JP6068936B2 - 亜鉛の電解採取に用いる亜鉛電解前液、亜鉛電解液の処理方法、および亜鉛の電解採取方法 - Google Patents

亜鉛の電解採取に用いる亜鉛電解前液、亜鉛電解液の処理方法、および亜鉛の電解採取方法 Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛(Zn)の電解採取方法に関し、亜鉛の電解採取で用いる電解前液、電解液の処理方法、並びに、当該電解前液、電解液を用いた亜鉛の電解採取方法に関する。
亜鉛製錬の業界では、硫酸を母液とした電解液を用い、電解採取により純度99.99%以上の金属亜鉛を生産する亜鉛の生産方法が公知である。当該電解液には、亜鉛の他、鉱石由来等による亜鉛以外の他の金属も溶解されている。当該他の金属としては、マンガン、コバルト、鉄、マグネシウム、ニッケル、ゲルマニウム、カドミウム等がある。当該電解液中に溶解している他の金属は、亜鉛の電解採取される亜鉛の純度の低下や、電解採取の生産性を低下させる原因となることがある、こうした事態を回避するため、電解液中における当該他の金属の濃度は所定濃度に管理される。
当該他の金属の中でもマンガン(Mn)は、電解液中の濃度が過剰であっても、過少であっても、亜鉛の電解採取の生産性を低下させるため、電解液中の濃度を一定の範囲に保つように管理される金属種である。
ここで、マンガンは前述のように鉱石由来の元素であり、製錬工程で電解液中に溶解されるものである。一方、亜鉛の製錬工程においては、電解採取工程で使用した後の液を、複数回繰り返して再使用する。このため、電解液中に溶解されるマンガンをいずれかの操作にて除去しない限り、電解液中のマンガン濃度は上昇する一方の事態となり、電解採取の操業に大きく支障をきたすこととなる。
本出願人は特許文献1として、電解液におけるマンガン濃度の調整方法を開示している。具体的には、亜鉛の電解採取の際に発生するマンガンの沈殿物を、サイクロン等の装置を用いて除去することにより、電解液中のマンガン濃度を調整するものである。
特開2001−329391号公報
本発明において、亜鉛製錬において亜鉛鉱石を硫酸により浸出して得られた、亜鉛、マンガン等の他の金属を溶解した浸出液から、所定の操作により亜鉛以外の金属の大概を分離し、さらに当該浸出液が電解採取に対応できるよう、阻害金属等を除外して浄化された亜鉛の電解採取用の電解液のことを「電解前液」と記載する。また、本発明において、前記「電解前液」が、電解採取工程および電解採取工程以降に至った段階では、「電解液」と記載する。
上述した特許文献1に係る方法を用いて、電解液中のマンガン濃度を調整することにより、亜鉛の電解採取の生産性の効率を高く保つことができる。
しかしながら本発明者らの検討によると、特許文献1に係る方法は、亜鉛の電解採取操作と併行して、電解液からマンガンを除去する方法である。このため、電解採取を行なっていない期間である電解採取に使用される以前の段階にある電解前液へは、特許文献1に係る方法を適用することができず、これらの電解前液のマンガン濃度の調整ができないという課題を知見した。さらに、特許文献1に係る方法は、電解採取と併行して実施される操作であることから、陽極における二酸化マンガンの生成・沈殿のためにエネルギーが消費され、生産コストのアップという課題も知見した。
また、電解前液や電解液中のマンガン濃度を調整する際には、亜鉛の電解採取に影響を与えない為、電解前液や電解液中の亜鉛濃度に影響がないことも望まれる。
本発明は、上述の状況の下で成されたものであり、その解決しようとする課題は、亜鉛の電解採取装置などの大型の装置を必要とせず、電解前液や電解液中からマンガンを除去することができ、且つ、当該電解前液や電解液中の亜鉛濃度へ影響を与えない、亜鉛電解液の処理方法を提供することである。
上述の課題を解決する為、本発明者らは研究を行なった。
そして、少なくとも亜鉛およびマンガンを含む電解前液または電解液、電解前液および電解液へ、次亜塩素酸を添加することで、当該次亜塩素酸を添加されたこれらの液中のマンガンを、マンガン化合物として粒子化できることを知見した。そして、電解前液または電解液、電解前液および電解液中における粒子化されたマンガン化合物を、適宜、これらの液から除去、または、沈降させることで、電解前液または電解液、電解前液および電解液中のマンガン濃度を容易に調整できることを知見し、本発明を完成した。
