JPH06320260A - 蒸気相はんだ付け方法及び装置 - Google Patents

蒸気相はんだ付け方法及び装置

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JPH06320260A
JPH06320260A JP11295893A JP11295893A JPH06320260A JP H06320260 A JPH06320260 A JP H06320260A JP 11295893 A JP11295893 A JP 11295893A JP 11295893 A JP11295893 A JP 11295893A JP H06320260 A JPH06320260 A JP H06320260A
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JP
Japan
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vapor
region
inert liquid
unsaturated
vapor region
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JP11295893A
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English (en)
Inventor
Seiichiro Oba
誠一郎 大庭
Nobuhide Abe
宣英 阿部
Shinsaku Kuranari
慎作 鞍成
Fumihiro Yamashita
文弘 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamura Corp
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tamura Corp
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸気相はんだ付けに際し、はんだに配合され
るフラックスの使用量を著しく低減しながら、はんだ付
けを確実に行なうことを可能とした蒸気相はんだ付け方
法および装置を提供する。 【構成】 被処理体Aに塗布されたはんだペーストの融
点以上の温度を有する不活性液体の飽和蒸気域2を形成
した蒸気加熱室1に隣接して酸素濃度10容量%以下の
不飽和蒸気域を形成する。且つ該不飽和蒸気域中に加熱
手段を設けた予熱室13を配する。上記被処理体Aを該予
熱室13の不飽和蒸気域6中で加熱することにより予熱し
た後、蒸気加熱室1の飽和蒸気域2に導入して蒸気相は
んだ付けを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不活性液体の飽和蒸気
相中でリフローはんだ付けを行なうための新規な蒸気相
はんだ付け方法及び装置に関する。
【0002】詳しくは、気相はんだ付けに際し、はんだ
に配合されるフラックスの使用量を著しく低減しなが
ら、はんだ付けを確実に行なうことを可能とした蒸気相
はんだ付け方法及び装置である。
【0003】
【従来の技術】パーフルオロトリアルキルアミンやパー
フルオロポリエーテル等の不活性液体を使用した蒸気相
はんだ付けは、一般に、プリント配線板に設けられた導
電性材料よりなる端子上にはんだペーストを印刷し、こ
れに電子部品を搭載した被処理体を、図2に示されるよ
うに蒸気加熱室1に形成された該不活性液体の飽和蒸気
域2に導入することにより、はんだペーストをリフロー
し、該部品をはんだ付けする方法である。
【0004】すなわち、上記蒸気相はんだ付けは、被処
理体Aを不活性液体の飽和蒸気域2を有する蒸気加熱室
1の内部に導入し、該飽和蒸気域2中ではんだがリフロ
ーして電子部品のはんだ付けが行なわれる。
【0005】ところが、被処理体Aを常温より直接蒸気
加熱室1に導入し、飽和蒸気域2ではんだ付けを行なう
場合、被処理体Aの表面温度が低いため、はんだが均一
に溶融せず、溶融はんだの表面張力により、電子部品が
一端を支点として他端がプリント配線板上から離れて電
気的接続がとれなくなる、いわゆるチップ浮き、チップ
立ち等の不良が発生する。
【0006】そのため、従来の方法にあっては、図2に
示すように、はんだ付けされる被処理体Aの搬入口3と
