化炭素ガス分を低減させる。尚、CO選択酸化触媒を用いて、一酸化炭素濃度をより(例えば10ppm程度にまで)低減させるCO選択酸化部が、更に設けられてもよい。
電池反応部200cは、電解質を間に挟んだ水素極(アノード)及び空気極(カソード)を有し、水素含有ガス(改質水素)と、取り込んだ空気中の酸素(O)とから電池反応を引き起こして直流電力を生成する。電池反応部200cにおける電池方式として、固体高分子型燃料電池(PEFC)方式、リン酸型燃料電池(PAFC)方式、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)方式、又は固体酸化物型燃料電池(SOFC)方式等が採用可能である。
ここで、PEFC方式及びPAFC方式を採用する場合、反応触媒に白金(Pt)系材料が使用される。白金系材料は、一般に、一酸化炭素に暴露されると劣化する。そのため、上述したCO変性除去部200bが必要となる。一方、MCFC方式及びSOFC方式を採用する場合、少なくとも白金系材料を触媒として使用しないので、上述したCO変性除去部200bは必ずしも必要とされない。
インバータ200eは、電池反応部200cで生成された直流電力を交流電力に変換する。インバータ200eで交流に変換された電力は、半田付けユニット11に供給される。尚、半田付けユニット11が交流ではなく直流で駆動する場合、インバータ200eの代わりに、半田付けユニット11の各部で要求される安定化した直流を生成する安定化回路装置を設置することが好ましい。
脱酸素部200dは、排出される排ガスのうち空気極から放出される空気オフガス中の酸素ガス分を、脱酸素剤、酸化吸収剤又は酸素吸収カートリッジ等を用いて除去・低減する。この空気オフガス中には、空気極で消費されなかった酸素ガスが含まれる。また、脱酸素部200dとして、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、又はマンガン(Mn)等の酸化し易い金属の粉末又は微小片・糸片を用いて酸素を吸収することも可能である。尚、脱酸化剤の一例が、例えば、特開2005−319429号公報に開示されている。
さらに、排出される排ガス(オフガス)のうち水素極から放出される水素オフガス中の水素ガス分を除去・低減する脱水素部が設けられることも好ましい。水素ガス分を除去することによって、排ガス利用における水素爆発を防止する対策を緩和することが可能となる。また、水素オフガス中の水素ガスと空気オフガス中の酸素ガスとを電熱加熱部によって燃焼させ、排ガス中の水素ガス分を水蒸気分(水分)に変換してしまう技術も利用可能である(例えば、特開2001−52730号公報参照)。さらに、排出される排ガス(オフガス)から水蒸気分(水分)を除去・低減する除湿機を設けることも好ましい。尚、酸素除去装置及び除湿機の一例が、例えば、特開2005−63733号公報に開示されている。
以上に述べたように、本実施形態においては、高価な窒素ガスの代わりに、燃料電池部200からの排ガス(オフガス)、又は当該排ガスを適宜処理したガスを、不活性ガスとして利用する。従って、窒素ガス供給設備における準備・供給体制維持のための多大なコストが発生しない。その結果、装置のランニングコストを抑制しつつ、半田付けに必要となる良好な不活性ガス雰囲気を提供することができる。
(リフロー半田付け方法)
図4は、本発明によるリフロー半田付け方法の一実施形態を概略的に示すフローチャートである。
(S11)配線基板30上にクリーム半田32を塗布する。この塗布は、例えばクリーム半田印刷機を用いて行う。
(S12)配線基板30上のクリーム半田32が塗布された部分に電子部品31を配置(実装)する。この実装は、例えば、NC(Numerical Control)制御のチップマウンタを用いて行う。
(S13)「燃料」を用いて「電力」を生成し、「排ガス」を排出する。この「電力」の生成及び「排ガス」の排出は、発電部100又は200を用いることによって実施される。
(S14)「電力」生成の際に発生する「熱(反応熱)」を用いて、「排ガス」を加熱する。この「排ガス」の加熱は、熱交換部101又は201と、排ガス加熱部111とを用いることによって実施される。尚、本ステップS14は、実施されることによって「熱」を有効利用し装置のランニングコストをより低減可能とするが、省略されることも可能である。