即ち、上述の課題を解決する第1の発明は、
亜鉛の電解採取に用いる、少なくとも亜鉛、遊離硫酸およびマンガンを含む、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液へ、亜塩素酸のみを添加してマンガン化合物を析出させることで、
前記次亜塩素酸が添加された、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液に含まれるマンガン量を低減させることを特徴とする亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法である。
第2の発明は、
第1の発明に記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法であって、前記次亜塩素酸の添加量を制御することで、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液に含まれるマンガンの溶解量を制御することを特徴とする亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法である。
第3の発明は、
第1または第2の発明に記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法であって、析出したマンガン化合物を、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液から除去することで、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液に含まれるマンガン量を低減することを特徴とする電解用の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法である。
第4の発明は、
前記次亜塩素酸の供給源として、次亜素酸ソーダ、次亜塩素酸カルシウムから選択される1種以上を用いることを特徴とする第1から第3の発明のいずれかに記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法である。
第5の発明は、
第1から第4のいずれかの発明に記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法を適用することで、含まれるマンガン量が低減された、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液を用いて、亜鉛の電解採取を行なうことを特徴とする亜鉛の電解採取方法である。
本発明により、亜鉛の電解採取に用いる電解前液または電解液、電解前液および電解液中におけるマンガン濃度が、容易かつ低コストで調整可能になり、高い生産効率をもって、良質な亜鉛の電解採取が可能となった。
以下、本発明を実施するための形態について、1.亜鉛の電解採取用の電解前液、電解液、2.次亜塩素酸の添加、3.マンガン化合物粒子の生成と、その除去、4.マンガン濃度が低減した電解液、の順で説明する。
1.亜鉛の電解採取用の電解前液、電解液
亜鉛製錬においては、亜鉛鉱石を原料として、硫酸により浸出し、亜鉛の他、マンガン等の他の金属を溶解した浸出液を得る。得られた浸出液からは、所定の操作により亜鉛以外の金属の大概が分離される。そこで亜鉛の電解採取前に、当該浸出液が電解採取に対応できるよう、さらに阻害金属等が除外されて浄化され電解前液となる。
当該亜鉛の電解採取用の電解前液は、硫酸を母液とするものであって多量の亜鉛を含有しており、遊離硫酸や硫酸、他の金属を含有している。当該他の金属としては、マンガンをはじめとして、コバルト、鉄、マグネシウム、ニッケル、ゲルマニウム、カドミニウムなどが含まれている場合がある。
尚、遊離硫酸は、電解採取中に70g/L以上含有されている場合がある。
また、当該電解前液の亜鉛濃度は、通常100g/L〜200g/Lである。
上述した電解前液が電解槽に投入され、亜鉛の電解採取が開始された時点以降のものが電解液である。
2.次亜塩素酸(ClO)の添加
次亜塩素酸は、電解前液または電解液、電解前液および電解液のいずれの段階にても添加することが出来る。