搬出口4とを備え、内部に不活性液体の飽和蒸気域2を
形成する蒸気加熱室1を有するケーシングの外部に、ヒ
ーターを内蔵した予熱室21を設けて構成された蒸気相は
んだ付け装置を用い、被処理体Aを予め予熱室21のヒー
ターで加熱することにより、かかる現象を防止する方法
が採られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法においては、被処理体が空気中で加熱されるため、プ
リント配線板の端子を構成する銅等の金属やはんだなど
の導電部材表面で酸化皮膜の生成が著しくなり、はんだ
付けにおいて、はんだ濡れ不良やはんだボールの発生が
起こり易いという問題を有する。そのため、該酸化皮膜
を除去するために、はんだに対して通常6重量%以上、
場合によっては10重量%程度のフラックスを必要と
し、はんだ付け後において該フラックス残渣の除去処理
に多大の労力を要していた。また、予熱により高められ
た被処理体の温度が、蒸気加熱室に導入される以前に低
下してしまうという問題をも有していた。
【0008】この問題の対策として、飽和蒸気域を搬送
手段の下部に拡張し、該蒸気域の輻射熱によって被処理
体を予熱する方法が提案されている。しかしながら、上
記予熱能力は小さく、チップ部品を所望の温度に短時間
で昇温させることは困難であり、工業的に不利である。
【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、はんだ付けされる被処理体の予熱を行なう蒸気相
はんだ付けにおいて、使用するフラックスの使用量を低
減できるとともに、はんだ付けを確実に行なえる蒸気相
はんだ付け方法及び装置を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく開発を行なった結果、被処理体の予熱を、
前記不活性液体の飽和蒸気域に隣接して形成した特定の
不飽和蒸気域内で行なうことにより、被処理体の導電部
材の酸化被膜の形成が低減され、該酸化皮膜の除去のた
めに使用するフラックスの量を著しく減少し得るととも
に、被処理体の昇温がスムースに行なわれることも起因
して、十分な精度ではんだ付けを行なうことができるこ
とを見い出し、本発明を提案するに至った。
【0011】請求項1に記載された発明は、はんだの融
点以上の温度を有する不活性液体の飽和蒸気域に、はん
だ付けされる被処理体を導入して蒸気相はんだ付けを行
なうに際し、上記飽和蒸気域に隣接して不活性液体より
なる酸素濃度10容量%以下の不飽和蒸気域を形成し、
該不飽和蒸気域中で上記被処理体を加熱することにより
予熱した後、飽和蒸気域に導入してはんだのリフローを
行なう構成の蒸気相はんだ付け方法である。
【0012】本発明において、不活性有機液体は、その
飽和蒸気温度がはんだ付けされる被処理体に使用される
はんだの融点より高いものであれば、公知のものが特に
制限なく使用される。例えば、水素原子の全てをフッ素
原子に置換した液状のパーフルオロ有機化合物が代表的
である。かかるパーフルオロ有機化合物としては、パー
フルオロトリアルキルアミン、パーフルオロポリエーテ
ル等が挙げられる。
【0013】上記不活性有機液体は、分子量によって飽
和蒸気の温度が変化するので、使用するはんだのリフロ
ーに適当な飽和蒸気温度となる分子量のものを選択して
使用すれば良い。
【0014】また、本発明において被処理体は、公知の
蒸気相はんだ付けに供されるものが全て対象とされる。
例えば、プリント配線板の導電性材料よりなる端子上に
はんだペーストを印刷等の手段により付着せしめ、これ
に電子部品等のはんだ付けされるべき部品を搭載したも
のが挙げられる。
【0015】上記したはんだは、公知の組成のものが特
に制限なく使用される。例えば、鉛37%、錫63%の
組成を持ち、融点が183℃の共晶はんだを使用するの
が最も一般的である。
【0016】また、上記はんだには、一般にフラックス
が添加される。上記フラックスは、公知のものが特に制
限なく使用される。例えば、ロジン、有機酸、アミンの
塩酸塩等を有効成分とするものが挙げられる。このフラ
ックスのはんだに対する割合は、特に制限されないが、
本発明にあっては、後で詳しく説明するように、予熱に
おける被処理体の導電性部材表面での酸化皮膜の形成が
極めて少ないため、通常6重量%以下、好ましくは、2
〜4重量%の添加量で充分である。