(S15)「燃料」を用いて生成された「電力」を含む電力を用いて熱を発生させ、加熱された「排ガス」を更に加熱する。この発熱及び加熱は、ヒータ部112を用いることによって実施される。
(S16)クリーム半田32が塗布され且つ電子部品31が配置された配線基板30の周囲に、加熱された「排ガス」を供給する。この供給は、搬送部114を用いて、配線基板30を、「排ガス」が形成する不活性ガス・高温環境(不活性ガス雰囲気且つ高温環境)内に投入することによって実現される。また、配線基板30の通過位置(周囲)に向けての「排ガス」の放出は、不活性ガス供給部110を用いることによって実施される。
(S17)供給された排ガスによって、配線基板30を加熱する。これにより、配線基板30上のクリーム半田32を溶融させる。
(S18)その後、配線基板30を冷却し、クリーム半田32(の半田分)を硬化させて、配線基板30への電子部品31の半田付けを完了する。
(停電時の対応)
図5は、本発明の半田付け装置における停電時の対応方法の一実施形態を示す概略図である。
図5によれば、半田付けユニット11は、発電ユニット10又は20によって生成された電力と外部(商用)電力とを受け取る電源・制御部116を備えている。電源・制御部116は、半田付けユニット11の各構成部に電力を供給しその動作を制御する。特に、電源・制御部116は、ヒータ部112及び搬送部114の駆動を制御する。
搬送部114は、本実施形態において、直列に配置された複数のベルトコンベアを含み、複数の配線基板30を順次、搬入口から搬出口へ搬送する。これら複数のベルトコンベアは、搬送範囲内における複数の位置のうちの1つを境として、搬入口側のベルトコンベアと搬出側のベルトコンベアとが逆方向に移動(回転)することもできるように構成されている。これにより、搬送される複数の配線基板30の一部を搬入口側に、その他を搬出口側に移動させることも可能となる。
ここで、外部(商用)電力が災害・事故等の理由によって停電した状況における装置側の対応を説明する。
電源・制御部116は、外部(商用)電力の停電時に、配線基板30を、発電ユニット10又は20からの電力を用いて搬送部114を駆動させることによって、移動させる。この際、クリーム半田32の不可逆的な変質が発生しない所定の温度を予め設定し、
a)停電時に、当該所定温度Tth以下の温度にある配線基板30に対しては、この配線基板30を載せた搬送部(ベルトコンベア)114を搬入口側に移動させて、排ガスによる加熱領域の外に退避させ、一方で、
b)停電時に、当該所定温度Tthを超える温度にある配線基板30に対しては、この配線基板30を載せた搬送部(ベルトコンベア)114と、ヒータ部112とを通常通り駆動させることによって、半田付け工程を完了させる。
従って、例えば、搬入口から最初の温度設定ゾーンに搬入された配線基板30位置での温度が所定温度Tthを超える値である場合、搬入された全ての配線基板30は、通常通り搬送されて半田付け工程を完了することになる。
ここで、所定温度Tthは、クリーム半田32がその温度においても不可逆的な変質を生じさせない温度閾値である。通常、クリーム半田32は、半田金属粉末とフラックスとを混合して粘度調整した材料であるが、このうち、フラックスは、樹脂、活性剤、溶剤を含む。この活性剤が反応を起こして消費されたり、この溶剤が揮発したりすると、クリーム半田32は、不可逆的な変質を起こすと考えられている。この一度変質したクリーム半田32を冷却して再度使用すると濡れ性等の品質が劣化してしまう。以上のことを考慮して、所定温度Tthは、クリーム半田の融点Tよりも低い温度であって、フラックス中の活性剤及び溶剤等がその温度において不可逆的な変化を起こさないことを実験的に又は経験的に確認した温度、に設定することができる。
尚、電源・制御部116は、停電時の配線基板30の温度を、各配線基板30の近傍にある温度センサ115からの出力を得て判断する。また、ヒータ部112の駆動も、発電ユニット10又は20からの電力を用いて実施される。