但し、後述する理由により電解前液に添加することが好ましい。
そこで、以下の説明においては、次亜塩素酸を電解前液に添加した場合を例として説明するが、電解液、電解前液および電解液へ、次亜塩素酸を添加する場合も同様である。
次亜塩素酸を添加する際の電解前液のpH値は3〜5程度であることが望ましい。
当該電解前液のpH値が3以上あれば、添加された次亜塩素酸の消費を削減することができる。一方、pH値が5以下あれば、次亜塩素酸添加時の沈殿物生成を抑制でき、亜鉛の電解採取用に適した電解前液を得られるからである。
添加する次亜塩素酸の形としては、次亜塩素酸ソーダ、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸のアルカリ金属塩や次亜塩素酸カルシウムの形が好ましい。他の形の塩でも使用可能であるが、次亜塩素酸のアルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウムの形のものを使用することで、電解液中に余分な沈殿物が発生することを回避できる。
次亜塩素酸を電解前液に添加する際は、当該次亜塩素酸を水等で希釈して溶液とすることで、電解前液に添加される塩素酸濃度調整の為の、次亜塩素酸添加量の管理が容易となる。
次亜塩素酸の電解前液ヘの添加量は、電解前液中のマンガン濃度をどの値に調整したいかによる。但し、次亜塩素酸の電解前液ヘの添加時において、電解前液の酸化還元電位(Eh値)が900mV以上(水素電極電位)になるまで添加するのが良い。電解前液の酸化還元電位が900mV以上になると、電解前液中のマンガン濃度が低減するからである。
次亜塩素酸を電解前液に添加する際には、電解前液を撹拌しながら添加する。電解前液を撹拌しながら次亜塩素酸を添加することで、電解前液の電位の急峻な変化を避けることができる。また、電解前液の液温は30〜70℃とすることが好ましい。電解前液の液温を、電解工程で用いる温度範囲と同様にしておくことで、電解工程での液温度調整操作を省略できるからである。
次亜塩素酸の電解前液ヘの添加後は、反応が熟成する時間として2〜10分間程以上の時間を設けることにより、添加剤の反応効率が向上され好ましい。
3.マンガン化合物粒子の生成と、その除去について
電解前液に次亜塩素酸を添加すると、マンガン化合物の粒子が形成され沈降する。この結果、電解前液中のマンガン濃度が低減する。
電解前液中のマンガン濃度は、次亜塩素酸の添加量に応じて調整可能であり、0g/Lとすることも可能である。しかし、通常は、亜鉛の電解採取を妨害しないマンガン濃度である1〜6g/L程度の範囲に調整するのが好ましい。亜鉛の電解採取の際、電解液中のマンガン濃度に好ましい濃度があるのは、当該マンガン濃度が、亜鉛の電解採取における電流効率、亜鉛の純度などへ影響を与えるためである。尚、亜鉛の電解採取の際におけるマンガン濃度の好適範囲は、各製錬所の設備能力、他の工程条件により設定される。
亜鉛の電解採取に用いられる電解槽の底部には、通常、電解スライム等を沈殿されるための相応の空間が設定されている。従って、本発明に係るマンガン化合物の粒子が発生した電解前液を、そのまま亜鉛の電解採取に用いられる電解槽に供給した場合、マンガン化合物は当該底部の空間に沈殿する。
この結果、本発明に係るマンガン化合物の粒子が発生した電解前液から、マンガン化合物の粒子を固液分離することなく、そのまま、亜鉛の電解採取を行なう電解槽へ供給することもできる。
但し、亜鉛の電解採取は長時間に渡って行われるため、一旦発生したマンガン化合物の粒子であっても、電解液中に残存していれば一部が再溶解する。従って、電解液中にマンガン化合物の粒子を残留させる構成を採る場合は、亜鉛の電解採取中に電解液中のマンガン濃度が若干増加すること考慮に入れて、電解前液ヘの次亜塩素酸添加量を規定することが好ましい。
一方、生成したマンガン化合物の粒子を電解前液から固液分離する構成を採ることも出来る。当該マンガン化合物の粒子を電解前液から除去する方法としては、ろ過、デカンテーションにより上澄み採取などの方法を採ることができる。尚、当該マンガン化合物の粒子は、固形であり、粒径は1mmから、それ以下である。