【0017】本発明において、不活性液体の飽和蒸気域
の形成は、公知の方法が特に制限なく採用される。例え
ば、不活性液体を沸点に加熱して該不活性液体上に飽和
蒸気域を形成する態様、不活性液体を加熱して発生した
飽和蒸気を送り込んで飽和蒸気域を形成する態様等が一
般的である。一般に不活性液体の蒸気は、密度が高いた
め槽底部に安定な飽和蒸気域を形成することができる。
【0018】不活性液体の飽和蒸気域は、該不活性液体
の沸点と実質的に同じ温度に保持される。
【0019】本発明の最大の特徴は、上記不活性液体の
飽和蒸気域に隣接して酸素濃度10容量%以下、好まし
くは5容量%以下の不飽和蒸気域を形成し、被処理体を
該不飽和蒸気域中で予熱することにある。すなわち、か
かる構成により、空気中で被処理体の予熱が行なわれた
り、或いは被処理体が高温に加熱された状態で空気と接
触する従来の方法と比較して、被処理体の導電性部材表
面に形成される酸化皮膜の量を著しく減少することが可
能である。従って、該酸化皮膜の除去のためにはんだに
添加するフラックスの量を低減することが可能である。
【0020】また、一般に、蒸気相はんだ付け装置に
は、大気への蒸気の揮散を防止するためにその開口部に
冷却域が設けられるが、本発明の方法によれば、かかる
冷却域による温度低下を受けることなく、効率よく被処
理体の予熱を行なうことができる。
【0021】本発明において、酸素濃度10容量%以下
の不飽和蒸気域を不活性液体の飽和蒸気域に隣接して形
成する手段は特に制限されない。代表的な態様を例示す
れば、(イ)前記不活性液体の飽和蒸気域からの蒸気の
供給により、その周辺に酸素濃度が10容量%以下の不
活性液体の蒸気を含む雰囲気を形成する態様、(ロ)酸
素濃度が10容量%以下の不活性液体の蒸気を別途調整
して飽和蒸気域近傍に供給して不飽和蒸気域を形成する
態様が挙げられる。
【0022】この不活性液体の蒸気により不飽和蒸気域
を形成する態様において、不活性液体が液状のパーフル
オロ有機化合物であり、これが予熱のために該有機液体
の沸点以上の高温度に加熱されたヒーター等の加熱源と
接触する際、該パーフルオロ有機液体中に含まれる微量
の不純物によってフッ化水素等の有害ガスを発生し、装
置の腐食、作業環境の汚染を招く場合がある。かかる現
象を防止するため、このような不活性液体を使用する場
合、予めパーフルオロ有機液体中の不純物を除去してお
くことが好ましい。かかる不純物の除去手段は限定され
ないが、特にパーフルオロ化合物を熱処理する方法が、
簡便に、且つ確実に有害ガスの発生を防止することがで
き好ましい。熱処理条件は、不活性液体の蒸気が接触す
る加熱源の温度、不活性有機液体の種類等によって適宜
選択すれば良い。一般には、下記(1) 式で示される加熱
温度Tで熱処理することが好ましい。
【0023】14N+30≦T≦420 (1) (但し、Nはパーフルオロ有機化合物の炭素数であ
る。) 上記温度範囲の内、特に加熱源の温度以上で熱処理する
ことが望ましい。また、熱処理時間は熱処理温度によっ
て異なり一概に限定することはできないが、一般に、5
〜70時間が適当である。
【0024】また、不活性液体の飽和蒸気域からの蒸気
によって不飽和蒸気域を形成する態様において、使用さ
れる不活性液体の飽和蒸気温度は、一般に200℃以上
と高いため、該不活性液体の飽和蒸気域から供給される
蒸気密度を広範囲にわたって高濃度に維持することが困
難である。従って、かかる態様にあっては、不飽和蒸気
域を形成しようとする部分まで不活性液体の蒸気を導
き、その近傍に所定の酸素濃度を有する不活性液体の蒸
気域よりなる不飽和蒸気域を形成する方法を採用するこ
とが、安定して該不飽和蒸気域を形成することができ好
ましい。
【0025】更に、不活性液体の蒸気によって不飽和蒸
気域を形成する態様において、その蒸気密度の上限は、
その蒸気温度と前記加熱条件との組み合わせにより、被
処理体のはんだが溶融しない範囲内であればよく、かか
る範囲内で高いほど好ましい。
【0026】本発明において、前記した酸素濃度10容
量%以下の不飽和蒸気域中で被処理体を加熱する方法は
特に制限されない。一般には、ヒーターからの輻射熱に
より加熱する方法が好適である。
【0027】上記不飽和蒸気域での加熱とは、導電性部
材の酸化が進行し易い温度での加熱をいい、かかる温度