さらに、停電時には、(例えば図2(A)に示した)複数のヒータ部112のうち、搬入口に近い位置に設置されたヒータ部112の駆動を停止させることも好ましい。また、(例えば図2(A)に示した)不活性ガス供給部110の複数の放出口のうち、搬入口に近い位置に設けられた放出口を閉鎖することも好ましい。これらの措置によって、半田付け工程を中断して工程開始前の状態に戻すべき配線基板30(クリーム半田32)に対して、不要な加熱を回避することができる。その結果、停電時の対応として発電ユニット10又は20からの電力をより有効に活用可能となる。
以上、図5に示した実施形態によれば、外部(商用)電力の停電時には、装置内に存在する半田付け工程仕掛かり中の配線基板30を、クリーム半田32の状態に応じて適宜処理することができる。その結果、装置内に工程仕掛かり中の配線基板30が多数滞留して多数の不良品の発生する事態が回避される。具体的には、クリーム半田32に上述した不可逆的な変質がまだ生じていない配線基板30については、半田付け工程を中断して工程開始前の状態に戻すことができる。一方、クリーム半田32に上述した不可逆的な変質が生じているか更にはクリーム半田32が溶融している配線基板30については、停電下にもかかわらず半田付け工程を完了させることができる。従って、従来問題となってきた停電時における多数の不良品の発生が回避される。
このような作用効果はそもそも、自らの発電による電力を緊急時オペレーション電力として使用し、停電下にもかかわらず半田付け工程を実施することによって初めて奏功される。
(フロー半田付け装置)
図6は、本発明によるフロー半田付け装置の構成・作用を説明するための概略図である。
図6によれば、本発明によるフロー半田付け装置は、発電ユニット(10、20)と、半田付けユニット(41)とを備えている。発電ユニット(10、20)は、図1に示したものと同様の構成を有しており、供給された「燃料」から、
「電力」と、「排ガス」と、「熱」と
を生成し、これらを半田付けユニット(41)に供給する。
半田付けユニット(41)は、不活性ガス供給部(410)と、排ガス加熱部(411)と、ヒータ部(412)と、半田槽(417)とを備えている。排ガス加熱部(411)は、供給された「排ガス」を、供給された「熱」を用いて加熱する。不活性ガス供給部(410)は、「排ガス」の少なくとも一部を、不活性ガスとして配線基板(50)の周囲、特に半田面側、に供給する。ヒータ部(412)は、供給された「電力」を受け取って発熱し、不活性ガス供給部(410)から放出された「排ガス」を更に加熱する。また、半田槽(417)は、供給された「電力」を受け取って半田を溶融させた状態で維持し、この溶融半田(52)を蓄える。
被加熱対象物である配線基板(50)上には、半田付け対象物である電子部品(51)が、電子部品(51)のリード線を配線基板(50)のホールに挿入する形で、配置されている。ここで、配線基板(50)の半田面には、半田面のランド(パッド)に形成された自然酸化膜を除去するフラックスが塗布される。
このフラックスが塗布された配線基板(50)の半田面は、加熱された高温の「排ガス」によって形成された、不活性ガス雰囲気であって高温の環境(不活性ガス・高温環境)中に暴露される。この予備加熱によって、フラックスの活性剤成分を残留させつつ不要な溶剤成分を揮発させることができ、さらに配線基板(50)の半田面を十分に加熱して後の溶融半田(52)との接触の際の熱衝撃を緩和することが可能となる。
次いで、配線基板(50)の少なくとも一部(半田面)が、半田槽(417)内の溶融半田(52)に浸り、溶融した半田が配線基板(50)の半田面に付される。その後、配線基板(50)が半田槽(417)から離脱し、不活性ガス雰囲気内において、この付された半田が硬化する。これにより、配線基板(50)に対する電子部品(51)の半田付け工程が完了する。
このように、半田付けに必要な高温環境及び溶融した半田が、「燃料」を供給された発電部(100、200)からの「電力」によって実現する。また、発電部(100、200)から排出される「排ガス」も当初から相当に高温であり、さらに熱交換部(101、201)から出力される「熱」によって更に高温化している。従って、半田付け前の予備加熱として好ましい温度にまで「排ガス」を加熱するのに必要な「電力」量も、十分に抑制可能である。その結果、装置のランニングコストが低減可能となる。