当該生成したマンガン化合物の粒子を電解前液から固液分離する構成を採る場合、電解前液から除去する量を制御することで、電解液中のマンガン濃度を制御する構成も採ることができる。
4.マンガン濃度が低減した電解前液
上述した次亜塩素酸の添加により、マンガン濃度が所定量に低減した電解前液は、亜鉛濃度の低下は抑制されながら、マンガン濃度が低減されたものである。従って、得られるマンガン濃度が所定量に低減した電解前液は、亜鉛の電解採取に最適である。一般的に、亜鉛の電解採取は、電解液に陰極と陽極とからなる1対の電極を設置し、通電することにより陰極に金属亜鉛を析出させることで実施される。この析出した金属亜鉛は、陰極から剥離することで分離でき、純度99.99質量%以上の金属亜鉛を得ることができる。
また、亜鉛の電解採取に際し、さらに電解液の液性調整のため、有機物等の薬剤が添加されることもある。そして、本発明の方法に係る電解液であっても、何らの問題なく薬剤添加が可能であり電解採取工程での調整ができる。
以上、説明したように、本発明に係る亜塩素酸の添加による電解前液におけるマンガン濃度の調整方法は、当該電解前液の液性への影響が少ない。さらに、本発明に係る亜塩素酸の添加により析出するマンガン化合物の粒子は、適宜に、反応槽に沈殿および/または分離除去すれば良い。従って、本発明は、電解工程前のタイミングにある電解前液に対して実施することが好ましい構成である。
この電解工程前のタイミングにおいて、本発明に係る亜鉛電解前液の処理方法を実施することは、亜鉛製錬工程の管理と制御を安定させるために望まれることである。
尤も、亜鉛の電解採取中または電解採取後の液であっても、本発明を同様に適用可能である。なぜなら、亜鉛の電解採取中または電解採取後の液であれば、既に液中の亜鉛濃度が低下しているため、それ以上に亜鉛濃度を低下させるおそれが少ないからである。さらに、電解採取後の液に本発明を適用することで、適用後の電解液を、その後の回における亜鉛の電解採取用の電解前液の好適な原料として使用することができる。
本発明に係る、電解前液への亜塩素酸の添加による副作用として、当該電解液中の塩素濃度が上昇することが挙げられる。当該塩素濃度の上昇を抑制したいと考えられる場合は、当該電解前液中へ銅化合物を添加して塩化銅(I)を生成させ、当該塩化銅(I)の形態で塩素を除去する方法等を挙げることができる。従って、電解前液中の塩素濃度が上昇する、という本発明に係る副作用の影響は回避できる。
以上、詳細に説明したように、亜鉛の電解採取方法において、本発明に係る亜鉛電解前液の処理方法を適用することで、当該電解前液に含まれるマンガン量が低減された亜鉛電解前液を用いて亜鉛の電解採取を行なうことが可能になり、高い純度の亜鉛を高い生産性をもって電解採取できる電解採取方法が実現した。
以下、実施例を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
亜鉛の電解採取に用いる電解前液(以下、電解前液)を用意して元液とした。
当該電解前液のEh値は520mV、pHは4.17であった。
当該電解前液の組成を表1に示す。尚、当該電解前液は、亜鉛の電解採取前のものである。
pH4.17、マンガン4.57g/L、亜鉛180g/L、塩素0.92g/L、ナトリウム1.91g/L、液温は60℃。尚、当該組成は、当該電解前液における液体成分のみを分析した値である。
電解前液の当該液体成分の分析はICP(発光分光分析装置)にて実施し、酸化還元電位は酸化還元電位計(ORP計;塩化銀・銀電極)を、pH値はpH計を電解液中に設置して測定した。尚、Eh値は、電解前液の液温が60℃のときORP計の表示値に181mVを補正加算した値である(電解前液の液温が20℃のときORP計の表示値に210mVを補正加算した値である。)。
この電解前液を1Lビーカーに200ml入れ、マグネチックスターラー機に設置して電解前液を撹拌し続けた、液温は60℃であり、大気圧下に置いた。
次亜塩素酸としては、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)を選択し、次亜塩素酸ソーダの20質量%溶液を使用した。
この次亜塩素酸ソーダ溶液2mLを前記ビーカー内の電解前液に添加し、10分間撹拌した。
このとき、実施例1に係る電解前液のEh値は987mV、pHは4.67であった。