は、一般に、被処理体の表面温度が120℃以上となる
温度である。従って、本発明にあって、被処理体の温度
がかかる温度を超える加熱を前記特定の不飽和蒸気域中
で行なえばよく、該温度より低い場合は、特に不飽和蒸
気域中で行なう必要はない。
【0028】また、上記不飽和蒸気域中での加熱は、不
活性液体の飽和蒸気域中で精度よくはんだ付けを行なう
ために、被処理体とはんだの融点との温度差が30℃以
内、好ましくは、5℃以内となるように行なうことが好
ましい。また、加熱は、所期の温度まで徐々に上昇させ
ることが好ましい。
【0029】上記予熱された被処理体は、不活性液体の
飽和蒸気域に導入されて蒸気相はんだ付けが行なわれ
る。
【0030】本発明において、上記蒸気相はんだ付け方
法に使用される装置は特に制限されるものではないが、
好適に使用される装置として請求項2に記載される発明
が挙げられる。
【0031】すなわち、請求項2に記載された発明は、
はんだ付けされる被処理体の搬入口と搬出口とを備えた
ケーシング内に、不活性液体の飽和蒸気域を形成する蒸
気加熱室と、該不活性液体よりなる酸素濃度が10容量
%以下の不飽和蒸気域を形成し該不飽和蒸気域内に該被
処理体を加熱するためのヒーターを設けてなる予熱室と
をそれぞれ有し、上記予熱室を蒸気加熱室と搬入口との
間に、該蒸気加熱室と連接して設けた構成の蒸気相はん
だ付け装置である。
【0032】
【作用】請求項1に記載された発明は、飽和蒸気域に隣
接して酸素濃度10容量%以下の不飽和蒸気域を形成
し、被処理体を該不飽和蒸気域中で予熱することによ
り、被処理体の導電性部材表面に形成される酸化皮膜の
量を著しく減少できる。
【0033】請求項2に記載された発明は、搬入口から
予熱室を経て蒸気加熱室へ搬送される被処理体に対し、
予熱室にて酸素濃度が10容量%以下の不飽和蒸気域中
でヒーターにより予熱を与え、被処理体の昇温を図る。
【0034】
【実施例】以下、上記本発明に好適に使用される装置を
図1に従って具体的に説明する。図1は、本発明の方法
に使用される装置の代表的な態様を示す概略図である
が、本発明は、この図1のものに限定されるものではな
い。
【0035】本発明の装置は、はんだ付けされる被処理
体の搬入口3と搬出口4とを備えたケーシング内に、不
活性液体の飽和蒸気域2を形成する蒸気加熱室1を有す
る。かかる蒸気加熱室1において、飽和蒸気域2を形成
するための構造は特に限定されず、公知の構造が特に制
限なく採用される。例えば、下部に蒸発用ヒーター9を
設けた蒸発槽8中に不活性液体を入れ、該蒸発用ヒータ
ー9を不活性液体の沸点以上に加熱するようにした構造
が一般的である。
【0036】また、被処理体の搬入口3と搬出口4と
は、ケーシング内の蒸気加熱室1からの蒸気の漏れを可
及的に防止するために、蒸発槽8と離れた場所に位置
し、また、被処理体Aが通過し得る程度の狭い開口面積
とすることが望ましい。更に、該搬入口3と搬出口4に
は、不活性液体の蒸気を凝縮するための冷却器5が一般
に設けられる。
【0037】上記本発明の装置において、予熱室13に
は、不活性液体よりなる酸素濃度10容量%以下の不飽
和蒸気域6が形成され得る構造であれば特に制限されな
い。例えば、前記した不飽和蒸気域6を形成する態様の
うち、(イ)で説明したように、不活性液体の飽和蒸気
域2からの蒸気の供給により不飽和蒸気域6を形成する
態様の場合、図1に示すように、蒸気加熱室1に形成さ
れる不活性液体の飽和蒸気域2に対して、被処理体Aが
通過可能な通路の開口された堰11を設け、予熱室13の底
面に該飽和蒸気の拡張部を形成することにより、その上
側に前記低酸素濃度の不飽和蒸気域6を形成するとよ
い。
【0038】なお、堰11を設けることによって生成され
る不活性液体の飽和蒸気の拡張部は、堰の高さ、予熱室
13の底面の勾配、予熱室13の温度などによって調節する
ことができる。
【0039】また、かかる不活性液体の蒸気を含む雰囲
気は、予め不活性液体の蒸気の望ましい濃度がどの程度
まで及ぶかを実験により確認して決定することが望まし
い。
【0040】また、上記予熱室13は、蒸気加熱室1と被
処理体の搬入口3との間であって、上記加熱室1に隣接
して設けられる。
【0041】本発明の装置において、ヒーター7の設置
は、予熱室13に形成される不飽和蒸気域6内であればそ
の設置態様は特に制限されない。例えば、図1に示すよ