また、「排ガス」は、いわゆる燃焼作用によって生成されたものであり、大部分が不活性成分である。この「排ガス」を、高価な窒素ガスの代わりに不活性ガスとして利用することによって、窒素ガス供給設備における準備・供給体制維持のための多大なコストが発生しない。その結果、装置のランニングコストが更に低減可能となる。さらに、半田が配線基板(50)に付されて更に硬化するまでの間、「排ガス」による不活性ガス雰囲気が提供されるので、酸化による半田の品質(特に濡れ性)低下が防止される。
以上、本発明によれば、半田付けに必要な高温環境及び良好な不活性ガス雰囲気を、装置のランニングコストを抑えつつ実現することができる。
尚、本フロー半田付け装置において、熱交換部(101、201)及び排ガス加熱部(411)を設けず、「熱」の供給を行わないことも可能である。この場合でも、上記効果が奏功される。しかしながら、熱交換部(101、201)における熱交換流体の温度等の条件にもよるが、熱交換部(101、201)及び排ガス加熱部(411)を用いて「熱」を有効利用することによって、装置のランニングコストがより低減可能となる。
また、排ガス加熱部(411)を不活性ガス供給部(410)の外部に配置し、不活性ガス供給部(410)から放出された「排ガス」を、この排ガス加熱部(411)で加熱することも可能である。また、ヒータ部(412)を、不活性ガス供給部(410)の内部に配置して、不活性ガス供給部(410)内の「排ガス」を、このヒータ部(412)で加熱することも可能である。
さらに、半田付けユニット(41)に対して、発電ユニット(10、20)からの電力だけでなく、外部(商用)電力を併せて供給し、給電に幅を持たせることも可能である。
図7は、本発明によるフロー半田付け装置の一実施形態を示す概略図である。
(半田付けユニット41)
図7(A)によれば、フロー半田付け装置4は、発電ユニット10と、半田付けユニット41とを備えている。このうち、発電ユニット10は、リフロー半田付け装置1(図2(A))の発電ユニットと同様の構成を有しており、以下、説明されない。尚、本フロー半田付け装置4において、発電ユニット10の代わりに発電ユニット20(図3(A)及び(B))を使用することも好ましい。
半田付けユニット41は、不活性ガス供給部410と、排ガス加熱部411と、ヒータ部412と、排気部413と、搬送部414と、温度センサ415と、半田槽417とを備えている。ここで、不活性ガス供給部410は、搬送部114(配線基板50)を間に挟んで、上下(又は左右)それぞれに設けられることも好ましい。これにより、半田付け工程中、より確実に不活性ガス雰囲気を配線基板50に提供することが可能となる。
不活性ガス供給部410は、排ガス供給管14を介して供給された排ガスを、搬送部414で搬送された(電子部品が配置された)配線基板50の周囲に供給する。排ガス加熱部411は、配線基板50の半田面側(図7(A)では下側)に設置された不活性ガス供給部410の内部に仕込まれており、不活性ガス供給部410内の高温の排ガスを加熱する。具体的には、熱交換流体によってもたらされた熱を、排ガス加熱部411の外表面に接触した排ガスに移送させ、排ガスを更に高温化させる。
ヒータ部412は、例えば電熱ヒータであり、発電ユニット10で生成された電力を含む電力によって発熱する。即ち、ヒータ部412の発熱のための電力を、発電ユニット10で生成された分で全て賄うことも好ましく、外部(商用)電力も併せて賄うことも可能である。ヒータ部412は、配線基板50の半田面側に設置された不活性ガス供給部410の放出口から放出された排ガスであってヒータ部412に接触しながら通過する排ガスを、フロー半田付け前の予備加熱として好ましい温度にまで加熱する。
この際、排ガスは既に排ガス加熱部411により加熱されて高温化している。従って、排ガスを加熱するために必要となるヒータ部412への電力は、さほど大きな量とならずに済む。従って、排ガスを必要温度にまで加熱するのに必要な電力量も、十分に抑制可能である。その結果、装置の(「燃料」代を含む)ランニングコストが大幅に低減される。また、半田付けユニット41の立ち上げに要する時間も、供給時の排ガス温度が十分に高くなっているので、大幅に短縮される。さらに、半田付けユニット41への初期投入電力も低減可能となる。