ここで、電解前液を分取し、成分を分析した。その結果、マンガン4.56g/L、亜鉛180g/L、塩素0.92g/L、ナトリウム1.91g/Lであった。この結果を表1に示す。以下、他の、実施例も同様とする。
以上説明した、電解前液への次亜塩素酸ソーダ溶液の添加前後における、亜鉛濃度、マンガン濃度の比較より、本発明に係る亜鉛電解前液の処理方法によれば、電解前液中の亜鉛濃度が低下することなく、マンガン濃度を低減させることができた。
(実施例2)
実施例1において、次亜塩素酸ソーダ溶液を添加し添加塩素量が累計で2mLとなった電解前液を準備した。
準備された実施例1に係る電解前液へ、次亜塩素酸ソーダ溶液をさらに添加した。具体的には、次亜塩素酸ソーダ溶液の添加剤1回につき、1mLずつ添加するものとし、10分間間隔にて繰返し次亜塩素酸ソーダ溶液を添加し、累計で5mLとなるまで、次亜塩素酸ソーダ溶液を添加した。すなわち、実施例1の後に、次亜塩素酸ソーダ溶液として累計で3mLを添加した。反応中は撹拌を継続した。
尚、当該次亜塩素酸ソーダ溶液の添加により、電解前液のpH値が3以下とならないようにするため、当該電解前液のpH値調整用として、当該電解前液へ酸化亜鉛を投入した。酸化亜鉛の投入量は0.1g程度であった。
得られた実施例2に係る電解質のEh値は988mV、pH値は4.51であった。
次に、当該電解液の成分を分析した。その結果、マンガン4.00g/L、亜鉛180g/L、塩素2.26g/L、ナトリウム2.72g/Lであった。
電解前液中の亜鉛濃度が低下することなく、マンガン濃度を低減させることができた。
(実施例3)
実施例2と同様に、実施例1において、次亜塩素酸ソーダ溶液を添加し累計で2mLとなった電解前液を準備した。
当該実施例1に係る電解前液へ、実施例2と同様であるが、添加剤が累計7mLとなるまで、次亜塩素酸ソーダ溶液をさらに添加した。
尚、当該次亜塩素酸ソーダ溶液の添加により、電解前液のpH値が3以下とならないようにするため、当該電解前液のpH値調整用として、当該電解前液へ酸化亜鉛を投入した。酸化亜鉛の投入量は0.1g程度であった。
得られた実施例3に係る電解質Eh値は1012mV、pH値は4.34であった。
次に、当該電解前液の成分を分析した。その結果、マンガン3.64g/L、亜鉛180g/L、塩素2.94g/L、ナトリウム3.33g/Lであった。
亜鉛濃度を低下させることなく、マンガン濃度を低減することができた。
(実施例4)
実施例2と同様に、実施例1において、次亜塩素酸ソーダ溶液を添加し累計で2mLとなった電解前液を準備した。
当該実施例1に係る電解前液へ、実施例2と同様であるが、添加剤が累計8mLとなるまで、次亜塩素酸ソーダ溶液をさらに添加した。
尚、当該次亜塩素酸ソーダ溶液の添加により、電解液のpH値が3以下とならないようにするため、当該電解液のpH値調整用として、当該電解前液へ酸化亜鉛を投入した。酸化亜鉛の投入量は0.2g程度であった。
得られた実施例4に係る電解質Eh値は1020mV、pH値は4.25であった。
次に、当該電解前液の成分を分析した。その結果、マンガン3.38g/L、亜鉛180g/L、塩素3.42g/L、ナトリウム3.82g/Lであった。
亜鉛濃度が低下することなく、マンガン濃度を低減することができた。
(実施例5)
実施例2と同様に、実施例1において、次亜塩素酸ソーダ溶液を添加し累計で2mLなった電解前液を準備した。
当該実施例1に係る電解前液へ、実施例2と同様であるが、添加剤が累計10mLとなるまで、次亜塩素酸ソーダ溶液をさらに添加した。
尚、当該次亜塩素酸ソーダ溶液の添加により、電解前液のpH値が3以下とならないようにするため、当該電解前液のpH値調整用として、当該電解前液へ酸化亜鉛を投入した。酸化亜鉛の投入量は0.2g程度であった。
得られた実施例5に係る電解質Eh値は1040mV、pH値は4.2であった。
次に、当該電解液の成分を分析した。その結果、マンガン2.98g/L、亜鉛180g/L、塩素4.4g/L、ナトリウム4.48g/Lであった。
亜鉛濃度を低下させることなく、マンガン濃度を低減することができた。
(実施例1〜5のまとめ)
上述した実施例1〜5において、電解前液への次亜塩素酸ソーダ溶液の添加により、電解前液中の亜鉛濃度が低下させることなく、マンガン濃度を低減することができることが判明した。そして、次亜塩素酸ソーダ溶液の添加量により、電解液中のマンガン濃度を制御できることも判明した。