うに被処理体Aの搬送手段10の片側に複数のヒーター7
を並列して設けてもよい。また、他の態様として、該搬
送路を挟んで両側にヒーターを設ける態様等が挙げられ
る。これらの態様より好適な態様を、ヒーターの形状、
能力等に応じて適宜選択すれば良い。
【0042】本発明における上記装置において、他の構
成、公知の構造が特に制限なく採用される。例えば、搬
入口3側の冷却器5の内側には、搬入時に被処理体Aが
冷却されるのを防止するため、或いは酸化の問題が生じ
ない程度の軽度の加熱を行なうため、保温板(図示せ
ず)を設けることが好ましい。また、予熱室13の不飽和
蒸気域6外においても、ヒーターを設け、被処理体の表
面が酸化されない範囲内において被処理体を加熱するこ
とは、予熱室の長さを短くすることができ好ましい。
【0043】更に、特定の処理を行なって安定化した不
活性液体を使用する場合は、予熱のための加熱源によっ
て該不活性液体の不純物が分解することによる有害ガス
の発生を防止でき、本発明を好適に実施することができ
る。
【0044】(実施例1)図1の装置を使用して蒸気相
はんだ付けを行なった。
【0045】不活性液体の飽和蒸気域2は、蒸発槽8に
不活性液体として沸点215〜218℃のパーフルオロ
トリペンチルアミンを265℃で20時間熱処理したも
のを入れ、蒸発用ヒーター9により加熱して形成したも
ので、その温度は218℃であった。また、蒸気加熱室
1の搬入口3と搬出口4に設けた冷却器5は、20℃に
調節した。更に、上記蒸気加熱室1と搬入口3との間に
設けた予熱室13には、堰11によって飽和蒸気の拡張部を
形成するとともに、ヒーター7を設けることにより、被
処理体Aの搬送手段10上に下記のように不飽和蒸気域6
を形成した。
【0046】すなわち、上記ヒーター7は、3つを直列
に設け、搬入口3側から、順番に(1) 200℃、(2) 2
30℃、(3) 250℃の温度に設定した。その結果、
(2) 及び(3) のヒーターが存在する部分では、搬送手段
近傍にそれぞれ(2) 3容量%、(3)0.5容量%の酸素濃度
を有する不飽和蒸気域が形成された。
【0047】一方、搬送手段10としては、クリップ付き
のチェーンコンベアを使用し、プリント配線板の銅箔端
子に低残渣はんだペースト(商品名:OZ63ー703
C(千住金属工業株式会社製)(フラックス固形分3
%))を印刷し、これにチップ部品(サイズ:321
6、1608、1005の抵抗体及びタンタルコンデン
サーを各々10ケ、20ケ、40ケの計140ケ)を搭
載したものを被処理体Aとして搬送した。予熱室13にお
いて、かかる被処理体は、ヒーター7によって、(1) 8
0℃、(2) 140℃、(3) 170℃に加熱されるように
搬送速度を調節しながら通過させた。続いて、この不飽
和蒸気域6を形成した予熱室13を通過した被処理体を、
これに連接する蒸気加熱室1に形成された飽和蒸気域2
に導入して、リフローはんだ付けを行なった。
【0048】このようにしてはんだ付けされたプリント
配線板を観察した結果、低残渣はんだペーストを使用し
たにも係わらず、はんだボールの発生は殆どなく、ま
た、チップ立ちや、チップ浮き等の不良発生も皆無であ
った。さらに、チップ部品の電極の濡れ不足及び端子の
濡れ不良も皆無であった。
【0049】また、予熱のためのヒーター7の近辺の気
体をサンプリングして分析した結果、HF等の有害ガス
は全く検出されなかった。
【0050】(比較例1)実施例1において、予熱室13
の内部に設けた予熱用のヒーター7に代えて、図2の従
来例のように搬入口3の外部にヒーター内蔵の予熱室21
を設け、被処理体を165℃に予熱した以外は同様にし
てリフローはんだ付けを行なった。
【0051】上記プリント配線板の表面温度は、飽和蒸
気域に搬入する直前において、152〜155℃であっ
た。
【0052】その結果、チップ部品の端子回りには、は
んだペースト中のはんだ粒子が相互溶着せずに残ったと
思われる微細なはんだボールが多数分散していた。
【0053】また、処理した総数4200ケのチップ部
品の内、チップ立ち不良77ケ(1.8 %)、チップ浮き
不良109ケ(2.6 %)発生した。
【0054】(比較例2)実施例1において、蒸気発生
槽における不活性液体の蒸気発生量を減少し、搬入口3
側から2番目及び3番目のヒーター7が存在する部分の