さらに、図7(A)に示すように、不活性ガス供給部410の放出口はそれぞれ、互いに仕切り板で仕切られた温度設定ゾーンの各々に向けて開口している。また、ヒータ部412は、各温度設定ゾーン内に設置されており、放出口から放出された排ガスを加熱して、各温度設定ゾーン内の排ガス温度を個別に上昇させる。その結果、ヒータ部412毎に供給する電力を制御し、ヒータ部412による排ガスの加熱を温度設定ゾーン毎に制御することによって、配線基板50の半田面が搬送部414に搬送されるにつれて経験する温度分布を、所望のプロファイルに制御することが可能となる。これにより、配線基板50に対して、半田面に塗布されたフラックスの活性剤成分を残留させつつ不要な溶剤成分を揮発させる適切な温度を経験させることが可能となり、さらに後の溶融半田52との接触の際に半田面の受ける熱衝撃を十分に緩和することができる。尚、ヒータ部412毎の供給電力制御は、温度センサ415による温度分布の測定結果を踏まえて行われる。
ここで、排ガスによる不活性ガス雰囲気を、配線基板50への半田の塗布前(予備加熱時)だけではなく、半田槽417を介した配線基板50への半田塗布後(半田塗布・硬化時)にも提供することができる。これにより、半田の品質、特に濡れ性、をより向上させることが可能となる。
尚、配線基板50の部品面側(図7(A)では上側)に設置された不活性ガス供給部410における放出口の先に、ヒータ部412は設置されないことが好ましい。これにより、配線基板50の部品面に、加熱された排ガスを直接及ぼさずに済むので、配置された電子部品51の温度上昇が抑制され、結果として、電子部品51の性能劣化・破壊を回避することができる。さらに、配線基板50の半田面側(図7(A)では下側)に設置された不活性ガス供給部410の放出口であって半田槽417の後工程側の位置にある放出口の先には、ヒータ部412を設置しなくともよい。この放出口から供給される排ガスは、配線基板50の半田面に及び、後述する半田槽417を介して配線基板50の半田面に塗布された半田を冷却して硬化させる。
搬送部414は、例えばベルトコンベアであり、電子部品が配置された配線基板50の半田面を、排ガスが形成する不活性ガス・高温環境(不活性ガス雰囲気且つ高温環境)内に搬入する。また、搬送部414は、配線基板50の少なくとも一部(半田面)が半田槽417内の溶融半田(溶融した半田)52に浸って溶融した半田が配線基板50の半田面に塗布されるように、配線基板50を搬送する。搬送部414は、さらに、配線基板50を、半田槽417から離脱させ、不活性ガス雰囲気を通しつつ半田を硬化させた後、同環境の外に搬出し、半田付け工程を完了させる。
排気部413は、リフロー半田付け装置1(図2(A))の排気部113と同様の構成・機能を有し、排ガス(不活性ガス)を外部に強制排気する。
図7(B)に示すように、半田槽417は、発電ユニット10(発電部100)から供給される電力を含む電力によって半田を溶融した状態に維持し、溶融半田52として蓄える。即ち、半田槽417の駆動のための電力を、発電ユニット10で生成された分で全て賄うことも好ましく、外部(商用)電力も併せて賄うことも可能である。半田槽417は、攪拌フィン418を備えており、攪拌フィン418を回転させて溶融半田52に噴流を起こし、溶融半田52の液面に波を立てる。
この際、配線基板50の少なくとも一部(半田面)が、この溶融半田52の波を受けて溶融半田52に浸り、溶融した半田が配線基板50の半田面に塗布される。変更態様として、半田槽417を静止DIP槽とし、攪拌フィン418を設けずに溶融半田52を静止状態にしたまま、配線基板50を浸すことも可能である。
ここで、半田槽417の溶融半田52の液面も、排ガス(不活性ガス)雰囲気で覆われていることが好ましい。これにより、高温状態にある溶融半田52の液面の酸化が防止され、良好な品質の半田を配線基板50に塗布することが可能となる。
以上に述べたように、本実施形態においては、高価な窒素ガスの代わりに、発電部100からの排ガス、又は当該排ガスを適宜処理したガスを、不活性ガスとして利用する。従って、窒素ガス供給設備における準備・供給体制維持のための多大なコストが発生しない。その結果、装置のランニングコストを抑制しつつ、半田付けに必要となる良好な不活性ガス雰囲気を提供することができる。
尚、本フロー半田付け装置において、熱交換部101、熱交換配管15、及び排ガス加熱部411を設けずに、発電部100で発生した熱による排ガスの加熱を行わないことも可能である。この場合、配線基板50の半田面に供給される排ガスは、ヒータ部412によって必要温度にまで加熱される。