一方、生成したマンガン化合物は、電解槽の底部ヘの沈降が確認された。当該沈降したマンガン化合物は、ろ過等によって電解前液から分離可能な状態であった。そして、マンガン化合物が反応槽の底部に沈降していることから、マンガン濃度が低減(調整)された電解前液は、生成したマンガン化合物の当該電解前液から分離の有無に拘わらず、電解採取にそのまま用いることができるものであることが判明した。
(実施例6)
20質量%の次亜素酸ソーダ溶液を、10質量%の次亜塩素酸カルシウム溶液に代替して電解前液へ添加した以外は、実施例1から5と同様の操作、すなわち複数回に分け添加し、撹拌を10分程度行う試験を実施した。
具体的には、実施例1と同様の電解前液を200mL分取した。当該電解液のマンガン濃度は4.4g/L、pH4.3、Eh511mVであった。
当該電解液へ、次亜塩素酸カルシウムの10質量%溶液を、4回に分け、1.5,3.0,3.0,3.5mLと少量ずつ添加した。添加後電解液を10分間程度で撹拌した。総添加量は11mLであった。添加後の電解前液は、マンガン濃度2.0g/L、pH値は3.38、Eh値は889mVであった。亜鉛濃度の低下はなかった。この試験の途中で、添加量が累計4.5mLの2回目時は、マンガン濃度3.5g/L、pH値は3.0、Eh値は925mVであった。亜鉛濃度の低下はなかった。
次亜塩素酸カルシウムを用いても、亜鉛濃度を下させることなく、マンガン濃度を低下(調整)することが可能であることが判明した。
一方、生成されたマンガン化合物は、反応槽(ビーカー)の底部ヘの沈降が確認された。当該沈降したマンガン化合物は、ろ過等によって電解前液から分離可能な状態である。そして、マンガン化合物が反応槽の底部ヘ沈降していることから、電解前液に溶解しているマンガン濃度が低下(調整)された電解前液を、電解採取にそのまま用いることができるものであることが判明した。
Figure 0006068936

Claims (5)

  1. 亜鉛の電解採取に用いる少なくとも亜鉛、遊離硫酸およびマンガンを含む、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液へ、次亜塩素酸のみを添加してマンガン化合物を析出させることで、
    前記次亜塩素酸が添加された、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液に含まれるマンガン量を低減させることを特徴とする亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法。
  2. 請求項1に記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法であって、前記次亜塩素酸の添加量を制御することで、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液に含まれるマンガンの溶解量を制御することを特徴とする亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法であって、析出したマンガン化合物を、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液から除去することで、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液に含まれるマンガン量を低減することを特徴とする電解用の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法。
  4. 前記次亜塩素酸の供給源として、次亜素酸ソーダ、次亜塩素酸カルシウムから選択される1種以上を用いることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液の処理方法を適用することで、含まれるマンガン量が低減された、亜鉛電解前液および/または亜鉛電解液を用いて、亜鉛の電解採取を行なうことを特徴とする亜鉛の電解採取方法。
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