搬送手段近傍に、それぞれ20容量%、12容量%の酸
素濃度を有する不飽和蒸気域を形成した以外は同様にし
てはんだ付けを行なった。
【0055】その結果、チップ回りの微細なはんだボー
ルの発生は、比較例1より多く、更にチップ部品の電極
の濡れ不足及び端子の濡れ不良が処理した総数4200
ケのチップ部品中153ケ(3.6 %)発生した。
【0056】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、請求
項1に記載された発明によれば、蒸気相はんだ付けにお
いて、被処理体のはんだのリフローを行なう飽和蒸気域
に隣接して不活性液体よりなる酸素濃度10容量%以下
の不飽和蒸気域を形成し、該不飽和蒸気域中で被処理体
の予熱を行なうことにより、該被処理体の導電性部材を
著しく酸化させることなくはんだ付けを行なうことが可
能であり、かかるはんだに使用されるフラックスの使用
量を著しく低減し得る。特に、不活性液体の飽和蒸気の
分圧を利用する場合、不飽和蒸気域の形成が容易であり
好ましい。したがって、はんだ付けの後工程において、
場合によってはフラックスの洗浄を殆ど必要としない程
度まで洗浄工程の軽減化を図ることができ、はんだ付け
工程を簡略化することができる。また、上記フラックス
の使用量を低減させた場合でも、はんだ強度を犠牲にす
ることもなく、はんだ付けを確実に行なうことができ
る。
【0057】また、本発明は不活性液体の不飽和蒸気域
を使用することにより、不活性ガスの導入が必要ないた
め、不活性液体の回収のための処理ガス量が低減され
ること、不活性ガス導入のための設備が不要なこと等
のメリットがある。
【0058】請求項2に記載された発明によれば、請求
項1の蒸気相はんだ付け方法を実施する際に好適な蒸気
相はんだ付け装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸気相はんだ付け装置の一実施例を示
す概略図である。
【図2】従来の蒸気相はんだ付け装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1 蒸気加熱室 2 飽和蒸気域 3 搬入口 4 搬出口 6 不飽和蒸気域 7 ヒーター 13 予熱室 A 被処理体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鞍成 慎作 埼玉県狭山市上広瀬東久保591番地の11 株式会社タムラ製作所狭山工場内 (72)発明者 山下 文弘 埼玉県狭山市上広瀬東久保591番地の11 株式会社タムラ製作所狭山工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 はんだの融点以上の温度を有する不活性
    液体の飽和蒸気域に、はんだ付けされる被処理体を導入
    して蒸気相はんだ付けを行なうに際し、上記飽和蒸気域
    に隣接して不活性液体よりなる酸素濃度10容量%以下
    の不飽和蒸気域を形成し、該不飽和蒸気域中で上記被処
    理体を加熱することにより予熱した後、飽和蒸気域に導
    入してはんだのリフローを行なうことを特徴とする蒸気
    相はんだ付け方法。
  2. 【請求項2】 はんだ付けされる被処理体の搬入口と搬
    出口とを備えたケーシング内に、不活性液体の飽和蒸気
    域を形成する蒸気加熱室と、該不活性液体よりなる酸素
    濃度が10容量%以下の不飽和蒸気域を形成し該不飽和
    蒸気域内に該被処理体を加熱するためのヒーターを設け
    てなる予熱室とをそれぞれ有し、上記予熱室を蒸気加熱
    室と搬入口との間に、該蒸気加熱室と連接して設けたこ
    とを特徴とする蒸気相はんだ付け装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6971571B2 (en) 2000-12-21 2005-12-06 Fujitsu Limited Reflow soldering apparatus and reflow soldering method
JP2007109859A (ja) * 2005-10-13 2007-04-26 Nec Electronics Corp 電子部品の製造方法
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