(フロー半田付け方法)
図8は、本発明によるフロー半田付け方法の一実施形態を概略的に示すフローチャートである。
(S21)配線基板50のホールに、リードタイプの電子部品51のリード線を挿入して電子部品51を配置する。この挿入工程は、例えばアキシャル挿入機又はラジアル挿入機を用いて行う。ここで、電子部品51が配置された配線基板50の半田面に、フラックスを塗布することが好ましい。
(S22)「燃料」を用いて「電力」を生成し、「排ガス」を排出する。この「電力」の生成及び「排ガス」の排出は、発電部100又は200を用いることによって実施される。
(S23)「電力」生成の際に発生する「熱(反応熱)」を用いて、「排ガス」を加熱する。この「排ガス」の加熱は、熱交換部101又は201と、排ガス加熱部411とを用いることによって実施される。尚、本ステップS23は、実施されることによって「熱」を有効利用し装置のランニングコストをより低減可能とするが、省略されることも可能である。
(S24)「燃料」を用いて生成された「電力」を含む電力を用いて熱を発生させ、半田槽417の半田を溶融させてその溶融状態を維持し、加熱された「排ガス」を更に加熱する。この発熱及び溶融・加熱は、半田槽417及びヒータ部112を用いることによって実施される。
(S25)電子部品51が配置された配線基板50の半田面の周囲に、加熱された「排ガス」を供給する。この供給は、搬送部414を用いて、配線基板50の半田面を、「排ガス」が形成する不活性ガス・高温環境(不活性ガス雰囲気且つ高温環境)内に投入することによって実現される。また、配線基板50の通過位置(周囲)に向けての「排ガス」の放出は、不活性ガス供給部410を用いることによって実施される。
(S26)供給された排ガスによって、配線基板50の半田面を加熱する。これにより、フロー半田付け直前における配線基板50の予備加熱が実施される。
(S27)配線基板50の少なくとも半田面を、溶融した半田に浸す。これは、搬送部414を用いて配線基板50を半田槽417の位置に搬送し、半田槽417を駆動させることによって実現する。これにより、半田が配線基板50に塗布される。
(S28)排ガスによる不活性ガス雰囲気内で、配線基板50に塗布された半田を硬化させて、配線基板50への電子部品51の半田付けを完了する。この半田の硬化は、搬送部414を用いて配線基板50を半田槽417から離脱させることによって実現する。
以上、本発明によれば、半田付けに必要な不活性ガス・高温環境が、燃料を供給された発電部からの電力及び排ガスによって実現する。さらに、発電部で生成される熱を併せて更なる高温環境を提供することも可能である。その結果、良好な半田品質を実現しつつ装置のランニングコストがより低減可能となる。また、発電による電力を使用して半田付け工程を実施することができるので、外部(商用)電力の停電時に多数の不良品が発生する事態を回避することができる。
なお、以上に述べた実施形態は全て、本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は、他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
1、2 リフロー半田付け装置(半田付け装置)
10、20 発電ユニット
100 発電部
100a 内燃機関
100b 発電機
101、201 熱交換部
11、41 半田付けユニット
110、410 不活性ガス供給部
111、411 排ガス加熱部
112、412 ヒータ部
113、413 排気部
114、414 搬送部
115、415 温度センサ
116 電源・制御部
12、120、121、22 送風機
13 水蒸気除去部
14、24 排ガス供給管
15、25 熱交換配管
16 フィルタ
200 燃料電池部(発電部)
200a 水素生成改質部
200b CO変性除去部
200c 電池反応部
200d 脱酸素部
200e インバータ
30、50 配線基板(被加熱対象物)
31、51 電子部品(半田付け対象物)
32 クリーム半田(半田含有物)
52 溶融半田(半田)
4 フロー半田付け装置
417 半田槽
418 攪拌フィン

Claims (10)

  1. 被加熱対象物に半田付け対象物を半田付けする半田付け装置であって、
    供給された燃料を用いて電力を生成し、排ガスを排出する発電部と、
    当該排ガスの少なくとも一部を、不活性ガスとして、当該被加熱対象物の周囲に供給する不活性ガス供給部と、
    前記発電部から供給される電力を含む電力によって発熱して、当該排ガスを当該被加熱対象物の周囲に供給する前に加熱し、少なくとも、当該加熱対象物の周囲に供給された当該排ガスを介して当該被加熱対象物を加熱するヒータ部と
    を備えていることを特徴とする半田付け装置。
  2. 前記発電部は、供給された燃料を燃焼させて動力を生成し、排ガスを排出する内燃機関と、当該動力を用いて電力を生成する発電機とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の半田付け装置。
  3. 前記内燃機関より排出される当該排ガスから水蒸気分又は水分を除去し又は低減させる水蒸気除去部を更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の半田付け装置。
  4. 前記内燃機関より排出される当該排ガスから二酸化炭素ガス分を除去し又は低減させる炭酸ガス除去部を更に備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の半田付け装置。
  5. 当該被加熱対象物を搬送する搬送部と、
    前記搬送部による当該被加熱対象物の搬送範囲内における当該排ガスによる加熱領域の前後に設置された、前記不活性ガス供給部から放出された当該排ガスを排気するための排気部と
    を更に備えていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半田付け装置。
  6. 前記ヒータ部は、半田含有物が付され且つ当該半田付け対象物が配置された当該被加熱対象物を少なくとも当該排ガスを介して加熱することによって、当該半田含有物を溶融させることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半田付け装置。
  7. 前記ヒータ部に、前記発電部からの電力以外に外部電力が供給されており、
    当該被加熱対象物を搬送する搬送部と、
    外部電力の停電時に、付された半田含有物を溶融させない所定温度以下の温度にある当該被加熱対象物を、前記発電部からの電力を用いて前記搬送部を駆動させることにより、当該排ガスによる加熱領域の外に退避させる制御部と
    を更に有しており、
    前記制御部は、前記所定温度を超える温度にある当該被加熱対象物に対して、前記発電部からの電力を用いて前記ヒータ部及び前記搬送部を駆動させることにより、半田付け工程を完了させる
    ことを特徴とする請求項に記載の半田付け装置。
  8. 当該被加熱対象物を搬送する搬送部と、
    前記発電部から供給される電力を含む電力によって半田を溶融した状態に維持する半田槽と
    を備えており、
    前記搬送部は、当該被加熱対象物の少なくとも一部が前記半田槽内の溶融した半田に浸って当該溶融した半田が当該被加熱対象物に付されるように、当該被加熱対象物を搬送する
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半田付け装置。
  9. 前記発電部による電力生成の際に発生する熱を用いて、当該被加熱対象物の周囲に供給される当該排ガスを加熱する排ガス加熱部を更に備えていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半田付け装置。
  10. 被加熱対象物上に半田付け対象物を配置し、
    燃料を用いて電力を生成するとともに、排ガスを排出し、
    燃料を用いて生成された当該電力を含む電力により熱を発生させて、排出された当該排ガスの少なくとも一部を、当該被加熱対象物の周囲に供給する前に加熱し、
    当該半田付け対象物が配置された当該被加熱対象物の周囲に、加熱された当該排ガスを不活性ガスとして供給し、
    供給された当該排ガスによって当該被加熱対象物を加熱する
    ことを特徴とする半田付け方法。
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